JPH09120222A - 誘導加熱定着装置 - Google Patents

誘導加熱定着装置

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JPH09120222A
JPH09120222A JP27868795A JP27868795A JPH09120222A JP H09120222 A JPH09120222 A JP H09120222A JP 27868795 A JP27868795 A JP 27868795A JP 27868795 A JP27868795 A JP 27868795A JP H09120222 A JPH09120222 A JP H09120222A
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JP
Japan
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current
reference voltage
coil
fixing device
induction heating
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JP27868795A
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English (en)
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Eiji Okabayashi
英二 岡林
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着装置の加熱出力の際に消費電流が変化す
ることに起因して生じるフリッカー現象を抑えた誘導加
熱定着装置を提供する。 【解決手段】 記録媒体上に形成されたトナー像を前記
記録媒体へ定着する定着装置であって、導電性部材で形
成された被加熱体30と、該被加熱体30に近接して配
設され、該被加熱体30に誘導電流を生じさせて発熱さ
せるためのコイル9と、該コイル9に交番電流を流すた
めの高周波電源回路60と、該高周波電源回路が前記コ
イル9へ出力する電流の制御に用いる出力設定用基準電
圧50を徐々に変化させる消費電流変化率抑制手段70
と、を有することを特徴とする誘導加熱定着装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式の複写
機、プリンタおよびファクシミリなどに用いられる定着
装置に関し、さらに詳しくは、誘導加熱を利用してトナ
ー像を記録媒体に定着する定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真式の複写機などには、記録媒体
である記録紙ないし転写材などのシート上に転写された
トナー像をシートに定着させる定着装置が設けられてい
る。この定着装置は、例えば、シート上のトナーを熱溶
融させる定着ローラと、当該定着ローラに圧接してシー
トを挟持する加圧ローラとを有している。定着ローラは
円筒状に形成され、この定着ローラの中心軸上には、発
熱体が保持手段により保持されている。発熱体は、例え
ば、ハロゲンランプなどにより構成され、所定の電圧が
印加されることにより発熱するものである。この発熱体
は定着ローラの中心軸に位置しているため、発熱体から
発せられた熱は定着ローラ内壁に均一に輻射され、定着
ローラの外壁の温度分布は円周方向において均一とな
る。定着ローラの外壁は、その温度が定着に適した温度
(例えば、150〜200℃)になるまで加熱される。
この状態で定着ローラと加圧ローラは摺接しながら互い
に逆方向へ回転し、トナーが付着したシートを挟持す
る。定着ローラと加圧ローラとの摺接部(以下、ニップ
部という)において、シート上のトナーは定着ローラの
熱により溶解し、両ローラから作用する圧力によりシー
トに定着される。トナーが定着した後、定着ローラおよ
び加圧ローラの回転に伴い、シートは、排紙ローラによ
って搬送され、排紙トレイ上に排出される。
【0003】ハロゲンランプなどから構成される発熱体
を備えた上記定着装置においては、電源を投入した後、
定着ローラの温度が定着に適した所定温度に達するま
で、特にハロゲンランプの点灯時には、ハロゲンランプ
