JP3353562B2 - 誘導加熱定着装置 - Google Patents

誘導加熱定着装置

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JP3353562B2 JP23295795A JP23295795A JP3353562B2 JP 3353562 B2 JP3353562 B2 JP 3353562B2 JP 23295795 A JP23295795 A JP 23295795A JP 23295795 A JP23295795 A JP 23295795A JP 3353562 B2 JP3353562 B2 JP 3353562B2
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英二 岡林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真式の複写機、
プリンタおよびファクシミリなどに用いられる定着装置
に関し、さらに詳しくは、誘電加熱を利用してトナー像
を記録媒体に定着する誘導加熱定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真式の複写機などには、記録媒体
である記録紙ないし転写材などのシート上に転写された
トナー像をシートに定着させる定着装置が設けられてい
る。この定着装置は、例えば、シート上のトナーを熱溶
融させる定着ローラと、当該定着ローラに圧接してシー
トを挟持する加圧ローラとを有している。定着ローラは
円筒状に形成され、この定着ローラの中心軸上には、発
熱体が保持手段により保持されている。この発熱体は定
着ローラの中心軸に位置し、発熱体から発せられた熱は
定着ローラ内壁に均一に輻射され、定着ローラの外壁の
温度分布は円周方向において均一となる。定着ローラの
外壁は、その温度が定着に適した温度(例えば、150
〜200℃)になるまで加熱される。この状態で定着ロ
ーラと加圧ローラは摺接しながら互いに逆方向へ回転
し、トナーが付着したシートを挟持する。定着ローラと
加圧ローラとの摺接部(以下、ニップ部という)におい
て、シート上のトナーは定着ローラの熱により溶解し、
両ローラから作用する圧力によりシートに定着される。
トナーが定着した後、定着ローラおよび加圧ローラの回
転に伴い、シートは、排紙ローラによって搬送され、排
紙トレイ上に排出される。
【0003】このような定着装置において、発熱体とし
ては、一般的にハロゲンランプが用いられており、その
ため電源を投入した後、定着ローラの温度が定着に適し
た所定温度に達するまでには比較的長時間を要してい
た。その間、使用者は複写機を使用することができず、
長時間の待機を強いられるという問題があった。その一
方、待機時間の短縮を図ってユーザの操作性を向上すべ
く定着ローラの熱容量を増大させた場合には、定着装置
における消費電力が増大し、省エネルギー化に反すると
いう問題が生じていた。
【0004】このため、複写機などの商品の価値を高め
るためには、定着装置の省エネルギ化(低消費電力化)
と、ユーザの操作性向上(クイックプリント)との両立
を図ることが一層注目され重視されてきている。これに
伴い、従来から行われてきたトナーの定着温度、定着ロ
ーラの熱容量の低減だけでなく、電気−熱変換効率の向
上を図ることが必要となってきた。
【0005】かかる要請を満足する装置として、誘導加
熱方式の定着装置が提案されている。この誘導加熱は、
他の加熱方式と比較して次のような利点がある。まず第
1に、ハロゲンランプの近赤外加熱のような間接加熱よ
りも、速く昇温し、定着ローラ以外の部分の発熱や伝熱
が少ない。また、ハロゲンランプの光漏れに相当するロ
スがない。第2に、定着ローラ表面に固体抵抗発熱体を
持つ表面加熱よりも、電磁誘導特有の表皮効果があるた
めに発熱効率が良く、また摺動接点がないため定着装置
の信頼性も長期にわたって高い。第3に、フィルムベル
トと固体抵抗発熱体を持つ加熱よりも、接触抵抗による
熱伝達ロスが少なく、また発熱面の温度検出が容易であ
るので温度制御性が優れている。したがって、これらの
点から、定着装置の省エネルギー化(低消費電力化)
と、ユーザの操作性向上(クイックプリント)との両立
がなされるもの期待されている。
【0006】この誘導加熱を利用した定着装置として、
例えば特開昭59−33787号公報には、金属導体か
らなる定着ローラの内部に、螺旋状にコイルを巻装した
開磁路鉄芯が配置されている。そして、定着ローラの内
