JP5272987B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録紙上に形成されたトナー像を記録紙に加熱定着する画像形成装置の定着装置等に用いられ、とくに加熱方式として電磁誘導方式(IH方式)を用いる誘導加熱装置に関する。
プリンタ・複写機・ファクシミリ等の画像形成装置に対し、近年、省エネルギー化・高速化についての市場要求が強くなってきている。これらの要求性能を達成するためには、画像形成装置に用いられる定着装置の熱効率の改善が重要である。
電磁誘導加熱方式の定着装置として、(特許文献1)等に開示されるように、交番磁界により磁性金属部材に発生した渦電流でジュール熱を生じさせ、金属部材を含む加熱体を電磁誘導発熱させる技術が提案されている。
また、電磁誘導加熱方式の定着装置の中で、磁束の方向を90°異ならせた励磁コイルを2個設けた電磁誘導加熱方式の定着装置も提案されている(特許文献2)。
特開2003−223063号公報 特開2002−341692号公報
ところで、画像形成装置は近年益々スピード化が要求され、定着装置の加熱速度の短縮化が求められている。
しかし、1台の画像形成装置に対して1系統の電源線から供給できる電流値は最大15Aに制限されている。定着装置の加熱速度を上げるためには一時的に電源線から大電力を供給する方法が考えられるが、商用電源を使う場合、この制限により商用電源線から1500W以上の電力供給を行えない。従って、電源線での15A以上の過電流を避けつつ、画像形成装置には一時的に大電力を供給可能な手段が必要である。しかし、面倒な操作が必要になる手段は使いづらい。
また、定着装置の発熱ローラは温度分布が軸方向に均一であることが好ましいが、発熱ローラの2つの軸端付近で加熱温度の落ち込みが起こる。電磁誘導加熱方式の定着装置では周りの空気への放熱だけでなく、端部に励磁コイルの巻回方向を逆向きに向けるための渡り部が必要であり、この部分で温度低下が発生する。というのは、渡り部ではコイルの各巻線の曲率半径が内周と外周で巻線ごとに異なり、一定の向きの磁束を発生しないために、渡り部以外の巻線部分より磁束密度が小さくなり、加熱温度が低下し、これが軸方向に均一な温度分布になるのを妨げてしまう。
そこで、本発明は、使用できる最大電力を大電力化し、急速な昇温が必要なときには補助電源に接続されたコイルによって発熱させて昇温時間の短縮化を行い、このコイルの形状によって発熱ローラ端部の温度低下を防いでエネルギー効率の改善を行い、急速な昇温以外のときはこのコイルを使って補充電源に充電できる誘導加熱装置を提供することを目的とする。
本発明の誘導加熱装置は上記課題を解決するために、電磁誘導発熱する円筒形状の発熱ローラと、発熱ローラの内側に設けられ、該発熱ローラの軸と同じ方向に軸を有するように巻回されて第1電源に接続される第1励磁コイルと、発熱ローラの内側に設けられ、該発熱ローラの軸と略直交する方向に軸を有するように巻回されて第2電源に接続される第2励磁コイルとを有し、第2励磁コイルは、第1励磁コイルの軸方向に平行に延びる平行部と、該平行部の両端で折り返された2つの渡り部とから構成され、2つの渡り部は第1励磁コイルの円周に沿って設けられると共に各々の渡り部の円弧方向が反対となるよう設けられていることを主な特徴とする。
本発明の誘導加熱装置によれば、使用できる最大電力を大電力化し、急速な昇温が必要なときには第2電源に接続された第2励磁コイルによって発熱させて昇温時間の短縮化を行い、この第2励磁コイルの形状によって発熱ローラ端部の温度低下を防いでエネルギー効率の改善を行い、急速な昇温時以外のときにこの第2励磁コイルを使って第2電源に充電し、充電作業を別途行う必要のない誘導加熱装置を提供することができる。急速な昇温が必要な場合、第1電源から電力供給すると共に、第2電源からも電力供給することにより、1500Wを超える大電力で急速に昇温できる。また、連続通紙期間のように必要温度に達した後は、第1電源から電力供給し、第2電源からの電力供給は停止して定着温度を維持させることができる。
本発明の誘導加熱装置が定着装置として適用される複写機の構成図 本発明の誘導加熱装置が適用された図1に示した定着装置の断面図 本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成する発熱ローラの概観斜視図 本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットの概観図 本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットの概略回路構成図 本発明の実施例1に係る誘導加熱装置において断面略L字状の形状のフェライトコアを保持部材上に配置したときの一部破砕断斜視図 (a)本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットの第2励磁コイルと保持部材の径方向位置を説明する断面略L字状のフェライトコアと円筒形の保持部材を使用したときに第2励磁コイルが円筒保持部材の外周面に設置される場合の正面図、(b)本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットの第2励磁コイルと保持部材の径方向位置を説明する断面略L字状のフェライトコアと円筒形の保持部材を使用したときに第2励磁コイルが円筒保持部材の外周面に設置される場合の断面図、(c)本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットの第2励磁コイルと保持部材の径方向位置を説明する断面略L字状のフェライトコアと円筒形の保持部材を使用したときに第2励磁コイルが円筒保持部材の内周面に設置される場合の正面図、(d)本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットの第2励磁コイルと保持部材の径方向位置を説明する断面略L字状のフェライトコアと円筒形の保持部材を使用したときに第2励磁コイルが円筒保持部材の内周面に設置される場合の断面図 (a)本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成する第2励磁コイルの一部破断外観図、(b)本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成する第2励磁コイルの渡り部と同径で追加巻きの部分を設けた一部破断外観図 本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットの基本回路構成図 本発明の実施例1に係る誘導加熱装置の電力印加概念図 本発明の実施例1に係る誘導加熱装置の電力制御パターンを示すグラフ 本発明の実施例2に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットを補助電源も商用電源として駆動する回路構成図 本発明の実施例3に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットにおいて第2励磁コイルを第1励磁コイルの外側に配置した側面図 本発明の実施例3に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットにおいて第1励磁コイルを第2励磁コイルの外側に配置した側面図 本発明の実施例3に係る誘導加熱装置において電力を回生させる原理図 発明の実施例3に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットが回生用の結合部を備えた場合の回路構成図
本発明の請求項1の発明は、電磁誘導発熱する円筒形状の発熱ローラと、発熱ローラの内側に設けられ、該発熱ローラの軸と同じ方向に軸を有するように巻回されて第1電源に接続される第1励磁コイルと、発熱ローラの内側に設けられ、該発熱ローラの軸と略直交する方向に軸を有するように巻回されて第2電源に接続される第2励磁コイルとを有し、第2励磁コイルは、第1励磁コイルの軸方向に平行に延びる平行部と、該平行部の両端で折り返された2つの渡り部とから構成され、2つの渡り部は第1励磁コイルの円周に沿って設けられると共に各々の折り返し部の円弧方向が反対となるよう設けられていることを特徴とする誘導加熱装置である。
この構成によって、使用できる最大電力を大電力化し、急速な昇温が必要なときには第2電源に接続された第2励磁コイルによって発熱させて昇温時間の短縮化を行い、この第2励磁コイルの形状によって発熱ローラ端部の温度低下を防いでエネルギー効率の改善を行い、急速な昇温以外のときにこの第2励磁コイルを使って第2電源に充電できる。急速な昇温が必要な場合、第1電源から電力供給すると共に、第2電源からも電力供給することにより、1500Wを超える大電力で急速に昇温できる。また、連続通紙期間のように必要温度に達した後は、第1電源から電力供給し、第2電源からの電力供給は停止して定着温度を維持させることができる。
本発明の請求項2の発明は、請求項1の発明に従属する発明であって、第1電源により第1励磁コイルへ電力を供給している場合であって第2電源により第2励磁コイルへ電力を供給していない場合は、第2励磁コイルで発生した電力を回収し再利用することを特徴とする誘導加熱装置である。
この構成によって、急速な昇温以外のときにこの第2励磁コイルを使って第2電源に充電を行うことにより、充電作業を別途行う必要のない誘導加熱装置を提供することができる。
本発明の請求項3の発明は、請求項1の発明に従属する発明であって、第1電源が商用電源であり、第2電源が充電可能な補助電源であり、第1電源により第1励磁コイルへ電力を供給している場合であって第2電源により第2励磁コイルへ電力を供給していない場合は、第2励磁コイルにより第2電源に充電を行うことを特徴とする誘導加熱装置である。
この構成によって、急速な昇温が必要な場合、商用電源から電力供給すると共に、充電可能な補助電源からも電力供給することにより、1500Wを超える大電力で急速に昇温できる。急速な昇温時以外のときに第2励磁コイルを使って補充電源に充電し、充電作業を別途行う必要のない誘導加熱装置を提供することができる。
本発明の請求項4の発明は、請求項1の発明に従属する発明であって、折り返し部の巻線数を平行部の巻線数よりも多くしたことを特徴とする誘導加熱装置である。
この構成によって、発熱ローラの端部の温度の落ち込みを確実に減らすことができる。
本発明の請求項5の発明は、請求項3の発明に従属する発明であって、商用電源を、整流回路を介して第2電源に接続したことを特徴とする誘導加熱装置である。
この構成によって、充電可能な補助電源にも商用電源から充電できるため、誘導加熱装置の構成が簡単になる。
本発明の請求項6の発明は、請求項3の発明に従属する発明であって、第2電源を電気二重層キャパシタとしたことを特徴とする誘導加熱装置である。
この構成によって、大電力を充電することができ、誘導加熱装置の構成がコンパクトになる。
以下、本発明に係る実施例1を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の誘導加熱装置が定着装置として適用される複写機の構成図である。図1に示す複写機(画像形成装置)はタンデム型のカラーの画像形成装置であり、原稿の画像を読み取る原稿読取部1と、読み取った原稿の画像を感光体ドラム7上に像形成し、トナーによってトナー像を形成してさらにこれを記録紙(一般的には画像形成媒体)上に転写する画像形成部2と、この記録紙上のトナー像を定着させる定着装置3とを備えている。画像形成部2には給紙部4から記録紙が供給され、定着装置3において定着処理が終わった記録紙が排紙部5に排出される。