に多くの電流が流されるために、他の電装系、例えば、
各種機能の表示のための照明やその他の機器などへの電
流量が一時的に低下し、照明がちらつくフリッカー現象
が生じることがある。このようなフリッカー現象を抑え
るために、ハロゲンランプの点灯時に流れる電流が急激
に流れないようにしたソフトスタートを行っている。
【0004】例えば、図15(a)に示すように、ハロ
ゲンランプ100と制御信号(出力指令の信号)からハ
ロゲンランプ100に流す電流を出力するトライアック
101との間に、ダンパー抵抗110と多段制御用のト
ライアック111を入れて、図15(b)に示すよう
に、ハロゲンランプ100に加える電源45からの電圧
を多段階的に増加させるようにしてソフトスタートを行
ったり、また、図16(a)に示すように、電源電圧を
検出するための電圧検出回路120と電源周波数に合わ
せて位相制御を行うためのトリガー回路121とを設
け、図16(b)および(c)に示すように、電源45
からの電圧が徐々に上昇するようにしてソフトスタート
を行っている。
【0005】しかしながら、このようなソフトスタート
を行う場合は、ダンパー抵抗110や多段制御トライア
ック111、また、電圧検出回路120やトリガー回路
121などが必要なためコストアップに繋がり経済的で
ないという問題がある。また、ダンパー抵抗110を用
いる場合には、このダンパー抵抗110で消費される電
力が無駄になり、一方位相制御を行う場合には、ゼロク
ロス制御ではなくAC電源電圧がかかっているため、端
子電圧ノイズが発生するという問題もある。さらに、ハ
ロゲンランプを用いていること自体、定着ローラの温度
が定着に適した所定温度に達するまで比較的長時間を要
するものであるため、さらに、ソフトスタートにより、
所定温度に達するための時間が長くなり、その間、使用
者は複写機などを使用することができず、長時間の待機
を強いられるという問題があった。
【0006】このため、複写機などの商品の価値を高め
るためには、定着装置の関わるフリッカー現象を抑える
ことと、ユーザの操作性向上(クイックプリント)させ
ることの両立を図ることが一層注目され重視されてきて
いる。
【0007】そこで、クイックプリントに関しては、誘
導加熱方式の定着装置が提案されている(特開昭59−
33788号公報)。この誘導加熱定着装置は、金属導
体からなる定着ローラの内部に、螺旋状に巻かれたコイ
ルが同心状に配置されて、定着ローラの内面に近接した
前記コイルに高周波電流を流し、これによって生じた高
周波磁界で定着ローラに誘導渦電流を発生させ、定着ロ
ーラ自体の表皮抵抗によって定着ローラそのものをジュ
ール発熱させるようになっている。
【0008】この誘導加熱方式は、他の加熱方式と比較
して次のような利点がある。まず第1に、ハロゲンラン
プの近赤外加熱のような間接加熱よりも、速く昇温し、
定着ローラ以外の部分の発熱や伝熱が少ない。また、ハ
ロゲンランプの光漏れに相当するロスがない。第2に、
定着ローラ表面に固体抵抗発熱体を持つ表面加熱より
も、電磁誘導特有の表皮効果があるために発熱効率が良
く、また摺動接点がないため定着装置の信頼性も長期に
わたって高い。
【0009】近年では、低定着温度トナーの開発が進
み、また、家電用高周波電源におけるインバータ回路ス
イッチング素子などの普及・低価格化などによって、上
記特長を持つ誘導加熱定着装置の実現が可能となりつつ
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような利点を有す
る誘導加熱定着装置においても、コイルに電流を流し始
める際には急激に電力が消費されるため、他の照明機器
などでフリッカー現象が生じることがあり、今後は、こ
のフリッカー現象を抑えるための方策が望まれている。
【0011】そこで、本発明の目的は、定着装置の加熱
出力の際に消費電流が変化することに起因して生じるフ
リッカー現象を抑えた誘導加熱定着装置を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、記録媒体上に形成されたトナー像を前記記
録媒体へ定着する定着装置であって、導電性部材で形成
された被加熱体と、該被加熱体に近接して配設され、該
被加熱体に誘導電流を生じさせて発熱させるためのコイ
ルと、該コイルに交番電流を流すための高周波電源回路
