JP2002169393A - 加熱装置及びこの加熱装置を備える画像形成装置 - Google Patents

加熱装置及びこの加熱装置を備える画像形成装置

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JP2002169393A
JP2002169393A JP2000368781A JP2000368781A JP2002169393A JP 2002169393 A JP2002169393 A JP 2002169393A JP 2000368781 A JP2000368781 A JP 2000368781A JP 2000368781 A JP2000368781 A JP 2000368781A JP 2002169393 A JP2002169393 A JP 2002169393A
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Minoru Hayashizaki
実 林崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期電力投入時に磁束発生手段や磁束発生手
段に接続された回路の負荷が異常状態であるか否かを検
知すると共に、上記回路へのラッシュ電流を低減して装
置の立ち上げをすることができる加熱装置及びこの加熱
装置を備える画像形成装置を提供する。 【解決手段】 励磁コイル18へ供給可能な最大電力よ
り低い小電力で励磁コイル18へ所定時間に亘り電力供
給した後に最大電力での電力供給を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像を担持する記
録材を加熱処理する加熱装置及びこの加熱装置を備える
画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機、プリンタ等の画像形成装置に備
えられた加熱装置の一例としては、電子写真プロセス、
静電記録プロセス、磁気記録プロセス等の適宜の画像形
成プロセスによって画像情報に応じて形成された画像
(トナー画像)を転写方式或は直接方式にて担持させた
記録材(転写材シート、エレクトロファックスシート、
静電記録紙、OHPシート、印刷用紙、フォーマット紙
等)を加熱処理することにより上記画像を上記記録材に
定着させ永久固着画像とする定着装置が知られている。
【0003】かかる定着装置にあっては、一般に熱ロー
ラ方式が広く用いられている。又、近年では、クイック
スタートや省エネルギーの観点から、ベルト加熱方式を
採用する装置が実用化され、更に、電磁誘導加熱方式を
採用する装置も提案されている。
【0004】熱ローラ方式を採用する定着装置は、互い
に圧接回転する定着ローラ(加熱ローラ)及び加圧ロー
ラの圧接ローラ対を基本構成とし、該圧接ローラ対を回
転させ、該圧接ローラ対の相互圧接部である定着ニップ
部に、画像定着すべき未定着トナー画像を形成担持させ
た記録材を導入して挟持搬送させて、定着ローラからの
熱と、定着ニップ部の加圧力とによって未定着トナー画
像を上記記録材面に熱圧定着させるものである。
【0005】定着ローラは、一般に、アルミニウムの中
空金属ローラを基体(芯金)とし、その内空に熱源とし
てのハロゲンランプを挿入配設してあり、ハロゲンラン
プの発熱で加熱され、外周面が所定の定着温度に維持さ
れるようにハロゲンランプへの通電が制御されて温調さ
れる。
【0006】特に、最大4層のトナー画像層を十分に加
熱溶融させて混色させる能力を要求される、フルカラー
の画像形成を行う画像形成装置の定着装置としては、定
着ローラの芯金を高い熱容量を有するものにし、又、そ
の芯金外周にトナー画像を包み込んで均一に溶融するた
めのゴム弾性層を具備させ、そのゴム弾性層を介してト
ナー画像の加熱を行っている。又、加圧ローラ内にも熱
源を具備させて加圧ローラも加熱し温調する構成にした
ものもある。
【0007】しかし、熱ローラ方式の定着装置は、画像
形成装置の電源をオンにして同時に定着装置の熱源であ
るハロゲンランプに通電を開始しても、定着ローラの熱
容量が大きく、定着ローラ等が冷え切っている状態時か
ら所定の定着可能温度に立ち上がるまでにはかなりの待
ち時間(ウェイトタイム)を要し、クイックスタート性
に欠ける。又、画像形成装置のスタンバイ状態時(非画
像出力時)も何時でも画像形成動作が実行できるように
ハロゲンランプに通電して定着ローラを所定の温調状態
に維持させておく必要があり、電力消費量が大きい等の
問題があった。
【0008】又、上述のフルカラーの画像形成装置に備
えられた定着装置のように、特に熱容量の大きな定着ロ
ーラを用いるものにおいては、温調と定着ローラ表面の
昇温とに遅延が発生するため、定着不良や光沢ムラやオ
フセット等の問題が発生していた。
【0009】一方、フィルム加熱方式の定着装置は、例
えば、特開昭63−313182号公報、特開平2−1
57878号公報、特開平4−44075号公報、特開
平4−204980号公報等に提案されている。
【0010】即ち、フィルム加熱方式の定着装置は、一
般に、耐熱性フィルム(定着フィルム)を介して加熱体
としてのセラミックヒータと加圧部材としての加圧ロー
ラとを圧せさせて定着ニップ部を形成させ、該定着ニッ
プ部で定着フィルムと加圧ローラとの間に、画像定着す
べき未定着トナー画像を形成担持させた記録材を導入し
て定着フィルムと一緒に挟持搬送させることで、定着ニ
ップ部においてセラミックヒータの熱をフィルムを介し
て記録材に与えると共に、定着ニップ部の加圧力にて未
定着トナー画像を記録材面に熱圧定着させるものであ
る。
【0011】このフィルム加熱方式の定着装置は、セラ
ミックヒータ及び定着フィルムとして低熱容量の部材を
用いてオンデマンドタイプの装置を構成することがで
き、画像形成装置の画像形成実行時のみ熱源としてのセ
ラミックヒータに通電して所定の定着温度に発熱させた
状態にすればよく、画像形成装置の電源オンから画像形
成実行可能状態までの待ち時間が短く(クイックスター
ト性)、スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい(省電
力)等の利点がある。
【0012】しかし、大きな熱量が要求されるフルカラ
ー画像形成装置や高速機種用の定着装置としては熱量的
に難点がある。
【0013】ここで、誘導加熱方式を採用する定着装置
について説明する。
【0014】実開昭51−109739号公報には、磁
束により加熱部材たる定着ローラに電流を誘導させてジ
ュール熱によって発熱させる誘導加熱方式を採用する定
着装置が開示されている。これは、誘導電流の発生を利
用することで直接定着ローラを発熱させることができ、
ハロゲンランプを熱源として用いた熱ローラ方式の定着
装置よりも高効率の定着プロセスを達成している。
【0015】しかしながら、従来では、磁束発生手段と
しての励磁コイルにより発生した交番磁束のエネルギー
が定着ローラ全体の昇温に使われるため放熱損失が大き
く、投入エネルギーに対する定着エネルギーの密度が低
く効率が悪いという欠点があった。
【0016】そこで、定着に作用するエネルギーを高密
度で得るために発熱体である定着ローラに励磁コイルを
接近させたり、励磁コイルの交番磁束分布を定着ニップ
部近傍に集中させたりして、高効率の定着装置が考案さ
れた。
【0017】図16に、励磁コイルの交番磁束分布を定
着ニップに集中させて効率を向上させた誘導加熱方式の
定着装置の一例の概略構成を示す。
【0018】図16に示す定着装置は、磁束発生手段2
15と、加熱部材たる定着フィルム210と、加圧部材
たる加圧ローラ230とを備えている。
【0019】定着フィルム210は、電磁誘導発熱層
(導電体層、磁性体層、抵抗体層)を有する円筒状の電
磁誘導発熱性の回転体である。又、定着フィルム210
は、横断面略半円弧状樋型のフィルムガイド部材216
の外周にルーズに外嵌されて回転自在となっている。
【0020】磁束発生手段215は、励磁コイル218
とE型の励磁コア(芯材)217とを有し、フィルムガ
イド部材216の内側に配設されている。
【0021】加圧ローラ230は、弾性を有し、定着フ
ィルム210を介してフィルムガイド部材216の下面
に所定の加圧力をもって圧せられ所定幅のニップ領域た
る定着ニップ部Nを形成するようになっている。磁束発
生手段215の磁性コア217は、定着ニップ部Nに対
応位置させて配設されている。
【0022】加圧ローラ230は、駆動手段Mにより図
16の矢印の反時計方向に回転駆動される。この加圧ロ
ーラ230の回転駆動による加圧ローラ230と定着フ
