JP3770125B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像記録装置において用いられ、記録媒体上に担持された未定着トナー像を加熱溶融し、記録媒体に定着させる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、粉状のトナーを用いる画像形成装置においてトナー像を定着する工程は、トナー像を記録媒体上に静電的に転写した後、定着装置によってトナー像を記録媒体に溶融圧着する方法が広く採用されている。
【0003】
上記定着装置は、定着部材と、定着部材に圧接された加圧部材とで構成されており、定着部材と加圧部材との間に未定着トナー像を担持した記録媒体を挟み込んで加熱押圧し、トナー像を記録媒体に融着させて定着画像を形成する。定着部材は、円筒状芯金の内部にハロゲンランプ等の発熱体が配置され、芯金の表面に弾性層及び離型層が設けられているものや、テンションフリーの状態で支持され、耐熱性を有する無端状フィルムの内部に発熱体と内部加圧部材とが配置されているもの等が一般に用いられている。
【0004】
上記発熱体に電力が投入されると、発熱体の輻射熱又は接触熱によって定着部材の表面が、トナー像を加熱溶融するのに適切な温度となる。ところが、ハロゲンランプ等の発熱体を加熱源として用いる場合、発熱体に電力を投入後、発熱体の熱が定着部材の表面に伝達し、該定着部材が所定の温度に達するまでに時間を要する。このため、装置の起動時や待機状態から復帰する時に定着部材のウォーミングアップに時間がかかり、消費電力が大きくなってしまう。
【0005】
このような事情から、定着部材を加熱する手段として、定着部材に導電性層を設け、電磁誘導加熱によって該導電性層を発熱させるものが知られている。
電磁誘導加熱は、変動磁界を発生する励磁コイルを導電性層に対向配置し、導電性層を貫通する磁束を発生させることにより、導電性層に渦電流が生じ発熱するものである。電磁誘導加熱によれば、極めて短い時間で導電性層を発熱させることができ、定着部材を直接加熱することができる。このため、加熱源としてハロゲンランプ等の発熱体を用いる場合に比べ、効率良く装置のウォーミングアップを行うことができる。又、励磁コイルは導電性層と対向するように定着部材の内側又は外側のいずれに配置することも可能であり、設計の自由度が増す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記励磁コイルは、定着部材の幅方向に平行に配置された磁性を有するコア、あるいは非磁性の芯材に巻き回されているため、励磁コイルに交番電流が印加されると、該励磁コイルの両端部で磁束が集中して発生し、これにともなって導電性層の両側縁付近の発熱量が多くなる。一方、導電性層は熱容量の小さい薄膜の金属層からなり、幅方向へ熱が伝達しにくいため、導電性層は中央部付近より両側縁付近の温度が高くなり、定着部材の軸方向に温度分布が生じてしまう。
【0007】
このように定着部材の幅方向の温度が不均一であると、トナー像の加熱が良好に行われず、定着画像に光沢ムラや色ムラが生じるおそれがある。また、定着部材として無端状フィルムを用いる場合、幅方向の温度ムラによってフィルムの熱膨張率が異なるため、フィルムの中央部と両端部とで搬送速度に差が生じ、周面方向にしわが発生して定着不良となってしまう。
【0008】
上記のように無端フィルムの幅方向における温度差を補正する手段が、特開平8−30126号公報、特開平8−286534号公報に提案されている。
特開平8−30126号公報に記載の定着装置では、導電性層を有する無端状の定着フィルムの内周面に、良熱伝導性の材料からなる加圧板が接触しており、更に内側に電磁誘導加熱装置が配置されている。電磁誘導加熱装置によって導電性層が発熱すると、導電性層が有する熱は加圧板に伝達し、該加圧板の軸線方向に伝達し、導電性層の軸線方向の温度がほぼ均一となる。ところが、加圧板には熱容量の大きいセラミック等を使用するため、定着フィルムの熱を奪い、定着フィルムをトナー像が加熱溶融される温度まで加熱するウォーミンアップに時間がかかってしまう。
【0009】
また、特開平8−286534号公報に記載の定着装置は、定着フィルムの内側に電磁誘導発熱性部材と励磁コイルとが配置されており、該電磁誘導発熱性部材は中央部付近より両端部の熱容量が大きく、両端部の温度が上昇しにくいものとしている。あるいは、電磁誘導発熱性部材と励磁コイルとのギャップを両端部で大きくしたり、電磁誘導発熱性部材の透磁率を変化させて両端部の発熱量を抑えている。このため、定着部材の軸線方向における温度分布がほぼ均一となる。しかし、これらの電磁誘導発熱性部材は、構造が複雑となったり、製作に高い精度を要するため、生産コストが高くなってしまうという問題がある。
【0010】
