JP4732190B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁誘導加熱方式により加熱される被加熱体を有する定着装置、およびこの定着装置を装備する画像形成装置に関する。
複写機やファクシミリ、レーザプリンタ等の画像形成装置に搭載される定着装置では、一般的に、ヒートローラ(定着ローラ)とこれに圧接する加圧ローラとを備え、ヒートローラと加圧ローラとの間に形成されるニップ部で、未定着トナー像を有する記録媒体を挟持搬送して、記録媒体上の未定着トナー像を溶融定着するよう構成されている。そして、ヒートローラの加熱源として、従来はハロゲンヒータが多く使用されてきた。しかし、ウォームアップ時間の短縮や省エネルギー化への要求が高まる中で、電磁誘導加熱(IH)方式の熱源を採用することが提案されている。
この電磁誘導加熱方式のヒートローラでは、導電性材料からなるローラ本体(筒状体、被加熱体)の内部に、その回転軸方向にターンが進むように螺旋状に銅線が巻回されたコイルが配置されており、このコイルに高周波電流を流し、これにより生じた高周波磁界でローラ本体に誘導渦電流を発生させ、ローラ本体の表皮抵抗によってジュール発熱させるものである。
ところで、このような電磁誘導加熱方式のヒートローラで、一体のコイルをローラ本体内部に配置して加熱した場合、コイルの中央部に対向するローラ本体部分では磁束が密になり、コイルの両端部に対向するローラ本体部分では磁束が粗になるため、ローラ本体の温度は中央部で高くなり、両端部で低くなるという、すなわち、ローラ本体の回転軸方向に温度ムラが生じ、所望の温度分布配向が得られないという問題があった。
そこで、下記の特許文献1では、この問題点を解決すべく、コイルを分割することにより、ローラ本体の回転軸方向全体にわたって磁界を平滑化し、その温度分布を均一化する技術が開示されている。すなわち、コイルがローラ本体の回転軸方向に複数のコイル要素に分割され、隣り合うコイル要素の磁界方向が互いに逆となるように配列して、これらに高周波電流を流すようにしており、これにより、隣り合うコイル要素同士の対向部(継ぎ目部)では極性が反撥しあうため、ヒートローラに進入する磁束を均一化することができ、ヒートローラの回転軸方向における温度ムラを軽減することができるとしている。
特開2001−242727号公報
しかしながら、上記の技術では、ヒートローラの回転軸方向の温度ムラは、全体的には軽減するが、隣り合うコイル要素同士の対向部で磁界がローラ本体に到達しない部分が発生し、この継ぎ目部で局部的な温度低下が発生する。すなわち、部分的に温度ムラが発生し、所望の温度分布配向が得られないという課題は依然残されたままである。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、複数のコイル要素に分割されたコイルを用いて、隣り合うコイル要素同士の対向部での局部的な温度低下を抑制し、所望の温度分布配向を得ることのできる電磁誘導加熱方式の定着装置、およびこのような定着装置を装備する画像形成装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、軸心周りに回転駆動される導電性材料で形成される中空筒状の被加熱体と、電磁誘導により前記被加熱体を加熱するコイルと、を備えた定着装置において、前記コイルは、前記被加熱体の回転軸方向に平行な該コイルの軸方向で複数に分割されたコイル要素で構成されるとともに、隣り合う該コイル要素の磁界方向が互いに逆向きとなるように配列され、前記被加熱体は、その回転軸方向には不動とされる一方で、前記コイルは、その軸方向に往復駆動されるように構成されていることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、コイルは、被加熱体の回転軸方向に平行なコイルの軸方向で複数のコイル要素に分割され、隣り合うコイル要素の磁界方向が互いに逆となるように配列されている。これらのコイル要素に高周波電流を流すことにより、各コイル要素から磁束が発せられたときに、隣り合うコイル要素同士の対向部では極性が反撥しあうため、被加熱体に進入する磁束の均一化が図られるようになる。さらに、コイルをその軸方向に往復駆動することにより、コイル要素同士の対向部での局所的な磁界の落ち込みを均し、それにより生じる局部的な温度低下を抑制することができる。したがって、被加熱体の回転軸方向における温度ムラが軽減され、所望の温度分布配向を有し、ひいては画像ムラの発生を防止することのできる定着装置を得ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記コイルは、前記被加熱体の内部に、前記被加熱体と同心に配設されることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明によれば、コイルが、被加熱体の内部の空間を利用して、被加熱体と同心に配設される。これにより、回転駆動される被加熱体の周方向にわたって均質な磁束を進入させることができ、発熱が均質に分散されて、回転軸方向での温度ムラの発生を抑えることができるとともに、被加熱体の外部に配置する部材が少なくなり、コンパクトな定着装置を実現することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の定着装置において、前記コイル要素は、その外周面が被加熱体の内周面に近接したリング状の磁性体からなる連結部材により連結されることを特徴とするものである。
