JP5040183B2 - 画像形成装置および定着装置 - Google Patents

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本発明は、搬送される記録材に画像を形成する画像形成装置、定着装置等に関する。
搬送される記録材に画像を形成する画像形成装置としては、従来から多くの提案がなされている。
公報記載の従来技術として、円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆された加熱定着ローラと、エンドレスベルトと、エンドレスベルト内側に配置された圧力部材と、を具備した定着装置であって、エンドレスベルトを加熱定着ローラに所定角度巻き付けて、エンドレスベルトと加熱定着ローラとの間に記録シートが通過させられるニップ部を形成し、該ニップ部において、圧力部材をエンドレスベルトを介して加熱定着ローラに押圧させることにより、加熱定着ローラの耐熱性弾性体層に歪みを生じさせることを特徴とする定着装置、およびそれを用いた画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆された加熱定着ローラと、エンドレスベルトと、エンドレスベルト内側に配置された圧力部材と、を具備した定着装置であって、エンドレスベルトを加熱定着ローラに所定角度巻き付けて、エンドレスベルトと加熱定着ローラとの間に記録シートが通過させられるニップ部を形成し、該ニップ部におけるニップ圧力が該ニップ部の出口付近において大きくなるように、圧力部材をエンドレスベルトを介して加熱定着ローラに押圧させることにより、前記加熱定着ローラの耐熱性弾性体層に歪みを生じさせることを特徴とする定着装置が提案されている(特許文献2参照)。
特開平11−133776号公報 特開2001−356625号公報
本発明は、例えば、高い離型性・記録材剥離性・優れた画質を得ながら、例えば、定着ロール上の離型層のシワ発生、摩擦による摩耗、劣化や、例えばエンドレスベルト表面の磨耗といった問題に対して良好な、信頼性の高い装置、及びそれを用いた定着装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
かかる目的に鑑み、本発明の画像形成装置は、静電潜像保持体と、静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、静電潜像保持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、静電潜像をトナーにより現像してトナー像とする現像手段と、トナー像を記録材上に転写する転写手段と、記録材上に転写されたトナー像を記録材上に定着する定着手段とを備え、定着手段は、定着用回転体と、定着用回転体に対向して接するエンドレスベルトと、エンドレスベルトを定着用回転体へ向けて押圧し、外表面形状を押し当てて定着用回転体とエンドレスベルトとの間に接触部を形成する押圧部材と、押圧部材の位置を移動する移動手段とを備え、押圧部材の外表面形状は複数の異なる曲率を有し、移動手段は、押圧部材の接触部に対する位置を調整可能に構成されていることを特徴としている。
また、本発明を定着装置と捉え、本発明の定着装置は、搬送される記録材を加熱する加熱部材と、加熱部材に対向して接するエンドレスベルトと、エンドレスベルトを加熱部材へ向けて押圧し、外表面形状を押し当てて加熱部材とエンドレスベルトとの間に接触部を形成する押圧部材とを備え、押圧部材は、記録材搬送の上流側に設けられた第1の圧力部材と、記録材搬送の下流側に設けられた第2の圧力部材とを有すると共に、第2の圧力部材の外表面形状は複数の異なる曲率を有し、第2の圧力部材の接触部に対する位置が移動することにより、記録材の接触部からの排出方向の調節が可能であることを特徴としている。
更に、本発明を、定着装置や画像形成装置に好ましく適用可能な装置と捉え、本発明の装置は、回転体と、回転体に対向して接するエンドレスベルトと、エンドレスベルトを回転体へ向けて押圧し、外表面形状を押し当てて回転体とエンドレスベルトとの間に接触部を形成する押圧部材とを備え、押圧部材の外表面形状は複数の異なる曲率を有し、押圧部材の接触部に対する位置が移動可能であることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、定着後の記録材の剥離性に優れる定着装置を提供することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、定着後の記録材の剥離性により優れる定着装置を提供することができる。
更に、請求項3に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、定着後の記録材の剥離性により優れる定着装置を提供することができる。
更にまた、請求項4に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、定着後の記録材の剥離性に優れる画像形成装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照し、本実施の形態について詳細に説明する。
