JP4725598B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
図6(a)は、このような方式の定着装置1000の構成例を示す横断面図であり、また、図6(b)は、この定着装置1000を定着ローラと加圧ローラの軸心を含む平面で切断したときの断面図である。
定着ベルト1155は、誘導発熱層を含む円筒状の弾性変形可能なベルトであり、矢印Q方向に周回駆動される。
加圧ローラ1160は、定着ベルト1155の周回経路外側に配され、定着ベルト1155を介して定着ローラ1150を押圧し、定着ニップ1310を確保する。
加圧ローラ1160は、駆動モータ(不図示)からの駆動力を受けて矢印P方向に回転する。この駆動力が定着ローラ1150と定着ベルト1155に伝わることにより、定着ローラ1150と定着ベルト1155が従動回転する。
規制板1156は、定着ベルト1155の周回経路内側であり定着ベルト1155を介して磁束発生部1170に対向する位置に配され、定着ベルト1155の曲率に沿って湾曲しており、周回駆動される定着ベルト1155の裏面に面接触して定着ベルト1155をその周回方向に案内しつつ定着ベルト1155と磁束発生部1170との相対位置を規制する。
このように定着ベルト1155の蛇行が発生すると、シート上の未定着トナーが擦られて画像劣化が生ずる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、定着ベルトと磁束発生部との相対位置を規制部材により規制する構成において、定着ベルトの蛇行を防止しつつ、当該定着ベルトの劣化を低減可能な定着装置およびこれを備える画像形成装置を提供することを目的としている。
さらに、磁束発生部と周回経路規制部材との相対的な位置決めが容易になる。
また、前記周回経路規制部材は、その第1ローラ軸方向両端部において前記一対の軸方向位置規制部材により支持されてもよい。
また、前記無端状のベルト、第1ローラ、第2ローラ、周回経路規制部材および軸方向位置規制部材が、前記磁束発生部とは分離されてユニット化され、当該ユニットが装置本体に対して着脱自在に構成されてもよい。
図1は、当該プリンタ1の全体の構成を示す断面概略図である。
同図に示すように、このプリンタ1は、画像プロセス部3、給紙部4、定着部5および制御部60を備えており、ネットワーク(例えばLAN)に接続されて、外部の端末装置(不図示)からのプリントジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナー像を形成し、これらを多重転写してフルカラーの画像形成を実行する。
<画像プロセス部>
画像プロセス部3は、作像部3Y,3M,3C,3K、光学部10、中間転写ベルト11などを備えている。
光学部10は、レーザダイオードなどの発光素子を備え、制御部60からの駆動信号によりY〜K色の画像形成のためのレーザ光Lを発し、感光体ドラム31Y〜31Kを露光走査する。
一次転写ローラ34Y〜34Kにより作用する静電力により中間転写ベルト11上に各色のトナー像が順次転写されフルカラーのトナー像が形成され、さらに二次転写位置46方向に移動する。
<定着部>
図2は、上記定着部5の構成を示す部分断面斜視図であり、図3(a)は、その要部における横断面図である。
同図2に示すように、定着部5は、定着ベルト155と、定着ローラ150と、規制板156と、1対の蛇行規制部材157と、加圧ローラ160と、これらをユニット化して保持するフレーム140と、磁束発生部170とを備える。
定着ベルト155は、図3(a)に示すように、矢印E方向に周回駆動される円筒状のベルトであり、離型層、弾性層およびベース層が、この順に積層されてなり、このうち離型層が表面側に位置する。
離型層は、例えば、厚みが約30μmのPFAなどからなる円筒体である。
弾性層は、厚みが約200μmのシリコーンゴムなどからなり、この他、フッ素ブムなどを使用してもよい。
定着ローラ150は、図3(a)に示すように、長尺で円柱状の芯金152の周囲を弾性体層153で被覆してなり、定着ベルト155の周回経路(周回走行路)内側に配される。
芯金152は、例えば、アルミニウムからなる外径が約20mmの円柱体である。
また、場合によっては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性のモールドパイプを使用してもよいであろう。
なお、弾性体層153の硬度は、経験上、アスカーゴム硬度計で20度以上、60度以下の範囲から、定着ニップ幅等を考慮して適宜決定される。また、材質は、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の発泡弾性体であり、耐熱性及び断熱性の高いものが望まれる。
この他にも、鉄やステンレス等を用いても構わず、また、場合によっては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性のモールドパイプを使用してもよいであろう。
弾性体層162は、シリコンスポンジゴム等からなる円筒体であって、その厚みは、経験上、3mm以上、10mm以下の範囲から定着ニップ幅等を考慮して、適宜決定される。