面に近接した前記コイルに高周波電流を流し、これによ
って生じた高周波磁界で定着ローラに誘導渦電流を発生
させ、定着ローラ自体の表皮抵抗によって定着ローラそ
のものをジュール発熱させるようになっている。
【0007】また、特開昭58−178385号公報に
は、2組のコイルを用いて用紙サイズによりこの2組の
コイルへの通電を切り換えて、すなわち、用紙サイズが
小さい場合には1つのコイルにのみ通電し、用紙サイズ
が大きい場合には、2つのコイル両方に通電すること
で、必要な加熱面積のみ誘導加熱することとし、これに
より、さらに省エネルギー化を計っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな誘導加熱定着装置においても問題点があり、その一
つに、誘導電流を発生させるためのコイルと共振用コン
デンサとによる発振が可聴周波数帯域(約15Hz〜2
0kHz)で発生した場合に定着装置自体の騒音問題と
なる。
【0009】このコイルと共振用コンデンサによる発振
周波数fは、概略下記(1)式によって算出される(な
お詳細については後に説明する)。 f=1/(Ip×L/VI +1.5π√(LC)) …(1) ただし、式中、Ipはコイル電流ピーク値、Lはコイル
のインダクタンス、VIはコイルに印加される電圧、C
は共振用コンデンサの容量である。
【0010】この(1)式から分かるように、発振周波
数は、コイルのインダクタンスによって変化することが
分かる。
【0011】したがって、コイルのインダクタンスを下
げることで、発振周波数を可聴周波数帯域外にずらすこ
とができるが、前述の特開昭59−33787号公報の
ように1つのコイルで誘導電流を発生される場合には、
コイルのインダクタンスを減らすためにコイルの長さを
短くすると、誘導加熱に必要なアンペアターンが得られ
ず、定着ローラ(被発熱体)とのギャップが大きくなり
発熱効率が悪化してしまう。そこで、コアの太さを太く
してギャップを小さくしたり、またコイルの太さを太く
してもよいが、その場合には、コアの大型化や太いコイ
ルを巻くための作業効率の低下などのために、コストア
ップが避けられず経済的に好ましくない。
【0012】また、特開昭58−178385号公報の
ように、複数のコイルを用いた場合であっても、一つひ
とつのコイルのインダクタンスは小さくなるが、これを
直列に繋いだ場合には、1つのコイルを用いた場合と同
様にインダクタンスが高くなってしまい上記同様の問題
が生じ、また、複数のコイルを別々に制御する場合に
は、そのための制御回路が複数必要となってコストアッ
プになるといった問題がある。
【0013】そこで本発明は、必要なアンペアターンを
確保して加熱効率を低下させることなく、コイルの全イ
ンダクタンスを下げて可聴周波数帯域での発振を防止し
た誘導加熱定着装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、記録媒体上に形成されたトナー像を前記記
録媒体へ定着する定着装置であって、導電性部材で形成
された回転可能な被加熱体と、該被加熱体に誘導電流を
生じさせて発熱させるための、複数のコアのそれぞれに
前記被加熱体の回転軸に沿った方向に巻回され互いに
並列接続された少なくとも2個以上のコイルと、を有す
ることを特徴とする誘導加熱定着装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】上述のように構成された本発明の
実施の形態は、被加熱体として、例えば導電性の定着ロ
ーラを用いて、この定着ローラを誘導加熱するためのコ
イルを少なくとも2個以上の複数個並列に接続し、この
並列接続された複数のコイルを定着ローラ内部に装着し
たものである。
【0016】具体的は、例えば、図1に示すように、導
電性の定着ローラ5の内部に、角柱形の複数のコア2
a、2b…のそれぞれのコアにコイル301a、301
b…および302a、302b…をコア2の長手方向に
巻装して、コイル301a、301b…および302
a、302b…をそれぞれ直列に接続して直列に接続さ
れたコイル301a、301b…と、302a、302
b…とを並列に接続したものなどである。なお、図にお
いて、各コイル接続した配線50は高周波電源および共
振用コンデンサに接続されている。
【0017】さらに、用いるコイルの数を変えた定着装
置の実施形態を回路図により示すと、例えば図2aに示
すように、2つのコイル301および302を並列に接