画像形成部2では、帯電器6により一様に帯電された感光体ドラム7に対してLSU(Laser Scanning Unit)8からレーザ光が照射されて感光体ドラム7の感光体の層の面上に静電潜像が形成された後、現像ユニット9内のトナーが現像ローラ11を介して感光体ドラム7に供給されて、像形成された静電潜像が現像される。中間転写ベルト12に沿ってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の感光体ドラム7が配置され、それぞれの静電潜像が各色の現像ローラ11から供給されたトナーでそれぞれトナー像を形成し、これが順に中間転写ベルト12に一次転写され、この各色トナーが中間転写ベルト12上に積み重なって形成されたトナー像を転写装置13の転写ローラ14により記録紙に二次転写する。
図2は、本発明の誘導加熱装置が適用された図1に示した定着装置の断面図である。図2に示すように、定着装置3は、電磁誘導発熱により記録紙(画像形成媒体)上のトナー像を溶融させる円筒形の発熱ローラ10と、発熱ローラ10に圧接するように付勢された加圧ローラ15とから構成される。発熱ローラ10と加圧ローラ15のニップ部に二次転写された記録紙が搬送されてくると、ニップ部での熱と圧力で記録紙上のトナーが溶融し、記録紙のトナーが熱定着される。
なお、以上の実施例1の説明では、発熱ローラ10に加圧ローラ15を直接圧接させる構成を説明したが、ローラより熱容量が小さくなる加熱ベルトを用いる構成でも基本的に同様である。この場合、無端帯状の加熱ベルトを発熱ローラと定着ローラとに巻き掛け、定着ローラに対峙して配置された加圧ローラと搬送される加熱ベルトとの間に記録紙を通すことで、記録紙上のトナーが熱と圧力の作用で記録紙に定着される。
発熱ローラ10には、図2のように、ステンレスなどの磁性体の金属材料からなる発熱ローラ本体10aと、その表面にフッ素樹脂などからなる離型層10bがコーティングされている。また、発熱ローラ本体10aの内部には誘導加熱装置16が収容されており、この誘導加熱装置16によって発熱ローラ本体10aは発熱される。
この発熱ローラ10の発熱構造を説明すると、発熱ローラ10の内部には励磁コイルとコンデンサからなるLC共振回路を備えた誘導加熱装置16が装備されており、このLC共振回路により高周波の交番磁界を発生する。このLC共振回路の構成と作用については後で詳述する。発生した磁界に沿って生じる磁束が発熱ローラ10の発熱ローラ本体10aと錯交すると、発熱ローラ本体10aに渦電流が生じるため、渦電流と発熱ローラ10自身の抵抗によりジュール熱で発熱ローラ10が発熱し、記録紙上のトナー像を熱定着させることが可能になる。
これに対して、加圧ローラ15は、アルミニウム合金などからなる芯金15aと、この芯金15aの周りに発泡シリコンゴムなどの弾性層15bが形成されている。
図3は、本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成する発熱ローラの概観斜視図、図4は、本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットの概観図であり、これは図2で説明した発熱ローラ10の内部に装備された誘導加熱装置の要部構成を示すものである。図3、図4において、20は発熱ローラ10の軸と同じ方向に軸を有するように巻回されて商用電源に接続される第1励磁コイル、30はフェライトコア、31はフェライトコア30を設置する保持部材、40は発熱ローラ10の内側に設けられ発熱ローラ10の軸と略直交する方向に軸を有するように巻回されて補助電源に接続される第2励磁コイルである。第1励磁コイル20は断面略コ字状の形状を持つフェライトコア30の溝内を発熱ローラ10の軸周りに巻回される。保持部材31は非磁性体の樹脂で図4の芯材である。
また、図5は、本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットの概略回路構成図である。第1励磁コイル20と第2励磁コイル40、フェライトコア30からなるコイルユニットの制御回路の要部について簡単に説明すると、図5に示すように、第1励磁コイル20と第2励磁コイル40はそれぞれ独立した駆動回路に接続され、それぞれの駆動回路はスイッチング素子に接続される。このスイッチング素子により発熱量をコントロールするデューティ比の制御(以下、デューティ制御)が行われる。第1励磁コイル20には商用電源(本発明における第1電源)から電流を供給し、第2励磁コイル40には補助電源(本発明における第2電源)より電流を供給する。
この第1励磁コイル20に商用電源から電流が供給されると、これがLC共振回路となっていることによって第1励磁コイル20の周囲に交番磁界が発生し、制御回路からのデューティ制御により電流量に応じた磁束が発生する。第1励磁コイル20、第2励磁コイル40共に導線が巻回されたもので、導線には絶縁した銅線材を複数本束ねたリッツ線が用いられる。フェライトコア30はこのように発生した磁束が発散しないように第1励磁コイル20の周囲に留める(磁束密度を高める)ためのものである。
実施例1の第2励磁コイル40は、図3からも分かるように第1励磁コイル20とフェライトコア30を外側から覆うように構成されたコイルである。第2励磁コイル40は、図3、図4、図7(a)、図13、図14に示すように、第1励磁コイル20の軸の方向と略直交する向きに巻回される。このため、第2励磁コイル40から発生する磁束は第1励磁コイル20から発生する磁束と直交する(図13、図14参照)。ここで、略直交する向きに巻回するというのは、導線が所定ピッチで巻回されるため、少なくとも導線の太さの巻きピッチ分は傾斜が避けられないからである。第2励磁コイル40の両端の第1渡り部41と第2渡り部42は、発熱ローラ10の両端においてそれぞれ上下反対方向に逆向きの円弧をなして折り曲げられた形状が付与されている(図8(a)参照)。
