JP4609240B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
ところが、従来の2ロール方式の定着装置は、高速で連続して送られてくる多数枚の記録紙に対しては、充分な定着処理を行うことが困難であるという問題を有している。すなわち、2ロール方式の定着装置においては、定着ロールを構成する芯金や芯金に被覆されたシリコーンゴム等からなる弾性層等が熱的抵抗体として作用する。そのため、2ロール方式の定着装置では、記録紙が定着ロールの表面から奪う熱量に対応した熱量を、定着ロールの内部に配置したヒータから即応的に、かつ充分に供給することが構造的に難しい。
その結果、2ロール方式の定着装置に高速で連続して記録紙が送られると、定着ロールの表面温度が漸次低下し、次第に定着性能が低下するという不都合が生じる。また、画像形成装置の立ち上がり時において、定着ロールの表面温度が一時的に落ち込む所謂「温度ドループ現象」が発生し易くなる。特に、記録紙として熱容量の大きい厚紙等が使用される場合においては、定着ロールの表面から奪われる熱量が大きくなるので、定着性能の低下や温度ドループが大きくなり、定着不良に基づく画像品質の劣化を生じさせる結果となる。
このような定着ベルトを用いた定着装置では、ニップ部に進入する前に予め張架ロール内に配設されたヒータによって定着ベルトを充分に加熱しておき、ニップ部においては加熱された定着ベルトから記録紙およびトナー像に熱を加えることでトナー像を定着している。そのため、定着ベルトが定着処理の間に記録紙によって熱を奪われても、定着ベルト自体の熱容量が小さいことから、定着ベルトは張架ロール内のヒータにより短時間で所定の定着可能温度まで回復させることが可能である。それにより、加熱部材として定着ベルトを用いた定着装置では、ニップ部内に進入する際の定着ベルトの温度を所定値に維持することが容易となり、画像形成装置が高速化されても、ニップ部に充分な熱量を供給することが可能である。
また、他の目的は、画像形成装置の高速化を図った場合においても、高い定着性能を維持することができる定着装置を提供することにある。
加えて、剥離部材の下流側にて、ベルト部材の幅方向における経路差を補償する周長調整部材をさらに備えたことを特徴とすることができる。また、ニップ部の下流側にて、ニップ部を通過した記録材を案内する剥離案内部材をさらに備え、剥離案内部材は、長手方向中央部が両端部よりもニップ側に近接した形状で形成されたことを特徴とすることもできる。
また、剥離部材は、ニップ部内の下流側領域に配設されたことを特徴とすることができる。
また、剥離部材は、ベルト部材を介して加圧部材を押圧する押圧面と、定着ロール側とは反対側に位置し、定着ベルトの進行方向を屈曲するように変化させる形状に形成された剥離面とを備えたことを特徴とすることができる。特に、剥離部材は、長手方向中央部の剥離面の傾斜角が両端部よりも大きく形成されたことを特徴とすることができる。また、剥離部材は、押圧面の上流側端部が定着ロールと加圧部材とで画成されるくさび状領域内に配置されることを特徴とすることもできる。
さらに、定着ロールと加圧部材との圧接部と、加圧部材と剥離部材との圧接部との間の中間領域でのニップ圧Pnは、ベルト部材の絶対温度をTn、周辺環境の絶対温度をTo、大気圧をPoとして、Pn≧Po×(Tn/To−1)を満たすことを特徴とすることができる。
[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴って搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
図2は本実施の形態の定着装置60の概略構成を示す側断面図である。この定着装置60は、加熱部材の一例としての定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に対して圧接して配置された加圧部材の一例としての加圧ロール62とで主要部が構成されている。
定着ベルトモジュール61は、ベルト部材の一例としての定着ベルト610、定着ベルト610を張架しながら回転駆動する定着ロール611、内側から定着ベルト610を張架する張架ロール612、外側から定着ベルト610を張架する張架ロール613、定着ロール611と張架ロール612との間で定着ベルト610の姿勢を矯正する姿勢矯正ロール614、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接する領域であるニップ部N内の下流側領域であって定着ロール611の近傍位置に配置された剥離部材の一例としての剥離パッド64、ニップ部Nの下流側において定着ベルト610を張架する張架ロール615により主要部が構成されている。
また、定着ロール611の内部には、加熱源として定格900Wのハロゲンヒータ616aが配設され、定着ロール611の表面に接触するように配置された温度センサ617aの計測値に基づき、画像形成装置の制御部40(図1参照)が定着ロール611の表面温度を150℃に制御している。