ィルム210の外面との摩擦力によって、定着フィルム
210に回転力が作用して、定着フィルム210がその
内面が定着ニップ部Nにおいてフィルムガイド部材21
6の下面に密着して摺動しながら図16の矢印の時計方
向に加圧ローラ230の回転周速度にほぼ対応した周速
度をもってフィルムガイド部材216の外回りを回転す
ることとなる(加圧ローラ駆動方式)。
【0023】フィルムガイド部材216は、定着ニップ
部Nへの加圧、磁束発生手段215の励磁コイル218
及び磁性コア217の支持、定着フィルム210の支
持、定着フィルム210の回転時の搬送安定性を図る役
目を有している。又、このフィルムガイド部材216
は、磁束の通過を妨げない絶縁性の部材であり、高い荷
重に耐えられる材料が用いられる。
【0024】励磁コイル218は、励磁回路(図示せ
ず)から供給される交番電流によって交番磁束を発生す
る。該交番磁束は、定着ニップ部Nの位置に対応してい
るE型の磁性コア217により定着ニップ部Nに集中的
に分布し、その交番磁束は定着ニップ部Nにおいて定着
フィルム210の電磁誘導発熱層に渦電流を発生させ
る。この渦電流は電磁誘導発熱層の固有抵抗によって電
位誘導発熱層にジュール熱を発生させる。
【0025】この定着フィルム210の電磁誘導発熱
は、交番磁束を集中的に分布させた定着ニップ部Nにお
いて集中的に生じて定着ニップ部Nが高効率に加熱され
る。
【0026】定着ニップ部Nの温度は、温度検知手段2
26を含む温調系により、制御手段(図示せず)によっ
て励磁コイル18に対する電流供給が制御されることで
所定の温度が維持されるように温調される。
【0027】而して、加圧ローラ230が回転駆動さ
れ、それに伴って円筒状の定着フィルム210がフィル
ムガイド部材216の外回りを回転し、上記励磁回路か
ら励磁コイル218への給電により上述のように定着フ
ィルム210の電磁誘導発熱がなされて定着ニップ部N
が所定の温度に立ち上がって温調された状態において、
画像形成手段部(図示せず)から搬送され未定着のトナ
ー画像tを担持する記録材Pが定着ニップ部Nの定着フ
ィルム210と加圧ローラ230との間に、画像面が上
向き、即ち定着フィルム面に対向して導入され、定着ニ
ップ部Nにおいて画像面が定着フィルム210の外面に
密着して定着フィルム210と一緒に定着ニップ部Nを
挟持搬送されていく。この定着ニップ部Nを定着フィル
ム210と一緒に記録材Pが挟持搬送されていく過程に
おいて定着フィルム210の電磁誘導発熱で加熱されて
記録材P上の未定着のトナー画像tが加熱定着される。
記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると、回転する定着
フィルム210の外面から分離して排出搬送されてい
く。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の構成のような定着装置(加熱装置)では、磁束発
生手段の励磁コイルと加熱部材である定着フィルムとが
冷えている状態で定着装置に電力投入を行うと、励磁コ
イルを構成している導線と負荷である定着フィルムを構
成している金属との抵抗値に基づく表皮抵抗が小さいた
めに、励磁コイルに接続された回路に大きなラッシュ電
流が流れることになり、該回路を構成するスイッチ素子
に大電流のものを使用しなければならなくなっていた。
【0029】又、従来では、励磁コイルの接続ミス等が
発生した状態で最大電力を印加しようとするため、励磁
コイルの種類によっては電力が入らない、或は、励磁コ
イルのための回路に大きな負担を掛けてしまう場合があ
った。
【0030】そこで、本発明は、初期電力投入時に磁束
発生手段や磁束発生手段に接続された回路の負荷が異常
状態であるか否かを検知すると共に、上記回路へのラッ
シュ電流を低減して装置の立ち上げをすることができる
加熱装置及びこの加熱装置を備える画像形成装置の提供
を目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】本出願によれば、上記目
的は、電源から電力を受け磁束を発生させる磁束発生手
段と、軸線まわりに回転自在な中空円筒状をなし該磁束
発生手段による磁束により誘導電流を発生させ発熱する
加熱部材と、加熱部材と圧接してニップ領域を形成し回
転する加圧部材とを備え、画像を担持する記録材を上記
ニップ領域に通紙しながら加熱処理する加熱装置であっ
て、ニップ領域の温度を検知する温度検知手段と、該温
度検知手段によって検知された温度が所定温度になるよ
う電源から磁束発生手段への電力供給を制御する制御手
段とを備える加熱装置において、制御手段は、電源から
磁束発生手段へ供給可能な最大電力より低い小電力で電
源から磁束発生手段へ所定時間に亘り電力供給した後に
最大電力での電力供給が可能となっているという第一の
発明によって達成される。
【0032】又、本出願によれば、上記目的は、第一の
発明において、所定時間に亘る電源から磁束発生手段へ
の小電力での電力供給中における上記電源から上記磁束
発生手段への電流値を検知する電流検知手段を備え、制
御手段は、該電流検知手段によって検知された電流値に
対応して上記電源から上記磁束発生手段への供給電力の
最大値が設定されているという第二の発明によっても達
成される。
【0033】更に、本出願によれば、上記目的は、第一
の発明又は第二の発明において、所定時間に亘る電源か
ら磁束発生手段への小電力での電力供給中における上記
電源から上記磁束発生手段への電流値を検知する電流検
知手段を備え、制御手段は、該電流検知手段によって検
知された電流値に対応して上記電源から上記磁束発生手
段への供給電力の最小値が設定されているという第三の
発明によっても達成される。
【0034】又、本出願によれば、上記目的は、第一の
発明乃至第三の発明のいずれかにおいて、所定時間に亘
る電源から磁束発生手段への小電力での電力供給中にお
ける上記電源から上記磁束発生手段への電流値を検知す
る電流検知手段を備え、所定時間に亘る電源から磁束発
生手段への小電力での電力供給中に上記電流検知手段に
よって検知された電流値に基づき、装置が異常状態であ
るか否かを判断するよう設定されているという第四の発
明によっても達成される。
【0035】更に、本出願によれば、上記目的は、第一
の発明乃至第四の発明のいずれかにおいて、所定時間に
亘る電源から磁束発生手段への小電力での電力供給中に
温度検知手段によって検知された温度に基づき、装置が
異常状態であるか否かを判断するよう設定されていると
いう第五の発明によっても達成される。
【0036】又、本出願によれば、上記目的は、一連の
画像形成プロセスによって形成された画像を記録材に記
録する画像形成装置であって、第一の発明乃至第五の発
明のいずれかの加熱装置を備えるという第六の発明によ
っても達成される。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に関し
て、添付図面に基づき説明する。
【0038】(第一の実施形態)先ず、本発明の第一の
実施形態について説明する。
【0039】図1は、本実施形態にかかる画像形成装置
の一例を示す概略構成図である。図1に示す本実施形態
の画像形成装置は電子写真カラープリンタである。
【0040】本実施形態にかかる画像形成装置は、有機
感光体やアモルファスシリコン感光体で形成された感光
体ドラム(像担持体)101を備えている。
【0041】かかる画像形成装置にあっては、先ず、感
光体ドラム101が図1の矢印の反時計方向に所定のプ
ロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0042】そして、感光体ドラム101はその回転過
程で帯電ローラ等の帯電装置102によって所定の極性
及び電位の一様な帯電処理を受ける。
【0043】次いで、その帯電処理面にレーザ光学箱
(レーザスキャナー)110から出力されるレーザ光1
03による、目的の画像情報の走査露光処理を受ける。
レーザ光学箱110は、画像読み取り装置等の画像信号
発生装置(図示せず)からの目的画像情報の時系列電気
デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ)したレ
ーザ光103を出力して、回転する感光体ドラム101
の表面を走査露光し、感光体ドラム101上に目的画像
情報に対応した静電潜像が形成される。レーザ光学箱1
10から出力されたレーザ光103は、ミラー109に
よって感光体ドラム101の露光位置に偏向される。
【0044】フルカラー画像形成の場合は、目的のフル
カラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成