本願発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電磁誘導によって加熱された定着部材を記録媒体上に担持された未定着トナー像に圧接し、加熱溶融して記録媒体に定着させる定着装置において、該定着部材の幅方向の温度分布を小さくするとともに、定着部材を効率良く加熱することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 無端状の周面を有し、該周面に沿って導電性層を有する定着ベルトと、 該定着ベルトのほぼ全幅にわたり、内周面に当接するように支持されるパッドと、 前記定着ベルトの外周面に当接され、該定着ベルトを介して前記パッドに押圧される加圧部材と、 前記定着ベルトに対向するように配置され、変動磁界を形成することにより該定着ベルトの導電性層内に生じる渦電流で該導電性層を発熱させる電磁誘導加熱装置とを有し、 前記定着ベルトと前記加圧部材との間に、未定着トナー像を担持する記録媒体を通過させ、加熱及び加圧してトナー像を定着する定着装置であって、
前記定着ベルトの内周面に、前記電磁誘導加熱装置による加熱の、前記定着ベルトの幅方向における温度ムラを是正するように吸熱する吸熱部材が当接されており、 前記定着ベルトの幅方向における前記吸熱部材が設けられる位置は、前記変動磁界を発生させるコイルの形状によって磁束が集中する部分と対応する位置であることを特徴とする定着装置を提供する。
【0012】
上記電磁誘導加熱装置によって、上記定着ベルト表面がトナー像を加熱溶融するのに適した温度となるように、該定着ベルトが有する導電性層を発熱させる。加熱された定着ベルトと上記加圧部材との間に未定着トナー像を担持した記録媒体が送り込まれ、定着ベルトの熱によって未定着トナー像が溶融し、加圧部材とパッドとの間の圧接力によって記録媒体に圧着され、定着画像が形成される。上記電磁誘導加熱装置による加熱において、発生する磁束の分布等により定着ベルトの幅方向に温度ムラが生じるが、該定着ベルトの温度が高くなる部分の内周面に吸熱部材が当接されており、この吸熱部材によって吸熱されて温度が低下する。このようにして、定着ベルトは幅方向の温度が均一となるよう促され、幅方向の温度差が小さくなる。このため、定着ベルトの温度ムラによってトナー像の加熱ムラや定着ベルトにしわが発生するのを防ぐことができ、定着不良が生じにくい。
【0013】
請求項2に係る発明は、 請求項1に記載の定着装置において、前記吸熱部材は、前記定着ベルトが周回移動するときの、前記電磁誘導加熱装置が対向する位置の下流側で、前記パッドが当接される位置の上流側において、該定着ベルトの内周面に当接されているものとする。
【0014】
上記定着ベルトは周回移動によって電磁誘導加熱装置と対向する位置を通過する際に、導電性層が発熱し、温度が急上昇する。このとき定着ベルトの幅方向に温度ムラが生じるが、該定着ベルトの温度の高い部分が吸熱部材によって吸熱され、温度が低下して定着ベルトの幅方向の温度がほぼ均一となる。その後、定着ベルトは、パッドと加圧部材との圧接部に搬送され、記録媒体上のトナー像と当接し、トナー像を加熱溶融して再び温度が低下する。つまり、定着ベルトが加熱された後、幅方向における温度ムラを是正して、トナー像に圧着される。また、パッドと加圧部材との圧接部において定着ベルトが駆動されると、この圧接部より上流側で、定着ベルトに引張力が付与され、定着ベルトの内周面に当接されている吸熱部材は、該定着ベルトの内周面に密着して、吸熱が良好に行われる。
【0015】
請求項3に係る発明は、 無端状の周面を有し、該周面に沿って導電性層を有する定着ベルトと、 該定着ベルトのほぼ全幅にわたり、内周面に当接するように支持されるパッドと、 前記定着ベルトの外周面に当接され、該定着ベルトを介して前記パッドに押圧される加圧部材と、 前記定着ベルトに対向するように配置され、変動磁界を形成することにより該定着ベルトの導電性層内に生じる渦電流で該導電性層を発熱させる電磁誘導加熱装置とを有し、 前記定着ベルトと前記加圧部材との間に、未定着トナー像を担持する記録媒体を通過させ、加熱及び加圧してトナー像を定着する定着装置であって、 前記定着ベルトの内周面に、前記電磁誘導加熱装置による加熱の、前記定着ベルトの幅方向における温度ムラを是正するように吸熱する吸熱部材が当接されているとともに、 円筒曲面を備え、該円筒曲面が、前記定着ベルトの両側縁部における内周面に当接される一対の内面ガイド部材を有し、 前記吸熱部材は、前記内面ガイド部材と一体となるように設けられ、前記定着ベルトの幅方向における中央部側に張り出すように支持されている定着装置を提供するものである。
【0016】
