JP5217261B2 - 画像形成装置、定着装置、及び装置 - Google Patents
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Description
公報記載の従来技術として、円筒状芯金に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が被覆された加熱定着ローラと、エンドレスベルトと、エンドレスベルト内側に配置された圧力部材と、を具備した定着装置であって、エンドレスベルトを加熱定着ローラに所定角度巻き付けて、エンドレスベルトと加熱定着ローラとの間に記録シートが通過させられるニップ部を形成し、該ニップ部において、圧力部材をエンドレスベルトを介して加熱定着ローラに押圧させることにより、加熱定着ローラの耐熱性弾性体層に歪みを生じさせることを特徴とする定着装置、およびそれを用いた画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、このようなフリーベルトニップ方式の定着装置においても、例えば、高画像密度のカラー印刷の場合は、複数色のトナーが記録紙上に大量に付着するため、特に薄紙や薄いコート紙は定着ローラから剥離し難い傾向がある。また、記録紙先端に画像が形成された場合も、同様な傾向が見られる。
さらに、記録材として厚紙や封筒を使用する場合、極圧部の歪みや圧力が過大になる傾向がある。このため、厚紙や封筒にシワが発生しやすい。また、定着ローラの離型層にシワが生じたり、記録紙が突入する際のキズが発生する傾向がある。
請求項1に係る発明は、搬送される記録材を加熱する加熱部材と、前記加熱部材に対向して接するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトを前記加熱部材へ向けて押し当てて当該加熱部材と当該エンドレスベルトとの間に接触部を形成する押圧部材と、前記エンドレスベルトと前記押圧部材との間に設置される摺動部材とを備え、前記摺動部材は厚みが異なる複数の部分を有し、当該摺動部材の前記接触部に対する位置を調整可能に構成され、且つ第1の層と、当該第1の層上に設けられた少なくとも1層と、により形成されることを特徴とする定着装置である。
請求項5に係る発明は、前記弾性材料付加部は、シリコンゴム、シリコンスポンジ、フッ素ゴムから選ばれる耐熱性弾性材料で構成されていることを特徴とする請求項3または4に記載の定着装置である。
請求項6に係る発明は、前記加熱部材は、芯体上に順に積層した耐熱弾性層と耐熱離型性樹脂層とを有し、前記エンドレスベルトは、可撓性基材上に前記耐熱離型性樹脂層を有し、前記摺動部材の前記弾性材料付加部の厚みは、前記加熱部材の前記耐熱弾性層の前記厚みより厚く形成されることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の定着装置である。
請求項8に係る発明は、前記摺動部材は、前記エンドレスベルトの表面温度が低温である場合には、前記厚みが異なる複数の部分が前記押圧部材を覆うように当該エンドレスベルトの周方向に移動することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の定着装置である。
請求項10に係る発明は、前記摺動部材は、前記定着装置内が高温高湿の場合には、前記厚みが異なる複数の部分が前記押圧部材と接しないように前記エンドレスベルトの周方向に移動することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置である。
ルトとの間に接触部を形成する押圧部材と、前記エンドレスベルトと前記押圧部材との間に設置される摺動部材とを備え、前記摺動部材は厚みが異なる複数の部分を有し、当該摺動部材の前記接触部に対する位置が移動可能であることを特徴とする装置である。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記録材が通過する接触部(ニップ部)において、加熱部材の弾性層の歪み量を調整することができる。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、弾性材料付加部による圧力調整が可能である。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、接触部(ニップ部)における加熱部材の弾性層の歪みを小さくすることができる。
請求項8に係る発明によれば、記録材が通過する接触部(ニップ部)に厚みが異なる複数の部分が位置しない場合と比較して、加圧幅や接触幅を大きくすることができる。