定着ローラ150と加圧ローラ160は、芯金152、161の軸方向両端部がフレーム140の軸受部(不図示)に回転自在に軸支されると共に、加圧ローラ160は、駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達されることにより矢印D方向に回転駆動される。この加圧ローラ160の回転に伴って定着ベルト155と定着ローラ150が矢印E方向に従動回転する。
励磁コイル173は、規制板156の発熱層(不図示)を加熱するための磁束を発生させるものであり、コイルボビン171に巻かれている。
定着ニップ155nが目標温度に維持された状態でシートSが定着ニップ155nを通過する際に、シートS上の未定着のトナー像Tが加熱、加圧されて当該シートS上に熱定着される。
発熱層は、例えば、厚みが15μmの銅などからなり、磁束発生部170から発せられる磁束により発熱する。
導電層は、厚みが約200μmの銅などの低抵抗導電材料から形成される。この他にもアルミニウムなどの材料を用いてもよい。
上記キュリー温度は、定着に適した温度(目標温度)よりも約20℃高い温度に設定されており、これにより多数枚の小サイズのシートを連続してプリントする場合に、定着ベルト155のうち、ベルト幅方向に当該シートが通過しない両端側の部分(非通紙部)Pの温度が、当該シートに熱が奪われないために目標温度を上回っても、キュリー温度を大幅に超えることがなくなって、定着ベルト155にダメージを与えるような高温に至るといったことが防止される。なお、設定すべきキュリー温度は、上記の温度に限られず、通紙部の温度が所定の定着温度を維持しつつ、非通紙部が過昇温しないように定着部5の構成等に応じて実験などにより適宜設定される。
蛇行規制部材157は、円板の一部が切り欠かれた1対の板状部材であり、これらが互いに対向するように設けられており、両者の間隔は、定着ベルト155の幅よりも約1mm大きくなっている。
図2に戻って、ローラユニット190は、プリンタ1の本体部(不図示)及び磁束発生部170に対して着脱自在となっている。
これは、ローラユニット190に含まれる定着ローラ150や定着ベルト155が劣化したときに、ローラユニット190単位で交換を行うためである。
より具体的には、係合位置調整機構180は、コの字の断面形状を有し、磁束発生部170に沿って設けられたハウジング部181と、当該ハウジング部181の主面181dに設けられた長穴181b,181cと側面181eに設けられた長穴181aとにそれぞれ挿嵌されて、磁束発生部170のカバー175と接続されている有頭ピン183、184及び182と、これらの有頭ピンの首下に嵌挿され、ハウジング部181の内壁と磁束発生部170のカバー175との間に圧縮された状態で挟持されているばね185とを有している。
これらの構成により、磁束発生部170は、定着ベルトがある方向(Z’方向)と、シート搬送方向のうち定着ローラ150よりも上流側の方向(X’方向)とに付勢され、これらの各方向に数ミリほど変位可能なように遊びを有した状態で係合位置調整機構180によって保持されている。
図4(a)に示すように、ローラユニット190をプリンタ1の本体部200に装着するために、本体部200の基準面200a上でローラユニット190をZ方向にスライドさせる。
さらに、ローラユニット190をZ方向にスライドさせると、やがて、磁束発生部170のコイルボビン171の底面171aと蛇行規制部材157の縁とが接触する。
底面171aの曲率と蛇行規制部材157の縁の曲率とがほぼ等しく、一方が凹、他方が凸となっているため、蛇行規制部材157の縁を底面171aに押し当てると、底面171aに対してZ方向に作用する力が、Z方向へと押し付ける力と、X方向へと押し上げる力とに分力されて、磁束発生部170がZ方向に後退しつつX方向へと移動する。
また、規制板156は、蛇行規制部材157に固定されているので、磁束発生部170と規制板156の相対位置も一義的に決まり、磁束発生部170と規制板156との距離も安定するので、誘導加熱時の加熱量のばらつきが生じにくい。
このようなガタの発生を防止しなくてもよいのであれば、有頭ピン182に挿嵌されたばね185を省略してもよい。
<変形例>
以上、本発明を種々の実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記実施の形態に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
(1)上記実施の形態では、蛇行規制部材157は、円板の一部が切り欠かれた形状としたが、これに限るものではない。
また、蛇行規制部材157は、例えば、板状ではなく厚みのある部材であってもよく、また、図5に示す変形例のように、定着ベルト155の縁に沿ってもうけられた弧状の部材257であってもよく、要するに、定着ベルトの縁の変形領域を除いた領域で接触するガイド面を有し、定着ベルト155の軸方向の位置規制する軸方向位置規制部材でありさえすれば、どのような形状であっても構わない。
(2)上記実施の形態では、整磁合金層、発熱層が規制板156に設けられ、規制板156が加熱される構成であったが、これに限らず、整磁合金層及び発熱層を定着ベルトに設けて、定着ベルトを直接加熱する構成であってもよい。