と、該高周波電源回路が前記コイルへ出力する電流の制
御に用いる出力設定用基準電圧を徐々に変化させる消費
電流変化率抑制手段と、を有することを特徴とする誘導
加熱定着装置である。
【0013】また、本発明の誘導加熱定着装置において
は、前記消費電流変化率抑制手段が、抵抗とコンデンサ
よりなり、該抵抗と該コンデンサとの充放電特性を利用
して前記出力設定用基準電圧を変化させることを特徴と
する。
【0014】また、本発明の誘導加熱定着装置において
は、前記消費電流変化率抑制手段が、デジタルパラレル
信号発生手段と、該デジタルパラレル信号発生手段によ
り発生されたデジタル信号をアナログ信号に変換するデ
ジタル/アナログ変換手段とよりなり、前記デジタル信
号に基づきアナログ信号を徐々に変化させることで、前
記出力設定基準電圧の設定を行うものであることを特徴
とする。
【0015】
【発明の実施の形態】上述のように構成された本発明の
実施の形態を添付した図面を用いて説明する。
【0016】図1は、本発明を適用した誘導加熱定着装
置の制御系のブロック図である。この誘導加熱定着装置
は、金属製の定着ローラまたは金属板などの被加熱体3
0の近傍に、該被加熱体30に誘導電流を発生されるた
めの誘導加熱コイル9が配設されており、該誘導加熱コ
イル9には、商用電源(AC100V)45の交流が整
流回路48によってDCに整流され、インバーター回路
60で高周波に変換して印加されている。被加熱体30
表面もしくはその近傍には、安全機構であるサーモスタ
ット46が配設されており、インバータ回路60への電
流はこのサーモスタット46を介して供給されており、
被加熱体30が異常温度となった場合にはサーモスタッ
ト46によって電源電流が遮断されるようになってい
る。
【0017】誘導加熱コイル9への高周波電流(交番電
流)は、整流回路48によりAC100VがDCに整流
されて、LC共振回路を構成する誘導加熱コイル9と共
振用コンデンサ49に印加され、そして、整流回路48
とLC共振回路に対して直列に接続された、例えばトラ
ンジスタ、FETあるいはIGBTなどからなるスイッ
チ44を駆動回路53によりスイッチングすることで供
給される。スイッチ44をオフしつづける時間は電圧検
出回路52により決められ、スイッチ44をオンしつづ
ける時間は電流検出回路51により決められる。
【0018】このスイッチ44をオンしつづける時間
は、電流検出回路51が電流検出抵抗55により発生し
た電圧を検出して、検出した電圧が基準電圧50を越え
るまでスイッチ44がオンとなるように駆動回路53に
信号を出力して、その信号により駆動回路53がスイッ
チ44をオンすることによって制御される。そして、こ
のスイッチ44のオン・オフが繰り返されることで、被
加熱体30の誘導加熱が行われる。
【0019】これを図2に示すタイミングチャートによ
り説明すると、まず、図2(A)に示すように、スイッ
チ44がオンすることにより、誘導加熱コイル9に電流
が流れる。一方、電流検出回路51は電流検出抵抗55
により検出した電圧が基準電圧50を越えたことを検出
するとスイッチ44をオフするように駆動回路53に信
号を送る。電流検出抵抗55により検出した電圧を図2
(B)に示す。スイッチ44がオフされると、誘導加熱
コイル9と共振用コンデンサ49との間で共振電流が流
れる。そして、電圧検出回路52は、共振によりスイッ
チ44の誘導加熱コイル9側の電圧が0V付近まで下降
したことを検出すると、スイッチ44を再びオンするよ
うに駆動回路53に信号を送る。電圧検出回路52で検
出される電圧の波形を図2(C)に示す。以下、このス
イッチングサイクルを繰り返すことによって誘導加熱コ
イル9へ高周波電流が流れる。
【0020】ここで、基準電圧50は、消費電流変化率
抑制手段70を構成する時定数抵抗56と時定数コンデ
ンサ57によって設定され、制御信号がオンになると、
その電圧が時定数抵抗56と時定数コンデンサ57とを
介することで徐々に高くなり基準電圧50として設定さ
れる。したがって、基準電圧50が徐々に高くなること
で、図2において示したスイッチのオン時間が徐々に長
くなり、加熱出力が徐々に上昇する。すなわちソフトス
タートすることとなる。
【0021】以下、この基準電圧50の変化と被加熱体
30の発熱量の関係について説明する。