上記定着ベルトは、該定着ベルトの両側縁部で内周面に当接されている上記内面ガイド部材と、定着ベルト自身の剛性とによって周面の形状を維持している。内面ガイド部材は定着ベルトの両側縁部の内周面にのみ当接されているため、定着ベルトの幅方向における中央部で他の部材に熱を奪われることが少なく、定着ベルトは電磁誘導加熱装置によって所定の温度まで効率良く加熱される。そして、この定着ベルトの幅方向に温度ムラが生じると、内面ガイド部材から定着ベルトの幅方向における中央部側に張り出すように支持されている吸熱部材は、定着ベルトの温度の高い部分に当接するようになっており、定着ベルトから吸熱して温度ムラが是正される。
【0017】
請求項4に係る発明は、 無端状の周面を有し、該周面に沿って導電性層を有する定着ベルトと、 該定着ベルトのほぼ全幅にわたり、内周面に当接するように支持されるパッドと、 前記定着ベルトの外周面に当接され、該定着ベルトを介して前記パッドに押圧される加圧部材と、 前記定着ベルトに対向するように配置され、変動磁界を形成することにより該定着ベルトの導電性層内に生じる渦電流で該導電性層を発熱させる電磁誘導加熱装置とを有し、 前記定着ベルトと前記加圧部材との間に、未定着トナー像を担持する記録媒体を通過させ、加熱及び加圧してトナー像を定着する定着装置であって、 前記定着ベルトの内周面に、前記電磁誘導加熱装置による加熱の、前記定着ベルトの幅方向における温度ムラを是正するように吸熱する吸熱部材が当接されており、 前記吸熱部材は、前記パッドを支持するパッド支持部材に一体となるように設けられている定着装置を提供するものである。
【0018】
上記パッドは、定着ベルトのほぼ全幅にわたって内周面に当接するように、パッド支持部材によって支持されており、該パッド支持部材に定着ベルト及びパッドを介して加圧部材から押圧力が作用する。パッド支持部材は、この押圧力に耐え得る剛性を有し、定着ベルトの熱が伝達しないように定着ベルトと非接触とするのが望ましいが、このパッド支持部材に吸熱部材を設けることにより、定着ベルトの温度の高い部分に正確に当接させることができ、定着ベルトの幅方向における温度ムラを有効に是正することができる。
【0019】
請求項5に係る発明は、 無端状の周面を有し、該周面に沿って導電性層を有する定着ベルトと、 該定着ベルトのほぼ全幅にわたり、内周面に当接するように支持されるパッドと、 前記定着ベルトの外周面に当接され、該定着ベルトを介して前記パッドに押圧される加圧部材と、 前記定着ベルトに対向するように配置され、変動磁界を形成することにより該定着ベルトの導電性層内に生じる渦電流で該導電性層を発熱させる電磁誘導加熱装置とを有し、 前記定着ベルトと前記加圧部材との間に、未定着トナー像を担持する記録媒体を通過させ、加熱及び加圧してトナー像を定着する定着装置であって、 前記定着ベルトの内周面に、前記電磁誘導加熱装置による加熱の、前記定着ベルトの幅方向における温度ムラを是正するように吸熱する吸熱部材が当接されているとともに、 周方向の一部を切り欠いた円筒曲面を備え、該円筒曲面が、前記定着ベルトの両側縁部における内周面に当接される一対の内面ガイド部材を有し、 前記電磁誘導加熱装置は、前記定着ベルトの幅方向における前記内面ガイド部材が接触する部分より中央部側を加熱するものであり、 前記吸熱部材は、一対の前記内面ガイド部材が、前記定着ベルトに当接される位置の間に設けられている定着装置を提供するものである。
【0020】
上記定着ベルトは、電磁誘導加熱装置によって、該定着ベルトの内面ガイド部材が当接されていない範囲を加熱されるため、定着ベルトの有する熱が内面ガイド部材に伝達しにくく、効率良く所定の温度まで昇温する。そして、上記吸熱部材は、一対の前記内面ガイド部材が定着ベルトに当接される位置の間、すなわち、電磁誘導加熱装置による加熱範囲に設けられており、この範囲における定着ベルトの幅方向における温度ムラが是正される。
【0021】
請求項6に係る発明は、 無端状の周面を有し、該周面に沿って導電性層を有する定着ベルトと、 該定着ベルトのほぼ全幅にわたり、内周面に当接するように支持されるパッドと、 前記定着ベルトの外周面に当接され、該定着ベルトを介して前記パッドに押圧される加圧部材と、 前記定着ベルトに対向するように配置され、変動磁界を形成することにより該定着ベルトの導電性層内に生じる渦電流で該導電性層を発熱させる電磁誘導加熱装置とを有し、 前記定着ベルトと前記加圧部材との間に、未定着トナー像を担持する記録媒体を通過させ、加熱及び加圧してトナー像を定着する定着装置であって、 前記定着ベルトの内周面に、前記電磁誘導加熱装置による加熱の、前記定着ベルトの幅方向における温度ムラを是正するように吸熱する吸熱部材が当接されており、 前記吸熱部材は、前記定着ベルトとの接触領域の周方向の長さが、幅方向に変化するものである定着装置を提供するものである。
【0022】
定着ベルトから吸熱部材への熱伝導量は、周方向に駆動される定着ベルトが吸熱部材と接触する時間に比例するため、吸熱部材の周方向の長さが長いと熱伝導量は大きくなり、定着ベルトの温度がより低下する。したがって、電磁誘導加熱装置の特性に応じて、定着ベルトに当接される吸熱部材の周方向の長さを、定着ベルトの両側縁部から中央部側にむかって異なるものにすることにより、定着ベルトの幅方向の温度をより正確にほぼ均一とすることができる。