なお、以下では、未定着トナーと接する側に、加熱部材としての加熱定着ローラを配し、加圧部材としてエンドレスベルトと圧力部材とを配した構成で説明する。しかし、加熱部材は、外部から加熱する所謂外部加熱手段であってもよい。また、加熱手段は、エンドレスベルト側にあっても良い。更に、エンドレスベルト表面を記録材上のトナーに対面させ、定着用回転体は、加圧ロールとして使用することも可能である。なお、以降の記述においては、「加熱定着ローラ」を単に「定着ローラ」と記す。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置100を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置100は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10とを有している。また、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録用紙)である記録材Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を記録材P上に定着させる定着装置60とを備えている。更に、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
本実施の形態において、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、矢印A方向に回転する静電潜像保持体としての感光体ドラム11の周囲に、電子写真用デバイスが順次配設されている。即ち、感光体ドラム11を帯電する帯電器12と、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す。)とが配設されている。また、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14と、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16と、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17とが配設されている。
これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂をベース層としてカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。そして、各種ロールによって図1に示すB方向に所定の速度で循環駆動されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を循環させる駆動ロール31と、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32とを有している。また、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33と、二次転写部20に設けられるバックアップロール25と、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34とを有している。
一次転写部10は、感光ドラム11と、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とによって構成される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極を構成し、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接するように配置されている。そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される記録材P上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
さらに、本実施の形態の画像形成装置100では、記録材搬送系として、記録材Pを収容する記録材トレイ50、この記録材トレイ50に集積された記録材Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51により繰り出された記録材Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された記録材Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される記録材Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、記録材Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置100の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置(IPS)により所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。