JP5217261B2 - 画像形成装置、定着装置、及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、搬送される記録材に画像を形成する画像形成装置、定着装置等に関する。
搬送される記録材に画像を形成する画像形成装置としては、従来から多くの提案がなされている。
公報記載の従来技術として、円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆された加熱定着ローラと、エンドレスベルトと、エンドレスベルト内側に配置された圧力部材と、を具備した定着装置であって、エンドレスベルトを加熱定着ローラに所定角度巻き付けて、エンドレスベルトと加熱定着ローラとの間に記録シートが通過させられるニップ部を形成し、該ニップ部において、圧力部材をエンドレスベルトを介して加熱定着ローラに押圧させることにより、加熱定着ローラの耐熱性弾性体層に歪みを生じさせることを特徴とする定着装置、およびそれを用いた画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆された加熱定着ローラと、エンドレスベルトと、エンドレスベルト内側に配置された圧力部材と、を具備した定着装置であって、エンドレスベルトを加熱定着ローラに所定角度巻き付けて、エンドレスベルトと加熱定着ローラとの間に記録シートが通過させられるニップ部を形成し、該ニップ部におけるニップ圧力が該ニップ部の出口付近において大きくなるように、圧力部材をエンドレスベルトを介して加熱定着ローラに押圧させることにより、前記加熱定着ローラの耐熱性弾性体層に歪みを生じさせることを特徴とする定着装置が提案されている(特許文献2参照)。
特開平11−133776号公報 特開2001−356625号公報
ところで、エンドレスベルトと定着ローラとの間に形成されたニップ部において記録紙にトナー像を定着させる定着装置(フリーベルトニップ方式)は、2個のローラによりニップ部を形成する定着装置(ローラニップ方式)に比べると、ニップ部の幅を大きくできるとともに、ニップ部出口において均一なニップ圧を付与することができる。
しかし、このようなフリーベルトニップ方式の定着装置においても、例えば、高画像密度のカラー印刷の場合は、複数色のトナーが記録紙上に大量に付着するため、特に薄紙や薄いコート紙は定着ローラから剥離し難い傾向がある。また、記録紙先端に画像が形成された場合も、同様な傾向が見られる。
さらに、記録材として厚紙や封筒を使用する場合、極圧部の歪みや圧力が過大になる傾向がある。このため、厚紙や封筒にシワが発生しやすい。また、定着ローラの離型層にシワが生じたり、記録紙が突入する際のキズが発生する傾向がある。
本発明は、例えば、高い離型性・記録材剥離性・優れた画質を得ながら、例えば、定着ローラ上の離型層のシワ発生、摩擦による摩耗、劣化や、例えばエンドレスベルト表面の磨耗といった問題に対して良好な、信頼性の高い装置、及びそれを用いた定着装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
かかる目的に鑑み、以下の発明が提供される。
請求項1に係る発明は、搬送される記録材を加熱する加熱部材と、前記加熱部材に対向して接するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトを前記加熱部材へ向けて押し当てて当該加熱部材と当該エンドレスベルトとの間に接触部を形成する押圧部材と、前記エンドレスベルトと前記押圧部材との間に設置される摺動部材とを備え、前記摺動部材は厚みが異なる複数の部分を有し、当該摺動部材の前記接触部に対する位置を調整可能に構成され、且つ第1の層と、当該第1の層上に設けられた少なくとも1層と、により形成されることを特徴とする定着装置である。
請求項2に係る発明は、搬送される記録材を加熱する加熱部材と、前記加熱部材に対向して接するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトを前記加熱部材へ向けて押し当てて当該加熱部材と当該エンドレスベルトとの間に接触部を形成する押圧部材と、前記エンドレスベルトと前記押圧部材との間に設置される摺動部材とを備え、前記摺動部材は厚みが異なる複数の部分を有し、当該摺動部材の前記接触部に対する位置を調整可能に構成され、当該摺動部材を前記エンドレスベルトの周方向に移動する際に、前記押圧部材の当該エンドレスベルトに付与する圧力を低減することを特徴とする定着装置である。
請求項に係る発明は、前記摺動部材が、前記第1の層と、当該第1の層上に設けられた弾性材料付加部と、により形成されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置である。
請求項に係る発明は、前記弾性材料付加部は、前記記録材の最大通紙幅以下の幅方向に形成されることを特徴とする請求項に記載の定着装置である。
請求項に係る発明は、前記弾性材料付加部は、シリコンゴム、シリコンスポンジ、フッ素ゴムから選ばれる耐熱性弾性材料で構成されていることを特徴とする請求項またはに記載の定着装置である。
請求項に係る発明は、前記加熱部材は、芯体上に順に積層した耐熱弾性層と耐熱離型性樹脂層とを有し、前記エンドレスベルトは、可撓性基材上に前記耐熱離型性樹脂層を有し、前記摺動部材の前記弾性材料付加部の厚みは、前記加熱部材の前記耐熱弾性層の前記厚みより厚く形成されることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の定着装置である。
請求項に係る発明は、前記摺動部材は、前記記録材が封筒または厚紙の場合には、前記弾性材料付加部が前記押圧部材を覆うように前記エンドレスベルトの周方向に移動することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の定着装置である。
請求項に係る発明は、前記摺動部材は、前記エンドレスベルトの表面温度が低温である場合には、前記厚みが異なる複数の部分が前記押圧部材を覆うように当該エンドレスベルトの周方向に移動することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置である。
請求項に係る発明は、静電潜像保持体と、前記静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記静電潜像保持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像とする現像手段と、前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材上に定着する定着手段とを備え、前記定着手段は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項10に係る発明は、前記摺動部材は、前記定着装置内が高温高湿の場合には、前記厚みが異なる複数の部分が前記押圧部材と接しないように前記エンドレスベルトの周方向に移動することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置である。
請求項11に係る発明は、回転体と、前記回転体に対向して接するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトを前記回転体へ向けて押し当てて当該回転体と当該エンドレスベ
ルトとの間に接触部を形成する押圧部材と、前記エンドレスベルトと前記押圧部材との間に設置される摺動部材とを備え、前記摺動部材は厚みが異なる複数の部分を有し、当該摺動部材の前記接触部に対する位置が移動可能であることを特徴とする装置である。
請求項1に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、定着後の記録材の剥離性に優れる定着装置を提供することができる。また、記録材が通過する接触部(ニップ部)において、加熱部材の弾性層の歪み量を調整することができる。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、摺動部材の移動がさらに容易になる。
