JP2002169410A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着装置および画像形成装置

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JP2002169410A
JP2002169410A JP2000367253A JP2000367253A JP2002169410A JP 2002169410 A JP2002169410 A JP 2002169410A JP 2000367253 A JP2000367253 A JP 2000367253A JP 2000367253 A JP2000367253 A JP 2000367253A JP 2002169410 A JP2002169410 A JP 2002169410A
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JP
Japan
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fixing
film
temperature
fixing device
control
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Masahiro Suzuki
雅博 鈴木
Akihiko Takeuchi
竹内  昭彦
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着速度が変わっても定着フィルムの温度を
目標温度に安定して保つことができ、定着画像のグロス
むらや定着不良、OHPフィルム上定着画像の透過むら
を防止可能とすることである。 【解決手段】 定着装置の定着フィルムは導電層(発熱
層)を有し、フィルム内側のガイド部材内に配置した磁
場発生手段へ電力を供給して、電磁誘導方式で導電層を
発熱させ、その電力供給をPID制御する。定着速度が
遅い場合、供給電力変化に対するフィルム温度変化が大
きく、比例ゲインKが大きいと、PID制御によるスイ
ッチング素子操作量の計算結果が振動しやすくなって、
フィルム温度のオーバーシュート等で、なかなか目標温
度に収束せず、逆に定着速度が速い場合、比例ゲインK
が小さいと、外乱によるフィルム温度変化に追随できな
い。これをなくすために、比例ゲインKを定着速度(定
着フィルムの回転速度)が遅いほど小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録、磁気記録等の適宜の画像形成プロセス手段により記
録材上に形成したトナー像を定着する定着装置、および
その定着装置を搭載した複写機、プリンタ、ファクシミ
リ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置では、電子写真方式等の適
宜の画像形成プロセス手段により記録材上にトナー像を
間接もしくは直接方式で形成し、ついでそのトナー像を
記録材に定着することを行っており、従来、この定着に
熱ローラ方式の定着装置が広く用いられていた。
【0003】熱ローラ方式の定着装置は、ローラの一方
または他方に熱源、たとえばハロゲンヒータを内包し、
そのローラ同士を当接して回転することで、ローラの当
接ニップ部(定着ニップ部)に挟持させた記録材を搬送
しながら、記録材上のトナー像に熱と圧力をかけて定着
するものである。
【0004】熱ローラ方式における温度制御は、ローラ
表面にサーミスタ等の温度検知素子を当接または近接さ
せ、温度検知素子による検知温度に応じてハロゲンヒー
タをオン・オフさせることで、ローラ温度を目標温度に
制御する方式がとられている。
【0005】近年、クイックスタートや省エネルギーの
観点から、フィルム加熱方式の定着装置が実用化されて
いる。このフィルム加熱方式の定着装置は、セラミック
ヒータ等を熱源として、小容量のフィルム(定着フィル
ム)を加熱するタイプが広く実施されている。さらに高
効率な装置として、金属製のフィルム自身を発熱させる
電磁誘導加熱方式の定着装置が提案されている。
【0006】たとえば実開昭51−109739号公報
には、電磁誘導加熱方式の定着装置として、交番磁場に
より定着フィルムの金属層に渦電流を誘導して、金属層
をジュール熱で発熱させる定着装置が開示されている。
これは、渦電流の発生を利用して直接フィルムを発熱さ
せているので、ハロゲンヒータを熱源とする熱ローラ方
式の定着装置よりも入力電力を有効に利用でき、低消費
電力でウォームアップタイムの短縮が可能となる。
【0007】フィルム加熱方式における温度制御方法
は、熱源のセラミックヒータ、もしくはフィルムが自己
発熱する場合はフィルムに、温度検知素子を当接または
近接させて、温度検知素子による検知温度に応じて、熱
源に供給する電力を所定の制御則から算出される値で制
御することにより、フィルム温度を目標温度に制御する
方式がとられている。
【0008】この制御則として、PI制御、PD制御を
含むPID制御(Proportional(比例)、Integral
(積分)、Derivative(微分))が一般に用いられて
いる。このPID制御は、検知温度と目標温度との偏差
の増減の動向に基づいて、電力制御手段の操作量を偏差
に比例させるだけでなく、偏差の積分に比例する要素、
偏差の微分に比例する要素を加味して制御するものであ
る。温度検知素子からの温度情報は、ある周期(サンプ
リング周期)でサンプリングされ、制御則に取り込まれ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、定着画像の
グロス(光沢度)を上げたり、OHP(Over HeadP
rojector)フィルム上の定着画像の透過性を向上させる
ためには、一般に定着速度を通常時よりも減速させて定
着する。また厚紙のような定着に多くの熱量を必要とす
る記録材を使用する場合にも、定着速度を通常時よりも
減速して定着する。このように定着処理の対象に応じて
定着速度を変える必要がある。
【0010】しかしながら、PID制御による温度制御
では、定着速度が変わると制御が不安定になる欠点があ
った。
【0011】すなわち、加熱部材である定着フィルム
は、発熱域において熱量を供給され温度上昇する。しか
し定着速度が変わると、それに応じてフィルムが発熱域
を通過するのに要する時間も変わるので、発熱域で供給
される熱量も変わってくる。たとえば定着速度を1/2
とすれば、フィルムのある部分が発熱域で供給される熱
量は2倍になる。このため定着速度が遅くなると、同一
電力投入量でもフィルム温度の昇温速度が速くなる。
【0012】さらに、PID制御の計算結果である電力
調整の実行から、その制御結果であるフィルム温度変化
を温度検知素子が検知するまでに、ある程度の時間を要
する。この時間を考慮して温度検知素子からの検知温度
情報のサンプリングタイムを決定するが、定着速度が変
わるとこのタイミングがずれてしまい、正確に制御結果
をフィードバックできなくなる。
【0013】以上のように、定着速度が変わると、加熱
部材であるフィルムの昇温速度やサンプリングタイムが
変わるため、供給電力量のPID制御が最適に行われ
ず、制御が振動し、フィルムの温度が目標温度に対し上
