JP2010218952A - 誘導加熱ユニット並びにこれを備えた定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却や耐熱性向上あるいは放熱性改善のためのコストアップを招くことなく、多様なサイズの幅狭の用紙について、連続通紙による紙幅外領域の過昇温を適切に抑制することができるようにする。
【解決手段】最大加熱領域の両端部で導線を折り返すと共にその折り返し部間で導線を軸方向に往復させるように巻き回して形成されて、加熱ローラ21に鎖交する磁束を発生する励磁コイル31と、この励磁コイルに沿って軸方向に並べて配置され、各自の消磁領域の両端部で導線を折り返すと共にその折り返し部35a〜37a・35b〜37b間で導線を軸方向に往復させるように巻き回して形成されて、励磁コイルによる磁束を打ち消して加熱ローラに鎖交する磁束を低減する消磁コイル35〜37と有し、この消磁コイルは、折り返し部を励磁コイルから離れる方向に突出させた形状に形成されたものとする。
【選択図】図7

Description

本発明は、回転加熱体を電磁誘導作用により発熱させる誘導加熱ユニット並びにこれを備えた定着装置及び画像形成装置に関するものである。
電子写真プロセスにより用紙に画像を形成する画像形成装置(プリンタ、ファクシミリ装置、複写機、及び複合機など)では、感光体から用紙上に転写された未定着のトナーを熱と圧力の作用により用紙に定着させる定着装置が設けられている。この定着装置では、近年、加熱ローラなどの加熱体を電磁誘導作用で生じる渦電流によるジュール熱で加熱する電磁誘導加熱方式によるものが省エネルギーの観点から注目されている。
また、画像形成装置では各種の寸法の用紙が用いられるが、最大通紙幅より幅狭の用紙が連続通紙されると、定着装置の加熱体において、その用紙が通過する紙幅領域の外側の紙幅外領域では用紙との接触により熱が奪われないため、紙幅領域との間の温度差が徐々に拡大し、紙幅領域が温度制御により所定の定着温度に保持されるのに対して、紙幅外領域は定着温度を超えて上昇する過昇温が発生する。この紙幅外領域での過昇温は、構成部材に熱的損傷を与え、また紙幅外領域に過昇温が発生した後に、大サイズの用紙が通紙されると、加熱体の紙幅外領域の過昇温部分にトナーが焼きついてしまい、ホットオフセットなどの定着不良を招くことから、望ましくない。
このような加熱体の紙幅外領域の過昇温を防止するには、幅狭の用紙の通紙時に紙幅外領域で加熱体の発熱を抑制するようにすれば良く、このような加熱体の発熱を部分的に抑制する技術として、励磁コイルによる磁束を打ち消して加熱体に鎖交する磁束を低減する消磁コイルを、励磁コイルに沿って発熱を抑制したい領域に配置したものが知られている(特許文献1参照)。
この従来の技術では、最大幅の用紙より幅狭の用紙が複数種類ある場合でも、各用紙の幅に対応した紙幅外領域の過昇温を適切に抑制することができるように、複数の消磁コイルを回転加熱体の軸方向に並べて配置した構成(特許文献1の図15参照)や、複数の消磁コイルを回転加熱体の径方向に重ねて配置した構成(特許文献1の図8参照)が採用されている。
特開2008−139475号公報(図15及び図8)
しかしながら、前記従来の技術のように、複数の消磁コイルを回転加熱体の軸方向に並べて配置した構成では、消磁コイルの互いに隣接する部分で、誘導電流が互いに逆向きに流れるため、消磁効果が互いに打ち消されて弱くなり、回転加熱体の発熱を十分に抑制することができず、紙幅外領域に部分的に温度が高い部分が発生するという問題がある。
また、励磁コイルが励磁電流により発熱すると共に、消磁コイルも、励磁コイルによる磁束により発生する誘導電流によって発熱するが、前記従来の技術のように、複数の消磁コイルを回転加熱体の径方向に重ねて配置した構成では、消磁コイルの放熱が阻害されるため、消磁コイルの温度が上昇する。さらに、励磁コイルに消磁コイルが重ねて配置されることから、励磁コイルの放熱も阻害されるため、励磁コイルの温度も上昇する。