続したもの、図2bに示すように、コイル301aと3
01b、およびコイル302aと302bがそれぞれ直
列に接続され、これを2列並列に接続したもの、図2
に示すように、4つのコイル301、302、303お
よび304を並列に接続したもの、また、図3aに示す
ように、コイル301a、301b、301c、および
コイル302a、302b、302cがそれぞれ直列に
接続され、これを2列並列に接続したもの、図3bに示
すように、コイル301aと301b、コイル302a
と302b、およびコイル303aと303bがそれぞ
れ直列に接続され、これを3列並列に接続したもの、
cに示すように、6つのコイル301、302、30
3、304、305および306を並列に接続したも
の、など各種の形態が考えられる。なお、各図において
符号24は共振用コンデンサであり、符号100は高周
波電源である。
【0018】また、ここでは、被加熱体として定着ロー
ラ用いて、これを直接誘導加熱することとしたが、その
他に金属板などを被加熱体として、これを誘導加熱し、
耐熱樹脂製の定着ローラの内部に設けたり、さらに、定
着ローラを用いる代わりに、記録媒体に従動するフィル
ムを介して被加熱体となる金属板などを設けたようなも
のであってもよい。
【0019】以下、このように並列接続することによる
発振周波数の変化について詳細に説明する。
【0020】まず、定着ローラを誘導加熱するための高
周波電源をオンにすると、コイルと共振用コンデンサと
によって発振が生じる。これを図4に示した電圧電流チ
ャートを参照すると、電源電圧VG(図4(A))がオ
ンとなると、コイルに電流が流れその電流値ID(図4
(B))が上昇する。そして、電流値IDがピーク値I
pに達したら電源をオフする。すると、コイルに蓄えら
れたエネルギーが共振用コンデンサに充電されコンデン
サの電圧VD(図4(C))が上昇し、コイルのエネル
ギーが全てコンデンサに充電されると、今度はコンデン
サから放電されることとなる。
【0021】したがって、発振の周期は、コイルにエネ
ルギーが蓄えられてコイルに流れる電流がピーク値Ip
に達するまでの時間Taと、コンデンサの充放電時間T
bとを足した時間と言うこととなる。
【0022】そこで、発振周波数を求めるには、まず、
コイルにエネルギーが蓄えられてピーク電流Ipに達す
るまでの時間Taを求める。コイルに印加される電圧V
Iとコイルのインダクタンスの関係は、 VI=L・di/dt によって表される。 よって、電流と時間の関係は、 di/dt=VI/L となる。
【0023】したがって、電流値がIpに達するまでの
時間Taは、 Ta=Ip・L/VIとなる。
【0024】次に、コンデンサの充放電時間Tbを求め
る。これには、充電と放電を分けて、充電される時間を
Tb′、放電される時間をTb″とする。このうちT
b″はコイルとコンデンサによる共振周期によって決定
される。共振周期T0は、共振周波数f0を求める式 f0=1/(2π√(LC))から、 T0=2π√(LC)となる。 したがってTb″は、 Tb″=π√(LC) となる。 ここで、TbはTb″の約1.5倍であるので、Tbを
近似すると、 Tb=Tb′+Tb″≒1.5Tb″となる。
【0025】したがって、発振周波数fは、 f=1/(Ta+Tb)=1/(Ip・L/VI +
1.5π√(LC))…(1) となる。
【0026】この(1)式により、発振周波数の一例と
して図2bおよび図2cに示したようにコイルを並列接
続した場合の発振周波数を求める。また、比較のため
に、図5aに示すように、従来1つのコイル300で必
要なアンペアターンを得ている場合を、図5bに示すよ
うに、4分割したコイル300a、300b、300c
および300dを直列に接続したものとしてその発振周
波数を求める。
【0027】ここで、発振周波数を求めるにあたり、コ
イルに印加する電圧VIを100V、ピーク電流値Ip
を7A、共振用コンデンサの容量Cを0.033μFと
し、一つのコイルのインダクタンスLを400μHとす
る。
【0028】したがって、図5bに示した4つのコイル
を直列に接続されたものでは、全てのコイルのインダク
タンスが400×4=1600μHとなり、同様に4つ
のコイルによって構成した本発明の実施の形態である
bに示したものの場合400×2×1/2=400μ
Hとなり、また図2cに示したものでは400×1/4
=100μHとなる。
【0029】そして、(1)式に従って算出した発振周
波数fは、図5bに示した従来のものの場合には、6.
