JP4585700B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁誘導加熱方式の定着部を有する、電子写真装置、静電記録装置等の画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
電子写真装置、静電記録装置等の画像形成装置において、記録材上に形成された未定着トナー画像を定着する加熱装置(画像加熱定着装置)としては、従来から熱ローラ方式、フィルム加熱方式等の接触加熱方式が広く用いられている。近年では、加熱源として電磁誘導方式を用いた加熱装置が提案されている。
【0004】
未定着のフルカラートナー画像の加熱装置では、トナー層が最大4層まで重ねられることがあり、記録材とトナー層との界面まで十分に加熱しないと定着不良が発生する場合があるため、前記トナー層が確実に定着するまで前記トナー層をしっかりと保持する必要があった。
【0005】
そして、この電磁誘導方式の加熱装置の制御方法として、特開平10−171296号公報では電磁誘導発熱する回転体としての低熱容量の定着フィルム自体が局所的に発熱する構成において装置のスタンバイ中に定着フィルムの予備回転及び予備加熱を行うことでファーストプリントタイム(FPOT)の短縮を実現する提案がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、装置のスタンバイ中に予備加熱と同時に定着フィルムを予備回転させる制御では、画像形成装置の使用頻度が低く、スタンバイ状態が長くなる場合には、スタンバイ中の定着フィルムの回転が長くなってしまい、結果として加熱装置の耐久寿命のうち、スタンバイにおける定着フィルムの回転比率が大きくなり、プリントできる枚数が減ってしまうという課題があった。
【0007】
そこで、定着フィルムを停止させた状態で予備加熱を行う方法が考えられるが、定着フィルム内に熱容量の大きい磁場発生手段を有し、定着フィルムを局所的に加熱する場合、定着フィルム内の温度状態によって定着可能温度までの立ち上げ時間が変化する。また、スタンバイ中に、比較的熱容量の小さい定着フィルムの一部を停止した状態で加熱すると、定着フィルムの1周の位置で加熱している部分と加熱していない部分で大きな温度勾配が生じる。このため、プリントが開始されてから記録材の先端が定着ニップ部に到達する前に安定して定着フィルムの温度を定着可能温度まで上昇させるのに必要な予備加熱温度を予測するのが困難であった。予備加熱温度を高めに維持する方法が考えられるが、不必要なエネルギーを消費するばかりでなく、画像形成装置内の昇温にも悪影響を与えてしまうという課題があった。
【0008】
そこで、本発明は、電磁誘導加熱方式の定着部を有する画像形成装置において、簡単な構成で、装置のスタンバイ中の予備加熱を行いながらも、定着部の耐久寿命の低下を防止すること、ならびに適切な予備加熱温度を選択することで省エネルギーに貢献することを目的とする。
【0009】
また、ファースト・プリント・アウト・タイム(FPOT)の短縮と同時に加熱装置の寿命の延長を図ること、ならびに省エネルギーに貢献するとともに装置内昇温を低く抑えることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする画像形成装置である。
【0011】
(1)記録材にトナー像を形成する画像形成部と、
発熱層を有する定着フィルムと、前記発熱層に渦電流を発生させるための磁束を発生する励磁コイルと、前記励磁コイルに対する通電オン状態の時間であるON幅と通電オフ状態の時間であるOFF幅により定まる周波数の交番電流を前記励磁コイルへ流して前記励磁コイルへ電力を供給する励磁回路と、前記定着フィルムの発熱領域の温度を検知する温度検知素子と、前記温度検知素子の検知温度に基づいて前記励磁回路による前記周波数を制御する制御回路と、を有し、前記発熱層で発生する熱を利用して記録材上のトナー像を記録材に加熱定着する定着部と、
を有し、プリント信号の入力を待つスタンバイ中、前記定着フィルムを回転停止させた状態で前記検知温度が所定の予熱温度を維持するように前記制御回路が前記励磁回路を制御する画像形成装置において、
前記検知温度が前記予熱温度を維持するように前記周波数を制御している時の前記ON幅が所定の最小値に達しているにも拘わらず前記検知温度が前記予熱温度より高い所定温度を超えると、前記励磁回路から前記励磁コイルへの電力供給を遮断し、電力供給遮断状態で前記検知温度が前記予熱温度を下回ると前記検知温度が前記予熱温度を維持するように前記周波数の制御を再開し、電力供給遮断期間直後の周波数制御期間が前記電力供給遮断期間直前の周波数制御期間より短くなると前記予熱温度を第2予熱温度に下げて前記検知温度が前記第2予熱温度を維持するように前記周波数を制御して電力供給することを特徴とする画像形成装置。
【0012】
(2)記録材にトナー像を形成する画像形成部と、
発熱層を有する定着フィルムと、前記発熱層に渦電流を発生させるための磁束を発生する励磁コイルと、前記励磁コイルに対する通電オン状態の時間であるON幅と通電オフ状態の時間であるOFF幅により定まる周波数の交番電流を前記励磁コイルへ流して前記励磁コイルへ電力を供給する励磁回路と、前記定着フィルムの発熱領域の温度を検知する温度検知素子と、前記温度検知素子の検知温度に基づいて前記励磁回路による前記周波数を制御する制御回路と、を有し、前記発熱層で発生する熱を利用して記録材上のトナー像を記録材に加熱定着する定着部と、
を有し、プリント信号の入力を待つスタンバイ中、前記定着フィルムを回転停止させた状態で前記検知温度が所定の予熱温度を維持するように前記制御回路が前記励磁回路を制御する画像形成装置において、
前記スタンバイ中は前記ON幅を固定し前記周波数を所定周波数とした状態で前記励磁コイルへ電力供給し、前記ON幅を第1のON幅に固定した状態で電力供給している時に前記検知温度が前記予熱温度より高い所定温度を超えると、前記励磁回路から前記励磁コイルへの電力供給を遮断し、電力供給遮断状態で前記検知温度が前記予熱温度を下回ると前記ON幅を再び前記第1のON幅として電力供給を再開し、電力供給遮断期間直後の前記第1のON幅での電力供給期間が前記電力供給遮断期間直前の前記第1のON幅での電力供給期間より短くなると前記予熱温度を第2予熱温度に下げて且つ前記ON幅を第1のON幅より短い第2のON幅に設定して前記検知温度が前記第2予熱温度を維持するように電力供給することを特徴とする画像形成装置。
