JPH09134086A - 誘導加熱定着装置 - Google Patents

誘導加熱定着装置

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JPH09134086A
JPH09134086A JP22151296A JP22151296A JPH09134086A JP H09134086 A JPH09134086 A JP H09134086A JP 22151296 A JP22151296 A JP 22151296A JP 22151296 A JP22151296 A JP 22151296A JP H09134086 A JPH09134086 A JP H09134086A
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JP
Japan
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fixing sleeve
coil
holder
fixing
induction heating
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Withdrawn
Application number
JP22151296A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kato
剛 加藤
Eiji Okabayashi
英二 岡林
Satoru Yoneda
哲 米田
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極力エネルギーロスを少なくして、省エネル
ギー化を図った誘導加熱定着装置を提供する。 【解決手段】 誘導加熱定着装置は、コイル2を収納し
たホルダ4と加圧ローラ6とによって、金属製のフレキ
シブルな定着スリーブ5と記録媒体8とを挟むことでこ
れらを密着させ、定着スリーブ5自体をコイル2によっ
て直接誘導加熱し、未定着のトナーをシート8に定着さ
せる。この誘導加熱定着装置は、発熱体となる定着スリ
ーブ5を薄肉化して熱容量を少なくし、必要な電力がよ
り少ないものとなるようにしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式の複写
機、プリンタおよびファクシミリなどに用いられる定着
装置に関し、さらに詳しくは、誘導加熱を利用してトナ
ー像を記録媒体に定着する誘導加熱定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真式の複写機などには、記録媒体
である記録紙ないし転写材などのシート上に転写された
トナー像をシートに定着させる定着装置が設けられてい
る。この定着装置は、例えば、シート上のトナーを熱溶
融させる定着ローラと、当該定着ローラに圧接してシー
トを挟持する加圧ローラとを有している。定着ローラは
円筒状に形成され、この定着ローラの中心軸上には、発
熱体が保持手段により保持されている。この発熱体は定
着ローラの中心軸に位置し、発熱体から発せられた熱は
定着ローラ内壁に均一に輻射され、定着ローラの外壁の
温度分布は円周方向において均一となる。定着ローラの
外壁は、その温度が定着に適した温度(例えば、150
〜200℃)になるまで加熱される。この状態で定着ロ
ーラと加圧ローラは摺接しながら互いに逆方向へ回転
し、トナーを保持するシートを挟持しつつ搬送する。定
着ローラと加圧ローラとの摺接部(以下、ニップ部とい
う)において、シート上のトナーは定着ローラの熱によ
り溶解し、両ローラから作用する圧力によりシートに定
着される。トナーが定着した後、定着ローラおよび加圧
ローラの回転に伴い、シートは、排紙ローラによって搬
送され、排紙トレイ上に排出される。
【0003】このような定着装置において、発熱体とし
ては、一般的にハロゲンランプが用いられており、その
ため電源を投入した後、定着ローラの温度が定着に適し
た所定温度に達するまでには比較的長時間を要してい
た。その間、使用者は複写機を使用することができず、
長時間の待機を強いられるという問題があった。その一
方、待機時間の短縮を図ってユーザの操作性を向上すべ
く定着ローラの熱容量を増大させた場合には、定着装置
における消費電力が増大し、省エネルギー化に反すると
いう問題が生じていた。
【0004】このため、複写機などの商品の価値を高め
るためには、定着装置の省エネルギ化(低消費電力化)
と、ユーザの操作性向上(クイックプリント)との両立
を図ることが一層注目され重視されてきている。これに
伴い、従来から行われてきたトナーの定着温度、定着ロ
ーラの熱容量の低減だけでなく、電気−熱変換効率の向
上を図ることが必要となってきた。
【0005】かかる要請を満足する装置として、誘導加
熱方式の定着装置が提案されている。例えば特開昭59
−33787号公報には、金属導体からなるローラの内
部に、螺旋状にコイルを巻装した開磁路鉄芯を配置した
構成が記載されている。そして、ローラの内面に近接し
た前記コイルに高周波電流を流し、これによって生じた
高周波磁界で直接、ローラに誘導渦電流を発生させ、ロ