下に振動してしまう問題があった。
【0014】その結果、このフィルム温度の振動によ
り、記録材の面内での画像の均一なグロスやOHPフィ
ルム上での画像の均一な透過性が得られないといった問
題が引き起こされる。さらフィルム温度が目標温度を含
む定着可能温度領域から外れると、ホットオフセットや
コールドオフセットといった定着不良が発生する問題が
あった。
【0015】従って、本発明の目的は、定着速度が変わ
っても定着フィルムの温度を目標温度に安定して保つこ
とができ、定着画像のグロスむらや定着不良、OHPフ
ィルム上定着画像の透過むらを防止することを可能とし
た定着装置、およびその定着装置を搭載した画像形成装
置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
定着装置および画像形成装置にて達成される。要約すれ
ば、本発明は、互いに圧接してトナー像を担持した記録
材を加熱定着するニップ部を形成した回転する加熱部材
および加圧部材と、前記加熱部材を昇温する発熱手段
と、前記加熱部材の温度を検知する温度検知手段と、前
記発熱手段への供給電力量を調整する電力制御手段と、
前記温度検知手段からの温度検知情報に基づいて前記電
力制御手段の操作量を決定する操作量決定手段とを有
し、前記加熱部材が複数の回転速度を有する定着装置に
おいて、前記操作量決定手段による前記電力制御手段の
操作量の決定方式を前記加熱部材の回転速度に応じて変
更することを特徴とする定着装置である。
【0017】また本発明は、記録材上にトナー像を形成
する画像形成手段と、前記形成されたトナー像を担持し
た記録材を加熱定着する定着装置とを備えた画像形成装
置において、前記定着装置が上記の定着装置であること
を特徴とする画像形成装置である。
【0018】本発明によれば、前記操作量決定手段は前
記電力制御手段の操作量を、前記温度検知手段からの温
度検知情報に基づき制御則にしたがって算出する。前記
制御則が、偏差の比例要素に加え、偏差の積分要素およ
び微分要素の少なくとも一方の要素を含むPID制御で
ある。前記PID制御における制御則の定数のうち、比
例要素の比例ゲインK、積分要素の積分時間TIおよび
微分要素の微分時間TDの少なくとも一つを、前記加熱
部材の回転速度に応じて変更する。前記制御則における
前記温度検知手段からの温度検知情報のサンプリング時
間を、前記加熱部材の回転速度に応じて変更する。前記
加熱部材の複数の回転速度のうちのいずれか2つにおい
て、回転速度が遅い方で前記比例ゲインKの値を小さく
設定する。前記加熱部材の複数の回転速度のうちのいず
れか2つにおいて、回転速度が遅い方で前記サンプリン
グ時間の値を大きく設定する。前記PID制御の制御則
において、制御開始時の前記電力制御手段の操作量の初
期値を0より大きい値とする。前記PID制御の制御則
において、前記比例ゲインの値を、電力供給開始から前
記加熱部材の温度が目標温度に到達するまでの間だけ、
目標温度到達後以降よりも大きく設定する。
【0019】前記加熱部材が導電層を有する円筒状フィ
ルムからなり、前記発熱手段が励磁コイルを含む磁場発
生手段からなり、前記電力制御手段が、前記励磁コイル
の両端子間の電圧もしくは前記励磁コイルに流れる電流
を振動させるスイッチング回路からなり、前記導電層に
前記磁場発生手段からの交番磁場を作用させて渦電流を
発生させることにより、前記円筒状フィルムを発熱させ
るようになっており、前記スイッチング回路は、前記励
磁コイルの両端子間の電圧もしくは前記励磁コイルに流
れる電流を強制振動させるオン時間と自由振動させるオ
フ時間とを連続して生成し、前記スイッチング回路のオ
ン時間もしくはオフ時間を変更することにより前記発熱
手段へ供給する電力量を調整する。前記オフ時間を固定
し、前記オン時間を変更することにより、前記発熱手段
へ供給する電力量を調整する。前記加圧部材が弾性ロー
ラからなり、前記弾性ローラの回転に従動して前記円筒
状フィルムが回転する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る定着装置およ
び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0021】実施例1 図1は、本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略構
成図であり、本画像形成装置は、電子写真方式のカラー
レーザビームプリンタに構成されている。
【0022】本発明の大きな特徴は、画像形成装置に搭
載したフィルム加熱方式の定着装置100の加熱部材の
温度を、定着速度が変わっても目標温度に安定に制御す
ることにより、定着画像のグロスむらや定着不良、OH
Pフィルム上定着画像の透過むらを防止したことにあ
る。まず、図1により、画像形成装置の概略構成につい
て説明する。
【0023】図1に示すように、画像形成装置は、像担
持体としてドラム型の電子写真感光体、すなわち感光ド
ラム101を有し、この感光ドラム101は、有機感光
体やアモルファスシリコン感光体で形成され、矢印で示
す反時計方向に所定の周速度(記録材の搬送速度と同速
度)で回転駆動される。感光ドラム101は、その回転
過程で、帯電ローラ等の帯電装置102により外周表面
が所定の極性・電位に一様に帯電処理される。
【0024】ついで、帯電処理された感光ドラム101
の表面にレーザスキャナ(レーザ光学箱)110からの
レーザ光103が走査露光され、表面に目的の画像情報
に対応した静電潜像が形成される。レーザスキャナ11
0には、図示しない画像読み取り装置等の画像信号発生
装置から目的画像情報の時系列電気デジタル画像信号が
送信され、レーザースキャナ110は、レーザ光103
をその画像信号対応して変調(ON/OFF)して出力
し、偏向ミラー109で感光ドラム101方向に偏向し
て、レーザ光103で感光ドラム101の表面を走査露
光する。
【0025】フルカラー画像形成の場合は、目的のフル
カラー画像の第1の色分解成分画像、たとえばイエロー
成分画像についての走査露光、潜像形成がなされ、その
潜像が4色カラー現像装置104のイエロー現像104
Yにより現像され、イエロートナー像として可視化され
る。得られたイエロートナー像は、感光ドラム101と
中間転写ドラム105との接触部もしくは近接部である
一次転写部T1において、中間転写ドラム105の外周
表面に転写される(一次転写)。中間転写ドラム105
に対するトナー像転写後の感光ドラム101は、クリー
ナ107により表面の転写残りトナー等の付着残留物の
除去を受けて清掃されたのち、再度、画像形成に供され
る。
【0026】上記のような帯電、走査露光、現像、一次
転写および清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラ
ー画像の第2の色分解成分画像(たとえばマゼンタ成分
画像、マゼンタ現像器104Mで現像)、第3の色分解
成分画像(たとえばシアン成分画像、シアン現像器10
4Cで現像)、第4の色分解成分画像(たとえばブラッ
ク成分画像、ブラック現像器104Bkで現像)の各色
分解成分画像について順次実行され、中間転写ドラム1
05上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色