【0021】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態例]
(1)画像形成装置例
図1は画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の画像形成装置は電子写真カラープリンタである。
【0022】
101は有機感光体やアモルファスシリコン感光体でできた感光体ドラム(像担持体)であり、矢示の反時計方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0023】
感光体ドラム101はその回転過程で帯電ローラ等の帯電装置102で所定の極性・電位の一様な帯電処理を受ける。
【0024】
次いでその帯電処理面にレーザ光学箱(レーザスキャナー)110から出力されるレーザ光103による、画像情報の走査露光処理を受ける。レーザ光学箱110は不図示の画像読み取り装置等の画像信号発生装置からの画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ)したレーザ光103を出力して回転感光体ドラム101面に走査露光した画像情報に対応した静電潜像が形成される。109はレーザ光学箱110からの出力レーザ光を感光体ドラム101の露光位置に偏向させるミラーである。
【0025】
フルカラー画像形成の場合は、目的のフルカラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜像が4色カラー現像装置104のうちのイエロー現像器104Yの作動でイエロートナー画像として現像される。そのイエロートナー画像は感光体ドラム101と中間転写体ドラム105との接触部(或いは近接部)である1次転写部T1において中間転写体ドラム105の面に転写される。
【0026】
中間転写体ドラム105面に対するトナー画像転写後の回転感光体ドラム101面はクリーナ107により転写残りトナー等の付着残留物の除去を受けて清掃される。
【0027】
上記のような帯電・走査露光・現像・一次転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画像の第2の色分解成分画像(例えばマゼンタ成分画像、マゼンタ現像器104Mが作動)、第3の色分解成分画像(例えばシアン成分画像、シアン現像器104Cが作動)、第4の色分解成分画像(例えば黒成分画像、黒現像器104BKが作動)の各色分解成分画像について順次実行され、中間転写体ドラム105面にイエロートナー画像・マゼンタトナー画像・シアントナー画像・黒トナー画像の都合4色のトナー画像が順次重ねて転写されて、目的のフルカラー画像に対応したカラートナー画像が合成形成される。
【0028】
中間転写体ドラム105は、金属ドラム上に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有するもので、感光体ドラム101に接触して或いは近接して感光体ドラム101と略同じ周速度で矢示の時計方向に回転駆動され、中間転写体ドラム105の金属ドラムにバイアス電位を与えて感光体ドラム101との電位差で感光体ドラム101側のトナー画像を前記中間転写体ドラム105面側に転写させる。
【0029】
上記の回転中間転写体ドラム105面に合成形成されたカラートナー画像は、前記回転中間転写体ドラム105と転写ローラ106との接触ニップ部である二次転写部T2において、前記二次転写部T2に不図示の給紙部から所定のタイミングで送り込まれた、被加熱材としての記録材Pの面に転写されていく。転写ローラ106は記録材Pの背面からトナーと逆極性の電荷を供給することで中間転写体ドラム105面側から記録材P側へ合成カラートナー画像を順次に一括転写する。
本実施例の画像形成装置100においては、上記の二次転写部T2までが記録材にトナー像を形成する画像形成部である。
【0030】
二次転写部T2を通過した記録材Pは中間転写体ドラム105の面から分離されて定着部である加熱装置100へ導入され、未定着トナー画像の加熱定着処理を受けてカラー画像形成物として機外の不図示の排紙トレーに排出される。加熱装置100については次の(2)項で詳述する。
【0031】
記録材Pに対するカラートナー画像転写後の回転中間転写体ドラム105はクリーナ108により転写残りトナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて清掃される。このクリーナ108は常時は中間転写体ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写体ドラム105から記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写体ドラム105に接触状態に保持される。
【0032】
また転写ローラ106も常時は中間転写体ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写体ドラム105から記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写体ドラム105に記録材Pを介して接触状態に保持される。
【0033】
本例の画像形成装置は、白黒画像などモノカラー画像のプリントモードも実行できる。また両面画像プリントモード、或いは多重画像プリントモードも実行できる。
【0034】
両面画像プリントモードの場合は、加熱装置100を出た1面目画像プリント済みの記録材Pは不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されて再び二次転写部T2へ送り込まれて2面に対するトナー画像転写を受け、再度、加熱装置100に導入されて2面に対するトナー画像の定着処理を受けることで両面画像プリントが出力される。
【0035】
多重画像プリントモードの場合は、加熱装置100を出た1回目画像プリント済みの記録材Pは不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに再び二次転写部T2へ送り込まれて1回目画像プリント済みの面に2回目のトナー画像転写を受け、再度、加熱装置100に導入されて2回目のトナー画像の定着処理を受けることで多重画像プリントが出力される。
【0036】
(2)加熱装置100
本例において加熱装置100は電磁誘導加熱方式の装置である。図2は本例の加熱装置100の要部の横断側面模型図、図3は要部の正面模型図、図4は要部の縦断正面模型図である。
【0037】