ーラ自体の表皮抵抗によってローラそのものをジュール
発熱させるようになっている。
【0006】この誘導加熱は、他の加熱方式と比較して
次のような利点がある。まず第1に、ハロゲンランプの
近赤外加熱のような間接加熱よりも、速く昇温し、定着
ローラ以外の部分の発熱や伝熱が少ない。また、ハロゲ
ンランプの光漏れに相当するロスがない。第2に、定着
ローラ表面に固体抵抗発熱体を持つ表面加熱と比べて摺
動接点がないため定着装置の信頼性も長期にわたって高
い。第3に、フィルムベルトと固体抵抗発熱体を持つ加
熱よりも、熱伝達ロスが少なく、また発熱面の温度検出
が容易であるので温度制御性が優れている。
【0007】また、特開昭63−313182号公報に
は、固定された発熱体と、この発熱体と対向する位置に
配置された加圧ローラとの間に、ポリエステル製の耐熱
シートを記録媒体と密着させつつ移動させることで、記
録媒体にトナー像を定着させる画像形成装置が開示され
ている。この公報に開示された装置では、発熱体にパル
ス通電によって瞬時に発熱するものを用いて、耐熱シー
トを介して発熱体により記録媒体上のトナーを溶融定着
させており、これにより、ウォームアップ時間の短縮や
省エネルギー化を図っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の技術にはそれぞれ以下のような問題点があ
る。
【0009】まず、特開昭59−33787号公報に開
示された加熱方式を一般的なローラ定着装置の加熱ロー
ラ(定着ローラ)に適用した場合、加圧ローラとの間で
押圧力を与える定着ローラ自体を加熱することになるた
め、さらに消費電力を減らすためには、この定着ローラ
の熱容量の低減、すなわち、定着ローラ自体の薄肉化が
必要である。しかしながら、定着ローラによって押圧力
を得ているために、定着ローラ自体にある程度の強度が
必要である。このため、定着ローラをあまり薄くするこ
とはその構成上難しいといった問題点がある。
【0010】また、特開昭63−313182号公報に
開示されたものでは、発熱体と記録媒体との間に耐熱性
のシートが介在しているために、発熱体と記録媒体との
間には、耐熱シートと発熱体との接触熱抵抗や、耐熱シ
ート自体の熱抵抗が存在している。これら熱抵抗がある
ため、記録媒体にトナーを定着させるのに必要な温度よ
り高い温度にまで発熱体を発熱させる必要があり、その
分エネルギーロスが生じる。また、耐熱シートをポリエ
ステルなどの樹脂材料により形成した場合、樹脂材料表
面の熱放射率が高いことから、樹脂が蓄熱したときには
放熱量が大きく電力の無駄となる。このような耐熱シー
トの熱抵抗や蓄熱量を下げるためには、耐熱シート自体
を薄く形成しなければならないが、あまり薄くすると、
この耐熱シートの耐久性がなくなり破損し易くなるとい
った問題がある。
【0011】そこで本発明は、誘導加熱定着装置におい
て極力エネルギーロスを少なくし、より省エネルギー化
を図った誘導加熱定着装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に記載の発明は、記録媒体上に形成されたト
ナー像を該記録媒体へ定着させる定着装置であって、ベ
ース層と前記記録媒体に接する表面層とを有し少なくと
も前記表面層が金属で形成されたフレキシブルな定着ス
リーブと、該定着スリーブに誘導渦電流を発生させて誘
導加熱するコイルと、該コイルを内部に収納した絶縁性
のホルダと、該ホルダと対向する位置に設けられ、該ホ
ルダとの間に前記定着スリーブおよび前記記録媒体を挟
んで、前記定着スリーブと前記記録媒体と密着させつつ
共に移動させる加圧手段と、を有することを特徴とする
誘導加熱定着装置である。
【0013】この誘導加熱定着装置では、フレキシブル
な定着スリーブは、ホルダと加圧手段との間に挟まれて
移動し、未定着トナーを保持した記録媒体は、定着スリ
ーブと加圧手段との間に挟持されつつ搬送される。定着
スリーブのベース層および表面層のうち少なくとも表面
層は、コイルにより誘導渦電流が誘起され、直接、誘導
加熱される。記録媒体上のトナーは、定着スリーブの表
面層自体の熱により溶融し、さらにホルダと加圧手段と
の間で作用する圧力が加えられて、記録媒体に定着され
る。かかる構成では、発熱体となる少なくとも表面層を
薄肉化して当該定着スリーブ全体の熱容量を少なくする
ことができるので、定着に必要な温度まで昇温するウォ
ームアップ時間を短縮することができ、消費電力も少な
くなる。しかも、耐熱シートを介して加熱する方式に比
べると、耐熱シートの熱抵抗がない分、少ない電力でよ
り速くウォームアップすることができ、省エネルギー化
が図られる。
【0014】また、請求項2に記載の誘導加熱定着装置
は、前記加圧手段は円筒形のローラであり、前記ホルダ
の該ローラに対向する部分の形状を、該ローラの表面形
状に合わせて凹形としたことを特徴とする。
【0015】加圧手段としてローラを用いた場合に、ロ
ーラに対向する部分のホルダの形状をローラの表面形状
と合わせて凹形とすることで、記録媒体が通過するニッ
プ部分の面積をより広くし、発熱体となる定着スリーブ
と記録媒体との接触面積(密着している部分の面積)を
多くすることができる。このため、定着スリーブからの