IPSでは、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが接する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、記録材搬送系では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、記録材トレイ50から所定サイズの記録材Pが供給される。ピックアップロール51により供給された記録材Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、記録材Pは一旦停止され、トナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、記録材Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された記録材Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写部20において、記録材P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された記録材Pは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態で搬送され、二次転写ロール22の記録材搬送方向の下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、記録材Pを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された記録材P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力で定着処理を受けることで記録材P上に定着される。そして定着画像が形成された記録材Pは、画像形成装置100の排出部に設けられた排紙載置部(不図示)に搬送される。
一方、記録材Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の循環に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
次に、本実施の形態の画像形成装置100に用いられる定着装置60について説明する。
図2、図3は夫々、本実施の形態が適用される定着装置60の第一の状態と第二の状態を示した概略構成図である。
定着装置60は、搬送される記録材Pを加熱する加熱部材としての定着ロール61(定着用回転体の一例である)と、定着ロール61に対向して接するエンドレスベルト62とを備えている。また、定着装置60は、エンドレスベルト62を定着ロール61へ向けて押圧し、外表面形状を押し当てて定着ロール61とエンドレスベルト62との間に接触部Nを形成する押圧部材63を備えている。これら定着ロール61、エンドレスベルト62、及び押圧部材63により、定着装置60の主要部が構成されている。なお、押圧部材63は、記録材搬送方向の上流側に設けられた第1の圧力部材631と、記録材搬送方向の下流側に設けられた第2の圧力部材632とを備えている。
また、図2、図3においては、剥離の補助手段として、接触部Nの下流側に、剥離部材70が設置されている。剥離部材70は、定着ロール61の回転方向Cと対向する向き(カウンタ方向)に、定着ロール61と近接する状態で配置される剥離バッフル71と、剥離バッフル71を保持するホルダ72とで構成されている。
定着ロール61は、金属製のコア(円筒状芯金)611の周囲に耐熱性弾性体層612、および離型層613を積層して構成されたものである。また、定着ロール61の内部には、発熱源としてのハロゲンヒータ614が配設されている。一方、定着ロール61の表面には温度センサ69が接触して配置されている。画像形成装置100の制御部40は、この温度センサ69による温度計測値に基づいてハロゲンヒータ614の点灯を制御し、定着ロール61の表面温度が所定の設定温度(例えば、150℃)を維持するように調整している。
ここでコア(基材)611を構成する素材としては、例えば、鉄、アルミニウム、SUS等の熱伝導率の高い金属が挙げられる。また、コア611の外径および肉厚としては、本実施の形態の構成を有しない場合に比べて比較的小径化、薄肉化を図ることができる。コア611の外径としては、通常、20mm〜40mmである。また、肉厚としては、その材料によっても異なるが、アルミニウムを用いた場合では、通常1mm〜3mmであり、SUSや鉄を用いた場合には、通常0.5mm〜1.5mm程度である。
耐熱性弾性体層612を構成する素材としては、耐熱性の高い弾性体を好適に用いることができる。特に、硬度が15〜45°(JIS−A)程度のゴム、エラストマー等の弾性体を用いるのが好ましく、具体的には、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。
