JPH0844226A - 加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

加熱装置および画像形成装置

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JPH0844226A
JPH0844226A JP19906494A JP19906494A JPH0844226A JP H0844226 A JPH0844226 A JP H0844226A JP 19906494 A JP19906494 A JP 19906494A JP 19906494 A JP19906494 A JP 19906494A JP H0844226 A JPH0844226 A JP H0844226A
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JP
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magnetic
heating
heating device
switching
film
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JP19906494A
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Minoru Hayashizaki
実 林崎
Hiroshi Mano
宏 真野
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気誘導加熱方式の加熱装置について、温度
立ち上がり特性の改善、温度制御の応答性の向上、スイ
ッチングに伴う損失の減少(省電力化)、素子の熱破壊
の防止(耐久性の増加)、素子の小型化(ローコスト
化)を行う。 【構成】 磁場発生手段102により磁性材103に磁
場を作用させて該磁性材に発生する渦電流による該磁性
材の発熱により被加熱材を加熱する磁気誘導加熱方式の
加熱装置であり、前記磁場発生手段は、励磁コイル11
5と共振コンデンサ117から成る並列共振回路、温度
センサ122、スイッチング手段118、ゼロクロス検
出手段121、温度センサの信号からスイッチングのオ
ン時間を決定する手段124を有し、オフ時の励磁コイ
ル端子に現れるフライバック電圧を上記ゼロクロス検出
手段121を介して上記スイッチングのオン時間を決定
する手段124に起動信号として供給するように構成し
たこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気(電磁)誘導加熱
方式の加熱装置、および該加熱装置を像加熱装置として
備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば画像の加熱定着などのため
の記録材の加熱装置、即ち、複写機・レーザービームプ
リンタ・ファクシミリ・マイクロフィルムリーダプリン
タ・画像表示(ディスプレイ)装置・記録機等の画像形
成装置において、電子写真・静電記録・磁気記録等の適
宜の画像形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等よ
り成るトナーを用いて記録材(エレクトロファックスシ
ート・静電記録シート・転写材シート・印刷紙など)の
面に直接方式もしくは間接(転写)方式で形成した目的
の画像情報に対応した顕画像(未定着のトナー画像)を
該画像を担持している被加熱材としての記録材面に永久
固着画像として加熱定着処理する画像加熱定着装置(像
加熱装置)としては、熱ローラ方式の装置が広く用いら
れている。
【0003】この熱ローラ方式の装置は互いに圧接され
て回転する加熱ローラ(定着ローラ)と加圧ローラのロ
ーラ対を基本構成とし、そのローラ対の圧接ニップ部に
未定着トナー画像を支持した記録材を導入して挟持搬送
させることで未定着画像を記録材面に加熱・加圧定着さ
せるものである。
【0004】加熱ローラは一般にアルミ金属ローラを基
体とし、その外周に耐熱ゴムを上層としてコートし、内
部に熱源としてハロゲンヒータを配設したものであり、
熱源であるハロゲンヒータの通電電力は、該ヒータを発
熱・発光させ、その熱は輻射・対流によって加熱ローラ
の基体であるアルミ金属ローラを加熱する。ローラ基体
であるアルミ金属ローラは受けた熱をローラ全体に温度
差のないよう伝導する働きを行なう。
【0005】このようにして一様な温度分布となったロ
ーラは、その上層にコートされた耐熱ゴムを介して記録
材上の未定着トナーを加熱・溶融させて記録材媒体に染
み込ませ定着させるものである。
【0006】通常、熱源であるハロゲンヒータはガラス
封止した細長い棒状のハロゲンヒータを用い、これをロ
ーラ中央部の中空部に通し、ハロゲンヒータには通常、
交流電源(ライン入力電源)をスイッチング制御素子を
介して電流を流しローラを加熱する構成である。
【0007】従って、加熱ローラ温度制御は、ローラに
近接させて配した温度検出素子、一般にサーミスタ感熱
素子によりローラ温度を検出し、交流電源とハロゲンヒ
ータ間に設けられたスイッチング素子、例えばトライア
ック等によってオン/オフ制御を行ない、目標の一定温
度が得られるように制御している。
【0008】図12にそのような熱ローラ方式の加熱装
置としての画像加熱定着装置の一般的な概略構成を示し
た。
【0009】不図示の作像機構部側から搬送ベルト13
により、未定着トナー画像を支持した、被加熱材として
の記録材12が装置の加熱ローラ10と加圧ローラ11
との圧接ニップ部(定着ニップ部)へ搬送導入される。
【0010】加熱ローラ10と加圧ローラ11は記録材
12が搬送ベルト13で搬送されてセンサ16で検知さ
れた信号に基づいてモータ15が駆動を始めることによ
り回転を始める。
【0011】そして、記録材12は加熱ローラ10と加
圧ローラ11の圧接ニップ部に搬送され、該ニップ部に
て加熱及び加圧を受けて排出され、センサ17を通過す
る。その後、センサ17の信号がオンからオフに変化
し、モータ15の駆動が停止する。
【0012】ニップ部での記録材12の加熱は、加熱ロ
ーラ10に内包させたハロゲンヒータHに電力を供給し
て発熱させ、その熱で加熱ローラ10が加熱されること
でなされる。
【0013】加熱ローラ表面に接触させて設けた温度検
知素子であるサーミスタ9の抵抗値が基準値に対して一
定となるように、ハロゲンヒータHへの通電が制御され
る。これによって加熱ローラ10は定着に必要な温度を