【0023】
請求項7に係る発明は、 無端状の周面を有し、該周面に沿って導電性層を有する定着ベルトと、 該定着ベルトのほぼ全幅にわたり、内周面に当接するように支持されるパッドと、 前記定着ベルトの外周面に当接され、該定着ベルトを介して前記パッドに押圧される加圧部材と、 前記定着ベルトに対向するように配置され、変動磁界を形成することにより該定着ベルトの導電性層内に生じる渦電流で該導電性層を発熱させる電磁誘導加熱装置とを有し、 前記定着ベルトと前記加圧部材との間に、未定着トナー像を担持する記録媒体を通過させ、加熱及び加圧してトナー像を定着する定着装置であって、 前記定着ベルトの内周面に、前記電磁誘導加熱装置による加熱の、前記定着ベルトの幅方向における温度ムラを是正するように吸熱する吸熱部材が当接されており、 前記電磁誘導加熱装置が有する励磁コイルは、巻き線が前記定着ベルトの幅方向に平行に配置され、該平行部分の両端部で折り返すように連続するものであり、 前記吸熱部材は、前記定着ベルトの幅方向における前記励磁コイルの折り返し部分に相当する位置に設けられている定着装置を提供するものである。
【0024】
上記励磁コイルは、巻き線が上記定着ベルトの幅方向に平行に配置され、該平行部分の両端部で折り返すように連続している。このため、励磁コイルに交番電流を印加すると、励磁コイルの両端部に磁束が集中して発生し、これにともなって定着ベルトが有する導電性層の両側縁付近の発熱量が多くなる。上記定着装置では、定着ベルトの幅方向における励磁コイルの折り返し部分に相当する位置に吸熱部材が設けられているため、定着ベルトの両側縁部の発熱量が中央部付近より多くなっても、定着ベルトの幅方向に温度ムラが生じにくい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本願に係る発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項5、請求項6又は請求項7に係る一実施形態である定着装置を示す概略構成図である。
この定着装置は、無端状の周面を有する定着ベルト1と、この定着ベルト1の外周面に当接される加圧ロール2と、定着ベルト1の背面側に当接され、定着ベルト1を加圧ロール2に押圧する加圧パッド3と、該加圧パッドを支持するパッド支持部材4と、定着ベルト1の外周面に沿って設けられ、該定着ベルト1を加熱する電磁誘導加熱装置5と、定着ベルト1の両側縁部の内周面に当接されているガイド部材6a、6bとで構成されている。
【0026】
次に、上記定着装置が有する構成の詳細について説明する。
上記定着ベルト1は、十分な強度を有する基層と、その上に積層された導電性層と、最も上層となる表面離型層との3層で構成されている。
基層は、厚さ10〜100μmの、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアミド等の耐熱性の高い樹脂が用いられる。導電性層は、例えば、鉄、、ニッケル、コバルト、銅、クロム、アルミニウム、ステンレススチールまたはこれら主体の合金を、厚さ1μm〜50μm程度に形成したものが用いられ、電磁誘導で十分な発熱が得られるような固有抵抗値となるように材質が選択される。表面離型層は、離型性の高いシート又はコート層であることが好ましく、例えば、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シリコン共重合体またはそれらの複合層等を用いることができる。表面離型層は薄過ぎると耐摩耗性が劣り、厚いと熱容量が大きくなるため、1μm〜50μm程度とするのが望ましい。
本実施例では、定着ベルト1は、無張力状態で直径が30mmの円形断面となり、幅方向に座屈等が生じない程度の剛性を有するよう、50μmのポリイミドを基層とし、この上に蒸着又はメッキ等の手段によって5μmの銅を導電性層として積層し、さらにPFAを表面離型層として積層したものが用いられている。
【0027】
上記加圧ロール2は、金属製の円筒状芯金2aを芯材とし、該芯金2aの表面に合成樹脂の発泡体やゴムなどの弾性層2bと、さらに表面に表面離型層2cとを備えている。本実施例では、直径22mmの中実の鉄のロール表面に、厚さ3mm、ゴム強度60°(JIS-A)のシリコーンゴムを設け、これをPFAで被覆したものが用いられている。また、加圧ロール2は、駆動モータ(図示しない)によって回転駆動され、これにともなって定着ベルト1が従動回転する。
【0028】
