JP5310523B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタやファクシミリ等に用いられる定着装置、および、この定着装置を有する画像形成装置に関する。
従来、この種の定着装置の構成としては、互いに接触して共に回転する加熱ローラおよび定着ベルトと、上記加熱ローラを加熱するヒータと、上記定着ベルトの内部に配置されてこの定着ベルトの内面を上記加熱ローラに向けて押圧する押圧部材と、上記定着ベルトと上記押圧部材との間に介挿した、上記定着ベルトの摺動抵抗を低減するための摺動シートとを備えたものがある。
ここで、上記定着ベルトと上記摺動シートとは摩擦により帯電しやすく、帯電した状態のままでは静電ノイズの発生や画像ノイズの発生につながってしまう。このため、上記摺動シートは、非導電性の表面層と上記表面層の下層に配される導電性を有する導電層とを備える。上記導電層は、耐熱性織布を含む基材層と耐熱性樹脂を含む裏面層とを有し、上記基材層と上記裏面層の少なくとも一方が導電性を有する(例えば、特許文献1:特開2008−275927号公報、図3)。
特開2008−275927号公報、図3
しかしながら、上記従来の上記摺動シートでは、この摺動シートの全域に導電層が設けられているため、上記摺動シートが全体として厚く、かつ硬くなって、上記押圧部材によって調整された上記定着ベルトを押圧する圧力分布が変化してしまい、定着性能を劣化させてしまうという問題があった。
そこで、本発明の課題は、静電ノイズの発生や画像ノイズの発生を抑えつつ、上記押圧部材によって調整された上記定着ベルトを押圧する圧力分布を維持して、定着性能を安定させることができる定着装置および画像形成装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の定着装置は、
定着のためのニップ部を形成するように互いに外接された円筒状ローラおよび環状の無端ベルトと、
上記円筒状ローラと無端ベルトのうち少なくとも一つを定着のための温度に加熱する加熱源と、
上記無端ベルトの内周面を、上記円筒状ローラへ向けて押圧する押圧部材と、
上記無端ベルトが周方向に回転するときの上記押圧部材に対する摩擦を減らすように、上記ニップ部に挟持されて搬送される記録材の搬送方向に関して、上記ニップ部よりも上流側から、少なくとも上記押圧部材と上記押圧部材によって押圧される上記無端ベルトとの間の全域にわたって配置された摺動シートと、
上記摺動シートと上記押圧部材との間に配置された導電シートと
を備え、
上記導電シートは、上記記録材の搬送方向に関して、少なくとも上記押圧部材が占める領域の一部に対応し、かつ、上記摺動シートが占める領域のうち、上記ニップ部よりも上流側を除く部分に対応する特定領域に配置されていることを特徴としている。
本発明の定着装置では、上記無端ベルトが周方向に回転するときの上記押圧部材に対する摩擦を減らすように、上記ニップ部に挟持されて搬送される記録材の搬送方向に関して、上記ニップ部よりも上流側から、少なくとも上記押圧部材によって押圧される上記無端ベルトと上記押圧部材との間の全域にわたって摺動シートが配置されている。したがって、上記無端ベルトの摺動抵抗を低減できる。また、上記摺動シートと上記押圧部材との間に導電シートが配置されている。したがって、本発明の定着装置によれば、静電ノイズの発生や画像ノイズの発生を抑えることができる(後述の実施形態でデータを示して述べる)。
また、本発明の定着装置では、上記導電シートは、上記記録材の搬送方向に関して、少なくとも上記押圧部材が占める領域の一部に対応し、かつ、上記摺動シートが占める領域のうち、上記ニップ部よりも上流側を除く部分に対応する特定領域に配置されている。つまり、従来例(特許文献1)のように摺動シートの全域に導電層が設けられている場合に比べて、上記記録材の搬送方向に関して、上記導電シートが占める領域が少ない。このため、上記搬送方向に関して、上記押圧部材が上記摺動シートを押圧する圧力分布がくずれにくい。したがって、この定着装置によれば、静電ノイズの発生や画像ノイズの発生を抑えつつ、上記押圧部材によって調整された上記無端ベルトを押圧する圧力分布を維持して、定着性能を安定させることができる。