また、張架ロール612の両端部には定着ベルト610を外側に押圧するバネ部材(不図示)が配設され、定着ベルト610全体の張力を15kgfに設定している。その際に、定着ベルト610の張力を幅方向に亘って均一にするとともに、定着ベルト610の軸方向の変位をできる限り小さく抑えるため、張架ロール612は、外径が端部よりも中央部のほうを100μmだけ大きくした所謂クラウン形状で形成されている。
張架ロール613の内部には、加熱源としての定格1000Wのハロゲンヒータ616cが配設されており、温度センサ617cと制御部40(図1参照)とによって、表面温度が190℃に制御されている。したがって、張架ロール613は、定着ベルト610を張架する機能とともに、定着ベルト610を外周面側から加熱する機能をも併せ持っている。したがって、本実施の形態では、定着ロール611と張架ロール612および張架ロール613とによって定着ベルト610が加熱される構成を採用している。
また、張架ロール615は、外径12mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円柱状ロールである。そして、剥離パッド64を通過した定着ベルト610が定着ロール611に向けて円滑に回動するように、剥離パッド64の定着ベルト610進行方向下流側近傍に配置されている。
図3は、ニップ部Nの近傍領域を表す概略断面図である。図3に示したように、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接されたニップ部Nには、定着ベルト610が定着ロール611に巻き付けられた(ラップされた)領域(ラップ領域)内において、加圧ロール62が定着ベルト610の外周面に圧接するように配置されることにより、ロールニップ部(第1ニップ部)N1が形成されている。
このように、本実施の形態の定着装置60では、ロールニップ部N1において定着ベルト610がラップされている側の定着ロール611は殆ど変形せず、円筒形状が維持されている。そのため、定着ベルト610は定着ロール611表面の円周面に沿って回動し、その回動半径に変動が生じることがないので、進行速度を一定に維持しながらロールニップ部N1を通過することができる。それにより、定着ベルト610がロールニップ部N1を通過する際にも、定着ベルト610にはシワや歪みが極めて発生し難い。その結果、定着画像に画像乱れが生じることが抑制され、良質の定着画像を安定的に提供することができる。なお、本実施の形態の定着装置60では、ロールニップ部N1は定着ベルト610の進行方向に沿って15mmの幅に設定されている。
図3に示したように、剥離パッドニップ部N2を形成する剥離パッド64は、断面が略円弧形状に形成され、ロールニップ部N1の下流側近傍にて定着ロール611の軸方向に沿って配置されている。そして、剥離パッドニップ部N2を通過した後の定着ベルト610は、剥離パッド64の側面に倣って回動する。それにより、定着ベルト610の進行方向は剥離パッド64によって張架ロール615方向に屈曲するように急激に変化する。そのため、ロールニップ部N1および剥離パッドニップ部N2を通過した用紙Pは、剥離パッドニップ部N2を出た時点で定着ベルト610の進行方向の変化に追随できなくなり、用紙Pは自身の所謂「コシ」によって定着ベルト610から剥離される。このようにして、剥離パッドニップ部N2の出口部において、用紙Pに対する曲率分離が安定的に行なわれる。なお、本実施の形態の定着装置60では、剥離パッドニップ部N2は定着ベルト610の進行方向に沿って2.5mmの幅に設定されている。
剥離パッド64は、上述したようにロールニップ部N1の下流側近傍に配設されている。それにより、ロールニップ部N1および剥離パッドニップ部N2からなるニップ部N内においては、ロールニップ部N1内でニップ圧がピークとなる位置(後段の図4および図5参照)から剥離パッドニップ部N2の最下流位置に至るまでの領域で、ニップ圧が所定値以下に落ち込んだ谷間の領域が発生することが抑制され、ニップ圧が連続的に単調減少するように設定することが可能となる。そのため、本実施の形態の定着装置60では、安定的な用紙分離を実現できると同時に、画像ムラ等といった画像不良のない高品質の定着画像を提供することが可能となる。まず、ロールニップ部N1の下流側近傍に配設された剥離パッド64により、ニップ圧が所定値以下に落ち込む谷間の領域が発生することが抑制され、ニップ部N内でニップ圧が連続的に単調減少するように設定される点について説明する。
しかし、かかる定着ベルトモジュール61を用いた定着装置60においても、用紙Pの表面にはトナー像が担持されているため、定着ベルト610の熱によってトナー像が溶融した際に、トナー像が接着剤となって用紙Pと定着ベルト610との間に付着力が働く。そのため、従来の定着装置と同様に、定着ベルト610表面から用紙Pを剥離する機構を設ける必要がある。特に画像形成装置の高速化を図った場合には、定着装置60において一旦剥離不良が生じて紙詰まり(ジャム)が生じると、その影響を受けて損傷する後続の用紙Pの枚数も多くなることから、ニップ部Nを高速で通過した用紙Pを定着ベルト610側から安定的に、かつ確実に剥離する必要がある。