分画像についての走査露光、潜像形成がなされ、その潜
像が4色カラー現像装置104のうちのイエロー現像器
104Yの作動でイエロートナー画像として現像され
る。
【0045】そのイエロートナー画像は、感光体ドラム
101と中間転写体ドラム105との接触部(或いは近
接部)である一次転写部T1において中間転写体ドラム
105の面に転写される。
【0046】中間転写体ドラム105面に対するトナー
画像転写後の回転する感光体ドラム101面は、クリー
ナ107により転写残りトナー等の付着残留物の除去を
受けて清掃される。
【0047】上記のような、帯電、走査露光、現像、一
次転写、清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー
画像の第2の色分解成分画像(例えばマゼンタ成分画
像、マゼンタ現像器104Mが作動)、第3の色分解成
分画像(例えばシアン成分画像、シアン現像器104C
が作動)、第4の色分解成分画像(例えば黒成分画像、
黒現像器104BKが作動)の各色分解成分画像につい
て順次実行され、中間転写体ドラム105面にイエロー
トナー画像、マゼンタトナー画像、シアントナー画像、
黒トナー画像の計4色のトナー画像が順次重ねて転写さ
れて、目的のフルカラー画像に対応したカラートナー画
像が合成形成される。
【0048】中間転写体ドラム105は、金属ドラム上
に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層とを有するもので、感
光体ドラム101に接触して或いは近接して感光体ドラ
ム101と略同じ周速度で図1に示す矢印の時計方向に
回転駆動され、中間転写体ドラム105の金属ドラムに
バイアス電位を与えて感光体ドラム101との電位差で
感光体ドラム101側のトナー画像を中間転写体ドラム
105面側に転写させる。
【0049】上記の回転する中間転写体ドラム105面
に合成形成されたカラートナー画像は、回転する中間転
写体ドラム105と転写ローラ106との接触ニップ部
である二次転写部T2において、二次転写部T2に給紙
部(図示せず)から所定のタイミングで送り込まれた記
録材Pの面に転写されていく。転写ローラ106は記録
材Pの背面からトナーと逆極性の電荷を供給することで
中間転写体ドラム105面側から記録材P側へ合成カラ
ートナー画像を順次に一括転写する。
【0050】二次転写部T2を通過した記録材Pは、中
間転写体ドラム105の面から分離されて加熱装置たる
定着装置100へ導入され、未定着トナー画像の加熱定
着処理を受けてカラー画像形成物として機外の排紙トレ
ー(図示せず)に排出される。定着装置100について
は後で詳述する。
【0051】記録材Pに対するカラートナー画像転写後
の回転する中間転写体ドラム105は、クリーナ108
により転写残りトナーや紙粉等の付着残留物の除去を受
けて清掃される。このクリーナ108は常時中間転写体
ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写
体ドラム105から記録材Pに対するカラートナー画像
の二次転写実行過程において中間転写体ドラム105に
接触状態に保持される。
【0052】又、転写ローラ106も、常時は中間転写
体ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転
写体ドラム105から記録材Pに対するカラートナー画
像の二次転写実行過程において中間転写体ドラム105
に記録材Pを介して接触状態に保持される。
【0053】本実施形態にかかる画像形成装置は、白黒
画像等のモノカラー画像のプリントモードも実行できる
ようになっている。又、両面画像プリントモード、或い
は多重画像プリントモードも実行できるようになってい
る。
【0054】両面画像プリントモードの場合は、定着装
置100を出た1面目画像プリント済みの記録材Pは、
再循環搬送機構(図示せず)を介して表裏反転されて再
び二次転写部T2へ送り込まれて2面に対するトナー画
像転写を受け、再度、定着装置100に導入されて2面
に対するトナー画像の定着処理を受けることで両面画像
プリントが出力される。
【0055】多重画像プリントモードの場合は、定着装
置100を出た1回目画像プリント済みの記録材Pは、
再循環搬送機構(図示せず)を介して表裏反転されずに
再び二次転写部T2へ送り込まれて1回目画像プリント
済みの面に2回目のトナー画像転写を受け、再度、定着
装置100に導入されて2回目のトナー画像の定着処理
を受けることで多重画像プリントが出力される。
【0056】ここで、定着装置100について詳述す
る。
【0057】本実施形態の定着装置100は、電磁誘導
加熱方式を採用するの装置である。
【0058】図3は、本実施形態の定着装置100の要
部の横断側面模型図であり、図4は、その要部の正面模
型図であり、図5は、その要部の縦断正面模型図であ
る。
【0059】本実施形態の定着装置100は、磁束発生
手段15と、加熱部材たる定着フィルム10と、加圧部
材たる加圧ローラ30とを備えている。
【0060】磁束発生手段15は、磁性コア17a,1
7b,17c及び励磁コイル18を有している。
【0061】磁性コア17a,17b,17cは、高透
磁率の部材であり、フェライトやパーマロイ等といった
トランスのコアに用いられる材料がよく、より好ましく
は100kHz以上でも損失の少ないフェライトを用い
るのがよい。
【0062】励磁コイル18には、図6に示すように、
給電部18a,18bに励磁回路27が接続されてい
る。この励磁回路27は、20kHzから500kHz
までの高周波をスイッチング電源で発生できるようにな
っている。
【0063】励磁コイル18は、励磁回路27から供給
される交番電流(高周波電流)によって交番磁束を発生
するようになっている。
【0064】横断面略半円弧状樋型のベルトガイド部材
16a,16bは、開口側を互いに向かい合わせて略円
柱体を構成され、外側に円筒状の電磁誘導性発熱ベルト
である定着フィルム10がルーズに外嵌されている。
【0065】又、ベルトガイド部材16a,16bは、
磁束発生手段15に備えられた磁性コア17a,17
b,17c及び励磁コイル18を内側に保持している。
【0066】更に、ベルトガイド部材16a,16bに
は、図5に示すように紙面垂直方向長手の良熱伝導性部
材40が、ニップ領域たる定着ニップ部Nの加圧ローラ
30との対向面側で、定着フィルム10の内側に配設さ
れている。
【0067】本実施形態においては、良熱伝導性部材4
0にアルミニウムを用いている。本実施形態の良熱伝導
性部材40は、熱伝導率kがk=240[W・m-1・K
-1]であり、厚さが1[mm]である。
【0068】又、良熱伝導性部材40は、磁束発生手段
である励磁コイル18及び磁性コア17a,17b,1
7cから発生する磁場の影響を受けないように、この磁
場の外に配設されている。
【0069】具体的には、良熱伝導性部材40を励磁コ
イル18に対して磁性コア17cを隔てた位置に配設
し、励磁コイル18による磁路の外側に位置させて良熱
伝導性部材40に影響を与えないようにしている。
【0070】ベルトガイド部材16bの内面平面部に
は、横長の加圧用剛性ステイ22が当接させて配設され
ている。
【0071】磁性コア17a,17b,17c及び励磁
コイル18と加圧用剛性ステイ22の間には、その間を
絶縁するための絶縁部材である励磁コイル保持部材19
が配設されている。
【0072】フランジ部材23a,23bは、ベルトガ
イド部材16a,16bのアセンブリの左右両端部に外
嵌し、該左右両端部の位置を固定しつつ回転自在に取り
付け、定着フィルム10の回転時に定着フィルム10の
端部を受けて定着フィルム10のベルトガイド部材16
a,16bの長手方向での移動を規制する役目をする。
【0073】加圧部材としての加圧ローラ30は、芯金
30aと、芯金3aの周りに同心一体にローラ状に成形
被覆させた、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂
等の耐熱性の弾性材層30bとで構成されており、芯金
30aの両端部を装置シヤーシ側板金(図示せず)間に
回転自由に軸受け保持させて配設されている。
【0074】加圧用剛性ステイ22の両端部と装置シヤ
ーシ側のバネ受け部材29a,29bとの間にそれぞれ
加圧バネ25a,25bを縮設することで加圧用剛性ス
テイ22に押し下げ力を作用させている。これにより、
ベルトガイド部材16aの下面と加圧ローラ30の上面
とが定着フィルム10を挟んで圧せられ所定幅の定着ニ
ップ部Nが形成される。