【0022】まず、消費電流変化率抑制手段70を構成
する時定数抵抗56と時定数コンデンサ57とによる電
圧の変化は充放電特性なので、下記(1)式によって表
される。
【0023】
【数1】
【0024】なお、式中、V0 は設定基準電圧、Vtは
時間tでの基準電圧、Rは時定数抵抗56の抵抗値、C
は時定数コンデンサ57の容量である。
【0025】また、被加熱体と誘導加熱コイルとの関係
は、図3に示すような等価回路として表すことができる
ので、被加熱体の加熱出力は以下の各式によって表すこ
とができる。なお、図中および以下の各式中、L1 はコ
イルのインダクタンス、R1はコイルの抵抗、L2 被加
熱体のインダクタンス、R2 は被加熱体の抵抗、V1
コイルに印加される電圧、I1 はコイルを流れる電流、
2 は被加熱体に流れる電流(誘導電流)、Mは相互イ
ンダクタンス、kは結合定数、Wは被加熱体の発熱量で
あり、ωは角速度、jは虚数である。
【0026】まず、被加熱体に流れる電流は誘導電流で
あることからコイル側、被加熱体側で電圧に関して
(2)および(3)式が成り立つ。
【0027】
【数2】
【0028】
【数3】
【0029】また、相互インダクタンスMと結合定数k
との関係は、下記(4)式により表される。
【0030】
【数4】
【0031】上記(3)式を被加熱体に流れる電流I2
について整理して(4)式のMを代入すると下記(5)
式となる。
【0032】
【数5】
【0033】ここで、ω、k、L2 およびR2 は定着ロ
ーラの材質および形状で決まる定数であり、かつ、ω2
>>R2 なので、これを下記(6)式のように置くこと
ができる。
【0034】
【数6】
【0035】被加熱体での発熱量Wは、W=(I2 実数
部)2 Rであるから、これに上記(5)式を代入しKで
まとめると下記(7)式によって表される。
【0036】
【数7】
【0037】よって、被加熱体での発熱量は、誘導加熱
コイルのインダクタンスに比例し、誘導加熱コイルの電
流の2乗に比例することが分かる。
【0038】したがって、発熱量(加熱出力)は、誘導
加熱コイルの電流の2乗に比例することから、コイル電
流を決めている基準電圧Vtの2乗にも比例し、W=加
熱出力∝Vt2 となる。
【0039】以上説明した制御信号、基準電圧および加
熱出力の関係を図4および図5に示す。図4は、加熱開
始時のグラフであり、図5が加熱終了時のグラフであ
る。
【0040】図4に示すように、加熱開始時において
は、制御信号の立ち上がりに対して、基準電圧が徐々に
上昇し、それに伴い加熱出力も徐々に大きくなる。同様
に、図5に示すように加熱終了時においても、制御信号
の立ち下がり後、徐々に基準電圧が下がり、加熱出力が
それにしたがって徐々に下がることとなる。したがっ
て、加熱開始および終了時における消費電力は、この加
熱出力と同じように変化することとなって、ソフトスタ
ートさせることができる。
【0041】なお、図1中、回路用DC電源47は電圧
検出回路52、駆動回路53、電流検出回路51および
基準電圧50にDC電源を供給するための安定化電源で
あり(ただし、図中これら各部への電源線は図示してい
ない)、また、サーミスタ6は被加熱体30に接触させ
て、または直近に配設され、被加熱体30の温度を検出
するためのものであり、このサーミスタ6が検出した温
度により制御回路59が必要な加熱出力となるように定
電圧の制御信号を出力している。
【0042】次に他の実施の形態について説明する。図
6は本発明を適用した他の誘導加熱定着装置の制御系の
ブロック図である。この実施の形態では、前述の図1に
示したものにおいて消費電流変化率抑制手段70を時定
数抵抗と時定数コンデンサにより構成したのに対し、こ
れをマイクロコンピュータ80により構成したものであ
る。なお、その他の部分の構成は図1に示したものと同
じであるのでその説明は省略する。
【0043】このマイクロコンピュータ80は、例えば
図7に示すように、CPU81とデジタル/アナログ
(D/A)変換器82よりなり、入力された制御信号の
電圧をCPU81が分割して、デジタル信号として出力
し、そのデジタル信号をD/A変換器82がアナログの
電圧に変換することで、徐々に基準電圧50を設定する
ものである。具体的には、CPU81として4ビットの
ものを用いた場合、図8に示すように、制御信号の電圧