一実施形態の定着装置では、上記押圧部材は、上記搬送方向に関して上流側に配置されたゴムからなる第1の押圧部材と、上記搬送方向に関して下流側に配置された、上記ゴムよりも硬い樹脂からなる第2の押圧部材とからなり、上記導電シートが配置されている上記特定領域は、上記第2の押圧部材が占める領域の一部に対応する領域である。
この定着装置では、樹脂からなる上記第2の押圧部材は、ゴムからなる上記第1の押圧部材より硬い。したがって、定着を受けた記録材が、上記ローラや無端ベルトから良好に剥離され得る。また、上記導電シートが配置されている上記押圧部材が占める領域の一部に対応する領域は、上記第2の押圧部材が占める領域の一部に対応する領域である。したがって、上記導電シートが、上記第2の押圧部材が占める領域の一部に対応する領域に配置されていない場合に比べて、上記導電シートによる上記圧力分布への影響が少ない。この結果、定着性能をより容易に安定させることができる。
一実施形態の定着装置では、上記導電シートは、金属、導電樹脂、導電ゴムのいずれかからなる導電体である。
この定着装置では、上記導電シートは、金属、導電樹脂、導電ゴムのいずれかからなる導電体であるので、上記導電シートに導電性をもたせることができる。
一実施形態の定着装置では、上記導電シートの少なくとも一部は、スリット形状、穴形状、または網状構造を有する。
この定着装置では、上記導電シートの少なくとも一部は、スリット形状、穴形状、または網状構造を有するので、例えば、従来例(特許文献1)のように連続した層状に設けられている場合に比べて、上記導電シートは軟らかく構成される。したがって、上記導電シートによる上記圧力分布への影響が少ないので、定着性能をより容易に安定させることができる。
一実施形態の定着装置では、上記導電シートは接地されている。
この定着装置では、上記導電シートは接地されているので、より確実に静電ノイズの発生や画像ノイズの発生を抑えることができる(後述の実施形態でデータを示して述べる)。
また、本発明の画像形成装置では、上述の定着装置を備えることを特徴としている。
この発明の画像形成装置によれば、静電ノイズの発生や画像ノイズの発生を抑えつつ、上記押圧部材によって調整された上記定着ベルトを押圧する圧力分布を維持して、定着性能を安定させることができる。
本発明の定着装置によれば、静電ノイズの発生や画像ノイズの発生を抑えつつ、上記押圧部材によって調整された上記定着ベルトを押圧する圧力分布を維持して、定着性能を安定させることができる。
本発明の画像形成装置によれば、上述の定着装置を備えるので、静電ノイズの発生や画像ノイズの発生を抑えつつ、上記押圧部材によって調整された上記定着ベルトを押圧する圧力分布を維持して、定着性能を安定させることができる。
本発明の一実施形態の定着装置を備えた画像形成装置の断面構造を示す図である。 上記定着装置の要部の構成を説明するための図である。 上記定着装置の一部をなす定着ベルト(絶縁ベルト)の構成を示す断面図である。 上記定着ベルトとの比較のために使用する導電ベルトの構成を示す断面図である。 上記定着装置を備えた画像形成装置の静電ノイズの計測結果を示す図である。 上記定着装置を備えた画像形成装置において、導電シートを使用しないときの静電ノイズの計測結果を示す図である。 上記定着装置を備えた画像形成装置において、絶縁ベルトの代わりに導電ベルトを使用すると共に、導電シートを使用しないときの静電ノイズの計測結果を示す図である。 上記定着装置を備えた画像形成装置において、導電シートにアースがないときの静電ノイズの計測結果を示す図である。 上記定着装置のニップ部における圧力分布の計測結果を従来例(特許文献1)と比較して示す図である。 上記導電シートの変形例のパターン形状を示す図である。 上記導電シートのためのパターン形状の他の例を示す図である。 上記導電シートのためのパターン形状のさらに他の例を示す図である。