離型層613を構成する素材としては、耐熱性の樹脂を好適に用いることができる。例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等を用いることができるが、離型層613のトナーに対する離型性や耐摩耗性の観点から、フッ素樹脂が適している。フッ素樹脂としては、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)や、それらの複合材料が挙げられる。また、フッ素樹脂としては、それらの樹脂にカーボンやアルミナ、硫酸バリウムのようなフィラーを配合したものも用いることができる。離型層613の厚みとしては、好ましくは5μm〜50μm、より好ましくは10μm〜40μmである。
エンドレスベルト62は、内部に配置された第1の圧力部材631、第2の圧力部材632、ベルト走行ガイド64,64、更には、エンドレスベルト62の両端部に配置された図示しないエッジガイドによって循環可能に支持されている。エンドレスベルト62の内周面と押圧部材63との間には、エンドレスベルト62の内周面と押圧部材63との摺動抵抗(摩擦抵抗)を小さくする観点から、低摩擦シート68が設置されている。なお、押圧部材63、及び低摩擦シート68は、金属製のホルダ65に保持されている。
本実施の形態において、エンドレスベルト62としては、継ぎ目に起因する欠陥が出力画像に生じないように、原形が直径30mmの円筒形状に形成された、継ぎ目がない無端ベルトが用いられている。エンドレスベルト62は、ベース層と、このベース層の定着ロール61側の面または両面に被覆された離型層とから構成されている。
ベース層を形成する素材としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等のポリマー等が挙げられる。ベース層の厚みとしては、通常30μm〜200μm、好ましくは40μm〜125μm、より好ましくは50μm〜100μmである。
一方、ベース層の表面に被覆される離型層613を形成する素材としては、例えば、フッ素樹脂が挙げられる。フッ素樹脂としては、例えば、PFA、PTFE、FEPや、それらの複合材料、又は、それらの樹脂にカーボンやアルミナ、硫酸バリウムのようなフィラーを配合したものを挙げることができる。離型層613の厚みとしては、通常5μm〜100μm、好ましくは10μm〜40μmである。
また、ベルト走行ガイド64を形成する素材としては、エンドレスベルト62の内周面と擦れるため、摩擦係数が低く、かつ、エンドレスベルト62から熱を奪い難いように熱伝導率が低い材質が適している。具体的には、例えば、PFAやPPS等の耐熱性樹脂を用いることができる。
更に、低摩擦シート68を形成する素材としては、摩擦係数が小さく、耐摩耗性・耐熱性に優れた材質が適している。具体的には、例えば、シンタード成型したPTFE樹脂シート、テフロン(登録商標)を含浸させたガラス繊維シート、また、ガラス繊維にフッ素樹脂からなるスカイブフィルムシートを加熱融着サンドした積層シート、等を用いることができる。なお、低摩擦シート68は、低摩擦シート68とエンドレスベルト62の内周面との摩擦抵抗、及び、低摩擦シート68と第2の圧力部材632との摩擦抵抗を共に小さくするものであることが好適である。低摩擦シート68と第2の圧力部材632との摩擦抵抗が小さいと、第2の圧力部材632の移動がより容易になるため好適である。また、低摩擦シート68は、第1の圧力部材631や第2の圧力部材632に対し、別体に構成しても、一体に構成してもよい。
押圧部材63は、上記の通り、記録材搬送方向の上流側に設けられた第1の圧力部材631と、記録材搬送方向の下流側に設けられた第2の圧力部材632とを備えている。第1の圧力部材631の設置により、幅の広い接触部Nを確保することができる。また、第2の圧力部材632は、幅の広い接触部Nを確保することに加え、定着ロール61に歪みを与えることができる。
第1の圧力部材631は、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性体や、板バネ等を用いて構成することができる。また、第1の圧力部材631の定着ロール61側の面は、ほぼ定着ロール61の外周面に倣う凹形状で形成されている。
第2の圧力部材632を形成する素材としては、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、又は鉄、アルミニウム、SUS等の金属を挙げることができる。第2の圧力部材632は、低摩擦シート68を介してエンドレスベルト62に押し当てる押圧面の外表面形状として、複数の異なる曲率を有する凸曲面形状を有している。
更に、本実施の形態の定着装置60には、第2の圧力部材632の接触部Nに対する位置を移動させ、接触部Nを通過した記録材Pの排出方向の調節を可能とする調整装置66が設置される。調整装置66は、側面視楕円形状を有すると共にその輪郭が第2の圧力部材632に接して第2の圧力部材632の角度を変化させる角度調節部材661と、角度調節部材661の回転を制御する図示しない制御部83(後述する図7参照)とを備えている。角度調節部材661は、上記楕円形状の中心を回転軸661aとして、回転可能に設置されている。