複数のコイル要素は、ある空間を隔てた状態で連結されていてもよいが、請求項3に記載の発明によれば、各コイル要素が連結部材により相互に連結され、連結部材は、その外周面がローラ本体の内周面に近接したリング状の磁性体として構成されている。このような連結部材を介在させることにより、各コイル要素で発生した磁束を連結部材に案内させて被加熱体に進入させることができるため、隣り合うコイル要素同士の対向部での温度低下を軽減することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の定着装置において、前記被加熱体は、円筒状のヒートローラであることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明によれば、被加熱体が、一般によく用いられる円筒状のヒートローラであり、従来の一般的な構成を有する定着装置に上記のコイルとその往復駆動機構を適用することにより、均一で所望の温度分布配向を付与することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の定着装置において、前記被加熱体は、無端状の加熱ベルトであることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明によれば、被加熱体が、無端状の加熱ベルトであり、このような構成を有する定着装置に上記のコイルとその往復駆動機構を適用することにより、均一で所望の温度分布配向を付与することができる。しかも、加熱ベルトは、一般的なヒートローラよりも薄肉で可撓性を有し、熱容量の小さいものとして構成することが容易であるため、このような加熱ベルトを用いれば、さらなるウォームアップ時間の短縮と省エネルギー化を図ることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の定着装置において、前記コイルが、該コイルの中空部を貫通する軸心材により支持され、該軸心材が二つのコイル支持板で前記軸方向の両側方から保持されており、前記軸心材の一方の端部には、装置本体の一方の壁面に設けられた弾性押圧部材により前記コイルを該壁面から離間する方向へ付勢力が与えられるとともに、前記軸心材の他方の端部には、前記一方の壁面とは反対側の壁面に設けられて回転駆動するカム部材が当接するように構成され、前記カム部材が回転駆動されることにより、前記軸心材の他方の端部に当接する当接面が前記軸方向に変位し、該当接面に押圧されて前記コイルが前記軸方向に往復駆動されるようにしたことを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の定着装置において、前記コイルが、該コイルの中空部を貫通する軸心材により支持され、該軸心材が二つのコイル支持板で前記軸方向の両側方から保持されており、前記軸心材の一方の端部には、装置本体の一方の壁面に設けられた弾性押圧部材により前記コイルを該壁面から離間する方向へ付勢力が与えられるとともに、前記軸心材の他方の端部側面には係合溝を凹刻し、該係合溝に前記一方の壁面とは反対側の壁面に設けられた係合部材が係合するように構成され、前記軸心材が回転駆動されることにより、前記係合部材が係合する前記係合溝の前記軸方向の変位量に対応して、前記コイルが前記軸方向に往復駆動されるようにしたことを特徴とするものである。
請求項6または請求項7に記載の発明によれば、いずれも簡単な構成でコイルの往復駆動機構を実現することができる。
請求項8に記載の発明は、画像形成装置であって、請求項1乃至7のいずれかに記載の定着装置を備えて構成されることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明によれば、以上に述べたような、請求項1乃至7のいずれかに記載した発明の効果を具備した画像形成装置を提供することができる。
本発明によれば、複数のコイル要素に分割されたコイルを用いて、隣り合うコイル要素同士の対向部での局部的な温度低下を抑制し、所望の温度分布配向を得ることのできる電磁誘導加熱方式の定着装置、およびこのような定着装置を装備する画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の定着装置およびこの定着装置を装備した画像形成装置に係る最良の実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。
[実施の形態1]
まず、本発明の実施の形態1に係る定着装置20が適用された画像形成装置の一例であるプリンタ(画像形成装置)10について図1に基づき説明する。図1は、本発明に係る定着装置を備えたプリンタの内部構造(一実施形態として)の概要を説明するための正面断面視の説明図である。この図に示すように、プリンタ10は、印刷処理に供する用紙P(記録媒体)を貯留する用紙貯留部12と、この用紙貯留部12に貯留された用紙束P1から繰り出された1枚ずつの用紙Pに対して画像の転写処理を施す画像形成部13と、この画像形成部13で転写処理の施された用紙Pに対して定着処理を施す定着部14とが装置本体11に内装されると共に、定着部14で定着処理の施された用紙Pが排紙される排紙部15が装置本体11の頂部に設けられることによって構成されている。
用紙貯留部12には、所定数(実施の形態1では1つ)の用紙カセット121が装置本体11に対して挿脱自在に設けられている。用紙カセット121の下流端(図1の右方)には、用紙束P1から1枚ずつの用紙Pを繰り出させるピックアップローラ122が設けられている。このピックアップローラ122の駆動によって用紙カセット121から繰り出された用紙Pは、給紙搬送路123およびこの給紙搬送路123の下流端に設けられたレジストローラ対124を介して画像形成部13に給紙されるようになっている。