熱が十分にトナーに伝わるので、定着スリーブの設定温
度を下げることができ、省エネルギー化を一層図ること
ができる。
【0016】また、請求項3に記載の誘導加熱定着装置
は、前記定着スリーブの前記ベース層は金属で形成さ
れ、前記ホルダは断面無端形状を有し、前記コイルは、
前記定着スリーブが周方向の少なくとも2か所以上の異
なる領域で発熱するように、前記定着スリーブに誘導渦
電流を発生させることを特徴とする。
【0017】定着スリーブのベース層をも金属から形成
すれば、樹脂材料からなる耐熱フィルムなどをベース層
とする場合に比べると放熱量が小さく、電力を無駄にす
ることがなくなる。また、ホルダを断面無端形状にする
ことで、加圧手段から受ける圧接力に対するホルダの剛
性を確保でき、ホルダ長手方向に沿った定着性が均一に
なり、記録媒体の搬送不良が生じない。また、コイルと
定着スリーブとの間の電気的絶縁が確保される。さら
に、コイルは、定着スリーブが少なくとも2か所の発熱
領域を有するように、定着スリーブに誘導渦電流を生じ
させている。このような誘導渦電流を生じさせるように
コイルを構成すれば、コイルと定着スリーブとの良好な
磁気的結合が得られ、定着スリーブへの電力伝達効率が
高まる。また、コイルを巻くための容積を、ホルダの限
られた内容積の内で十分な大きさで確保することがで
き、コイルでの損失を小さくできる。この結果、コイル
全体およびホルダを小さくでき、コンパクトな定着装置
を実現できる。
【0018】また、請求項4に記載の誘導加熱定着装置
は、前記コイルは、前記記録媒体の搬送方向に対して平
行に配置される磁性材料からなるコアの周囲に形成さ
れ、前記コアは、I型形状を有し、その断面長手方向に
位置する端面は前記ホルダの内壁に近接して配置される
ことを特徴とする。
【0019】コイルが周囲に形成されるコアを記録媒体
の搬送方向に対して平行に配置することで、定着スリー
ブの発熱領域とニップ部とが少なくとも一部で重複し、
定着スリーブの熱が十分かつ無駄なくトナーに伝わるこ
とになる。また、コアの形状は単純なI型形状であるた
め、コアの製造コストは安く、組み立て性もよい。さら
に、コアの断面長手方向に位置する端面がホルダの内壁
に近接するようにコアを配置すれば、定着スリーブとの
間のエアギャップが狭くなり、定着スリーブとの磁気的
結合が強くなることから、高い電力伝達効率が得られ
る。
【0020】また、請求項5に記載の誘導加熱定着装置
は、前記コイルと前記コアとの間には、前記コアが挿入
される通孔を有すると共に前記コイルを巻回する耐熱性
および絶縁性を有するボビンが設けられることを特徴と
する。
【0021】コイルを巻くボビンを備えることにより、
コイル巻き製造工程が容易になるほか、安定した巻き付
けが可能となる。また、ボビンによりコアとコイルとの
電気的絶縁が確実になるため、この定着装置は、故障の
発生が少なく、信頼性が高くなる。
【0022】また、請求項6に記載の誘導加熱定着装置
は、前記定着スリーブのうち金属からなる層は、厚みが
20μm〜60μmの範囲の、ニッケルあるいはニッケ
ルを含む合金であることを特徴とする。
【0023】定着スリーブは、コイルから発生された磁
界により誘導渦電流を発生して発熱する。この定着スリ
ーブのうち金属からなる層の厚みを20μm〜60μm
の範囲内にすれば、耐久性、昇温特性およびコストの面
で優れた定着装置となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
誘導加熱定着装置を図面を参照しつつ説明する。
【0025】《実施の形態1》図1は、本発明を適用し
た実施の形態1に係る誘導加熱定着装置を示す構成図、
図2は、同誘導加熱定着装置のコイルアセンブリを説明
するための斜視図、図3は、同誘導加熱定着装置のホル
ダユニットを説明するための分解斜視図である。
【0026】図1に示すように、プリンタなどに組み込
まれる誘導加熱定着装置は、少なくとも金属材料から形
成された層(以下、金属層という)を有すると共に可撓
性を有する薄肉の定着スリーブ5と、高周波磁界を生じ
て定着スリーブ5の金属層を誘導加熱するコイルアセン
ブリ9と、コイルアセンブリ9を保持するホルダ4と、
定着スリーブ5を介してホルダ4に圧接する加圧ローラ
6と、を有する。コイルアセンブリ9は、コア1と、コ
イル2とを有する。ホルダ4は円筒などの断面無端形状
を有し、このホルダ4の内部にコイルアセンブリ9が収
納保持され、全体として、ホルダユニットが構成されて
いる。定着スリーブ5は、ホルダ4の回りを取り巻いて
おり、コイル2で生じた磁界により発生する誘導渦電流
によって金属層が発熱する。加圧ローラ6は、図1中矢
印a方向に回転可能に設けられている。そして、加圧ロ
ーラ6が定着スリーブ5を介してホルダ4を押圧しつつ
回転することにより、記録媒体(用紙)つまりシート8
は、加圧ローラ6と定着スリーブ5との摺接部すなわち
ニップ部で挟持されながら搬送される。これにより、シ
ート8上のトナーが溶融され、定着される。
【0027】定着スリーブ5は、ベース層と、シート8
に接する表面層とを有し、少なくとも前記表面層が金属
で形成され、全体として、可撓性を有する薄肉の中空金
属導体となっている。定着スリーブ5のベース層として