のトナー像を順次重畳したカラー画像が形成され、目的
のフルカラー画像に対応した合成カラー画像が得られ
る。
【0027】中間転写ドラム105は、金属ドラム上に
中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を設けてなっており、感
光ドラム101に接触しもしくは近接して、感光ドラム
101と同速度で矢印の時計方向に回転駆動される。感
光ドラム101上のトナー像は、中間転写ドラム105
の金属ドラムにバイアス電位を与えることにより、感光
ドラム101と中間転写ドラム105との電位差で、中
間転写ドラム105の表面に転写される。
【0028】中間転写ドラム105上に形成されたカラ
ー画像は、中間転写ドラム105と転写ローラ106と
の接触ニップ部である二次転写部T2において、紙等の
記録材Pの表面に転写される(二次転写)。記録材Pは
図示しない給紙部から所定のタイミングで二次転写部T
2に送り込まれ、転写ローラ106はこの記録材Pを挟
んで感光ドラム101の表面に当接し、転写ローラ10
6に印加されたトナーと逆極性の電荷を記録材Pの背面
から供給することで、中間転写ドラム105上のカラー
画像を構成する4色のトナー像が記録材Pの表面に一括
して転写されていく。
【0029】二次転写部T2を通過した記録材Pは、中
間転写ドラム105の表面から分離されて定着装置10
0へ導入され、そこで4色のトナー像が加熱定着処理を
受けて4色フルカラーの定着画像とされた後、画像形成
装置機外の図示しない排紙トレイに排出される。一方、
記録材Pに対するトナー像転写後の中間転写ドラム10
5は、クリーナ108により表面の転写残りトナー、紙
粉等の付着残留物の除去を受けて清掃される。
【0030】このクリーナ108は、通常時は中間転写
ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写
ドラム105上のカラー画像を記録材Pに転写する二次
転写実行過程で、中間転写ドラム105に接触状態に保
持される。また転写ローラ106も、通常時は中間転写
ドラム105に非接触状態に保持されており、二次転写
実行過程で中間転写ドラム105に記録材Pを介して接
触状態に保持される。
【0031】本実施例の画像形成装置は、記録材の搬送
速度、したがって定着速度として、通常使用する100
mm/秒と、それ以外の50mm/秒、25mm/秒の
合計3つの速度を有している。本実施例では、感光ドラ
ム101上のトナー像をまず中間転写ドラム105上に
一次転写するので、その一次転写工程終了までは、現像
装置104、転写装置(中間転写ドラム105、転写ロ
ーラ106)等の各要素は、搬送速度100mm/秒に
相当する周速度で回転駆動されるが、その後、記録材P
を給紙してから二次転写工程および定着工程終了まで、
所定の搬送速度および定着速度に切り替えられる。
【0032】定着装置100について、図2〜図5によ
り説明する。図2は定着装置の縦断面図、図3は図2の
I−I線に沿った断面を示す斜視図、図4は図2のA方
向から見た正面図、図5は図2のII−II線に沿った断面
図である。
【0033】本発明では、定着装置100は、円筒状の
定着フィルムを用いたフィルム加熱方式の装置とされ、
本実施例によれば、さらに定着フィルムに導電層を有す
る電磁誘導加熱方式とされている。
【0034】定着装置100は、図2に示すように、定
着フィルム10を有する定着部と加圧ローラ30からな
る加圧部とを備え、この定着フィルム10と加圧ローラ
30とが圧接して形成された定着ニップ部Nを、二次転
写部から送られてきた記録材Pを通過させて、記録材P
上のトナー像tを加熱定着する。
【0035】定着部には、断面略半円弧状の樋型の大小
のフィルムガイド部材16b、16aが設けられ、この
ガイド部材16a、16bは、開口側が互いに向かい合
ってほぼ円筒体形状をなし、ガイド部材16a、16b
のアセンブリ(円筒体)の外周面に、円筒状の定着フィ
ルム10が緩く外装されている。本実施例によれば、定
着フィルム10は、導電層を有する3層構造に形成され
ている。これについては後述する。
【0036】フィルムガイド部材16(16a、16
b)は、定着ニップ部への加圧の支持、磁場発生手段の
励磁コイル18等の支持、定着フィルム10の回転時の
搬送安定性を図る役目を有するもので、フィルムガイド
部材16のアセンブリの左右両端部には、図4、5に示
すように、フランジ部材23a、23bが外嵌され、こ
れにより、フランジ部材23(23a、23b)が、フ
ィルムガイド部材アセンブリの左右位置を固定しつつ、
アセンブリに回転自在に取り付けられている。フランジ
部材23は、定着フィルム10の回転時に定着フィルム
の端部を受けて、定着フィルムのフィルムガイド部材1
6の長手方向に沿った寄り移動を規制する。
【0037】フィルムガイド部材16は、磁束の通過を
妨げない絶縁性を有し、かつ高い荷重に耐えられる材料
で形成されている。たとえば、ポリイミド樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルケトン
樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリフェニレンサ
ルファイド樹脂、液晶ポリマーなどが使用できる。
【0038】その小さい方のフィルムガイド部材16a
の内側には、磁性コア17a、17b、17cがT字状
に配置され、磁性コア17a、17b、17cおよびフ
ィルムガイド部材16aに囲まれた空間に、上記の励磁
コイル18が保持されている。大きい方のフィルムガイ
ド部材16bの平面部内面には、断面コ字状で横長の加
圧剛性用ステイ22が当接され、フィルムガイド部材1
6bの平面部外面には、図2の紙面の垂直方向と同方向
の摺動部材40が設けられている。
【0039】励磁コイル18は、図3に示すように、給
電部18a、18bにより励磁回路27が接続され、こ
れら磁性コア17a〜17c、励磁コイル18および励
磁回路27により、磁場発生手段を構成している。励磁
回路27は、20kHzから500kHzの高周波をスイ
ッチング電源により発生可能である。励磁コイル18
は、励磁回路27から供給される交番電流(高周波電
流)によって交番磁束を発生する。
【0040】励磁コイル18は、1本ずつ絶縁被覆され
た細い導線を複数本束ねた束線を複数回巻いて形成して
おり、本例では10ターンの巻きとした。励磁コイル1
8の形状は、図2に示すように、定着フィルム10の曲
面に沿うように形成される。励磁コイル18と定着フィ
ルム10の導電層との間の距離は約2mmとした。
【0041】束線の細線の絶縁被覆に使用する絶縁材
は、定着フィルム10の発熱による熱伝導を考慮して、
耐熱性を有することが好ましく、たとえばアミドイミド
やポリイミドなどが好適である。線束の巻きは外部から
力を加えて密集度を高めてもよい。励磁コイル18から
引き出されている給電部18a、18bについても、こ
れを構成する束線の外側にも絶縁被覆を施している。
【0042】磁性コア17a〜17cは高透磁率の部材
からなり、フェライトやパーマライト等といったトラン
スのコアに用いられる材料が好ましく、100kHz以