画像形成部13は、コンピュータ等から電送された画像情報に基づき用紙Pに転写処理を施すものであり、前後方向(図1の紙面に垂直な方向)に延びるドラム心回りに回転可能に設けられた感光体ドラム131の周面に沿うように、当該感光体ドラム131の直上位置から時計方向に向けて帯電器132、露光装置133、現像装置134、転写ローラ135およびクリーニング装置136が配設されることによって形成されている。
感光体ドラム131は、周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ったトナー像を形成させるためのものであり、周面にアモルファスシリコン層が積層され、これによってこれらの像を形成させるのに適したものになっている。
帯電器132は、ドラム心回り時計方向に回転している感光体ドラム131の周面に一様な電荷を形成させるものであり、図1に示す例では、コロナ放電によって感光体ドラム131の周面に電荷を付与する方式が採用されている。なお、感光体ドラム131の周面に電荷を付与する部材として帯電器132に代えて周面が感光体ドラム131の周面と当接しながら従動回転しつつ電荷を付与する帯電ローラを採用してもよい。
露光装置133は、コンピュータ等の外部の機器から電送されてきた画像データに基づき強弱の付与されたレーザー光を回転している感光体ドラム131の周面に照射し、これによる感光体ドラム131周面のレーザー光が照射された部分の電荷の消去によって当該感光体ドラム131の周面に静電潜像を形成させるものである。
現像装置134は、感光体ドラム131の周面にトナーを供給することによって周面の静電潜像が形成された部分にトナーを付着させ、これによって感光体ドラム131の周面にトナー像を形成させるものである。
転写ローラ135は、感光体ドラム131の直下位置に送り込まれた用紙Pに対して当該感光体ドラム131の周面に形成されているプラスに帯電したトナー像を用紙Pに転写させるものであり、トナー像の電荷と逆極性であるマイナスの電荷を用紙Pに付与するようになっている。
従って、感光体ドラム131の直下位置に到達した用紙Pは、転写ローラ135と感光体ドラム131とによって押圧挟持されつつ、プラスに帯電した感光体ドラム131周面のトナー像がマイナスに帯電した用紙Pの表面に向けて引き剥がされ、これによって用紙Pに対し転写処理が施されることになる。
クリーニング装置136は、転写処理後の感光体ドラム131の周面に残留しているトナーを取り除いて清浄化するためのものである。このクリーニング装置136によって清浄化された感光体ドラム131の周面は、次の画像形成処理のために再び帯電器132へ向かうことになる。
定着部14は、画像形成部13によって転写処理の施された用紙Pのトナー像に加熱による定着処理を施すものであり、用紙Pに熱を加えるヒートローラ(定着ローラ)30と、このヒートローラ30の下部に対向配置された加圧ローラ40とを有する定着装置20を備えて構成されている。そして、転写処理後の用紙Pは、ヒートローラ30と加圧ローラ40との間に形成されたニップ部Nへ向けて送り込まれ、当該ニップ部Nを通過することによって、ヒートローラ30からの熱を得て定着処理が施されるようになっている。定着処理の施された用紙Pは、排紙搬送路143を通って排紙部15へ排出されることになる。
排紙部15は、装置本体11の頂部が凹没されることによって形成され、この凹没した凹部の底部に排紙された用紙Pを受ける排紙トレイ151が形成されている。
次に、本発明の実施の形態1に係る定着装置20の構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態1に係る定着装置の構成を示す図であり、(a)は、概略斜視図、(b)は、(a)のA−A線断面図である。また、図3は、この実施の形態1に係る定着装置における往復駆動機構の要部構成を示す断面説明図である。なお、図2以降の図において、X−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
まず、図2の(a)に示すように、定着装置20は、左右方向に長尺の異形を呈した筐体21内に上下で互いに対向したヒートローラ30および加圧ローラ40が装着されるとともに、筐体21の前面位置における上下方向の中央部に左右方向に長尺の支持部材80が架設され、この支持部材80の左右方向の中央位置にヒートローラ30の周面温度を検出するサーミスタ90が装着されることによって構成されている。
筐体21は、左右方向一対の異形の側板211(左方の側板211a、右方の側板211b)と、これら一対の側板211の下端位置間に架設された側面視で階段状を呈する底板212と、この底板212の後端位置から立設されて筐体21の後方下半分を覆う後方板213と、一対の側板211の前縁上半分間に架設された前方板214と、一対の側板211の前縁下半分の位置で、底板212より上方位置間に架設されて用紙Pをニップ部Nへ案内する前方ガイド板215と、一対の側板211の後方位置で、後方板213の上縁部に固定されてニップ部Nからの用紙Pを外部へ案内する後方ガイド板216とを備えている。