なお、図2、図4のフェライトコア30は断面略コ字状の形状をなし、強磁性を有する材料からなる部材であり、発熱ローラ10の方へ径方向に口を開いた状態で保持部材31の各面に隣接して設置される。従って、第1励磁コイル20の巻回方向に90°のピッチ間隔で4列発熱ローラ10の周囲に軸に沿って規則正しく配列されることになる。
このフェライトコア30は第1励磁コイル20の内周に沿って延びる基部と発熱ローラ本体10aの内周面に向かって近接する一対の折り曲げ部(径方向部分)を備えている。従って、このフェライトコア30の基部に巻かれた第1励磁コイル20によって発生する磁束はフェライトコア30の基部から折り曲げ部によって径方向に誘導され、この端部から発熱ローラ本体10aと交差する方向に流出し、発熱ローラ本体10aを経て再びフェライトコア30の折り曲げ部の径方向からその端部に進入する。磁束は透磁率の低い空気中などはあまり通過しないのでフェライトコア30、発熱ローラ本体10aなどの磁性体部分に集中する。この発熱ローラ本体10aでの磁束により渦電流が発生し、発熱ローラ10が発熱する。
ところで、フェライトコア30の形状は断面略コ字状の形状でなく、図6のように断面略L字状の形状の部品にするのも好適である。合わせて保持部材31も円筒形の芯材にするのが好適である。図6は、本発明の実施例1に係る誘導加熱装置において断面略L字状の形状のフェライトコアを保持部材上に配置したときの一部破砕断斜視図である。図6に示すように基部は軸方向に沿って円筒形の保持部材31の表面の周方向に4列配列される。列ごとにL字の配列の向きを統一して同一方向に向けて並べ、周方向90°ごとにL字の向きを反転させた配列とする。部品をL字形状にしてこれを反転して交互に配列することによりその形状が単純化でき、材料も少なくて済む。第1励磁コイル20が形成する磁束はフェライトコア30のL字状の折り曲げ部(径方向部分)に誘導され、この端部から流出し、発熱ローラ本体10aを経て再びフェライトコア30の別のフェライトコア30の径方向からその折り曲げ部(径方向部分)に進入する。なお、円筒形の保持部材31は非磁性体である樹脂性の芯材である。
ところで、第2励磁コイル40の第1励磁コイル20に対する配置は、フェライトコアを設置する保持部材31の外周面に限られない。第2励磁コイル40から発生する磁束が第1励磁コイル20から発生する磁束と直交すればよいから、第2励磁コイル40は円筒形の保持部材31の内周面に設けるのでもまったく同様である。図7(a)は、本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットの第2励磁コイルと保持部材の径方向位置を説明する断面略L字状のフェライトコアと円筒形の保持部材を使用したときに第2励磁コイルが円筒保持部材の外周面に設置される場合の正面図、図7(b)は、本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットの第2励磁コイルと保持部材の径方向位置を説明する断面略L字状のフェライトコアと円筒形の保持部材を使用したときに第2励磁コイルが円筒保持部材の外周面に設置される場合の断面図、図7(c)は、本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットの第2励磁コイルと保持部材の径方向位置を説明する断面略L字状のフェライトコアと円筒形の保持部材を使用したときに第2励磁コイルが円筒保持部材の内周面に設置される場合の正面図、図7(d)は本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットの第2励磁コイルと保持部材の径方向位置を説明する断面略L字状のフェライトコアと円筒形の保持部材を使用したときに第2励磁コイルが円筒保持部材の内周面に設置される場合の断面図である。このときのコイルユニット全体の外観を示すと図13、図14のようになる。コイルユニットの電磁的な作用は外周面に設置した場合と内周面に設置した場合とで変わらない。但し、第2励磁コイル40を保持部材31の内周面に設置した場合、発熱ローラ10がコンパクトになるという利点がある。これに対し、第2励磁コイル40を保持部材31の外周面に設置する場合は、巻線が容易でコイルユニットの製造が容易になるという利点がある。
保持部材31に配列されるフェライトコア30の数を多くすると、基部から多数の折り曲げ部が径方向に突出し、ここから磁束が高密度で発熱ローラ本体10aへ流入、流出するので、発熱ローラ10の温度分布を容易に均一化することができ、発熱ローラ10の回転を開始させてから温度分布が均一化した状態に移行するまでの時間を短縮することができる。
続いて、実施例1の第2励磁コイル40の渡り部、すなわち、コイル端部において巻回方向が大きく変わる折り返し部分の構造の詳細についてさらに説明を行う。図8(a)は、本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成する第2励磁コイルの一部破断外観図、図8(b)は、本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成する第2励磁コイルの渡り部と同径で追加巻きの部分を設けた一部破断外観図である。図8(a)のように第2励磁コイル40には発熱ローラ本体10aの軸方向に沿って電流がそれぞれ対向して流れる平行部43が設けられ、かつ、この両端には第1渡り部41と第2渡り部42が設けられている。この第1渡り部41と第2渡り部42は、平行部43の両端においてそれぞれ一方から他方へ架け渡され、略半円形の円弧をなして、左右端でそれぞれ上下反対方向(本発明における円弧方向)に折り曲げられる。
