JP3763542B2 - 誘導加熱定着装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真式の複写機、プリンタおよびファクシミリなどに用いられる定着装置に関し、さらに詳しくは、誘電加熱を利用してトナー像を記録媒体に定着する定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真式の複写機などには、記録媒体である記録紙ないし転写材などのシート上に転写されたトナー像をシートに定着させる定着装置が設けられている。この定着装置は、例えば、シート上のトナーを熱溶融させる定着ローラと、当該定着ローラに圧接してシートを挟持する加圧ローラとを有している。定着ローラは円筒状に形成され、この定着ローラの中心軸上には、発熱体が保持手段により保持されている。発熱体は、例えば、ハロゲンランプなどにより構成され、所定の電圧が印加されることにより発熱するものである。この発熱体は定着ローラの中心軸に位置しているため、発熱体から発せられた熱は定着ローラ内壁に均一に輻射され、定着ローラの外壁の温度分布は円周方向において均一となる。定着ローラの外壁は、その温度が定着に適した温度(例えば、150〜200℃)になるまで加熱される。この状態で定着ローラと加圧ローラは摺接しながら互いに逆方向へ回転し、トナーが付着したシートを挟持する。定着ローラと加圧ローラとの摺接部(以下、ニップ部という)において、シート上のトナーは定着ローラの熱により溶解し、両ローラから作用する圧力によりシートに定着される。トナーが定着した後、定着ローラおよび加圧ローラの回転に伴い、シートは、排紙ローラによって搬送され、排紙トレイ上に排出される。
【0003】
ハロゲンランプなどから構成される発熱体を備えた上記定着装置においては、電源を投入した後、定着ローラの温度が定着に適した所定温度に達するまでには比較的長時間を要していた。その間、使用者は複写機を使用することができず、長時間の待機を強いられるという問題があった。その一方、待機時間の短縮を図ってユーザの操作性を向上すべく定着ローラの熱容量を増大させた場合には、定着装置における消費電力が増大し、省エネルギ化に反するという問題が生じていた。
【0004】
このため、複写機などの商品の価値を高めるためには、定着装置の省エネルギ化(低消費電力化)と、ユーザの操作性向上(クイックプリント)との両立を図ることが一層注目され重視されてきている。これに伴い、従来から行われてきたトナーの定着温度、定着ローラの熱容量の低減だけでなく、電気−熱変換効率の向上を図ることが必要となってきた。
【0005】
かかる要請を満足する装置として、誘導加熱方式の定着装置が提案されている(特開昭58−178385号公報)。この装置は、金属導体からなる定着ローラの内部に、同心状にコイルを巻装した開磁路鉄芯が配置されている。そして、定着ローラの内面に近接した前記コイルに高周波電流を流し、これによって生じた高周波磁界で定着ローラに誘導渦電流を発生させ、定着ローラ自体の表皮抵抗によって定着ローラそのものをジュール発熱させるようになっている。
【0006】
この誘導加熱は、他の加熱方式と比較して次ぎのような利点がある。
まず第1に、ハロゲンランプの近赤外加熱のような間接加熱よりも、速く昇温し、定着ローラ以外の部分の発熱や伝熱が少ない。また、ハロゲンランプの光漏れに相当するロスがない。第2に、定着ローラ表面に固体抵抗発熱体を持つ表面加熱よりも、電磁誘導特有の表皮効果があるために発熱効率が良く、また摺動接点がないため定着装置の信頼性も長期にわたって高い。第3に、フィルムベルトと固体抵抗発熱体を持つ加熱よりも、接触抵抗による熱伝達ロスが少なく、また発熱面の温度検出が容易であるので温度制御性が優れている。
【0007】
