JP2011158786A - 誘導加熱定着装置およびそれを備える画像形成装置 - Google Patents

誘導加熱定着装置およびそれを備える画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】消磁コイルによる消磁作用を高め、消磁コイルを使用しないときの温度むらを低減する。
【解決手段】磁束発生装置は、励磁コイルと消磁コイルと励磁コイルで発生した磁束を発熱体に導く磁性体であるコアとを備える。コアは、励磁コイルの開口部に配置されかつ消磁コイルの開口部と重ならない第1センターコアと、励磁コイルの開口部のうちの第1センターコアの配置されていない領域に配置されかつ消磁コイルと部分的に重なる第2センターコアとを含む。そして、第1センターコアおよび第2センターコアは、消磁コイルの一部分を互いの間に介在させ、かつ当該一部分の寸法よりも短いギャップを隔てて隣接する。
【選択図】図5

Description

本発明は、誘導加熱式の定着装置およびそれを備える画像形成装置に関する。
電子写真法によって用紙上に画像を形成する画像形成装置は、トナー像が転写された用紙を加熱する定着器を備える。加熱によって色材であるトナーが溶融して用紙に定着する。近年、定着器における発熱に誘導加熱(Induction Heating:IH)が用いられている。誘導加熱型の定着器は、ヒータランプ型の定着器と比べて発熱の効率および応答性に優れており、画像形成を高速化するのに有用である。
誘導加熱型の定着器は、導電性の発熱体と、発熱体に渦電流を発生させるための励磁コイルとを備える。典型的な発熱体は筒状であり、最大用紙幅と同一またはそれより大きい幅(筒の軸方向寸法)をもつ。筒状の発熱体はローラに巻回され、発熱体の周面が部分的に用紙と接する。励磁コイルは、発熱体における用紙と接する部分を均等に発熱させることができるように、巻回された発熱体の内側または外側に配置される。励磁コイルが発熱体の外側に配置される構成では、励磁コイルの外側にコアと呼ばれる磁性体が配置される。コアは、励磁コイルによって発生する磁束を発熱体に導いて効率的に作用させるとともに、定着器の周囲に磁気的影響が及ぶのを防ぐ。
励磁コイルが発熱体の内側に配置される形式の定着器に関して、発熱体の用紙幅方向の両端部の昇温を防ぐために消磁コイル(キャンセルコイル)を組み付けることが提案されている(特許文献1)。消磁コイルは用紙幅方向の寸法が励磁コイルのよりも小さいコイルであり、励磁コイルの用紙幅方向の両端部に配置される。小サイズの用紙への画像形成において、励磁コイルによって発生する磁束のうち、両端部で発生する磁束が消磁コイルで発生する磁束によって打ち消され、それによって発熱体における非通紙部の昇温が抑えられる。
また、励磁コイルが発熱体の外側に配置される形式の定着器に関して、線材を周回させて形成される励磁コイルにおける周回の中央(開口部)に、用紙幅方向に延びる中心コア(以下、これをセンターコアという)を配置する先行技術がある(特許文献2)。センターコアは、発熱体に対する励磁の効率を高める。
特開2001−60490号公報 特開2004−94266号公報
励磁コイルが発熱体の外側に配置される形式の定着器においても、励磁コイルに部分的に重なるように消磁コイルを配置することによって、用紙幅方向の発熱範囲を切り替えることができる。しかし、励磁コイルの開口部の中にセンターコアを設ける上記先行技術を採用した場合に、消磁コイルによる磁束の打ち消し作用が低下することが判明した。
本発明は、このような事情に鑑みてなされ、励磁コイルの開口部にコアを有した誘導加熱定着のための磁束発生装置における、発熱範囲の長さの切り替えるための消磁コイルによる消磁作用を高めることを目的としている。他の目的は、消磁コイルを使用しないときの温度むらを低減することである。