支持部材80は、ヒートローラ30の周面と対向配置され、筐体21における前方板214と前方ガイド板215との間に形成された大きな隙間を埋めるように一対の側板211間に架設されている。また、サーミスタ90は、金属酸化物を主原料とし、高温にて焼結されるセラミック半導体であり、温度が上がると抵抗値の下がる負の温度係数を有し、温度センサとしてヒートローラ30の周面温度を検出するものである。このサーミスタ90で検出されたヒートローラ30の周面温度に係る信号に基づいて、図略の制御部にて後述のコイル32に供給する高周波電流が調整され、ヒートローラ30の周面温度が所定の温度に維持されるよう制御されている。サーミスタ90は、その温度検出面がヒートローラ30の周面に対向する状態で、支持部材80の左右方向のほぼ中央位置に保持されている。
前方ガイド板215はその後縁部がニップ部Nに臨んだ状態で前方に向かって先下がりに形成されている一方、支持部材80はその後縁部がヒートローラ30の周面に臨んだ状態で前方に向かって先上がりに傾斜するように設置姿勢が設定され、これら前方ガイド板215と支持部材80と間の隙間によって用紙Pをニップ部Nへ導く導入開口22が形成されている。そして、画像形成部13から送り込まれた用紙Pは、この導入開口22において前方が大きく開いた前方ガイド板215および支持部材80の下面に案内されつつ、ニップ部Nへ向けて送り込まれることになる。
ヒートローラ30は、鉄、ニッケル等の金属材料(磁性材料)製の円筒体(金属基材層311)からなるローラ本体31(被加熱体)と、このヒートローラ本体31の内部に同心で設けられた左右方向(図2(b)の紙面に垂直な方向)に長尺のコイル32とからなる。ローラ本体31は、軸心材33の配置位置を回転中心軸として回転可能な状態で一対の側板211間に架設され、図略の駆動モータと減速機構により回転駆動されるようになっている。なお、軸心材の延伸方向(軸方向)には不動とされている。また、ローラ本体31は、金属材料(磁性材料)製の円筒体からなる金属基材層311と、その基材表面側に積層された離型層313により構成される。必要に応じて金属基材層311と離型層313との間に弾性層322を介設するようにしてもよい。上記のコイル32に図略の高周波電源から高周波電流が供給されることによる電磁誘導加熱によりヒートローラ本体31が発熱するようになっている。このヒートローラ30の構造については、後で詳述する。
加圧ローラ40のローラ本体41は、アルミニウム合金製の円筒体(金属基材層411)と、この金属基材層411に同心で一体的に外嵌された弾性層412と、この弾性層412の周面に被覆された離型層413とを備えて構成されており、ヒートローラ30に圧接されている。
ヒートローラ30および加圧ローラ40の弾性層312,412は、シリコンゴムやシリコン発泡ゴム等の弾性材料により形成され、ヒートローラ30と加圧ローラ40とが当接することにより凹没し、適当な形状(ニップ幅など)と弾性をもったニップ部Nをヒートローラ30と加圧ローラ40との間に形成することができ、均質なトナー像の定着性を得ることができるようになる。弾性材料としては、シリコンゴムあるいはシリコン発泡ゴムを用いることができる。シリコンゴムを用いた場合には、製造時の加工性に優れ、シリコン発泡ゴムを用いた場合には、より断熱性、反撥弾性に優れた弾性層312,412とすることができる。
また、ヒートローラ30および加圧ローラ40表面の離型層313,413は、四フッ化エチレン重合体(PTFE)樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)樹脂、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂等のフッ素樹脂塗料(コーティング剤)をコーティングすることにより得られる。また、上記のフッ素樹脂に有機バインダー樹脂を加えて変性した樹脂コーティング剤を用いてもよい。ヒートローラ30および加圧ローラ40表面に離型層313,413を設けることにより、ヒートローラ30と加圧ローラ40とのニップ部Nで記録媒体を挟持搬送して、未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させることができる。また、上記のようなフッ素樹脂を用いることで、ヒートローラ30および加圧ローラ40の耐熱性、耐久性を向上させることができる。
このような定着装置20において、筐体21の適所に設けられた図略の駆動モータの駆動力が図略の減速機構を介してヒートローラ30に伝達されることにより、ヒートローラ30が軸心回りに回転駆動するようになっている。このヒートローラ30の回転駆動は、ニップ部Nを介して加圧ローラ40に伝達され、これによる加圧ローラ40の逆方向へ向かう従動回転によってニップ部Nに到達した用紙Pがヒートローラ30により加熱されつつニップ部Nを通過し、当該用紙Pに定着処理が施されるようになっている。
以下、実施の形態1に係る定着装置20のヒートローラ30の構造について詳しく説明する。ヒートローラ30は、図3に示すように、円筒状のヒートローラ本体31の内部に、その回転軸方向に平行な軸方向で複数のコイル要素321に分割されたコイル32が配置されて構成されている。コイル要素321は、磁心材料(フェライト)322の軸方向にターンが進むように螺旋状に銅線323が巻回されており、隣り合うコイル要素321の磁界方向が互いに逆となるようにしてヒートローラ本体31と同心に配列され、ヒートローラ本体31をその回転軸方向に貫通する軸心材33により支持されている。これらのコイル要素321には図略の高周波電源から高周波電流が供給される。そして、これらのコイル要素321に高周波電流を流すことにより、これにより生じた高周波磁界でヒートローラ本体31に誘導渦電流を発生させ、その表皮抵抗によってヒートローラ本体31をジュール発熱させることになる。そして、隣り合うコイル要素321同士の対向部(継ぎ目部)では互いに極性が反撥しあうため、ヒートローラ本体31に進入する磁束を均一化することができ、ヒートローラ本体31の回転軸方向における温度ムラを軽減することができる。