上記加圧パッド3は弾性体からなり、定着ベルト1を介して加圧ロール2との間にニップ部を形成する。本実施例では、この弾性体は、厚さ3mm、ゴム強度30°(JIS-A)のシリコーンゴムが用いられており、定着ベルト1との当接面は加圧ロール2の周面に沿った形に湾曲している。このため、加圧ロール2と定着ベルト1との間のニップ部に送り込まれた記録紙Pは、定着ベルト1の形状、すなわち加圧ロール2の周面に沿って進むが、ニップ部の出口で定着ベルト1の形状が急激に変化するため、記録紙Pは自身の剛性によって定着ベルト1から剥離される。
【0029】
上記弾性体は、剛性を有する支持部材上に接着されており、支持部材としては、例えば、ステンレス、アルミ等の金属や耐熱性の高い樹脂等を用いることができる。ただし、支持部材が、電磁誘導加熱装置による磁束の影響を受ける場所に配置されている場合には、合成樹脂、磁性の低いアルミニウム又は非磁性のステンレス等を用いることによって、定着ベルト1の加熱効率が低下するのを防止できる。
【0030】
上記加圧パッド3と定着ベルト1との間には、該定着ベルト1の摺動性を良好にするために、耐摩耗性及び摺動性の高いシート状部材を設け、さらに潤滑材を塗布する。本実施例では、シート状部材としてフッ素樹脂を含浸させたガラス繊維シートが用いられ、潤滑材としてシリコーンオイルが用いられている。これにより、加圧ロール2を回転させたとき、従来の加圧ロール(シート状部材及び潤滑材を用いないもの)の駆動トルクが約6kg/cmであったのに対し、約3kg/cmに低減され、定着ベルト1は加圧ロール2の回転に従動して滑らかに回転する。
【0031】
上記パッド支持部材4は、両端部がこの定着装置本体のフレームに固定支持されたものであり、図2に示すように、ほぼ円形断面の棒状部材である。そして、両端部は径が縮小されており、この部分にガイド部材6a、6bが嵌め入れられている。上記加圧パッド3は、これら二つのガイド部材間に、軸線に沿って接着されており、定着ベルト1を介して加圧ロール2から圧接力が付与されたとき、パッド支持部材4が加圧パッド3の背面でこの圧接力を受けるようになっている。該パッド支持部材4は、電磁誘導加熱装置5による磁束の影響によって加熱されないように、ガラス入りPPS(ポリフェニレンサルファイド)、フェノール、ポリイミド、液晶ポリマー等の耐熱性の樹脂や耐熱ガラスを材料として用いることができる。本実施例では、ガラス入りPPSが用いられている。また、パッド支持部材4は、定着ベルト1から熱が伝達されたり、定着ベルト1の摺動性に影響を与えたりしないように該パッド支持部材4の外周面と定着ベルト1の内周面とが非接触となっている。
【0032】
上記電磁誘導加熱装置5は、定着ベルト1の外周面に沿って、この外周面とのギャップが0.5mm〜2mmとなるよう配置されており、コイル支持部材5aに支持された励磁コイル5bと、この励磁コイル5bに交流電流を供給する励磁回路5cとで主要部が構成されている。励磁コイル5bは、本実施例では、互いに絶縁された直径0.5mmの銅線材を16本束ねたリッツ線が用いられており、連続したリッツ線が定着ベルト1の幅方向に平行に配置され、平行部分の両端部で折り返されている。また、コイル支持部材5aは、耐熱性のある非磁性材料を用いることが望ましく、例えば、耐熱ガラスや、ポリカーボネイト等の耐熱性樹脂が用いられる。
【0033】
上記励磁回路5cから励磁コイル5bに交流電流が供給されると、励磁コイル5bの周囲に磁束が生成消滅を繰り返す。そして、この磁束が定着ベルト1の導電性層を横切るとき、その磁界の変化を妨げる磁界を生じるように導電性層中に渦電流が発生し、導電性層の表皮抵抗に比例して発熱する。これにより、定着ベルト1が所定の温度まで加熱される。
【0034】
上記ガイド部材6a、6bは耐熱性樹脂からなり、図3に示すように、エッジガイド部21と、内面ガイド部22とを備えており、内面ガイド部22と一体となるように矩形の吸熱部23が設けられている。
内面ガイド部22は、図2に示すように、パッド支持部材4の端部に設けられている縮径部4aに嵌め合わされており、エッジガイド部21が定着ベルト1の縁に近接又は当接される。これにより、定着ベルト1は、エッジガイド部21によって幅方向の動きが規制され、加圧ロール2の駆動にともなって周回するときの蛇行が防止される。
【0035】
内面ガイド部22の外周面は、定着ベルト1の端部の内周面に当接され、定着ベルトの端部を周方向に張架している。そして、定着ベルト1は、この内面ガイド部22と定着ベルト1自身の剛性とによって周面の形状が維持されるとともに、内面ガイド部22の外周面に沿って摺動する。内面ガイド部22は、定着ベルト1と接触して吸熱するため、定着ベルト1との接触部は少ない方が望ましい。また、電磁誘導加熱装置5によって内面ガイド部22と接触する領域を加熱することは、消費電力のロスとなるため、図4に示すように、励磁コイル5bは、一対の内面ガイド部22a、22bが定着ベルト1に接触する部分より中央部側と対向する位置に配置されている。
【0036】