近年では、低定着温度トナーの開発が進み、また、家電用高周波電源におけるインバータ回路スイッチング素子などの普及・低価格化などによって、上記特長を持つ誘導加熱定着装置の実現が可能となりつつある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の一般的な誘導加熱定着装置では、特開昭59−33785号および特開昭59−33788号に開示されているように、定着ローラに内蔵され当該定着ローラに誘導電流を発生させるコイルとしては、定着ローラの回転軸に沿う方向に長い単一のコイルが使用されていた。ところが、長い単一のコイルを製造することは容易ではなかった。
【0009】
ここで、コイルの製造の容易化を考慮して、複数個の短いコイルを定着ローラの回転軸方向に沿って配置することも考えられるが、隣接するコイル相互間にギャップが存在すると、その箇所ないし領域が非発熱箇所ないし領域となり、定着ローラの回転軸方向に沿う定着性を均一にできない虞がある。このため、定着性を均一にするには、コイル相互間のギャップを抑える必要があるが、このギャップを小さくすることのみを追及したのでは、コイルの長尺化につながり、製造の容易化に反する結果となる。
【0010】
そこで、本発明は、コイルの製造の容易化を考慮して、誘導電流を定着部材に発生させる複数個のコイルを、記録媒体の搬送方向に直交する方向に定着部材のニップ部に沿って配置した誘導加熱定着装置であって、ある程度のギャップをコイル相互間に設けても、定着部材のニップ部に沿う温度分布を均一にでき、もって、定着部材のニップ部に沿って均一な定着性を実現し得る誘導加熱定着装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、搬送される記録媒体の上に形成されたトナー像を前記記録媒体へ定着する定着装置であって、
前記記録媒体に接触するニップ部を有し、導電性部材で形成された定着部材と、
当該定着部材の内部に、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向に前記ニップ部に沿って配列され当該定着部材に誘導電流を生じさせる複数個のコイル・アセンブリと、
を有し、
前記複数個のコイル・アセンブリ各々が、ボビンと、その周りに巻かれたコイルとを備え、
前記複数個のコイル・アセンブリを、隣接するコイルが互いに逆方向の磁束を発生するように配置してなる誘導加熱定着装置である。
【0012】
【作用】
このように構成した誘導加熱定着装置にあっては、コイルに交流電流が流されると、定着部材に誘導電流が生じて当該定着部材が加熱される。
【0013】
また、定着部材内の少なくとも1つのコイルが他のコイルと逆方向の磁束を発生することにより、これら隣接するコイルの間には、磁極に関するクーロン法則に従った新たな磁束が発生する。この磁束が定着部材に誘導電流を発生させるため、コイルの間に新たな発熱箇所ないし領域が発生して、定着部材が発熱する。したがって、ある程度のギャップをコイル間に設けても、非発熱箇所ないし領域の発生を抑えることができ、定着部材のニップ部に沿う温度分布が均一になり、もって、定着性の劣化を防止して、定着部材のニップ部に沿って均一な定着性を実現することができる。
【0014】
さらに、コイルを回転軸方向へ複数並列させる構成としているため、回転軸方向に長い1つのコイルを用いる場合に比べ、コイルの製造が容易になる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の一実施例に係る誘導加熱定着装置を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した誘導加熱定着装置を示す断面図、図2は、図1に示される定着ローラを示す斜視図、図3は、定着ローラ内のコイルとコアを示す透視図、図4は、ホルダユニットの内部構造を示す分解斜視図、図5は、コイル・アセンブリを示す斜視図である。
【0016】
図1に示すように、プリンタなどに組み込まれた誘導加熱定着装置は、矢印a方向に回転駆動可能に設けられた定着ローラ10と、当該定着ローラ10に圧接して設けられ定着ローラ10の回転に伴って従動回転する加圧ローラ11とを有する。図3に示すように、定着ローラ10は、導電体の中空パイプであり、その内部には、当該定着ローラ10に誘導電流を発生させるための複数個のコイル・アセンブリ12が回転軸方向(円筒軸方向)に沿って配設されている。特に、本実施例では、コイル・アセンブリ12は、隣接するコイル・アセンブリ12の磁束発生方向が逆方向になるように、配置されている。各コイル・アセンブリ12は、ホルダ24に保持されて、ホルダユニット13を構成している。