保ち、良好な定着が行なえるように構成してある。
【0014】しかしながら、加熱ローラ10の温度を常
に定着に必要な温度に維持し続けると、消費電力が増大
し、またローラが異常加熱を起こす事があるので、上記
装置においては、ローラ停止時の温度が回転時よりも低
くなるように制御している。
【0015】この温度制御について説明する。図13に
上記加熱ローラ10の温度制御回路とローラ駆動回路の
一例を示す。
【0016】6は第1のA/Dコンバータであり、サー
ミスタ9と抵抗R1の分圧比によって得られる電圧VT
からデジタル値S11を得るためのものである。
【0017】27は第2のA/Dコンバータであり、制
御目標電圧Vref1からデジタル値S12を得るため
のものである。
【0018】28は第3のA/Dコンバータであり、制
御目標電圧Vref2からデジタル値S13を得るため
のものである。
【0019】つまり、第1のA/Dコンバータ6は加熱
ローラ10の実際の温度検出、第2のA/Dコンバータ
27は定着装置の基準温度の検出、第3のA/Dコンバ
ータ28はローラ停止時の基準温度の検出を夫々行なう
ためのものである。
【0020】第1のA/Dコンバータ6、第2のA/D
コンバータ27、第3のA/Dコンバータ28の夫々に
よって出力されるデジタル値S11・S12・S13は
制御部21に入力される。
【0021】該制御部21は表1に示す様に、センサ1
6・17の入力に従い、制御信号S11によってモータ
15をオン・オフ制御し、また上記デジタル値S12・
S13を随時選択して入力することにより、ハロゲンヒ
ータHのオン・オフ制御を行なっている。
【0022】ハロゲンヒータHの制御は電力通電パター
ン発生器3を介して行なわれる。該電力通電パターン発
生器3は、制御部21の通電パターン信号S3に基づい
てヒータ制御信号S4をヒータ駆動回路4に出力し、該
ヒータ駆動回路4はハロゲンヒータHをヒータ制御信号
S5に基づいて交流駆動する。
【0023】
【表1】 次に、以上のような制御回路に於ける動作について説明
する。先ず、装置に記録材12が搬送されてこないとき
は、センサ16及び17はオフ状態であり、制御部21
は表1に示すようにモータ15の制御信号S10をオフ
にして、第2のA/Dコンバータ27からの信号S12
を基準として温度制御を行なう。
【0024】信号S12は、記録材12の定着に適した
温度より一定の低い温度に対応した制御目標電圧Vre
f1のデジタル値であり、これにより加熱ローラ10の
温度は図14に示すように温度T1に保たれる。
【0025】また、装置に記録材が搬送されてくると、
最初にセンサ16がオンになるが、制御部21は表1に
示すようにモータ15への信号S10をオンにし、第3
のA/Dコンバータ28からの信号S13を基準にし
て、温度制御を行なう。
【0026】この信号S13は定着に適した温度に対応
した制御目標電圧Vref2のデジタル値であり、これ
により加熱ローラ10の温度は図14に示すように温度
T2となる。
【0027】更に、センサ16あるいはセンサ17がオ
ンの間は、記録材がローラ付近にあるため、制御部21
は表1に示すようにモータ15への信号S10をオン
し、第3のA/Dコンバータ28からの信号S13を基
準にする。これにより加熱ローラ10の温度は上記T2
を維持し、良好な定着が実現される。
【0028】以上の動作を図15のフローチャートに基
づいて説明する。先ず、センサ16及び17の状態を判
断し(ステップ201)、センサ16あるいはセンサ1
7の何れかがオン、または両センサがオンの時にはモー
タ15への信号S10をオンにする(ステップ201〜
202)。
【0029】そして、温度制御の基準となる信号として
S13を選択する(ステップ203)。
【0030】一方、上記センサ16及び17の何れもが
オフの場合には、モータ15への信号S10をオフし
(ステップ201〜204)、温度制御の基準となる信
号としてS12を選択する(ステップ205)。
【0031】以上の様に温度制御の基準信号を選択した
後は、選択された信号を基準にして温度制御を行なう
(ステップ206)。
【0032】しかしながら、上述従来例の熱ローラ方式
の加熱装置は、加熱ローラ10はその内包する棒状ハロ
ゲンヒータHによって加熱される構成の為、その制御方
式は交流電源とヒータ間に設けられたスイッチング制御
素子、例えばトライアック等によってオン/オフ制御の
方式を採る。
【0033】従って、このような構成を行うと、まず、
電源投入時に加熱ローラ10が目標温度よりも低いた
め、制御回路はスイッチング素子をオンにし、最大電力
を供給する構成を行う。
【0034】このような制御を行うと、温度制御フィー
ドバック回路は、目標温度に対して検出値が低い間は全
てトライアックがオンの状態である為、温度が上昇して
目標温度近辺に到達した状態に成ったとしても、制御回
路はスイッチング制御素子をオンホールドしたままなの
で、立ち上げ時と同じ最大電力を供給し続ける。
【0035】このような制御系は温度が目標温度に到達
した時点でスイッチをオフしたとしても、それまでに供
給した大電力の為、目標温度を遥かに越えオーバシュー
トを発生してしまう。このようなオーバシュートは上記
の様な簡素な制御手段を行った場合には、目標温度の約
5%程度は発生してしまうことが報告されている。
【0036】仮に5%のオーバシュート(温度にして7
〜8度程度)は通常の電子写真プロセスでは余り問題と
は成らないものの、例えば、カラー電子写真プロセスで
は、その構成上定着装置によって各色トナーの混合発色
が行われる為、画質の大きなファクタであることが確認
されており、正確な温度制御を行うことは必須な技術課
題である。
【0037】また、高温のハロゲンヒータHを用いてい
る為、これをローラ内に支持・固定する構成を行う際
に、高温の支持部材と断熱を的確に行うことが要求さ
れ、高額で高精度な設計となる。
【0038】ここで、温度のオーバシュートについて
は、例えば、温度センサからの温度情報から周知のPI
D制御方式の演算によって、その制御量を求め、求めた
結果をスイッチング素子の導通時間として求めれば、事
実上、オーバシュートは防げるものと考えられる。
【0039】ところが、上記の様な定着装置はその構成
上、ヒータHは熱を伝えたい加熱ローラの基体ローラ金
属からかなり離れた中央部に配置される構成上、ローラ
に到達するまでの熱抵抗及びローラの有する熱容量によ
って、その熱モデルは非常に複雑な構成となり、解析も