上でも磁性の損失の少ないフェライトがより好ましく用
いられる。
【0043】磁性コア17a〜17cとステイ22との
間は、絶縁部材19で絶縁される。絶縁部材19として
は、優れた絶縁性の他に、高い耐熱性を併せ持つものが
好ましく、たとえばフェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリ
イミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、
ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、PFA樹脂、P
TFE樹脂、FEP樹脂、LCP樹脂などが使用でき
る。
【0044】磁性コア17a〜17cおよび励磁コイル
18と定着フィルム10との間の距離は、磁束の吸収の
観点からできるだけ近づけた方がよく、この距離が5m
m以下であれば、定着フィルム10が高効率に磁束を吸
収することができ、距離が5mmを超える場合は、磁束
の吸収効率が著しく低下する。ただし、距離は5mm以
下であればよく、特定の値である必要はない。
【0045】摺動部材40は、加圧ローラ30の加圧力
に対して定着フィルム10をその内周面側から支持する
部材であり、摺動部材40と加圧ローラ30とが定着フ
ィルム10を介して所定の加圧力により圧接される。こ
れにより、定着フィルム10は加圧ローラ30と摺動部
材40とに挟まれた状態となり、定着フィルム10と加
圧ローラ30との圧接部に、所定幅の定着ニップ部Nが
形成される。
【0046】摺動部材40の材料には、フッ素樹脂、ガ
ラス、窒化ホウ素、グラファイト等の潤滑性を有するも
のが挙げられる。潤滑性の他に、良好な熱伝導性を有す
る材料であるとさらによく、摺動部材40を良熱伝導性
材料製とすれば、長手方向の温度分布を均一にする効果
がある。たとえば小サイズ記録材を通紙した場合、定着
フィルム10での非通紙部の熱量が摺動部材40に伝熱
し、摺動部材における長手方向の熱伝導により、非通紙
部の熱量が小サイズ記録材通紙部へ伝熱される。これに
より、小サイズ記録材通紙時の消費電力を低減させる効
果も得られる。
【0047】このような良熱導電性材としては、鏡面研
磨したアルミニウムのような金属や、フッ素樹脂粒子、
窒化ホウ素樹脂もしくはグラファイト粒子等の潤滑剤を
分散させた金属などの複合材が挙げられる。また摺動部
材40は、上記の良熱伝導性材上に潤滑性材料をコート
したような2層構造の部材、たとえば窒化アルミニウム
板上にガラスをコートしたものでもよい。本実施例で
は、摺動部材40としてアルミナ板上にガラスをコート
した部材を使用した。
【0048】導電性を有する摺動部材40の場合、磁場
発生手段の励磁コイル18から発生する磁場の影響を受
けないように、この磁場の外に摺動部材40を配置する
ことが好ましい。具体的には、摺動部材40を励磁コイ
ル18に対して磁性コア17cを隔てた位置に配置し、
励磁コイル18による磁路の外側に配置させる。
【0049】定着ニップ部Nにおける摺動部材40と定
着フィルム10との摺動摩擦力をさらに低減させるため
に、摺動部材40と定着フィルム10との間に耐熱性グ
リース等の潤滑剤を介在させることもできる。潤滑剤の
塗布により、さらなる摺動抵抗の低減と装置の長寿命化
を図ることができる。
【0050】加圧部材としての加圧ローラ30は、芯金
30aと、その芯金周りに同心にローラ状に一体に成型
被覆された、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂
などの耐熱性弾性材層30bとで構成されている。この
加圧ローラ30は、芯金30aの両端部を定着装置10
0の図示しないシャーシの側板(板金)間に軸受けして
保持することにより、定着装置に回転自在に設置され
る。
【0051】図4に示すように、装置シャーシ側のバネ
受け部材29a、29bには、加圧用剛性ステイ22の
両端部との間に縮設した加圧バネ25a、25bが設け
られており、この加圧バネ25a、25bの伸張力によ
りステイ22が下方に押し下げられて、フィルムガイド
部材16bに設けられた摺動部材40の下面と加圧ロー
ラ30の上面とが定着フィルム10挟んで圧接して、前
記したように、所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
【0052】フルカラー画像形成装置では、定着装置の
定着ニップ部Nの幅は7.0mm以上あることが好まし
く、これにより、トナー乗り量の多いフルカラー画像の
定着性を十分に確保することができる。定着ニップNの
幅が7.0mmより狭いと、記録材Pとその上のトナー
に定着に十分な熱量を与えることができず、定着不良が
発生してしまう。
【0053】また定着ニップ部Nの面圧は0.8kgf
/cm2(7.84×104Pa)以上あることが好まし
く、この面圧によれば、記録材PとしてOHPフィルム
を用いた場合にも、フルカラーの定着画像の光透過性を
十分に確保することができる。面圧が0.8kgf/c
2よりも小さいと、定着画像の表面を十分に平滑にす
ることができず、乱反射光が多くなり、またOHPフィ
ルムでは定着画像の透過光量が少なくなくなってしま
う。
【0054】以上の観点から、本実施例では、定着装置
の加圧ローラ30と定着フィルム10とを21kgf
(205.8N)で圧接させ、定着ニップ部Nの幅を約
8.0mm、面圧を1.2kgf/cm2とした。定着
ニップ部Nの長手方向の長さは220mmである。
【0055】加圧ローラ30は、図2の駆動手段Mによ
り矢印aの反時計方向に回転駆動される。この加圧ロー
ラ30の回転により、加圧ローラ30の外面と定着フィ
ルム10の外面との摩擦力が発生し、定着フィルムに回
転力が作用する。そして、定着フィルム10は、その内
周面を摺動部材40の下面に密着させながら、加圧ロー
ラ30の周速度にほぼ対応した周速度で、図中矢印bの
時計方向にフィルムガイド部材16a、16bの外周を
回転する。つまり、定着フィルム10は、加圧ローラ3
0との表面の摩擦力により、加圧ローラ30の回転に従
って従動回転する。
【0056】フィルムガイド部材16aの周面と定着フ
ィルム10の内面との接触による摺動抵抗を低減させる
ために、フィルムガイド部材16aの周面には、図3に
示すように、複数の突状リブ16eが、ガイド部材の長
手方向に所定の間隔をおいて設けられている。これによ
り、定着フィルム10の回転負荷が少なくなる。このよ
うなリブはフィルムガイド部材16bの周面にも設ける
ことができる。
【0057】図6(a)は、磁場発生手段によって発生
される交番磁束の様子を模式的に示した図である。図6
(a)において、符号Cは発生した交番磁束で、図で
は、発生した交番磁束の一部を表している。この交番磁
束Cは、磁性コア17a、17b、17cに導かれて発
生し、磁性コア17aと17bの間、17aと17cの
間において、定着フィルム10の導電層10aに渦電流
を発生させ、この渦電流は、導電層10aの固有抵抗に
よって導電層にジュール熱(渦電流損)を発生させる。
【0058】導電層10aに発生する発熱量Qは、導電
層を通る磁束Cの密度によって決まり、図6(b)に示
すグラフのような分布を持つ。図6(b)の縦軸は、磁