以下、本発明を図示の実施形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の定着装置130を備えたカラータンデム方式の画像形成装置100の断面構造を示している。この画像形成装置100は、本体ケーシング101内の略中央に、3個のローラ102、104、106に巻回された周方向に移動する環状の像担持体としての中間転写ベルト108を備えている。3個のローラのうち2個のローラ102、104は、図において左側に上下に互いに離間して配置され、残りのローラ106は図において右側に配置されている。中間転写ベルト108はこれらのローラ102、104、106によって支持されて矢印X方向に回転駆動される。
中間転写ベルト108の下方には、図において左側から順に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナーに対応する画像形成部としての作像ユニット110Y、110M、110C、110Kが並べて配置されている。
各作像ユニット110Y、110M、110C、110Kは、それらが取り扱うトナー色の違いを除いて全く同様に構成されている。具体的には、例えばイエローの作像ユニット110Yは、感光体ドラム190と、帯電装置191と、露光装置192と、トナーを用いて現像を行う現像装置193と、クリーナ装置195とを一体にして構成されている。中間転写ベルト108を挟んで感光体ドラム190と対向する位置に、1次転写ローラ194が設けられている。画像形成時には、まず帯電装置191によって感光体ドラム190の表面が一様に帯電され、続いて、露光装置192によって、図示されない外部装置から入力された画像信号に応じて感光体ドラム190の表面が露光されて、そこに潜像が形成される。次に、現像装置193によって、感光体ドラム190の表面上の潜像が現像されてトナー画像となる。このトナー画像は、感光体ドラム190と1次転写ローラ194との間の電圧印加によって、中間転写ベルト108に転写される。感光体ドラム190の表面上の転写残トナーは、クリーナ装置195によってクリーニングされる。
中間転写ベルト108が矢印X方向に移動するに伴って、各作像ユニット110Y、110M、110C、110Kによって中間転写ベルト108上に4色のトナー画像が重ねて形成される。
中間転写ベルト108の左側には、中間転写ベルト108の表面から残留トナーを取り除くクリーニング装置125と、このクリーニング装置125によって取り除かれたトナー回収ボックス126とが設けられている。中間転写ベルト108の右側には、記録材としての用紙Sのための搬送路124を挟んで2次転写ローラ112が設けられている。本体ケーシング101内の右上部には、トナーを用紙Sに定着させるための定着装置130が設けられている。
トナー像が転写された用紙Sが定着装置130を通ることにより、その用紙Sにトナー画像が定着される。また、本体ケーシング101の下部には、記録媒体としての用紙Sを収容した給紙カセット116が設けられている。
画像形成時には、用紙Sは給紙ローラ118によって給紙カセット116から搬送路124へ1枚ずつ送り出され、搬送ローラ120によって中間転写ベルト108と2次転写ローラ112との間のトナー転写位置へ送り込まれる。一方、既述のように、各作像ユニット110Y、110M、110C、110Kによって中間転写ベルト108上に4色のトナー画像が重ねて形成されている。上述のトナー転写位置に送り込まれた用紙Sに、この中間転写ベルト108上の4色のトナー画像が、2次転写ローラ112によって転写される。トナー像が転写された用紙Sは、定着装置130により、その用紙Sにトナー画像が定着される。そして、トナー画像が定着された用紙Sは、排紙ローラ121によって、本体ケーシング101の上面に設けられた排紙トレイ部122へ排出される。
次に、定着装置130について詳細に説明する。
図2は、定着装置130の具体的な構成例を示している。この図2は、ニップ部Nを通して搬送される用紙Sの幅方向に沿って見た断面図である。
この定着装置130の構成例では、図2に示すように、定着装置130は、円筒状ローラとしての加熱ローラ131と、この加熱ローラ131に外接した無端ベルトとしての環状の定着ベルト132とを備えている。加熱ローラ131は、本体ケーシング101に対して図示しないフレームを介して支持され、自らの中心軸の周りに、図示しない駆動モータによって回転されるようになっている。