磁場発生手段は磁性コア17a・17b・17c及び励磁コイル18からなる。
【0038】
磁性コア17a・17b・17cは高透磁率の部材であり、フェライトやパーマロイ等といったトランスのコアに用いられる材料がよく、より好ましくは100kHz以上でも損失の少ないフェライトを用いるのがよい。
【0039】
励磁コイル18には給電部18a・18b(図5)に励磁回路27を接続してある。この励磁回路27は20kHzから500kHzの高周波をスイッチング電源で発生できるようになっている。
【0040】
励磁コイル18は励磁回路27から供給される交番電流(高周波電流)によって交番磁束を発生する。
【0041】
16a,16bは横断面略半円弧状樋型のフィルムガイド部材であり、開口側を互いに向かい合わせて略円柱体を構成し、外側に円筒状の電磁誘導性発熱フィルムである定着フィルム10をルーズに外嵌させてある。
【0042】
前記フィルムガイド部材16aは、磁場発生手段としての磁性コア17a・17b・17cと励磁コイル18を内側に保持している。
【0043】
また、フィルムガイド部材16aには摺動部材40がニップ部Nの加圧ローラ30との対向面側で、定着フィルム10の内側に配設してある。
【0044】
22はフィルムガイド部材16bの内面平面部に当接させて配設した横長の加圧用剛性ステイである。
【0045】
19は磁性コア17a・17b・17c及び励磁コイル18と加圧用剛性ステイ22の間を絶縁するための絶縁部材である。
【0046】
フランジ部材23a・23bはフィルムガイド部材16a,16bのアセンブリの左右両端部に外嵌し、前記左右位置を固定しつつ回転自在に取り付け、定着フィルム10の回転時に前記定着フィルム10の端部を受けて定着フィルムのフィルムガイド部材長手に沿う寄り移動を規制する役目をする。
【0047】
加圧部材としての加圧ローラ30は、芯金30aと、前記芯金周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などの耐熱性・弾性材層30bとで構成される。さらに、最外層に不図示の離型層としてフッ素樹脂を設けることもできる。芯金30aの両端部を装置の不図示のシャーシ側板金間に回転自由に軸受け保持させて配設してある。
【0048】
加圧用剛性ステイ22の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材29a・29bとの間にそれぞれ加圧バネ25a・25bを縮設することで加圧用剛性ステイ22に押し下げ力を作用させている。これによりフィルムガイド部材16aの下面の摺動部材40と加圧ローラ30とが定着フィルム10を挟んで圧接して所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
【0049】
加圧ローラ30は駆動手段Mにより矢示の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ30の回転駆動による前記加圧ローラ30と定着フィルム10の外面との摩擦力で定着フィルム10に回転力が作用し、前記定着フィルム10がその内面が定着ニップNにおいて摺動部材40の下面に密着して摺動しながら矢示の時計方向に加圧ローラ30の回転周速度にほぼ対応した周速度をもってフィルムガイド部材16a,16bの外回りを回転状態になる。
【0050】
この場合、定着ニップ部Nにおける摺動部材40の下面と定着フィルム10の内面との相互摺動摩擦力を低減化させるために定着ニップ部Nの摺動部材40の下面と定着フィルム10の内面との間に耐熱性グリスなどの潤滑剤を介在させるができる。
【0051】
また、図5に示すように、フィルムガイド部材16aの周面に、その長手に沿い所定の間隔を置いて凸リブ部16eを形成具備させ、フィルムガイド部材16aの周面と定着フィルム10の内面との接触摺動抵抗を低減させて定着フィルム10の回転負荷を少なくしている。このような凸リブ部はフィルムガイド部材16bにも同様に形成具備することができる。
【0052】
図6は交番磁束の発生の様子を模式的に表したものである。磁束Cは発生した交番磁束の一部を表す。
【0053】
磁性コア17a・17b・17cに導かれた交番磁束Cは、磁性コア17aと磁性コア17bとの間、そして磁性コア17aと磁性コア17cとの間において定着フィルム10の電磁誘導発熱層1に渦電流を発生させる。この渦電流は電磁誘導発熱層1の固有抵抗によって電磁誘導発熱層1にジュール熱(渦電流損)を発生させる。ここでの発熱量Qは電磁誘導発熱層1を通る磁束の密度によって決まり図6のグラフのような分布を示す。図6のグラフは、縦軸が磁性コア17aの中心を0とした角度θで表した定着フィルム10における円周方向の位置を示し、横軸が定着フィルム10の電磁誘導発熱層1での発熱量Qを示す。ここで、発熱域Hは最大発熱量をQとした場合、発熱量がQ/e以上の領域と定義する。これは、定着に必要な発熱量が得られる領域である。
【0054】
この定着フィルム10の温度すなわち定着ニップ部Nの温度は温度検知手段を含む温調系により励磁コイル18に対する電流供給が制御されることで所定の温度が維持されるように温調される。即ち、28は定着フィルム10の温度を検知するサーミスタなどの温度センサであり、本例においてはこの温度センサ28を定着フィルム内面の発熱域Hにフィルムガイド部材16aの外面に露呈させて配設してある。この温度センサ28が定着フィルム10の内面に接触して定着フィルム10の温度を検知する。この温度センサ28で測定した定着フィルム10の温度情報が制御回路CPU(図5)に入力する。制御回路CPUはその入力温度情報をもとに励磁回路27を制御して励磁コイル18に対する電流供給を制御し定着フィルム10の温度すなわち定着ニップ部Nの温度を所定の温度に温調する。
【0055】
而して、定着フィルム10が回転し、励磁回路27から励磁コイル18への給電により上記のように定着フィルム10の電磁誘導発熱がなされて定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態において、画像形成手段部から搬送された未定着トナー画像tが形成された記録材Pが定着ニップ部Nの定着フィルム10と加圧ローラ30との間に画像面が上向き、即ち定着フィルム面に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面が定着フィルム10の外面に密着して定着フィルム10と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この定着ニップ部Nを定着フィルム10と一緒に記録材Pが挟持搬送されていく過程において定着フィルム10の電磁誘導発熱で加熱されて記録材P上の未定着トナー画像tが加熱定着される。記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると定着フィルム10の外面から分離して排出搬送されていく。記録材上の加熱定着トナー画像は定着ニップ部通過後、冷却して固着像となる。