請求項に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記録材が通過する接触部(ニップ部)において、加熱部材の弾性層の歪み量を調整することができる。
請求項に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記録材の用紙サイズや画像密度・画像パターンに応じた圧力設定が可能となる。
請求項に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、弾性材料付加部による圧力調整が可能である。
請求項に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、接触部(ニップ部)における加熱部材の弾性層の歪みを小さくすることができる。
請求項に係る発明によれば、記録材が通過する接触部(ニップ部)に弾性材料付加部が位置しない場合と比較して、封筒紙や厚紙を通紙した場合に加熱部材からの剥離性が向上する。
請求項に係る発明によれば、記録材が通過する接触部(ニップ部)に厚みが異なる複数の部分が位置しない場合と比較して、加圧幅や接触幅を大きくすることができる。
請求項に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、定着後の記録材の剥離性に優れる画像形成装置を提供することができる。
請求項10に係る発明によれば、記録材が通過する接触部(ニップ部)に厚みが異なる複数の部分が位置する場合と比較して、特に薄紙を通紙した場合に歪み量を小さくすることができる。
請求項11に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、搬送される部材の剥離性に優れる装置を提供することができる。
(実施の形態1)
以下、添付図面を参照し、本実施の形態について詳細に説明する。
尚、以下では、未定着トナーと接する側に、加熱部材としての加熱定着ローラを配し、加圧部材としてエンドレスベルトと圧力部材とを配した構成で説明する。しかし、加熱部材は、外部から加熱する所謂外部加熱手段であってもよい。また、加熱手段は、エンドレスベルト側にあっても良い。更に、エンドレスベルト表面を記録材上のトナーに対面させ、定着用回転体は、加圧ローラとして使用することも可能である。尚、以降の記述においては、「加熱定着ローラ」を単に「定着ローラ」と記す。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置100を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置100は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10とを有している。また、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録用紙)である記録材Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を記録材P上に定着させる定着装置60とを備えている。更に、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
本実施の形態において、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、矢印A方向に回転する静電潜像保持体としての感光体ドラム11の周囲に、電子写真用デバイスが順次配設されている。即ち、感光体ドラム11を帯電する帯電器12と、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す。)とが配設されている。また、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14と、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ローラ16と、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17とが配設されている。
これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂をベース層としてカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。そして、各種ローラによって図1に示すB方向に所定の速度で循環駆動されている。この各種ローラとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を循環させる駆動ローラ31と、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ローラ32とを有している。また、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ローラとして機能するテンションローラ33と、二次転写部20に設けられるバックアップローラ25と、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップローラ34とを有している。
一次転写部10は、感光ドラム11と、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ローラ16で構成されている。そして、一次転写ローラ16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ローラ16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写ローラ22と、バックアップローラ25とによって構成される。このバックアップローラ25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ローラ22の対向電極を構成し、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ローラ26が接するように配置されている。そして、二次転写ローラ22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップローラ25に圧接配置され、さらに二次転写ローラ22は接地されてバックアップローラ25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される記録材P上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
さらに、本実施の形態の画像形成装置100では、記録材搬送系として、記録材Pを収容する記録材トレイ50、この記録材トレイ50に集積された記録材Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップローラ51、ピックアップローラ51により繰り出された記録材Pを搬送する搬送ローラ52、搬送ローラ52により搬送された記録材Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写ローラ22により二次転写された後に搬送される記録材Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、記録材Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置100の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置(IPS)により所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。