JP5040183B2 - 画像形成装置および定着装置 - Google Patents
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公報記載の従来技術として、円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆された加熱定着ローラと、エンドレスベルトと、エンドレスベルト内側に配置された圧力部材と、を具備した定着装置であって、エンドレスベルトを加熱定着ローラに所定角度巻き付けて、エンドレスベルトと加熱定着ローラとの間に記録シートが通過させられるニップ部を形成し、該ニップ部において、圧力部材をエンドレスベルトを介して加熱定着ローラに押圧させることにより、加熱定着ローラの耐熱性弾性体層に歪みを生じさせることを特徴とする定着装置、およびそれを用いた画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆された加熱定着ローラと、エンドレスベルトと、エンドレスベルト内側に配置された圧力部材と、を具備した定着装置であって、エンドレスベルトを加熱定着ローラに所定角度巻き付けて、エンドレスベルトと加熱定着ローラとの間に記録シートが通過させられるニップ部を形成し、該ニップ部におけるニップ圧力が該ニップ部の出口付近において大きくなるように、圧力部材をエンドレスベルトを介して加熱定着ローラに押圧させることにより、前記加熱定着ローラの耐熱性弾性体層に歪みを生じさせることを特徴とする定着装置が提案されている(特許文献2参照)。
また、本発明を定着装置と捉え、本発明の定着装置は、搬送される記録材を加熱する加熱部材と、加熱部材に対向して接するエンドレスベルトと、エンドレスベルトを加熱部材へ向けて押圧し、外表面形状を押し当てて加熱部材とエンドレスベルトとの間に接触部を形成する押圧部材とを備え、押圧部材は、記録材搬送の上流側に設けられた第1の圧力部材と、記録材搬送の下流側に設けられた第2の圧力部材とを有すると共に、第2の圧力部材の外表面形状は複数の異なる曲率を有し、第2の圧力部材の接触部に対する位置が移動することにより、記録材の接触部からの排出方向の調節が可能であることを特徴としている。
更に、本発明を、定着装置や画像形成装置に好ましく適用可能な装置と捉え、本発明の装置は、回転体と、回転体に対向して接するエンドレスベルトと、エンドレスベルトを回転体へ向けて押圧し、外表面形状を押し当てて回転体とエンドレスベルトとの間に接触部を形成する押圧部材とを備え、押圧部材の外表面形状は複数の異なる曲率を有し、押圧部材の接触部に対する位置が移動可能であることを特徴としている。
また、請求項2に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、定着後の記録材の剥離性により優れる定着装置を提供することができる。
更に、請求項3に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、定着後の記録材の剥離性により優れる定着装置を提供することができる。
更にまた、請求項4に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、定着後の記録材の剥離性に優れる画像形成装置を提供することができる。
なお、以下では、未定着トナーと接する側に、加熱部材としての加熱定着ローラを配し、加圧部材としてエンドレスベルトと圧力部材とを配した構成で説明する。しかし、加熱部材は、外部から加熱する所謂外部加熱手段であってもよい。また、加熱手段は、エンドレスベルト側にあっても良い。更に、エンドレスベルト表面を記録材上のトナーに対面させ、定着用回転体は、加圧ロールとして使用することも可能である。なお、以降の記述においては、「加熱定着ローラ」を単に「定着ローラ」と記す。
これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。
図2、図3は夫々、本実施の形態が適用される定着装置60の第一の状態と第二の状態を示した概略構成図である。
定着装置60は、搬送される記録材Pを加熱する加熱部材としての定着ロール61(定着用回転体の一例である)と、定着ロール61に対向して接するエンドレスベルト62とを備えている。また、定着装置60は、エンドレスベルト62を定着ロール61へ向けて押圧し、外表面形状を押し当てて定着ロール61とエンドレスベルト62との間に接触部Nを形成する押圧部材63を備えている。これら定着ロール61、エンドレスベルト62、及び押圧部材63により、定着装置60の主要部が構成されている。なお、押圧部材63は、記録材搬送方向の上流側に設けられた第1の圧力部材631と、記録材搬送方向の下流側に設けられた第2の圧力部材632とを備えている。