【0056】
本例においては、図2に示すように、定着フィルム10のこの発熱域H(図6)の対向位置に暴走時の励磁コイル18への給電を遮断するため温度検知素子であるサーモスイッチ50を配設している。
【0057】
図7は本例で使用した安全回路の回路図である。温度検知素子であるサーモスイッチ50は+24VDC電源とリレースイッチ51と直列に接続されており、サーモスイッチ50が切れると、リレースイッチ51への給電が遮断され、リレースイッチ51が動作し、励磁回路27への給電が遮断されることにより励磁コイル18への給電を遮断する構成をとっている。サーモスイッチ50はOFF動作温度を220℃に設定した。
【0058】
また、サーモスイッチ50は定着フィルム10の発熱域Hに対向して定着フィルム10の外面に非接触に配設した。サーモスイッチ50と定着フィルム10との間の距離は略2mmとした。これにより、定着フィルム10にサーモスイッチ50の接触による傷が付くことがなく、耐久による定着画像の劣化を防止することができる。
【0059】
本例によれば、定着ニップ部Nに紙が挟まった状態で加熱装置が停止し、励磁コイル18に給電が続けられ定着フィルム10が発熱し続けた場合でも、紙が挟まっている定着ニップ部Nでは発熱していないために紙が直接加熱されることがない。また、発熱量が多い発熱域Hには、サーモスイッチ50が配設してあるため、サーモスイッチ50が220℃を感知して、サーモスイッチが切れた時点で、リレースイッチ51により励磁コイル18への給電が遮断される。
【0060】
本例によれば、紙の発火温度は約400℃近辺であるため紙が発火することなく、定着フィルムの発熱を停止することができる。
【0061】
温度検知素子としてサーモスイッチのほかに温度ヒューズを用いることもできる。
【0062】
A)励磁コイル18
励磁コイル18はコイル(線輪)を構成させる導線(電線)として、一本ずつがそれぞれ絶縁被覆された銅製の細線を複数本束ねたもの(束線)を用い、これを複数回巻いて励磁コイルを形成している。本例では10ターン巻いて励磁コイル18を形成している。
【0063】
絶縁被覆は定着フィルム10の発熱による熱伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用いるのがよい。たとえば、ポリアミドイミドやポリイミドなどの被覆を用いるとよい。
【0064】
励磁コイル18は外部から圧力を加えて密集度を向上させてもよい。
【0065】
励磁コイル18の形状は、図2や図6のように発熱層の曲面に沿うようにしている。本例では定着フィルム10の発熱層1と励磁コイル18との間の距離は略2mmになるように設定した。
【0066】
励磁コイル保持部材を兼ねるフィルムガイド部材16aの材質としては絶縁性に優れ、耐熱性がよいものがよい。例えば、フェノール樹脂、フッ素樹脂(PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂)、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、LCP樹脂などを選択するとよい。
【0067】
磁性コア17a,17b,17c及び励磁コイル18と、定着フィルムの発熱層の間の距離はできる限り近づけた方が磁束の吸収効率が高いのであるが、この距離が5mmを越えるとこの効率が著しく低下するため5mm以内にするのがよい。また、5mm以内であれば定着フィルム10の発熱層と励磁コイル18の距離が一定である必要はない。
【0068】
励磁コイル18を保持させているフィルムガイド部材16aからの励磁コイル引出線18a・18b(図5)については、部材16aから外の部分について束線の外側に絶縁被覆を施している。
【0069】
B)定着フィルム10
図8は本例における定着フィルム10の層構成模型図である。本例の定着フィルム10は、電磁誘導発熱性の定着フィルム10の基層となる金属フィルム等でできた発熱層1と、その外面に積層した弾性層2と、その外面に積層した離型層3の複合層構造のものである。発熱層1と弾性層2との間の接着、弾性層2と離型層3との間の接着のため、各層間にプライマー層(不図示)を設けてもよい。略円筒形状である定着フィルム10において発熱層1が内面側であり、離型層3が外面側である。前述したように、発熱層1に交番磁束が作用することで前記発熱層1に渦電流が発生して前記発熱層1が発熱する。その熱が弾性層2・離型層3を介して定着フィルム10を加熱し、前記定着ニップ部Nに通紙される被加熱材としての記録材Pを加熱してトナー画像の加熱定着がなされる。
【0070】
a.発熱層1
発熱層1はニッケル、鉄、強磁性SUS、ニッケル−コバルト合金といった強磁性体の金属を用いるとよい。
【0071】
非磁性の金属でも良いが、より好ましくは磁束の吸収の良いニッケル、鉄、磁性ステンレス、コバルト−ニッケル合金等の金属が良い。
【0072】
その厚みは次の式で表される表皮深さより厚くかつ200μm以下にすることが好ましい。表皮深さσ[m]は、励磁回路の周波数f[Hz]と透磁率μと固有抵抗ρ[Ωm]で
σ=503×(ρ/fμ)1/2
と表される。
【0073】
これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強度は1/e以下になっており、逆にいうと殆どのエネルギーはこの深さまでで吸収されている(図9)。
【0074】
発熱層1の厚さは好ましくは1〜100μmがよい。発熱層1の厚みが1μmよりも小さいとほとんどの電磁エネルギーが吸収しきれないため効率が悪くなる。また、発熱層が100μmを超えると剛性が高くなりすぎ、また屈曲性が悪くなり回転体として使用するには現実的ではない。従って、発熱層1の厚みは1〜100μmが好ましい。
【0075】
b.弾性層2
弾性層2は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性がよく、熱伝導率がよい材質である。
【0076】