は、金属製ベース層の他に、樹脂製ベース層を使用する
こともできる。例えば、樹脂材料からなる耐熱フィルム
をベース層とし、このベース層の外側に導電層である前
記表面層をメッキ処理などで形成してもよい。前述した
ように、樹脂材料表面の熱放射率が高いことから、樹脂
が蓄熱したときは放熱量が大きく、電力を無駄にする。
このため、金属製ベース層を用いる方が、樹脂製ベース
層を用いる場合に比べて、放熱量が小さく、電力を無駄
にすることがないので、より好ましい。
【0028】そこで、本実施の形態の定着スリーブ5
は、表面層のみならず、ベース層をも金属製とした。さ
らに、ベース層および表面層を別個に形成せず、これら
両層を一体的に金属材料から形成してある。したがっ
て、本実施の形態における「定着スリーブ5の金属層」
とは、一体的に形成したベース層および表面層を指す。
なお、樹脂製ベース層を使用した場合には、「定着スリ
ーブの金属層」とは、表面層のみを指すことになる。
【0029】定着スリーブ5の金属層は、例えば、鉄、
ニッケル、SUS430などの導電性を有する強磁性体
から形成するのが好ましい。金属層を強磁性体から形成
すれば、多くの磁束が定着スリーブ5内を通過するの
で、発熱効率が一層良くなる。定着スリーブ5の金属層
のさらに外周表面には、フッ素樹脂などをコーティング
して、耐熱性を有すると共にシート8を分離し易くする
ための離型層が形成されている。この離型層を介して、
定着スリーブ5の金属層、具体的には表面層がシート8
に接する。
【0030】次ぎに、定着スリーブ5の肉厚について説
明する。定着スリーブは厚さが薄ければ薄いほど熱容量
が小さくなるので、当該定着スリーブを発熱させるのに
要する消費電力が少なくなるが、定着スリーブの厚さを
あまりに薄くすると、定着スリーブの強度が弱くなって
破損しやすくなり、耐久性の点で問題が生じる。また、
定着スリーブの製造の際に、厚みを均一にすることが困
難で、製造コストが高くなってしまう。逆に、定着スリ
ーブの厚さをあまりに厚くすると、曲げの力に対して弱
くなり、柔軟性がなくなる。このため、広いニップ部を
形成しようとして定着スリーブの曲率を部分的に変化さ
せることが困難になる。また、製造の際に材料を多く必
要とするので、材料コストが高くなる。
【0031】図7は、定着スリーブの金属層の厚みが昇
温性能に与える影響を示すグラフであり、横軸は給電開
始からの時間を、縦軸は定着スリーブの温度を表してい
る。金属層の厚みが15μm,20μm,40μm,6
0μmおよび65μmの5種類の定着スリーブを用いて
昇温特性を調べた。「クイック定着」といわれる時間
は、操作性を考慮して給電を開始してから10秒以内が
望ましく、定着装置には、この10秒以内に、定着可能
な温度範囲(T1〜T2、例えば、150〜200℃)
まで、定着スリーブを昇温することが要求される。図7
中の”L”秒は、「クイック定着」における許容限度時
間を表している。このグラフから明らかなように、定着
スリーブの金属層の厚みが20μmより薄い15μmの
場合には、上述した許容限度時間が経っても、定着スリ
ーブの温度は定着可能温度に達していない。ウォームア
ップ時間が長くなる理由は、金属層が薄すぎると、金属
層における電力吸収が悪くなり、電気−熱変換効率が悪
くなるからである。また、定着スリーブの金属層の厚み
が60μmを越える65μmの場合にも、定着スリーブ
全体の熱容量が増すため、許容限度時間以内に定着スリ
ーブを定着可能温度まで昇温することができない。
【0032】このような実験結果と前述した製造上など
の問題点を考慮すると、定着スリーブ5の金属層は、2
0μm〜60μm程度の厚さが好ましい。定着スリーブ
5の金属層の厚みを20μm〜60μm内にすれば、耐
久性、昇温特性およびコストの面で優れた定着装置を実
現できる。
【0033】定着スリーブ5は、装置内のいずれの部材
にも固定されておらず、ホルダ4の回りを自由に回転で
きる。一方、ホルダ4は、装置本体に固定されている。
ホルダ4の周面のうち、少なくとも定着スリーブ5と接
触する部分は、耐熱性を有する樹脂材料より平滑に形成
されている。シート8と定着スリーブ5との間の摩擦抵
抗に比べて、ホルダ4と定着スリーブ5との間の摩擦抵
抗の方が小さくなっており、定着スリーブ5は、加圧ロ
ーラ6の回転によるシート8の移動に従動する。なお、
ホルダ4の両端には、定着スリーブ5がホルダ4の長手
方向にずれないように規制するつば(不図示)が設けら
れている。
【0034】コイルアセンブリ9は、図2および図3に
示すように、中央部に通孔が形成されたボビン3をさら
に有する。このボビン3の周りに銅線を複数回巻き付け
てコイル2が形成される。ボビン3の通孔には、コイル
2の銅線と直交するようにコア1が挿入されている。こ
のコイルアセンブリ9は、コア1がシート搬送方向に対
し平行となるように、後述するホルダ4内に保持されて
いる。
【0035】コア1は、例えばフェライトコアまたは積
層コアからなる。コア1の形状は単純なI型形状である
ため、コア1の製造コストは安く、ボビン3の通孔に挿
入する作業も簡単になる。さらに、コイルアセンブリ9
がホルダ4内に保持された状態では、コア1の断面長手