IPSでは、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが接する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ローラ16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、記録材搬送系では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせてピックアップローラ51が回転し、記録材トレイ50から所定サイズの記録材Pが供給される。ピックアップローラ51により供給された記録材Pは、搬送ローラ52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、記録材Pは一旦停止され、トナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストローラ(図示せず)が回転することで、記録材Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ローラ22がバックアップローラ25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された記録材Pは、中間転写ベルト15と二次転写ローラ22との間に挟み込まれる。その際に、給電ローラ26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ローラ22とバックアップローラ25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、二次転写ローラ22とバックアップローラ25とによって押圧される二次転写部20において、記録材P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された記録材Pは、二次転写ローラ22によって中間転写ベルト15から剥離された状態で搬送され、二次転写ローラ22の記録材搬送方向の下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、記録材Pを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された記録材P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力で定着処理を受けることで記録材P上に定着される。そして定着画像が形成された記録材Pは、画像形成装置100の排出部に設けられた排紙載置部(不図示)に搬送される。
一方、記録材Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の循環に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップローラ34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
次に、本実施の形態の画像形成装置100に用いられる定着装置60について説明する。
図2は、本実施の形態が適用される定着装置60を示した概略構成図である。
定着装置60は、搬送される記録材Pを加熱する加熱部材としての定着ローラ61(定着用回転体の一例である)と、定着ローラ61に対向して接するエンドレスベルト62とを備えている。また、定着装置60は、エンドレスベルト62を定着ローラ61へ向けて押し当てて、定着ローラ61とエンドレスベルト62との間に接触部N(ニップ部)を形成する押圧部材63を備えている。更に、エンドレスベルト62と押圧部材63との間には、エンドレスベルト62と押圧部材63との摺動性を向上させる摺動部材64が設置されている。これら定着ローラ61、エンドレスベルト62、押圧部材63、及び摺動部材64により、定着装置60の主要部が構成されている。
尚、押圧部材63は、凹形状の表面形状を有し、接触部Nを主として形成する第1の圧力部材631と、接触部Nの記録材Pの搬送方向下流側に、第1の圧力部材631に隣接して設置される第2の圧力部材632とを備えている(尚、図2において、第2の圧力部材632は第1の圧力部材631の上流側にも隣接して設置されると共に、上流側及び下流側に設置される第2の圧力部材632は一体に形成されている)。
また、図2においては、剥離の補助手段として、接触部Nの下流側に、剥離部材70が設置されている。剥離部材70は、定着ローラ61の回転方向Cと対向する向き(カウンタ方向)に、定着ローラ61と近接する状態で配置される剥離バッフル71と、剥離バッフル71を保持するホルダ72とで構成されている。
定着ローラ61は、金属製のコア(円筒状芯金)611の周囲に耐熱性弾性体層612、および離型層613を積層して構成されたものである。また、定着ローラ61の内部には、発熱源としてのハロゲンヒータ614が配設されている。一方、定着ローラ61の表面には温度センサ69が接触して配置されている。画像形成装置100の制御部40は、この温度センサ69による温度計測値に基づいてハロゲンヒータ614の点灯を制御し、定着ローラ61の表面温度が所定の設定温度(例えば、150℃)を維持するように調整している。
ここでコア(基材)611を構成する素材としては、例えば、鉄、アルミニウム、SUS等の熱伝導率の高い金属が挙げられる。また、コア611の外径および肉厚としては、本実施の形態の構成を有しない場合に比べて比較的小径化、薄肉化を図ることができる。コア611の外径としては、通常、20mm〜40mmである。また、肉厚としては、その材料によっても異なるが、アルミニウムを用いた場合では、通常1mm〜3mmであり、SUSや鉄を用いた場合には、通常0.5mm〜1.5mm程度である。
耐熱性弾性体層612を構成する素材としては、耐熱性の高い弾性体を好適に用いることができる。特に、硬度が15°〜45°(JIS−A)程度のゴム、エラストマー等の弾性体を用いるのが好ましい。具体的には、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等を挙げることができる。また、耐熱性弾性体層612の厚みとしては、通常0.1mm〜3mm、好ましくは、0.3mm〜1mm程度である。
離型層613を構成する素材としては、耐熱性の樹脂を好適に用いることができる。例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等を用いることができるが、離型層613のトナーに対する離型性や耐摩耗性の観点から、フッ素樹脂が適している。フッ素樹脂としては、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)や、それらの複合材料が挙げられる。また、フッ素樹脂としては、それらの樹脂にカーボンやアルミナ、シリカ、硫酸バリウムのようなフィラーを配合したものも用いることができる。離型層613の厚みとしては、好ましくは5μm〜50μm、より好ましくは10μm〜40μmである。
エンドレスベルト62は、その内部に配置された押圧部材63、ベルト走行ガイド65、更には、エンドレスベルト62の両端部に配置された図示しないエッジガイドによって循環可能に支持されている。
そして、エンドレスベルト62の内周面と押圧部材63との間には、接触部Nの上流側から接触部Nを通過し、接触部Nの下流側に位置するベルト走行ガイド65に至るまでシート状の摺動部材64が設置されている。シート状の摺動部材64の一端は、エンドレスベルト62の進行方向に沿って図中の矢印D方向に移動可能な固定部材66に固定されている。また、摺動部材64は、この固定部材66の移動に伴って移動可能に設置されている。
尚、図2において、固定部材66はエンドレスベルト62の循環駆動を支持する機能をも果たすものである。
また、押圧部材63、ベルト走行ガイド65は、金属製のホルダ67に保持されている。更に、固定部材66の移動は、後述する制御部83(図6参照)により制御される。
エンドレスベルト62としては、継ぎ目に起因する欠陥が出力画像に生じないように、原形が直径30mmの円筒形状に形成された、継ぎ目がない無端ベルトが用いられている。エンドレスベルト62は、ベース層と、このベース層の定着ローラ61側の面または両面に被覆された離型層とから構成されている。