加熱ローラ131の内側には、加熱ローラ131を定着のための温度に加熱する加熱源としてのヒータ133が設けられている。
定着ベルト132の内側には、押圧部材として、用紙Sの搬送方向に関して上流側に第1の押圧部材としてのゴム押圧部材135が配置され、上記搬送方向に関して下流側に第2の押圧部材としての樹脂押圧部材136が配置されている。ゴム押圧部材135および樹脂押圧部材136は支持部材138に支持されて、定着ベルト132の内周面を加熱ローラ131へ向けて押圧している。支持部材138は、図示しないフレームによって、本体ケーシング101に支持されている。これにより、加熱ローラ131に対して定着ベルト132が圧接される状態となって、定着のためのニップ部Nが形成されている。なお、ニップ部Nの形状は、この例では、加熱ローラ131が定着ベルト132に対して凸状になっている。
加熱ローラ131は、芯金131Aと、表層131Bとの2層構造になっている。芯金131Aは、機械的強度を有するように、アルミニウム、鉄等の金属材料からなるのが望ましい。芯金131Aは、パイプ形状で、この例では厚さが0.1mm〜5mm程度である。表層131Bは、表面に離型性を有するように、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)等のフッ素系樹脂からなるチューブまたは同様のフッ素系樹脂からなるコーティングによって形成されている。表層131Bの厚さは、5μm〜100μm程度が望ましい。フッ素系チューブの例として三井・デュポンフロロケミカル株式会社製PFA350−J、451HP−J、951HP Plus等がある。
図3Aに示すように、定着ベルト132は、この例では、基材10と、プライマ層20と、表層30の3層構造になっている。基材10は、ポリイミドから成る。表層30は、表面30aに離型性を有するようにPFAからなる。表層30と基材10との間のプライマ層20は、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性を有し、かつ耐熱性の高い材質からなることが望ましい。定着ベルト132は絶縁ベルトであり、厚さが150μmである。
図2中に示したゴム押圧部材135は、シリコーン系ゴムからなる。ゴム押圧部材135の厚さは、任意であるが、0.1mm〜10mm程度であるのが望ましい。ゴム押圧部材135は、組付け性、生産性等の観点からSUS(ステンレス鋼)、アルミニウム、鉄等の金属板と一体に取り付けられていても良い。
また、樹脂押圧部材136は、ゴム押圧部材135よりも硬く、断面が略L字状の耐熱樹脂からなる。したがって、定着を受けた用紙Sが、加熱ローラ131や定着ベルト132から良好に剥離され得る。
また、樹脂押圧部材136のLの短辺が摺動シート134に当接する当接部136aを構成するとともに、樹脂押圧部材136のLの長辺がゴム押圧部材135を支持するベース部136bを構成している。上述のゴム押圧部材135は、樹脂押圧部材136のL状の窪みに収容されている。
また、上記搬送方向に関して、上記ニップ部Nよりも上流側から、定着ベルト132とゴム押圧部材135および樹脂押圧部材136の当接部136aとの間の全域にわたって、摺動シート134が設けられている。摺動シート134の上流側部分134aは、樹脂押圧部材136のベース部136bと支持部材138との間に挟持されて、本体ケーシング101に対して間接的に固定されている。したがって、摺動シート134は、定着ベルト132が周方向に回転するときのゴム押圧部材135および樹脂押圧部材136の当接部136aに対する摩擦を減らすことができる。
また、摺動シート134とゴム押圧部材135および樹脂押圧部材136の当接部136aとの間には、導電シート137が配置されている。導電シート137は、上記搬送方向に関して、ゴム押圧部材135および樹脂押圧部材136の当接部136aが占める領域の一部に対応し、かつ、摺動シート134が占める領域のうち、ニップ部Nよりも上流側を除く部分に対応する特定領域Rに配置されている。