【0017】
図2に示すように、定着ローラ10は、その両端にスベリ軸受部10aが形成され、図示しない定着ユニットフレームに回転自在に取り付けられている。さらに、定着ローラ10は、その片端に図示しない駆動ギアが固定され、この駆動ギアに接続されたモータなどの図示しない駆動源によって回転駆動される。また、ホルダユニット13は、定着ローラ10の内周面との間に所定寸法の最小限ギャップを保って、定着ローラ10の内部に収納されている。このホルダユニット13は、定着ユニットフレームに固定され、非回転となっている。
【0018】
未定着のトナー像が転写されているシート14は、図1中左方向から搬送され、定着ローラ10と加圧ローラ11との間のニップ部に向けて送り込まれる。シート14は、後述する原理により熱せられた定着ローラ10の熱と、両ローラ10、11から作用する圧力とが加えられながら、ニップ部を搬送される。これにより、未定着トナーが定着されて、シート14上には定着トナー像が形成される。ニップ部を通過したシート14は、定着ローラ10から自然に分離し、あるいは図1に示すように、先端部が定着ローラ10の表面に摺接するように設けられた分離爪15ないし分離ガイドによって定着ローラ10から強制的に分離され、図1中右方向に搬送される。このシート14は、図示しない排紙ローラによって搬送されて、排紙トレイ上に排出される。
【0019】
定着ローラ10の上方には、当該定着ローラ10の温度を検出する温度センサ16が設けられている。この温度センサ16は、定着ローラ10を隔ててコイル22の側面に向かい合うように、定着ローラ10の表面に圧接している。温度センサ16は、例えば、サーミスタより構成される。このサーミスタ16で定着ローラ10の温度を検出しつつ、定着ローラ10の温度が最適温度となるように、コイル22への通電が制御される。
【0020】
定着ローラ10の上方にはさらに、温度異常上昇時の安全機構として、サーモスタット17が設けられている。このサーモスタット17は、定着ローラ10の表面に圧接しており、予め設定された温度になると接点を開放してコイル22への通電を切断する。これにより、定着ローラ10が所定温度以上の高温となることを防止している。
【0021】
定着ローラ10は、炭素鋼管、ステンレス合金管あるいはアルミニウム合金管などの導電性部材から形成され、その外周面にフッ素樹脂をコーティングして、表面に耐熱離型性層が形成されている。定着ローラ10は、導電性磁性部材から形成することがさらに好ましい。加圧ローラ11は、軸芯18の周囲に、表面離型性耐熱ゴム層であるシリコンゴム層19が形成されている。また、スベリ軸受10aや分離爪15は、耐熱摺動性エンジニアリング・プラスチックなどから形成されている。
【0022】
コイル・アセンブリ12は、図5に示すように、中央部に通孔20aが形成されたロの字型のボビン20を有し、このボビン20の周りに銅線21を準整列に複数連続(端末処理、結線が省略できる)巻いてコイル22を形成してある。ボビン20の通孔20aには、コイル22の銅線21と直交するようにコア23が挿入されている。ボビン20は、例えば、セラミックや耐熱絶縁性エンジニアリング・プラスチックで形成すればよく、また、コイル22としては表面に融着層と絶縁層を持つ単一またはリッツ銅線を用いることが好ましい。コア23は、例えば、フェライトコアまたは積層コアからなる。
【0023】
図3に示すように、コイル・アセンブリ12は、定着ローラ10の回転軸方向に対し直交する方向へ磁束が発生するように、ボビン20に巻回された銅線21が定着ローラ10の回転軸に平行な平面に沿うように、すなわち、コア23が回転軸と直交する向きに配設されている。
【0024】