ここで、ベース層を形成する素材としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルイミド等のポリマーや、ニッケル合金、SUS等の金属等が挙げられる。また、ベース層の厚みとしては、可とう性と低熱容量を満たしつつ耐久性を保つだけの厚みを有することが好ましい。そのような厚みとしては、材料によって異なるが、樹脂であれば、通常20μm〜150μm程度、金属であれば、通常10μm〜100μm程度である。
一方、ベース層の表面に被覆される離型層を形成する素材としては、トナー離型性と耐熱性とを有する素材であることが好ましい。より具体的には、例えば、フッ素樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。フッ素樹脂としては、例えば、PFA、PTFE、FEPや、それらの複合材料、又は、それらの樹脂にカーボンやアルミナ、シリカ、硫酸バリウムのようなフィラーを配合したものを挙げることができる。
また、離型層の厚みとしては、磨耗に対する耐久性と熱伝導や熱容量やコストとのバランスのとれた厚みであることが好ましい。そのような厚みとしては、通常10μm〜100μm程度である。
尚、上記ベース層と上記離型層との間には、更に耐熱弾性材料層を設けてもよく、ニッケルや銅などで形成された電磁誘導発熱層が設けられていてもよい。
ベルト走行ガイド65を形成する素材としては、エンドレスベルト62の内周面と擦れるため、摩擦係数が低く、かつ、エンドレスベルト62から熱を奪い難いように熱伝導率が低い材質が適している。具体的には、例えば、PFAやPPS等の耐熱性樹脂を用いることができる。
尚、図2において摺動部材64の一端部は、ベルト走行ガイド65と押圧部材63との間に位置するよう設置されているが、摺動部材64がエンドレスベルト62とベルト走行ガイド65との間に挟持されるよう、摺動部材64が設置されていても良い。この場合、ベルト走行ガイド65は摺動部材64の内周面と擦れることとなるが、ベルト走行ガイド65を形成する素材としては、上記と同様の素材を用いることができる。
また、この場合、摺動部材64が移動する際に摺動部材64の一端部がベルト走行ガイド65に引っかかることのない様、摺動部材64が設置されることが好ましい。より具体的には、摺動部材64の移動量に対し、摺動部材64の一端部が常にベルト走行ガイド65の外周面上に位置するよう設置しても良いし、摺動部材64の一端部が常にベルト走行ガイド65の下流側(エンドレスベルト62の進行方向を基準)に位置するよう設置しても良い。
押圧部材63は、上記の通り、第1の圧力部材631と第2の圧力部材632とを備えている。第1の圧力部材631の設置により、幅の広い接触部Nを確保することができる。また、第2の圧力部材632は、幅の広い接触部Nを確保することに加え、定着ローラ61に歪みを与えることができる。
第1の圧力部材631は、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性体や、板バネ等を用いて構成することができる。また、第1の圧力部材631の定着ローラ61側の面は、ほぼ定着ローラ61の外周面に倣う凹形状で形成されている。
第2の圧力部材632を形成する素材としては、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂や、それらの樹脂にガラスファイバー等を添加し強化した材料、又は鉄、アルミニウム、SUS等の金属を挙げることができる。
摺動部材64を形成する素材としては、摩擦係数が小さく、耐摩耗性・耐熱性に優れた材質が適している。具体的には、例えば、ポリイミドやポリアミドイミド等の耐熱性樹脂シート、PFAやPTFE等のフッ素樹脂製シート、ガラス繊維やアラミド繊維で織ったフッ素樹脂を含浸したクロスシート、シンタード成型したPTFE樹脂シート、フッ素樹脂を含浸させたガラス繊維シート、またガラス繊維にフッ素樹脂からなるフィルムシートを加熱融着しサンドイッチした積層シート、等を用いることができる。
ここで、エンドレスベルト62と摺動部材64との間に潤滑剤を供給する場合には、そのオイル保持性の観点から、摺動部材64の表面に凹凸を持たせることが好適である。また、摺動部材64の厚みとしては、エンドレスベルト62の可撓性による接触部Nにおける加圧状態を損なわない観点から、通常30μm〜500μm、好ましくは、50μm〜250μmである。
尚、図2において、本実施の形態の定着装置60には、潤滑剤塗布部材68が設置されている。潤滑剤塗布部材68は、エンドレスベルト62の内周面に対して接触するように配置され、エンドレスベルト62の内周面にアミノ変性シリコーンオイル等の潤滑剤を適量供給する。このような潤滑油の供給により、エンドレスベルト62と摺動部材64との摺動部に潤滑剤を供給することができ、摺動部材64を介したエンドレスベルト62と摺動部材64との摺動抵抗を更に低減して、エンドレスベルト62の円滑な回動を図ることができる。
本実施の形態において、摺動部材64は、厚みが異なる複数の部分を有する。図3(A)は、摺動部材64の部分平面図を示すものであり、図3(B)は図3(A)におけるX−X断面図を示すものである。図3(A)において、摺動部材64は、固定部材66に一端が固定され、エンドレスベルト62に沿って配置される第1の層641と、この第1の層641上に積層され、第1の層641の幅方向に沿って帯状に設けられた第2の層642とを備えている。従って、摺動部材64は、エンドレスベルト62の周方向に沿って厚みの異なる部分を有する部材である。ここで、第1の層641と第2の層642とを形成する素材としては、同一であっても、異なっても良い。また、第1の層641と第2の層642とを一体に成形することも可能である。
図2において、定着ローラ61は、図示しない駆動モータにより矢印C方向に回転し、この回転に由来する摩擦力によってエンドレスベルト62も矢印C’方向に回転する。図1に示した画像形成装置100の二次転写部20において、トナー像が静電転写された記録材Pは、定着入口ガイド56によって導かれて接触部Nに搬送される。そして、記録材Pが接触部Nを通過する際に、記録材P上のトナー像は接触部Nに作用する圧力と、定着ローラ61から供給される熱とによって定着される。本実施の形態の定着装置60では、ほぼ定着ローラ61の外周面に倣う凹形状の第1の圧力部材631により接触部Nを広く構成することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
ここで、本実施の形態の定着装置60では、摺動部材64の接触部Nに対する位置が移動することにより、記録材Pの接触部Nからの排出方向が調節可能である。
図4は、図2における接触部Nの構成状態を拡大した図である。図4において、摺動部材64を構成する第2の層642は、接触部Nの下流側に位置する第2の圧力部材632の凸部部位と、定着ローラ61との間に位置し、また第2の層642の幅は、接触部Nの全体の幅に比べ狭くなっている。その結果、第2の層642がそのような位置に存しない場合に比べて、接触部N内の圧力(特に、第2の層642の近辺の圧力)が上昇すると共に、耐熱性弾性体層612及び離型層613が押圧されて凹む部分における曲率が大きくなる。記録材Pは当該凹み形状に沿って進行することとなるため、当該曲率は、記録材Pが定着ローラ61から剥離する位置における排出角度(記録材Pが剥離する位置における、定着ローラ61表面の接線方向に対する記録材Pの進行方向の角度)に影響する。従って、摺動部材64(又は、第2の層642)の接触部Nに対する位置を調節することにより、記録材Pの接触部Nからの排出角度を調節することが可能となる。
つまり、定着ローラ61の外周面に対し凸形に突出させて第2の圧力部材632を配置することに加え、摺動部材64の移動により接触部に位置する摺動部材64の厚みを調整することより、接触部Nの出口領域において定着ローラ61の歪みを局所的に大きくすることができる。この場合、定着後の記録材Pは、第2の圧力部材632の凸部部位と、定着ローラ61との間を通過する際に、局所的に大きく形成された歪みを通過することになるので、定着ローラ61に巻き付き難くなり、記録材Pの剥離を効果的に行うことができる。