このため、消磁コイルや励磁コイルに特別な冷却手段を設けたり、消磁コイルや励磁コイルに耐熱性の高い被覆を施した導線を用いたりする必要が生じ、コストアップを招くという問題がある。また、消磁コイルや励磁コイルの放熱が阻害されないように各コイルを離間させて放熱性を改善する構成も考えられるが、この場合、消磁コイルの消磁効果の低下を避けるために、消磁コイルの巻き数を多くする必要が生じ、同様にコストアップを招くという問題点がある。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、冷却や耐熱性向上あるいは放熱性改善のためのコストアップを招くことなく、多様なサイズの幅狭の用紙について、連続通紙による紙幅外領域の過昇温を適切に抑制することができるように構成された誘導加熱ユニット並びにこれを備えた定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
本発明の誘導加熱ユニットは、回転加熱体を電磁誘導作用により発熱させる誘導加熱ユニットであって、前記回転加熱体の最大加熱領域の全体に渡って延在し、その最大加熱領域の両端部で導線を折り返すと共にその折り返し部間で導線を前記回転加熱体の軸方向に往復させるように巻き回して形成されて、前記回転加熱体に鎖交する磁束を発生する励磁コイルと、この励磁コイルに沿って前記回転加熱体の軸方向に並べて配置され、通紙される用紙サイズごとの通紙幅を基準にして発熱抑制領域を複数に分割した領域にそれぞれ対応する消磁領域を有し、各自の消磁領域の両端部で導線を折り返すと共にその折り返し部間で導線を前記回転加熱体の軸方向に往復させるように巻き回して形成されて、前記励磁コイルによる磁束を打ち消して前記回転加熱体に鎖交する磁束を低減する複数の消磁コイルと有し、前記消磁コイルは、前記折り返し部を前記励磁コイルから離れる方向に突出させた形状に形成された構成とする。
また、本発明の定着装置は、前記のように構成された誘導加熱ユニットを備えた構成とする。
また、本発明の画像形成装置は、前記のように構成された定着装置を備えた構成とする。
本発明によれば、消磁コイルの折り返し部が励磁コイルから離れる方向に突出することから、消磁コイルからの放熱が促進され、同時に消磁コイルを介して励磁コイルの放熱も促進されるため、冷却や耐熱性向上あるいは放熱性改善のためのコストアップを避けることができる。しかも、折り返し部を薄く形成することで消磁効果が低下する領域を狭くすることができるため、紙幅外領域に部分的に温度が高い部分が発生する温度むらを抑制することができる。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、回転加熱体を電磁誘導作用により発熱させる誘導加熱ユニットであって、前記回転加熱体の最大加熱領域の全体に渡って延在し、その最大加熱領域の両端部で導線を折り返すと共にその折り返し部間で導線を前記回転加熱体の軸方向に往復させるように巻き回して形成されて、前記回転加熱体に鎖交する磁束を発生する励磁コイルと、この励磁コイルに沿って前記回転加熱体の軸方向に並べて配置され、通紙される用紙サイズごとの通紙幅を基準にして発熱抑制領域を複数に分割した領域にそれぞれ対応する消磁領域を有し、各自の消磁領域の両端部で導線を折り返すと共にその折り返し部間で導線を前記回転加熱体の軸方向に往復させるように巻き回して形成されて、前記励磁コイルによる磁束を打ち消して前記回転加熱体に鎖交する磁束を低減する複数の消磁コイルと有し、前記消磁コイルは、前記折り返し部を前記励磁コイルから離れる方向に突出させた形状に形成された構成とする。
これによると、消磁コイルの折り返し部が励磁コイルから離れる方向に突出することから、消磁コイルからの放熱が促進され、同時に消磁コイルを介して励磁コイルの放熱も促進される。特に誘導加熱ユニットの内部を回転加熱体の軸方向に冷却風を流通させる場合には、消磁コイルの折り返し部が冷却風に対して対向する状態となるため、冷却効果を高めることができる。このため、冷却や耐熱性向上あるいは放熱性改善のためのコストアップを避けることができる。
そして、隣り合う消磁コイル同士で折り返し部が軸方向に隣接し、この部分では誘導電流が互いに逆向きに流れることで消磁効果が低下するが、折り返し部を薄く形成することで消磁効果が低下する領域を狭くすることができ、これにより紙幅外領域に部分的に温度が高い部分が発生する温度むらを抑制することができる。
前記課題を解決するためになされた第2の発明は、前記第1の発明において、前記折り返し部を前記回転加熱体の径方向に突出させ、隣り合う前記消磁コイルの前記折り返し部の互いに対向する端面を全面的に近接させた構成とする。