さらに、本実施例においては、図1、図3および図4に示すように、複数のコイル・アセンブリ12が、コア23がシート14の搬送方向と略平行でコイル22が加圧ローラ11と略対向するようにホルダ24を用いて定着ローラ10の軸方向へ並んで配設されている。また、コイル22の外周面には絶縁フィルム28が配置されている。絶縁フィルム28は、例えば、耐熱絶縁性樹脂であるポリイミド、ポリフェニレンサルファイドなどから形成されている。ホルダ24は、ホルダステー24aと、このホルダステー24aに装着されるホルダカバー24bとを有し、それぞれ耐熱絶縁性エンジニアリング・プラスチックから形成されている。図4に示すように、ホルダステー24aおよびホルダカバー24bの内面には、コイル・アセンブリ12などを保持するための凹部29が形成され、両端部には定着ユニットフレームに固定するための嵌合部25が設けられている。ホルダユニット13は、例えばホルダステー24aに設けられた凹部29にコイル22を挿入し、ボビン20の通孔20aにコア23を挿入し、コイル22の外周面に絶縁フィルム28を配置し、ホルダカバー24bをホルダステー24aに装着して組み立てられる。複数のコイル22はホルダ24内で直列に接続されており、ホルダユニット13の両端(または、片端)には、コイル22の端末が接続されるコネクタ端子30が設けられ、この端子30を介して高周波電流を供給する後述の高周波電源35に接続されている。ホルダユニット13は、定着ローラ10の内壁との間にギャップが形成されるように、定着ローラ10の内径よりも若干小さい外径を有している。
【0025】
図6は、本発明を適用した誘導加熱定着装置における定着ローラ10の加熱原理を説明する説明図である。コイル22に高周波(数kHz〜数十kHz)の電流が流されると、「アンペアの右ネジの法則」に従って、図示するように、コア23から定着ローラ10の長手軸方向に対し直交する磁束31aが発生する。この磁束31aもまた高周波磁束である。
【0026】
導電体の定着ローラ10に到達した磁束31bは、定着ローラ10に沿って曲り、導電体の比透磁率に依存した比率で定着ローラ10の円周面内を通る磁束31cとなる。定着ローラ10の周面に集中した磁束31cは、コイル22に対向する部分で密度が最大となる。
【0027】
この集中した磁束31cの作用により、定着ローラ10には「レンツの法則」に従って、前記磁束31cを妨げる前記磁束31cと逆方向の磁束を生じるような渦状の誘導電流が壁面内部で発生する。この誘導電流は、定着ローラ10の表皮抵抗によりジュール熱に変換されるので、定着ローラ10が発熱する。
【0028】
この構成にあっては、定着ローラ10のP,R点で円周面内の磁束密度が極大になり、逆に、Q、S点で極小になる。よって、誘導電流密度も同様の傾向になるので、定着ローラ10の発熱は、円周面内において均一ではなく、2点鎖線で囲んだ部分32a、32bが局所的に発熱する。この局所的に発熱する部分32a、32bは、図1において示せば、定着ローラ10の上部領域と下部領域に相当する。したがって、ニップ部と一方の発熱箇所(領域)とは、少なくとも一部で重複している。また、他方の発熱箇所(領域)には、サーミスタ16が接触しており、サーモスタット17も接触または近接するように配置される。なお、サーミスタ16の取り付け箇所は、定着ローラ10の上部か下部のどちらかにすれば良いが、図示する実施例では、上部の外側に取り付けてある。また、サーミスタ16が小型であれば、定着ローラ10上部の内側または下部の内側に取り付けても良い。
【0029】
図7は、誘導加熱コイル22へ高周波電流を流し定着ローラ10の温度を制御する回路のブロック図、図8は、インバータ回路を示すブロック図である。
【0030】
高周波電流は、商用電源35の交流を整流回路36によって整流し、自励式インバータ回路37で高周波に変換し発生させる。誘導加熱コイル22への電流は、定着ローラ10の表面に圧接されたサーモスタット17を介して供給され、定着ローラ10の表面温度が予め設定されている異常温度に達すると、サーモスタット17によって電流路が切断されるようになっている。制御回路38は、マイクロプロセッサやメモリなどから構成され、サーミスタ16の電位に基づいて定着ローラ10の温度を監視しながら、インバータ回路37内のドライブ回路40へオン/オフ信号を出力し、温度制御を行う。インバータ回路37は、整流回路36からの直流電流を高周波電流に周波数変換して、コイル22に供給する。