値Vccを16分割してデジタル値に置き換えることが
できる。そして、置き換えたデジタル値を順番に出力し
てD/A変換器82によってアナログに変換して出力ポ
ートから出力し、徐々に基準電圧が上昇するように設定
する。
【0044】したがって、このマイクロコンピュータ8
0を用いた場合には、CPU81が出力するデジタル値
の順番および出力させる時間を変化させることで、図9
(a)〜(c)に示すように、基準電圧を任意の変化率
に調整することが可能となる。なお、前述の時定数抵抗
と時定数コンデンサを用いた場合には、前記(1)式に
従い図9(d)に示すように、CR充放電特性に依存し
た変化率となる。
【0045】
【実施例】以下、本発明を適用した誘導加熱定着装置の
一実施例を図面に基づいて説明する。なお、同一機能を
有する部材については既に説明した各図と同一の符号を
付し、その説明を省略する。
【0046】実施例1 図10は本発明を適用した誘導加熱定着装置の概略断面
図である。図10に示すように、プリンタなどに組み込
まれた誘導加熱定着装置は、矢印a方向に回転駆動可能
に設けられた定着ローラ1と、該定着ローラ1に圧接し
て設けられ定着ローラ1の回転に伴って従動回転する加
圧ローラ2とを有する。定着ローラ1は、導電体の円筒
形中空パイプであり、例えば炭素鋼管、ステンレス合金
管あるいはアルミニウム合金管などの導電性部材から形
成され、その外周面にフッ素樹脂をコーティングして、
表面に耐熱離型性層が形成されている。また、定着ロー
ラ1は、導電性磁性部材から形成することがさらに好ま
しい。一方、加圧ローラ2は、軸芯4の周囲に、表面離
型性耐熱ゴム層であるシリコンゴム層5が形成されてい
る。
【0047】定着ローラ1の内部には、該定着ローラ1
に誘導電流を発生させ、定着ローラ1を発熱させるため
のコイルアセンブリ3が複数配設されていて、各コイル
アセンブリ3は、該定着ローラ1との間に該定着ローラ
1が回転自在となるように僅かなギャップを隔てて固定
されているホルダ11に収納されている。
【0048】また、コイルアセンブリ3は、図11に示
すように、ロの字型の通孔を有しコア10をこの通孔に
挿入してコア10を取り囲むようにボビン8が設けら
れ、このボビン8の周りに銅線を巻いてコイル3を形成
してある。コイル3は表面に融着層と絶縁層を持つ直径
0.8mmの単一またはリッツ銅線を用いて、ボビン8
の回りに定着ローラ1の回転軸に沿った方向に巻回され
ている。
【0049】コア10は、例えば、フェライトコアまた
は積層コアからなり、ボビン8は、例えば、セラミック
や耐熱絶縁性エンジニアリング・プラスチックで形成さ
れ、コイル3を押えてその形状を整える役割を果たす。
【0050】このコイルアセンブリ3が収納されるホル
ダ11は、図12に示すように、円柱の周囲上下左右に
突き抜ける穴を複数個開けた形状をしており、両端部に
は装置本体に固定するための突起部1aが設けられてい
る。このホルダ11は、耐熱絶縁性の材料、例えばPP
S(ポリフェニレンサルファイド)や液晶ポリマーなど
で形成されている。コイルアセンブリ3は、例えばホル
ダ11に設けられた左右の穴にボビン8を挿入し、その
後上下の穴にコア10を挿入することによってホルダ1
1に組み込まれる。複数のコイル9は、ホルダ11内で
電気的に直列に接続されており、ホルダ11の両端には
これらコイル9へ高周波電流を流すためのリード線12
が引き出されている。
【0051】なお、定着ローラ1は、その両端にスベリ
軸受部が形成され、定着ユニットフレームに回転自在に
取り付けられている。さらに、定着ローラ1は、その片
端に図示しない駆動ギアが固定され、この駆動ギアに接
続されたモータなどの図示しない駆動源によって回転駆
動される。
【0052】さらに、定着ローラ1の上方には、定着ロ
ーラの温度を検出するためのサーミスタ6と、温度の異
常上昇時の安全機構として、異常な高温を検知した場合
にコイル9への通電を切断するサーモスタット46が設
けられている。
【0053】この定着装置のコイル9に高周波電流を流
すための制御系は、図1または図2に示した制御系が用
いられており、コイル9に流される高周波電流は、既に
説明したように、商用電源(AC100V)45の交流
を整流回路48によって整流し、インバータ回路60で
高周波に変換し発生させ、そして、マイクロプロセッサ