また更に、本実施の形態の定着装置60には、潤滑剤塗布部材67が設置されている。潤滑剤塗布部材67は、エンドレスベルト62の内周面に対して接触するように配置され、エンドレスベルト62の内周面にアミノ変性シリコーンオイル等の潤滑剤を適量供給する。このような潤滑油の供給により、エンドレスベルト62と低摩擦シート68との摺動部に潤滑剤を供給することができ、低摩擦シート68を介したエンドレスベルト62と押圧部材63との摺動抵抗を更に低減して、エンドレスベルト62の円滑な回動を図ることができる。
本実施の形態において、定着ロール61は、図示しない駆動モータにより矢印C方向に回転し、この回転に由来する摩擦力によってエンドレスベルト62も矢印C’方向に回転する。図1に示した画像形成装置100の二次転写部20において、トナー像が静電転写された記録材Pは、定着入口ガイド56によって導かれて接触部Nに搬送される。そして、記録材Pが接触部Nを通過する際に、記録材P上のトナー像は接触部Nに作用する圧力と、定着ロール61から供給される熱とによって定着される。本実施の形態の定着装置60では、ほぼ定着ロール61の外周面に倣う凹形状を有する第1の圧力部材631により、接触部Nを広く構成することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
ここで、本実施の形態の定着装置60では、第2の圧力部材632の接触部Nに対する位置が移動することにより、記録材Pの接触部Nからの排出方向が調節可能である。第2の圧力部材632の接触部Nに対する位置の移動は、以下のようにして行なわれる。
本実施の形態において、低摩擦シート68を押圧する第2の圧力部材632は、押圧面近傍に回転軸632aを有し、当該回転軸632aを中心として第2の圧力部材632が回転することにより、第2の圧力部材632の接触部Nに対する位置が移動する。
第2の圧力部材632の回転は、第2の圧力部材632に接する角度調節部材661の回転によりもたらされる。即ち、図2,3において、角度調節部材661が回転軸661aを中心としてD方向に回転することにより、図2における回転軸661aから角度調節部材661と第2の圧力部材632との接点Xまでの距離Lが、図3における回転軸661aから角度調節部材661と第2の圧力部材632との接点X’までの距離L’へと変化する。かかる距離が変化する結果、第2の圧力部材632は記録材搬送方向に沿った方向に押されることとなり、第2の圧力部材632は回転軸632aを中心として回転することとなる。
なお、角度調節部材661を更にD方向に回転させる等することにより、回転軸661aから第2の圧力部材632との接点までの距離を再び縮めて図3の状態から図2の状態へ変化させることも可能である。また、定着装置60を用いた定着時の構成としては図2の状態と図3の状態とに限定されるものではなく、回転軸661aから第2の圧力部材632との接点までの距離は、角度調節部材661の回転角度を調節することにより適宜設定可能である。
図4は、図2における接触部Nの構成状態を拡大した図である。図4において、第2の圧力部材632は、その表面のうち比較的凸部曲率の小さな部位で定着ロール61を押圧している。この場合、接触部Nの幅は広くなる傾向となり、また、定着ロール61に生じる歪みは小さい傾向となる。定着ロール61に生じる歪みとしては、通常、0.5%〜2.5%程度である。
一方、図5は、図3における接触部Nの構成状態を拡大した図である。図5において、第2の圧力部材632は、その表面のうち比較的凸部曲率の大きな部位で定着ロール61を押圧している。この場合、接触部Nの幅は狭くなる傾向となり、また、定着ロール61に生じる歪みは大きくなる傾向となる。定着ロール61に生じる歪みとしては、通常、2.5%〜5%に達する場合がある。
なお、本実施の形態において「歪み」とは、以下のようにして測定されるものを意味する。一般に、定着ロールと(第1および第2の)圧力部材とをある荷重のもとで圧接させた場合、その圧接された接触部において定着ロール表面は弾性変形し、定着ロール表面は円周方向にある歪みを生じる。この状態でこの定着ロールを回転させ、記録材を挿通させると、記録材は、定着ロールの歪みを生じた領域、つまり接触部で搬送される。このため、定着ロールの1回転で送り出される記録材の長さ(搬送量)は、実際の定着ロール周長より円周方向の歪み量に対応して大きくなる。このとき、実際の定着ロール周長より大きくなった搬送量の割合をε(%)で表して、これを「歪み」と規定する。即ち、ε(%)={(A÷B)−1}×100(上記式中、Aは定着ロールの1回転で搬送される記録材の長さを、Bは歪みがないとした場合の定着ロールの周長を、それぞれ表す。)となる。
本実施の形態において、第2の圧力部材632の押圧面の形状としては、記録材搬送方向の上流側から下流側へ向けて曲率が徐々に大きくなる(曲率半径が徐々に小さくなる)形状となっている。従って、第2の圧力部材632が角度調節部材661に押され、回転軸632aを中心として回転移動することにより、接触部Nに対して第2の圧力部材632が押圧する押圧面の形状は、徐々に曲率の大きな形状へと変化していくこととなる。