また、第2の圧力部材632の位置を調整し、定着ローラ61の歪みを局所的に大きくすることによって、歪み量自体はさほど大きくすることなく、高い剥離性能を得ることが可能となっている。そのため、定着ローラ61の離型層613として、薄膜の耐熱性樹脂を用いた場合であっても、記録材Pにおける紙しわの発生を抑制することができる。また、耐熱性弾性体層612と離型層613との間の剥がれ等も発生し難く、剥離性能の維持と併せて長期に亘る部品性能の信頼性を向上させることができる。
更に、定着ローラ61の歪み量を比較的小さく設定し得るため、定着ローラ61の耐熱性弾性体層612を薄肉に形成することができる。つまり、定着ローラ61の熱容量を小さく設計し得ることとなり、ウォームアップタイムの短縮や消費電力の低減を図ることができる。
また更に、熱伝導率の低い耐熱性弾性体層612を薄肉化できるため、定着ローラ61の内面と外面との間の熱抵抗が小さくなって熱応答性が向上することとなり、画像形成装置100の印刷高速化にも適している。
尚、本実施の形態において第2の層642の幅は接触部Nの全体の幅よりも狭いものであったが、第2の層642の幅を接触部Nの全体の幅と同程度かそれ以上に広く設定した場合には、接触部Nにおいて、耐熱性弾性体層612及び離型層613が押圧されて凹む部分の曲率は大きくは変わらない。この場合には、記録材Pの接触部Nからの排出角度は大きくは変わらないが、接触部N内の圧力が全体的に高くなるため、定着性が改善される。
図5は、摺動部材64の接触部Nに対する位置と、接触部内圧力との関係を説明する図である。図5における実線は、摺動部材64の薄い部分(第2の層642が存在しない部分)で接触した場合(摺動部材64の薄い部分が接触部Nに位置する場合)の圧力分布を示すものである。一方、図5における一点鎖線は、摺動部材64の厚い部分(第2の層642が存在する部分)で接触した場合(摺動部材64の厚い部分が接触部Nに位置する場合)の圧力分布を示すものである。このように圧力分布を調整することにより、例えば、主に使用される用紙が厚紙等である場合や高画像密度が多く定着性を優先させる場合には、接触部内圧力を高い状態に設定したり、カールの防止等を優先させる場合には接触部内圧力を低い状態に設定したりすることが可能となる。
尚、摺動部材64の移動方法として、本実施の形態においては固定部材66の移動を用いているが、摺動部材64の移動のための構成や手段方法は問わない。また、固定部材66を移動させる手段としては、ソレノイドを用いる方法や、モーターの駆動を用いる方法等を挙げることができる。尚、固定部材66の移動には、画像形成装置100内の駆動手段を用いてもよいし、画像形成装置100の操作者が移動手段と連結したレバーやダイアル等を回す事等、手動で位置を設定しても良い。
また、摺動部材64の移動の時期としては、摺動部材64に過度の負荷がかかることを避ける観点から、定着装置60における定着操作時の接触部N内圧力(ニップ圧力)よりも小さな加圧力が摺動部材64に印加されている時期に、または、解放された状態で、摺動部材64を移動させることが好ましい。
次に、定着装置60において実行される、摺動部材64の接触部Nに対する位置の設定プロセスについて説明する。本実施の形態において、摺動部材64の接触部Nに対する位置は、固定部材66の位置により決定される。また、固定部材66の位置は、制御部83により制御される。
図6は、摺動部材64の接触部Nに対する位置の設定プロセスについて説明するためのブロック図である。図6において、摺動部材64の接触部Nに対する位置の設定は、記録材トレイ50から二次転写ローラ22に至る記録材Pの搬送経路中において、検出部81により検出される記録材Pの厚みに基づいて行われる。
即ち、図6において、まず、検出部81が記録材Pの厚みを検出する。より具体的には、記録材Pを搬送するローラ対(搬送ローラ52)でのローラ位置の変位量を測定することや、レーザ等を用いる位置検出装置により記録材Pの厚みを検出すること、等によって記録材Pの厚みが検出される。
検出された記録材Pの厚みについての情報は、その後、判断部82に伝達され、当該情報に基づいて摺動部材64の接触部Nに対する位置移動量が判断部82により判断される。そして、判断部82により下された判断結果に基づいて、判断部82から制御部83へ、固定部材66の移動量(固定部材66の位置)についての指令が伝達される。
以下、記録材Pが普通紙であると判断された場合に設定される、摺動部材64の接触部Nに対する最適な位置(良好な剥離が可能な位置)を実現するための、固定部材66の移動量(以下、「設定移動量」と略記することがある)を「普通紙モード」、記録材Pが厚紙であると判断された場合に設定される設定移動量を「厚紙モード」、記録材Pが薄紙であると判断された場合に設定される設定移動量を「薄紙モード」と記載する。更に、記録材Pが封筒である場合に設定される設定移動量を「封筒モード」と記載する。また更に、「普通紙モード」、「厚紙モード」、「薄紙モード」、及び「封筒モード」を総称して、「定着モード」と記載する。
図7は、定着装置60において実行される、定着モード変更処理のフローチャートである。図7に示すように、まず、画像形成装置100に対して画像の形成指示がなされると(ステップ101)、画像形成装置100に封筒を記録材Pとする旨の指示が入力されているか否か(封筒モードとする指示が入力されているか否か)について、判断部82が確認する(ステップ102)。
そして、判断部82において封筒モードとする指示が入力されていると確認された場合、判断部82は、封筒に適した設定移動量(封筒モード)で作動するよう、制御部83に指示する(ステップ103)。これにより、摺動部材64における第2の層642が封筒状の記録材Pの剥離に最適な位置に設置される。
一方、判断部82において封筒モードとなっていると確認されなかった場合、検出部81が記録材Pの厚さを検知し(ステップ104)、検知された厚さが普通紙に該当するか否かについて、判断部82が判断する(ステップ105)。判断部82において、検知された厚さが普通紙に該当すると判断された場合、判断部82は、普通紙に適した設定移動量(普通紙モード)で作動するよう、制御部83に指示する(ステップ106)。これにより、摺動部材64における第2の層642が普通紙の剥離に最適な位置に設置される。
判断部82において、検知された厚さが普通紙に該当しないと判断された場合、判断部82は、次いで、検知された厚さが厚紙に該当するか否かを判断する(ステップ107)。判断部82において、検知された厚さが厚紙に該当すると判断された場合、判断部82は、厚紙に適した設定移動量(厚紙モード)で作動するよう、制御部83に指示する(ステップ108)。これにより、摺動部材64における第2の層642が厚紙の剥離に最適な位置に設置される。一方、検知された厚さが厚紙に該当しないと判断された場合、判断部82は、薄紙に適した設定移動量(薄紙モード)で作動するよう、制御部83に指示する(ステップ109)。これにより、摺動部材64における第2の層642が薄紙の剥離に最適な位置に設置される。
以上、定着装置60において実行される、第2の層642の位置を設定するプロセスについて述べた。このようなプロセスを経ることにより、記録材Pの種類や厚さに応じて接触部Nの圧力分布が調節されることとなり、記録材Pへのトナー定着が行なわれた後、記録材Pを定着ローラ61から良好に剥離させることが可能となる。
尚、このような定着装置60を図1に示す画像形成装置100に用いる場合、画像形成装置100において、記録材Pの種類や厚さ、サイズ等の情報を検知または入力し、その情報を記憶する回路を設けることも可能である。それにより、記録材Pに関する種々の情報を用いて摺動部材64の移動を制御することができ、適切な定着圧力分布を取ることが可能となる。例えば、記録材トレイ50が、薄紙が入っているトレイと、厚紙が入っているトレイとを含み、両トレイが同時に画像形成装置100内に存在する場合でも、そのトレイ情報に応じて、摺動部材64の移動が適切に制御される。そして、摺動部材64の移動を適切に制御することは、剥離性のみならず、定着性や耐久性をも同時に満足することが可能な定着装置60、又は画像形成装置100の実現につながり得る。