困難なものに成ってしまう。少なくとも、単純な一次伝
達のレベルではない。
【0040】このことは、ヒータ→ヒータガラス管→管
内空間(放射、対流)→ローラ基体→耐熱ゴムといった
経路を介して被加熱材としての記録材に熱を導く構成で
あり、特に、熱の一時蓄熱系が複数(ローラ基体及び耐
熱ゴム)存在していることに起因するものと考えられ
る。
【0041】以上の構成で加熱ローラ表面の温度検出に
より温度制御を行なった場合、ローラ表面に熱が伝導す
るまでの伝達関数の為、ヒータとローラ表面温度は数百
度の温度差を生じながらオン/オフを繰り返し、結果と
してローラ表面温度を一定に保つ様な制御が行われてい
る。
【0042】このようなモデルで制御が成立しているの
は、一巡の熱伝達経路、ヒータ→ヒータガラス管→管内
空間(放射、対流)→ローラ基体→耐熱ゴムが充分な時
間積分機能を果たし、その結果として、入力電力を比較
的時間レベルで緩慢な制御を行っても、一定な温度が得
られる様に動作した結果である。
【0043】ところが、上記の様な制御対象について、
理想的な温度制御を行うことをするには通常の通紙して
ない時のモデル、通紙中、紙質、周囲温度、その他温度
に絡む様々なファクタによって、制御方法を都度変更す
る必要が生じてしまう。即ち、プリント中、スタンバイ
中、紙質制御、周囲温度といった条件を常にセンシング
し、制御パラメータを操作しながら複雑な制御をしなく
っては、高精度な制御を行うことができないといった技
術課題があった。
【0044】また、基本的にオン/オフ制御であるた
め、ローラの蓄熱系とヒータ電力、及び設定温度の関係
の整合性がとれない場合、温度リップルの抑制が期待で
きない。
【0045】即ち、従来の熱ローラ方式の加熱装置はハ
ロゲンヒータによりローラを加熱し、そのローラで被加
熱材としての記録材を加熱する間接加熱方式であり、温
度制御もサーミスタの信号からヒータをオン・オフ制御
するだけであるため、電源投入時からの温度立ち上がり
特性及び温度変化に対する応答性は非常に悪いものでっ
た。また、電力の無駄も多かった。さらにスイッチング
素子に電圧が加わったままスイッチングを行なっていた
ため、スイッチング損失と呼ばれる電力が発生し、素子
の発熱が生じるという欠点があった。
【0046】一方、磁気誘導加熱方式の加熱装置もあ
る。特公平5−9027号公報には、磁束により加熱部
材としての加熱ローラ(定着ローラ)に渦電流(うず電
流)を発生させジュール熱により発熱させることが提案
されている。
【0047】このように渦電流の発生を利用することで
発熱位置をトナーに近くすることができ、ハロゲンラン
プを用いた熱ローラ方式に比べウォームアップ時間の短
縮が達成できる。
【0048】また本発明者等は、加熱体と、該加熱体に
密着して移動する耐熱性フィルム(耐熱カーボン材な
ど)を有し、このフィルムを介して被加熱材を加熱体に
密着させてフィルムと一緒に加熱体位置を移動させ加熱
体の熱エネルギーをフィルムを介して被加熱材に付与す
るフィルム加熱方式の加熱装置であり、その加熱体を磁
性材(誘導磁性材、磁性金属部材、磁界吸収導電材、導
電部材)と磁界発生線輪で構成し、磁界発生線輪に高周
波スイッチング電流を印加し、発生高周波磁界を磁性材
に磁気結合させ、磁気が及ぼす渦電流損によって磁性材
を発熱させ、その熱をフィルムを介し被加熱材に熱伝達
させるようにした磁気誘導加熱方式・フィルム加熱方式
の加熱装置の研究を行なってきた。
【0049】また、加熱部材としてのフィルム自体を磁
性材にしてこれを磁気誘導加熱で発熱させることで、フ
ィルムが熱抵抗とならないようにして熱効率を向上させ
た磁気誘導加熱方式・フィルム加熱方式の加熱装置の研
究を行なってきた。
【0050】これは磁界発生手段、例えば磁性体である
芯材(コア)を励磁コイルを組み合わせることによって
発生する磁場を励磁回路で変化させる。即ちコイルに高
周波を加えてその発生磁場の中を移動する磁性材として
のフィルムに磁界が発生消滅を繰り返すようにしてフィ
ルムの中の磁性層に渦電流を発生させるものである。こ
の渦電流が磁性層の電気抵抗によって熱(ジュール熱)
に変換し、結果的に被加熱材に密着する加熱部材として
のフィルムのみが発熱する加熱装置であり、熱効率が優
れている。
【0051】即ち、変動する磁界が導体中を横切ると
き、その磁界の変化を妨げる磁界を発生させるようにフ
ィルムの磁性材(導電層)には渦電流が発生する。この
渦電流がフィルムの磁性材の表皮抵抗により、表皮抵抗
に比例した電力でフィルムの磁性金属部材を発熱させ
る。
【0052】このように加熱部材としてのフィルムの表
層近くを直接発熱させるので、フィルム基層の熱伝導
率、熱容量によらず急速に加熱できる利点がある。ま
た、フィルムの厚さにも依存しない急速加熱が実現でき
る。
【0053】これにより省エネルギー・クイックスター
ト性を損なうことなく、フィルム基層の高剛性の厚膜化
を図り、耐久性・高速化に対処することが可能である。
【0054】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特に、上記
後者の磁気誘導加熱方式の加熱装置について、制御温度
のリップルが小さく、またオーバーシュートのない安定
した高精度の温度制御を可能にした、また安全性を確保
した、高信頼性の装置を提供することを目的としてい
る。即ち加熱装置について、温度立ち上がり特性の改
善、温度制御の応答性の向上、及びスイッチングに伴う
損失の減少(省電力化)、素子の熱破壊の防止(耐久性
の増加)、素子の小型化(ローコスト化)を行うことで
ある。
【0055】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする加熱装置および画像形成装置である。
【0056】(1)磁場発生手段により磁性材に磁場を
作用させて該磁性材に発生する渦電流による該磁性材の
発熱により被加熱材を加熱する磁気誘導加熱方式の加熱
装置であり、前記磁場発生手段は、励磁コイルと共振コ
ンデンサから成る並列共振回路、温度センサ、スイッチ
ング手段、ゼロクロス検出手段、温度センサの信号から
スイッチングのオン時間を決定する手段を有し、オフ時
の励磁コイル端子に現れるフライバック電圧を上記ゼロ
クロス検出手段を介して上記スイッチングのオン時間を
決定する手段に起動信号として供給するように構成した
ことを特徴とする加熱装置。
【0057】(2)磁場発生手段により磁性材に磁場を
作用させて該磁性材に発生する渦電流による該磁性材の