【0075】加圧ローラ30は、駆動手段Mにより矢示
の反時計方向に回転駆動されるようになっている。この
加圧ローラ30の回転駆動による加圧ローラ30と定着
フィルム10の外面との摩擦力で定着フィルム10に回
転力が作用し、定着フィルム10がその内面が定着ニッ
プ部Nにおいて良熱伝導性部材40の下面に密着して摺
動しながら矢示の時計方向に加圧ローラ30の回転周速
度にほぼ対応した周速度をもってベルトガイド部材16
a,16bの外回りを回転状態になる。
【0076】この場合、定着ニップ部Nにおける良熱伝
導性部材40の下面と定着フィルム10の内面との相互
摺動摩擦力を低減化させるために定着ニップ部Nの良熱
伝導性部材40の下面と定着フィルム10の内面との間
に耐熱性グリス等の潤滑剤を介在させる、或いは良熱伝
導性部材40の下面を潤滑部材で被覆することもでき
る。これは、良熱伝導性部材40としてアルミニウムを
用いた場合のように表面滑り性が材質的によくない或い
は仕上げ加工を簡素化した場合に、摺動する定着フィル
ム10に傷をつけて定着フィルム10の耐久性が悪化し
てしまうことを防ぐものである。
【0077】良熱伝導性部材40は、長手方向の温度分
布を均一にする効果があり、例えば、小サイズ紙を通紙
した場合、定着フィルム10での非通紙部の熱量が、良
熱伝導性部材40へ伝熱し、良熱伝導性部材40におけ
る長手方向の熱伝導により、非通紙部の熱量が小サイズ
紙通紙部へ伝熱される。これにより、小サイズ紙通紙時
の消費電力を低減させる効果も得られる。
【0078】又、図6に示すように、ベルトガイド部材
16aの周面に、その長手に沿い所定の間隔を置いて凸
リブ部16eを形成具備させ、ベルトガイド部材16a
の周面と定着フィルム10の内面との接触摺動抵抗を低
減させて定着フィルム10の回転負荷を少なくしてい
る。
【0079】このような凸リブ部16eは、ベルトガイ
ド部材16bにも同様に形成具備することができる。
【0080】図7は、本実施形態の磁束発生手段による
交番磁束の発生の様子を模式的に表したものである。図
7において、磁束Cは発生した交番磁束の一部を表す。
【0081】磁性コア17a,17b,17cに導かれ
た交番磁束(C)は、磁性コア17aと磁性コア17b
との間、そして磁性コア17aと磁性コア17cとの間
において定着フィルム10の電磁誘導発熱層である発熱
層1に渦電流を発生させる。この渦電流は、発熱層1の
固有抵抗によって発熱層1にジュール熱(渦電流損)を
発生させる。ここでの発熱量Qは、発熱層1を通る磁束
の密度によって決まり図7のグラフような分布を示す。
図7のグラフは、縦軸が磁性コア17aの中心を0とし
た角度θで表した定着フィルム10における円周方向の
位置を示し、横軸が定着フィルム10の発熱層1での発
熱量Qを示す。ここで、発熱域Hは最大発熱量をQとし
た場合、発熱量がQ/e以上の領域と定義する。これ
は、定着に必要な発熱量が得られる領域である。
【0082】この定着ニップ部Nの温度は、図3に示す
温度検知手段たる温度センサ26を含む温調系により、
図2に示す制御手段たるフィードバック制御回路315
によって励磁コイル18に対する電流供給が制御される
ことで所定の温度が維持されるように温調される。この
温調系では、サーミスタ等の温度センサ26が定着フィ
ルム10の温度を検知し、本実施形態においては、温度
センサ26で測定した定着フィルム10の温度情報がフ
ィードバック制御回路315に入力され、この温度情報
をもとにフィードバック制御回路315が定着ニップ部
Nの温度を制御するようにしている。
【0083】而して、定着フィルム10が回転し、励磁
回路27から励磁コイル18への給電により上述のよう
に定着フィルム10の電位誘導発熱がなされて定着ニッ
プ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態にお
いて、二次転写部T2でトナー画像tの転写を受けた記
録材Pが定着ニップ部Nの定着フィルム10と加圧ロー
ラ30との間に、画像面が上向き、即ち定着フィルム1
0面に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像
面が定着フィルム10の外面に密着して定着フィルム1
0と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この
定着ニップ部Nを定着フィルム10と一緒に記録材Pが
挟持搬送されていく過程において定着フィルム10の電
磁誘導発熱で加熱されて記録材P上の未定着トナー画像
tが加熱定着される。記録材Pは、定着ニップ部Nを通
過すると、回転する定着フィルム10の外面から分離し
て排出搬送されていく。こうして、記録材P上の加熱定
着トナー画像は、定着ニップ部Nの通過後、冷却され永
久固着像となる。
【0084】本実施形態においては、図3に示すよう
に、定着フィルム10の図7に示す発熱域Hの対向位置
に暴走時の励磁コイル18への給電を遮断するため温度
検知素子であるサーモスイッチ50が配設されている。
【0085】図8は、本実施形態で使用した安全回路の
回路図である。
【0086】温度検知素子であるサーモスイッチ50
は、+24VDC電源とリレースイッチ51と直列に接
続されており、サーモスイッチ50が切れると、リレー
スイッチ51への給電が遮断され、リレースイッチ51
が動作し、励磁回路27への給電が遮断されることによ
り励磁コイル18への給電を遮断する構成をとってい
る。本実施形態では、サーモスイッチ50のOFF動作
温度を220℃に設定した。
【0087】又、サーモスイッチ50は、定着フィルム
10の発熱域Hに対向して定着フィルム10の外面に非
接触に配設されている。サーモスイッチ50と定着フィ
ルム10との間の距離は略2mmとした。これにより、
定着フィルム10にサーモスイッチ50の接触による傷
が付くことがなく、耐久による定着画像の劣化を防止す
ることができる。
【0088】本実施形態によれば、装置故障による定着
装置の暴走時、図16に示すような定着ニップ部Nで発
熱する構成とは違い、定着ニップ部Nに紙が挟まった状
態で定着装置が停止し、励磁コイル18に給電が続けら
れ定着フィルム10が発熱し続けた場合でも、紙が挟ま
っている定着ニップ部Nでは発熱していないために紙が
直接加熱されることがない。又、発熱量が多い発熱域H
には、サーモスイッチ50が配設されているため、サー
モスイッチ50が220℃を感知して、サーモスイッチ
50が切れた時点で、リレースイッチ51により励磁コ
イル18への給電が遮断される。
【0089】本実施形態によれば、紙の発火温度は約4
00℃近辺であるため紙が発火することなく、定着フィ
ルムの発熱を停止することができる。
【0090】尚、温度検知素子としてサーモスイッチの
他に温度ヒューズを用いることもできる。
【0091】又、本実施形態では、トナー画像tのトナ
ーに低軟化物質を含有させたトナーを使用したため、定
着装置にオフセット防止のためのオイル塗布機構を設け
ていないが、低軟化物質を含有させていないトナーを使
用した場合にはオイル塗布機横を設けてもよい。更に、
低軟化物質を含有させたトナーを使用した場合にもオイ
ル塗布や冷却分離を行ってもよい。
【0092】ここで、本実施形態の定着装置100の各
部材について詳細に説明する。
【0093】先ず、励磁コイル18について説明する。
【0094】励磁コイル18は、コイル(線輪)を構成
させる導線(電線)として、一本ずつがそれぞれ絶縁被
覆された銅製の細線を複数本束ねたもの(束線)を用
い、これを複数回巻いて励磁コイルを形成している。本
実施形態では10ターン巻いて励磁コイル18を形成し
ている。
【0095】絶縁被覆は、定着フィルム10の発熱によ
る熱伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用いるのがよ
い。例えば、アミドイミドやポリイミド等の被覆を用い
るとよい。
【0096】励磁コイル18は外部から圧力を加えて密
集度を向上させてもよい。
【0097】励磁コイル18の形状は、図3のように発
熱層の曲面に沿うようにしている。本実施形態では、定
着フィルム10の発熱層と励磁コイル18との間の距離
が略2mmになるように設定されている。
【0098】励磁コイル保持部材19の材質としては、
絶縁性に優れ、耐熱性がよいものがよい。例えば、フェ
ノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹
脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹
脂、LCP樹脂等を選択するとよい。