また、定着装置60又は画像形成装置100の内部に、前記定着装置60内又は画像形成装置100内の部材温度や、定着装置60又は画像形成装置100の内外の温度、湿度の情報を検知または入力し、その情報をする記憶する回路を設けることも可能である。そのような情報を用いることにより、例えば、低温環境でかつ定着装置内の部材温度(ベルト表面温度など)が低い時には、加圧力や接触幅を大きくし定着性を向上させ、高温高湿環境では、カールやしわが発生しやすいので、薄紙では歪み量を小さくして対応する、といった制御が可能となる。
更に、記録材Pの先端に高画像密度の画像が存在した場合、より剥離性が厳しくなる傾向となる。この対応として、画像形成装置100の静電潜像を作成するための画像データに基づき、記録材Pの先端に高画像密度の画像が存在した場合には、定着装置60内の摺動部材64を移動させ、摺動部材64に備えられる第2の層642を第2の圧力部材632の凸部上に位置させる。そうすることにより、定着ローラ61は、局所的に圧力の大きな加圧面でエンドレスベルト62より押圧されることとなる。その結果、定着ローラ61の歪み量が大きくなり、剥離性を向上させることが可能となる。
これらの制御により、画像形成装置100内の定着装置60の各部材にかかるストレスを低減しつつ、定着性や記録材剥離性、カール、しわなどの欠陥(defect)を低減することが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、図2に示すように、シート状の摺動部材64を固定部材66の移動に伴って移動させることにより接触部Nにおける圧力分布を調整した。実施の形態2では、実施の形態1と同様な課題に対応するために、エンドレスベルト状の摺動部材64’を用いて接触部Nにおける圧力分布を調整する。これにより、より多種類の厚みのパターンを組み込むことができるというメリットがある。
尚、実施の形態1と同様な機能については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図8は、本実施の形態が適用される定着装置60’の他の例(実施の形態2)を示した概略構成図である。
図8に示す定着装置60’は、搬送される記録材Pを加熱する加熱部材としての定着ローラ61(定着用回転体の一例である)と、定着ローラ61に対向して接するエンドレスベルト62とを備えている。また、定着装置60’は、エンドレスベルト62を定着ローラ61へ向けて押し当てて定着ローラ61とエンドレスベルト62との間に接触部Nを形成する押圧部材63を備えている。更に、エンドレスベルト62と押圧部材63との間には、摺動部材64’が設置されている。これら定着ローラ61、エンドレスベルト62、押圧部材63、及び摺動部材64’により、定着装置60’の主要部が構成されている。
ここで、摺動部材64’はエンドレスベルト形状を有している。また、摺動部材64’は、エンドレスベルト62の進行方向に沿って図中の矢印D方向に循環移動可能に設置されている。摺動部材64’の移動は、制御部40(図1参照)により制御される。
また、摺動部材64’を移動させる方法については、ソレノイドやモーター駆動を用いる方法等を挙げることができる。摺動部材64’の移動には、画像形成装置100内の駆動手段を用いてもよいし、画像形成装置100の操作者が移動手段と連結したダイアル等を回す事により、手動で位置を設定しても良い。
本実施の形態において摺動部材64’は、厚みが異なる複数の部分を有する。
図9(A)は、摺動部材64’の部分平面図を示すものである。また、図9(B)は、図9(A)におけるX−X断面図、図9(C)は、図9(A)におけるY−Y断面図、図9(D)は、図9(A)におけるZ−Z断面図、を夫々示すものである。図9(A)において、摺動部材64’は、基材層となる第1の層641’と、この第1の層641’上に平面視階段状に積層された第2の層642’とを備えている。従って、摺動部材64’は、エンドレスベルト62の周方向、及び幅方向に沿って厚みの異なる部分を有する部材である。
図10は、摺動部材64’を用いた場合の、接触部Nに対する位置と、摺動部材64’の幅方向の接触部内圧力との関係を説明する図である。
図10における実線は、図9(A)における位置Pで接触した場合(摺動部材64’の位置Pが接触部Nに位置する場合)の圧力分布を示すものである。また、図10における破線は、図9(A)における位置Qで接触した場合(摺動部材64’の位置Qが接触部Nに位置する場合)の圧力分布を示すものである。更に、図10における一点鎖線は、図9(A)における位置Rで接触した場合(摺動部材64’の位置Rが接触部Nに位置する場合)の圧力分布を示すものである。第2の層642’の平面視形状に即して摺動部材64’に厚みの大きな領域が形成され、かかる厚みの大きな領域の形状に即して接触部Nにおける圧力分布が形成されている。
そして、このような圧力分布の可変により、用紙サイズや画像密度・パターンにあわせた圧力設定が可能となり、必要部分以外に圧力がかかり、定着ローラ61やエンドレスベルト62の表面のキズや磨耗が発生する事を抑制することができる。
尚、摺動部材64、又は摺動部材64’においては、エンドレスベルト62の周方向に沿って厚みに差を設けた形状(摺動部材64)、又はエンドレスベルト62の周方向、及び幅方向に沿って厚みに差を設けた形状(摺動部材64’)が採用されたが、厚みに差を設ける部分の配置(第2の層642、又は第2の層642’の平面視形状)については特に限定されるものではない。また、厚みの差については、多段に設けることができる。
更に、本実施の形態においては定着装置を例示したが、本実施の形態の定着装置に用いた記録材剥離のための機構を、定着装置以外の装置に転用することも可能である。即ち、例えば、ラミネート加工に際して記録材Pの代わりに複数の基材シートを用い、これら複数の基材シートを加熱して圧着するような場合、上記装置を用いれば、上記圧着に用いられる一対の回転体から積層された基材シートを良好に剥離させることができる。
(実施の形態3)
図11は、第3の実施の形態が適用される定着装置60a(実施の形態3)を説明する図である。図2に示した定着装置60(実施の形態1)と同様な部位については同じ符号を使用し、説明は省略する。
図11に示す定着装置60aは、定着用回転体の一例としての定着ローラ61と、定着ローラ61に接触しながら回動可能なエンドレスベルト62と、エンドレスベルト62を介して定着ローラ61から押圧される圧力部材の一例としての押圧部材63(弾性体からなる第1の圧力部材631と、金属等からなる第2の圧力部材632)と、エンドレスベルト62と押圧部材63との間の摺動抵抗を低減させるシート状の摺動部材64aと、により主要部が構成されている。
ここで、定着ローラ61は、芯体である金属製のコア611上に順に積層した耐熱弾性層で耐熱性弾性体層612と、耐熱離型性樹脂層である離型層613とを有している。また、エンドレスベルト62は、ベース層である可撓性基材上に耐熱離型性樹脂層が形成されている。
図11に示すように、シート状の摺動部材64aには、押圧部材63側の一部において、摺動部材64aの軸方向の所定の長さと摺動部材64aの周方向の所定の長さで、弾性材料で構成された弾性材料付加部643aが形成されている。ここで、摺動部材64aの端部は固定部材66に固定されている。固定部材66をエンドレスベルト62の周方向(図11中、矢印D)に移動させることにより、摺動部材64aをエンドレスベルト62の周方向に移動させることが可能となり、これにより、摺動部材64aに形成された弾性材料付加部643aの接触部N(ニップ部)に対する位置が調整される。
図12は、摺動部材64aの弾性材料付加部643aを説明する図である。
図12(a)は、摺動部材64aの平面図である。図12(a)において、摺動部材64aは、固定部材66(図11参照)に一端が固定されエンドレスベルト62の周方向(図12(a)中、矢印D)に沿って配置される第1の層641aと、この第1の層641a上の押圧部材63(図11参照)側に設けられ、摺動部材64aの軸方向に沿って帯状に設けられた、所定の弾性材料から構成された弾性材料付加部643aとを備えている。