発熱により被加熱材を加熱する磁気誘導加熱方式の加熱
装置であり、前記磁場発生手段は、励磁コイルと共振コ
ンデンサから成る並列共振回路、温度センサ、スイッチ
ング手段、電圧検出手段、温度センサの信号からスイッ
チングのオン時間を決定する手段を有し、オフ時の励磁
コイル端子に現れるフライバック電圧を上記電圧検出手
段を介して上記スイッチングのオン時間を決定する手段
に起動信号として供給し、オフ時間は並列共振回路の周
期で決まるように構成したことを特徴とする加熱装置。
【0058】(3)磁性材が固定部材、あるいは回転体
もしくは走行移動する有端部材であることを特徴とする
(1)または(2)に記載の加熱装置。
【0059】(4)磁性材が磁性層を含む積層部材、も
しくはそれ自体磁性の部材であることを特徴とする
(1)乃至(3)の何れかに記載の加熱装置。
【0060】(5)磁性材に被加熱材を直接もしくは間
接的に密着させる加圧部材を有することを特徴とする
(1)乃至(4)の何れかに記載の加熱装置。
【0061】(6)加圧部材が回転駆動されるあるいは
従動回転する加圧回転体であることを特徴とする(5)
に記載の加熱装置。
【0062】(7)被加熱材が加熱処理すべき画像を担
持させた記録材であり、該記録材に画像を加熱処理する
像加熱装置であることを特徴とする(1)乃至(6)の
何れかに記載の加熱装置。
【0063】(8)前記(1)乃至(6)の何れかに記
載の加熱装置を像加熱装置として備えていることを特徴
とする画像形成装置。
【0064】
【作用】本発明は磁気誘導加熱方式の加熱装置につい
て、励磁コイルと共振コンデンサから成る並列共振回
路、温度センサ、スイッチング素子、スイッチング制御
回路、ゼロクロス検出−オンタイミング制御回路(同期
回路)を有し、温度センサの信号からスイッチング素子
のオン時間を決定する手段とオフ時のフライバック電圧
がゼロになる時を検知してスイッチング素子をオンさせ
ることでオフ時間を制御する手段を有することを特徴と
するものであり、スイッチング素子に印加される電圧が
ゼロのときにスイッチングを行なう為、スイッチング素
子や放熱器の小型、ローコスト化、省電力化が可能であ
る。
【0065】また、温度制御は温度センサからの情報を
各スイッチング毎のオン時間としてフィードバックして
いるため、非常に高速な温度制御が可能となる。
【0066】上記のゼロクロス検出の代わりに、オフ時
の励磁コイル端子に現れるフライバック電圧を電圧検出
手段を介してスイッチングのオン時間を決定する手段に
起動信号として供給し、オフ時間は並列共振回路の周期
で決まるように構成することで、即ち基準電圧と電圧比
較回路を用いることで、ゼロ電位をアースにとった場合
に比較して雑音に強く、安定な動作をすることが可能に
なる。
【0067】
【実施例】
〈実施例1〉(図1〜図6) (1)装置の全体的概略構成(図1・図2) 図1は本実施例の加熱装置としての、磁気誘導加熱方式
・フィルム加熱方式の画像加熱定着装置(像加熱装置)
の一例の概略構成の側面図、図2は装置の斜視図であ
る。
【0068】この装置は特開平4−44075〜440
83号公報、同4−204980〜204984号公報
等に開示の所謂テンションレスタイプの装置である。こ
のテンションレスタイプの装置は、耐熱性フィルム(定
着フィルム)としてエンドレスベルト状もしくは円筒状
のものを用い、該フィルムの周長の少なくとも一部は常
にテンションフリー(テンションが加わらない状態)と
し、フィルムは加圧部材の回転駆動力で回転駆動するよ
うにした装置である。
【0069】101はエンドレス(円筒状)の耐熱性フ
ィルムであり、励磁コイルユニット102と、加熱部で
ある磁性材(渦電流により加熱を生じさせるための発熱
体である磁性金属、以下、金属発熱体と記す)103か
らなる磁気誘導加熱構造体(加熱体)を含むフィルム内
面ガイド(ステー)104に外嵌させてある。
【0070】このエンドレスの耐熱性フィルム101の
内周長と磁気誘導加熱構造体102・103を含むガイ
ド104の外周長はフィルム101の方を例えば3mm
程大きくしてあり、従ってフィルム101はガイド10
4に対し周長が余裕をもってルーズに外嵌している。
【0071】フィルム101は熱容量を小さくしてクイ
ックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚は1
00μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の
耐熱性のあるPTFE、PFA、FEPの等の単層フィ
ルム、或いはホリイミド、ポリアミドイミド、PEE
K、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTF
E、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィル
ムを使用できる。
【0072】磁気誘導加熱構造体102・103はその
加熱部である金属発熱体103側を下向きに露呈させ、
熱硬化性樹脂等より形成された剛性・耐熱性を有する横
断面略半円樋型のフィルム内面ガイド104の下面の略
中央部にガイド長手に沿って嵌め込み的に取り付け保持
させてある。
【0073】105は金属発熱体103との間にフィル
ム101を挟んで圧接ニップ部(定着ニップ部)Nを形
成し、且つフィルム101を回転駆動させる加圧部材と
しての加圧ローラである(加圧部材駆動方式)。
【0074】加圧ローラ105は、芯金105aと、シ
リコンゴム等の離型性の良い耐熱ゴム層105bよりな
り、不図示の軸受手段・付勢手段により所定の押圧力を
持ってフィルム101を挟ませて金属発熱体103の下
面に圧接させて配設してある。そして駆動手段Mにより
矢示の反時計方向に回転駆動される。
【0075】この加圧ローラ105の回転駆動による該
ローラとフィルム外面との摩擦力でフィルム101に回
転力が作用して、該フィルム101が金属発熱体103
の下面に密着して摺動回転する。
【0076】磁気誘導加熱構造体102・103は装置
に通紙される被加熱材としての記録材Pの最大幅、ある
いはそれよりも長い長さ寸法の横長部材である。
【0077】励磁コイルユニット102は様々な構成が
考えられるが、一般にはコア(磁性体)に線輪(励磁コ
イル;電磁誘導加熱を起こすための磁界発生用コイ
ル))を巻いたものである。106は励磁コイルユニッ
ト102の励磁コイルに高周波電流を供給するための高
周波コンバータである。
【0078】高周波コンバータ106より発生する高周