8kHzとなり可聴帯域で発振していることが分かる。
これに対し、本発明の実施の形態である、図2bのもの
では22.2kHzとなり、同様に図2cのものでは4
1.4kHzとなり、いずれも可聴周波数帯域外とな
る。その他、本発明を適用したものにあっては、同じア
ンペアターンとなるようなコイルを用いた場合に、並列
接続することによりコイルのインダクタンスが下がるの
で、いずれも直列接続の場合より、発振周波数が高くな
って可聴帯域外となる。なお、本発明の実施の際には、
共振用コンデンサの容量や必要なアンペアターンによっ
て、既に説明したように並列接続するコイルの数や接続
の形態などを適宜組み合わせて、最適な発振周波数とな
るようにするとよく、好ましくは、20kHz〜40k
Hzとなるようにするとよい。
【0030】
【実施例】以下、本発明を適用した誘導加熱定着装置の
一実施例を図面に基づいて説明する。なお、同一機能を
有する部材については既に説明した各図と同一の符号を
付した。
【0031】図6は本発明を適用した誘導加熱定着装置
の概略断面図であり、図7はこの装置に用いられている
定着ローラと加圧ローラを示す概略斜視図であり、図8
は、この装置で用いられている定着ローラの透視図であ
る。
【0032】図6に示すように、プリンタなどに組み込
まれた誘導加熱定着装置は、矢印a方向に回転駆動可能
に設けられた定着ローラ5と、当該定着ローラ5に圧接
して設けられ定着ローラ5の回転に伴って従動回転する
加圧ローラ6とを有する。定着ローラ5は、導電体の円
筒形中空パイプであり、その内部には、図8に示すよう
に、当該定着ローラ5に誘導電流を発生させるためのコ
イルアセンブリ31の各コイル301、302、303
および304が並列に接続されて4個配設されている。
そして、このコイルアセンブリ31は、該定着ローラ5
との間に、該定着ローラ5が回転自在となるように僅か
なギャップを隔てて固定されているホルダユニット30
に収納されている。
【0033】コイルアセンブリ31は、図9に示すよう
に、コア2と、ロの字型の通孔1aを有し、該コア2を
この通孔1aに挿入して該コアを取り囲むようにボビン
1が設けられ、このボビン1の周りに銅線を巻いてコイ
ル3(このコイル3は前記コイル301〜304のいず
れか一つ、またはこれらを総称して表すものである、以
下同じ)を形成してある。
【0034】このコイル3は表面に融着層と絶縁層を持
つ直径0.8mmの単一またはリッツ銅線を用いて、ボ
ビン1の回りに定着ローラ1の回転軸に沿った方向に巻
回されている。
【0035】コア2は、例えば、フェライトコアまたは
積層コアからなり、ボビン1は、例えば、セラミックや
耐熱絶縁性エンジニアリング・プラスチックで形成さ
れ、コイル3を押えてその形状を整える役割を果たす。
【0036】このコイルアセンブリ31が収納されるホ
ルダユニット30は、図10に示すように、ホルダステ
ー4aと、このホルダステー4aに装着されるホルダカ
バー4bとによってホルダーを構成し、それぞれ耐熱絶
縁性エンジニアリング・プラスチックから形成されてい
る。ホルダステー4aおよびホルダカバー4bの内面に
は、コイルアセンブリ31を保持するための凹部41が
形成され、両端部には装置本体の定着ユニットフレーム
にこのホルダユニット30を固定するための嵌合部42
が設けられている。このホルダユニット30は、ホルダ
ステー4aに設けられた凹部41に並列に接続されたコ
イル301、302、303および304を巻いたボビ
ン1を挿入し、ボビン1の通孔1aにコア2を挿入し、
コイル301、302、303および304の外周面に
絶縁フィルム45を配置し、ホルダカバー4bをホルダ
ステー4aに装着して組み立てられる。このホルダーユ
ニット30は、耐熱絶縁性の材料、例えばPPSや液晶
ポリマーなどで形成されている。
【0037】定着ローラ5は、炭素鋼管、ステンレス合
金管あるいはアルミニウム合金管などの導電性部材から
形成され、その外周面にフッ素樹脂をコーティングし
て、表面に耐熱離型性層が形成されている。定着ローラ
5は、導電性磁性部材から形成することがさらに好まし
い。加圧ローラ6は、軸芯61の周囲に、表面離型性耐
熱ゴム層であるシリコンゴム層62が形成されている。
【0038】なお、定着ローラ5は、その両端にスベリ
軸受部51が形成され、定着ユニットフレームに回転自
在に取り付けられている。さらに、定着ローラ5は、そ
の片端に図示しない駆動ギアが固定され、この駆動ギア
に接続されたモータなどの図示しない駆動源によって回
転駆動される。ホルダー4は、定着ローラ5の内周面と