【0099】磁性コア17a,17b,17c及び励磁
コイル18と、定着フィルム10の発熱層との間の距離
は、できる限り近づけた方が磁束の吸収効率が高いので
あるが、この距離が5mmを越えるとこの効率が著しく
低下するため5mm以内にするのがよい。又、上記距離
が5mm以内であれば定着フィルム10の発熱層と励磁
コイル18との距離が一定である必要はない。
【0100】図6に示す、励磁コイル18の励磁コイル
保持部材19からの引出線即ち給電部18a,18bに
ついては、励磁コイル保持部材19から外の部分につい
て束線の外側に絶縁被覆が施されている。
【0101】次に、定着フィルム10について説明す
る。
【0102】図9は、本実施形態における定着フィルム
10の層構成を示す模型図である。
【0103】本実施形態の定着フィルム10は、電磁誘
導発熱性の定着フィルム10の基層となる金属ベルト等
でできた発熱層1と、その外面に積層した弾性層2と、
その外面に積層した離型層3とを有する複合構造のもの
である。
【0104】発熱層1と弾性層2との間の接着、弾性層
2と離型層3との間の接着のため、各層間にプライマー
層(図示せず)を設けてもよい。略円筒形状である定着
フィルム10において発熱層1が内面側であり、離型層
3が外面側である。
【0105】上述したように、発熱層1に交番磁束が作
用することで発熱層1に渦電流が発生して発熱層1が発
熱する。その熱が弾性層2及び離型層3を介して定着フ
ィルム10を加熱し、定着ニップ部Nに通紙される被加
熱材としての記録材Pを加熱してトナー画像の加熱定着
がなされる。
【0106】発熱層1は、ニッケル、鉄、強磁性SU
S、ニッケル−コバルト合金といった強磁性体の金属を
用いるとよい。又、発熱層1は、非磁性の金属でも良い
が、より好ましくは磁束の吸収の良いニッケル、鉄、磁
性ステンレス、コバルト−ニッケル合金等の金属が良
い。
【0107】発熱層1の厚みは、次の式で表される表皮
深さより厚くかつ200μm以下にすることが好まし
い。表皮深さσ[m]は、励磁回路の周波数f[Hz]
と透磁率μと固有抵抗ρ[Ωm]で σ=503×(ρ/fμ)1/2 と表される。
【0108】これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の
深さを示しており、これより深いところでは、図11に
示すように、電磁波の強度は1/e以下になっており、
逆にいうと殆どのエネルギーはこの深さまでで吸収され
ている。
【0109】発熱層1の厚さは好ましくは1〜100μ
mがよい。発熱層1の厚みが1μmよりも小さいとほと
んどの電磁エネルギーが吸収しきれないため効率が悪く
なる。又、発熱層が100μmを超えると剛性が高くな
りすぎ、又、屈曲性が悪くなり回転体として使用するに
は現実的ではない。従って、発熱層1の厚みは1〜10
0μmが好ましい。
【0110】弾性層2は、シリコーンゴム、フッ素ゴ
ム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性がよく、熱伝導
率がよい材質である。
【0111】弾性層2の厚さは10〜500μmが好ま
しい。この弾性層2は定着画像品質を保証するために必
要な厚さである。
【0112】カラー画像を印刷する場合、特に写真画像
等では記録材P上で大きな面積にわたってベタ画像が形
成される。この場合、記録材の凹凸或はトナー層の凹凸
に加熱面(離型層3)が追従できないと加熱ムラが発生
し、伝熱量が多い部分と少ない部分で画像に光沢ムラが
発生する。この伝熱量が多い部分は光沢度が高く、この
伝熱量が少ない部分では光沢度が低い。弾性層2の厚さ
としては、10μm以下では記録材或はトナー層の凹凸
に追従しきれず画像光沢ムラが発生してしまう。又、弾
性層2が1000μm以上の場合には、弾性層の熱抵抗
が大きくなりクイックスタートを実現するのが難しくな
る。より好ましくは弾性層2の厚みは50〜500μm
がよい。
【0113】弾性層2の硬度は、硬度が高すぎると記録
材或はトナー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラが発
生してしまう。そこで、弾性層2の硬度としては60°
(JIS−A)以下、より好ましくは45°(JIS−
A)以下がよい。
【0114】弾性層2の熱伝導率入に関しては、 6×10-4〜2×10-3[cal/cm・sec・de
g.] がよい。
【0115】熱伝導率入が6×10-4[cal/cm・
sec・deg.]よりも小さい場合には、熱抵抗が大
きく、定着フィルム10の表層(離型層3)における温
度上昇が遅くなる。
【0116】熱伝導率入が2×10-3[cal/cm・
sec・deg.]よりも大きい場合には、硬度が高く
なりすぎたり、圧縮永久歪みが悪化する。
【0117】よって、熱伝導率入は6×10-4〜2×1
-3[cal/cm・sec・deg.]がよい。より
好ましくは8×10-4〜1.5×10-3[cal/cm
・sec・deg.]がよい。
【0118】離型層3は、フッ素樹脂、シリコーン樹
脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーン
ゴム、PFA、PTFE、FEP等の離型性且つ耐熱性
のよい材料を選択することができる。
【0119】離型層3の厚さは1〜100μmが好まし
い。離型層3の厚さが1μmよりも小さいと塗膜の塗ム
ラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足すると
いった問題が発生する。又、離型層が100μmを超え
ると熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂系
の離型層の場合は硬度が高くなりすぎ、弾性層2の効果
がなくなってしまう。
【0120】又、図10に示すように、定着フィルム1
0の構成において、発熱層1のベルトガイ面側(発熱層
1の弾性層2とは反対面側)に断熱層4を設けてもよ
い。
【0121】断熱層4としては、フッ素樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PE
EK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PT
FE樹脂、FEP樹脂等の耐熱樹脂がよい。
【0122】又、断熱層4の厚さとしては10〜100
0μmが好ましい。断熱層4の厚さが10μmよりも小
さい場合には断熱効果が得られず、又、耐久性も不足す
る。一方、この厚さが1000μmを超えると磁性コア
17a,17b,17c及び励磁コイル18と発熱層1
との距離が大きくなり、磁束が十分に発熱層1に吸収さ
れなくなる。
【0123】断熱層4は、発熱層1に発生した熱が定着
フィルム10の内側に向かわないように断熱できるの
で、断熱層4がない場合と比較して記録材P側への熱供
給効率が良くなる。よって、消費電力を抑えることがで
きる。
【0124】次に、本実施形態の定着装置100の制御
系ついて詳細に説明する。
【0125】図2は、定着装置100の誘導加熱におけ
る制御系である、図13の出力コンバータを含む高周波
インバータ装置の構成を示すブロック図である。
【0126】図2に示す高周波インバータ装置は、電源
ライン入力端子301、サーキットブレーカー302、
リレー51、交流入力から、両波整流を行うブリッジ整
流回路と高周波フィルタを行うコンデンサとで構成され
た整流回路304、ゲート制御トランス305,30
6、共振コンデンサ309、第2の共振コンデンサ31
0、主スイッチ素子307及び副スイッチ素子308で
スイッチングされたスイッチング電流を検出する電流検
知手段たるカレントトランス311、定着装置ユニット
部313、フィードバック制御回路315、ドライバー
回路316等で構成されている。
【0127】定着装置ユニット部313は、上述の定着
装置100の電気部品構成として、励磁コイル18と温
度センサ26と過昇温を検出するサーモスイッチ50と
を有している。
【0128】かかる高周波インバータ装置は、入力端子
314を介してプリンタシーケンスコントローラから送
られてくる定着装置100の加熱オン/オフ信号の電圧
信号により、出力のオン/オフが制御されるようになっ
ている。
【0129】又、かかる高周波インバータ装置は、フィ
ードバック制御回路315によって、定着装置100の
温度センサ26による温度検出値に基づき、目標温度と
比較しながら制御量がコントロールされるようになって
いる。本実施形態の高周波インバータ装置は、ドライバ
ー回路316がフィードバック制御回路315からの制