ここで、第2の圧力部材632の回転移動については、接触圧がかかったままで行うと定着ロール61の表面層(離型層613)や弾性層(耐熱性弾性体層612)に損傷を与える場合がある。従って、図示しない接触圧低減/解除機構を作動させ、接触圧が低減/開放された状態下、第2の圧力部材632の回転移動が行なわれることが好適である。
図6は、図4、及び図5の状態における圧力分布を説明する図である。
図6における実線は、図4の状態で普通紙(用紙坪量80gsm程度)を通紙した場合の圧力分布を示すものである。普通紙でも比較的腰のある記録用紙を記録材Pとして用いる場合や、記録材P上に転写されるトナー量が少ない場合には、記録材Pの腰により定着ロール61から記録材Pが剥離しやすい。従って、接触部内圧力をさほど上昇させずとも(図6における実線のような圧力分布)、記録材Pの良好な剥離が実現する。また、接触部内圧力を必要以上に上昇させないことは、定着ロール表面のキズやベルト表面層の磨耗の防止、歪みにより大きくなりやすい記録紙のカール防止につながる。
また、図6における破線は、図4の状態で厚紙(例えば、葉書用紙や封筒など)を通紙した場合の圧力分布を示すものである。図6における実線の圧力分布に比べ、記録紙厚み相当分、接触部内圧力が増加している。この場合、かかる接触部内圧力の増加により、記録材Pが厚くなって熱容量が増加することによってもたらされる定着性の低下が補われる。また、図6における破線の状態は、接触部内圧力は大きくなるものの、定着ロール61の歪み量は小さい状態であるため、葉書用紙でのカール量の低減や、封筒で発生しやすい重ね合わせ部の皺等を防止することができる。
一方、図6における一点鎖線は、図5の状態で薄紙を通紙した場合の圧力分布である。当該圧力分布における接触部内圧力のピーク値は、実線の圧力分布における接触部内圧力のピーク値よりも高いものの、接触部Nの幅は狭くなっている。そして、このような圧力分布とすることにより、記録材Pの腰が少なく定着ロール61からの剥離が難しい場合や、印字内容の先端に高画像密度の画像があり記録材Pの先端に多くの未定着トナーが存在するような場合であっても、記録材Pを定着ロール61から良好に剥離させることができる。つまり、局所的に歪み量を増加させる圧力分布とすることにより、定着ロール61の耐熱性弾性体層612からの反発力をより有効に用いることができ、記録材Pの排出方向を定着ロール61表面の接線方向から大きく反らせることが可能となる。
なお、薄紙を記録材Pとして通紙する場合、接触部N内での記録材Pに基づく応力増加は比較的抑制される。従って、定着ロール61の歪み量が比較的大きく設定された場合の圧力分布(図5の状態の圧力分布を示す、図6における一点鎖線の圧力分布)の場合においても、厚紙を通紙する場合に問題となるような、定着ロール61表面におけるキズ発生問題が生じ難い。
このように、本実施の形態の定着装置60は、第2の圧力部材632を、定着ロール61の外周面に対し凸形状に突出させて配置可能に構成されている。第2の圧力部材632をこのように配置すれば、接触部Nの出口領域(剥離接触部)において定着ロール61の歪みが局所的に大きくなる。定着後の記録材Pは、剥離接触部を通過する際に局所的に大きく形成された歪み領域を通過することとなるため、記録材Pの定着ロール61への巻き付きが低減され、記録材Pの剥離を効果的に行うことができる。
また、定着ロール61の歪みを局所的に大きくすることによって、歪み量自体はさほど大きくすることなく、高い剥離性能を得ることが可能となっている。そのため、定着ロール61の離型層613として薄膜の耐熱性樹脂層を用いた場合であっても、記録材Pにおける紙しわの発生を抑制することができる。また、耐熱性弾性体層612と離型層613との間の剥がれ等も発生し難く、剥離性能の維持と併せて長期に亘る部品性能の信頼性を向上させることができる。
更に、定着ロール61の歪み量を比較的小さく設定し得るため、定着ロール61の耐熱性弾性体層612を薄肉に形成することができる。つまり、定着ロール61の熱容量を小さく設計し得ることとなり、ウォームアップタイムの短縮や消費電力の低減を図ることができる。
また更に、熱伝導率の低い耐熱性弾性体層612を薄肉化できるため、定着ロール61の内面と外面との間の熱抵抗が小さくなって熱応答性が向上することとなり、画像形成装置100の印刷高速化にも適している。
なお、第2の圧力部材632の押圧圧力を可変とする方法として、本実施の形態においては角度調節部材661の回転に伴う第2の圧力部材632の回転運動を用いた。しかし、接触部Nの接触幅、接触圧、歪み量を可変にすることができれば、その方法手段は問わない。即ち、第2の圧力部材632の上下運動等を利用することもできる。また、駆動手段としても、特に限定されるものではなく、画像形成装置100の操作者が手動で設定(手動で回転させたり上下させたりするということ)してもかまわない。
次に、定着装置60において実行される、第2の圧力部材632の接触部Nに対する位置移動量の設定プロセスについて説明する。本実施の形態において、第2の圧力部材632の接触部Nに対する位置移動量は、角度調節部材661の回転量により決定される。また、かかる回転は、制御部83により制御される。