性コア17aの中心を通る線に対する角度θで表した定
着フィルム10の周方向上の位置を示し、横軸は、その
位置での導電層10aの発熱量Qを示す。図6(b)の
グラフ中に示した発熱域Hは、最大発熱量をQとしたと
きに、Q/e以上の発熱量が得られる領域と定義する
(eは自然対数の底)。この発熱域Hは、定着プロセス
に必要な熱量が得られる領域である。
【0059】定着ニップ部Nの温度は、温度センサ26
を含む温調系により、所定の温度が維持されるように制
御される。温度センサ26は、定着フィルム10の温度
を検知するサーミスタなどの温度検知素子で、定着フィ
ルム10の適当な箇所、本例では、定着ニップ部N近傍
の定着フィルム10とフィルムガイド部材16bとの間
に設けられている。画像形成装置本体のCPU(図示せ
ず)は、温度センサ26で検知した定着フィルム10の
温度情報をもとに、励磁コイル18への電流供給を制御
して、定着ニップ部Nを所定温度に制御する。本実施例
では、CPUにより、この制御温度を記録材搬送速度に
対応して切り替え可能にしている。温度制御に関しては
後述する。
【0060】本実施例では、低軟化点物質を含有させた
トナーを使用しているので、定着装置100にオフセッ
ト防止のためのオイル塗布機構を設けていない。もちろ
ん、低軟化点物質を含有させていないトナーを使用する
場合には、オイル塗布機構を設けてもよく、また、低軟
化点物質を含有させたトナーを使用する場合にも、オイ
ル塗布機構を設けてもよい。さらに冷却分離を行っても
よい。
【0061】定着装置100には、暴走時の励磁コイル
18への給電を遮断するために、温度検知素子の一種で
あるサーモスイッチ50が設置され、このサーモスイッ
チ50は、定着フィルム10の外面に発熱域Hに対向し
て非接触に配置されている。サーモスイッチ50は、定
着フィルム10への接触をなくし、長期間の使用にも定
着フィルムの傷つきによる定着画像の劣化を防止するた
めに、定着フィルム10との間の距離を約2mmにとっ
た。なお、サーモスイッチ50の感熱部は定着フィルム
10に接触させてもよい。
【0062】本実施例では、定着ニップ部Nで発熱する
構成をとっていないので、温調制御の故障による定着装
置100の熱暴走時に、定着装置が記録材Pを定着ニッ
プ部Nに挟持した状態で停止したまま、励磁コイル18
への給電が遮断されずに定着フィルム10の発熱が続く
ような事態が生じても、記録材Pが直接加熱されること
がない。
【0063】熱暴走防止回路は、図7に示すように、サ
ーモスイッチ50を組み込んで構成され、サーモスイッ
チ50は、DC電源+24Vにリレースイッチ70を介
して直列に接続されている。本実施例では、サーモスイ
ッチ50の接点のオープン動作温度を220℃に設定し
た。したがって、サーモスイッチ50は、220℃以上
の温度を感知すると接点が切れ、リレースイッチ70が
給電を遮断されて動作し、励磁回路27への給電の遮断
により励磁コイル18への給電を遮断する。これによ
り、定着フィルム10の発熱を停止することができ、紙
の発火点温度が約400℃近辺であるため、記録材とし
ての紙が発火することがない。
【0064】上記のサーモスイッチ50は定着フィルム
10との非接触式としたが、接触式のサーモスイッチを
設けてもよい。またサーモスイッチの代わりに温度ヒュ
ーズを用いてもよい。
【0065】定着装置100でトナー像を定着するに
は、加圧ローラ30の回転により定着フィルム10を回
転させ、励磁回路27によって励磁コイル18に給電し
て、定着フィルム10を電磁誘導により発熱させて、定
着ニップ部Nを所定の定着温度に上昇し、温調制御によ
り定着温度に維持した状態で、二次転写部から搬送され
てきたトナー像が定着フィルム10側になった記録材P
を定着ニップNに導入する。記録材Pは、図2に示すよ
うに、トナー像t側の面が定着フィルム10の表面に密
着して、定着フィルム10とともに挟持搬送され、定着
ニップ部Nを通過する間に、トナー像が記録材Pに加熱
定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは、定
着フィルム10の表面から分離されて排出されて行き、
定着トナー像t’が冷却されて永久固着像となる。
【0066】定着フィルム10について説明する。定着
フィルム10は、図8に示すように、金属フィルム等で
できたフィルム基層を兼ねた導電層10aと、その一方
の表面に積層した弾性層10bと、弾性層10bに積層
した離型層10cの3層構造に形成されている。導電層
10aと弾性層10bとの間、弾性層10bと離型層1
0cとの間には、それぞれの間の接着を強化するため
に、図示しないプライマー層を設けてもよい。定着フィ
ルム10は、導電層10aが摺動部材40と接触する内
側、離型層10cが加圧ローラ30と接触する外側とな
る円筒体に形成される。
【0067】前述したように、導電層10aに交番磁束
が作用することにより、導電層に渦電流が発生して発熱
し、その熱が弾性層10b、離型層10cに伝達して、
定着フィルム10全体が加熱される。
【0068】導電層10aとしては、磁性および非磁性
の金属を用いることができるが、好ましくは磁性金属を
用いることがよく、そのような磁性金属としては、ニッ
ケル、鉄、強磁性ステンレス、ニッケル−コバルト合
金、パーマロイといった強磁性体金属が好ましい。定着
フィルムの回転時に屈曲応力を繰り返し受けることによ
る金属疲労を防ぐために、ニッケル中にマンガンを添加
した材料を用いることもできる。
【0069】導電層10aの厚さは、次式(1)で表さ
れる表皮深さσより厚く、かつ200μm以下にするこ
とが好ましく、この範囲の厚さとすれば、導電層10a
が電磁波を効率よく吸収するため、発熱を効率よく起こ
させることができる。表皮深さσは、図9に示すよう
に、電磁誘導で使われる電磁波の強度が1/eに低下す
る発熱層深さ(導電層深さ)で、この深さσまでに電磁
エネルギーの大部分が吸収される。
【0070】 σ(m)=503×(ρ/fμ)1/2 ・・・(1) ただし、f:励磁回路の周波数(Hz)、μ:透磁率、 ρ:導電層の固有抵抗(Ωm)。
【0071】導電層10aの厚さがσよりも薄いと、電
磁エネルギーの吸収が少ないため、発熱効率が悪くな
り、200μmよりも厚いと、導電層10aの剛性が高
くなりすぎ、また屈曲性が悪くなって、回転体として使
用するには現実的でなくなる。より好ましくは1〜10
0μmである。
【0072】弾性層10bには、シリコーンゴム、フッ
素ゴム、フルオロシリコーンゴム等の耐熱性、熱伝導性
が良好な材料を好ましく用いることができる。
【0073】弾性層10bの厚さは、記録材の凹凸、ト
ナー像の凹凸に定着フィルム10の加熱面(離型層10
c)に追随できるようにするために、10〜500μm
程度とすることが好ましく、より好ましくは50〜50
0μmである。
【0074】弾性層10bの厚さが10μmより薄い
と、カラー画像のプリント、特に記録材上で大きな面積
にわたってベタ画像が形成されることがあるカラーの写
真画像等のプリントの場合に、加熱面が記録材やトナー
像の凹凸に追随できず、伝熱量が多い部分で光沢度が高
く、伝熱量が少ない部分で光沢度が低くなる光沢むらを
発生し、定着画像品質の保証が困難になる。弾性層10
bの厚さが500μmより厚いと、弾性層の熱抵抗が大