そこで、本実施の形態の定着ベルトモジュール61では、ニップ部Nの下流部に定着ベルト610の進行方向を急激に変化させる部材、すなわち剥離パッド64を配設している。
ここで図4は、剥離パッド64をロールニップ部N1の下流側端部N1Eから所定の距離以上に離隔して配設した場合のニップ部N(ロールニップ部N1および剥離パッドニップ部N2)のニップ圧分布の概略を示した図である。図4に示したように、この場合には、剥離パッドニップ部N2において、ロールニップ部N1との境界領域N2Sにニップ圧Pnが所定値Pn1以下に落ち込んだ谷間の領域が形成されている。
しかし、剥離パッドニップ部N2内のロールニップ部N1との境界領域N2Sにおけるニップ圧Pnが所定値Pn1以下の低い状態に形成されていると、ロールニップ部N1で抑え込まれていた気泡が境界領域N2Sにおいては抑止できずに発生することとなる。そして、気泡が発生した状態で、用紙Pが剥離パッド64の配設されたニップ圧の高い領域N2Tに進入すると、境界領域N2Sにおいて発生した気泡がその高いニップ圧によって用紙Pの表面上を動き回ることとなる。そうすると、用紙P上のトナー像は、ロールニップ部N1を通過した直後であって、溶融したトナーが未だ完全に固化されていない状態にあるため、気泡が動き回ることによってトナー像が乱される現象が生じる。その結果、定着画像にムラ等の画像不良が発生するという事態が招来することとなる。
このように、境界領域N2Sのニップ圧Pnを所定のPn1よりも高く設定できるので、境界領域N2Sにおいて気泡の発生を抑止することができる。さらには、ロールニップ部N1内でニップ圧がピークとなる位置から剥離パッドニップ部N2の最下流位置に至るまで、ニップ圧を連続的に単調減少するように設定することにより、ロールニップ部N1において高いニップ圧により抑え込まれていた水蒸気や熱膨張しようとする空気は、剥離パッドニップ部N2を通過するまでの経路で徐々に開放されることとなり、上記したような気泡が動き回る現象の発生を抑制することが可能となる。そのため、未だ完全に固化されていない状態のトナー像が乱されることが殆ど無くなり、定着画像に画像ムラ等の画像不良が発生するのを抑制することができる。
Pn≧Po×(Tn/To−1) ……(1)
すなわち、上記した境界領域N2Sでのニップ圧Pnの所定値Pn1は、
Pn1=Po×(Tn/To−1)
となる。
なお、Tnは定着ベルト610の絶対温度、Toは定着ロール611から充分に離れた位置における空気の絶対温度(環境温度)、Poは大気圧である。
PV = nRT ……(2)
なお、Pは圧力、Vは体積、nはモル数、Rは気体定数、Tは絶対温度である。
したがって、次の(3)式および(4)式が導かれる。
(Po+Pn)×Vn = nRTn ……(3)
PoVo = nRTo ……(4)
なお、Vnは境界領域N2S内の気泡の体積、Voは大気圧下での気泡の体積である。 境界領域N2S内で気泡の発生を抑制するには、Vn≦Voなる条件を満たせばよい。そこで、(3)式および(4)式より、次の(5)式が導かれる。
Tn/(Po+Pn)≦To/Po ……(5)
さらに(5)式を変形すると、上記した式(1)が導かれる。
そして、剥離パッド64は、式(1)を満たすニップ圧Pnとなるような充分に狭い境界領域N2Sが形成されるように、ロールニップ部N1の下流側近傍位置に配設されることとなる。
図6は、剥離パッド64が配置された領域周辺を表す概略断面図である。図6に示したように、剥離パッド64には、主として、定着ロール611側に面する内側面64a、剥離パッドニップ部N2を通過した定着ベルト610の進行方向を急激に変化させる外側面64b、定着ベルト610を加圧ロール62に押圧する押圧面64cが形成されている。
剥離パッド64の内側面64aは、剥離パッド64を定着ロール611側に極力近接させて(例えば、剥離パッド64と定着ロール611とのギャップを0.5mm)配置するために、定着ロール611の周面に倣った湾曲面で形成されている。すなわち、図6に示した境界領域N2Sを極力狭く設定するためには、ロールニップ部N1(図3も参照)の下流側近傍であって、定着ロール611と加圧ロール62とで画成されたくさび状領域Qにおいて、剥離パッド64が加圧ロール62表面を押圧するように配置する必要がある。そのため、内側面64aの上流側端部(押圧面64cの上流側端部)64pをロールニップ部N1の下流側端部N1Eの近傍、すなわち上記したくさび状領域Q内の定着ロール611に近接した位置に設置できるように、内側面64aは定着ロール611の周面に倣った湾曲面に形成している。本実施の形態の剥離パッド64では、内側面64aは曲率半径33mmの略円周面で形成している。なお、内側面64aは、定着ロール611の周面に倣う湾曲面であれば、略円周面等の曲面に限らず、複数の平面を段階的に屈曲させて形成することも可能である。