図7は、第2の圧力部材632の接触部Nに対する位置移動量の設定プロセスについて説明するためのブロック図である。図7において、第2の圧力部材632の接触部Nに対する位置移動量の設定は、記録材トレイ50から二次転写ロール22に至る記録材Pの搬送経路中において、検出部81により検出される記録材Pの厚みに基づいて行われる。
即ち、図7において、まず、検出部81が記録材Pの厚みを検出する。より具体的には、記録材Pを搬送するロール対(搬送ロール52)でのロール位置の変位量を測定することや、レーザ等を用いる位置検出装置により記録材Pの厚みを検出すること、等によって記録材Pの厚みが検出される。
検出された記録材Pの厚みについての情報は、その後、判断部82に伝達され、当該情報に基づいて第2の圧力部材632の接触部Nに対する位置移動量が判断部82により判断される。そして、判断部82により下された判断結果に基づいて、判断部82から制御部83へ、角度調節部材661の回転量についての指令が伝達される。
以下、記録材Pが普通紙であると判断された場合に設定される、角度調節部材661の回転量(以下、「設定回転量」と略記することがある)を「普通紙モード」、記録材Pが厚紙であると判断された場合に設定される設定回転量を「厚紙モード」、記録材Pが薄紙であると判断された場合に設定される設定回転量を「薄紙モード」と記載する。更に、記録材Pが封筒である場合に設定される設定回転量を「封筒モード」と記載する。また更に、「普通紙モード」、「厚紙モード」、「薄紙モード」、及び「封筒モード」を総称して、「定着モード」と記載する。
図8は、定着装置60において実行される、定着モード変更処理のフローチャートである。
図8に示すように、まず、画像形成装置100に対して画像の形成指示がなされると(ステップ101)、画像形成装置に封筒を記録材Pとする旨の指示が入力されているか否か(封筒モードとする指示が入力されているか否か)について、判断部82が確認する(ステップ102)。
そして、判断部82において封筒モードとする指示が入力されていると確認された場合、判断部82は、封筒に適した設定回転量(封筒モード)で作動するよう、制御部83に指示する(ステップ103)。
一方、判断部82において封筒モードとなっていると確認されなかった場合、検出部81が記録材Pの厚さを検知し(ステップ104)、検知された厚さが普通紙に該当するか否かについて、判断部82が判断する(ステップ105)。判断部82において、検知された厚さが普通紙に該当すると判断された場合、判断部82は、普通紙に適した設定回転量(普通紙モード)で作動するよう、制御部83に指示する(ステップ106)。
判断部82において、検知された厚さが普通紙に該当しないと判断された場合、判断部82は、次いで、検知された厚さが厚紙に該当するか否かを判断する(ステップ107)。判断部82において、検知された厚さが厚紙に該当すると判断された場合、判断部82は、厚紙に適した設定回転量(厚紙モード)で作動するよう、制御部83に指示する(ステップ108)。一方、検知された厚さが厚紙に該当しないと判断された場合、判断部82は、薄紙に適した設定回転量(薄紙モード)で作動するよう、制御部83に指示する(ステップ109)。
以上、定着装置60において実行される、設定回転量の設定プロセスについて述べた。このようなプロセスを経ることにより、記録材Pの種類や厚さに応じて接触部Nの圧力分布が調節されることとなり、記録材Pへのトナー定着が行なわれた後、記録材Pを定着ロール61から良好に剥離させることが可能となる。
なお、このような定着装置60を図1に示す画像形成装置100に用いる場合、画像形成装置100において、記録材Pの種類や厚さ、サイズ等の情報を検知または入力し、その情報を記憶する回路を設けることも可能である。それにより、記録材Pに関する種々の情報を用いて第2の圧力部材632の移動を制御することができ、適切な定着圧力分布を設定することが可能となる。例えば、記録材トレイ50が、薄紙が入っているトレイと、厚紙が入っているトレイとを含み、両トレイが同時に画像形成装置100内に存在する場合でも、そのトレイ情報に応じて、第2の圧力部材632の移動が適切に制御される。そして、第2の圧力部材632の移動を適切に制御することは、剥離性のみならず、定着性や耐久性をも同時に満足することが可能な定着装置60、又は画像形成装置100の実現につながり得る。
また、定着装置60又は画像形成装置100の内部に、定着装置60内又は画像形成装置100内の部材温度や、定着装置60又は画像形成装置100の内外の温度、湿度の情報を検知または入力し、その情報を記憶する回路を設けることも可能である。そのような情報を用いることにより、例えば、低温環境でかつ定着装置60内の部材温度(ベルト表面温度など)が低い時には、加圧力や接触幅を大きくし定着性を向上させ、高温高湿環境では、カールやしわが発生しやすいので、薄紙では歪み量を小さくして対応する、といった制御が可能となる。