きくなりすぎ、クイックスタートを実現するのが難しく
なる。
【0075】弾性層10bの硬度は高くすぎると、記録
材あるいはトナー像の凹凸に追随しきれず、画像に光沢
むらが発生するので、JIS−A硬度で60゜以下、よ
り好ましくは45゜以下がよい。
【0076】弾性層10bの熱伝導率λは、6×10-4
〜2×10-3cal/cm・s・deg(2.51×1
-5〜8.37×10-5W/cm・deg)であること
が好ましく、λが6×10-4cal/cm・s・deg
よりも小さい場合は、熱抵抗が大きすぎて、定着フィル
ム10の表面(離型層10c)における温度上昇が遅く
なる。λが2×10-3cal/cm・s・degよりも
大きい場合は、弾性層10bの硬度が高くなりすぎた
り、圧縮永久歪みが発生しやすくなる。より好ましく
は、熱伝導率λは8×10-4〜1.5×10-3cal/
cm・s・deg(3.35×10-5〜6.29×10
-5W/cm・deg)である。
【0077】離型層10cには、フッ素樹脂、シリコー
ン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコ
ーンゴム、PFA、PTFE、FEP等の離型性、耐熱
性のよい材料を用いることが好ましい。離型層10c
は、これら材料の塗工層として形成することができる。
【0078】離型層10cの厚さは1〜100μmが好
ましく、1μmよりも薄いと、離型層の塗りむらが生
じ、離型性の悪い部分が発生したり、耐久性が不足する
といった問題を起こす。離型層10cが100μmより
も厚いと、熱伝導が悪化する。
【0079】本発明における定着フィルムの温度制御に
ついて説明する。本実施例では、PIDで温度制御を行
った。まず、その周辺の技術事項について説明する。
【0080】定着フィルム10の導電層10aで発生す
る熱エネルギーは、渦電流の大きさの2乗に比例し、渦
電流の大きさは交番磁界(交番磁束)エネルギーの2乗
に比例する。定着フィルム10の温度を上昇させるに
は、励磁コイル18への磁界エネルギーを増加させ、逆
に温度を下げるには磁界エネルギーを減少させればよ
い。
【0081】この磁界エネルギーの増減は、励磁コイル
18に印加する電圧を増減してもよいし、流す電流を増
減してもよい。通常の家庭用電源は定電圧電源とみなし
てよいので、家庭用電源を利用して安価に定着用電源を
構成したい場合は、励磁コイル18に流す電流を増減す
る方式とすることが好ましい。
【0082】磁場発生手段および定着用電源からなる電
磁回路が共振条件を満たす範囲内において、電流の増減
は励磁コイル18に与える電圧の印加時間の長短で制御
可能である。すなわち、電力制御手段として、IGBT
等のスイッチング素子を設け、これにより電磁回路にお
ける磁界の振動周期に同期して電流をスイッチングし、
電圧印加時間や開放時間を変化させることによって、定
着フィルムの温度を変えることができる。本例では、開
放時間を6μsに固定し、電圧印加時間を1〜20μs
の間で制御可能としている。
【0083】画像形成装置には、スイッチング素子の操
作量決定手段であるCPU(図示せず)が設けられてい
る。このCPUは、温度検知素子26から得た定着フィ
ルム10の温度情報を一定の間隔でサンプリングして、
以下に述べる制御則により上記の電圧印加時間を算出
し、算出された時間だけ矩形波発生回路より所定の電圧
をスイッチング素子へ出力させる。
【0084】本実施例では、電圧印加時間の算出方法と
してPID制御を採用した。PID制御では、mを操作
量、eを偏差とすると、操作量mは、比例ゲインK、積
算時間TI、微分時間TDの3つのパラメータを含む制御
則の式(2): m=K(e+1/TI・∫edt+TD・de/dt) ・・・(2) により決定される。
【0085】ここで、目標温度とサンプリングされた定
着フィルム温度の偏差を時間順にe(n)、e(n-
1)、e(n-2)、サンプリング時間をTs、今回の
電圧印加時間をm(n)、前回の電圧印加時間をm(n
-1)として、式(2)を離散化すると、式(3): m(n)=m(n-1)+K(e(n)−e(n-1)) +KTs/TI・e(n) +KTD/Ts・{(e(n)−e(n-1)) −(e(n-1)−e(n-2))} ・・・(3) のようになる。
【0086】スイッチング素子の操作量m(n)は式
(3)の制御則より算出される。すなわち、今回の電圧
印加時間m(n)は、 比例制御量:K(e(n)−e(n-1)) ・・・(4) 積分制御量(比例ゲインを含む):KTs/TI・e(n) ・・・(5) 微分制御量(比例ゲインを含む):+KTD/Ts・{(e(n) −e(n-1))−(e(n-1)−e(n-2))}・・・(6) の3つの要素を、前回の操作量m(n-1)に加算して
決定される。
【0087】本実施例の特徴は、PID制御の比例ゲイ
ンKの値を定着速度(記録材搬送速度と同速)に応じて
変えることである。積分時間TI、微分時間TDは定着速
度によらず不変としたが、これら積分時間TI、微分時
間TDを定着速度に応じて代えてもよい。またPID制
御を用いたが、PI制御、PD制御としてもよい。
【0088】比例ゲインKは、定着速度すなわち定着フ
ィルム10の回転速度が遅いほど、小さくする必要があ
る。定着速度が遅いほど、定着フィルムが発熱域Hを通
過する時間が長くなるため、供給電力の変化に対する定
着フィルムの温度変化が大きくなる。このため、定着速
度が遅い場合に比例ゲインKの値が大きいと、PID制
御によるスイッチング素子の操作量の計算結果が振動し
やすくなり、その結果、定着フィルムの温度がオーバー
シュートやアンダーシュートして、なかなか目標温度に
収束しない傾向がある。逆に定着速度が速い場合に比例
ゲインKの値が小さいと、外乱による定着フィルムの温
度変化に追随できない傾向がある。
【0089】本実施例では、前記したように、定着装置
には3つの定着速度(記録材搬送速度)が設定されてい
る。表1に示すように、この3つの定着速度VFに対し
それぞれ比例ゲインKを設定した。この比例ゲインKの
値は、定着装置の実機で調整して得られた値であり、定
着装置個々よって異なりうる値である。
【0090】
【表1】
【0091】したがって、本実施例によれば、画像形成
装置のCPUが、定着装置の駆動速度信号に応じて表1
のテーブルから定着速度に対する比例ゲインKを参照し
て、PID制御の制御則によりスイッチング素子のオン
時間を算出する。そしてスイッチング素子のオン/オフ
調整で励磁コイルへの電圧印加時間を調整することによ
り、定着フィルムの温度制御を行う。
【0092】本実施例の方法および従来法による制御を
行ったときのフィルム温度とスイッチング素子操作量の
変化の関係を図10(a)〜(c)に示す。従来法の制
御は、定着速度の低下に関係なく、PID制御の比例ゲ
インKを固定したまま、定着フィルムの温度制御を行う
ものである。
【0093】図10(a)は、定着速度が100mm/
secの場合、図10(b)は、定着速度を25mm/
secに低下させたときの従来の場合、図10(c)
は、定着速度を25mm/secに低下させたときの本
実施例の場合である。
【0094】図10(a)に示すように、定着速度10
0mm/secでは、フィルム温度が目標温度に到達