方向に位置する端面はホルダ4の内壁に近接している。
このようにコア1を配置すれば、定着スリーブ5との間
のエアギャップは狭くなる。エアギャップの磁気抵抗
は、コア1や定着スリーブ5の磁気抵抗に比べて非常に
大きい。したがって、エアギャップを狭くすることで、
コア1と定着スリーブ5との間の磁気的結合が強くな
り、高い電力伝達効率が得られる。なお、コア1の前記
端面を、ホルダ4の内面に沿うように、例えば弧状に形
成してもよい。
【0036】ボビン3は、周囲からの熱伝導により加熱
されるため、少なくとも定着温度すなわち定着スリーブ
5の表面温度に絶え得る耐熱性を必要とする。このた
め、ボビン3は、例えば、セラミックや、耐熱性および
絶縁性を有するエンジニアリング・プラスチックから形
成されている。エンジニアリング・プラスチックとして
は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK
(ポリエーテルエーテルケトン)、LCP(液晶ポリマ
ー)、フェノールなどが挙げられる。
【0037】また、コイル2を構成する銅線としては、
表面に融着層と絶縁層とを持つ単一またはリッツ銅線を
用いることが好ましい。
【0038】コイルアセンブリ9がコイル2を巻くボビ
ン3を備えることにより、コイル巻き製造工程が容易に
なるほか、安定した巻き付けが可能となる。また、ボビ
ン3によりコア1とコイル2との電気的絶縁が確実にな
るため、この定着装置は、故障の発生が少なく、信頼性
が高くなる。
【0039】コイルアセンブリ9が収納されるホルダ4
は、図3に示すように、ホルダステー4aと、このホル
ダステー4aに装着されるホルダカバー4bとを有す
る。ホルダステー4aおよびホルダカバー4bは、それ
ぞれ耐熱性および絶縁性を有するエンジニアリング・プ
ラスチックから形成されている。ホルダステー4aおよ
びホルダカバー4bの内面には、コイルアセンブリ9を
保持するための凹部41が形成され、両端部には、装置
本体の定着ユニットフレームにホルダ4を固定するため
の嵌合部42が設けられている。ホルダ4は、ホルダス
テー4aの凹部41に、コイル2を形成したボビン3を
挿入し、ボビン3の通孔にコア1を挿入し、コイル2の
外周面に絶縁フィルム10を配置し、ホルダカバー4b
をホルダステー4aに装着して、組み立てられる。複数
のコイル2はホルダ4内で直列に接続されており、ホル
ダ4の両端(または、片端)には、コイル2の端末が接
続されるコネクタ端子(不図示)が設けられている。こ
の端子を介して、コイル2は、高周波電流を供給する後
述する高周波電源に接続されている。
【0040】ホルダは、一般に、加圧ローラから圧接力
を受けることによりベンディング(曲り変形)を生じ
る。また、ホルダは周囲からの熱で加熱される状況下に
あることから、特に樹脂材料からホルダが形成されてい
る場合にあっては、当該ホルダの変形量は比較的大きい
ものとなる。圧力によるホルダの変形量が大きいと、ニ
ップ圧力がホルダ長手方向に沿って不均一になり、その
結果、均一な定着性が得られない。また、シートの搬送
にも悪影響を及ぼす。そこで、図1に明らかに示される
ように、ホルダ4は、ホルダステー4aとホルダカバー
4bとを組み付けた状態では、軸直交断面で見て途切れ
のない周縁すなわち断面無端形状となるように形成して
ある。これにより、加圧ローラ6から受ける圧接力に対
するホルダ4の剛性を確保でき、ホルダ長手方向に沿っ
た定着性が均一になり、シート8の搬送不良を招くこと
もない。また、コイルアセンブリ9の周囲をホルダ4に
よって無端状に絶縁することになるので、コイル2と定
着スリーブ5との間の電気的絶縁が確実となり、コイル
2に流れる電流が定着スリーブ5を介して短絡すること
を確実に防止できる。
【0041】図1を参照して、加圧ローラ6は、軸芯6
1と、当該軸芯61の周囲に形成されたシリコンゴム層
62とから構成されている。シリコンゴム層62は、表
面からシート8が離れ易い離型性を有すると共に、耐熱
性を有するゴム層である。また、加圧ローラ6の両端に
は、図示しないスベリ軸受部が形成され、装置本体の定
着ユニットフレーム63に回転自在に取り付けられてい
る。加圧ローラ6は、定着ユニットフレーム63に設け
たばね材64により、定着スリーブ5を間に挟んでホル
ダ4に向かう方向に押圧される。さらに、加圧ローラ6
は、その片端に図示しない駆動ギアが固定され、この駆
動ギアに接続されたモータなどの図示しない駆動源によ
って回転駆動される。
【0042】定着スリーブ5の表面には、当該定着スリ
ーブ5の温度を検出する温度センサが圧接している。こ
の温度センサは、例えばサーミスタ7により構成され
る。このサーミスタ7で定着スリーブ5の温度を検出し
つつ、定着スリーブ5の温度が最適温度となるように、
コイル2への通電が後述するように制御される。
【0043】定着スリーブ5の上方には、温度異常上昇
時の安全機構として、サーモスタット23が設けられて
いる。このサーモスタット23は、定着スリーブ5の表
面に接触しており、予め設定された温度になると接点を
開放してコイル2への通電を切断する。これにより、定
着スリーブ5が所定温度以上の高温となることを防止し
ている。
【0044】図4は、本実施の形態の誘導加熱定着装置