請求項10に係る発明によれば、記録材が通過する接触部(ニップ部)に厚みが異なる複数の部分が位置する場合と比較して、特に薄紙を通紙した場合に歪み量を小さくすることができる。
以下、添付図面を参照し、本実施の形態について詳細に説明する。
尚、以下では、未定着トナーと接する側に、加熱部材としての加熱定着ローラを配し、加圧部材としてエンドレスベルトと圧力部材とを配した構成で説明する。しかし、加熱部材は、外部から加熱する所謂外部加熱手段であってもよい。また、加熱手段は、エンドレスベルト側にあっても良い。更に、エンドレスベルト表面を記録材上のトナーに対面させ、定着用回転体は、加圧ローラとして使用することも可能である。尚、以降の記述においては、「加熱定着ローラ」を単に「定着ローラ」と記す。
これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。
図2は、本実施の形態が適用される定着装置60を示した概略構成図である。
定着装置60は、搬送される記録材Pを加熱する加熱部材としての定着ローラ61(定着用回転体の一例である)と、定着ローラ61に対向して接するエンドレスベルト62とを備えている。また、定着装置60は、エンドレスベルト62を定着ローラ61へ向けて押し当てて、定着ローラ61とエンドレスベルト62との間に接触部N(ニップ部)を形成する押圧部材63を備えている。更に、エンドレスベルト62と押圧部材63との間には、エンドレスベルト62と押圧部材63との摺動性を向上させる摺動部材64が設置されている。これら定着ローラ61、エンドレスベルト62、押圧部材63、及び摺動部材64により、定着装置60の主要部が構成されている。
また、図2においては、剥離の補助手段として、接触部Nの下流側に、剥離部材70が設置されている。剥離部材70は、定着ローラ61の回転方向Cと対向する向き(カウンタ方向)に、定着ローラ61と近接する状態で配置される剥離バッフル71と、剥離バッフル71を保持するホルダ72とで構成されている。
そして、エンドレスベルト62の内周面と押圧部材63との間には、接触部Nの上流側から接触部Nを通過し、接触部Nの下流側に位置するベルト走行ガイド65に至るまでシート状の摺動部材64が設置されている。シート状の摺動部材64の一端は、エンドレスベルト62の進行方向に沿って図中の矢印D方向に移動可能な固定部材66に固定されている。また、摺動部材64は、この固定部材66の移動に伴って移動可能に設置されている。
また、押圧部材63、ベルト走行ガイド65は、金属製のホルダ67に保持されている。更に、固定部材66の移動は、後述する制御部83(図6参照)により制御される。
ここで、ベース層を形成する素材としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルイミド等のポリマーや、ニッケル合金、SUS等の金属等が挙げられる。また、ベース層の厚みとしては、可とう性と低熱容量を満たしつつ耐久性を保つだけの厚みを有することが好ましい。そのような厚みとしては、材料によって異なるが、樹脂であれば、通常20μm〜150μm程度、金属であれば、通常10μm〜100μm程度である。
また、離型層の厚みとしては、磨耗に対する耐久性と熱伝導や熱容量やコストとのバランスのとれた厚みであることが好ましい。そのような厚みとしては、通常10μm〜100μm程度である。
尚、上記ベース層と上記離型層との間には、更に耐熱弾性材料層を設けてもよく、ニッケルや銅などで形成された電磁誘導発熱層が設けられていてもよい。
尚、図2において摺動部材64の一端部は、ベルト走行ガイド65と押圧部材63との間に位置するよう設置されているが、摺動部材64がエンドレスベルト62とベルト走行ガイド65との間に挟持されるよう、摺動部材64が設置されていても良い。この場合、ベルト走行ガイド65は摺動部材64の内周面と擦れることとなるが、ベルト走行ガイド65を形成する素材としては、上記と同様の素材を用いることができる。
また、この場合、摺動部材64が移動する際に摺動部材64の一端部がベルト走行ガイド65に引っかかることのない様、摺動部材64が設置されることが好ましい。より具体的には、摺動部材64の移動量に対し、摺動部材64の一端部が常にベルト走行ガイド65の外周面上に位置するよう設置しても良いし、摺動部材64の一端部が常にベルト走行ガイド65の下流側(エンドレスベルト62の進行方向を基準)に位置するよう設置しても良い。