(3)上記実施の形態では、定着ベルト155の離型層は、PFAからなるとしたが、これに限るものではなく、例えば、PTFE、FEP、PFEP等のフッ素樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いてもよい。
(4)上記実施の形態では、離型層155aは、厚みが約20μmのPFAなどからなる円筒体としたが、これに限るものではなく、材質としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体)を用いてもよく、また、厚みは、経験上5μm以上、100μm以下程度であればよい。
(5)係合位置調整機構180は、ばね185を有しているとしたが、これに限らず、例えば、ゴムや弾性を有する樹脂でも構わず、要するに、磁束発生部170を所定の方向に付勢する付勢手段があればよい。
(6)なお、上記実施の形態では、タンデム型のカラープリンタについて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、モノクロプリンタであってもよく、さらに、複写機やファックスといった付加機能を有する装置であってもよく、要するに、定着ベルトと規制板を用いる誘導加熱方式の定着装置を備えた全ての画像形成装置に適用されるものである。
3 画像プロセス部
3Y,3M,3C,3K 作像部
4 給紙部
5 定着部
10 光学部
11 中間転写ベルト
12 駆動ローラ
13 従動ローラ
31 感光体ドラム
32 帯電器
33 現像器
34 一次転写ローラ
35 クリーナ
41 給紙カセット
42 繰り出しローラ
43 搬送路
44 タイミングローラ対
45 二次転写ローラ
46 二次転写位置
60 制御部
71 排出ローラ対
72 排出トレイ
115 裏面
140 フレーム
150 定着ローラ
152 芯金
153 弾性体層
155 定着ベルト
155a 離型層
155b 弾性体層
155n 定着ニップ
156 規制板
157 蛇行規制部材
157a ガイド面
160 加圧ローラ
161 芯金
162 弾性体層
163 離型層
170 磁束発生部
171 コイルボビン
171a 底面
172 裾コア
173 励磁コイル
174 メインコア
175 カバー
180 係合位置調整機構
181 ハウジング部
181a,181b, 181c 長穴
181d 主面
181e 側面
182, 183, 184 有頭ピン
190 ローラユニット
200 本体部
200a 基準面
257 弧状の部材
Claims (5)
- 無端状のベルトの周回経路内側に配され、周面に弾性体層を有する第1ローラを、前記ベルトの外側から当該ベルトを介して第2ローラで押圧して、当該ベルト表面と第2ローラの間に定着ニップを形成すると共に、前記ベルトを周回駆動させつつ加熱して、未定着画像の形成されたシートを前記定着ニップに通して、前記未定着画像の熱定着を行う定着装置であって、
前記ベルトの周回経路内側において、前記第1ローラと平行に配され、周回駆動されるベルトの裏面に接触して、当該ベルトの周回経路を規制する周回経路規制部材と、
前記ベルトの外側において、前記ベルトを挟んで前記周回経路規制部材と対向する位置に配され、前記ベルトを加熱するための磁束を発生させる磁束発生部と、
前記第1のローラの両端側に配され、それぞれ前記第1ローラの回転軸の方向と直交するガイド面を有し、当該ガイド面を前記ベルトの幅方向の縁に接触させることにより、前記ベルトの前記回転軸の方向における位置を規制する一対の軸方向位置規制部材と
前記磁束発生部を、第1ローラの軸と直交する平面において、前記ベルトに向かう第1の方向と、当該第1の方向と交差する第2方向とに付勢する付勢手段と、
を備え、
前記磁束発生部は、第1ローラの軸方向から見たときに、前記ベルトと対向する部分が凹状となっており、
前記一対の軸方向位置規制部材は、それぞれのガイド面が、前記ベルトの当該ガイド面に面する側の縁に、前記定着ニップの形成に起因して変形する領域を除いた領域で接触するように形成されると共に、第1ローラの軸方向から見たときに、前記磁束発生部側が、凸状となっており、
前記付勢手段により、前記磁束発生部を前記第1と第2の方向に付勢して、その凹状部分を前記軸方向位置規制部材の凸状部分に当接させることにより、前記磁束発生部と前記ベルトとの相対的な位置決めがなされること
を特徴とする定着装置。 - 前記周回経路規制部材は、その第1ローラ軸方向両端部において前記一対の軸方向位置規制部材により支持されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記ベルトまたは前記周回経路規制部材は、所定温度を超えると強磁性から非磁性に可逆的に変化する整磁合金層を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
- 請求項1から3のいずれかに記載の定着装置を備えた画像形成装置。
- 前記無端状のベルト、第1ローラ、第2ローラ、周回経路規制部材および軸方向位置規制部材が、前記磁束発生部とは分離されてユニット化され、当該ユニットが装置本体に対して着脱自在に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
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