このように第2励磁コイル40には第1渡り部41と第2渡り部42の間には平行部43が設けられるが、軸方向から見たとき第1渡り部41と第2渡り部42の形状は略半円形の2つの円弧で1つの円(閉じた曲線)を構成することになる。従って、従来の技術の渡り部において利用できなかった磁束をこの構成で最も有効に利用し(円が所定の線分による最大の面積を有する曲線)、例えば、無駄に消費されるエネルギーを回収することができる。一方で、第1渡り部41と第2渡り部42によって軸方向の磁束が形成されると、第2励磁コイル40が形成する主たる磁界に重畳される。この第1渡り部41、第2渡り部42による磁束が発熱ローラ10の軸端付近での温度の落ち込みを抑制する。従来発熱に寄与しない第1渡り部41、第2渡り部42の漏れ磁束を、第2励磁コイル40を整形することによって回収することができ、エネルギー効率の改善が図れる。ここで、折り返し部の位置は左端と右端に限られるものではない。発熱ローラ10の発熱量が不足している位置であれば任意の位置で周囲に突出させ折り返すことができる。
なお、図8(a)のように第1渡り部41、第2渡り部42だけで温度の落ち込みを抑制することも可能であるが、これでも端部の温度が落ち込む場合には、図8(b)に示すように第1渡り部41、第2渡り部42の軸方向の外側に第1渡り部41、第2渡り部42と同径で追加巻き44、45の部分を設けるのがよい。これにより第1渡り部41、第2渡り部42の巻線数の方が追加巻き44、45の分だけ平行部43の巻線数よりも多くなり、この部分の磁束を増すことができる。追加巻き44、45の巻線方法には様々考えられるが、まず平行部43と第1渡り部41、第2渡り部42の巻線を行い、さらに両端部において必要な回数だけ巻回するのがよい。追加巻き44、45することにより端部の温度の落ち込みを確実に減少することができる。
ここで、第2励磁コイル40の第1渡り部41、第2渡り部42の構造と作用の関係について、電磁誘導加熱を実行する駆動回路を関係づけて詳細に説明する。
第2励磁コイル40は、図7(a),(b),(c),(d)のように第1励磁コイル20の軸の方向と略直交する向きに巻回されている。なお当然ながら発熱ローラ10の軸が基準になる。従って、発生する磁束は第1励磁コイル20と第2励磁コイル40とで直交する。直交させないで2つのコイルを並べて一方に電流を流すと電磁相互誘導作用により他方に起電力を生じてしまう。すなわち、第1励磁コイル20と第2励磁コイル40の磁束が非直交の場合は、電磁相互誘導によりこの両コイルが電磁気的に結合してしまう。このとき発熱はコイル自身でも起こり発熱ローラ10での発熱量が不足する。制御も困難である。そこで、実施例1に係る誘導加熱装置では、第1渡り部41、第2渡り部42のコイルを互いに略直交する向きに巻いて第1励磁コイル20と第2励磁コイル40の磁気回路を独立させ、しかし発熱量は重畳してこの不足分を補うものである。
さらに実施例1においては、第1励磁コイル20と第2励磁コイル40が略直交して巻回されると共に、図5に示すように、第1励磁コイル20とこれに並列に接続されたコンデンサ、また、第2励磁コイル40とこれに並列に接続されたコンデンサでそれぞれLC共振回路を構成し、かつ独立した駆動回路でスイッチングしている。これにより急速な昇温が必要なときには、第1励磁コイル20と第2励磁コイル40がそれぞれ高周波電流により発熱ローラ10を発熱させ、発熱ローラ10はこの両コイルの総和としての加熱で温度上昇することができる。
しかし、単に両コイルが互いに略直交するだけでは、第2励磁コイル40の第1渡り部41、第2渡り部42において十分な磁界を発生しないため温度が低下する。
これに対し、実施例1に係る誘導加熱装置においては、第1渡り部41と第2渡り部42を2つの略半円形の円弧に構成し、軸方向に見たときには全体として1つの円環を構成するため、第1渡り部41と第2渡り部42周りに磁束が発生し、第1励磁コイル20が形成する磁界にこれが重畳される。これにより、発熱ローラ10の軸端付近での温度の落ち込みが防げる。
図9は、本発明の実施例1に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットの基本回路構成図である。商用電源を整流回路113とチョークコイルと平滑コンデンサからなるフィルター回路113aで整流し、これを供給して第1励磁コイル20とコンデンサ46から構成されるLC共振回路の駆動電源とする。第1励磁コイル20とコンデンサ46のインダクタンスL、キャパシタンスCによって高周波電源の周波数が定まる。
この駆動電源の高周波電流は、制御回路114からの信号で第1励磁コイル駆動回路111によってスイッチング素子48がON−OFFされることにより、デューティ制御される。スイッチング素子48をONにすると第1励磁コイル20に電流が流れ、インダクタンスLによって電流は漸増し、コンデンサ46には電荷がチャージされる。スイッチング素子48をOFFにすると第1励磁コイル20の電流は減少し、コンデンサ46の電荷が放電される。
第1励磁コイル20の電流が逆向きに流れると、スイッチング素子48と並列に挿入されたダイオードに電流が流れ、当初の状態に戻る。ここでスイッチング素子48をONにすると、再び第1励磁コイル20に電流が流れ、上記サイクルが繰り返される。従って、LC共振回路で発生する高周波電流は第1励磁コイル20のインダクタンスをL、コンデンサ46のキャパシタンスをCとするとLCによって決定され、スイッチング素子48のONの時間が大きくなると供給電力量も増大する。ここでスイッチング素子48のデューティ(ON時間)が異なってもよいし、2つのLC共振回路の動作周波数が異なってもよい。なお、第2励磁コイル40に電流を流さないときはスイッチング素子49をOFFにする。