また、本実施の形態1では、隣り合うコイル要素321同士の対向部に連結部材34を配し、複数のコイル要素321を連結部材34により連結した構成とし、軸心材33を一対のコイル支持板35でその軸方向の両側方から保持し、軸方向の往復駆動が可能な状態としている。なお、一対のコイル支持板35は、筐体21の一対の側板211の内側において、前方板214と後方ガイド板216との間に架設されている。そして、この軸心材33の一方の端部33aを、筐体21の左方の側板211aに設けられた弾性押圧部材36に当接させ、コイル32に対して当該側板211aから離間する方向への付勢力を与えるとともに、この軸心材33の他方の端部33bを、筐体21の右方の側板211b(軸心材33の延長線上より少し外れた位置)に設けられ、図略の駆動モータと減速機構によって軸心371回りに回転駆動するカム部材37の当接面372に当接させるように構成されている。なお、ここでは、弾性押圧部材36として、圧縮バネが用いられている。また、カム部材37を回転駆動する駆動モータおよび減速機構には、ヒートローラ30の回転駆動のために用いられている駆動モータが兼用され、その減速機構の一部が利用されている。
このような構成において、カム部材37を軸心371回りに回転駆動することにより、カム部材37の当接面372がヒートローラ本体31の回転軸方向に変位し(図3中の矢印B参照)、この当接面372に押圧されてコイル32(軸心材33)が同じ軸方向に往復駆動される。すなわち、この往復駆動機構は、カム部材37が回転駆動されることにより、その当接面372の変位により軸心材33をローラ本体31に対して相対的に軸方向に変位させるものであり、その変位の態様がなだらかな曲線状の軌跡を描くように当接面372の形状が設定されている。
本実施の形態1において、往復駆動の変位量(カム部材37の当接面372の変位量)は、当該カム部材37を取り替えることにより変更可能であり、5〜20mmの範囲で設定可能とされており、また、往復駆動の周波数(カム部材37の回転数)は30〜120サイクル/分の範囲で設定可能とされている。なお、コイル32の軸心材33およびカム部材37の当接面372の互いに摺接する部分には、フッ素樹脂塗料(コーティング剤)をコーティングすることによって、摩擦係数の低い表面状態にしておくことが好ましい。これにより、双方の部材34、372の損耗を抑制し、上記のような動作の信頼性を向上させることができる。
このように、実施の形態1では、コイル32の軸心材33とそれに当接する筐体21側のカム部材37との組み合わせという簡単な構成で往復駆動機構を実現することができる。
連結部材34は、その外周面がヒートロール本体31の内周面に近接したリング状の磁性体として構成されており、このような連結部材34を介在させることにより、各コイル要素321で発生した磁束を連結部材34に案内させてヒートローラ本体31に進入させることができるため、隣り合うコイル要素321同士の対向部での温度低下を軽減することができる。なお、複数のコイル要素321は、必ずしも連結部材34により相互に連結されていなくともよく、ある空間を隔てた状態で連結されていてもよい。
また、分割されるコイル要素321の数は、実施の形態1では3個として図示されているが、分割数はこれに限定されるものではない。2個でもよく、あるいは4個以上でもよい。
このように構成された往復駆動機構を有する本実施の形態1に係る定着装置20のロール本体表面の温度分布について、その計測結果の一例を示す。図4は、定着装置の被加熱体における温度分布を示す説明図であり、(a)は従来の定着装置、(b)は本発明の実施の形態1に係る定着装置における温度分布を示す。往復駆動機構を作動させない状態(もしくは往復駆動機構を有さない状態)でのヒートローラ30の回転軸方向における温度分布は、図4(a)に示されるように、隣り合うコイル要素321同士の対向部で若干の温度低下が認められるが、往復駆動機構を作動させた状態では、図4(b)に示されるように、隣り合うコイル要素321同士の対向部での磁界の落ち込みが均され、それにより局所的な温度低下が抑制されていることがわかる。
このようにコイル32を往復駆動することにより、隣り合うコイル要素321同士の対向部で磁界が落ち込みを均して、局所的に温度が低下するのを抑制して、ヒートローラ30の回転軸方向における温度ムラの発生を防止することができる。そして、その均質化された熱がニップ部Nに送り込まれる用紙Pに伝達されることによって、用紙P上の未定着トナーをニップ部N(ヒートローラ30)の回転軸方向において均質に溶融定着して、画像ムラの発生を防止することができる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2に係る定着装置20Aの構成について説明する。図5は、本発明の実施の形態2に係る定着装置における往復駆動機構の要部構成を示す断面説明図である。本実施の形態2の定着装置20Aは、往復駆動機構を除いて上記の実施の形態1の場合と同様であり、重複する部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