弾性層2の厚さは10〜500μmが好ましい。この弾性層2は定着画像品質を保証するために必要な厚さである。カラー画像を印刷する場合、特に写真画像などでは記録材P上で大きな面積に渡ってベタ画像が形成される。この場合、記録材の凹凸あるいはトナー層の凹凸に加熱面(離型層3)が追従できないと加熱ムラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分で画像に光沢ムラが発生する。伝熱量が多い部分は光沢度が高く、伝熱量が少ない部分では光沢度が低い。弾性層2の厚さとしては、10μm以下では記録材あるいはトナー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラが発生してしまう。また、弾性層2が1000μm以上の場合には弾性層の熱抵抗が大きくなり温度のレスポンスが低下する。より好ましくは弾性層2の厚みは50〜500μmがよい。
【0077】
弾性層2の硬度は、硬度が高すぎると記録材あるいはトナー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラが発生してしまう。そこで、弾性層2の硬度としては60゜以下(JIS−A:JIS K Aタイプの測定装置使用)、より好ましくは45゜以下がよい。
【0078】
弾性層2の熱伝導率λに関しては、0.25〜0.84[W/m・℃]がよい。熱伝導率λが0.25[W/m・℃]よりも小さい場合には、熱抵抗が大きく、定着フィルムの表層(離型層3)における温度上昇が遅くなる。熱伝導率λが0.84[W/m・℃]よりも大きい場合には、硬度が高くなりすぎたり、圧縮永久歪みが悪化したりする。よって熱伝導率λは0.25〜0.84[W/m・℃]がよい。よリ好ましくは0.33〜0.63[W/m・℃]がよい。
【0079】
c.離型層3
離型層3はフッ素樹脂(PFA、PTFE、FEP)、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の離型性かつ耐熱性のよい材料を選択することができる。
【0080】
離型層3の厚さは1〜100μmが好ましい。離型層3の厚さが1μmよりも小さいと塗膜の塗ムラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足するといった問題が発生する。また、離型層が100μmを超えると熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂系の離型層の場合は硬度が高くなりすぎ、弾性層2の効果がなくなってしまう。
【0081】
また図10に示すように、発熱層1のフィルムガイド面側(発熱層1の弾性層2とは反対面側)に断熱層4を設けてもよい。
【0082】
断熱層4としては、フッ素樹脂(PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂)、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂などの耐熱樹脂がよい。
【0083】
また、断熱層4の厚さとしては10〜1000μmが好ましい。断熱層4の厚さが10μmよりも小さい場合には断熱効果が得られず、また、耐久性も不足する。一方、1000μmを超えると磁性コア17a・17b・17c及び励磁コイル18から発熱層1の距離が大きくなり、磁束が十分に発熱層1に吸収されなくなる。
【0084】
断熱層4は、発熱層1に発生した熱が定着フィルムの内側に向かわないように断熱できるので、断熱層4がない場合と比較して記録材P側への熱供給効率が良くなる。よって、消費電力を抑えることができる。
【0085】
C)装置の温度制御
次に、本発明の特徴である定着フィルム10の発熱域Hに配設した温度検知素子28で測定した温度結果に基づいて予熱状態を判断し温度制御を行う方法について、図11〜図13を用いて詳細に説明する。
【0086】
図11は画像形成装置本体の<電源ON>、<ウォームアップ>、<レディ>、<スタンバイ>、<プリント>または<スリープ>の順に遷移する状態を示すフローチャートである。
【0087】
図12の横軸は時間軸を示し、左側から画像形成装置本体の<電源ON>、<ウォームアップ>、<レディ>、<スタンバイ>の順に遷移する状態を示す。
【0088】
図13は左側から画像形成装置本体の<電源ON>、<ウォームアップ>、<レディ>、<スタンバイ>、<プリント>、<スタンバイ>の順に遷移する状態を示す。
【0089】
また、図12・図13の両図とも、縦軸は上から定着フィルムの回転状態、定着フィルム温度、電力制御のON幅を示す。
【0090】
図中の定着フィルム温度の曲線は発熱位置温度(図6、発熱域Hの位置)と排紙側温度(不図示、図6におけるθ=πの位置)の温度変化を示している。
【0091】
以下、図11と図12を用いて、定着フィルム10の発熱域Hに配設した温度検知素子28で測定した温度結果に基づいて予熱状態を判断し温度制御を行う方法の一例として、スタンバイ中の予備加熱温度切替えについて説明する。
【0092】
画像形成装置の<電源ON>により<ウォームアップ>を開始する。この時、定着フィルム10の回転を開始し、加熱がONされる。一度定着フィルム10の温度を180℃まで立ち上げたところで<レディ>とし、<スタンバイ>に移行する。
【0093】
スタンバイ状態(プリント信号の入力を待つスタンバイ中)では、定着フィルム10の回転が停止しており(定着フィルム10を回転停止させた状態)、定着フィルム10の発熱域Hを所定の予熱温度に保つための温調を行う。この温調は定着フィルム10内面の発熱域(発熱領域)Hに当接したサーミスタ28によって検知した温度(検知温度)にもとづいて制御回路CPUと励磁回路27により制御される。温調制御は励磁コイル18に印加する高周波電流の周波数を変え、供給する電力を調整することにより行う。
【0094】
本例では電圧共振タイプのスイッチングを行い、図16に示すように、スイッチングのON幅(励磁コイルに対する通電オン状態の時間)を1〜25[μsec](25μsecを100%とすると4〜100%)の間で可変、OFF幅(励磁コイルに対する通電オフ状態の時間)を15[μsec]で固定とし、ON幅を制御することで電力の制御を行う。即ち、ゼロではない最小電力から最大電力の間で可変制御を行う電力制御を行う。周波数に換算すると62.5〜25[kHz]=1/(1+15)〜1/(25+15)[μsec−1]となる。
【0095】