商用電源はフィルター回路115で電流から高周波成分を除去され、整流回路113で整流されて第1励磁コイル20に供給される。第1励磁コイル駆動回路111は、カレントトランスからなる電流検出部117で電流検出、電圧変換トランスからなる電圧検出部118で電圧検出されて制御回路114によって駆動される。制御回路114は外部とのインターフェイス119を介して制御の指令を受ける。
これに対し、実施例1のもう一方の電源である補助電源は電池、コンデンサ、DC電源等である。補助電源の電流はフィルター回路116を通して制御回路114からの信号で第2励磁コイル駆動回路112によってデューティ制御され、スイッチング素子49をON−OFFする。第1渡り部41と第2渡り部42周辺の磁束の増加により発熱ローラ10の軸端での温度上昇が見込める。
本発明の実施例1は以上のように構成することにより、商用電源のみで第1励磁コイル20に電力供給しようとしても、国内では15A規制のために制限を受け、1500W以上の電力供給は不可能であるが、図3〜図9のように第1励磁コイル20に加えて第2励磁コイル40を設け、第2励磁コイル40には補助電源を用いて電力供給することにより、急速加熱が必要なときには補助電源と合わせて1500Wを超える電力を供給することができ、急速に発熱ローラ10を加熱することができる。
図10は、本発明の実施例1に係る誘導加熱装置の電力印加概念図であり、図11は、本発明の実施例1に係る誘導加熱装置の電力制御パターンを示すグラフである。
本発明の実施例1に係る誘導加熱装置では、図11の昇温期間90に示すように、定着動作開始時や起動時等、急速な発熱ローラ10の昇温が必要な場合、図10の矢印60のように、商用電源から第1励磁コイル20に電力供給すると共に、矢印70のように、補助電源から第2励磁コイル40に電力供給することにより、1500Wを超える大電力で急速に発熱ローラ10を昇温することができる。そして、従来の技術では発熱に寄与しなかった2つの渡り部の漏れ磁束をその渡り部の構造を変えるだけで発熱に利用できるようになったため、これによる発熱ローラ10の軸端の温度分布の改善が図れる。
また、実施例1に係る誘導加熱装置は、図7の連続通紙期間100のように必要温度に達した後は、図10の矢印80のように、商用電源から第1励磁コイル20に電力供給し、補助電源からの電力供給は停止して定着温度を維持させることができる。
本発明の実施例2に係る誘導加熱装置は、補助電源も整流回路を利用した商用電源を利用する誘導加熱装置である。実施例1の誘導加熱装置においては、補助電源として電池、コンデンサ、DC電源等を利用したが、補助電源として商用電源を利用するものである。なお、実施例2も実施例1の構成と基本的構成において一致するので、実施例2においても図1〜図11を参照する。
図12は、本発明の実施例2に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットを補助電源も商用電源として駆動する回路構成図である。第1の商用電源を整流回路113とフィルター回路113aで整流し、これを供給して第1励磁コイル20とコンデンサ46から構成されるLC共振回路の駆動電源とする。第2励磁コイル40のインダクタンスLとコンデンサ46のキャパシタンスCによって高周波電源の周波数が定まる。
この駆動電源の高周波電流は、制御回路114からの信号で第1励磁コイル駆動回路111によってスイッチング素子48がON−OFFされることにより、デューティ制御される。第1の商用電源はフィルター回路115で高周波成分を除去され、整流回路113とフィルター回路113aで整流されて第1励磁コイル20に供給される。第1励磁コイル駆動回路111は、カレントトランスからなる電流検出部117で電流検出、電圧変換トランスからなる電圧検出部118で電圧検出されて制御回路114によって駆動される。これらは上述した実施例1の場合と同様である。制御回路114は外部とのインターフェイス119を介して制御の指令を受ける。
ここで、実施例2の場合は、実施例1と異なって、補助電源も商用電源を利用する。第2の商用電源を整流回路133とフィルター回路133aで整流し、第2励磁コイル40とコンデンサ47から構成されるLC共振回路の駆動電源とする。この駆動電源の高周波電流は、制御回路114からの信号で第2励磁コイル駆動回路112によってスイッチング素子49がON−OFFされることにより、デューティ制御される。第2の商用電源はフィルター回路116で高周波成分を除去され、整流回路133とフィルター回路133aで整流されて第2励磁コイル40に供給される。第2励磁コイル駆動回路112は、カレントトランスからなる電流検出部121で電流検出、電圧変換トランスからなる電圧検出部122で電圧検出されて制御回路114によって駆動される。この制御回路114は外部とのインターフェイス119を介して制御の指令を受ける。
本発明の実施例2に係る誘導加熱装置はこのように構成することにより、商用電源のみで急速に発熱ローラ10を加熱することができる。従来の技術では発熱に寄与しなかった2つの渡り部の漏れ磁束をその渡り部の構造を変えるだけで発熱に利用できるようになったため、これによる発熱ローラ10の軸端での温度分布の改善が図れる。また、第2の商用電源を補助電源として利用するとき、図12において図示しないが、一旦整流回路133からの出力を充電池に充電し、この充電された電源を改めて補助電源として利用することができる。これにより、15A規制の制限を受けることなく、急速加熱が必要なときには補助電源と合わせて1500Wを超える電力を供給することができ、急速に発熱ローラ10を加熱することができる。