本実施の形態2では、連結部材34により連結したコイル32の軸心材33を一対のコイル支持板35で両側方から回転駆動および往復駆動が可能な状態で保持している。そして、この軸心材33の一方の端部33aを、筐体21の左方の側板211aに設けられた弾性押圧部材36に当接させ、コイル32に対して当該側板211aから離間する方向への付勢力を与えるとともに、この軸心材33の他方の端部33bにはその軸側面に係合溝331が凹刻され、筐体21の右方の側板211b(軸心材33の延長線上より少し外れた位置)から軸心材33に向けて突設され、固定された係合部材38がこの軸心材33の係合溝331に側方から係合するように構成されている。なお、上記の実施の形態1においては、カム部材37を回転駆動し、軸心材33を固定していたが、本実施の形態2においては、係合部材38を固定し、軸心材33を回転駆動する。ここで、軸心材33は、軸心材33の他方の端部33b側に設けられた図略の駆動モータと減速機構によって回転駆動されるが、この回転駆動に用いられる駆動モータおよび減速機構は、ヒートローラ30の回転駆動のために用いられている駆動モータが兼用され、その減速機構の一部が利用されている。軸心材33を回転駆動する駆動モータおよび減速機構を一方の端部33a側に設けることも可能であるが、原則的にはヒートローラ30を回転駆動する駆動モータおよび減速機構との兼用も考慮して、両者を同じ側に設けるのがよい。
このような構成において、コイル32の軸心材33を回転駆動することにより、係合部材38が係合する係合溝331の軸方向の変位量に対応して、コイル32(軸心材33)がヒートローラ本体31の回転軸方向に往復駆動される(図5中の矢印C参照)。すなわち、この係合溝331は、軸心材33が回転駆動されることにより、それに係合する係合部材38に拘束されて、軸心材33を軸方向に変位させるものであり、その変位の態様がなだらかな曲線状の軌跡を描くように形状設定されている。
本実施の形態2において、往復駆動の変位量(係合溝331の変位量)は、5〜20mmの範囲で設定されており、また、往復駆動の周波数(軸心材33の回転数により設定)は30〜120サイクル/分の範囲で設定可能とされている。なお、軸心材33の係合溝331および筐体21側の係合部材38の互いに摺接する部分には、フッ素樹脂塗料のコーティングを施すことによって、摩擦係数の低い表面状態にしておくことが好ましい。これにより、双方の部材331、38の損耗を抑制し、動作の信頼性を向上させることができる。
このように、実施の形態2では、コイル32の軸心材33の係合溝331とそれに係合する筐体21側の係合部材38との組み合わせという簡単な構成で往復駆動機構を実現することができる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3に係る定着装置20Bの構成について説明する。図6は、本発明の実施の形態3に係る定着装置の構成を示す、図2(b)と同様の断面図である。本実施の形態3の定着装置20Bは、ヒートローラ30の代わりに薄肉の加熱ベルト50を用いる点を除いて、上記の実施の形態1の場合と同様であり、重複する部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
本実施の形態3の定着装置20Bは、電磁誘導により加熱される無端状の加熱ベルト50(被加熱体)と、非磁性材料からなり加熱ベルト50に内側から当接するパッド部材52と、加熱ベルト50を介してパッド部材52を押圧する加圧ローラ40とを備え、未定着トナー像を有する用紙Pを加熱ベルト50と加圧ローラ40とのニップ部Nで挟持して、用紙P上の未定着トナー像を溶融定着するものである。
加熱ベルト50のベルト本体51は、少なくとも磁性金属からなる金属基材層512を含んで構成される無端状のベルトであり、ここでは磁性金属の薄板を用いた金属基材層512と、この金属基材層512の内側に耐熱性樹脂からなる樹脂基材層511と、金属基材層512の外側に離型層413と同様の材料からなる離型層514とが積層されて構成される。なお、金属基材層512と離型層514との間に、必要に応じて上記の弾性層412と同様の材料からなる弾性層513を介設してもよい。耐熱性樹脂としては、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルケトン(PEEK)等を用いることができる。なお、金属基材層512は、上記の耐熱性樹脂と同様の樹脂中に磁性金属の粉末体を分散させた上で成形したものであってもよい。また、耐熱性樹脂により形成される樹脂層と金属基材層512とが交互に複数層にわたって形成され、その上に離型層514が積層されて構成されてもよい。このように構成することにより、加熱ベルト50の強度および耐熱性とともに、可撓性を向上させることができる。
パッド部材52は、非磁性材料(例えば、樹脂、シリコンゴム等)で構成され、加熱ベルト50の内面(樹脂基材層511)に当接する部分がフッ素樹脂塗料でコーティングされて摩擦係数の低い表面状態になっており、後述の連結部材54に保持されている。このため、コイル53に高周波電流が流れても、パッド部材52は発熱することなく、また、コイル53とともにその軸方向に往復駆動されても、加熱ベルト50により損耗されることはない。
コイル53は、加熱ベルト50内に配置され、加熱ベルト50(金属基材層512)を電磁誘導により加熱する。また、コイル53は、その軸方向に複数に分割されたコイル要素531で構成され、隣り合うコイル要素531の磁界方向が互いに逆向きとなるように配列されている。そして、コイル要素531は互いに連結部材54により連結され、実施の形態1または2の場合と同様に設けられた往復駆動機構により、連結されたコイル53はその軸方向に往復駆動される。