波電流が励磁コイルユニット102の励磁コイルに印加
されると、対向面にある、励磁コイルユニット102の
下側の金属発熱体103に高周波磁界が作用する。
【0079】高周波磁界は金属発熱体103に印加され
ると、その磁束は起磁力を与えるコイル中央部から始ま
り、コイル中央部に戻ってくる一巡ループで最小限の磁
気抵抗のルートを形成する。即ち、空間(μ0 )や非磁
性金属部分を最小に辿る経路を形成する。従って、図に
は示さなかったが、内部には、磁気回路、即ち、効率よ
く磁束が金属発熱体103に結合し、貫通するような高
透磁率材による磁路を形成している。
【0080】而して、励磁コイルユニット102の励磁
コイルからの発生高周波磁界を金属発熱体103に磁気
結合させ、磁気が及ぼす渦電流損によって金属発熱体1
03を加熱し、金属発熱体103の温度が所定に立ち上
がり、かつ加圧ローラ105の回転によるフィルム10
1の回転周速度が定常化した状態において、フィルム1
01を挟んで金属発熱体103と加圧ローラ105とで
形成される圧接ニップ部Nのフィルム101と加圧ロー
ラ105との間に被加熱材としての画像定着すべき記録
材Pが不図示の画像形成部より導入されてフィルム10
1と一緒に圧接ニップ部Nを挟持搬送されることにより
金属発熱体103の熱がフィルム101を介して記録材
Pに付与され、記録材P上の未定着トナー像Tが記録材
P面に加熱定着されるものである。圧接ニップ部Nを通
った記録材Pはフィルム101の面から分離されて搬送
される。
【0081】画像加熱定着装置に限らず、例えば画像を
担持した記録材を加熱してつや等の表面性を改質する装
置、仮定着する装置等、その他、広くシート状の被加熱
材を加熱処理する手段・装置として使用できる。
【0082】(2)制御系(図3〜図6) 図3は制御系のブロック図である。同図において、11
1は電源(ACライン)、112は電源111に接続さ
れ負荷への電源供給を制御するスイッチ、113は電源
111に接続され、負荷への、また負荷からのノイズを
カットするためのラインフィルタ、114は交流を脈流
に整流するための整流回路、115は前述励磁コイルユ
ニット102の励磁(加熱)コイル、103は前述の金
属発熱体、117は励磁コイル115とマッチングをと
るための共振コンデンサ、118はスイッチングを行う
ためのスイッチング素子、119は小容量のフィルムコ
ンデンサである。
【0083】ここで図から明らかなように、励磁コイル
115と共振コンデンサ117は並列共振回路を構成す
るような形で回路内に入っており、スイッチング素子1
18はその電圧ターミナルをスイッチする構成をしてい
る。
【0084】120はスイッチング素子を制御、ドライ
ブするドライバー回路(スイッチング制御回路)、12
1は励磁コイル115の電圧をモニタし、電圧のゼロク
ロスを検出、それによりオンタイミングを制御するゼロ
クロス、オンタイミング制御回路(ゼロクロス検出回
路)である。
【0085】122は温度センサであり、主としてサー
ミスタが用いられている。123はサーミスタの信号を
基に制御信号を発生する温度制御回路、124は温度制
御回路123からの信号を基にオン時間を決定するオン
時間制御回路、125は各制御回路へ電源電圧を供給す
るための抵抗である。
【0086】スイッチ112を投入すると電源111か
ら電力が供給される。スイッチ112を投入した直後
は、ラインフィルタ113を通って整流回路114で両
波整流された電流は抵抗125を通して各制御回路に流
れ、これを契機にスイッチング素子118がオン、オフ
動作を始める。
【0087】スイッチング制御回路120はそれ自身の
電源電圧を常時監視しており、電源電圧がレベル以下で
あるとオフ時間幅を広げ、間欠動作を行うようになって
いる。これはスイッチング電源では周知のソフトスター
ト動作と呼ばれる保護動作である。
【0088】スイッチング素子118がオン状態の時、
励磁コイル115及びスイッチング素子118へと電流
が流れ、オフ状態の時にはスイッチング素子118がオ
フするので電流は流れなくなる。
【0089】これにより励磁コイル115にパルス状電
圧が印加され、この結果発生した磁界が、励磁コイル1
15、加熱コア、空気、金属発熱体103から構成され
る磁気回路を通り、金属発熱体103に渦電流が流れ、
金属自身の抵抗によりジュール熱が発生し金属発熱体1
03が加熱されていくことになる。
【0090】温度制御回路123、オン時間制御回路1
24の動作について述べる。スイッチング制御回路12
0はそれ自身にオン時間、オフ時間を決定するタイマー
回路を持っており、このタイマー回路の信号を基にスイ
ッチング素子118をPWM制御している。金属発熱体
103の温度が上昇すると温度センサ122の信号に変
化が生じ、温度が基準よりも低いときにはオン時間を長
く、温度が高いときにはオン時間を短くすることで励磁
コイル115への電力供給を制御する。温度センサ12
2として一般にはサーミスタがよく用いられる。
【0091】周知の通りサーミスタの抵抗は温度Tに対
【0092】
【数1】 S ;RS の点のサーミスタ温度 RS ;tS での抵抗値 t ;抵抗Rを知りたい温度 R ;温度tの点での抵抗値 B ;サーミスタのB定数 のように変化する為、温度変化を抵抗値の変化として知
ることが出来る。
【0093】ゼロクロス検出、オンタイミング制御回路
121の動作について説明する。先にも述べたようにス
イッチング制御回路120はそれ自身にオン、オフ時間
を決定するタイマー回路を有しているが、ゼロクロス検
出、オンタイミング制御回路121により励磁コイル1
15の端子電圧VLを監視し、電圧がゼロになった時に
オフ時間を強制終了させ、オン状態へとスイッチするこ
とでオフ時間を決定するようにする。
【0094】図4に動作時の励磁コイル端子電圧、電流
波形を示す。以下、実際の動作について説明する。話を
簡単にするため図1の回路を簡略化した等価回路を図5
に示す。励磁コイル115、共振コンデンサ117、ス
イッチング素子118、電源111及び整流回路114
は図5のように配置され、励磁コイル115と共振コン
デンサ117は先に説明したとおり並列共振回路を構成
している。
【0095】スイッチがオン状態の時にはコイル端子間
の電圧VLはVL=Viとなる。オン状態の間はこの電
圧は電圧源によってのみ決まり、電流波形もオン状態の
間は図のようにランプ関数的に増加する。温度センサ1
22の信号から、まだ低温であると判断出来る間はスイ
ッチング制御回路120自身の持つタイマーの信号によ