図12において、電力制御はON幅を最小4%〜最大100%の間で可変制御し、発熱域の温度を第1予熱温度に維持するのに必要な電力を供給する(領域A)。ON幅が最小値(4%)となり発熱域温度が徐々に上昇し(領域B)、第1予熱温度よりも+5℃高くなったことを検知したところで電力OFFする。即ち、サーミスタ28の検知温度が第1予熱温度を維持するように前記周波数を制御している時のON幅が所定の最小値に達しているにも拘わらずサーミスタ28の検知温度が第1予熱温度より高い所定温度を超えると、励磁回路27から励磁コイル18への電力供給を遮断する。電力OFFしている期間は発熱域の温度が第1予熱温度を下回ったことをサーミスタ28が検知するまでとする(領域C)。前記検知後、ON幅可変制御を再開する(領域D)。即ち、電力供給遮断状態でサーミスタ28の検知温度が第1予熱温度を下回ると検知温度が第1予熱温度を維持するように前記周波数の制御を再開する。つまり、0%〜4%の間はON幅可変制御を行わない。以後、ON幅可変制御と電力OFF制御を繰り返す。なお、電力OFFする温度を{予熱温度+5℃}としたが、この温度はプラスの範囲内で任意に設定可能である。
【0096】
ここで、定着フィルム10の内部を構成する磁場発生手段17a・17b・17c,18、フィルムガイド16a・16bなどの部材を定着内部ユニットとする。
【0097】
定着内部ユニットの熱的状態によって複数の予備加熱温度を切替える。本例では、2段階の予備加熱温度を設定して定着内部ユニットの温度が低い場合と高い場合で切替えを行う。
【0098】
2段階の予備加熱温度は、それぞれ第1予熱温度(170℃)、第2予熱温度(120℃)とする。
【0099】
スタンバイ中の加熱ONの時間をTon、OFFの時間をToffとし、Toffを挟んで、前後の加熱ON時間をTon(前)、Ton(後)とする。このTon(前)とTon(後)の時間を比較することで、定着内部ユニットの熱的状態を判断する。定着内部ユニットが冷えている場合は、定着フィルムから定着内部ユニットへの熱流が発生し、Ton(前)−Ton(後)<0という状態が続く。予備加熱により定着内部ユニットが温まると、定着フィルムから内部ユニットへの熱流が減少し、Ton(前)−Ton(後)≧0という状態になる。この条件(関係)を満足した場合に、制御回路CPUで一段低い第2予熱温度に変更する。即ち、電力供給遮断期間直後の周波数制御期間が前記電力供給遮断期間直前の周波数制御期間より短くなると第1予熱温度を第2予熱温度に下げてサーミスタ28の検知温度が第2予熱温度を維持するように前記周波数を制御して励磁回路27から励磁コイル18へ電力供給する。第2予熱温度の制御方法は第1予熱温度と同様の制御を行うため説明は省略する。
【0100】
この後にプリント信号が入った場合は、通常の<プリント>を行い、プリント後はスタンバイの第2予熱温度に移行する。これは、一度、第2予熱温度に移行した後のプリントのため、定着内部ユニットが十分に温まっているためである。
【0101】
なお、プリント後に第1予熱温度に移行しても問題はない。これは、定着内部ユニットが十分に温まっているため、短時間でTon(前)−Ton(後)≧0という状態になり、すぐに第2予熱温度に移行するからである。
【0102】
所定時間経過してもプリント信号が入らない場合は、<スリープ>に移行し、加熱を停止する。スリープ状態からのリカバリーは<ウォームアップ>から行う。
【0103】
なお、プリント信号は、<レディ>後は常時受け付けており、どの状態からでも<プリント>動作に移行できる。
【0104】
次に、図11の▲1▼〜▲2▼の状態からプリント信号が入った場合、つまり、第1予熱温度でスタンバイ中にプリント信号が入った場合について、図13を用いて説明する。
【0105】
図13では、第1予熱温度でスタンバイ中に5枚の連続プリントを行った。プリント信号が入る前までは前述と同様のため説明を省略する。プリント終了後は<スタンバイ>の第1予熱温度に移行する。これは、第2予熱温度に移行する前にプリントが実行されたため、定着内部ユニットが第2予熱温度に移行しても良い状態か判断できないためである。図13では、定着内部ユニットが十分温まっていない状態でスタンバイに移行した場合である。スタンバイ後すぐの状態は加熱ON時間が徐々に長くなり、Ton(1)<Ton(2)<Ton(3)、つまり、Ton(前)−Ton(後)<0の状態が続く。そして、加熱ON時間がTon(3)>Ton(4)となり、Ton(前)−Ton(後)≧0を満足して第2予熱温度に移行する。Ton(前)<Ton(後)の状態が続く時間、つまり、Ton(n),(n=1,2,3,・・・)は、定着内部ユニットの温まり具合で変化し、冷えている場合は長く、温まっている場合は短くなるように自動調整される。
【0106】
なお、Ton(前)−Ton(後)≧Toとし、To≧0という条件を設定することで、To=0近辺で発生する制御演算上のふらつきなどによる予備加熱温度の切替タイミングのばらつきを防止することができる。たとえば、To=0.1secとすることでTonの前後比較結果が安定し、予備加熱温度を安定した切替タイミングが得られる。
【0107】
定着フィルム10が停止した状態でスタンバイを行う場合、定着フィルム10が低熱容量であるため、定着内部ユニットの温度によって定着フィルムの昇温速度に影響がある。これは、定着内部ユニットの温度が低いと定着フィルムの熱量の一部が定着内部ユニットの温度上昇のために使われてしまうためである。また、停止した状態で比較的熱容量の小さい定着フィルムの一部を加熱すると、定着フィルムの1周の位置によって温度勾配が生じる。図12、図13にウォームアップ後のスタンバイ状態で予備加熱中の定着フィルムの発熱位置温度と排紙側温度を示しているが、排紙側の温度は65℃程度まで低下し、170℃で予備加熱を行っている場合には温度差として100℃以上生じることもある。
【0108】
しかしながら、第1予熱温度は上記のような温度差が生じても、プリント信号を受け付けてから記録材Pが定着ニップNに到達するまでに十分定着可能温度まで上昇させることが可能な温度に設定することで、定着不良を発生させることなく、良質な定着画像を得ることができる。また、定着内部ユニットが温まると、より低い予備加熱温度でも、プリント信号を受け付けてから記録材Pが定着ニップNに到達するまでに十分定着可能温度まで上昇させることが可能となる。
【0109】
実験例として、以下の3条件において上記予備加熱の制御を行って、効果の確認を行った。どの条件も、加熱装置が十分に冷えた朝一の状態から定着可能温度まで加熱する時間(ウォームアップ時間)よりもファースト・プリント・アウト・タイム(FPOT)の方が短い条件である。
【0110】