吸熱部23は、電磁誘導加熱装置5が対向する位置の下流側であって、ニップ部の上流側で定着ベルト1の内周面に当接されており、定着ベルト1から熱が伝達される。図4に示すように、吸熱部23a、23bは、内面ガイド部22から定着ベルト1の幅方向における中央部側に張り出しており、励磁コイル5bの巻き線が折り返されている部分24a、24bと、定着ベルト1の幅方向において対応する位置に設けられている。吸熱部23の形状は、定着ベルト1の温度分布を考慮して、所望の熱量が定着ベルト1から吸熱部23に伝達するように調整されるものであり、矩形の他、周方向の長さが定着ベルト1の側縁部から中央部側に向かう位置によって異なるものであってもよい。
【0037】
次に、上記定着装置の動作について説明する。
図示しない転写装置によりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーによるトナー像Tが記録紙Pに転写される。これらのトナーは、着色顔料を含有した熱可塑性樹脂性のバインダで構成されている。
加圧ロール2は、駆動モータ(図示しない)により回転しており、定着ベルト1は加圧ロール2に従動して回転し、電磁誘導加熱装置5と対向する加熱領域を通過する際に、トナー像Tを加熱溶融するのに適当な温度まで加熱される。トナー像Tを担持した記録紙Pは、定着ベルト1と加圧ロール2とが接するニップ部に送り込まれる。トナー像Tは定着ベルト1によって加熱溶融されると同時に、加圧ロール2と加圧パッド3との圧接力によって記録紙Pに圧着される。記録紙Pは、ニップ部の出口で定着ベルト1の形状が急激に変化するため、記録紙自身の剛性によって定着ベルト1から剥離され、定着画像が形成される。
【0038】
上記電磁誘導加熱装置5が有する励磁コイル5bは、定着ベルト1の幅方向に平行に配置されている部分の両端で折り返されているため、励磁コイル5bに交番電流を印加すると、励磁コイル5bの両端部に磁束が集中して発生する。これにともなって定着ベルト1が有する導電性層の両側縁付近、すなわち磁束が集中する位置と対応する部分の発熱量が多くなる。定着ベルト1の両側縁付近の内周面には、定着ベルト1の両側縁部を支持するガイド部材6a、6bが当接され、さらにこのガイド部材6a、6bと連続して設けられた吸熱部23a、23bが、定着ベルト1の発熱量が多い部分に当接されている。吸熱部23は熱容量の大きい耐熱性樹脂からなり、定着ベルト1から吸熱部23a、23bに熱が伝達し、定着ベルト1の発熱量が多い部分の温度が低下する。このため、定着ベルト1の幅方向の温度がほぼ均一となる。
【0039】
本実施例では、加圧ロール2のプロセススピード(周速度)は140mm/sであり、定着ベルト1は該加圧ロール2に従動して140mm/sで周回移動する。電磁誘導加熱装置5が有する励磁回路5cから励磁コイル5bに900Wの有効電力を供給すると、定着ベルト1は約3秒で定着可能な温度となる。ニップ部入り口における定着ベルト1の温度は、吸熱部の周方向の長さを5mmとすると、図5に示すように、定着ベルト1の中央部の温度と励磁コイル5bの両端部と対応する位置の温度とが共に200℃であった。
【0040】
一方、ガイド部材に吸熱部を設けなかった場合、定着ベルトの中央部の温度が200℃のとき、励磁コイルの両端部と対応する位置では220℃であった。また、周方向に7mmの吸熱部を設けた場合、定着ベルトと吸熱部との接触面積が大きいため、励磁コイルの両端部と対応する位置の温度は190℃となり、3mmの吸熱部では接触面積が小さいため210℃となり、いずれの場合にも定着ベルトの幅方向に温度ムラが生じた。
【0041】
図6は、請求項4に係る発明の一実施形態である定着装置を示す概略構成図である。
この定着装置は、パッド支持部材34に吸熱部34a、34bが設けられており、ガイド部材36a、36bが嵌め合わされる位置に近いところに凸状部を設けて、定着ベルト31に接触させるものとなっている。定着ベルト31と、加圧ロール32と、加圧パッド33と、電磁誘導加熱装置35とは、図1に示す定着装置と同様のものが用いられている。また、ガイド部材36a、36bは、図6(b)及び図7に示すように、パッド支持部材34の両端部に嵌め合わされ、定着ベルト31の両側縁部の内周面に当接されるとともに、エッジガイド部が定着ベルト31の両側縁部に当接され、定着ベルト31が周回するときの蛇行を防ぐようになっている。
【0042】
上記パッド支持部材34は、ほぼ円形の断面の棒状部材であり、図8に示すように、吸熱部34aはパッド支持部材34の周面から突出するように一体に形成されている。そして、この凸状部の頂部は、定着ベルト31の内周面に沿った曲面となっており、この曲面のほぼ全域が定着ベルト31の内周面に当接される。この吸熱部34aは、電磁誘導加熱装置35が対向する位置の下流側、かつニップ部の上流側で、定着ベルト31の幅方向に平行に配置されている励磁コイル35bの折り返されている部分と、定着ベルト31の幅方向において対応する位置に設けられている。