後、スイッチング素子操作量m(n)に振動が見られ
ず、供給電力が適切に制御されているのが、定着速度を
25mm/secに低下させた場合、従来法では、図1
0(b)に示すように、スイッチング素子操作量m
(n)が振動してしまっていることが分かる。一方、本
実施例では、図10(c)に示すように、定着速度を2
5mm/secに低下させた場合、定着速度100mm
/secのときと同様、定着フィルム温度が目標温度に
到達後、スイッチング素子操作量m(n)に振動は見ら
れず、供給電力が適切に制御されていることが分かる。
【0095】本実施例によれば、以上により、定着速度
が異なっても、外乱による定着フィルム温度の目標温度
からのずれを最小限に抑制して、定着フィルム温度を目
標温度に精度よく保つことができ、したがって、定着画
像のグロスむらやOHPフィルム上の定着画像の透過性
むら、定着不良を防止することができる。
【0096】実施例2 本実施例は、実施例1の制御に加え、PID制御の計算
におけるスイッチング素子の操作量の初期値m(0)
を、0よりも大きい値としたことが大きな特徴である。
【0097】実施例1で述べたように、定着速度が遅い
ほど比例ゲインKの値を小さくした場合、外乱等による
温度変化に対する温調制御系の反応は鈍くなる。このた
め、定着装置が常温にまで冷えているときの立ち上げ時
のように、目標温度と定着フィルム温度の偏差が大き
く、最大電力の供給が要求される場合に、スイッチング
素子操作量の初期値m(0)を0からPID制御で計算
して増やし始めていたのでは、操作量を最大値まで変化
させるのに時間を要する。このため瞬時に最大電力を供
給できず、定着装置が目標温度まで規定時間内に立ち上
がらない場合がある。
【0098】そこで、本実施例では、電力供給開始時の
スイッチング素子操作量の初期値m(0)を、0より大
きな値に設定した。フィルム温度の俊敏な立ち上げを実
現するためには、初期値m(0)は最大値に近いほど効
果を発揮する。しかし急峻な電力増加による電気回路へ
の負荷やノイズがあるので、初期値(0)はこれら負荷
やノイズ防止を考慮した値にすることが好ましい。本実
施例では、操作量の初期値m(0)としてスイッチング
素子の最大オン時間である15μsecに相当する値と
した。
【0099】図11は、定着速度25mm/secモー
ドでの立ち上げ時のスイッチング素子の操作量m(n)
の変化を示した概念図である。本実施例のように、初期
値m(0)を0より大きい値とすることにより、m
(n)の0からm(n)maxまでの立ち上がり時間を短
くすることができる。
【0100】本実施例によれば、実施例1と同様、PI
D制御のゲインを小さくした場合であっても、制御開始
時は瞬時に最大電力が入るので、定着フィルムの温度の
立ち上げが遅くなるようなことがない。
【0101】実施例3 本実施例は、実施例1で述べた制御に加え、PID制御
開始から定着フィルム温度が目標温度に到達するまでの
間だけ、PID制御の制御則における比例ゲインの値を
大きく設定することが特徴である。
【0102】定着装置が常温に冷えているときの立ち上
げなどのように、現在のフィルム温度と目標温度の偏差
が大きい場合、瞬時に最大電力の供給を必要とする。し
かしながら、実施例1で述べたように、PID制御の比
例ゲインKの値を小さくした場合、温度変化に対する温
調制御系の反応は鈍くなるため、供給電力を0から最大
まで変化させるのに時間を要し、瞬時に最大電力を供給
できない。したがって、定着装置が目標温度まで規定時
間内に立ち上がらない場合がある。
【0103】そこで、本実施例では、比例ゲインKの値
を、制御開始から最初に定着フィルムが目標温度に到達
するまでの間だけ、目標温度到達以降よりも大きく設定
する。本実施例における比例ゲインKの値は表2のよう
に設定した。
【0104】
【表2】
【0105】図12は、定着速度25mm/secでの
立ち上げ時のスイッチング素子操作量m(n)の変化を
示した概念図である。本実施例のように、立ち上げ時の
み比例ゲインKを大きくとることにより、m(n)の0
からm(n)maxまでの立ち上がり時間を短くすることが
できる。
【0106】本実施例によれば、実施例1と同様、PI
D制御のゲインを小さくした場合であっても、制御開始
時は瞬時に最大電力が入るので、定着フィルムの温度の
立ち上げが遅くなるようなことがない。
【0107】実施例4 本実施例の特徴は、PID制御の制御則に用いる温度検
知素子26からの情報のサンプリング時間Tsを、定着
速度に応じて変えることである。
【0108】図13に、本実施例における定着フィルム
の発熱域H1、H2と温度検知域Lの位置関係を示す。
本実施例の構成では、発熱域H1、H2は、励磁コイル
18の対向部、温度検知域Lは定着ニップ部Nを抜けた
下流部に分かれる。このように発熱域と温度検知領域の
場所が離れていると、当然ながら、定着速度が変われ
ば、特に発熱域で昇温した定着フィルムの一部が温度検
知域Lに到達するタイミングが変わる。
【0109】たとえば発熱域H2で温度変化を受けた定
着フィルムの一部が、温度検知域Lに到達する時間をサ
ンプリング時間Tsとし、このときの駆動速度をVFと
する。発熱域H2から温度検知域Lまでの距離はVF・
Tsとなる。定着フィルムがVF/2で駆動された場
合、定着フィルムの一部は、発熱域H2から時間Tsの
間にVF・Ts/2しか移動できず、温度検知域Lに達
しない。このような状態では、温調制御系は制御結果を
正確にフィードバックできないため、算出されるスイッ
チング素子の制御量が振動し、定着温度がオーバーシュ
ートやアンダーシュートを繰り返して振動してしまう。
【0110】そこで、本実施例では、定着速度の変化に
対するタイミングのずれを補正するために、サンプリン
グ時間Tsを定着フィルムの回転速度に応じて変える。
サンプリング時間Tsは、定着速度が遅いほど長くすれ
ばよい。
【0111】本実施例では、各定着速度に対するサンプ
リング時間Tsをつぎのように設定した。定着装置が第
1の定着速度VF1で駆動されているときに、合わせ込ん
だサンプリング時間をTs1とする。第2の定着速度をV
F2、このときのサンプリング時間をTs2とすると、これ
らが、 Ts2=Ts1×(VF1/VF2) ・・・(7) の関係を満たすように設定した。
【0112】本実施例における3種類の定着速度VFそ
れぞれに対するサンプリング時間Tsを表3に示す。
【0113】
【表3】
【0114】上述の方法により、定着速度を変えてもサ
ンプリング時間を変えることにより、最適なPID制御
を行うことができ、定着フィルムの温度を目標温度近傍
に安定させることができる。したがって、本実施例によ
っても、定着画像のグロスむらや定着不良、OHPフィ
ルム上の定着画像の透過性むらを抑制することができ
る。
【0115】以上、実施例1〜4ではPID制御を例に
とって説明したが、本発明はPID制御に限るものでは
なく、定着装置の発熱手段への供給電力を調整する制御
法であれば、同様に適用して同様な効果を得ることがで
きる。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
定着速度が変わっても、定着フィルム等の加熱部材の温
度を目標温度に安定して保つことにより、定着画像のグ