りオン時間を調整し短くするようにする。オフ状態とな
った瞬間から励磁コイル115と共振コンデンサ117
はLC並列共振回路を構成したこととなり、
【0096】
【数2】 で決定される周波数で自由共振する。
【0097】この際、端子電圧VLは図6のような減衰
(金属発熱体103に渦電流が生じ、電力吸収があるの
で)のある共振波形となる。図3のゼロクロス検出、オ
フタイミング制御回路121は端子電圧VLを常にモニ
タしており、この電圧がゼロになる時点でスイッチを再
びオンする。このため、VLの波形は図4の(b)よう
になる。
【0098】ゼロクロス検出回路121が存在しない場
合には、図4の(a)のように、スイッチング制御回路
120自身の持っている基準周期にてオフ時間が決定さ
れており、スイッチング素子118に電圧が加わった状
態でオン動作をしてしまう。このようなときにはスイッ
チング損失といわれる電力損失が発生する。
【0099】本構成ではこのスイッチング損失が非常に
少なくでき、更に1回のオン毎に温度センサ122から
の情報がフィードバック出来るため、非常に応答性のよ
い温度制御が実現可能となる。
【0100】〈実施例2〉(図7) 本実施例は図7のようにフライバック電圧をゼロクロス
検出回路121を介して、スイッチングのオン時間を制
御するオン時間制御回路124にスイッチング素子11
8をオンする起動信号として供給した回路である。ゼロ
クロス検出回路121はフライバック電圧がゼロになる
のを検出する。オン時間制御回路124スイッチング素
子118をオンし、温度センサ122からの信号によ
り、スイッチング素子118のオンする時間の長さを制
御する。
【0101】電源投入後、スイッチング素子118は温
度センサ122からの信号によりスイッチングオン時間
制御回路124で決められた時間だけオンし、励磁コイ
ル115に電力を供給する。
【0102】このオン時間を経た後、スイッチング素子
118がオフすると励磁コイル115に蓄えられたエネ
ルギーにより励磁コイル115の端子にフライバック電
圧と呼ばれる電圧が発生する。
【0103】これは励磁コイル115と共振コンデンサ
117の並列共振回路のもつ共振周波数ωで電圧振動を
始める。この電圧はゼロクロス検出回路121で常に監
視されており、フライバック電圧VLが−から+に転じ
る際に、ゼロを通った時点でオン時間制御回路124に
起動信号を与え、オンすることで結果的にオフ時間を強
制的に終了させる。
【0104】次のオン時間は温度センサ122からの信
号で決定されたオン時間だけつづき、オフした後のフラ
イバック電圧がゼロクロスすることから次のオンをと、
この過程を繰り返していく動作をする。
【0105】本構成によれば、回路を簡略化することが
出来、部品点数を削減でき、生産性の向上及びコストを
削減することが出来る。
【0106】〈実施例3〉(図8) 本実施例は図8のように、実施例2で述べた回路のゼロ
クロス検出回路121の代わりに、基準電圧源126と
電圧比較回路127を介してスイッチングのオン時間を
制御するオン時間制御回路124にスイッチング素子1
18をオンする起動信号を与えるものである。電圧比較
回路127はフライバック電圧が基準電圧源126の基
準電圧より高いか低いかを判定する。
【0107】電源投入後、スイッチング素子118は温
度センサ122からの信号によりスイッチングオン時間
制御回路124で決められた時間の長さだけオンし、励
磁コイル115に電力を供給する。このオン時間を経た
後、スイッチング素子118がオフすると励磁コイル1
15に蓄えられたエネルギーにより励磁コイル115の
端子にフライバック電圧と呼ばれる電圧が発生する。こ
れは励磁コイル115と共振コンデンサ117の並列共
振回路のもつ共振周波数ωで電圧振動を始める。このフ
ライバック電圧は電圧比較回路127で常に監視されて
おり、フライバック電圧VLの絶対値が基準電圧源12
6の電圧よりも低くなった時点でオン時間制御回路12
4にスイッチング素子118をオンするための起動信号
を与え、オンすることで結果的にオフ時間を強制的に終
了させる。次のオン時間は温度センサからの信号で決定
されたオン時間だけつづき、オフした後のフライバック
電圧がゼロクロスすることから次のオンをと、この過程
を繰り返していく動作をする。
【0108】本構成によれば、基準電圧源を用いること
でゼロクロス検出回路を有する回路よりも雑音に強く、
安定無動作をすることが可能となる。
【0109】〈実施例4〉(図9) 図9は本実施例装置の概略の構成模型図である。本例装
置は前述実施例1ないし銅3の装置におけるフィルム1
01自体を磁性材(磁性金属層を設けたフィルム部材、
それ自体を磁性金属材料で構成したフィルム部材、以下
磁性材フィルムと記す)にして磁気誘導加熱により発熱
させ、これに密着させた被加熱材Pを加熱する構成の装
置である。
【0110】102はE型芯材102a(コア、磁性
材)に励磁コイル115を巻き付けてなる磁界発生手段
としての励磁コイルユニットであり、磁性材フィルム1
01A・記録材(被加熱材)Pの搬送(移動)方向と交
差(直交)する方向を長手とする横長部材である。
【0111】130は上記励磁コイルユニット102を
支持し、磁性材フィルム101Aの走行を保つためのス
テーであり、液晶ポリマー・フェノール樹脂等で構成さ
れ、フィルムと接触する部分に摺擦板が張り付けられて
いる。
【0112】このステー130は励磁コイルユニット1
02のE型芯材102aの3本足側を下向きにして、そ
の長手両側を挟み込むように配設された横長部材であ
る。
【0113】131は励磁コイルユニット102のE型
芯材102aの下向き面に設けたフィルム摺動板(滑
板)であり、磁性材フィルム101Aとの摩擦抵抗の少
ないガラス等である。更にその表面にグリース・オイル
等の潤滑材を塗布することが好ましい。あるいは励磁コ
イルユニット102の芯材で平滑な面としてフィルム摺
動部を構成しても良い。
【0114】上記の励磁コイルユニット102・ステー
130・フィルム摺動板131等からなるアセンブリ
(磁気誘導加熱構造体)の外側にエンドレス状(円筒
状、シームレス)の耐熱性・磁性材フィルム101Aを
ルーズに外嵌させてある。
【0115】105は加圧ローラであり、芯金の周囲に
シリコーンゴム、フッ素ゴム等を被覆して構成される。
この加圧ローラ105は不図示の軸受手段・付勢手段に
より所定の押圧力をもって上記アセンブリ102・13
0・131のフィルム摺動板131の下面に対して磁性