【0043】
本実施例では、定着ベルト31は、吸熱部34a、34bの定着ベルト31の幅方向における中央部が当接される部分が最も高温となっている。吸熱部34a、34bは、定着ベルト31の幅方向に長い形状となっており、周方向の長さは、幅方向の両端部で2mm、中央部で5mmとなっている。これは、励磁コイルによる磁束が集中する部分の発熱量が山状のピークを有するため、吸熱量をこのピーク形状に対応させたものであり、定着ベルト31の最も高温の部分が、吸熱部34a、34bとの接触時間が最大となる。これにより、定着ベルト31は幅方向にほぼ均一な温度となる。
【0044】
なお、励磁コイルの内部にフェライト等の強磁性体を設けることによって、磁束を効率良く定着ベルトの導電性層に貫通させることができるが、強磁性体の端部に相当する部分に磁束が集中し、強磁性体の端部と対向する導電性層の発熱量が増加するという問題が生じる。本実施例では、このような場合にも有効であり、強磁性体の端部と、定着ベルトの幅方向において対応する位置に吸熱部を設けることによって、定着ベルトは幅方向にほぼ均一な温度となる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明に係る定着装置は、電磁誘導加熱装置の特性によって、定着ベルトの幅方向に生じる温度差に対し、定着ベルトの高温となる部分の内周面に当接される吸熱部が吸熱し、温度差が是正される。このため、定着ベルトの温度ムラによってトナー像の加熱ムラや定着ベルトにしわが発生するのを防ぐことができ、定着不良のない良好な画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態である定着装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す定着装置の主要部の断面図及び概略斜視図である。
【図3】図1に示す定着装置が有するガイド部材の正面図及び側面図である。
【図4】図1に示す定着装置のコイルの構成と吸熱部との関係を示す概略図である。
【図5】図1に示す定着装置における定着ベルトの幅方向の温度分布を示す図である。
【図6】本願発明の他の実施形態である定着装置を示す概略構成図である。
【図7】図6に示す定着装置が有するガイド部材の正面図及び側面図である。
【図8】図6に示す定着装置の吸熱部を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1、31 定着ベルト
2、32 加圧ロール
3、33 加圧パッド
4、34 パッド支持部材
5、35 電磁誘導加熱装置
6、36 ガイド部材
21 エッジガイド部
22 内面ガイド部
23 吸熱部

Claims (7)

  1. 無端状の周面を有し、該周面に沿って導電性層を有する定着ベルトと、
    該定着ベルトのほぼ全幅にわたり、内周面に当接するように支持されるパッドと、
    前記定着ベルトの外周面に当接され、該定着ベルトを介して前記パッドに押圧される加圧部材と、
    前記定着ベルトに対向するように配置され、変動磁界を形成することにより該定着ベルトの導電性層内に生じる渦電流で該導電性層を発熱させる電磁誘導加熱装置とを有し、
    前記定着ベルトと前記加圧部材との間に、未定着トナー像を担持する記録媒体を通過させ、加熱及び加圧してトナー像を定着する定着装置であって、
    前記定着ベルトの内周面に、前記電磁誘導加熱装置による加熱の、前記定着ベルトの幅方向における温度ムラを是正するように吸熱する吸熱部材が当接されており、
    前記定着ベルトの幅方向における前記吸熱部材が設けられる位置は、前記変動磁界を発生させるコイルの形状によって磁束が集中する部分と対応する位置であることを特徴とする定着装置。
  2. 前記吸熱部材は、前記定着ベルトが周回移動するときの、前記電磁誘導加熱装置が対向する位置の下流側で、前記パッドが当接される位置の上流側において、該定着ベルトの内周面に当接されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 無端状の周面を有し、該周面に沿って導電性層を有する定着ベルトと、
    該定着ベルトのほぼ全幅にわたり、内周面に当接するように支持されるパッドと、
    前記定着ベルトの外周面に当接され、該定着ベルトを介して前記パッドに押圧される加圧部材と、
    前記定着ベルトに対向するように配置され、変動磁界を形成することにより該定着ベルトの導電性層内に生じる渦電流で該導電性層を発熱させる電磁誘導加熱装置とを有し、
    前記定着ベルトと前記加圧部材との間に、未定着トナー像を担持する記録媒体を通過させ、加熱及び加圧してトナー像を定着する定着装置であって、
    前記定着ベルトの内周面に、前記電磁誘導加熱装置による加熱の、前記定着ベルトの幅方向における温度ムラを是正するように吸熱する吸熱部材が当接されているとともに、