【表1】
【0111】
なお、加熱装置(定着装置)100の構成として、定着フィルム10:内径φ35mm×長さ370mm(発熱層1:ニッケル電鋳50μm、弾性層2:シリコーンゴム300μm(JIS−A硬度5°)、離型層3:PFA30μm)、加圧ローラ30:外径φ25mm×360mm(芯金30a:鉄φ19mm、弾性層30a:シリコーンゴム3mm、離型層:PFA50μm)、ニップ幅6.5〜7.0mm、加圧力25Nのものを用いた。
【0112】
実験例1〜3において、あらゆる条件で、プリント信号を受け付けてから記録材Pが定着ニップNに到達するまでに定着フィルムを定着可能温度まで上昇させることができた。
【0113】
なお、実験例に用いた条件のほかに、加熱装置の定着条件や画像形成装置により設定される条件に合わせて、本発明の予備加熱温度は適宜設定可能とする。
【0114】
本発明により、スタンバイ中に、比較的熱容量の小さい定着フィルム10の一部を停止した状態で加熱し、定着フィルム10の1周の位置によって大きな温度勾配が生じる場合でも、プリントが開始されてから記録材Pの先端が定着ニップ部Nに到達する前に安定して定着フィルム10の温度を定着可能温度まで上昇させることが可能となった。
【0115】
定着内部ユニットの温度が低い場合には定着フィルム10の温度を高くし、定着内部ユニットの温度が高くなってくると定着フィルム10の温度を低くしても、プリントが開始されてから記録材Pの先端が定着ニップ部Nに到達する前に安定して定着フィルム10の温度を定着可能温度まで上昇させることが可能となった。
【0116】
なお、予備加熱温度は必要に応じて3段階以上設定することができる。
【0117】
また、電力制御方法としては、前記高周波スイッチングのON幅可変/OFF幅固定制御のほかに、ON幅固定/OFF幅可変制御、周波数固定のON/OFF幅デューティ制御、ON/OFF比固定の周波数制御などの制御を用いることができる。
【0118】
さらに、本発明による予備加熱温度の切替制御は、入力電圧による電力変動にも有効である。入力電圧が高く、入力電力が大きい場合には、Ton(前)<Ton(後)の状態からTon(前)≧Ton(後)の状態へ切り替わるタイミングが早くなるが、入力電力が大きいことでスタンバイ状態から定着温度まで立ち上げるウォームアップ時間が短くなるため、定着内部ユニットの温度が比較的低い状態でも、低い予備加熱温度からの立ち上げが可能となる。よって、不必要に多くの電力を消費することなく、低い予備加熱温度に変更されることも確認できた。
【0119】
定着フィルム10の予備加熱温度は、記録材P上の未定着トナー像tを過加熱して定着フィルム10上に付着してしまう温度、つまりホットオフセットする温度未満に設定すると良い。これは、ホットオフセット温度以上でプリントが開始されると良質な画像を得ることができないためである。
【0120】
さらに、定着フィルム10の温度は、定着フィルムを構成する部材の耐熱温度以下で使用しなければならない。
【0121】
また、本例では温度検知素子28を長手中央に配設したが、記録材が通紙される部分の温度状態を把握するために、温度検知素子は通紙域内に配設するのが望ましい。
【0122】
上記の制御を行うことで、図11に示すように、記録材Pの先端が加熱装置100に到達する時点では、定着フィルム10の表面温度は定着可能温度に達しており、これにより、カラー画像であっても定着不良が発生することがなく、ファースト・プリント・アウト・タイム(FPOT)の短縮が実現できた。
【0123】
本実施形態の制御のように、スタンバイ中に、電磁誘導発熱する回転体である定着フィルム10を停止させておくことにより、画像形成装置の使用頻度が低く、スタンバイ状態が長くなる場合でも、加熱装置100の耐久寿命のうちスタンバイにおける定着フィルム10の回転比率はゼロとなるため、スタンバイによるプリントできる枚数の減少をなくすことができた。
【0124】
また、無駄なエネルギーの投入を抑制することができるため装置内昇温に有利であり、省エネルギーにも役立つ。
【0125】
[第2の実施形態例]
本実施形態例においては、第1の実施形態例と同様の部分については説明を省略するもとのとし、以下に、本実施形態例の特徴となる部分について説明する。
【0126】
図14および図15は、第1の実施形態例における図12および図13にそれぞれ対応しており、その動作については、第1の実施形態例と同様に図11のフローチャートに従う。
【0127】
本例においては、スタンバイ中における予備加熱の電力制御を固定値で行っている。第1予熱温度のON幅として8%、第2予熱温度のON幅として4%とした。
【0128】
第1予熱温度のON幅を8%としたのは、図12におけるTon(前)の領域においてON幅が4%以上の領域が大半を占め、もし、この領域でON幅を仮に4%とすると、電力が不足して発熱位置温度の第1予熱温度(170℃)を維持できなくなるためである。このため、予熱温度を十分維持できるON幅を設定した。第2予熱温度(120℃)については同様の条件を考慮した上でON幅として4%とした。
【0129】
即ち、スタンバイ中は前記ON幅を固定し前記周波数を所定周波数とした状態で励磁コイル18へ電力供給する。ON幅を第1のON幅に固定した状態で電力供給している時にサーミスタ28の検知温度が第1予熱温度より高い所定温度を超えると、励磁回路17から励磁コイル18への電力供給を遮断する。そして、電力供給遮断状態でサーミスタ28の検知温度が第1予熱温度を下回るとON幅を再び第1のON幅として電力供給を再開する。電力供給遮断期間直後の第1のON幅での電力供給期間が電力供給遮断期間直前の第1のON幅での電力供給期間より短くなると第1予熱温度を第2予熱温度に下げて且つON幅を第1のON幅より短い第2のON幅に設定してサーミスタ28の検知温度が第2予熱温度を維持するように電力供給する。
本実施形態例においても、第1の実施形態例と同様の効果を得ることができた。
【0130】
なお、固定のON幅の値については、加熱装置の定着条件や画像形成装置により設定される条件に合わせて適宜設定可能とする。
【0131】
[その他の実施形態例]
前記の実施形態では、トナーに低軟化物質を含有させたトナーを使用したため、加熱装置100にオフセット防止のためのオイル塗布機構を設けていないが、低軟化物質を含有させていないトナーを使用した場合には、オイル塗布機構を設けても良い。
【0132】