また、導電シート137は、厚さが30μm、幅が260mm、長さが8mmのアルミニウム製の板状部材からなり、導電性を有する。
用紙Sの搬送方向に関して、ニップ部Nの長さは7mmである。また同様に、ゴム押圧部材135に対応するニップ部の長さは5.5mmであり、樹脂押圧部材136の当接部136aに対応するニップ部の長さは1.5mmである。
この例では、トナー91が付着された用紙Sは、図2に示すように加熱ローラ131と定着ベルト132とが作るニップ部Nに送り込まれる。ここで、予め、加熱ローラ131は、ヒータ133によって、定着ベルト132のニップ部Nに相当する部分とともに所定の目標温度(定着温度)に加熱されている。したがって、用紙Sは、ニップ部Nを通して搬送されるのに伴って加圧及び加熱を受けて、トナー91が溶融される。これにより、用紙Sに画像が定着される。画像が定着された用紙Sは、この例ではニップ部Nを通して排出される。
次に、定着装置の静電ノイズについて説明する。
具体的には、定着装置130を備えた画像形成装置100(以下、「実施例1」という)および比較の対象として次に示す比較例1、比較例2および実施例2について、EMI(Electro Magnetic Interference)規格の一つであるEN55022 CLASS Bに従って静電ノイズのレベルを測定する。
表1は、上記実施例1の構成と対比して上記比較例1、上記比較例2および上記実施例2の各定着装置の主要な構成を示している。
Figure 0005310523
ここで、比較例1は、実施例1と比較して、導電シート137がない点のみが異なる。また、比較例2は、実施例1と比較して、導電シート137がなく、定着ベルト132が導電ベルト132Aである点のみが異なる。なお、ここで、導電ベルト132Aは、図3Bに示すように、基材10と、導電プライマ層21と、表層30の3層構造になっている。基材10は、ポリイミドから成る。表層30は、表面30aに離型性を有するようにPFAからなる。表層30と基材10との間の導電プライマ層21は、カーボンなどの導電材料を分散させることで導電性を有し、かつ耐熱性の高い材質からなる。この比較例2では、カーボンなどの導電材料を分散させるため、製造が難しくなるとともにコストがかさむという欠点がある。さらにまた、実施例2は、実施例1と比較して、導電シート137にアースが無い点のみが異なる。
図4A〜図4Dは、実施例1、比較例1、比較例2および実施例2についての静電ノイズのレベルを測定した結果を、上記EN55022 CLASS Bの限界値とともに示している。
図4A〜図4D中の縦軸は静電ノイズのレベル(単位はdB(μV/m))を表し、横軸は周波数(単位はMHz)を表している。また、図4A〜図4D中の太線L10はEN55022 CLASS Bの限界値(換算値)を表している。ここで、上記限界値(換算値)とは、上記EN55022 CLASS Bでは、「測定対象から10mの保護距離で測定した場合」の限界値が規定されているのに対して、今回の上記測定が、測定対象から6mの保護距離で行われたので、10mの場合の限界値を6mに合わせて換算した値のことをいう。なお、EN55022 CLASS Bによると、「測定対象から10mの保護距離で測定した場合」の限界値は、周波数が30MHzから230MHzまでは静電ノイズのレベルは30dBであり、周波数が230MHzから1000MHzまでは静電ノイズのレベルは37dBである。
i)図4A中の実線L20および破線L21は、それぞれ実施例1の垂直および水平方向に関する静電ノイズのレベルの測定結果を示している。図4Aから分かるように、実線L20および破線L21は、どの周波数においても太線L10よりも低いレベルとなっている。このように、実施例1によれば、静電ノイズの発生をEN55022 CLASS Bの限界値以内に抑えられることが確認できた。
ii)図4B中の実線L22および破線L23は、それぞれ比較例1の垂直および水平方向に関する静電ノイズのレベルの測定結果を示している。図4Bから分かるように、実線L22および破線L23は、周波数によっては太線L10よりも高いレベルとなっている。このように、導電シート137がなければ、静電ノイズの発生をEN55022 CLASS Bの限界値以内に抑えられないことが確認できた。