摺動部材64aの軸方向における弾性材料付加部643aの幅は、例えば、接触部N(ニップ部)(図11参照)を通過する記録材Pの最大通紙幅と略同等、またはそれ以下の長さの範囲内で、摺動部材64aの第1の層641aに設けられることが好ましい。
図12(b)は、図12(a)におけるX−X断面図である。図12(b)に示すように、第1の層641a上の押圧部材63(図11参照)側に設けられた弾性材料付加部643aは、第1の層641aに対して所定の厚みを有し、その移動方向における先端部分には、所定の角度で形成されたテーパ部(tp)を有している。
弾性材料付加部643aを構成する弾性材料としては、弾性材料付加部643aが接触部N(ニップ部)(図11参照)に位置する際に、定着ローラ61(図11参照)の耐熱性弾性体層612(図11参照)の歪み量を調整できる程度の弾性を有する材料であれば特に限定されない。なかでも、弾性材料としては、例えば、シリコンゴム、シリコンスポンジ、フッ素ゴムから選ばれる耐熱性弾性材料が挙げられる。
ここで、摺動部材64aの弾性材料付加部643aの厚みは、定着用回転体である定着ローラ61に設けた耐熱性弾性体層612の厚みより厚く形成されることが好ましい。この場合、封筒や厚紙等の記録材Pが接触部N(ニップ部)を通過する際、接触部N(ニップ部)における定着ローラ61の耐熱性弾性体層612の歪み量を低減し、接触部N(ニップ部)における圧力分布を均一にすることができる。
図13は、定着装置60bにおける接触部N(ニップ部)の拡大断面図である。
図13(a)は、摺動部材64aの弾性材料付加部643aが接触部N(ニップ部)に接触しない位置に移動した状態を示す。この場合、摺動部材64aは、固定部材66(図11参照)をエンドレスベルト62(図11参照)の周方向に移動させることにより移動している。このため、摺動部材64aに形成された弾性材料付加部643aは接触部N(ニップ部)から退避した位置に移動している。
図13(a)に示す状態において、記録材Pが接触部N(ニップ部)を通過する際に、記録材P上のトナー像は接触部N(ニップ部)に作用する圧力と、定着ローラ61から供給される熱とによって定着される。このとき、定着ローラ61の外周面に略倣う凹形状の第1の圧力部材631により接触部N(ニップ部)を広く構成することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
その後、定着ローラ61の外周面に対し凸形に突出させた第2の圧力部材632により、接触部N(ニップ部)の出口領域において定着ローラ61の弾性層での歪みが局所的に大きくなり、定着後の記録材Pは、定着ローラ61に巻き付くことなく、厚みの薄い記録材Pに対しても剥離を効果的に行うことができる。
図13(b)は、摺動部材64aの弾性材料付加部643aが接触部N(ニップ部)に位置する状態を示す。図13(b)に示すように、摺動部材64aに形成された弾性材料付加部643aは接触部N(ニップ部)の位置になるように移動し、第1の圧力部材631及び第2の圧力部材632を覆うように配置されている。これにより、接触部N(ニップ部)における定着ローラ61の歪み量や圧力を変えることができる。
この場合、記録材Pが接触部N(ニップ部)を通過する際、接触部N(ニップ部)における定着ローラ61の耐熱性弾性体層612の歪み量が低減する。このため、接触部N(ニップ部)を記録材Pが通過する際の経路が略直線的になる。これにより、比較的腰が強い封筒や厚紙等を記録材Pとして使用する場合、定着ローラ61からの剥離性が向上する。また、封筒を通紙した場合に生じていた封筒しわや、厚紙を通紙した場合に生じていたカールを抑制することができる。
図14は、図13に示した摺動部材64aの弾性材料付加部643aの接触部N(ニップ部)に対する位置と接触部N(ニップ部)内圧力との関係を説明する図である。図14に示す接触部N(ニップ部)内圧力は、接触部N(ニップ部)入口から接触部N(ニップ部)出口迄の範囲において、記録材Pの用紙搬送方向に対して垂直方向の圧力分布を示すものである。
図14中、一点鎖線で示す圧力分布は、前述した図13(a)に示すように、摺動部材64aの弾性材料付加部643aが接触部N(ニップ部)に接触しない位置に移動した状態のものである。これによれば、摺動部材64aの弾性材料付加部643aが接触部N(ニップ部)に接触しない位置に移動した場合は、接触部N(ニップ部)内圧力が、接触部N(ニップ部)出口において、接触部N(ニップ部)入口よりも増大することが分かる。
図14中、実線で示す圧力分布は、前述した図13(b)に示すように、摺動部材64aの弾性材料付加部643aが接触部N(ニップ部)に位置した状態のものである。これによれば、摺動部材64aの弾性材料付加部643aが接触部N(ニップ部)に位置した場合は、接触部N(ニップ部)内圧力が、接触部N(ニップ部)入口から接触部N(ニップ部)出口迄の範囲において略均一になることが分かる。
(実施の形態4)
図15は、第4の実施の形態が適用される定着装置60b(実施の形態4)を説明する図である。図2に示した定着装置60(実施の形態1)と同様な部位については同じ符号を使用し、説明は省略する。
図15に示す定着装置60bは、定着用回転体の一例としての定着ローラ61と、定着ローラ61に接触しながら回動可能なエンドレスベルト62と、エンドレスベルト62を介して定着ローラ61から押圧される圧力部材の一例としての押圧部材63(弾性体からなる第1の圧力部材631と、金属等からなる第2の圧力部材632)と、エンドレスベルト62と押圧部材63との間の摺動抵抗を低減させる摺動部材64bと、により主要部が構成されている。本実施の形態における摺動部材64bは、エンドレスベルト形状(円筒状)を有している。
ここで、円筒状の摺動部材64bには、押圧部材63側の一部において、摺動部材64bの軸方向の所定の長さと摺動部材64bの周方向の所定の長さで、弾性材料で構成された弾性材料付加部643bが形成されている。円筒状の摺動部材64bは、エンドレスベルト62の進行方向に沿って図中の矢印D方向に循環移動可能に設置されている。これにより、摺動部材64bに形成された弾性材料付加部643bの接触部N(ニップ部)に対する位置が調整される。尚、摺動部材64bの移動は、制御部40(図1参照)により制御される。
図16は、摺動部材64bに設けられた軸方向に異なる幅を有する複数の弾性材料付加部643bを説明する図である。
図16(a)は、摺動部材64bの平面図である。図16(a)において、摺動部材64aは、エンドレスベルト62の周方向(図15(a)中、矢印D)に沿って配置される第1の層641bと、この第1の層641bの押圧部材63(図15参照)側に帯状に設けられ、摺動部材64bの軸方向に異なる幅を有する3個の弾性材料付加部643bとを備えている。
図16(a)に示すように、本実施の形態では、3個の弾性材料付加部643bは、その軸方向の幅が、エンドレスベルト62の周方向(矢印D)に対して段階的に狭くなるように形成されている。
図16(b)は、図16(a)におけるY−Y断面図であり、図16(c)は、図16(a)におけるY−Y断面図、図16(d)は、図16(a)におけるY−Y断面図である。図16(b)〜図16(d)に示すように、第1の層641b上の押圧部材63(図15参照)側に設けられた弾性材料付加部643bは、第1の層641bに対して所定の厚みを有し、その周方向に対する長さが異なる部分を有するように形成されている。また、摺動部材64bの軸方向に最も広い幅を有する弾性材料付加部643bの、その移動方向における先端部分には、所定の角度で形成されたテーパ部(tp)を有している。尚、本実施の形態で示した3個の弾性材料付加部643bは一体に成型されてもよい。
図17は、図16に示した摺動部材64bを用いた場合の弾性材料付加部643bの接触部N(ニップ部)に対する位置と接触部N(ニップ部)内の圧力との関係を説明する図である。