また、定着ニップ後に冷却部を設けて、冷却分離を行っても良い。また、低軟化物質を含有させたトナーを使用した場合にもオイル塗布や冷却分離を行っても良い。また、低軟化物質を含有させたトナーを使用した場合にもオイル塗布や冷却分離を行ってもよい。
【0133】
また、画像形成装置は1感光体4色カラー画像形成装置について説明したが、4感光体4色カラー画像形成装置でもよい。
【0134】
さらに、4色カラー画像形成装置について説明したが、モノクロ、1パスマルチカラー画像形成装置に適用する場合は、定着フィルム10は、弾性層2を省略し、発熱層1と離型層3だけで構成することもできる。
【0136】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、画像形成装置のスタンバイ状態において、定着フィルムを停止状態で予備加熱を行うことで、装置のスタンバイ時における定着フィルムの回転比率はゼロとなるため、装置のスタンバイ中の予備加熱を行いながらも、定着部の耐久寿命の低下を防止することができる。
【0137】
多段階の予備加熱温度を有することで、順次低い予備加熱温度に移行することで、無駄なエネルギーの投入を抑制することができるため装置内昇温に有利となり、省エネルギーにも役立つ。また、熱容量の比較的小さい定着フィルムの一部が発熱し、温度勾配が生じる定着部であっても、定着フィルムの発熱域に配設した温度検知素子だけで定着部全体の熱的状態を推測して予備加熱温度を切替えるため、簡単な構成で予備加熱温度を切替えることができる。
【0138】
画像形成装置のスタンバイ中の予備加熱によりファースト・プリント・アウト・タイム(FPOT)の短縮を実現できるし、画像形成装置の使用頻度が低く、スタンバイ状態が長くなる場合でも、定着部の耐久寿命のうちスタンバイにおける定着フィルムの回転比率はゼロとなるため、装置のスタンバイ時の定着フィルムの予備回転に起因するプリントできる枚数の減少をなくすことができる。また、多段階の予備加熱温度を有することで、順次低い予備加熱温度に移行することで、無駄なエネルギーの投入を抑制することができるため装置内昇温に有利となり、省エネルギーにも役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例に用いた画像形成装置の概略構成図
【図2】加熱装置の要部の横断側面模型図
【図3】同じく要部の正面模型図
【図4】同じく要部の縦断正面模型図
【図5】磁場発生手段と励磁回路の関係を示した図
【図6】磁場発生手段と発熱量Qの関係を示した図
【図7】安全回路を模式的に表した図
【図8】電磁誘導発熱性の定着フィルムの層構成模型図(その1)
【図9】発熱層深さと電磁波強度の関係を示したグラフ
【図10】電磁誘導発熱性の定着フィルムの層構成模型図(その2)
【図11】実施形態例の制御を示したフローチャート
【図12】第1の実施形態例の制御を示した図(その1)
【図13】第1の実施形態例の制御を示した図(その2)
【図14】第2の実施形態例の制御を示した図(その1)
【図15】第2の実施形態例の制御を示した図(その2)
【図16】電力制御の説明図
【符号の説明】
1・・発熱層、2・・弾性層、3・・離型層、4・・断熱層、10・・定着フィルム、16・・フィルムガイド部材、17・・磁性コア、18・・励磁コイル、28・・温度検知素子(サーミスタ)、50・・安全用温度検素子
Claims (2)
- 記録材にトナー像を形成する画像形成部と、
発熱層を有する定着フィルムと、前記発熱層に渦電流を発生させるための磁束を発生する励磁コイルと、前記励磁コイルに対する通電オン状態の時間であるON幅と通電オフ状態の時間であるOFF幅により定まる周波数の交番電流を前記励磁コイルへ流して前記励磁コイルへ電力を供給する励磁回路と、前記定着フィルムの発熱領域の温度を検知する温度検知素子と、前記温度検知素子の検知温度に基づいて前記励磁回路による前記周波数を制御する制御回路と、を有し、前記発熱層で発生する熱を利用して記録材上のトナー像を記録材に加熱定着する定着部と、
を有し、プリント信号の入力を待つスタンバイ中、前記定着フィルムを回転停止させた状態で前記検知温度が所定の予熱温度を維持するように前記制御回路が前記励磁回路を制御する画像形成装置において、
前記検知温度が前記予熱温度を維持するように前記周波数を制御している時の前記ON幅が所定の最小値に達しているにも拘わらず前記検知温度が前記予熱温度より高い所定温度を超えると、前記励磁回路から前記励磁コイルへの電力供給を遮断し、電力供給遮断状態で前記検知温度が前記予熱温度を下回ると前記検知温度が前記予熱温度を維持するように前記周波数の制御を再開し、電力供給遮断期間直後の周波数制御期間が前記電力供給遮断期間直前の周波数制御期間より短くなると前記予熱温度を第2予熱温度に下げて前記検知温度が前記第2予熱温度を維持するように前記周波数を制御して電力供給することを特徴とする画像形成装置。 - 記録材にトナー像を形成する画像形成部と、
発熱層を有する定着フィルムと、前記発熱層に渦電流を発生させるための磁束を発生する励磁コイルと、前記励磁コイルに対する通電オン状態の時間であるON幅と通電オフ状態の時間であるOFF幅により定まる周波数の交番電流を前記励磁コイルへ流して前記励磁コイルへ電力を供給する励磁回路と、前記定着フィルムの発熱領域の温度を検知する温度検知素子と、前記温度検知素子の検知温度に基づいて前記励磁回路による前記周波数を制御する制御回路と、を有し、前記発熱層で発生する熱を利用して記録材上のトナー像を記録材に加熱定着する定着部と、
を有し、プリント信号の入力を待つスタンバイ中、前記定着フィルムを回転停止させた状態で前記検知温度が所定の予熱温度を維持するように前記制御回路が前記励磁回路を制御する画像形成装置において、
前記スタンバイ中は前記ON幅を固定し前記周波数を所定周波数とした状態で前記励磁コイルへ電力供給し、前記ON幅を第1のON幅に固定した状態で電力供給している時に前記検知温度が前記予熱温度より高い所定温度を超えると、前記励磁回路から前記励磁コイルへの電力供給を遮断し、電力供給遮断状態で前記検知温度が前記予熱温度を下回ると前記ON幅を再び前記第1のON幅として電力供給を再開し、電力供給遮断期間直後の前記第1のON幅での電力供給期間が前記電力供給遮断期間直前の前記第1のON幅での電力供給期間より短くなると前記予熱温度を第2予熱温度に下げて且つ前記ON幅を第1のON幅より短い第2のON幅に設定して前記検知温度が前記第2予熱温度を維持するように電力供給することを特徴とする画像形成装置。
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