やメモリなどから構成された制御回路59から出力され
た制御信号から、消費電流変化率抑制手段70によって
基準電圧が設定されてソフトスタートが行われ、定着ロ
ーラ1が誘導加熱される。制御回路59から出力される
制御信号は、定着ローラ1の上部外周面に配設されてい
るサーミスタ6が検出する温度により決定され、必要な
発熱量(加熱出力)となるように制御信号が出力され
る。
【0054】このように構成された誘導加熱定着装置は
以下のように動作する。まず、未定着のトナー像が転写
されているシート14が、図10中左方向から搬送さ
れ、定着ローラ1と加圧ローラ2との間のニップ部に向
けて送り込まれる。シート14は、定着ローラ1の熱
と、両ローラ1、2から作用する圧力とが加えられなが
らニップ部を搬送される。これにより、未定着トナーが
定着されて、シート14上には定着トナー像が形成され
る。ニップ部を通過したシート14は、定着ローラ1か
ら自然に分離し、あるいは図10に示すように、先端部
が定着ローラ1の表面に摺接するように設けられた分離
爪7ないし分離ガイドによって定着ローラ1から強制的
に分離され、図10中右方向に搬送される。このシート
14は、図示しない排紙ローラによって搬送されて、排
紙トレイ上に排出される。
【0055】実施例2 次に本発明を適用した他の誘導加熱定着装置の実施例を
説明する。図13は本実施例2の誘導加熱定着装置の概
略断面図である。本実施例2では、導電体で形成された
ガイド部材としての上定着前ガイド37が被発熱体とし
て設けられており、また、この上定着前ガイド37に誘
導渦電流を生じさせるためのコイルアセンブリ15a
と、シート14を挟持して搬送するローラ対35および
36とを有している。コイルアセンブリ15aは、図1
4に示すように、ボビン1aに保持されたコア2aとコ
イル3aとから構成され、上定着前ガイド37を介して
シート14に対向する位置に取り付けられている。ロー
ラ対35および36は、上定着前ガイド37の直近下流
側に設けられている。ここで、ローラ対35および36
のそれぞれのローラの表面は、トナーに対して離型性を
有する部材、例えばフッ素樹脂やシリコンゴムなどによ
りコーティングされている。
【0056】本実施例2にあっては、コイル3aに流さ
れる高周波電流により、上定着前ガイド37に誘導電流
が発生し、上定着前ガイド37が発熱する。このコイル
3aに流される高周波電流は、上記実施例1同様、図1
または図2をもって既に説明した制御系によって供給さ
れ、ソフトスタートされる。
【0057】トナー像が転写されたシート14は、図1
3の左側から送り込まれ、発熱した上定着前ガイド37
により非接触にて加熱される。この部分でトナーはある
程度軟化され、トナーとシート14とにはある程度の熱
が蓄えられる。次いで、シート14はローラ対35およ
び36により形成されるニップに送り込まれる。そし
て、ニップ部の圧力とトナーおよびシート14に蓄積さ
れた熱とにより、トナーはシート14に定着される。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、誘
導加熱定着装置において、加熱出力の制御に用いる出力
設定用基準電圧を消費電流変化率抑制手段により徐々に
変化させることによりソフトスタートを可能としたの
で、スタート時の待ち時間はそれ程遅くならずに消費電
流変化率を小さくし、照明やその他の回路に与える消費
電流の変化に起因した、フリッカー現象などを少なくす
ることができる。
【0059】また、本発明においては、消費電流変化率
抑制手段を抵抗とコイルとを組み合わせて、時定数を持
たせる構成であるため、その回路構成がごく簡単であ
り、また、ソフトスタートに起因するようなノイズの発
生も非常に少ない。
【0060】さらに、本発明においては、消費電流変化
率抑制手段をデジタルパラレル信号発生手段とデジタル
/アナログ変換手段によって構成し、デジタル信号によ
って出力設定用基準電圧を徐々に変化させることとした
ので、出力設定用基準電圧の変化率を任意に設定するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の誘導加熱定着装置の実施の形態を説
明するためのブロック図である。
【図2】 誘導加熱の動作を説明するためのタイミング
チャート図である。