第2の圧力部材632を形成する素材としては、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂や、それらの樹脂にガラスファイバー等を添加し強化した材料、又は鉄、アルミニウム、SUS等の金属を挙げることができる。
ここで、エンドレスベルト62と摺動部材64との間に潤滑剤を供給する場合には、そのオイル保持性の観点から、摺動部材64の表面に凹凸を持たせることが好適である。また、摺動部材64の厚みとしては、エンドレスベルト62の可撓性による接触部Nにおける加圧状態を損なわない観点から、通常30μm〜500μm、好ましくは、50μm〜250μmである。
図4は、図2における接触部Nの構成状態を拡大した図である。図4において、摺動部材64を構成する第2の層642は、接触部Nの下流側に位置する第2の圧力部材632の凸部部位と、定着ローラ61との間に位置し、また第2の層642の幅は、接触部Nの全体の幅に比べ狭くなっている。その結果、第2の層642がそのような位置に存しない場合に比べて、接触部N内の圧力(特に、第2の層642の近辺の圧力)が上昇すると共に、耐熱性弾性体層612及び離型層613が押圧されて凹む部分における曲率が大きくなる。記録材Pは当該凹み形状に沿って進行することとなるため、当該曲率は、記録材Pが定着ローラ61から剥離する位置における排出角度(記録材Pが剥離する位置における、定着ローラ61表面の接線方向に対する記録材Pの進行方向の角度)に影響する。従って、摺動部材64(又は、第2の層642)の接触部Nに対する位置を調節することにより、記録材Pの接触部Nからの排出角度を調節することが可能となる。
また更に、熱伝導率の低い耐熱性弾性体層612を薄肉化できるため、定着ローラ61の内面と外面との間の熱抵抗が小さくなって熱応答性が向上することとなり、画像形成装置100の印刷高速化にも適している。
また、摺動部材64の移動の時期としては、摺動部材64に過度の負荷がかかることを避ける観点から、定着装置60における定着操作時の接触部N内圧力(ニップ圧力)よりも小さな加圧力が摺動部材64に印加されている時期に、または、解放された状態で、摺動部材64を移動させることが好ましい。
図6は、摺動部材64の接触部Nに対する位置の設定プロセスについて説明するためのブロック図である。図6において、摺動部材64の接触部Nに対する位置の設定は、記録材トレイ50から二次転写ローラ22に至る記録材Pの搬送経路中において、検出部81により検出される記録材Pの厚みに基づいて行われる。
即ち、図6において、まず、検出部81が記録材Pの厚みを検出する。より具体的には、記録材Pを搬送するローラ対(搬送ローラ52)でのローラ位置の変位量を測定することや、レーザ等を用いる位置検出装置により記録材Pの厚みを検出すること、等によって記録材Pの厚みが検出される。
以下、記録材Pが普通紙であると判断された場合に設定される、摺動部材64の接触部Nに対する最適な位置(良好な剥離が可能な位置)を実現するための、固定部材66の移動量(以下、「設定移動量」と略記することがある)を「普通紙モード」、記録材Pが厚紙であると判断された場合に設定される設定移動量を「厚紙モード」、記録材Pが薄紙であると判断された場合に設定される設定移動量を「薄紙モード」と記載する。更に、記録材Pが封筒である場合に設定される設定移動量を「封筒モード」と記載する。また更に、「普通紙モード」、「厚紙モード」、「薄紙モード」、及び「封筒モード」を総称して、「定着モード」と記載する。
そして、判断部82において封筒モードとする指示が入力されていると確認された場合、判断部82は、封筒に適した設定移動量(封筒モード)で作動するよう、制御部83に指示する(ステップ103)。これにより、摺動部材64における第2の層642が封筒状の記録材Pの剥離に最適な位置に設置される。
これらの制御により、画像形成装置100内の定着装置60の各部材にかかるストレスを低減しつつ、定着性や記録材剥離性、カール、しわなどの欠陥(defect)を低減することが可能となる。
実施の形態1では、図2に示すように、シート状の摺動部材64を固定部材66の移動に伴って移動させることにより接触部Nにおける圧力分布を調整した。実施の形態2では、実施の形態1と同様な課題に対応するために、エンドレスベルト状の摺動部材64’を用いて接触部Nにおける圧力分布を調整する。これにより、より多種類の厚みのパターンを組み込むことができるというメリットがある。