これによると、消磁効果が低下する領域をより一層狭くすることができるので、温度むらを抑制する上でより一層の効果を得ることができる。この場合、隣り合う消磁コイルの互いに対向する端面間に余分な隙間が生じないようにすれば良く、消磁コイルの端面同士を直接密着させる構成の他、消磁コイルの端面間に必要な間隙を設けたり、あるいは消磁コイルの端面間に別の部材を介装する構成も可能である。
前記課題を解決するためになされた第3の発明は、前記第1・第2の発明において、前記消磁コイルにおいて、両端の折り返し部を相互に結ぶ軸方向部を少なくとも2つに分割して、その分割部分の間に前記励磁コイルを露出させる間隙を形成した構成とする。
これによると、消磁コイルに形成された間隙により、励磁コイルの放熱がより一層促進される。
前記課題を解決するためになされた第4の発明は、前記第3の発明において、前記分割部分の少なくとも一方が前記励磁コイルに重ならないように配置された構成とする。
これによると、励磁コイルにおいて消磁コイルにより覆われる部分が小さくなるため、励磁コイルの放熱がより一層促進される。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明が適用される複写機の概略構成を示す模式的な断面図である。この複写機(画像形成装置)1は、原稿の画像を読み取る原稿読取部2と、ここで読み取った原稿の画像をトナーで用紙(記録媒体)上に形成する画像形成部3と、ここで用紙上に形成されたトナー像を定着させる定着部(定着装置)4とを有し、画像形成部3には給紙部5から用紙が供給され、定着部4で定着処理が終わった用紙が排紙部6に排出される。
画像形成部3では、帯電ローラ11により一様に帯電された感光体ドラム12に対してレーザ走査ユニット13からレーザ光が照射されて感光体ドラム12の像形成面上に静電潜像が形成された後、現像ユニット14内のトナーが現像ローラ15を介して感光体ドラム12に供給されることでその像形成面上の静電潜像が現像され、これにより形成されたトナー像が転写ローラ16により用紙に転写される。
<第1の実施形態>
図2は、図1に示した定着部を示す断面図である。図3は、図2に示した誘導加熱ユニットの平面図である。
図2に示すように、定着部4は、用紙S上のトナー像を熱溶融させる加熱ローラ(回転加熱体)21と、図示しないばねにより加熱ローラ21に圧接する向きに付勢された加圧ローラ22と、加熱ローラ21に対向配置されて電磁誘導作用により加熱ローラ21を発熱させる誘導加熱ユニット23とを有しており、加熱ローラ21と加圧ローラ22とによるニップ部に用紙Sが送り込まれ、熱及び圧力の作用で用紙S上のトナーが用紙Sに定着される。
誘導加熱ユニット23は、加熱ローラ21に鎖交する磁束を発生する励磁コイル31と、この励磁コイル31により発生する磁束を加熱ローラ21に導く磁路を形成する磁性体コアとしてのセンタコア32、サイドコア33及びアーチコア34と、励磁コイル31による磁束を打ち消して加熱ローラ21に鎖交する磁束を低減する第1〜第3の消磁コイル35〜37と、この消磁コイル35〜37の両端を結ぶ通電路を開閉してその消磁コイル35〜37の作動状態と非作動状態とを切り替えるスイッチ41〜43とを有している。
磁性体コアを構成するセンタコア32は、励磁コイル31の幅方向の中心部を加熱ローラ21の軸方向に延在するように設けられている。サイドコア33は、励磁コイル31の幅方向の端部に沿って加熱ローラ21の軸方向に延在するように設けられている。アーチコア34は、センタコア32及びサイドコア33を橋絡する態様で加熱ローラ21の周方向に延在するように設けられている。このアーチコア34は、加熱ローラ21の軸方向に離間して複数配列されている。
励磁コイル31と、センタコア32、サイドコア33及びアーチコア34と、消磁コイル35〜37とは、フレーム(保持体)38における加熱ローラ21と相反する側の面に保持される共に、このフレーム38に対して加熱ローラ21と相反する側に設けられたカバー39で覆われている。フレーム38は、加熱ローラ21の外周面に沿って一定間隔をおいて近接して配置されるように円弧状断面に形成されている。
加熱ローラ21は、鉄やステンレスなどの金属材料にて形成されている。センタコア32、サイドコア33、及びアーチコア34は、フェライトやパーマロイなどの強磁性体の材料で形成されている。