の間に所定寸法の最小限ギャップを保って、定着ローラ
5の内部に収納され、定着ユニットフレームに固定され
て非回転となっている。スベリ軸受51や分離爪7は、
耐熱摺動性エンジニアリング・プラスチックなどから形
成されている。
【0039】さらに、定着ローラ5の上方には、当該定
着ローラ5の温度を検出する温度センサ、例えばサーミ
スタ8が設けられている。このサーミスタ8は、定着ロ
ーラ5を隔ててコイル3の側面に向かい合うように、定
着ローラ5の表面に圧接している。サーミスタ8は、例
えばサーミスタより構成される。このサーミスタ8で定
着ローラ5の温度を検出しつつ、定着ローラ5の温度が
最適温度となるように、コイル3への通電が制御され
る。また、温度の異常上昇時の安全機構として、サーミ
スタ8のほかに、異常な高温を検知した場合にコイル3
への通電を切断するサーモスタット9が設けられてい
る。
【0040】次にこの定着装置の制御系について説明す
る。図11はこの定着装置の制御系のブロック図であ
る。
【0041】高周波電流は、商用電源10の交流を整流
回路11によって整流し、自励式インバータ回路12で
高周波に変換し発生させる。誘導加熱コイル3への電流
は、定着ローラ5の表面に圧接されたサーモスタット9
を介して供給され、定着ローラ5の表面温度が予め設定
されている異常温度に達すると、サーモスタット9によ
って電流路が切断されるようになっている。
【0042】制御回路13は、マイクロプロセッサやメ
モリなどから構成され、サーミスタ8の電位に基づいて
定着ローラ5の温度を監視しながら、インバータ回路1
2内のドライブ回路20へオン/オフ信号を出力し、温
度制御を行う。
【0043】インバータ回路12は、整流回路11から
の直流電流を高周波電流に周波数変換して、コイル3に
供給する。
【0044】インバータ回路12は、制御回路13から
発せられる制御信号(加熱信号)がオンになると、まず
ドライブ回路20が、例えばトランジスタ、FETある
いはIGBTなどからなるスイッチング素子21をオン
し、これによって、誘導加熱コイル3に電流が流れる。
一方、電流検出回路22は所定の電流値Ipに達したこ
とを検出するとスイッチング素子21をオフするように
ドライブ回路20に信号を送る。電流検出回路22で検
出されるコイル3に流れるドレイン電流IDの波形は
(B)に示したとおりである。スイッチング素子21
がオフされると、誘導加熱コイル3と共振用コンデンサ
24との間で共振電流が流れる。そして、電圧検出回路
23は、共振によりスイッチング素子21の誘導加熱コ
イル3側のドレイン電圧VDが0V付近まで下降したこ
とを検出すると、スイッチング素子21を再びオンする
ようにドライブ回路20に信号を送る。以下、このスイ
ッチングサイクルを繰り返すことによって高周波の電流
を誘導加熱コイル3へ流す。電圧検出回路23で検出さ
れる電圧VDの波形は図4(C)に、また、スイッチン
グ素子21のオン/オフ信号VG(例えば、FETなら
ばゲートのオン/オフ信号)は図4(A)に示したとお
りである。
【0045】これによりコイル3に高周波(数kHz〜
数十kHz)の電流が流されると、後述する原理に従っ
て、定着ローラ5が発熱しシート(記録媒体)14にト
ナー像の定着が行われる。
【0046】このように構成された誘導加熱定着装置は
以下のように動作する。まず、未定着のトナー像が転写
されているシート14は、図6中左方向から搬送され、
定着ローラ5と加圧ローラ6との間のニップ部に向けて
送り込まれる。シート14は、後述する原理により熱せ
られた定着ローラ5の熱と、両ローラ5、6から作用す
る圧力とが加えられながら、ニップ部を搬送される。こ
れにより、未定着トナーが定着されて、シート14上に
は定着トナー像が形成される。ニップ部を通過したシー
ト14は、定着ローラ5から自然に分離し、あるいは
に示すように、先端部が定着ローラ5の表面に摺接す
るように設けられた分離爪7ないし分離ガイドによって
定着ローラ5から強制的に分離され、図6中右方向に搬
送される。このシート14は、図示しない排紙ローラに
よって搬送されて、排紙トレイ上に排出される。
【0047】図12は、この誘導加熱定着装置における
定着ローラ5の加熱原理を説明する説明図である。コイ
ル3に高周波(数kHz〜数十kHz)の電流が流され
ると、「アンペアの右ネジの法則」に従って、図示する
ように、コア2から定着ローラ5の長手軸方向に対し直
交する磁束31aが発生する。この磁束31aもまた高
周波磁束である。
【0048】導電体の定着ローラ5に到達した磁束31