尚、実施の形態1と同様な機能については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図8に示す定着装置60’は、搬送される記録材Pを加熱する加熱部材としての定着ローラ61(定着用回転体の一例である)と、定着ローラ61に対向して接するエンドレスベルト62とを備えている。また、定着装置60’は、エンドレスベルト62を定着ローラ61へ向けて押し当てて定着ローラ61とエンドレスベルト62との間に接触部Nを形成する押圧部材63を備えている。更に、エンドレスベルト62と押圧部材63との間には、摺動部材64’が設置されている。これら定着ローラ61、エンドレスベルト62、押圧部材63、及び摺動部材64’により、定着装置60’の主要部が構成されている。
また、摺動部材64’を移動させる方法については、ソレノイドやモーター駆動を用いる方法等を挙げることができる。摺動部材64’の移動には、画像形成装置100内の駆動手段を用いてもよいし、画像形成装置100の操作者が移動手段と連結したダイアル等を回す事により、手動で位置を設定しても良い。
図9(A)は、摺動部材64’の部分平面図を示すものである。また、図9(B)は、図9(A)におけるX−X断面図、図9(C)は、図9(A)におけるY−Y断面図、図9(D)は、図9(A)におけるZ−Z断面図、を夫々示すものである。図9(A)において、摺動部材64’は、基材層となる第1の層641’と、この第1の層641’上に平面視階段状に積層された第2の層642’とを備えている。従って、摺動部材64’は、エンドレスベルト62の周方向、及び幅方向に沿って厚みの異なる部分を有する部材である。
図10における実線は、図9(A)における位置Pで接触した場合(摺動部材64’の位置Pが接触部Nに位置する場合)の圧力分布を示すものである。また、図10における破線は、図9(A)における位置Qで接触した場合(摺動部材64’の位置Qが接触部Nに位置する場合)の圧力分布を示すものである。更に、図10における一点鎖線は、図9(A)における位置Rで接触した場合(摺動部材64’の位置Rが接触部Nに位置する場合)の圧力分布を示すものである。第2の層642’の平面視形状に即して摺動部材64’に厚みの大きな領域が形成され、かかる厚みの大きな領域の形状に即して接触部Nにおける圧力分布が形成されている。
そして、このような圧力分布の可変により、用紙サイズや画像密度・パターンにあわせた圧力設定が可能となり、必要部分以外に圧力がかかり、定着ローラ61やエンドレスベルト62の表面のキズや磨耗が発生する事を抑制することができる。
図11は、第3の実施の形態が適用される定着装置60a(実施の形態3)を説明する図である。図2に示した定着装置60(実施の形態1)と同様な部位については同じ符号を使用し、説明は省略する。
図11に示す定着装置60aは、定着用回転体の一例としての定着ローラ61と、定着ローラ61に接触しながら回動可能なエンドレスベルト62と、エンドレスベルト62を介して定着ローラ61から押圧される圧力部材の一例としての押圧部材63(弾性体からなる第1の圧力部材631と、金属等からなる第2の圧力部材632)と、エンドレスベルト62と押圧部材63との間の摺動抵抗を低減させるシート状の摺動部材64aと、により主要部が構成されている。
ここで、定着ローラ61は、芯体である金属製のコア611上に順に積層した耐熱弾性層で耐熱性弾性体層612と、耐熱離型性樹脂層である離型層613とを有している。また、エンドレスベルト62は、ベース層である可撓性基材上に耐熱離型性樹脂層が形成されている。
図12(a)は、摺動部材64aの平面図である。図12(a)において、摺動部材64aは、固定部材66(図11参照)に一端が固定されエンドレスベルト62の周方向(図12(a)中、矢印D)に沿って配置される第1の層641aと、この第1の層641a上の押圧部材63(図11参照)側に設けられ、摺動部材64aの軸方向に沿って帯状に設けられた、所定の弾性材料から構成された弾性材料付加部643aとを備えている。
摺動部材64aの軸方向における弾性材料付加部643aの幅は、例えば、接触部N(ニップ部)(図11参照)を通過する記録材Pの最大通紙幅と略同等、またはそれ以下の長さの範囲内で、摺動部材64aの第1の層641aに設けられることが好ましい。
ここで、摺動部材64aの弾性材料付加部643aの厚みは、定着用回転体である定着ローラ61に設けた耐熱性弾性体層612の厚みより厚く形成されることが好ましい。この場合、封筒や厚紙等の記録材Pが接触部N(ニップ部)を通過する際、接触部N(ニップ部)における定着ローラ61の耐熱性弾性体層612の歪み量を低減し、接触部N(ニップ部)における圧力分布を均一にすることができる。