また、内側面64aの上流側端部64pをくさび状領域Q内の定着ロール611に近接した位置に設置できるようにするとともに、上流側端部64p部分の強度および剛性を確保するために、内側面64aと押圧面64cとのなす角度θ1は、20〜50°に設定するのが好適である。
また、上述したように、上流側端部64pは、境界領域N2Sの幅を極力狭くするために、定着ロール611に近接した位置に配置されるが、その際に、上流側端部64pを定着ロール611と当接するように配置することも可能である。このように設定すれば、境界領域N2Sの幅を極めて狭くすることができる。さらには、押圧面64cは、上流側端部64pが定着ロール611からの押圧力も同時に受けることができるので、境界領域N2Sにおいて充分なニップ圧を形成することが可能となる。
なお、押圧面64cは、定着ベルト610と摺擦するので、定着ベルト610の進行をスムーズに行なうため、その表面に、摩擦係数が小さく、かつ耐摩耗性に優れた例えばテフロン(登録商標)等を被覆した構成とすることが好ましい。
外側面64bは、張架ロール615および定着ロール611と協働して定着ベルト610を導き、その進行方向を急激に変化させることで、定着ベルト610から用紙Pを剥離する面である。そのため、用紙Pを定着ベルト610から安定的に剥離できるように、外側面64bの上流側端部領域(定着ベルト610が加圧ロール62から離隔する領域)Rにおいて、加圧ロール62の接線と外側面64bの接線とのなす角θ2(図6参照)が40°以上となるように設定されている。また、急激に屈曲している上流側端部領域Rにおいて定着ベルト610を円滑に移動することができるように、上流側端部領域Rでは外側面64bは曲面で形成されている。
さらに、外側面64bは、定着ベルト610が加圧ロール62から離隔した後、円滑に張架ロール615および定着ロール611の方向に進行するように、張架ロール615に向けて傾斜した平面で形成されている。この場合に、外側面64bは外側(定着ベルト610側)に向けて湾曲した曲面で形成することもできる。なお、外側面64bも押圧面64cと同様に、定着ベルト610と摺擦するので、定着ベルト610の進行をスムーズに行なうため、その表面に、摩擦係数が小さく、かつ耐摩耗性に優れた例えばテフロン(登録商標)等を被覆した構成とすることが好ましい。
図7は、剥離パッド64の形状を説明する図であり、(a)は剥離パッド64の断面構成図であり、(b)は剥離パッド64を押圧面64c側(加圧ロール62側)から見た底面図である。図7(a)では、長手方向中央部の外側面64bCを実線で示し、長手方向両端部の外側面64bEを破線で示している。また、図7(b)では、定着ベルト610の進行方向は図の下方から上方に向けた方向である(矢印D)。
図7に示したように、本実施の形態の剥離パッド64では、長手方向中央部の外側面64bCが加圧ロール62の表面から離隔するエッジ(中央部離隔エッジ)64qCが、長手方向両端部の外側面64bEが加圧ロール62の表面から離隔するエッジ(端部離隔エッジ)64qEよりも、定着ベルト610の移動方向(加圧ロール62の移動方向でもある。)上流側に位置するように形成されている。このように構成することで、外側面64bに沿って移動する定着ベルト610は、剥離パッドニップ部N2を通過した直後に、まず、長手方向中央部(中央部離隔エッジ64qC)で最も早く加圧ロール62の表面から離れる。そして、その後順次、長手方向両端部(端部離隔エッジ64qE)側に向かって加圧ロール62から離れていく。そのため、このような定着ベルト610の剥離位置の推移に伴い、定着ベルト610に付着している用紙Pも、まず中央部離隔エッジ64qCで定着ベルト610から剥離され、その後、端部離隔エッジ64qEに向かって順次剥離されていくこととなる。
そのため、用紙P先端部を幅方向全域にて同時に定着ベルト610から剥離する場合とは異なり、本実施の形態の定着装置60では、まず幅方向中央部という用紙P先端部の一部分のみを剥離させればよいので、通常の曲率分離により確実に剥離することができる。そして、用紙P先端部の一部分が剥離されれば、用紙Pの移動に伴って、剥離された部分と剥離されていない部分との境界に順次剥離力を集中させながら、剥離位置を両端部方向に推移させていくことができる。それにより、その後の剥離も通常の曲率分離により容易に行うことができる。このように、本実施の形態の剥離パッド64を用いれば、用紙Pと定着ベルト610との付着力を時間的に分散することができるので、通常の曲率分離により剥離を円滑かつ安定的に行うことが可能となる。その結果、剥離領域Rでの剥離性能を向上させることが可能となり、画像形成装置の高速化を図った場合にも、ベタ画像が形成された「コシ」の弱い薄紙に対してであっても、安定して用紙分離を実現することができる。
これに対し、端部離隔エッジ64qEは、テンションを持った定着ベルト610に集中した圧力が印可されないように、直線プロファイルで形成するのが好ましい。