励磁コイル31は、加熱ローラ21を中心にした略半円形の断面領域に渡って加熱ローラ21の周囲を覆うように設けられている。また、この励磁コイル31は、図3に示すように、加熱ローラ21の最大加熱領域の全体に渡って延在し、その最大加熱領域の両端部で導線を折り返すと共にその折り返し部31a・31b間で導線を加熱ローラ21の軸方向に往復させながらセンタコア32の周囲を周回するように巻き回して長円環状に形成されている。なお、この励磁コイル31には、被覆導線を多数束ねた構成の1条のリッツ線(導線束)が用いられる。
消磁コイル35〜37は、図2に示したように、励磁コイル31に沿ってこの励磁コイル31に対して加熱ローラ21の径方向に重なり合う態様で、加熱ローラ21と相反する側、すなわち励磁コイル31の上側(径方向外側)に配置されている。また、この消磁コイル35〜37は、図3に示したように、励磁コイル31に沿って加熱ローラ21の軸方向に並べて配置され、軸方向の両端部で導線を折り返すと共にその折り返し部35a〜37a・35b〜37b間で導線を軸方向に往復させるように巻き回して形成されている。なお、この消磁コイル35〜37には、励磁コイル31と同様に、被覆導線を多数束ねた構成の1条のリッツ線(導線束)が用いられる。
この消磁コイル35〜37では、励磁コイル31による磁束により誘導電流が流れ、この誘導電流により発生する逆向きの磁束が励磁コイル31による元の磁束を打ち消すように作用することで、加熱ローラ21に鎖交する磁束を低減することができる。
図4は、図3に示した誘導加熱ユニットによる加熱ローラの軸方向の温度分布を示している。図4(A)は、消磁コイル35〜37を作動させた状態での未通紙時の温度分布を示しており、図4(B)は、消磁コイル35〜37を作動させない状態での通紙時の温度分布を示している。
この複写機1では、図3に示したように、各種の寸法の用紙が用いられ、例えばここでは、最大加熱領域が最大サイズの用紙(A3)の通紙幅(A3の短辺)に対応し、これより幅狭の用紙(B4、A4及びハガキ)は、紙幅の中心を最大加熱領域の中心に揃えて通紙され、これらの幅狭の用紙の通紙時には、通紙幅の両端側に用紙が通らない紙幅外領域が通紙幅に応じて形成され、この紙幅外領域に過昇温が発生する(図4(B)参照)。
そこでここでは、加熱ローラ21の発熱を抑制する必要のある領域、すなわち最小加熱領域の外側の領域で、最小サイズ(ハガキ)の用紙の通紙時に紙幅外領域となる領域に、第1〜第3の消磁コイル35〜37が配置されている。特にここでは、第1〜第3の消磁コイル35〜37が、最小加熱領域の外側の発熱抑制領域を、通紙される用紙サイズごとの通紙幅を基準にして分割した3つの分割領域に、それぞれの消磁領域が対応するように設けられている。
具体的には、外側の第3の消磁コイル37は、最大サイズ(A3)の用紙の通紙領域に対応した最大加熱領域から、大サイズ(B4)の用紙の通紙領域を除いた領域を担当し、中間の第2の消磁コイル36は、大サイズの用紙の通紙領域から、中サイズ(A4)の用紙の通紙領域を除いた領域を担当し、内側の第1の消磁コイル35は、中サイズの用紙の通紙領域から、最小サイズ(ハガキ)の用紙の通紙領域、すなわち最小加熱領域を除いた領域を担当している。
そして、最小サイズの用紙では、全ての消磁コイル35〜37を作動させ、中サイズの用紙では、中間の第2の消磁コイル36と外側の第3の消磁コイル37を作動させ、大サイズの用紙では、外側の第3の消磁コイル37のみを作動させ、最大サイズの用紙では、全ての消磁コイル35〜37を作動させない。
図5・図6は、図2に示した誘導加熱ユニットの制御に係る要部を示す模式図である。この誘導加熱ユニット23においては、通紙される用紙のサイズに応じて、作動させる消磁コイル35〜37を選択する制御が行われ、図5・図6に示すように、3つのスイッチ41〜43は、通紙される用紙サイズに応じて各分割領域にある消磁コイル35〜37ごとにその作動状態と非作動状態との切り替えが行われるように設けられている。
図5は、第1〜第3の消磁コイル35〜37がそれぞれ直列接続された例である。図6は、第1〜第3の消磁コイル35〜37がそれぞれ並列接続された例である。いずれにおいても、第1〜第3の消磁コイル35〜37の各々に個別にスイッチ41〜43が設けられ、この3つのスイッチ41〜43により第1〜第3の消磁コイル35〜37が別々に制御される。各スイッチ41〜43の開閉動作は、制御回路45により制御される。なお、加熱ローラ21の温度が温度センサ46により検知され、これに基づいて制御回路45で所要の制御が行われる。また、励磁コイル31は、インバータ電源48により駆動される。