図13(a)は、摺動部材64aの弾性材料付加部643aが接触部N(ニップ部)に接触しない位置に移動した状態を示す。この場合、摺動部材64aは、固定部材66(図11参照)をエンドレスベルト62(図11参照)の周方向に移動させることにより移動している。このため、摺動部材64aに形成された弾性材料付加部643aは接触部N(ニップ部)から退避した位置に移動している。
図13(a)に示す状態において、記録材Pが接触部N(ニップ部)を通過する際に、記録材P上のトナー像は接触部N(ニップ部)に作用する圧力と、定着ローラ61から供給される熱とによって定着される。このとき、定着ローラ61の外周面に略倣う凹形状の第1の圧力部材631により接触部N(ニップ部)を広く構成することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
その後、定着ローラ61の外周面に対し凸形に突出させた第2の圧力部材632により、接触部N(ニップ部)の出口領域において定着ローラ61の弾性層での歪みが局所的に大きくなり、定着後の記録材Pは、定着ローラ61に巻き付くことなく、厚みの薄い記録材Pに対しても剥離を効果的に行うことができる。
この場合、記録材Pが接触部N(ニップ部)を通過する際、接触部N(ニップ部)における定着ローラ61の耐熱性弾性体層612の歪み量が低減する。このため、接触部N(ニップ部)を記録材Pが通過する際の経路が略直線的になる。これにより、比較的腰が強い封筒や厚紙等を記録材Pとして使用する場合、定着ローラ61からの剥離性が向上する。また、封筒を通紙した場合に生じていた封筒しわや、厚紙を通紙した場合に生じていたカールを抑制することができる。
図14中、一点鎖線で示す圧力分布は、前述した図13(a)に示すように、摺動部材64aの弾性材料付加部643aが接触部N(ニップ部)に接触しない位置に移動した状態のものである。これによれば、摺動部材64aの弾性材料付加部643aが接触部N(ニップ部)に接触しない位置に移動した場合は、接触部N(ニップ部)内圧力が、接触部N(ニップ部)出口において、接触部N(ニップ部)入口よりも増大することが分かる。
図14中、実線で示す圧力分布は、前述した図13(b)に示すように、摺動部材64aの弾性材料付加部643aが接触部N(ニップ部)に位置した状態のものである。これによれば、摺動部材64aの弾性材料付加部643aが接触部N(ニップ部)に位置した場合は、接触部N(ニップ部)内圧力が、接触部N(ニップ部)入口から接触部N(ニップ部)出口迄の範囲において略均一になることが分かる。
図15は、第4の実施の形態が適用される定着装置60b(実施の形態4)を説明する図である。図2に示した定着装置60(実施の形態1)と同様な部位については同じ符号を使用し、説明は省略する。
図15に示す定着装置60bは、定着用回転体の一例としての定着ローラ61と、定着ローラ61に接触しながら回動可能なエンドレスベルト62と、エンドレスベルト62を介して定着ローラ61から押圧される圧力部材の一例としての押圧部材63(弾性体からなる第1の圧力部材631と、金属等からなる第2の圧力部材632)と、エンドレスベルト62と押圧部材63との間の摺動抵抗を低減させる摺動部材64bと、により主要部が構成されている。本実施の形態における摺動部材64bは、エンドレスベルト形状(円筒状)を有している。
図16(a)は、摺動部材64bの平面図である。図16(a)において、摺動部材64aは、エンドレスベルト62の周方向(図15(a)中、矢印D)に沿って配置される第1の層641bと、この第1の層641bの押圧部材63(図15参照)側に帯状に設けられ、摺動部材64bの軸方向に異なる幅を有する3個の弾性材料付加部643bとを備えている。
図16(a)に示すように、本実施の形態では、3個の弾性材料付加部643bは、その軸方向の幅が、エンドレスベルト62の周方向(矢印D)に対して段階的に狭くなるように形成されている。
図17に示す接触部N(ニップ部)内圧力は、弾性材料付加部643bが接触部N(ニップ部)に位置する場合の摺動部材64bの軸方向における圧力分布を示すものである。図17における実線は、摺動部材64bを用いた場合の弾性材料付加部643bが、図16(a)における位置A(図16参照)で接触した場合の圧力分布を示す。図17における破線は、摺動部材64bを用いた場合の弾性材料付加部643bが、図16(a)における位置B(図16参照)で接触した場合の圧力分布を示す。図17における一点鎖線は、摺動部材64bを用いた場合の弾性材料付加部643bが、図16(a)における位置C(図16参照)で接触した場合の圧力分布を示す。
Claims (11)