このように、剥離パッド64の長手方向で外側面64bの傾斜角を異なるように形成しているのは、次の理由によるものである。すなわち、中央部離隔エッジ64qCが端部離隔エッジ64qEよりも定着ベルト610の移動方向上流に位置して設定されていることで、ニップ部Nを通過した後の定着ベルト610は、中央部よりも両端部でのほうが外周面側に遠回りして移動する。それにより、定着ベルト610のテンションは両端部ほど高くなる。そこで、外側面64bの傾斜角を両端部ほど急峻に設定することで、定着ベルト610の端部側でのテンションの高まりを極力抑える必要があるからである。
そのため、境界領域N2Sにおいて所定のニップ圧Pnを設定することで、境界領域N2Sでの気泡の発生を抑止することができる。さらに、ニップ圧を連続的に単調減少するように設定することにより、ロールニップ部N1において高いニップ圧により抑え込まれていた水蒸気や熱膨張しようとする空気を、剥離パッドニップ部N2を通過するまでの経路で徐々に開放することが可能となる。それにより、水蒸気や熱膨張した空気が気泡となってニップ内で動き回る現象の発生を抑制することができるため、未だ完全に固化されていない状態のトナー像が乱されることが殆ど無くなり、定着画像に画像ムラ等の画像ディフェクトの発生を抑制することが可能となる。
加えて、剥離パッド64は、長手方向中央部から両端部に向けて用紙Pを順次剥離するように構成されている。それにより、用紙P先端部の定着ベルト610からの剥離に「時間的なずれ」を生じさせることができるので、用紙P先端部での用紙Pと定着ベルト610との付着力を時間的に分散することが可能となる。その結果、剥離領域Rでの剥離性能を向上させることが可能となり、画像形成装置の高速化を図った場合にも、ベタ画像が形成された「コシ」の弱い薄紙に対しても、安定して用紙分離を行うことができる。
なお、比較例として、剥離パッド64を配設しない構成、すなわちニップ部Nがロールニップ部N1だけで構成された従来の定着装置を用い、同様の評価試験を行った。
画像形成装置の二次転写部20(図1参照)において未定着トナー像が静電転写された用紙Pは、搬送ベルト55および定着入口ガイド56により、定着装置60のニップ部Nに向けて(図2参照:矢印F方向)搬送されてくる。そして、ニップ部Nを通過する用紙P表面の未定着トナー像は、主としてロールニップ部N1に作用する圧力と熱とにより用紙Pに定着される。
その結果、本実施の形態の定着装置60においては、連続通紙時においても定着温度を略一定に維持することが可能となる。また、高速定着動作の開始時に定着温度が落ち込む温度ドループ現象の発生を抑制することが可能となる。特に、熱容量の大きな厚紙等に対する定着においても、定着温度の維持および温度ドループの発生を抑制することができる。さらには、紙種に対応させて定着温度を途中で切り替える(定着温度のアップおよびダウンの双方を含む。)必要がある場合にも、定着ベルト610は熱容量が小さいので、ハロゲンヒータ616a、さらにはハロゲンヒータ616b、ハロゲンヒータ616cの出力調整により、所望の温度への切り替えを容易、かつ速やかに行うことも可能となる。
そのため、ロールニップ部N1において定着ロール611の曲率のもとで加熱加圧された用紙Pは、剥離パッドニップ部N2において加圧ロール62による相反する方向に向いた曲率に進行方向が変化させられる。その際に、用紙P上のトナー像と定着ベルト610表面との間で微小なマイクロスリップが生じる。それによって、トナー像と定着ベルト610との付着力が弱められ、用紙Pは定着ベルト610から剥離され易い状態が形成される。このように、剥離パッドニップ部N2は、最終の剥離工程で確実に剥離が行なわれるための準備工程にも位置付けられる。
その際に、上述したように、剥離パッド64は、長手方向中央部から両端部に向けて用紙Pを順次剥離するように構成されている。それにより、用紙P先端部の定着ベルト610からの剥離に「時間的なずれ」を生じさせることができるので、用紙P先端部での用紙Pと定着ベルト610との付着力を時間的に分散することが可能となる。そのため、剥離領域Rでの剥離性能を向上させることが可能となり、用紙Pは剥離パッドニップ部N2を出た時点で定着ベルト610から安定的に曲率分離される。
剥離案内板83により案内された用紙Pは、その後、排紙ガイド65および排紙ロール66によって機外に排出されて(図2参照)、定着処理が完了する。
このように、本実施の形態の定着装置60では、境界領域N2Sでの気泡の発生を抑止するとともに、ニップ圧を連続的に単調減少するように設定することにより、ロールニップ部N1において高いニップ圧により押さえ込まれていた水蒸気や熱膨張しようとする空気を、剥離パッドニップ部N2を通過するまでの経路において徐々に開放することが可能となり、水蒸気や熱膨張した空気が気泡となってニップ内で動き回る現象の発生を抑制することができる。そのため、未だ完全に固化されていない状態のトナー像が乱されることが殆ど無くなり、定着画像に画像ムラ等の画像ディフェクトの発生を抑制することが可能となる。