図7は、図2に示した誘導加熱ユニットの要部正面図である。図8は、図7に示した励磁コイル及び消磁コイルを示す要部斜視図である。図9は、図7に示した消磁コイルを作動させた状態での未通紙時における加熱ローラの軸方向の温度分布を示している。
消磁コイル35〜37は、図7・図8に示すように、両端の折り返し部35a〜37a・35b〜37bを励磁コイル31から離れる方向に突出させた形状に形成されており、これにより消磁コイル35〜37からの放熱が促進され、同時に消磁コイル35〜37を介して励磁コイル31の放熱も促進される。
特にこの誘導加熱ユニット23においては、図7に示すように、図示しないファンによる冷却風が一方の端部からカバー39の内部に吹き込まれて他方の端部から排出されるようになっており、この冷却風により消磁コイル35〜37及び励磁コイル31が冷却されるが、このカバー39の内部を通る冷却風に対して消磁コイル35〜37の折り返し部35a〜37a・35b〜37bが対向する状態となるため、消磁コイル35〜37からの放熱が促進され、冷却効果を高めることができる。
また、図9に示すように、隣り合う消磁コイル35〜37同士で折り返し部35a〜37a・35b〜37bが軸方向に隣接し、この部分では誘導電流が互いに逆向きに流れることで消磁効果が低下するが、折り返し部35a〜37a・35b〜37bを大きく突出させることで薄くする、すなわち軸方向寸法を小さくすることができ、さらにここでは、折り返し部35a〜37a・35b〜37bを加熱ローラ21の径方向、すなわち軸方向に対して直交する方向に突出させ、隣り合う消磁コイル35〜37の折り返し部35a〜37a・35b〜37bの互いに対向する端面を全面的に近接させているため、消磁効果が低下する領域を狭くすることができ、これにより紙幅外領域に部分的に温度が高い部分が発生する温度むらを抑制することができる。
<第2の実施形態>
図10は、本発明による誘導加熱ユニットの別の例を示す断面図である。図11は、図10に示した励磁コイル及び消磁コイルの要部平面図である。図12は、図10に示した励磁コイル及び消磁コイルの要部斜視図である。図13は、図10に示した消磁コイルの巻線状態を示す模式図である。
この誘導加熱ユニット51では、消磁コイル52〜54において、両端の折り返し部52a〜54a・52b〜54bを相互に結ぶ軸方向部52c〜54c・52d〜54dをそれぞれ2つに分割して、その分割部分56・57の間に励磁コイル31を露出させる間隙58が形成されており、これにより励磁コイル31の放熱が促進される。
特にここでは、内側に位置する一方の分割部分57が励磁コイル31に重ならないように配置されており、これにより励磁コイル31において消磁コイル52〜54により覆われる部分が小さくなるため、励磁コイル31の放熱がより一層促進される。特にここでは、図10に示すように、外側の分割部分56が励磁コイル31の上側(径方向外側)に重なり合うのに対して、内側の分割部分57は、励磁コイル31に対して加熱ローラ21の周方向に隣り合うように並んだ状態となっており、これにより消磁コイル52〜54の消磁効果を高めることができる。
この消磁コイル52〜54は、図13に示すように、1条のリッツ線(導線束)61を巻き回すことで形成することができる。ここでは、軸方向部52c〜54c・52d〜54dにおける外側の分割部分56を通るように両端の折り返し部52a〜54a・52b〜54b間でリッツ線61を往復させて形成された大巻線部62と、軸方向部52c〜54c・52d〜54dにおける内側の分割部分57を通るように両端の折り返し部52a〜54a・52b〜54b間でリッツ線61を往復させて形成された小巻線部63とが設けられている。
本発明にかかる誘導加熱ユニット並びにこれを備えた定着装置及び画像形成装置は、冷却や耐熱性向上あるいは放熱性改善のためのコストアップを招くことなく、多様なサイズの幅狭の用紙について、連続通紙による紙幅外領域の過昇温を適切に抑制することができる効果を有し、回転加熱体を電磁誘導作用により発熱させる誘導加熱ユニット並びにこれを備えた定着装置及び画像形成装置などとして有用である。