- 搬送される記録材を加熱する加熱部材と、
前記加熱部材に対向して接するエンドレスベルトと、
前記エンドレスベルトを前記加熱部材へ向けて押し当てて当該加熱部材と当該エンドレスベルトとの間に接触部を形成する押圧部材と、
前記エンドレスベルトと前記押圧部材との間に設置される摺動部材とを備え、
前記摺動部材は厚みが異なる複数の部分を有し、当該摺動部材の前記接触部に対する位置を調整可能に構成され、且つ第1の層と、当該第1の層上に設けられた少なくとも1層と、により形成される
ことを特徴とする定着装置。 - 搬送される記録材を加熱する加熱部材と、
前記加熱部材に対向して接するエンドレスベルトと、
前記エンドレスベルトを前記加熱部材へ向けて押し当てて当該加熱部材と当該エンドレスベルトとの間に接触部を形成する押圧部材と、
前記エンドレスベルトと前記押圧部材との間に設置される摺動部材とを備え、
前記摺動部材は厚みが異なる複数の部分を有し、当該摺動部材の前記接触部に対する位置を調整可能に構成され、当該摺動部材を前記エンドレスベルトの周方向に移動する際に、前記押圧部材の当該エンドレスベルトに付与する圧力を低減する
ことを特徴とする定着装置。 - 前記摺動部材が、前記第1の層と、当該第1の層上に設けられた弾性材料付加部と、により形成されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記弾性材料付加部は、前記記録材の最大通紙幅以下の幅方向に形成されることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
- 前記弾性材料付加部は、シリコンゴム、シリコンスポンジ、フッ素ゴムから選ばれる耐熱性弾性材料で構成されていることを特徴とする請求項3または4に記載の定着装置。
- 前記加熱部材は、芯体上に順に積層した耐熱弾性層と耐熱離型性樹脂層とを有し、
前記エンドレスベルトは、可撓性基材上に前記耐熱離型性樹脂層を有し、
前記摺動部材の前記弾性材料付加部の厚みは、前記加熱部材の前記耐熱弾性層の前記厚みより厚く形成されることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記摺動部材は、前記記録材が封筒または厚紙の場合には、前記弾性材料付加部が前記押圧部材を覆うように前記エンドレスベルトの周方向に移動することを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記摺動部材は、前記エンドレスベルトの表面温度が低温である場合には、前記厚みが異なる複数の部分が前記押圧部材を覆うように当該エンドレスベルトの周方向に移動することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の定着装置。
- 静電潜像保持体と、
前記静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、
前記静電潜像保持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像とする現像手段と、
前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、
前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材上に定着する定着手段とを備え、
前記定着手段は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の定着装置を備える
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記摺動部材は、前記定着装置内が高温高湿の場合には、前記厚みが異なる複数の部分
が前記押圧部材と接しないように前記エンドレスベルトの周方向に移動することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。 - 回転体と、
前記回転体に対向して接するエンドレスベルトと、
前記エンドレスベルトを前記回転体へ向けて押し当てて当該回転体と当該エンドレスベルトとの間に接触部を形成する押圧部材と、
前記エンドレスベルトと前記押圧部材との間に設置される摺動部材とを備え、
前記摺動部材は厚みが異なる複数の部分を有し、当該摺動部材の前記接触部に対する位置が移動可能である
ことを特徴とする装置。
Priority Applications (1)
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