加えて、剥離パッド64は、長手方向中央部から両端部に向けて用紙Pを順次剥離するように構成されている。それにより、用紙P先端部の定着ベルト610からの剥離に「時間的なずれ」を生じさせることができるので、用紙P先端部での用紙Pと定着ベルト610との付着力を時間的に分散することが可能となる。その結果、剥離領域Rでの剥離性能を向上させることが可能となり、画像形成装置の高速化を図った場合にも、ベタ画像が形成された「コシ」の弱い薄紙に対しても、安定して用紙分離を行うことができる。
実施の形態1では、剥離パッド64の外側面64bを、中央部離隔エッジ64qCが端部離隔エッジ64qEよりも定着ベルト610の移動方向上流側に位置するように形成することで、用紙Pを幅方向中央部から両端部に向けて順次剥離する構成について説明した。実施の形態2では、長手方向中央部の外側面64bCの傾斜角θ2Cを両端部の外側面64bEの傾斜角θ2Eよりも大きく形成することで、用紙Pを順次剥離する構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図9に示したように、本実施の形態の剥離パッド64では、定着ベルト610が加圧ロール62から離隔する領域(剥離領域)Rにおいて、長手方向中央部の外側面64bCの傾斜角θ2Cが両端部の外側面64bEの傾斜角θ2Eよりも大きく形成されている。すなわち、θ2C>θ2Eとなるように形成されている。
一方、長手方向中央部の外側面64bCが加圧ロール62の表面から離隔するエッジ(中央部離隔エッジ)64qCと、長手方向両端部の外側面64bEが加圧ロール62の表面から離隔するエッジ(端部離隔エッジ)64qEとは、定着ベルト610の移動方向同位置に設定されている。
本実施の形態の剥離パッド64のように、外側面64bの傾斜角θ2を異なるように形成することで、剥離パッドニップ部N2を通過した後の定着ベルト610が、剥離パッド64の長手方向の中央部と両端部とにおいて異なる軌跡(屈曲形状)を描いて移動するように設定することもできる。それにより、実施の形態1の剥離パッド64を用いた場合と同様に、用紙P先端部の定着ベルト610からの剥離に「時間的なずれ」を生じさせることができるので、用紙P先端部での用紙Pと定着ベルト610との付着力を時間的に分散することが可能となる。そのため、剥離領域Rでの剥離性能を向上させることが可能となり、用紙Pは剥離パッドニップ部N2を出た時点で定着ベルト610から安定的に曲率分離される。
このように周長調整ロール67を配置することにより、剥離パッド64を通過した際に定着ベルト610の幅方向に生じた経路長差は、周長調整ロール67の外径差により補償されるので、定着ベルト610のテンションを幅方向に均一化することができる。その結果、定着ベルト610に歪みやシワが生じることを抑止し、画像品質に悪影響が生じるのを抑えることが可能となる。
実施の形態1では、画像形成装置に搭載される定着装置60において、定着ベルトモジュール61に対して圧接して配置される加圧部材として、加圧ロール62を用いた構成について説明した。実施の形態3では、加圧部材として複数のロールにより加圧ベルト700が張架された加圧ベルトモジュール70を用いた構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態に係る定着装置90では、加圧ベルト700の内側に圧力パッド704が加圧ベルト700を介して定着ロール611側に向けて付勢された状態で配置され、加圧ベルト700を定着ロール611のラップ領域に押圧している。また、ベルトニップ部N3の最下流部では、加圧ロール701が、加圧手段としての圧縮コイルスプリング(不図示)によって、加圧ベルト700および定着ベルト610を介して定着ロール611の中心軸に向けて付勢されており、定着ロール611および定着ベルト610の当接部に局所的な高圧を生じさせている。
そのため、ベルトニップ部N3を幅広く形成することができるので、用紙P上のトナー像に対するさらなる安定した定着性能を実現することが可能となる。また、加圧ロール701による局所的な高圧によって溶融したトナー像に効率的に圧力を加えるので、高い定着性を保持するとともに、トナー像表面を平滑にしてカラー画像に良好な画像光沢を付与することができる。
なお、加圧ロール701、インレットロール702および張架ロール703のいずれかのロールには、加圧ベルト700のベルトエッジ位置を検知するベルトエッジ位置検知機構と、ベルトエッジ位置検知機構の検知結果に応じて加圧ベルト700の軸方向における当接位置を変位させる軸変位機構とを配設し、加圧ベルト700の蛇行(ベルトウォーク)を制御するように構成することも可能である。
圧力パッド704の弾性体部材としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性の高い弾性体や、板バネ等を用いることができる。弾性体部材上に形成された低摩擦層は、加圧ベルト700内周面と圧力パッド704との摺動抵抗を小さくするために設けられ、摩擦係数が小さく、耐摩耗性のある材質であることが望ましい。具体的には、テフロン(登録商標)を含浸させたガラス繊維シート、フッ素樹脂シート、フッ素樹脂塗膜等を用いることができる。