また、図2、図3においては、剥離の補助手段として、接触部Nの下流側に、剥離部材70が設置されている。剥離部材70は、定着ロール61の回転方向Cと対向する向き(カウンタ方向)に、定着ロール61と近接する状態で配置される剥離バッフル71と、剥離バッフル71を保持するホルダ72とで構成されている。
耐熱性弾性体層612を構成する素材としては、耐熱性の高い弾性体を好適に用いることができる。特に、硬度が15〜45°(JIS−A)程度のゴム、エラストマー等の弾性体を用いるのが好ましく、具体的には、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。
ベース層を形成する素材としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等のポリマー等が挙げられる。ベース層の厚みとしては、通常30μm〜200μm、好ましくは40μm〜125μm、より好ましくは50μm〜100μmである。
一方、ベース層の表面に被覆される離型層613を形成する素材としては、例えば、フッ素樹脂が挙げられる。フッ素樹脂としては、例えば、PFA、PTFE、FEPや、それらの複合材料、又は、それらの樹脂にカーボンやアルミナ、硫酸バリウムのようなフィラーを配合したものを挙げることができる。離型層613の厚みとしては、通常5μm〜100μm、好ましくは10μm〜40μmである。
更に、低摩擦シート68を形成する素材としては、摩擦係数が小さく、耐摩耗性・耐熱性に優れた材質が適している。具体的には、例えば、シンタード成型したPTFE樹脂シート、テフロン(登録商標)を含浸させたガラス繊維シート、また、ガラス繊維にフッ素樹脂からなるスカイブフィルムシートを加熱融着サンドした積層シート、等を用いることができる。なお、低摩擦シート68は、低摩擦シート68とエンドレスベルト62の内周面との摩擦抵抗、及び、低摩擦シート68と第2の圧力部材632との摩擦抵抗を共に小さくするものであることが好適である。低摩擦シート68と第2の圧力部材632との摩擦抵抗が小さいと、第2の圧力部材632の移動がより容易になるため好適である。また、低摩擦シート68は、第1の圧力部材631や第2の圧力部材632に対し、別体に構成しても、一体に構成してもよい。
第2の圧力部材632を形成する素材としては、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、又は鉄、アルミニウム、SUS等の金属を挙げることができる。第2の圧力部材632は、低摩擦シート68を介してエンドレスベルト62に押し当てる押圧面の外表面形状として、複数の異なる曲率を有する凸曲面形状を有している。
第2の圧力部材632の回転は、第2の圧力部材632に接する角度調節部材661の回転によりもたらされる。即ち、図2,3において、角度調節部材661が回転軸661aを中心としてD方向に回転することにより、図2における回転軸661aから角度調節部材661と第2の圧力部材632との接点Xまでの距離Lが、図3における回転軸661aから角度調節部材661と第2の圧力部材632との接点X’までの距離L’へと変化する。かかる距離が変化する結果、第2の圧力部材632は記録材搬送方向に沿った方向に押されることとなり、第2の圧力部材632は回転軸632aを中心として回転することとなる。
一方、図5は、図3における接触部Nの構成状態を拡大した図である。図5において、第2の圧力部材632は、その表面のうち比較的凸部曲率の大きな部位で定着ロール61を押圧している。この場合、接触部Nの幅は狭くなる傾向となり、また、定着ロール61に生じる歪みは大きくなる傾向となる。定着ロール61に生じる歪みとしては、通常、2.5%〜5%に達する場合がある。
ここで、第2の圧力部材632の回転移動については、接触圧がかかったままで行うと定着ロール61の表面層(離型層613)や弾性層(耐熱性弾性体層612)に損傷を与える場合がある。従って、図示しない接触圧低減/解除機構を作動させ、接触圧が低減/開放された状態下、第2の圧力部材632の回転移動が行なわれることが好適である。
図6における実線は、図4の状態で普通紙(用紙坪量80gsm程度)を通紙した場合の圧力分布を示すものである。普通紙でも比較的腰のある記録用紙を記録材Pとして用いる場合や、記録材P上に転写されるトナー量が少ない場合には、記録材Pの腰により定着ロール61から記録材Pが剥離しやすい。従って、接触部内圧力をさほど上昇させずとも(図6における実線のような圧力分布)、記録材Pの良好な剥離が実現する。また、接触部内圧力を必要以上に上昇させないことは、定着ロール表面のキズやベルト表面層の磨耗の防止、歪みにより大きくなりやすい記録紙のカール防止につながる。