における定着スリーブの加熱原理を説明する説明図であ
る。コイル2に高周波(数kHz〜数十kHz)の電流
が流されると、「アンペアの右ネジの法則」に従って、
図示するように、コア1から、定着スリーブ5の長手軸
方向に対し直交する磁束11aが発生する。この磁束1
1aもまた高周波磁束である。
【0045】導電体の定着スリーブ5に到達した磁束1
1bは、定着スリーブ5に沿って曲り、導電体の比透磁
率に依存した比率で定着スリーブ5の円周面内を通る磁
束11cとなる。定着スリーブ5の周面に集中した磁束
11cは、コイル2に対向する部分で密度が最大とな
る。
【0046】この集中した磁束11cの作用により、定
着スリーブ5には、「レンツの法則」に従って、前記磁
束11cを妨げる前記磁束11cと逆方向の磁束を生じ
るような渦状の誘導電流が内部で発生する。この誘導渦
電流は、定着スリーブ5の表皮抵抗によりジュール熱に
変換される。これにより定着スリーブ5が発熱する。こ
の構成にあっては、定着スリーブ5のP,R点で円周面
内の磁束密度が極大になり、逆に、Q、S点で極小にな
る。よって、誘導電流密度も同様の傾向になるので、定
着スリーブ5の発熱は、円周面内において均一ではな
く、前記P,R点が発熱極大点になり、2点鎖線で囲ん
だ部分12a、12bが局所的に発熱する。この局所的
に発熱する部分12a、12bは、図1において示せ
ば、定着スリーブ5の上部領域と下部領域に相当する。
したがって、ニップ部と一方の発熱箇所(領域)とは、
少なくとも一部で重複している。この一方の発熱箇所に
は、サーミスタ7が接触しており、他方の発熱箇所に
は、サーモスタット23が接触するように配置される。
図示する実施の形態では、コイル2が周囲に形成される
コア1をシート1の搬送方向に対して平行に配置したこ
とで、上述したように、定着スリーブ5の一方の発熱領
域とニップ部とが重複することになり、定着スリーブ5
の熱が十分かつ無駄なくトナーに伝わることになる。
【0047】なお、サーミスタ7の取り付け箇所は、定
着スリーブ5の上部か下部のどちらかにすれば良いが、
図示する実施の形態では、下部の外側に取り付けてあ
る。また、サーミスタ7が小型であれば、定着スリーブ
5上部の内側または下部の内側に取り付けても良い。
【0048】図4に示したように、定着スリーブ5は、
周方向に沿う2か所に発熱極大点P,Rを有している。
このことをコイル側から見れば、コイル2は、定着スリ
ーブ5が2か所の発熱極大点P,Rを有するように、定
着スリーブ5に誘導渦電流を生じさせている。このた
め、コア1をI型形状にしてニップ部(点P)とは反対
側(点R)にも磁束を発生させ、しかも、点Rとコイル
2との間のエアギャップを小さくして十分な磁束を発生
するように、コイルアセンブリ9が構成されている。エ
アギャップが小さくなるのでコイル2と定着スリーブ5
との良好な磁気的結合が得られ、定着スリーブ5への電
力伝達効率を高めることができる。また、コイル2を巻
くための容積を、ホルダ4の限られた内容積の内で十分
な大きさで確保することができ、太い銅線を用いて銅損
を減らして、コイル2における損失を小さくできる。こ
の結果、コイルアセンブリ9全体およびホルダ4を小さ
くでき、コンパクトな定着装置を実現できる。これに対
して、E型形状のコアを用いて定着スリーブの一部を発
熱させる構成とする場合には、コイルやコアの大きさを
小さくまとめる必要がある。その結果、細い銅線に大電
流を流さなくてはならず、コイルでの損失が大きくなっ
て定着スリーブへの電力伝達効率が悪くなる。また、ス
リーブのような回転体の周長すなわち回転体内方の大き
さの割りには、大きな電力を発生できなくなる。
【0049】次に、この定着装置の制御系について説明
する。図5はこの制御系のブロック図である。
【0050】高周波電流は、商用電源21の交流を整流
回路22によって整流し、自励式インバータ回路20で
高周波に変換し発生させる。誘導加熱コイル2への電流
は、定着スリーブ5の表面に圧接されたサーモスタット
23を介して供給され、定着スリーブ5の表面温度が予
め設定されている異常温度に達すると、サーモスタット
23によって電流路が切断されるようになっている。制
御回路27は、マイクロプロセッサやメモリなどから構
成され、サーミスタ7の電位に基づいて定着スリーブ5
の温度を監視しながら、インバータ回路20内のドライ
ブ回路26へオン/オフ信号を出力し、温度制御を行
う。インバータ回路20は、整流回路22からの直流電
流を高周波電流に周波数変換して、コイル2に供給す
る。
【0051】インバータ回路20は、制御回路27から
発せられる制御信号(加熱信号)がオンになると、まず
ドライブ回路26が、例えばトランジスタ、FETある
いはIGBTなどからなるスイッチング素子25をオン
する。これによって、誘導加熱コイル2に電流が流れ
る。一方、電流検出回路29は所定の電流値IP に達し
たことを検出すると、スイッチング素子25をオフする
ようにドライブ回路26に信号を送る。電流検出回路2
9で検出されるドレイン電流ID の波形を図6Bに示
す。スイッチング素子25がオフされると、誘導加熱コ
イル2と共振用コンデンサ24との間で共振電流が流れ