続いて、本発明の実施例3に係る誘導加熱装置は、第1励磁コイルと第2励磁コイルの電磁的結合を利用して、第2励磁コイルの2つの渡り部の構造を変えるだけで漏れ磁束を回生し、回生電力を補助電源として利用するものである。なお、実施例3も実施例1の構成と基本的構成において一致するので、実施例3においても図1〜図11を参照する。
図13は、本発明の実施例3に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットにおいて第2励磁コイルを第1励磁コイルの外側に配置した側面図、図14は、本発明の実施例3に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットにおいて第1励磁コイルを第2励磁コイルの外側に配置した側面図、図15は、本発明の実施例3に係る誘導加熱装置において電力を回生させる原理図である。図13、図14において、50は第1励磁コイル20と第2励磁コイル40の渡り部41、42が電磁的に結合する結合部である。第1励磁コイル20と第1渡り部41と第2渡り部42が平行に沿った位置にあるコイル部分が対応する。第1励磁コイル20を商用電源に接続して第2励磁コイル40への通電を停止したときに、第2励磁コイル40の左端と右端に位置する結合部50において、第1励磁コイル20と第2励磁コイル40が電磁的に結合する。第2励磁コイルを第1励磁コイルの外側に配置した側面は図13のようになり、その要部を示すと図7(a),(b)のようになる。また、第1励磁コイルを第2励磁コイルの外側に配置した側面は図14のようになり、その要部は図7(c),(d)のようになる。なお、結合部50の位置は左端と右端に限らず、発熱量が不足している位置であれば軸方向の任意の位置に設けることができる。
図11において、補助電源からの電力供給をしていない連続通紙期間100には、第2励磁コイル40には励磁用の高周波電流は流されておらず、第1励磁コイル20を流れる高周波電流によって電磁相互誘導作用により第2励磁コイル40に起電力が発生し、これにより従来利用されていなかった電力を回生し、充電池(補助電源)に充電することが可能になる。電力回生のための構成は、第2励磁コイル40の漏れ磁束回収のための第1渡り部41と第2渡り部42の構成と兼用した構成となる。
第2励磁コイル40には、図8(a),(b)のように、発熱ローラ本体10aの軸方向に沿って電流がそれぞれ対向して流れる平行部43と、この平行部43の両端をそれぞれでつなぐ第1渡り部41と第2渡り部42が設けられている。第2励磁コイル40の第1渡り部41と第2渡り部42は、平行部43の両端でそれぞれ略半円形をなして上下反対方向を向いて逆向きの円弧に折り曲げられている。
このように第2励磁コイル40には第1渡り部41と第2渡り部42の間には平行部43が設けられるが、第1渡り部41と第2渡り部42の形状は略半円形の2つの円弧で1つの円(閉じた曲線)を構成する。従って、第1渡り部41と第2渡り部42周りには、軸方向の磁束が形成され、従来の技術の渡り部において利用できなかった磁束をこの構成で最も有効に利用し、エネルギーを回収することができる。
図16は、本発明の実施例3に係る誘導加熱装置を構成するコイルユニットが回生用の結合部を備えた場合の回路構成図である。図16の第1励磁コイル20を駆動する駆動回路は実施例1と同様である。商用電源を整流回路113とチョークコイルと平滑コンデンサからなるフィルター回路113aで整流し、これを供給して第1励磁コイル20とコンデンサ46から構成されるLC共振回路の駆動電源とする。
この駆動電源の高周波電流は、制御回路114からの信号で第1励磁コイル駆動回路111によってスイッチング素子48がON−OFFされることにより、デューティ制御される。商用電源はフィルター回路115で電流から高周波成分を取り除かれ、整流回路113とフィルター回路113aで整流されて第1励磁コイル20に供給される。第1励磁コイル駆動回路111は、カレントトランスからなる電流検出部117で電流検出、電圧変換トランスからなる電圧検出部118で電圧検出して制御回路114によって駆動される。制御回路114は外部とのインターフェイス119を介して制御の指令を受ける。
急速加熱が必要な場合には、第2励磁コイル40にも充電池(補助電源)から放電して電流を流し、商用電源と補助電源と合わせて1500Wを超える電力を供給することができる。
図16において、放電時には充放電切替回路141のスイッチ142が制御回路114によってコンデンサ143側に切り替える。これにより充電池(補助電源)はコイル145とコンデンサ143からなるフィルター回路で高周波成分を除去され、第1励磁コイル20とコンデンサ46からなる共振回路に供給する。第2励磁コイル駆動回路112に接続したスイッチング素子49をON−OFFすることで第1励磁コイル20に高周波電流を供給する。
しかし、実施例3の第2励磁コイル40においては、放電による発熱作用だけではなく、このコイルを利用して結合部50から充電池(補助電源)に充電することができる。連続通紙期間100がこの充電時間とされ、第2励磁コイル40の第2コイル駆動部112がOFFとされているときに、充放電切替回路141をダイオード側に切り替えれば、電磁相互誘導で発生した電流を整流して充電池(補助電源)に充電することができる。
充電時には充放電切替回路141のスイッチ142が制御回路114によってダイオード144側に切り替える。このときスイッチング素子49はスイッチング動作を停止しており、第1励磁コイル20の動作で第2励磁コイル40に発生する起電力をスイッチング素子49に付属のダイオードを通して補助電源側に回生する。実施例1においては接地により放電されていた電荷が、実施例3においては充電のために利用可能になる。なお、充放電切替回路141のダイオード144は回生能力を上げるためのフライホイールダイオードである。