なお、薄紙を記録材Pとして通紙する場合、接触部N内での記録材Pに基づく応力増加は比較的抑制される。従って、定着ロール61の歪み量が比較的大きく設定された場合の圧力分布(図5の状態の圧力分布を示す、図6における一点鎖線の圧力分布)の場合においても、厚紙を通紙する場合に問題となるような、定着ロール61表面におけるキズ発生問題が生じ難い。
また更に、熱伝導率の低い耐熱性弾性体層612を薄肉化できるため、定着ロール61の内面と外面との間の熱抵抗が小さくなって熱応答性が向上することとなり、画像形成装置100の印刷高速化にも適している。
図7は、第2の圧力部材632の接触部Nに対する位置移動量の設定プロセスについて説明するためのブロック図である。図7において、第2の圧力部材632の接触部Nに対する位置移動量の設定は、記録材トレイ50から二次転写ロール22に至る記録材Pの搬送経路中において、検出部81により検出される記録材Pの厚みに基づいて行われる。
即ち、図7において、まず、検出部81が記録材Pの厚みを検出する。より具体的には、記録材Pを搬送するロール対(搬送ロール52)でのロール位置の変位量を測定することや、レーザ等を用いる位置検出装置により記録材Pの厚みを検出すること、等によって記録材Pの厚みが検出される。
以下、記録材Pが普通紙であると判断された場合に設定される、角度調節部材661の回転量(以下、「設定回転量」と略記することがある)を「普通紙モード」、記録材Pが厚紙であると判断された場合に設定される設定回転量を「厚紙モード」、記録材Pが薄紙であると判断された場合に設定される設定回転量を「薄紙モード」と記載する。更に、記録材Pが封筒である場合に設定される設定回転量を「封筒モード」と記載する。また更に、「普通紙モード」、「厚紙モード」、「薄紙モード」、及び「封筒モード」を総称して、「定着モード」と記載する。
図8に示すように、まず、画像形成装置100に対して画像の形成指示がなされると(ステップ101)、画像形成装置に封筒を記録材Pとする旨の指示が入力されているか否か(封筒モードとする指示が入力されているか否か)について、判断部82が確認する(ステップ102)。
そして、判断部82において封筒モードとする指示が入力されていると確認された場合、判断部82は、封筒に適した設定回転量(封筒モード)で作動するよう、制御部83に指示する(ステップ103)。
これらの制御により、画像形成装置100内の定着装置60の各部材にかかるストレスを低減しつつ、定着性や記録材剥離性、カール、しわなどの欠陥(defect)を低減することが可能となる。
Claims (4)
- 回転可能な定着用回転体と、
前記定着用回転体に対向して接する無端状のエンドレスベルトと、
前記エンドレスベルトの内部に設けられ、当該エンドレスベルトを前記定着用回転体へ向けて押圧し、当該定着用回転体と当該エンドレスベルトとの間に記録材が通過する接触部を形成する押圧部材とを備え、
前記押圧部材は、前記接触部における記録材の搬送方向上流側において、前記定着用回転体に対して位置が固定して設けられる第1の圧力部材と、前記接触部における記録材の搬送方向下流側において、外表面形状が当該搬送方向上流側から当該搬送方向下流側に向けて徐々に大きくなるように複数の異なる曲率を有し、当該接触部の曲率および当該接触部において当該定着用回転体に生じる歪みが変化するように当該定着用回転体に対して移動可能に設けられる第2の圧力部材とを有し、
前記第2の圧力部材は、前記接触部の曲率が大きくなるにつれて、当該接触部において当該定着用回転体に生じる歪みが大きくなるように設けられることを特徴とする定着装置。 - 前記第2の圧力部材は、前記第1の圧力部材よりも高い圧力で、前記エンドレスベルトを前記定着用回転体に向けて押圧することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記第1の圧力部材は、前記接触部において前記エンドレスベルトを介して前記定着用回転体に対向する側の面が、当該定着用回転体に対して凹んだ凹形状を有し、
前記第2の圧力部材は、前記接触部において前記エンドレスベルトを介して前記定着用回転体に対向する側の面が、当該定着用回転体に対して突出する凸形状を有することを特徴とする請求項1または2記載の定着装置。 - 静電潜像保持体と、
前記静電潜像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
前記静電潜像保持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像とする現像手段と、
前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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