このように構成された定着装置20Bにおいて、コイル53をその軸方向に往復駆動することにより、隣り合うコイル要素531同士の対向部で磁界が落ち込みを均して、温度が低下するのを抑制して、加熱ベルト50の回転軸方向における温度ムラの発生を防止することができる。
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4に係る定着装置20Cの構成について説明する。図7は、本発明の実施の形態4に係る定着装置の構成を示す、図2(b)と同様の断面図である。本実施の形態4の定着装置20Cは、実施の形態1のヒートローラ30と同様、内部にコイル32(複数のコイル要素321)を備えたヒートローラ30(被加熱体)と、このヒートローラ30の下方に対向配置された定着ローラ60と、この定着ローラ60とヒートローラ30との間に張設された伝熱ベルト70と、定着ローラ60を介してこの伝熱ベルト70と対向配置された加圧ローラ40とを備えて構成され、伝熱ベルト70を介した定着ローラ50と加圧ローラ40との当接位置に形成されたニップ部Nにおいて、導入開口22から送り込まれた用紙P上の未定着トナー像を溶融定着する。上記の実施の形態1の定着装置20と重複する構成・部品には同じ符号を付し、その説明を省略する。
ヒートローラ30は、上記の実施の形態1に用いられたヒートローラと同様の構成を有し、円筒状のヒートローラ本体31の内部に、その回転軸方向に平行な軸方向で複数のコイル要素321に分割されたコイル32が配置されて構成されている。そして、コイル32(コイル要素321)によりヒートローラ30を電磁誘導加熱し、ヒートローラ30を介してそれに張架された伝熱ベルト70に熱を伝えるよう構成されている。なお、コイル32をその軸方向に往復駆動する機構としては、上記の実施の形態1と同様のカム部材37を用いるものであってもよいし、実施の形態2と同様の係合溝331と係合部材38との組み合わせからなるものを用いてもよい。
定着ローラ60のローラ本体61は、アルミニウム合金製の円筒体からなる金属基材層611と、この金属基材層611に同心で一体的に外嵌されたシリコンゴムあるいはシリコン発泡ゴムからなる円筒状の弾性層612とを備えて構成されており、伝熱ベルト70を介して加圧ローラ40に圧接されている。
伝熱ベルト70は、コイル32により電磁誘導加熱されたヒートローラ30の熱を伝えて、加圧ローラ40との間に形成されるニップ部Nで用紙P上の未定着トナー像を溶融定着するものであり、伝熱ベルト本体71はその最内周側に少なくとも金属基材層711を有して構成され、その外側に、上記の弾性層412、離型層413と同様の材料からなる弾性層712と離型層713とが積層されて構成されてもよい。金属基材層711に用いられる金属は特に限定されるものではなく、任意の金属が使用可能である。
このように構成された定着装置20Cにおいては、カム部材37等の駆動によりコイル32を往復駆動することにより、隣り合うコイル要素321同士の対向部で磁界が落ち込みを均して、局所的に温度が低下するのを抑制して、ヒートローラ30の回転軸方向における温度ムラの発生を防止することができる。そして、その均質化された熱を伝熱ベルト70を介して加圧ローラ40とのニップ部Nに伝達することによって、このニップ部Nにおける温度ムラの発生を防止して、ひいては画像ムラの発生を防止することができる。
以上、本発明に係る定着装置20,20A,20B,20Cについて述べてきたが、実施の形態1〜3のいずれかに記載の定着装置20〜20Cを備えて構成される画像形成装置であれば、各実施の形態で述べたと同様の発明の効果を具備した画像形成装置を得ることができる。
なお、上記開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれると解される。
[変形の実施形態]
以下に、上記の実施形態に代えてあるいは加えて、一部機能を変更あるいは付加する変形実施例について説明する。
1)上記の実施の形態1〜3では、被加熱体(ヒートローラ30、加熱ベルト50)を電磁誘導加熱により加熱するコイル32、52を、被加熱体30、50の内部に配置、収納しているが、本発明の定着装置20はこれに限定されるものではない。軸方向に複数に分割されたコイル要素を連結、一体化したコイルを、ヒートローラ30、加熱ベルト50の外部に配置して、その軸方向に往復駆動するように構成してもよい。この場合にも、コイルを被加熱体30、50の外部に配置するだけでは、隣り合うコイル要素同士の対向部では磁界が弱くなり、局部的な温度低下を招きやすいが、軸方向に往復駆動することによって、この局部的な温度低下を抑制し、所望の温度分布配向を付与することができるようになる。
2)上記の実施の形態1〜3では、分割されたコイル要素321、521同士を、その外周面がローラ本体の内周面に近接したリング状の磁性体からなる連結部材34、53で連結する構成をとっているが、必ずしもこのような連結部材34、53を用いる必要はなく、ある空間を隔てて連結するようにしてもよい。ただし、上記のような連結部材34、53を用いた場合、その外周面が被加熱体(ヒートローラ本体31、加熱ベルト50)の内周面に近接しているため、各コイル要素321、521で発生した磁束を連結部材34、53に案内させて被加熱体31、50に進入させることができるため、隣り合うコイル要素321、521同士の対向部での温度低下を有効に軽減することができる。