る。そして、電圧検出回路28は、共振によりスイッチ
ング素子25の誘導加熱コイル2側のドレイン電圧VD
が0V付近まで下降したことを検出すると、スイッチン
グ素子25を再びオンするようにドライブ回路26に信
号を送る。以下、このスイッチングサイクルを繰り返す
ことによって高周波の電流を誘導加熱コイル2へ流す。
電圧検出回路28で検出される電圧VD の波形を図6A
に、また、スイッチング素子25のオン/オフ信号VG
(例えば、FETならばゲートのオン/オフ信号)を図
6Cに示す。
【0052】このように構成された誘導加熱定着装置は
以下のように動作する。
【0053】未定着のトナー像を保持したシート8は、
図1中矢印bで示すように左方向から搬送され、定着ス
リーブ5と加圧ローラ6との間のニップ部に向けて送り
込まれる。シート8は、加圧ローラ6から作用する圧力
が加えられながら、定着スリーブ5に密着しつつ、ニッ
プ部を搬送される。すると、上述したように制御されて
熱せられた定着スリーブ5の熱と、前記圧力とによっ
て、未定着トナーがシート8上に定着され、シート8上
には定着トナー像が形成される。トナーは、シート8の
両面のうち、定着スリーブ5と接触する側に保持されて
いる。ニップ部を通過したシート8は、定着スリーブ5
がフレキシブルであるため自然に分離し、図1中右方向
に搬送される。このシート8は、図示しない排紙ローラ
によって搬送され、排紙トレイ上に排出される。
【0054】《実施の形態2》図8は、実施の形態2の
誘導加熱定着装置を示す構成図である。この実施の形態
2は、ニップ部の形状を改変した点で、実施の形態1と
相違する。
【0055】この誘導加熱定着装置は、コア1とこのコ
ア1に巻回されたコイル2とを有するコイルアセンブリ
9がホルダ13の内部に収納されている。このホルダ1
3の回りを誘導電流によって発熱する金属製のフレキシ
ブルな定着スリーブ5が取り巻いている。加圧ローラ6
は定着スリーブ5を介してホルダ13を押圧している。
そして、加圧ローラ6に対向するホルダ13の圧接面
を、加圧ローラ6の形状に合わせて凹形状に形成し、シ
ート8がニップ部を通過する距離が長くなるようにして
ある。
【0056】誘導加熱では、定着スリーブ5のある程度
広い範囲が同時に加熱されている。実施の形態2ではこ
れを利用し、ニップ部を広くすることにより、熱を十分
にトナーに与えることができるようにしてある。これに
よって、定着スリーブ5の温度を低めの温度に設定でき
るようになる。
【0057】なお、その他の構成や動作については前述
の実施の形態1と同様であるので、その説明は省略す
る。
【0058】《実施の形態3》図9は、実施の形態3の
誘導加熱定着装置を示す構成図である。この実施の形態
3は、ニップ部の形状をさらに改変し、加圧ローラに代
えてベルトを用いたものである。
【0059】この誘導加熱定着装置は、コア1とこのコ
ア1に巻回されたコイル2とを有するコイルアセンブリ
9がホルダ14の内部に収納されていて、このホルダ1
4の回りを誘導電流によって発熱する金属製のフレキシ
ブルな定着スリーブ5が取り巻いている。そして、プー
リ65および66の間に掛け渡されたベルト60は、定
着スリーブ5を介して、圧接面が平坦に形成されたホル
ダ14を押圧している。
【0060】これにより、ニップ部を実施の形態2より
もさらに広くとることができ、定着スリーブ5の温度を
より低く設定できるようになる。
【0061】なお、その他の構成や動作については前述
の実施の形態1と同様であるので、その説明は省略す
る。
【0062】
【発明の効果】以上説明した本発明は請求項ごと以下の
ような効果を奏する。請求項1記載の本発明の誘導加熱
定着装置によれば、コイルを収納したホルダと加圧手段
とによって、少なくとも表面層が金属で形成された導電
性のフレキシブルな定着スリーブと記録媒体とを挟み、
定着スリーブ自体をコイルによって直接誘導加熱するこ
ととしたので、発熱される定着スリーブの熱容量を少な
くすることができるので、ウォームアップ時間を短縮す
ることができ、また、発熱体により耐熱シートを介して
加熱する方法に比較して、耐熱シートの熱抵抗がないの
で、少ない電力でより速くウォームアップすることがで
き、省エネルギー化が図られる。
【0063】また、請求項2記載の本発明では、加圧手
段としてローラを用いた場合に、ローラに対向する部分
のホルダの形状をローラの表面形状に合わせて凹形とす
ることで、ニップ部分を広くすることができ、定着スリ
ーブの設定温度を下げることが可能となるので、よりウ
ォームアップ時間が短縮され、さらに省エネルギー化が
図れる。
【0064】また、請求項3記載の本発明では、定着ス
リーブのベース層も金属で形成したので、樹脂材料から
なる耐熱フィルムなどをベース層とする場合に比べて放
熱量が小さく、電力を無駄にすることがない。また、コ
イルは、定着スリーブが少なくとも2か所の発熱領域を
有するように当該定着スリーブに誘導渦電流を生じさせ
るので、コイルと定着スリーブとの良好な磁気的結合が
得られ、定着スリーブへの電力伝達効率が高まる。ま
た、コイル全体およびホルダを小さくでき、コンパクト
な定着装置を実現できる。
【0065】また、請求項4記載の本発明では、コイル