【0031】
図8に示すように、インバータ回路37は、制御回路38から発せられる制御信号(加熱信号)がオンになると、まずドライブ回路40が、例えばトランジスタ、FETあるいはIGBTなどからなるスイッチング素子41をオンし、これによって、誘導加熱コイル22に電流が流れる。一方、電流検出回路42は所定の電流値IP に達したことを検出するとスイッチング素子41をオフするようにドライブ回路40に信号を送る。電流検出回路42で検出されるドレイン電流ID の波形を図9(B)に示す。スイッチング素子41がオフされると、誘導加熱コイル22と共振用コンデンサ44との間で共振電流が流れる。そして、電圧検出回路43は、共振によりスイッチング素子41の誘導加熱コイル22側のドレイン電圧VD が0V付近まで下降したことを検出すると、スイッチング素子41を再びオンするようにドライブ回路40に信号を送る。以下、このスイッチングサイクルを繰り返すことによって高周波の電流を誘導加熱コイル22へ流す。電圧検出回路43で検出される電圧VD の波形を図9(A)に、また、スイッチング素子41のオン/オフ信号(例えば、FETならばゲートのオン/オフ信号)を図9(C)に示す。
【0032】
次ぎに、コイル22の配置状態について説明する。
【0033】
本実施例における配置状態を説明する前に、まず、比較例における配置状態を図10〜図12に基づいて説明する。この比較例では、図10および図11(A)(B)に示すように、導電体の定着ローラ10に誘導電流を発生させる複数個のコイル22を、全て同方向の磁束を発生するように配置または接続してある。この場合に発生する磁束を図示すれば、磁束31d,31eとなる。ここで、磁束31dは、発熱原理図で示した磁束31aと同一であり、最終的に定着ローラ10の発熱に関係し、発熱箇所ないし領域32c,32dとなる。一方、磁束31eは、図12に示すように、定着ローラ10の面内磁束とほとんどならないので、定着ローラ10の発熱に寄与しない。また、隣接するコイル22相互間にコイルギャップ部33がある場合には、このギャップ部33中では定着ローラ10は発熱領域を持たない。したがって、コイルギャップ部33を大きくすると、定着ローラ10の回転軸方向に沿った温度分布が不均一になり、定着ローラ10の回転軸方向に沿う定着性を均一にできず、定着性能に悪影響をもたらすことになる。
【0034】
次ぎに、本実施例における配置状態を図13〜図15に基づいて説明する。本実施例では、図13および図14(A)(B)に示すように、複数個のコイル22のうちコイル22b、22dを、他のコイル22a、22cと逆方向の磁束を発生するように配置または接続してある。この場合に発生する磁束を図示すれば、磁束31f、31gとなる。ここで、磁束31gは、前述した磁束31eとは「磁極に関するクーロンの法則」に従っているという点で、磁束の方向と磁束密度が異なっている。ここに「磁極に関するクーロンの法則」によると、磁石のNとSは引き合い、NとNまたはSとSは反発し、両磁極間の距離の二乗に反比例した力が作用する。
【0035】
磁束31gは、図15に示すように、磁束の方向に関して、定着ローラ10の回転軸面内方向成分となるので、定着ローラ10には、新たな発熱領域32e、32fが発生する。さらに、この磁束31gは、磁束密度に関して磁束31dよりも高くなる。
【0036】
以上のように、本実施例の構成のように、隣接するコイル22が発生する磁束の方向を逆方向にすることにより、磁束の方向が同方向の場合と比較して、「磁極に関するクーロンの法則」が成り立つコイルギャップ部33範囲においては、発熱領域32e、32fが新たに定着ローラ10に追加されることになる。
【0037】