iii)図4C中の実線L24および破線L25は、それぞれ比較例2の垂直および水平方向に関する静電ノイズのレベルの測定結果を示している。図4Cから分かるように、周波数が約180MHzにおいて、1箇所だけ実線L24が太線L10よりも高いレベルとなっているのを除いて、実線L24および破線L25は、どの周波数においても太線L10よりも低いレベルとなっている。このように導電ベルト132Aを用いれば、静電ノイズの発生をEN55022 CLASS Bの限界値以内にほぼ抑えられる。
iv)図4D中の実線L26および破線L27は、それぞれ実施例2の垂直および水平方向に関する静電ノイズのレベルの測定結果を示している。図4Dから分かるように、実線L26および破線L27は、どの周波数においても太線L10よりも低いレベルとなっている。また、導電シート137にアースが有る場合(図4A参照)に比べて、アースが無い場合(図4D参照)は、特に周波数が約300MHz付近において、ノイズの発生量が多くなっている。このように、この定着装置130では、導電シート137にはアースが有るので、より確実に静電ノイズの発生や画像ノイズの発生を抑えることができる。
また、この定着装置130では、コストのかかる導電ベルト132Aを用いなくとも、静電ノイズの発生をEN55022 CLASS Bの限界値以内に抑えられる。したがって、安価な定着装置130を提供できる。
次に、この定着装置130のニップ部Nにおけるゴム押圧部材135および樹脂押圧部材136によって調整された定着ベルト132を押圧する圧力分布について、実際の測定結果に基づいて説明する。
図5は、定着装置130のニップ部Nにおける圧力分布の計測結果を従来例(特許文献1)と比較して示している。図5中の縦軸は圧力分布値を表し、横軸は、用紙Sの搬送方向における上記圧力測定位置を表している。ここで、図5中の実線L30および破線L31は、それぞれ上記実施例1および次に示す比較例3における圧力測定の結果を示している。なお、上記圧力分布値は、用紙Sの幅方向に設けられた複数の圧力測定位置における圧力測定値を平均した値を表している(上記搬送方向における上記圧力測定位置は同じである)。図5の下方に示すように、比較例3は実施例1と比較して、導電シート137がなく、摺動シート134の押圧部材側全面に導電処理が施された厚さ25μmの樹脂シート134Aが設けられている点のみが異なる。
この圧力測定の結果より、ゴム押圧部材135が占める領域に対応する領域における圧力分布値は、実施例1の圧力分布L30においてほぼ一定であるのに対し、比較例3の圧力分布L31においては大きく変動している。したがって、比較例3に比べて実施例1は、用紙Sの搬送方向に関して導電シート137が占める領域が少ないため、圧力分布がくずれにくいことを確認できた。
また、一般に、この種の定着装置の定着性能に最も影響があるのが、定着ベルト132を押圧する圧力分布のピーク値(目標値は125以上)である。ここで、図5に示す圧力測定の結果より、実施例1の圧力分布L30における上記ピーク値が128であるのに対して、比較例3の圧力分布L31における上記ピーク値は118である。したがって、実施例1は、樹脂押圧部材における圧力分布のピーク値が目標値を超えており、定着性能を確保できることを確認できた。
このように、画像形成装置100によれば、静電ノイズの発生や画像ノイズの発生を抑えつつ、圧力分布を維持して、定着性能を安定させることができることを確認できた。
図6Aは、上記導電シート137の変形例としての導電シート137Aのパターン形状を示している。導電シート137Aは、導電シート137に、長さが6mmのスリット137A1が複数設けられている。このスリット137A1は、用紙Sの搬送方向に関して上流側の一辺から下流側に向かって設けられると共に、用紙Sの幅方向に3mm間隔で設けられている。
この変形例の定着装置130では、導電シート137Aにスリット137A1が複数設けられているので、従来例(特許文献1)のように連続した層状に設けられている場合に比べて、導電シート137Aは軟らかく構成される。したがって、この導電シート137Aを用いた場合、圧力分布への影響がより少なくなって、定着性能をより容易に安定させることができる。