このように、本実施の形態の定着装置90でも、境界領域N2Sでの気泡の発生を抑止するとともに、ニップ圧を連続的に単調減少するように設定することにより、ベルトニップ部N3において高いニップ圧により押さえ込まれていた水蒸気や熱膨張しようとする空気を、剥離パッドニップ部N2を通過するまでの経路において徐々に開放することが可能となり、水蒸気や熱膨張した空気が気泡となってニップ内で動き回る現象の発生を抑制することができる。そのため、未だ完全に固化されていない状態のトナー像が乱されることが殆ど無くなり、定着画像に画像ムラ等の画像ディフェクトの発生を抑制することが可能となる。
加えて、剥離パッド64は、長手方向中央部から両端部に向けて用紙Pを順次剥離するように構成されている。それにより、用紙P先端部の定着ベルト610からの剥離に「時間的なずれ」を生じさせることができるので、用紙P先端部での用紙Pと定着ベルト610との付着力を時間的に分散することが可能となる。その結果、剥離領域Rでの剥離性能を向上させることが可能となり、画像形成装置の高速化を図った場合にも、ベタ画像が形成された「コシ」の弱い薄紙に対しても、安定して用紙分離を行うことができる。
実施の形態1では、画像形成装置に搭載される定着装置60において、加熱部材としての定着ベルトモジュール61に対して、加圧部材として加圧ロール62を圧接して配置した構成について説明した。実施の形態4では、加熱部材として、両端部で支持されて回動するとともに、内部から発熱源が押圧された定着ベルトを用い、定着ベルトに対して加圧部材としての加圧ロールが圧接された構成の定着装置について説明する。尚、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
また、定着ベルト92は、内部に配置されたセラミックヒータ96と、上流側ベルトガイド部材93aおよび下流側ベルトガイド部材93b、さらには定着ベルト92の両端部に配置されたエッジガイド部材(不図示)によって回動自在に支持されている。そして、定着ベルト92は、ニップ部Nにおいて加圧ロール91に対して圧接されるように配置され、加圧ロール91に従動して回動する。その際に、定着ベルト92は、幅方向両端部のエッジガイド部材によって定着ベルト92の幅方向への移動(ベルトウォーク)が制限され、定着ベルト92に片寄りが生じるのが抑制されている。
なお、セラミックヒータ96、上流側ベルトガイド部材93a、下流側ベルトガイド部材93bおよびエッジガイド部材は、ともに定着ベルト92に配置された支持ホルダ95に支持されている。また、支持ホルダ95には、定着ベルト92の内周面にアミノ変性シリコーンオイル等の潤滑剤を塗布するオイル塗布パッド97も設置されている。
さらに、定着ベルト92内周面とセラミックヒータ96との間には、定着ベルト92の内周面とセラミックヒータ96との摺動抵抗を小さくするため、摺擦部材の一例としての低摩擦シート98が配設されている。この低摩擦シート98は、セラミックヒータ96と別体に構成しても、セラミックヒータ96と一体的に構成しても、いずれでもよい。
また、ニップ部Nの下流側には、定着ベルト92の進行方向を急激に屈曲させ、その曲率を大きく変化させる剥離部材としての剥離パッド64が配設されている。
ここで、本実施の形態の剥離パッド64は、実施の形態1とほぼ同様に形成されており、剥離パッド64には、ニップ部Nを通過した定着ベルト92の進行方向を急激に変化させる外側面64bと、ニップ部Nを通過した直後の定着ベルト92を内周面側から支持する支持面64dとが形成されている。そして、剥離パッド64は、外側面64bが定着ベルト92を用紙Pの移動方向(矢印K)に向けて押圧するように設定されている。そのため、ニップ部Nを通過した後の定着ベルト92は、剥離パッド64の外側面64bに沿って移動し、剥離パッド64の外側面64bと支持面64dとの境界の稜線64eで定着ベルト92の曲率が急激に変化する。
また、剥離パッド64の稜線64eを上記した曲線プロファイルで形成する構成のほか、実施の形態2と同様に、剥離パッド64の稜線64eを直線プロファイルで形成するとともに、剥離パッド64の外側面64bの長手方向中央部の傾斜角を両端部の傾斜角よりも大きく形成することもできる。
このように、剥離パッド64と剥離案内板80とを組み合わせることにより、コシがない薄紙コート紙、特に湿度の高い環境下で吸湿したものに対する剥離性能をさらに高めることができる。
Claims (17)
- 記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、
回動可能なベルト部材と、
前記ベルト部材に圧接するように配置され、当該ベルト部材との間で記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材と、
前記ベルト部材を屈曲させるように配設された剥離部材とを備え、