御信号を受けることにより、ドライバー回路316によ
って駆動され、制御形態に相応しい制御が行われるよう
になっている。
【0130】主スイッチ素子307及び副スイッチ素子
308は、FET若しくはIGBT(+逆導通ダイオー
ド)により構成されている。主スイッチ素子307及び
副スイッチ素子308のスイッチング素子としては、パ
ワー用電力スイッチ素子が最適であり、又、共振電流を
制御するため、定常時の損失及びスイッチ損失が小さい
もので、なおかつ高耐圧、大電流タイプのものが良い。
【0131】かかる高周波インバータ装置にあっては、
電源ライン入力端子301から交流電源入力を受け、過
電流ブレーカであるサーキットブレーカー302とリレ
ー51とを介して整流回路304にAC電源が印加され
ると、整流回路304の両波整流ダイオードにより、脈
流化DC電圧を生成する。
【0132】そして、主スイッチ素子307がスイッチ
ングを行うようにゲート制御トランス305をドライブ
することにより定着装置100の励磁コイル18と共振
コンデンサ309とで形成された共振回路に交流パルス
電圧が印加される。
【0133】この結果、副スイッチ素子308の導通時
には励磁コイル18に脈流化DC電圧が印可され、励磁
コイル18のインダクタンス及び抵抗により定まる電流
が流れはじめる。
【0134】ゲート信号に従って副スイッチ素子308
がターンオフすると、励磁コイル18は電流を流し続け
ようとするため、両端に共振コンデンサ309及び励磁
コイル18により定まる共振回路の尖鋭度Qにより、フ
ライバック電圧と呼ばわる高電圧が発生する。この電圧
は電源電圧を中心に振動し、そのままオフ状態を保って
おくと電源電圧に収束する。
【0135】フライバック電圧のリンギングが大きく、
スイッチ素子のコイル側端子の電圧が負になる期間は逆
導通ダイオードがターンオンし、電流がコイルに流入す
る。この期間中コイルとスイッチ素子の接点は0Vにク
ランプされることになる。このような期間にスイッチ素
子をオンすれば、スイッチ素子は電圧を背負うことなく
ターンオン可能なことが一般に知られており、ZVS
(Zero Voltage Switching)と
呼ばれている。このような駆動方法によりスイッチ素子
のスイッチングに伴う損失は最小とすることができ、効
率の良い、ノイズの少ないスイッチングを可能としてい
る。
【0136】ここで、本実施形態における定着装置10
0の温度制御について説明する。本実施形態では、一例
として温度制御をデジタルPID制御により行ってい
る。
【0137】定着装置100の定着温度検出は、温度セ
ンサ26により行っている。温度センサ26は定着ニッ
プ部Nよりも下流側に相当する部位に、定着フィルム1
0の内側に圧接して配置されており、紙により奪われた
熱量を温度変化として測定するようになっている。
【0138】本実施形態では、温度センサ26の抵抗変
化を検出回路により電圧に変換し、予め定められた基準
電圧と比較することで、目標温度(目標電圧)との差と
して検出する。この検出結果に基づいて、フィードバッ
ク制御回路315が上述の主スイッチ素子307及び副
スイッチ素子308のオン時間を決定し、PWM制御を
行っている。
【0139】本実施形態のPWM制御部分は、オン時間
制御部及びオフ時間制御部の2対の定電流源回路及びコ
ンデンサ、コンパレータからなっており、それぞれ定電
流源回路からコンデンサヘ定電流を充電した結果、電圧
が基準値を越えることにより時間制御を行う構成となっ
ている。オン時間中に主スイッチ素子307以外の素子
がオン動作を行わなくするためにオン時間中はオフ時間
制御部を停止し、オフ時間中はオン時間制御部を停止す
る。そして、ステアリングフリップフロップにより順次
時間幅を制御されたオン時間、オフ時間を繰り返し出力
していく。オフ時間のコンパレータは調整可能ではある
がフィードバックループをもたせない構成にすることに
より一定時間とし、オン時間のコンパレータの入力電圧
を変更することで電力制御を行っている。
【0140】ここで、本実施形態の定着装置100の温
度制御における特徴的な動作(小電力出力動作)につい
て説明する。
【0141】定着装置100において、上述の高周波イ
ンバータ装置は、スイッチング制御回路であるフィード
バック制御回路315のオン時間のコンパレータ入力電
圧を変更することによって制御を行っているが、この制
御信号は本体制御を行っているCPUにより演算、演算
結果に従ってD/Aコンバータによるアナログ電圧が出
力される。一方、フィードバック制御回路315から上
記CPUへの入力は、温度センサ26による検知温度情
報が制御情報として入力されている。
【0142】上述の高周波インバータ装置の主スイッチ
素子307及び副スイッチ素子308を制御するフィー
ドバック制御回路315は、上記CPUより出力される
アナログ信号に基づいてオン時間制御コンパレータの入
力電圧を変更し、電力制御しているわけである。定着装
置100の立ち上げには、このアナログ電圧を予め定め
られた値に固定することで小電力立ち上げを行う。固定
する時間は数ms〜数sがよい。定着器の立ち上げに必
要な時間を確保する必要があるため、この時間は少ない
はどウェイトタイム短縮に貢献する。
【0143】小電力出力時の電流を検出することによ
り、励磁コイル及び定着フィルムからなる負荷特性を判
定し、最大出力状態のアナログ出力電圧を決定する。電
流検出結果により異常状態であるか否かの判定を行って
も良い。
【0144】コイル電流は、励磁コイル及び定着フィル
ムの実際の温度に伴う材料の体積抵抗率の変化により変
動を受けるため、定着装置100の立ち上げ前に温度セ
ンサ26により検出された温度と、一定時間経過後の温
度変化ΔTと、電流のテーブルを予め用意しておき決定
してもよい。
【0145】上記CPUの暴走等に対処する方法として
は、本実施形態では、本体CPUから500〜1kHz
の矩形波を出力することにより定着許可信号とし、本信
号が来ない限りフィードバック制御回路315が動作し
ない構成とすることでCPUが正常状態で制御を行って
いる場合にだけ動作する、いわゆるウォッチドッグタイ
マを付けたことに相当する機能を実現している。
【0146】ここで、小電力出力時における電流検出に
ついて説明する。尚、本実施形態では、電流検出にカレ
ントトランスを用いた例で説明する。
【0147】カレントトランスは、スイッチング素子の
エミッタ若しくはドレインから整流素子のマイナス端子
及びフィルタコンデンサヘ流れる電流を検出すべく構成
されている。
【0148】1:nの巻線を有するカレントトランスの
1ターン側にパワー側の電流を流し、nターン側に設け
た検出抵抗により電圧情報として検出する。検出電流は
パッシブフィルタで波形整形した後、約50kHzの周
波数に対応するピークホールド回路により、電流ピーク
の縫路線とする。更にその次に接続された約100Hz
に対応するピークホールド回路により、電圧リップルを
含む電流ピーク波形を取り出し、最大電力制御値として
いる。具体的には、この出力電圧を電力制御ピーク値と
するリミッタ動作をさせる構成としている。更に、最大
出力電力のリミット値として、この出力波形をフィルタ
回路によりリップルを取り除き、ピーク電流に対応する
より安定した電圧としてフィードバック制御回路315
に入力しても良い。
【0149】ここで、上述の高周波インバータ装置にお
ける最大電力の電圧依存性について説明する。
【0150】電流制御を全く行わない系においては、A
Cライン電圧に対し、出力電力はACライン電圧の2乗
で変動していくことになる。
【0151】これに対し、電流検出によりリミットを掛
ける本実施形態の構成によれば、出力電力を電圧に線形
依存するようにすることができる。
【0152】本実施形態では、電流を検出し、電力を制
御するということから、励磁コイル18に電流を流す時
間、即ち主スイッチ素子307及び副スイッチ素子30
8のオンしている時間の最大値はACラインを流れる電
流と供給可能な電力により定め、CPU等の制御回路か
らの制御信号はその時間を超えない範囲となっている。
【0153】又、最小時間についても規定する構成を設
けても良い。朝一立ち上げ時など定着装置の温度が低い
場合には、最大時間幅に近いオン時間幅で電力供給を行
うことになる。投入可能な電力を一例として1100W
とすると、電源オン時から温度制御が掛かるまでは最大
オン時間の範囲内で電流制御により1100Wの電力供
給を行い、温度検知手段である温度センサ26の検知信
号によりPI制御或いはPID制御と呼ばれる制御手法
により温度上昇に伴ってオン時間幅を制眼し、電力を制
御するよう構成している。温度が十分高くなり、温度制