    円筒曲面を備え、該円筒曲面が、前記定着ベルトの両側縁部における内周面に当接される一対の内面ガイド部材を有し、
    前記吸熱部材は、前記内面ガイド部材と一体となるように設けられ、前記定着ベルトの幅方向における中央部側に張り出すように支持されていることを特徴とする定着装置。
  4. 無端状の周面を有し、該周面に沿って導電性層を有する定着ベルトと、
    該定着ベルトのほぼ全幅にわたり、内周面に当接するように支持されるパッドと、
    前記定着ベルトの外周面に当接され、該定着ベルトを介して前記パッドに押圧される加圧部材と、
    前記定着ベルトに対向するように配置され、変動磁界を形成することにより該定着ベルトの導電性層内に生じる渦電流で該導電性層を発熱させる電磁誘導加熱装置とを有し、
    前記定着ベルトと前記加圧部材との間に、未定着トナー像を担持する記録媒体を通過させ、加熱及び加圧してトナー像を定着する定着装置であって、
    前記定着ベルトの内周面に、前記電磁誘導加熱装置による加熱の、前記定着ベルトの幅方向における温度ムラを是正するように吸熱する吸熱部材が当接されており、
    前記吸熱部材は、前記パッドを支持するパッド支持部材に一体となるように設けられていることを特徴とする定着装置。
  5. 無端状の周面を有し、該周面に沿って導電性層を有する定着ベルトと、
    該定着ベルトのほぼ全幅にわたり、内周面に当接するように支持されるパッドと、
    前記定着ベルトの外周面に当接され、該定着ベルトを介して前記パッドに押圧される加 圧部材と、
    前記定着ベルトに対向するように配置され、変動磁界を形成することにより該定着ベルトの導電性層内に生じる渦電流で該導電性層を発熱させる電磁誘導加熱装置とを有し、
    前記定着ベルトと前記加圧部材との間に、未定着トナー像を担持する記録媒体を通過させ、加熱及び加圧してトナー像を定着する定着装置であって、
    前記定着ベルトの内周面に、前記電磁誘導加熱装置による加熱の、前記定着ベルトの幅方向における温度ムラを是正するように吸熱する吸熱部材が当接されているとともに、
    周方向の一部を切り欠いた円筒曲面を備え、該円筒曲面が、前記定着ベルトの両側縁部における内周面に当接される一対の内面ガイド部材を有し、
    前記電磁誘導加熱装置は、前記定着ベルトの幅方向における前記内面ガイド部材が接触する部分より中央部側を加熱するものであり、
    前記吸熱部材は、一対の前記内面ガイド部材が、前記定着ベルトに当接される位置の間に設けられていることを特徴とする定着装置。
  6. 無端状の周面を有し、該周面に沿って導電性層を有する定着ベルトと、
    該定着ベルトのほぼ全幅にわたり、内周面に当接するように支持されるパッドと、
    前記定着ベルトの外周面に当接され、該定着ベルトを介して前記パッドに押圧される加圧部材と、
    前記定着ベルトに対向するように配置され、変動磁界を形成することにより該定着ベルトの導電性層内に生じる渦電流で該導電性層を発熱させる電磁誘導加熱装置とを有し、
    前記定着ベルトと前記加圧部材との間に、未定着トナー像を担持する記録媒体を通過させ、加熱及び加圧してトナー像を定着する定着装置であって、
    前記定着ベルトの内周面に、前記電磁誘導加熱装置による加熱の、前記定着ベルトの幅方向における温度ムラを是正するように吸熱する吸熱部材が当接されており、
    前記吸熱部材は、前記定着ベルトとの接触領域の周方向の長さが、幅方向に変化するものであることを特徴とする定着装置。
  7. 無端状の周面を有し、該周面に沿って導電性層を有する定着ベルトと、
    該定着ベルトのほぼ全幅にわたり、内周面に当接するように支持されるパッドと、
    前記定着ベルトの外周面に当接され、該定着ベルトを介して前記パッドに押圧される加圧部材と、
    前記定着ベルトに対向するように配置され、変動磁界を形成することにより該定着ベルトの導電性層内に生じる渦電流で該導電性層を発熱させる電磁誘導加熱装置とを有し、
    前記定着ベルトと前記加圧部材との間に、未定着トナー像を担持する記録媒体を通過させ、加熱及び加圧してトナー像を定着する定着装置であって、
    前記定着ベルトの内周面に、前記電磁誘導加熱装置による加熱の、前記定着ベルトの幅方向における温度ムラを是正するように吸熱する吸熱部材が当接されており、
    前記電磁誘導加熱装置が有する励磁コイルは、巻き線が前記定着ベルトの幅方向に平行に配置され、該平行部分の両端部で折り返すように連続するものであり、
    前記吸熱部材は、前記定着ベルトの幅方向における前記励磁コイルの折り返し部分に相当する位置に設けられていることを特徴とする定着装置。
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