本発明が適用される複写機の概略構成を示す模式的な断面図 図1に示した定着部を示す断面図 図2に示した誘導加熱ユニットの平面図 図3に示した誘導加熱ユニットによる加熱ローラの軸方向の温度分布を示す図 図2に示した誘導加熱ユニットの制御に係る要部を示す模式図 図2に示した誘導加熱ユニットの制御に係る要部を示す模式図 図2に示した誘導加熱ユニットの要部正面図 図7に示した励磁コイル及び消磁コイルを示す要部斜視図 図7に示した消磁コイルを作動させた状態での未通紙時における加熱ローラの軸方向の温度分布を示す図 本発明による誘導加熱ユニットの別の例を示す断面図 図10に示した励磁コイル及び消磁コイルの要部平面図 図10に示した励磁コイル及び消磁コイルの要部斜視図 図10に示した消磁コイルの巻線状態を示す模式図
1 複写機(画像形成装置)
4 定着部
21 加熱ローラ(回転加熱体)
22 加圧ローラ
23 誘導加熱ユニット
31 励磁コイル、31a・31b 折り返し部
35〜37 消磁コイル、35a〜37a・35b〜37b 折り返し部
41〜43 スイッチ
45 制御回路
51 誘導加熱ユニット
52〜54 消磁コイル、52a〜54a・52b〜54b 折り返し部、52c〜54c・52d〜54d 軸方向部
56・57 分割部分
58 間隙

Claims (6)

  1. 回転加熱体を電磁誘導作用により発熱させる誘導加熱ユニットであって、
    前記回転加熱体の最大加熱領域の全体に渡って延在し、その最大加熱領域の両端部で導線を折り返すと共にその折り返し部間で導線を前記回転加熱体の軸方向に往復させるように巻き回して形成されて、前記回転加熱体に鎖交する磁束を発生する励磁コイルと、
    この励磁コイルに沿って前記回転加熱体の軸方向に並べて配置され、通紙される用紙サイズごとの通紙幅を基準にして発熱抑制領域を複数に分割した領域にそれぞれ対応する消磁領域を有し、各自の消磁領域の両端部で導線を折り返すと共にその折り返し部間で導線を前記回転加熱体の軸方向に往復させるように巻き回して形成されて、前記励磁コイルによる磁束を打ち消して前記回転加熱体に鎖交する磁束を低減する複数の消磁コイルと有し、
    前記消磁コイルは、前記折り返し部を前記励磁コイルから離れる方向に突出させた形状に形成されたことを特徴とする誘導加熱ユニット。
  2. 前記折り返し部を前記回転加熱体の径方向に突出させ、隣り合う前記消磁コイルの前記折り返し部の互いに対向する端面を全面的に近接させたことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱ユニット。
  3. 前記消磁コイルにおいて、両端の折り返し部を相互に結ぶ軸方向部を少なくとも2つに分割して、その分割部分の間に前記励磁コイルを露出させる間隙を形成したことを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の誘導加熱ユニット。
  4. 前記分割部分の少なくとも一方が前記励磁コイルに重ならないように配置されたことを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱ユニット。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の誘導加熱ユニットを備えたことを特徴とする定着装置。
  6. 請求項5に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012098331A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Konica Minolta Business Technologies Inc 誘導加熱ユニット、定着装置及び画像形成装置
JP2012226170A (ja) * 2011-04-20 2012-11-15 Konica Minolta Business Technologies Inc 定着装置および画像形成装置
US9342002B2 (en) 2012-12-25 2016-05-17 Ricoh Company, Ltd. Fixing device and image forming apparatus

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