ロスむらや定着不良、OHPフィルムの透過画像の透過
むらを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略構
成図である。
【図2】図1の画像形成装置に搭載した定着装置を示す
縦断面図である。
【図3】図2のI−I線に沿った定着装置の断面を示す
斜視図である。
【図4】図2のA方向から見た定着装置の正面図であ
る。
【図5】図2のII−II線に沿った定着装置の断面図であ
る。
【図6】図2の定着装置の磁場発生手段の交番磁束と定
着フィルムの発熱量の関係を示す図である。
【図7】図2の定着装置に設置された熱暴走防止回路を
示す図である。
【図8】図2の定着装置の定着フィルムの層構成を示す
模式図である。
【図9】図8の定着フィルムの発熱深さと電磁波強度の
関係を説明図である。
【図10】図1の実施例の方法および従来法による制御
を行ったときのフィルム温度とスイッチング素子操作量
m(n)の変化の関係を示す図である。
【図11】本発明の他の実施例におけるスイッチング素
子の操作量m(n)の変化を示す図である。
【図12】本発明のさらに他の実施例におけるスイッチ
ング素子の操作量m(n)の変化を示す図である。
【図13】本発明のさらに他の実施例における定着フィ
ルムの発熱域と温度検知域との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 定着フィルム 16a、16b フィルムガイド部材 17a〜17c 磁性コア 18 励磁コイル 18a、18b 給電部 26 温度検知素子 27 励磁回路 30 加圧ローラ 100 定着装置 H、H1、H2 発熱域 L 温度検知域 N 定着ニップ部 P 記録材
フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA03 BA08 BA25 BA30 BB01 BB18 BB29 BB33 BE03 BE06 CA07 CA13 CA20 CA23 CA27 CA40 CA45 3K059 AA03 AA08 AB19 AB23 AB28 AC03 AC09 AC33 AC35 AC44 AC47 AC73 AD15 AD28 AD34 BD02 BD05 CD06 CD44 CD75 CD77 5H323 AA36 BB03 CA08 CB06 DA01 KK05 LL01 LL02 LL27 LL29 MM06 MM09

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに圧接してトナー像を担持した記録
    材を加熱定着するニップ部を形成した回転する加熱部材
    および加圧部材と、前記加熱部材を昇温する発熱手段
    と、前記加熱部材の温度を検知する温度検知手段と、前
    記発熱手段への供給電力量を調整する電力制御手段と、
    前記温度検知手段からの温度検知情報に基づいて前記電
    力制御手段の操作量を決定する操作量決定手段とを有
    し、前記加熱部材が複数の回転速度を有する定着装置に
    おいて、 前記操作量決定手段による前記電力制御手段の操作量の
    決定方式を前記加熱部材の回転速度に応じて変更するこ
    とを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記操作量決定手段は前記電力制御手段
    の操作量を、前記温度検知手段からの温度検知情報に基
    づき制御則にしたがって算出することを特徴とする請求
    項1の定着装置。
  3. 【請求項3】 前記制御則が、偏差の比例要素に加え、
    偏差の積分要素および微分要素の少なくとも一方の要素
    を含むPID制御であることを特徴とする請求項2の定
    着装置。
  4. 【請求項4】 前記PID制御における制御則の定数の
    うち、比例要素の比例ゲインK、積分要素の積分時間T
    Iおよび微分要素の微分時間TDの少なくとも一つを、前
    記加熱部材の回転速度に応じて変更することを特徴とす
    る請求項3の定着装置。
  5. 【請求項5】 前記制御則における前記温度検知手段か
    らの温度検知情報のサンプリング時間を、前記加熱部材
    の回転速度に応じて変更することを特徴とする請求項2
    〜4のいずれかの項に記載の定着装置。
  6. 【請求項6】 前記加熱部材の複数の回転速度のうちの
    いずれか2つにおいて、回転速度が遅い方で前記比例ゲ
    インKの値を小さく設定することを特徴とする請求項4
    の定着装置。
  7. 【請求項7】 前記加熱部材の複数の回転速度のうちの
    いずれか2つにおいて、回転速度が遅い方で前記サンプ
    リング時間の値を大きく設定することを特徴とする請求
    項5の定着装置。
  8. 【請求項8】 前記PID制御の制御則において、制御
    開始時の前記電力制御手段の操作量の初期値を0より大
    きい値とすることを特徴とする請求項3〜7のいずれか
    の項に記載の定着装置。
  9. 【請求項9】 前記PID制御の制御則において、前記
    比例ゲインの値を、電力供給開始から前記加熱部材の温
    度が目標温度に到達するまでの間だけ、目標温度到達後
    以降よりも大きく設定することを特徴とする請求項3〜
    8のいずれかの項に記載の定着装置。
  10. 【請求項10】 前記加熱部材が導電層を有する円筒状
    フィルムからなり、前記発熱手段が励磁コイルを含む磁
    場発生手段からなり、前記電力制御手段が、前記励磁コ
    イルの両端子間の電圧もしくは前記励磁コイルに流れる
    電流を振動させるスイッチング回路からなり、前記導電
    層に前記磁場発生手段からの交番磁場を作用させて渦電
    流を発生させることにより、前記円筒状フィルムを発熱
    させるようになっており、 前記スイッチング回路は、前記励磁コイルの両端子間の
    電圧もしくは前記励磁コイルに流れる電流を強制振動さ
    せるオン時間と自由振動させるオフ時間とを連続して生
    成し、前記スイッチング回路のオン時間もしくはオフ時
    間を変更することにより前記発熱手段へ供給する電力量
    を調整することを特徴とする請求項1〜9のいずれかの
    項に記載の定着装置。
  11. 【請求項11】 前記オフ時間を固定し、前記オン時間
    を変更することにより、前記発熱手段へ供給する電力量
    を調整することを特徴とする請求項10の定着装置。
  12. 【請求項12】 前記加圧部材が弾性ローラからなり、
    前記弾性ローラの回転に従動して前記円筒状フィルムが
    回転する請求項10または11の定着装置。
  13. 【請求項13】 記録材上にトナー像を形成する画像形
    成手段と、前記形成されたトナー像を担持した記録材を
    加熱定着する定着装置とを備えた画像形成装置におい
    て、前記定着装置が請求項1〜12のいずれかの項に記
    載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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