3)上記の実施の形態1、2で、コイル32、52をその軸方向に往復駆動する機構として、2つの例を挙げたが、これに限定されるものではなく、また、往復駆動時の回数(周波数)や駆動量も例示されたものに限定されるものではない。要は、機構的に簡単で確実に往復駆動を可能とする機構であればよく、駆動時の条件もその方法に応じて適宜設定されればよい。
本発明に係る定着装置が適用された画像形成装置(プリンタ)の内部構造の概要を説明するための正面断面視の説明図である。 本発明の実施の形態1に係る定着装置の構成を示す図であり、(a)は、概略斜視図、(b)は、(a)のA−A線断面図である。 本発明の実施の形態1に係る定着装置における往復駆動機構の要部構成を示す断面説明図である。 定着装置の被加熱体における温度分布を示す説明図であり、(a)は従来の定着装置、(b)は本発明の実施の形態1に係る定着装置における温度分布を示す。 本発明の実施の形態2に係る定着装置における往復駆動機構の要部構成を示す断面説明図である。 本発明の実施の形態3に係る定着装置の構成を示す、図2(b)と同様の断面図である。 本発明の実施の形態4に係る定着装置の構成を示す、図2(b)と同様の断面図である。
符号の説明
10 プリンタ(画像形成装置) 11 装置本体
12 用紙貯留部 121 用紙カセット
13 画像形成部 131 感光体ドラム
132 帯電器 133 露光装置
134 現像装置 135 転写ローラ
136 クリーニング装置
14 定着部 15 排紙部
20,20A〜20C 定着装置 21 筐体
211 側板 22 導入開口
30 ヒートローラ 31 ヒートローラ本体
311 金属基材層 312 弾性層
313 離型層
32 コイル 321 コイル要素
33 軸心材 331 係合溝
34 連結部材 35 コイル支持板
36 弾性押圧材 37 カム部材
372 当接面 38 係合部材
40 加圧ローラ 41 加圧ローラ本体
411 金属基材層 412 弾性層
413 離型層
50 加熱ベルト 51 加熱ベルト本体
511 樹脂基材層 512 金属基材層
513 弾性層 514 離型層
52 パッド部材 53 コイル
531 コイル要素 54 連結部材
60 定着ローラ 61 定着ローラ本体
611 金属基材層 612 弾性層
70 伝熱ベルト 71 伝熱ベルト本体
711 金属基材層 712 弾性層
713 離型層 80 支持部材
90 サーミスタ N ニップ部
P 用紙 P1 用紙束

Claims (8)

  1. 軸心周りに回転駆動される導電性材料で形成される中空筒状の被加熱体と、電磁誘導により前記被加熱体を加熱するコイルと、を備えた定着装置において、
    前記コイルは、前記被加熱体の回転軸方向に平行な該コイルの軸方向で複数に分割されたコイル要素で構成されるとともに、隣り合う該コイル要素の磁界方向が互いに逆向きとなるように配列され、
    前記被加熱体は、その回転軸方向には不動とされる一方で、前記コイルは、その軸方向に往復駆動されるように構成されていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記コイルは、前記被加熱体の内部に、前記被加熱体と同心に配設されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記分割コイルは、その外周面が被加熱体の内周面に近接したリング状の磁性体からなる連結部材により連結されることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記被加熱体は、円筒状のヒートローラであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記被加熱体は、無端状の加熱ベルトであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記コイルが、該コイルの中空部を貫通する軸心材により支持され、該軸心材が二つのコイル支持板で前記軸方向の両側方から保持されており、
    前記軸心材の一方の端部には、装置本体の一方の壁面に設けられた弾性押圧部材により前記コイルを該壁面から離間する方向へ付勢力が与えられるとともに、前記軸心材の他方の端部には、前記一方の壁面とは反対側の壁面に設けられて回転駆動するカム部材が当接するように構成され、
    前記カム部材が回転駆動されることにより、前記軸心材の他方の端部に当接する当接面が前記軸方向に変位し、該当接面に押圧されて前記コイルが前記軸方向に往復駆動されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記コイルが、該コイルの中空部を貫通する軸心材により支持され、該軸心材が二つのコイル支持板で前記軸方向の両側方から保持されており、
    前記軸心材の一方の端部には、装置本体の一方の壁面に設けられた弾性押圧部材により前記コイルを該壁面から離間する方向へ付勢力が与えられるとともに、前記軸心材の他方の端部側面には係合溝を凹刻し、該係合溝に前記一方の壁面とは反対側の壁面に設けられた係合部材が係合するように構成され、
    前記軸心材が回転駆動されることにより、前記係合部材が係合する前記係合溝の前記軸方向の変位量に対応して、前記コイルが前記軸方向に往復駆動されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の定着装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の定着装置を備えて構成されることを特徴とする画像形成装置。
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