図16は、定着ローラ10の回転軸方向の磁束密度を測定した結果を示すグラフである。横軸は、定着ローラ10の回転軸方向位置であり、縦軸は、定着ローラ10の回転軸方向位置におけるそれぞれX、Z方向成分の最大磁束密度である。なお、電流は直流電流を供給している。グラフ中の白丸がX軸方向成分の磁束密度の絶対値、黒丸がZ軸方向成分の磁束密度の絶対値を表わしている。X、Y、Zの各軸方向については、図13に示してある。
【0038】
このグラフから明らかなように、本実施例のようにコイル22を配置すれば、隣接するコイル22相互間に形成されたコイルギャップ部33においてX軸方向成分磁束が発生していること、および、コイルギャップ部33近傍においてZ軸方向成分磁束密度がコイル22中央部よりも高くなっていることが明らかになった。
【0039】
図17は、定着ローラ10の回転軸方向の定着剥離強度を測定した結果を示すグラフである。横軸は、定着ローラ10の回転軸方向(主走査方向)画像位置であり、縦軸は、定着ローラ10の回転軸方向位置におけるそれぞれ、実施例、対比例の定着剥離強度である。
【0040】
このグラフから明らかなように、本実施例のようにコイル22を配置すれば、コイルギャップ部33とその近傍において、定着剥離強度が向上し、定着ローラ10の回転軸方向に沿って均一な定着性を得ることができた。
【0041】
以上説明したように、本実施例においては、コイル・アセンブリ12を、コア23が通紙方向と略平行となるように、すなわち、コイル22が定着ローラ10の回転軸と直交する軸を中心に巻回した状態となるように配置したので、定着ローラ10の周面においてある特定部分を局所的に発熱させることができ、しかも、その局所的な発熱部分を加圧ローラ11と接触する近傍部分に対応づけることによって熱効率の良い加熱を行うことができる。そして、同じサイズのコイル・アセンブリ12を回転軸方向へ複数並列させる構成としているため、回転軸方向に長い1つのコイル・アセンブリ12を用いる場合に比べ、コイルの製造が容易になる。
【0042】
さらに、本実施例では、隣接するコイル22が発生する磁束の方向が逆方向となるように複数個のコイル22を定着ローラ10内に配置するという簡単な構造によって、「磁極に関するクーロンの法則」に従った新たな磁束の発生を得て、隣接するコイル22の間を定着ローラ10の新たな発熱箇所ないし領域32e、32fとすることができ、ある程度のコイルギャップ部33をコイル22間に設けても、回転軸方向に沿う定着ローラ10表面の温度分布を均一にすることができ、もって、定着ローラ10の回転軸方向に沿って均一な定着性を実現することができた。
【0043】
しかも、コイル22やコア23の長さを小さくすることによりコイルギャップ部33の幅が大きくなっても、定着ローラ10の回転軸方向の温度分布を均一にすることができるので、誘導加熱の効率向上と、コストの低減との両立を図ることが可能となる。
【0044】
なお、図示した実施例では、銅線21を同一方向に巻いたコイル22a〜22dのうち22b、22dのみ逆にして配置してあるが、隣接するコイル22間の磁極が互いに逆になれば、他の方法であっても良い。
【0045】
また、コイル・アセンブリ12の形状ないし構造は上述した実施例の形状などに限定されるものではなく、種々改変しても、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。
【0046】
図18および図19は、コイル・アセンブリのコイルの断面形状を改変した実施例に係る要部断面図である。
【0047】
定着ローラ10に誘導電流を発生させるコイル22は、定着ローラ10に高磁束を作用させるために、定着ローラ10に最小限のギャップで、広い範囲で近接していることが望ましい。そこで、図18に示すコイル・アセンブリ12では、コイル22eの断面形状を巻き始めよりも巻き終わりのコイル列数を減少させ、全体として凸型にしてある。また、図19に示すコイル・アセンブリ12では、普通の断面形状を有する2つのコイル22fを、十字型の断面形状となるように組み合わせてある。
【0048】
図20(A)(B)は、コイル・アセンブリをコアレス構造に改変した実施例に係る斜視図である。
【0049】