上記目的を達成する磁束発生装置は、回転する支持体を周回する導電性の発熱体の外周面と対向するように配置されて使用されるものであり、前記発熱体の外周面に沿いかつ前記支持体の回転軸方向に長い開口部をもつ環状に形成された励磁コイルと、前記励磁コイルの開口部と重なる開口部をもつ環状に形成され、開口部どうしが連通するように前記励磁コイルに重なり、かつ前記励磁コイルよりも前記回転軸方向の寸法が短い少なくとも一つの消磁コイルと、前記励磁コイルで発生した磁束を前記発熱体に導く磁性体であるコアとを備える。当該磁束発生装置において、前記コアは、前記励磁コイルの開口部に配置されかつ前記消磁コイルの開口部と重ならない第1センターコアと、前記励磁コイルの開口部のうちの前記第1センターコアの配置されていない領域に配置されかつ前記消磁コイルと部分的に重なる第2センターコアとを含んでいる。そして、前記第1センターコアおよび前記第2センターコアは、前記消磁コイルの一部分を互いの間に介在させ、かつ当該消磁コイルの一部分の前記回転軸方向の寸法よりも短い寸法のギャップを隔てて隣接する。
本発明によれば、励磁コイルの開口部にコアを有した誘導加熱定着のための磁束発生における、発熱範囲の長さの切り替えるための消磁コイルによる消磁作用を高めることができる。また、消磁コイルを使用するときの効率を良好とし、かつ消磁コイルを使用しないときの発熱体における温度むらを低減することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成の概要を示す図である。 定着器および高周波電源回路の構成を示す図である。 定着器に備わる加熱ローラの積層構造を示す断面図である。 定着器に備わる磁束発生装置の概略の構成を示す斜視図である。 磁束発生装置の要部の構造を示す斜視図である。 磁束発生装置におけるギャップ長を説明するための部分拡大斜視図である。 磁束発生装置におけるコイルとセンターコアとの位置関係を示す図である。 消磁コイルを使用しないときの発熱分布をギャップ長の異なる複数の試料について測定した結果を示す図である。 消磁コイルを使用するときの発熱分布をギャップ長の異なる複数の試料について測定した結果を示す図である。 ギャップ長と消磁効率および発熱の落込温度との関係を示す図である。 センターコアの端面形状の変形例を示す図である。 センターコアの端面形状の変形例を示す図である。 センターコアの端面形状の変形例を示す図である。 センターコアの端面形状の変形例を示す図である。
図1に例示される画像形成装置1は、電子写真法によってカラー画像またはモノクロ画像を形成するタンデム式のカラープリンタである。カラー画像形成時にイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、および黒(K)の4色のトナー像を並行して形成するため、画像形成装置1は中間転写ベルト20および中間転写ベルト20に沿って並ぶ4個のプロセスユニットUY,UM,UC,UKを有する。黒(K)の像形成のためのプロセスユニットUKは、感光体ドラム11、帯電装置12、プリントヘッド13、現像装置14、一次転写装置15、および清掃装置16を備えており、他のプロセスユニットUY,UM,UCも、トナーの色の違いを除いて同様の構成要素を備えている。
画像形成装置1には誘導加熱型の定着器30が実装されている。定着器30は、加熱ローラ31、加圧ローラ32、および磁束発生装置33を備える。定着器30の構成については詳細を後述する。
画像形成動作の概要は次のとおりである。図示しない外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ)から例えばカラープリントジョブが与えられると、プロセスユニットUY,UM,UC,UKにおいて、帯電装置12が感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる。外部装置からの画像データに応じて、プリントヘッド13の射出する光ビームがオンオフ制御され、感光体ドラム11の表面に潜像が形成される。潜像は現像装置14によってトナー像に現像され、一次転写装置15によって中間転写ベルト20に一次転写される。中間転写ベルト20の移動に同期した一次転写によって、4色のそれぞれのトナー像が中間転写ベルト20上で重ねられる。4色のトナー像の形成と並行して、用紙収納部25から用紙Pが取り出され、中間転写ベルト20と二次転写ローラ27とが対向する二次転写位置へ搬送される。中間転写ベルト20からトナー像が二次転写された用紙Pは、誘導加熱型の定着器30を経た後、排紙ローラ対28によって排紙トレイ29に排出される。用紙Pが定着器30を通過するとき、トナーが溶融して画像が記録用紙に定着する。