材フィルム101Aを挟ませて圧接してあり、フィルム
摺動板131の下面との間に磁性材フィルム101Aを
挟んで圧接ニップ部(定着ニップ部)Nを形成する。
【0116】該加圧ローラ105は駆動手段により矢示
の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ105
の回転駆動による該ローラとフィルム外面との摩擦力で
磁性材フィルム101Aに回転力が作用して、該磁性材
フィルム101Aがフィルム摺動板131の下面に密着
摺動してアセンブリ102・130・131の外回りを
回転する。
【0117】磁性材フィルム101Aは厚さ10μm〜
100μmのポリイミド・ポリイミドアミド・PEEK
・PES・PPS・PFA・PTFE・FEP等の耐熱
性樹脂を基層101aとし、その基層101aの外周
(被加熱材圧接面側)に磁性金属層101bを、Feや
Co、例えばNi・Cu・Cr等の金属を1μm〜10
0μmの厚みでメッキ等の処理によって形成している。
更にその磁性金属層101bの自由面に表面層として例
えばPFA・PTFE・FEP・シリコーン樹脂等のト
ナー離型性の良好な耐熱性樹脂を混合ないし独立で被覆
して離形層101cを形成した、3層構成のものであ
る。この例ではフィルム基層101aと磁性金属層10
1bを別々の層としたがフィルム基層101aそのもの
を磁性金属層としてもよい。
【0118】励磁コイルユニット102の励磁コイル1
15に不図示の励磁回路から電流が印加されることで磁
性材フィルム101Aの磁性金属層101bが磁気誘導
加熱により発熱する。
【0119】而して、加圧ローラ105の回転による磁
性材フィルム101Aの回転がなされ、励磁回路から励
磁コイルユニット102の励磁コイル115への電流印
加がなされて磁性材フィルム101Aの磁性金属層10
1bが発熱した状態において、圧接ニップ部Nに被加熱
材としての記録材Pが導入されて磁性材フィルム101
A面に密着して該フィルムと一緒に圧接ニップ部Nを通
過することで、磁気誘導加熱された磁性材フィルム10
1Aの熱が記録材Pに付与された未定着トナー像Tが加
熱定着される。
【0120】磁性材フィルム101Aの表層近くを直接
発熱させるので、フィルム基層101aの熱伝導率、熱
容量によらず、急速に加熱できる利点がある。また磁性
材フィルム101Aの厚さにも依存しないために、高速
化のために磁性材フィルム101Aの剛性を向上するた
め磁性材フィルム101Aの基層101aを厚くしても
迅速に定着温度にまで加熱できる。更にはフィルム基層
101aは低熱伝導性の樹脂のため断熱性が良く、フィ
ルム内側にあるコイル等の熱容量の大きなものとは断熱
ができるので連続プリントを行なっても熱のロスが少な
く、エネルギー効率が良い。かつフィルム内側のコイル
に熱が伝わらずコイルとしての性能低下も生じない。そ
して熱効率が向上した分、装置内の昇温も抑えられて、
該加熱装置を画像加熱定着装置として用いた電子写真装
置等の画像形成装置の像形成部への影響も少なくでき
る。
【0121】このようにフィルム101Aを磁性材にし
て該フィルム自体を磁気誘導加熱により発熱させ、これ
に密着させた被加熱材Pを加熱する構成の加熱装置につ
いても前記実施例1乃至同3に準じて同様の温度制御を
して同様の効果を得ることができる。
【0122】〈実施例5〉(図10) 図10の(a)・(b)・(c)はそれぞれ磁気誘導加
熱方式・フィルム加熱方式の加熱装置の他の構成形態例
を示したものである。
【0123】(a)のものは磁場発生手段101・10
2(または102)下面と、駆動ローラ61と、従動ロ
ーラ(テンションローラ)62との、3部材間にエンド
レスベルト状のフィルム101(101A)を懸回張設
して駆動ローラ61によりフィルム101(101A)
を回転駆動する構成のものである。63はフィルム10
1(101A)を挟んで磁場発生手段101・102
(または102)の下面に圧接させた加圧ローラであ
り、フィルム101(101A)の回転移動に伴ない従
動回転する。
【0124】(b)のものは、磁場発生手段101・1
02(または102)の下面と駆動ローラ61の2部材
間にエンドレスベルト状のフィルム101(101A)
を懸回張設して駆動ローラ61により回転駆動する構成
のものである。
【0125】(c)のものは、フィルム101(101
A)として、エンドレスベルト状のものではなく、ロー
ル巻きにした長尺の有端フィルムを用い、これを繰り出
し軸64側から磁場発生手段101・102(または1
02)の下面を経由させて巻き取り軸65側へ所定の速
度で走行させるように構成したものである。
【0126】以上の各実施例は磁場の方向が磁性材10
3・101bに垂直に入るように構成したが、層面に平
行に磁場をかけても良い。
【0127】またフィルム加熱で説明したが、加熱部材
(磁性材)103は熱ローラであってもよい。加圧ロー
ラ105・63にも磁気誘導加熱手段を配設することも
できる。
【0128】〈実施例6〉(図11) 本実施例は例えば前述実施例1の磁気誘導加熱方式の加
熱装置を画像加熱定着装置(像加熱装置)85として用
いた画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の画
像形成装置は、電子写真プロセス利用のレーザービーム
プリンタである。
【0129】71は像担持体(第1の像担持体)として
の回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと
記す)である。該感光ドラム71は矢印の時計方向に所
定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動さ
れ、その回転過程で一次帯電器72によりマイナスの所
定の暗電位VDに一様に帯電処理される。
【0130】73はレーザービームスキャナであり、不
図示の画像読取装置・ワードプロセッサ・コンピュータ
等のホスト装置から入力される目的画像情報の時系列電
気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービー
ムLを出力し、前記のように一次帯電器72でマイナス
に一様帯電された感光ドラム71面が該レーザービーム
で走査露光されることで露光部分は電位絶対値が小さく
なって明電位VL となり回転感光ドラム71面に目的の
画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。