定着ローラ10に誘導電流を発生させるコイル22のコア23は、コイル22が発生する磁束を高め、また、その磁束を定着ローラ10に導く磁路を形成するために使用されている。前述した実施例では、すべてのコイル22に対をなすようにコア23を使用した場合を示したが、図20(A)に示すようにコア23の一部を取り除いた形態、または、図20(B)に示すようにコア23の全てを取り除いた形態としても良い。
【0050】
図21〜図25は、コイル・アセンブリのコアの断面形状を改変した実施例に係る要部断面図である。
【0051】
コイル22のコア23は、上記のように、コイル22が発生する磁束を高め、また、その磁束を定着ローラ10に導く磁路を形成するために使用されている。よって、コア23は定着ローラ10に最小限のギャップで、広い範囲で近接していることが望ましい。そこで、図21に示すコイル・アセンブリ12では、コア23aの両端面50、50を平坦面ではなく定着ローラ10の内面形状に対応した円弧面に形成してある。また、図22に示すコイル・アセンブリ12では、コア23bの両端面50、51を定着ローラ10の内面形状に対応した円弧面に形成し、さらに、一方の端面51を他方の端面50よりも大きく形成して広い範囲で定着ローラ10に近接するようにしてある。また、図23に示すコイル・アセンブリ12では、2個のコア体23c、23dからコア23eを組み立て、その両端面51、51を定着ローラ10の内面形状に対応した円弧面に形成し、さらに、両端面51、51を図21に示すコア23aの端面50よりも大きく形成して広い範囲で定着ローラ10に近接するようにしてある。また、図24に示すコイル・アセンブリ12では、コイル22の図中上方にだけコア23fを配置し、当該コア23fの端面51を定着ローラ10の内面形状に対応した円弧面に形成すると共に広い範囲で定着ローラ10に近接するようにしてある。また、図25に示すコイル・アセンブリ12では、コイル22の図中上下両方にコア23g、23hを配置し、当該コア23g、23hの端面51を定着ローラ10の内面形状に対応した円弧面に形成すると共に広い範囲で定着ローラ10に近接するようにしてある。
【0052】
図26および図27は、コイル・アセンブリのコアの断面形状をさらに改変した実施例に係る要部断面図である。
【0053】
コイル22のコア23は、上記のように、コイル22が発生する磁束を高め、また、その磁束を定着ローラ10に導く磁路を形成するために使用されている。このコア23の内部を通る磁束は電磁誘導の表皮効果のためコア23の表皮に集中する。よって、定着ローラ10の径が大きくコア23が厚い場合や、高周波電流の周波数が高い場合には、コア23の中央部は機能に寄与しないことがある。そこで、図26に示すコイル・アセンブリ12では、コア23iに通孔53を形成して、コア23iの中央部にエアギャップ54を形成してある。また、図27に示すコイル・アセンブリ12では、コア23jの両端部から止まり孔55を形成して、コア23jの中央部にエアギャップ54を形成してある。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の誘導加熱定着装置によれば、導電性部材で形成された定着部材の内部に記録媒体の搬送方向に直交する方向にニップ部に沿って配列され当該定着ローラに誘導電流を生じさせる複数個のコイルのうち少なくとも1つのコイルを、当該コイルに隣接する他のコイルが発生する磁束と逆方向の磁束を発生するように配置するという簡単な構造によって、「磁極に関するクーロンの法則」に従った新たな磁束の発生を得て、コイルの間を定着部材の新たな発熱箇所ないし領域とすることができ、ある程度のコイルギャップ部をコイル間に設けても、定着部材のニップ部に沿う温度分布を均一にでき、もって、定着部材のニップ部に沿って均一な定着性を実現することが可能となった。
【0055】
さらに、コイルを記録媒体の搬送方向に直交する方向にニップ部に沿って複数並列させる構成としているため、記録媒体の搬送方向に直交する方向に長い1つのコイルを用いる場合に比べ、コイルの製造が容易になる。また、コイルやコアの長さを小さくすることによりコイルギャップ部の幅が大きくなっても、ニップ部に沿う定着部材表面の温度分布を均一にすることができるので、誘導加熱の効率向上と、コストの低減との両立を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した誘導加熱定着装置を示す断面図である。