更に、先に述べた通り、記録材Pの先端に高画像密度の画像が存在した場合、より剥離性が厳しくなる傾向となる。この対応として、画像形成装置100の静電潜像を作成するための画像データに基づき、記録材Pの先端に高画像密度の画像が存在した場合には、定着装置60内の第2の圧力部材632を移動させ、曲率の大きな加圧面で定着ロール61に圧接するようにして、歪み量を大きくし、剥離性を向上させることが可能である。
これらの制御により、画像形成装置100内の定着装置60の各部材にかかるストレスを低減しつつ、定着性や記録材剥離性、カール、しわなどの欠陥(defect)を低減することが可能となる。
また更に、本実施の形態における第2の圧力部材632の押圧面の表面形状としては、記録材搬送方向の上流側から下流側へ向けて曲率が徐々に大きくなる形状となっていた。しかしながら、第2の圧力部材632の押圧面の表面形状としては、これに限定されるものではなく、記録材搬送方向の上流側から下流側へ向けて曲率が徐々に小さくなる形状を採用しても良いし、押圧面の中心位置が最も大きな(又は小さな)曲率を以って形成される形状を採用しても良い。第2の圧力部材632の押圧面の表面形状は、第2の圧力部材632の接触部Nに対する設置位置や、移動方向等を考慮して適宜選定可能である。
なお、本実施の形態においては定着装置を例示したが、本実施の形態の定着装置に用いた記録材剥離のための機構を、定着装置以外の装置に転用することも可能である。即ち、例えばラミネート加工に際して記録材の代わりに複数の基材シートを用い、これら複数の基材シートを加熱して圧着するような場合、上記装置を用いれば、上記圧着に用いられる一対の回転体から積層された基材シートを良好に剥離させることができる。
本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。 本実施の形態が適用される定着装置の第一の状態を示した概略構成図である。 本実施の形態が適用される定着装置の第二の状態を示した概略構成図である。 図2における接触部の構成状態を拡大した図である。 図3における接触部の構成状態を拡大した図である。 図4、及び図5の状態における圧力分布を説明する図である。 第2の圧力部材の接触部に対する位置移動量の設定プロセスについて説明するためのブロック図である。 定着装置において実行される、定着モード変更処理のフローチャートである。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像器、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、60…定着装置、61…定着ロール、62…エンドレスベルト、63…押圧部材、68…低摩擦シート、70…剥離部材、631…第1の圧力部材、632…第2の圧力部材、661…角度調節部材、P…記録材

Claims (4)

  1. 回転可能な定着用回転体と、
    前記定着用回転体に対向して接する無端状のエンドレスベルトと、
    前記エンドレスベルトの内部に設けられ、当該エンドレスベルトを前記定着用回転体へ向けて押圧し、当該定着用回転体と当該エンドレスベルトとの間に記録材が通過する接触部を形成する押圧部材とを備え、
    前記押圧部材は、前記接触部における記録材の搬送方向上流側において、前記定着用回転体に対して位置が固定して設けられる第1の圧力部材と、前記接触部における記録材の搬送方向下流側において、外表面形状が当該搬送方向上流側から当該搬送方向下流側に向けて徐々に大きくなるように複数の異なる曲率を有し、当該接触部の曲率および当該接触部において当該定着用回転体に生じる歪みが変化するように当該定着用回転体に対して移動可能に設けられる第2の圧力部材とを有し、
    前記第2の圧力部材は、前記接触部の曲率が大きくなるにつれて、当該接触部において当該定着用回転体に生じる歪みが大きくなるように設けられることを特徴とする定着装置。
  2. 前記第2の圧力部材は、前記第1の圧力部材よりも高い圧力で、前記エンドレスベルトを前記定着用回転体に向けて押圧することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記第1の圧力部材は、前記接触部において前記エンドレスベルトを介して前記定着用回転体に対向する側の面が、当該定着用回転体に対して凹んだ凹形状を有し、
    前記第2の圧力部材は、前記接触部において前記エンドレスベルトを介して前記定着用回転体に対向する側の面が、当該定着用回転体に対して突出する凸形状を有することを特徴とする請求項1または2記載の定着装置。
  4. 静電潜像保持体と、
    前記静電潜像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    前記静電潜像保持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像とする現像手段と、
    前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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