図17に示す接触部N(ニップ部)内圧力は、弾性材料付加部643bが接触部N(ニップ部)に位置する場合の摺動部材64bの軸方向における圧力分布を示すものである。図17における実線は、摺動部材64bを用いた場合の弾性材料付加部643bが、図16(a)における位置A(図16参照)で接触した場合の圧力分布を示す。図17における破線は、摺動部材64bを用いた場合の弾性材料付加部643bが、図16(a)における位置B(図16参照)で接触した場合の圧力分布を示す。図17における一点鎖線は、摺動部材64bを用いた場合の弾性材料付加部643bが、図16(a)における位置C(図16参照)で接触した場合の圧力分布を示す。
図17に示すように、接触部N(ニップ部)内圧力は、摺動部材64bの軸方向の幅が最も広い弾性材料付加部643bの場合(実線)、最も低減し且つ均一な圧力分布を示すことが分かる。また、摺動部材64bの軸方向の幅が最も狭い弾性材料付加部643bの場合(一点鎖線)、最も高く且つ均一な圧力分布の幅が狭いことが分かる。このような圧力分布を任意に変化させることにより、接触部N(ニップ部)内の圧力を、記録材Pの用紙サイズや、得られる画像密度・パターンに応じて適宜設定することが可能となる。
本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。 本実施の形態が適用される定着装置の一例を示した概略構成図である。 摺動部材の部分平面図及び断面図である。 図2における接触部の構成状態を拡大した図である。 摺動部材の接触部に対する位置と、接触部内圧力との関係を説明する図である。 摺動部材の接触部に対する位置移動量の設定プロセスについて説明するためのブロック図である。 定着装置において実行される、定着モード変更処理のフローチャートである。 本実施の形態が適用される定着装置の他の例(実施の形態2)を示した概略構成図である。 摺動部材の部分平面図及び断面図である。 摺動部材の接触部に対する位置と、接触部内圧力との関係を説明する図である。 第3の実施の形態が適用される定着装置(実施の形態3)を説明する図である。 摺動部材の弾性材料付加部を説明する図である。図12(a)は、摺動部材の平面図であり、図12(b)は、図12(a)におけるX−X断面図である。 定着装置における接触部N(ニップ部)の拡大断面図である。 図13に示した摺動部材の弾性材料付加部の接触部N(ニップ部)に対する位置と接触部N(ニップ部)内の圧力との関係を説明する図である。 第4の実施の形態が適用される定着装置(実施の形態4)を説明する図である。 摺動部材に設けられた軸方向に異なる幅を有する複数の弾性材料付加部を説明する図である。図16(a)は、摺動部材の平面図であり、図16(b)は、図16(a)におけるY−Y断面図であり、図16(c)は、図16(a)におけるY−Y断面図、図16(d)は、図16(a)におけるY−Y断面図である。 図16に示した摺動部材を用いた場合の弾性材料付加部の接触部N(ニップ部)に対する位置と接触部N(ニップ部)内の圧力との関係を説明する図である。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像器、15…中間転写ベルト、16…一次転写ローラ、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、60,60’,60a,60b…定着装置、61…定着ローラ、62…エンドレスベルト、63…押圧部材、64,64’,64a,64b…摺動部材、70…剥離部材、631…第1の圧力部材、632…第2の圧力部材、641,641’,641a,641b…第1の層、642,642’…第2の層、643a,643b…弾性材料付加部、P…記録材

Claims (11)

  1. 搬送される記録材を加熱する加熱部材と、
    前記加熱部材に対向して接するエンドレスベルトと、
    前記エンドレスベルトを前記加熱部材へ向けて押し当てて当該加熱部材と当該エンドレスベルトとの間に接触部を形成する押圧部材と、
    前記エンドレスベルトと前記押圧部材との間に設置される摺動部材とを備え、
    前記摺動部材は厚みが異なる複数の部分を有し、当該摺動部材の前記接触部に対する位置を調整可能に構成され、且つ第1の層と、当該第1の層上に設けられた少なくとも1層と、により形成される
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 搬送される記録材を加熱する加熱部材と、
    前記加熱部材に対向して接するエンドレスベルトと、
    前記エンドレスベルトを前記加熱部材へ向けて押し当てて当該加熱部材と当該エンドレスベルトとの間に接触部を形成する押圧部材と、
    前記エンドレスベルトと前記押圧部材との間に設置される摺動部材とを備え、
    前記摺動部材は厚みが異なる複数の部分を有し、当該摺動部材の前記接触部に対する位置を調整可能に構成され、当該摺動部材を前記エンドレスベルトの周方向に移動する際に、前記押圧部材の当該エンドレスベルトに付与する圧力を低減する
    ことを特徴とする定着装置。
  3. 前記摺動部材が、前記第1の層と、当該第1の層上に設けられた弾性材料付加部と、により形成されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記弾性材料付加部は、前記記録材の最大通紙幅以下の幅方向に形成されることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  5. 前記弾性材料付加部は、シリコンゴム、シリコンスポンジ、フッ素ゴムから選ばれる耐熱性弾性材料で構成されていることを特徴とする請求項またはに記載の定着装置。
  6. 前記加熱部材は、芯体上に順に積層した耐熱弾性層と耐熱離型性樹脂層とを有し、
    前記エンドレスベルトは、可撓性基材上に前記耐熱離型性樹脂層を有し、
    前記摺動部材の前記弾性材料付加部の厚みは、前記加熱部材の前記耐熱弾性層の前記厚みより厚く形成されることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記摺動部材は、前記記録材が封筒または厚紙の場合には、前記弾性材料付加部が前記押圧部材を覆うように前記エンドレスベルトの周方向に移動することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記摺動部材は、前記エンドレスベルトの表面温度が低温である場合には、前記厚みが異なる複数の部分が前記押圧部材を覆うように当該エンドレスベルトの周方向に移動することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 静電潜像保持体と、
    前記静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、
    前記静電潜像保持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像とする現像手段と、
    前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材上に定着する定着手段とを備え、
    前記定着手段は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記摺動部材は、前記定着装置内が高温高湿の場合には、前記厚みが異なる複数の部分
    が前記押圧部材と接しないように前記エンドレスベルトの周方向に移動することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  11. 回転体と、
    前記回転体に対向して接するエンドレスベルトと、
    前記エンドレスベルトを前記回転体へ向けて押し当てて当該回転体と当該エンドレスベルトとの間に接触部を形成する押圧部材と、
    前記エンドレスベルトと前記押圧部材との間に設置される摺動部材とを備え、
    前記摺動部材は厚みが異なる複数の部分を有し、当該摺動部材の前記接触部に対する位置が移動可能である
    ことを特徴とする装置。
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