【図2】 図1に示される定着ローラを示す斜視図である。
【図3】 定着ローラ内のコイルとコアを示す透視図である。
【図4】 ホルダユニットの内部構造を示す分解斜視図である。
【図5】 コイル・アセンブリを示す斜視図である。
【図6】 本発明を適用した誘導加熱定着装置における定着ローラ10の加熱原理を説明する説明図である。
【図7】 誘導加熱コイル22へ高周波電流を流し定着ローラ10の温度を制御する回路のブロック図である。
【図8】 インバータ回路を示すブロック図である。
【図9】 図9(A)は、図8に示される電圧検出回路で検出される電圧の波形図、同図(B)は、図8に示される電流検出回路で検出される電流の波形図、同図(C)は、図8に示されるスイッチング素子のオン/オフ信号の波形図である。
【図10】 比較例におけるコイルの配置状態を示す透視図である。
【図11】 図11(A)(B)は、図10に示される比較例における磁束の発生および定着ローラの発熱箇所の説明に供する説明図であり、それぞれ図10の平面図および側面図に相当する図である。
【図12】 図10に示される比較例において、エアギャップ部で発生する磁束を示す拡大図である。
【図13】 本発明の一実施例におけるコイルの配置状態を示す透視図である。
【図14】 図14(A)(B)は、図実施例における磁束の発生および定着ローラの発熱箇所の説明に供する説明図であり、それぞれ図13の平面図および側面図に相当する図である。
【図15】 図13に示される同実施例において、エアギャップ部で発生する磁束を示す拡大図である。
【図16】 定着ローラの回転軸方向の磁束密度を測定した結果を示すグラフである。
【図17】 定着ローラの回転軸方向の定着剥離強度を測定した結果を示すグラフである。
【図18】 コイル・アセンブリのコイルの断面形状を改変した実施例に係る要部断面図である。
【図19】 コイル・アセンブリのコイルの断面形状を改変した他の実施例に係る要部断面図である。
【図20】 図20(A)(B)は、コイル・アセンブリをコアレス構造に改変した実施例に係る斜視図である。
【図21】 コイル・アセンブリのコアの断面形状を改変した実施例に係る要部断面図である。
【図22】 コイル・アセンブリのコアの断面形状を改変した他の実施例に係る要部断面図である。
【図23】 コイル・アセンブリのコアの断面形状を改変したさらに他の実施例に係る要部断面図である。
【図24】 コイル・アセンブリのコアの断面形状を改変したさらに他の実施例に係る要部断面図である。
【図25】 コイル・アセンブリのコアの断面形状を改変したさらに他の実施例に係る要部断面図である。
【図26】 コイル・アセンブリのコアの断面形状を改変したさらに他の実施例に係る要部断面図である。
【図27】 コイル・アセンブリのコアの断面形状を改変したさらに他の実施例に係る要部断面図である。
【符号の説明】
10…定着ローラ(定着部材)
11…加圧ローラ
12…コイル・アセンブリ
14…シート(記録媒体)
22…コイル
23…コア
Claims (1)
- 搬送される記録媒体の上に形成されたトナー像を前記記録媒体へ定着する定着装置であって、
前記記録媒体に接触するニップ部を有し、導電性部材で形成された定着部材と、
当該定着部材の内部に、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向に前記ニップ部に沿って配列され当該定着部材に誘導電流を生じさせる複数個のコイル・アセンブリと、
を有し、
前記複数個のコイル・アセンブリ各々が、ボビンと、その周りに巻かれたコイルとを備え、
前記複数個のコイル・アセンブリを、隣接するコイルが互いに逆方向の磁束を発生するように配置してなる誘導加熱定着装置。
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