【0131】次いでその潜像は現像器74によりマイナ
スに帯電した粉体トナーで反転現像(レーザー露光部V
L にトナーが付着)されて顕像化される。
【0132】現像器74は回転駆動される現像スリーブ
74aを有し、そのスリーブ外周面にマイナスの電荷を
もったトナーの薄層がコートされて感光ドラム71面と
対向し、スリーブ74aにはその絶対値が感光ドラム7
1の暗電位VD よりも小さく、明電位VL よりも大きな
現像バイアス電圧VDCが印加されていることで、スリー
ブ74a上のトナーが感光ドラム71の明電位VL の部
分のみ転移して潜像が顕像化(反転現像)される。
【0133】一方、給紙トレー75上に積載セットされ
ている記録材(第2の像担持体、転写紙)Pが給紙ロー
ラ76により1枚宛繰り出し給送され、搬送ガイド7
7、レジストローラ対78、転写前ガイド79を経由し
て、感光ドラム71とこれに当接させて電源81で転写
バイアスを印加した転写部材としての転写ローラ80と
のニップ部(転写部)82へ、感光ドラム71の回転と
同期どりされた適切タイミングをもって給送されて該給
送記録材12の面に感光ドラム71面側のトナー像が順
次に転写されていく。転写部材としての転写ローラ80
の抵抗値は108〜109 Ωm程度のものが適当であ
る。
【0134】転写部82を通った記録材12は感光ドラ
ム71面から分離され、搬送ガイド84で定着装置85
へ導入されて転写トナー像の定着を受け、画像形成物
(プリント)として排紙トレイ86へ出力される。被記
録材分離後の感光ドラム71面はクリーニング装置83
で転写残りトナー等の感光ドラム面残留物の除去を受け
て清浄面化されて繰り返して作像に供される。
【0135】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
温度立ち上がり特性、温度制御の応答性が非常に優れ、
さらに耐久性が高く、効率の良い、磁気誘導加熱方式の
加熱装置が実現可能となる。また、構成部品を減少させ
るとともに安定動作をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の加熱装置(磁気誘導加熱方式・フ
ィルム加熱方式の画像加熱定着装置)の概略構成を示す
横断面摸式図
【図2】 装置の斜視図
【図3】 制御回路図
【図4】 図3の構成の回路の動作時の電圧波形を表す
【図5】 図3の回路の簡略化した等価回路図
【図6】 スイッチがオンしない時のフライバック電圧
波形を表す図
【図7】 実施例2の装置の制御回路図
【図8】 実施例3の装置の制御回路図
【図9】 実施例4の装置の概略の構成模型図
【図10】 (a)・(b)・(c) はそれぞれ磁気誘導加熱方式
・フィルム加熱方式の加熱装置の他の構成形態例の略図
(実施例5)
【図11】 画像形成装置の一例の概略構成図(実施例
6)
【図12】 熱ローラ式加熱装置(定着装置)の概略図
【図13】 加熱ローラの温度制御回路とローラ駆動回
【図14】 温度制御グラフ
【図15】 制御フローチャート
【符号の説明】
101 フィルム 102 励磁コイルユニット 103 金属発熱体(磁性材) 104 フィルム内面ガイド(ステー) 105 加圧ローラ P 記録材(被加熱材) 111 交流電源 112 スイッチ 113 ラインフィルタ 114 整流器 115 励磁コイル 117 共振コンデンサ 118 スイッチング素子 119 フィルムコンデンサ 120 スイッチング回路 121 ゼロクロス検出回路 122 温度センサ 123 温度制御回路 124 オン時間制御回路 125 抵抗 126 標準電圧源 127 電圧比例回路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁場発生手段により磁性材に磁場を作用
    させて該磁性材に発生する渦電流による該磁性材の発熱
    により被加熱材を加熱する磁気誘導加熱方式の加熱装置
    であり、 前記磁場発生手段は、励磁コイルと共振コンデンサから
    成る並列共振回路、温度センサ、スイッチング手段、ゼ
    ロクロス検出手段、温度センサの信号からスイッチング
    のオン時間を決定する手段を有し、オフ時の励磁コイル
    端子に現れるフライバック電圧を上記ゼロクロス検出手
    段を介して上記スイッチングのオン時間を決定する手段
    に起動信号として供給するように構成したことを特徴と
    する加熱装置。
  2. 【請求項2】 磁場発生手段により磁性材に磁場を作用
    させて該磁性材に発生する渦電流による該磁性材の発熱
    により被加熱材を加熱する磁気誘導加熱方式の加熱装置
    であり、 前記磁場発生手段は、励磁コイルと共振コンデンサから
    成る並列共振回路、温度センサ、スイッチング手段、電
    圧検出手段、温度センサの信号からスイッチングのオン
    時間を決定する手段を有し、オフ時の励磁コイル端子に
    現れるフライバック電圧を上記電圧検出手段を介して上
    記スイッチングのオン時間を決定する手段に起動信号と
    して供給し、オフ時間は並列共振回路の周期で決まるよ
    うに構成したことを特徴とする加熱装置。
  3. 【請求項3】 磁性材が固定部材、あるいは回転体もし
    くは走行移動する有端部材であることを特徴とする請求
    項1または同2に記載の加熱装置。
  4. 【請求項4】 磁性材が磁性層を含む積層部材、もしく
    はそれ自体磁性の部材であることを特徴とする請求項1
    乃至同3の何れかに記載の加熱装置。
  5. 【請求項5】 磁性材に被加熱材を直接もしくは間接的
    に密着させる加圧部材を有することを特徴とする請求項
    1乃至同4の何れかに記載の加熱装置。
  6. 【請求項6】 加圧部材が回転駆動されるあるいは従動
    回転する加圧回転体であることを特徴とする請求項5に
    記載の加熱装置。
  7. 【請求項7】 被加熱材が加熱処理すべき画像を担持さ
    せた記録材であり、該記録材に画像を加熱処理する像加
    熱装置であることを特徴とする請求項1乃至同6の何れ
    かに記載の加熱装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項1乃至同6の何れかに記載の
    加熱装置を像加熱装置として備えていることを特徴とす
    る画像形成装置。
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