【図3】 被加熱体とコイルとの関係を示す等価回路図
である。
【図4】 本発明の誘導加熱定着装置の制御信号、基準
電圧および加熱出力の関係を説明するための図面で、加
熱開始時のグラフである。
【図5】 本発明の誘導加熱定着装置の制御信号、基準
電圧および加熱出力の関係を説明するための図面で、加
熱終了時のグラフである。
【図6】 本発明の誘導加熱定着装置の他の実施の形態
を説明するためのブロック図である。
【図7】 上記他の実施の形態に用いられるマイクロコ
ンピュータの内部構成を示すブロック図である。
【図8】 上記マイクロコンピュータの動作を説明する
ための制御信号の電圧の分割とデジタル値の関係を示す
図面である。
【図9】 上記マイクロコンピュータを用いた場合の基
準電圧の変化(a)〜(c)と、抵抗とコンデンサによ
る場合の基準電圧の変化(d)を示す図面である。
【図10】 本発明を適用した誘導加熱定着装置の一実
施例を示す断面図である。
【図11】 図10に示されるコイルアセンブリを説明
するための斜視図である。
【図12】 図10に示されるホルダを示す斜視図であ
る。
【図13】 本発明を適用した誘導加熱定着装置の他の
実施例を示す断面図である。
【図14】 図13に示されるコイルアセンブリを説明
するための斜視図である。
【図15】 従来の定着装置を説明するための図面であ
る。
【図16】 従来の他の定着装置を説明するための図面
である。
【符号の説明】
1…定着ローラ、 2…加圧ローラ、 3,15a…コイルアセンブリ、 9,3a…誘導加熱コイル、 10,2a…コア、 30…被加熱体、 37…上定着前ガイド、 56…時定数抵抗、 57…時定数コンデンサ、 60…インバータ回路、 70…消費電流変化率抑制手段 80…マイクロコンピュータ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体上に形成されたトナー像を前記
    記録媒体へ定着する定着装置であって、 導電性部材で形成された被加熱体と、 該被加熱体に近接して配設され、該被加熱体に誘導電流
    を生じさせて発熱させるためのコイルと、 該コイルに交番電流を流すための高周波電源回路と、 該高周波電源回路が前記コイルへ出力する電流の制御に
    用いる出力設定用基準電圧を徐々に変化させる消費電流
    変化率抑制手段と、を有することを特徴とする誘導加熱
    定着装置。
  2. 【請求項2】 前記消費電流変化率抑制手段が、抵抗と
    コンデンサよりなり、該抵抗と該コンデンサとの充放電
    特性を利用して前記出力設定用基準電圧を変化させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の誘導加熱定着装置。
  3. 【請求項3】 前記消費電流変化率抑制手段が、デジタ
    ルパラレル信号発生手段と、 該デジタルパラレル信号発生手段により発生されたデジ
    タル信号をアナログ信号に変換するデジタル/アナログ
    変換手段とよりなり、 前記デジタル信号に基づきアナログ信号を徐々に変化さ
    せることで、前記出力設定基準電圧の設定を行うもので
    あることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱定着装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6912367B2 (en) 2002-07-03 2005-06-28 Kabushiki Kaisha Toshiba Fixing unit
JP2010026493A (ja) * 2008-07-17 2010-02-04 Toshiba Corp 定着装置、定着装置の温度制御方法及び画像形成装置
JP2011170079A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Ricoh Co Ltd ヒータ装置、画像形成装置、ヒータ制御方法、プログラム及び記録媒体
JP2014102307A (ja) * 2012-11-19 2014-06-05 Konica Minolta Inc 定着装置及び画像形成装置

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