が周囲に形成されるコアを記録媒体の搬送方向に対して
平行に配置することで、定着スリーブの一の発熱領域と
ニップ部とが少なくとも一部で重複することになり、定
着スリーブの熱が十分かつ無駄なくにトナーに伝わる。
また、コアの形状は単純なI型形状であるため、コアの
製造コストは安く、組み立て性もよい。さらに、コアの
断面長手方向に位置する端面がホルダの内壁に近接する
ようにコアを配置したので、定着スリーブとの磁気的結
合が強く、高い電力伝達効率が得られる。
【0066】また、請求項5記載の本発明では、コイル
を巻くボビンを備えるので、コイル巻き製造工程が容易
になるほか、安定した巻き付けが可能となる。また、ボ
ビンによりコアとコイルとの電気的絶縁が確実になるた
め、故障の発生が少なく、信頼性が高い定着装置を実現
できる。
【0067】また、請求項6記載の本発明では、定着ス
リーブのうち金属からなる層を、厚みが20μm〜60
μmの範囲の、ニッケルあるいはニッケルを含む合金と
したので、耐久性、昇温特性およびコストの面で優れた
定着装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した実施の形態1の誘導加熱定
着装置を示す構成図である。
【図2】 同誘導加熱定着装置のコイルアセンブリを説
明するための斜視図である。
【図3】 同誘導加熱定着装置のホルダユニットを説明
するための分解斜視図である。
【図4】 同誘導加熱定着装置における定着スリーブの
加熱原理を説明する説明図である。
【図5】 同誘導加熱定着装置の制御系を示すブロック
図である。
【図6】 図6(A)は、図5に示される電圧検出回路
で検出される電圧の波形図、同図(B)は、図5に示さ
れる電流検出回路で検出される電流の波形図、同図
(C)は、図5に示されるスイッチング素子のオン/オ
フ信号の波形図である。
【図7】 定着スリーブの肉厚が昇温性能に与える影響
を示すグラフである。
【図8】 実施の形態2の誘導加熱定着装置を示す構成
図である。
【図9】 実施の形態3の誘導加熱定着装置を示す構成
図である。
【符号の説明】
1,15…コア 2,16…コイル 3…ボビン 4,13,14,18…ホルダ 5…定着スリーブ 6…加圧ローラ(加圧手段) 8…シート(記録媒体) 9,17…コイルアセンブリ 60…ベルト(加圧手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体上に形成されたトナー像を該記
    録媒体へ定着させる定着装置であって、 ベース層と前記記録媒体に接する表面層とを有し少なく
    とも前記表面層が金属で形成されたフレキシブルな定着
    スリーブと、 該定着スリーブに誘導渦電流を発生させて誘導加熱する
    コイルと、 該コイルを内部に収納した絶縁性のホルダと、 該ホルダと対向する位置に設けられ、該ホルダとの間に
    前記定着スリーブおよび前記記録媒体を挟んで、前記定
    着スリーブと前記記録媒体と密着させつつ共に移動させ
    る加圧手段と、を有することを特徴とする誘導加熱定着
    装置。
  2. 【請求項2】 前記加圧手段は円筒形のローラであり、
    前記ホルダの該ローラに対向する部分の形状を、該ロー
    ラの表面形状に合わせて凹形としたことを特徴とする請
    求項1に記載の誘導加熱定着装置。
  3. 【請求項3】 前記定着スリーブの前記ベース層は金属
    で形成され、前記ホルダは断面無端形状を有し、前記コ
    イルは、前記定着スリーブが周方向の少なくとも2か所
    以上の異なる領域で発熱するように、前記定着スリーブ
    に誘導渦電流を発生させることを特徴とする請求項1に
    記載の誘導加熱定着装置。
  4. 【請求項4】 前記コイルは、前記記録媒体の搬送方向
    に対して平行に配置される磁性材料からなるコアの周囲
    に形成され、 前記コアは、I型形状を有し、その断面長手方向に位置
    する端面は前記ホルダの内壁に近接して配置されること
    を特徴とする請求項1に記載の誘導加熱定着装置。
  5. 【請求項5】 前記コイルと前記コアとの間には、前記
    コアが挿入される通孔を有すると共に前記コイルを巻回
    する耐熱性および絶縁性を有するボビンが設けられるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱定着装置。
  6. 【請求項6】 前記定着スリーブのうち金属からなる層
    は、厚みが20μm〜60μmの範囲の、ニッケルある
    いはニッケルを含む合金であることを特徴とする請求項
    1に記載の誘導加熱定着装置。
JP22151296A 1995-09-04 1996-08-22 誘導加熱定着装置 Withdrawn JPH09134086A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5870660A (en) * 1996-08-30 1999-02-09 Minolta Co., Ltd. Heating device
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