前記剥離部材は、当該剥離部材を通過する領域での前記ベルト部材が幅方向中央部と両端部とで異なる屈曲形状を描きながら移動するように形成されたことを特徴とする定着装置。 - 前記剥離部材は、前記ベルト部材の幅方向中央部が両端部よりも当該ベルト部材移動方向上流側で屈曲するように形成されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記剥離部材は、前記ベルト部材の幅方向中央部が両端部よりも大きな角度で屈曲するように形成されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記剥離部材の下流側にて、前記ベルト部材の幅方向における経路差を補償する周長調整部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記ニップ部の下流側にて、当該ニップ部を通過した記録材を案内する剥離案内部材をさらに備え、前記剥離案内部材は、長手方向中央部が両端部よりも前記ニップ側に近接した形状で形成されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記剥離部材は、前記ニップ部内の下流側領域に配設されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、
回動可能な定着ロールと、
前記定着ロールに張架されるベルト部材と、
前記ベルト部材を張架する張架ロールと、
前記定着ロールを押圧するように配置され、当該定着ロールに張架された前記ベルト部材との間で記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材と、
前記定着ロールと前記加圧部材との圧接部の下流側近傍にて、前記ベルト部材の外表面を前記加圧部材に押圧する剥離部材とを備え、
前記剥離部材は、前記ベルト部材が当該剥離部材を通過する領域にて、前記ニップ部を通過した記録材が当該ベルト部材の幅方向中央部と両端部とで時間差をもって当該ベルト部材から剥離されるように形成されたことを特徴とする定着装置。 - 前記剥離部材は、断面が略円弧状に形成されたブロック部材で構成されたことを特徴とする請求項7記載の定着装置。
- 前記剥離部材は、前記ベルト部材の幅方向中央部が両端部よりも当該ベルト部材移動方向上流側で前記加圧部材から離隔するように形成されたことを特徴とする請求項7記載の定着装置。
- 前記剥離部材は、前記ベルト部材を介して前記加圧部材を押圧する押圧面と、前記定着ロール側とは反対側に位置し、当該定着ベルトの進行方向を屈曲するように変化させる形状に形成された剥離面とを備えたことを特徴とする請求項7記載の定着装置。
- 前記剥離部材は、長手方向中央部の前記剥離面の傾斜角が両端部よりも大きく形成されたことを特徴とする請求項10記載の定着装置。
- 前記剥離部材は、前記押圧面の上流側端部が前記定着ロールと前記加圧部材とで画成されるくさび状領域内に配置されることを特徴とする請求項10記載の定着装置。
- 前記定着ロールと前記加圧部材との圧接部と、前記加圧部材と前記剥離部材との圧接部との間の中間領域でのニップ圧Pnは、前記ベルト部材の絶対温度をTn、周辺環境の絶対温度をTo、大気圧をPoとして、
Pn≧Po×(Tn/To−1)
を満たすことを特徴とする請求項7記載の定着装置。 - トナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを含み、
前記定着手段は、
回動可能な定着ロールと、
前記定着ロールに張架されるベルト部材と、
前記ベルト部材を張架する張架ロールと、
前記定着ロールを押圧するように配置され、当該定着ロールに張架された前記ベルト部材との間で記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材と、
前記定着ロールと前記加圧部材との圧接部の下流側近傍にて、前記ベルト部材の外表面を前記加圧部材に押圧する剥離部材とを備え、
前記剥離部材は、前記ベルト部材が当該剥離部材を通過する領域にて、前記ニップ部を通過した記録材が当該ベルト部材の幅方向中央部と両端部とで時間差をもって当該ベルト部材から剥離されるように形成されたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記定着手段は、前記定着ロールと前記加圧部材との圧接部の最下流部から当該加圧部材と前記剥離部材との圧接部の最下流部に至る領域のニップ圧が、前記ベルト部材の進行方向に向けて単調減少するように設定されたことを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。
- 前記定着手段の前記加圧部材は、ロール部材で形成されたことを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。
- 前記定着手段の前記加圧部材は、複数の張架ロールによってベルト部材が張架された加圧ベルトモジュールで形成されたことを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。
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