御によりオン時間幅が短くなった場合、先に述べたよう
にフライバック電圧は電源電圧を基準電圧として振動を
行うために、特に電源電圧が高く、オン時間幅が短い場
合には0Vまで下がりきることができず、ZVSが実現
できなくなってくる。このような場合にカレントトラン
ス311により検出した回路電流を基準値と比較し、副
スイッチ素子を駆動する。尚、副スイッチ素子は通常動
作させ続けるよう構成してもよい。
【0154】図6に、励磁コイル18と励磁回路27を
接続して励磁電流により交番磁界を発生する構成を示
す。
【0155】この励磁回路27は、図2に示すブロック
図のように構成された高周波インバータ装置であり、約
20kHzから100kHzの高周波電流を発生する。
【0156】図12に、励磁回路27の回路構成を示
す。
【0157】励磁回路27は、図12に示すように、一
般的に用いられるMOSFETやIGBTといった素子
である主スイッチ素子201、逆導通ダイオード20
2、共振コンデンサ204、副スイッチ素子205、副
スイッチ素子205に並列に接続された逆導通ダイオー
ド206、副共振コンデンサ207等を有して構成され
ている。
【0158】通常の状態では、副スイッチ素子205は
オープン状態になっており、この状態で主スイッチ素子
201をオン、オフすることによりシングル電圧共振を
行っている。このサブ共振の副スイッチ素子205は、
主スイッチ素子201がオフしている間、フライバック
電圧が上昇を終える頃にオン、電圧が下降した頃にオフ
という上述の動作を続けても良い。
【0159】上述の図7及び図8に示す励磁コイル18
に流れる電流をカレントトランス311により検出し、
整流回路317で整流を行った後、フィルタ回路319
により検出する。この出力をピーク検出回路318によ
り予め定められた基準値と比較し、基準値以上のピーク
電流であることを検出すると出力FFをオフに固定し、
出力を禁止するリミッタ動作を行う。大電流が流れる場
合等、異常電流検出時はこのように保護を行っている。
【0160】フィルタ回路319による波形整形後、ピ
ークホールド回路320により、先ず高い周波数(数1
0kHz)でのピーク検出を行い、電流波形を、ピーク
を繋いだ商用交流周期の縫結線としてACラインに流れ
るピーク電流を検出し、図12の符号321及び整流回
路317と抵抗及びコンデンサとより構成された第2の
ピークホールド回路により、商用交流の周期に対応ピー
ク値を検出する。本実施形態では、検出したピーク電流
に基づいて電力制御回路の最大出力値を制御することに
より、ACライン電流検出結果により電力制御幅の最大
値(最大投入可能電力)を制御し、最大供給可能な電力
がACライン電圧に依存し難くなるよう制御している。
【0161】安全装置は、次のように構成されている。
【0162】かかる安全回路の構成にあっては、電源ラ
イン入力端子301から交流電力を受け過電流を保護す
るブレーカ及びリレー接点を介して整流回路に接続する
ようになっている。ここで、リレーの励磁巻線は画像形
成装置本体の24V電源によりオンする構成とし、更に
定着装置100の定着フィルム10の温度を検出し、定
着フィルム10の温度が規定の温度を超え異常昇温した
時遮断するサーモスイッチ接点を介して例示するように
構成されており、仮にトラブルが生じ定着装置100が
異常昇温をした場合にはリレー51を遮断して励磁回路
27の電源を切り、熱暴走からの定着装置の安全を確保
している。
【0163】スイッチング周波数は、初期状態では最初
に説明した通り約100kHzとなっている。
【0164】初期状態ではゲートパルス幅=0であり、
スイッチング素子は全くオンしていない状態にある。定
着スタート信号によりゲートパルスを出力し、電流制御
回路により決められるデューティまで増加することにな
る訳であるが、この時、最大オン時間幅の1/2までの
間に、リミッタが動作すれば異常状態と判定して外部に
知らせる構成となっている。
【0165】(第二の実施形態)次に、本発明の第二の
実施形態について説明する。尚、第一の実施形態と同様
の構成に関しては、同一符号を付し、その説明を省略す
る。
【0166】図14は、本実施形態における励磁回路の
構成を示す図である。
【0167】本実施形態では、図14に示すように、励
磁コイルに流れる電流をカレントトランス311により
検出し、整流回路317で整流を行った後、フィルタ回
路319により検出する。この出力をピーク検出回路3
18により予め定められた基準値と比較し、基準値以上
のピーク電流であることを検出すると出力FFをオフに
固定し、出力を禁止するリミッタ動作を行う構成となっ
ている。このように、本実施形態では、回路に大電流が
流れる場合等、異常電流検出と回路保護とを行ってい
る。
【0168】第一のパッシブフィルタ回路319による
波形整形後、第2のフィルタ回路320によりより低い
周波数でのフィルタリングを行い、ACラインに流れる
平均電流として検出し、オペアンプ321により、平均
電流の値に応じた電圧を出力させる。この出力電圧を電
流制御回路の制御電源電圧とすることにより、ACライ
ン電流検出結果に基づいて制御幅の最大値(最大投入可
能電力)を制御し、最大供給可能な電力がACライン電
圧に比例するよう制御を行っている。
【0169】ここで、本実施形態での小電力出力動作に
ついて説明する。
【0170】本実施形態では、第一の実施形態と同様に
最大電力を決定すると同時に、最小電力の決定も行う。
固定する時間は第一の実施形態と同様で数ms〜数sが
よい。定着装置の立ち上げに必要な時間を確保する必要
があるため、この時間は少ないほどウェイトタイム短縮
に員献する。
【0171】小電力出力時の電流を検出することによ
り、励磁コイル18及び定着フィルム10からなる負荷
特性を判定し、最大出力状態のアナログ出力電圧を決定
すると同時に最小出力状態ではアナログ値はいくらにな
るか算出する。
【0172】温度制御においては、第一の実施形態に挙
げたのと同様の動作となる。即ち、実際の出力は最大出
力電力から最小出力電力の間となる。制御値自体にマス
キングを行う訳であるから、演算結果がこの最大値を上
回る場合には出力値は最大値であると共に次の演算に用
いる出力値には演算結果ではなく最大値を用いることに
より誤差を少なくするよう構成している。これは最小値
についても同様であり演算結果がこの最小値を下回る場
合には出力値は最小値であると共に次の演算に用いる出
力値には演算結果ではなく最小値を用いるよう構成して
いる。尚、電流検出結果により異常状態であるか否かの
判定を行っても良い。
【0173】ここで、本実施形態における定着装置の立
ち上げ時の動作について、図15に示すフローチャート
に基づき説明する。
【0174】本実施形態では、先ず、定着開始命令を受
けると(S101)、上述の小電力出力動作を開始する
(S102)。本実施形態では、小電力出力動作時に定
着出力電力が5%に設定される。
【0175】そして、定着許可信号が出力され(S10
3)、励磁コイル18に流れる電流が上述のカレントト
ランス311によって検知される(S104)。
【0176】次いで、カレントトランス311によって
検知された電流値が正常であるか否かの判断を行い(S
105)、正常でない場合には異常であると判断する
(S107)。
【0177】カレントトランス311によって検知され
た電流値が正常である場合には、設定時間に達したか否
かの判断を行い(S106)、設定時間に達するまで上
述のS103〜S105の動作が繰り返される。
【0178】上記設定時間に達した場合には、カレント
トランス311によって検知された電流値に基づき最大
電力及び最小電力の値が演算される(S108)。
【0179】上記最大電力及び上記最小電力を最大値及
び最小値として出力を開始し(S109)、上述の温度
センサ26によって検知された温度に基づき定着フィル
ム10の温度制御を開始する(S110)。
【0180】(第三の実施形態)次に、本発明の第三の
実施形態について説明する。尚、第一の実施形態と同様
の構成に関しては、同一符号を付し、その説明を省略す
る。
【0181】本実施形態では、予め定められた小電力モ
ードで立ち上げを行い、この時の温度上昇カーブと電力
投入前の温度から、定着装置に投入する電力決定を行う
と共に異常状態であるか再かの判定を行う。
【0182】制御ループと異なる、安全回路としての電
流リミッタ動作は、一波毎に掛ける必要がある場合には
ハードウェア的に掛ける第一の実施形態の形態をそのま
ま用いて構わない。
【0183】
【発明の効果】以上にて説明したように、本出願にかか
る第一の発明によれば、電源から磁束発生手段へ供給可