ところで、充電池(補助電源)には様々な充電池が存在するが、電気二重層キャパシタを利用するのが好適である(図示はしない)。電気二重層キャパシタは、両イオンを含む電解液に炭素電極(陰極、陽極)を浸しておき、電源につないで充電し、負荷につないで放電するものである。
電気二重層キャパシタの電極を電源につなぐと、正孔には陰イオン、電子には陽イオンが引き寄せられて充電することができる。図16においては、充電時には充放電切替回路141のスイッチ142をダイオード144側に切り替え、陰極、陽極に電源としてのコイルユニット(LC共振回路)を接続する。充電状態では正孔と陰イオン、電子と陽イオンは数オングストロームで電気二重層を形成する。逆に、放電時には充放電切替回路141のスイッチ142をコンデンサ143側に切り替え、陰極、陽極に負荷としてのコイルユニット(LC共振回路)を接続する。充電池(補助電源)として電気二重層キャパシタを利用すれば、大電力を充電することができ、誘導加熱装置、定着装置の構成がコンパクトになる。
このように実施例3では、図13、図14のように、第1励磁コイル20と第2励磁コイル40から発生する磁束の方向を互いに直交させ、左端と右端の結合部50で第1励磁コイル20と第2励磁コイル40とを電磁的に結合させているので、図11の補助電源からの電力供給をしていない連続通紙期間100に補助電源への電力を回生することができる。
すなわち、図15に示すように、連続通紙期間100の間、第1励磁コイル20の漏れ磁束を結合部50に錯交させて電磁相互誘導作用によって起電圧を発生させ、それを整流し補助電源として充電する。
この第1渡り部41と第2渡り部42による磁束が発熱ローラ10の軸端付近での温度上昇に寄与する。このとき、従来の技術では実際に仕事をしていない(発熱に寄与していない)2つの渡り部の漏れ磁束を発熱ロータ本体と錯交させることが重要であり、これにより発熱ローラの軸端での温度分布の改善が図れる。電力回生のための結合部50のための別の構成を設ける必要はなく、第2励磁コイル40の漏れ磁束回収のための第1渡り部41と第2渡り部42の構成を兼用することができる。
本発明に係る誘導加熱装置は、トナー画像を形成した記録紙を定着する定着装置、定着装置を備えた画像形成装置その他これらの機能を含んだ事務機器等に利用が可能である。
1 原稿読取部
2 画像形成部
3 定着装置
4 給紙部
5 排紙部
6 帯電器
7 感光体ドラム
8 LSU(Laser Scanning Unit)
9 現像ユニット
10 発熱ローラ
10a 発熱ローラ本体
10b 離型層
11 現像ローラ
12 中間転写ベルト
13 転写装置
14 転写ローラ
15 加圧ローラ
15a 芯金
15b 弾性層
16 誘導加熱装置
20 第1励磁コイル
30 フェライトコア
31 保持部材
40 第2励磁コイル
41 第1渡り部
42 第2渡り部
43 平行部
44、45 追加巻き
46、47 コンデンサ
48、49 スイッチング素子
50 結合部
60、70、80 矢印
90 昇温期間
100 連続通紙期間
111 第1励磁コイル駆動回路
112 第2励磁コイル駆動回路
113 整流回路
113a フィルター回路
114 制御回路
117 電流検出部
118 電圧検出部
119 インターフェイス
121 電流検出部
133 整流回路
141 充放電切替回路
142 スイッチ
143 コンデンサ
144 ダイオード
C キャパシタンス
L インダクタンス

Claims (6)

  1. 電磁誘導発熱する円筒形状の発熱ローラと、
    前記発熱ローラの内側に設けられ、該発熱ローラの軸と同じ方向に軸を有するように巻回されて第1電源に接続される第1励磁コイルと、
    前記発熱ローラの内側に設けられ、該発熱ローラの軸と略直交する方向に軸を有するように巻回されて第2電源に接続される第2励磁コイルとを有し、
    前記第2励磁コイルは、前記第1励磁コイルの軸方向に平行に延びる平行部と、該平行部の両端で折り返された2つの渡り部とから構成され、
    前記2つの渡り部は前記第1励磁コイルの円周に沿って設けられると共に各々の渡り部の円弧方向が反対となるよう設けられていることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 前記第1電源により前記第1励磁コイルへ電力を供給している場合であって前記第2電源により前記第2励磁コイルへ電力を供給していない場合は、
    前記第2励磁コイルで発生した電力を回収し再利用することを特徴とする請求項1記載の誘導加熱装置。
  3. 前記第1電源が商用電源であり、
    前記第2電源が充電可能な補助電源であり、
    前記第1電源により前記第1励磁コイルへ電力を供給している場合であって前記第2電源により前記第2励磁コイルへ電力を供給していない場合は、前記第2励磁コイルにより前記第2電源に充電を行うことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱装置。
  4. 前記渡り部の巻線数を前記平行部の巻線数よりも多くしたことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱装置。
  5. 商用電源を、整流回路を介して前記第2電源に接続したことを特徴とする請求項3記載の誘導加熱装置。
  6. 前記第2電源を電気二重層キャパシタとしたことを特徴とする請求項3記載の誘導加熱装置。
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