bは、定着ローラ5に沿って曲り、導電体の比透磁率に
依存した比率で定着ローラ5の円周面内を通る磁束31
cとなる。定着ローラ5の周面に集中した磁束31c
は、コイル3に対向する部分で密度が最大となる。
【0049】この構成にあっては、定着ローラ5のP,
R点で円周面内の磁束密度が極大になり、逆に、Q、S
点で極小になる。よって、誘導電流密度も同様の傾向に
なるので、定着ローラ5の発熱は、円周面内において均
一ではなく、2点鎖線で囲んだ部分32a、32bが局
所的に発熱する。この局所的に発熱する部分32a、3
2bは、図6において示せば、定着ローラ5の上部領域
と下部領域に相当する。したがって、ニップ部と一方の
発熱箇所(領域)とは、少なくとも一部で重複してい
る。また、他方の発熱箇所(領域)には、サーミスタ8
が接触するように配置される。なお、サーミスタ8の取
り付け箇所は、定着ローラ5の上部か下部のどちらかに
すれば良いが、図示する実施例では、上部の外側に取り
付けてある。また、サーミスタ8が小型であれば、定着
ローラ5上部の内側または下部の内側に取り付けても良
い。
【0050】そして、このように集中した磁束31cの
作用により、定着ローラ5には「レンツの法則」に従っ
て、前記磁束31cを妨げる前記磁束31cと逆方向の
磁束を生じるような渦状の誘導電流が壁面内部で発生す
る。この誘導電流は、定着ローラ5の表皮抵抗によりジ
ュール熱に変換されるので、定着ローラ5が発熱して、
前述のように、シート14にトナー像の定着が行われ
る。このとき、コイル3と共振用コンデンサ24とによ
って発生する発振周波数は、本発明を適用したことによ
り、可聴周波数帯域外のものとなる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数のコイルを並列接続することにより発振周波数を高く
して可聴周波数帯域から外し、最適な周波数を選択し
て、騒音防止を行うことができる。したがって、コアの
大型化やコイルの太さを太くするなどコストアップにつ
ながるような対策を施すことなく、容易に騒音防止を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の誘導加熱定着装置の実施の形態を説
明するための斜視図である。
【図2】 本発明の誘導加熱定着装置の実施の形態を説
明するための回路図である。
【図3】 本発明の誘導加熱定着装置の実施の形態を説
明するための回路図である。
【図4】 定着ローラの加熱の際の電流電圧波形を示す
図面である。
【図5】 従来のコイルの接続を示す回路図である。
【図6】 本発明を適用した一実施例の誘導加熱定着装
置を示す断面図である。
【図7】 図6に示される定着ローラと加圧ローラを示
す斜視図である。
【図8】 図6に示される定着ローラを説明するための
透視図である
【図9】 図6に示されるコイルアセンブリを説明する
ための斜視図である。
【図10】 図6に示されるホルダユニットを説明する
ための分解斜視図である。
【図11】 本発明を適用した一実施例の誘導加熱定着
装置の制御系を説明するためのブロック図である。
【図12】 定着ローラの加熱原理を説明するための図
面である。
【符号の説明】
1…ボビン、2,2a,2b…コア、3,301〜30
6,301a,301b,301c,302a,302
b,302c,303a,303b…コイル4…ホルダ
ー、5…定着ローラ、6…加圧ローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−114276(JP,A) 特開 平1−265486(JP,A) 特開 平8−16006(JP,A) 特開 昭58−178385(JP,A) 特開 昭63−24584(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20 H05B 6/00 - 6/44

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体上に形成されたトナー像を前記
    記録媒体へ定着する定着装置であって、 導電性部材で形成された回転可能な被加熱体と、 該被加熱体に誘導電流を生じさせて発熱させるための、
    複数のコアのそれぞれに前記被加熱体の回転軸に沿った
    方向に巻回され互いに並列接続された少なくとも2個
    以上のコイルと、 を有することを特徴とする誘導加熱定着装置。
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