また、導電シートは、例えば、図6Bに示すような線径1mm×12メッシュの金網や、図6Cに示すような穴径が1mm、用紙Sの幅方向および搬送方向のピッチがそれぞれ2mmのパンチ穴137C1のあいた板状部材であっても良い。これらの場合も、従来例(特許文献1)のように連続した層状に設けられている場合に比べて、導電シートは軟らかく構成される。したがって、これらの導電シートを用いた場合、圧力分布への影響がより少なくなって、定着性能をより容易に安定させることができる。
導電シート137および上記各変形例の導電シート137A、137B、137Cは、アルミニウム製の板状部材であるが、これに限らず、SUS、鉄などの金属製、導電樹脂、導電ゴム等の他の導電性のよい材質からなる部材であっても良い。
また、上記一実施形態では、加熱ローラ131の芯金131Aは、パイプ形状であるが、中実であっても良く、断面形状が三矢形状等の異型であっても良い。
また、画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファックス、これら複合機など、どれでもかまわない。
また、今回挙げた内容は、一例であり、構成及び材料は、これにとらわれない。装置に応じて適時変更してかまわない。
100 画像形成装置
130 定着装置
131 加熱ローラ
132 定着ベルト
133 ヒータ
134 摺動シート
135 ゴム押圧部材
136 樹脂押圧部材
137 導電シート
137A 導電シート
137B 導電シート
137C 導電シート
N ニップ部
R 特定領域
S 用紙

Claims (6)

  1. 定着のためのニップ部を形成するように互いに外接された円筒状ローラおよび環状の無端ベルトと、
    上記円筒状ローラと無端ベルトのうち少なくとも一つを定着のための温度に加熱する加熱源と、
    上記無端ベルトの内周面を、上記円筒状ローラへ向けて押圧する押圧部材と、
    上記無端ベルトが周方向に回転するときの上記押圧部材に対する摩擦を減らすように、上記ニップ部に挟持されて搬送される記録材の搬送方向に関して、上記ニップ部よりも上流側から、少なくとも上記押圧部材と上記押圧部材によって押圧される上記無端ベルトとの間の全域にわたって配置された摺動シートと、
    上記摺動シートと上記押圧部材との間に配置された導電シートと
    を備え、
    上記導電シートは、上記記録材の搬送方向に関して、少なくとも上記押圧部材が占める領域の一部に対応し、かつ、上記摺動シートが占める領域のうち、上記ニップ部よりも上流側を除く部分に対応する特定領域に配置されていることを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置において、
    上記押圧部材は、上記搬送方向に関して上流側に配置されたゴムからなる第1の押圧部材と、上記搬送方向に関して下流側に配置された、上記ゴムよりも硬い樹脂からなる第2の押圧部材とからなり、
    上記導電シートが配置されている上記特定領域は、上記第2の押圧部材が占める領域の一部に対応する領域であることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1または2に記載の定着装置において、
    上記導電シートは、金属、導電樹脂、導電ゴムのいずれかからなる導電体であることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の定着装置において、
    上記導電シートの少なくとも一部は、スリット形状、穴形状、または網状構造を有することを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の定着装置において、
    上記導電シートは接地されていることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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