能な最大電力より低い小電力で電源から磁束発生手段へ
所定時間に亘り電力供給した後に最大電力での電力供給
がなされるので、初期電力投入時に磁束発生手段や磁束
発生手段に接続された回路の負荷が異常状態であるか否
かを検知すると共に、上記回路へのラッシュ電流を低減
して装置の立ち上げをすることができる。
【0184】又、本出願にかかる第二の発明によれば、
電源から磁束発生手段へ供給可能な最大電力より低い小
電力で電源から磁束発生手段へ所定時間に亘り電力供給
した後に最大電力での電力供給がなされ、上記所定時間
に亘る電源から磁束発生手段への小電力での電力供給中
における電流検知手段によって検知された電流値に対応
して上記電源から上記磁束発生手段への供給電力の最大
値が設定されるので、初期電力投入時に磁束発生手段や
磁束発生手段に接続された回路の負荷が異常状態である
か否かを検知すると共に、上記回路へのラッシュ電流を
低減して装置の立ち上げをすることができる。
【0185】更に、本出願にかかる第三の発明によれ
ば、電源から磁束発生手段へ供給可能な最大電力より低
い小電力で電源から磁束発生手段へ所定時間に亘り電力
供給した後に最大電力での電力供給がなされ、上記所定
時間に亘る電源から磁束発生手段への小電力での電力供
給中における電流検知手段によって検知された電流値に
対応して上記電源から上記磁束発生手段への供給電力の
最小値が設定されるので、初期電力投入時に磁束発生手
段や磁束発生手段に接続された回路の負荷が異常状態で
あるか否かを検知すると共に、上記回路へのラッシュ電
流を低減して装置の立ち上げをすることができる。
【0186】又、本出願にかかる第四の発明によれば、
電源から磁束発生手段へ供給可能な最大電力より低い小
電力で電源から磁束発生手段へ所定時間に亘り電力供給
した後に最大電力での電力供給がなされ、上記所定時間
に亘る電源から磁束発生手段への小電力での電力供給中
における電流検知手段によって検知された電流値に基づ
き、装置が異常状態であるか否かを判断するよう設定さ
れているので、初期電力投入時に磁束発生手段や磁束発
生手段に接続された回路の負荷が異常状態であるか否か
を検知すると共に、上記回路へのラッシュ電流を低減し
て装置の立ち上げをすることができる。
【0187】更に、本出願にかかる第五の発明によれ
ば、電源から磁束発生手段へ供給可能な最大電力より低
い小電力で電源から磁束発生手段へ所定時間に亘り電力
供給した後に最大電力での電力供給がなされ、上記所定
時間に亘る電源から磁束発生手段への小電力での電力供
給中における温度検知手段によって検知された温度に基
づき、装置が異常状態であるか否かを判断するよう設定
されているので、初期電力投入時に磁束発生手段や磁束
発生手段に接続された回路の負荷が異常状態であるか否
かを検知すると共に、上記回路へのラッシュ電流を低減
して装置の立ち上げをすることができる。
【0188】又、本出願にかかる第六の発明によれば、
電源から磁束発生手段へ供給可能な最大電力より低い小
電力で電源から磁束発生手段へ所定時間に亘り電力供給
した後に最大電力での電力供給がなされるので、初期電
力投入時に磁束発生手段や磁束発生手段に接続された回
路の負荷が異常状態であるか否かを検知すると共に、上
記回路へのラッシュ電流を低減して装置の立ち上げをす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる画像形成装置
の概略構成を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態における画像形成装置
の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の画像形成装置に備えられた加熱装置の概
略構成を示す模式的断面図である。
【図4】図3の加熱装置を排紙側からみた図である。
【図5】図4の加熱装置の断面図である。
【図6】図3の加熱装置に備えられた磁束発生手段を説
明するための図である。
【図7】図3の加熱装置に備えられた磁束発生手段によ
る加熱部材の発熱量を説明するための図である。
【図8】本発明の第一の実施形態における加熱装置の安
全回路を説明するための図である。
【図9】本発明の第一の実施形態における加熱部材の層
構成の一例を示す図である。
【図10】本発明の第一の実施形態における加熱部材の
層構成の他の一例を示す図である。
【図11】加熱部材の発熱層深さと電磁波強度との関係
を示すグラフである。
【図12】本発明の第一の実施形態にかかる加熱装置の
制御系における励磁回路の構成を示す図である。
【図13】本発明の第一の実施形態にかかる加熱装置の
制御系における出力コンバータの構成を示す図である。
【図14】本発明の第二の実施形態にかかる加熱装置の
制御系における励磁回路の構成を示す図である。
【図15】本発明の第二の実施形態における加熱装置の
動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】従来の加熱装置の概略構成を示す模式的断面
図である。
【符号の説明】
10 定着フィルム(加熱部材) 15 磁束発生手段 26 温度センサ(温度検知手段) 30 加圧ローラ(加圧部材) 100 定着装置(加熱装置) 311 カレントトランス(電流検知手段) 315 フィードバック制御回路(制御手段) N 定着ニップ部(ニップ領域) P 記録材 t トナー画像(画像)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源から電力を受け磁束を発生させる磁
    束発生手段と、軸線まわりに回転自在な中空円筒状をな
    し該磁束発生手段による磁束により誘導電流を発生させ
    発熱する加熱部材と、加熱部材と圧接してニップ領域を
    形成し回転する加圧部材とを備え、画像を担持する記録
    材を上記ニップ領域に通紙しながら加熱処理する加熱装
    置であって、ニップ領域の温度を検知する温度検知手段
    と、該温度検知手段によって検知された温度が所定温度
    になるよう電源から磁束発生手段への電力供給を制御す
    る制御手段とを備える加熱装置において、制御手段は、
    電源から磁束発生手段へ供給可能な最大電力より低い小
    電力で電源から磁束発生手段へ所定時間に亘り電力供給
    した後に最大電力での電力供給が可能となっていること
    を特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】 所定時間に亘る電源から磁束発生手段へ
    の小電力での電力供給中における上記電源から上記磁束
    発生手段への電流値を検知する電流検知手段を備え、制
    御手段は、該電流検知手段によって検知された電流値に
    対応して上記電源から上記磁束発生手段への供給電力の
    最大値が設定されていることとする請求項1に記載の加
    熱装置。
  3. 【請求項3】 所定時間に亘る電源から磁束発生手段へ
    の小電力での電力供給中における上記電源から上記磁束
    発生手段への電流値を検知する電流検知手段を備え、制
    御手段は、該電流検知手段によって検知された電流値に
    対応して上記電源から上記磁束発生手段への供給電力の
    最小値が設定されていることとする請求項1又は請求項
    2に記載の加熱装置。
  4. 【請求項4】 所定時間に亘る電源から磁束発生手段へ
    の小電力での電力供給中における上記電源から上記磁束
    発生手段への電流値を検知する電流検知手段を備え、所
    定時間に亘る電源から磁束発生手段への小電力での電力
    供給中に上記電流検知手段によって検知された電流値に
    基づき、装置が異常状態であるか否かを判断するよう設
    定されていることとする請求項1乃至請求項3のいずれ
    か一項に記載の加熱装置。
  5. 【請求項5】 所定時間に亘る電源から磁束発生手段へ
    の小電力での電力供給中に温度検知手段によって検知さ
    れた温度に基づき、装置が異常状態であるか否かを判断
    するよう設定されていることとする請求項1乃至請求項
    4のいずれか一項に記載の加熱装置。
  6. 【請求項6】 一連の画像形成プロセスによって形成さ
    れた画像を記録材に記録する画像形成装置であって、請
    求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の加熱装置を
    備えることを特徴とする画像形成装置。
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