図2のように、定着器30において加熱ローラ31と加圧ローラ32とが当接し、用紙Pを挟む定着用の圧接ニップ部を形成する。加熱ローラ31および加圧ローラ32は図示しない軸受に回転可能に支持されて並び、これらの回転軸方向は用紙搬送方向と直交する方向またはそれに近い方向である。加圧ローラ32はバネまたは弾性部材を用いた図示しない付勢機構によって加熱ローラ31に押し当てられている。加圧ローラ32が駆動機構によって用紙Pを送り出す方向(図では時計周り)に所定の周速度となるように回転駆動される。加熱ローラ31は圧接ニップ部での加圧ローラ32との摩擦力によって加圧ローラ32の回転に従動して回転する。ただし、これとは逆に加熱ローラ31を駆動回転させて加圧ローラ32を従動回転させる機構構成、または加熱ローラ31および加圧ローラ32の両方を駆動回転させる機構構成を採用してもよい。
加熱ローラ31は、図3に示されるようにローラ本体310と発熱ベルトと呼ばれる誘導加熱用の発熱体315とから構成される。ローラ本体310は、軸受に支持される非磁性材料からなる芯金311とその周面を覆う断熱層312とを有する。断熱層312は例えばシリコーン樹脂からなるスポンジ状の層である。発熱体315は、発熱層316と弾性層317と離型層318との積層を筒状に成形した可撓性のある構造体である。発熱層316はニッケル、鉄、ステンレス(SUS)、コバルトまたはこれらのいずれかを含む合金といった磁性導電材料からなり、励磁によって発熱する。発熱層316において、銅、銀、金などの低抵抗材料からなる十数μm程度の層をコイル側に重ね、それによって発熱効率を高めることができる。弾性層317の材料としてはシリコーンゴムに代表される弾性および耐熱性を呈する樹脂あり、離型層318の材料としてはフッ素樹脂、シリコーン、PFAといった離型性に優れる化合物がある。
図2に戻って、発熱体315の周長はローラ本体310の外周長とほぼ同一である。発熱体315はローラ本体310に外嵌する形で配置され、その支持体となるローラ本体310を周回する。このように単一のローラ(ローラ本体310)で発熱体315を支持する構成には、周長が長い発熱ベルトを複数のローラに渡して巻回する構成と比べて部品点数が少ないという利点がある。
加熱ローラ31の発熱体315を発熱させるため、定着器30は磁束発生装置33を備えている。磁束発生装置33は、加熱ローラ31の周面に沿うボビン41に支持された励磁コイル42、励磁コイル42に重ねられた消磁コイル43、および配置位置に応じた形状をもつ複数のコアを有する。図2では、メインコア51、裾コア52、および第2センターコア54が描かれている。
励磁コイル42および消磁コイル43は、加熱ローラ31の周面に沿うように巻かれた導線で構成される。励磁コイル42には、高周波電源回路60から10〜100kHz、100〜2000Wの高周波電力が供給される。このような通電に耐えるように、励磁コイル42の導線として、耐熱性の樹脂で被覆した細い線を数十から数百本を束ねたリッツ線が用いられる。
励磁コイル42への通電によって磁束が誘起される。このとき、メインコア51を主とする一群のコアによって加熱ローラ31の発熱体315を貫く磁束ループが形成される。磁束によって発熱体315の発熱層316に渦電流が誘起され、発熱層316でジュール熱が生じる。発熱層316から離型層318へ熱が伝導し、離型層318の外表面(すなわち、加熱ローラ31の表面)が昇温する。
加熱ローラ31の表面温度は、高周波電源回路60の制御部63によって調整される。制御部63には加熱ローラ31の近傍に配置された非接触温度センサ(例えば赤外線センサ)から加熱ローラ31の表面温度に応じた検出信号が入力される。制御部63は、入力された検出信号に基づいて温度変化を検知し、加熱ローラ31の表面温度が所定の一定温度になるように磁束発生装置33への供給電力を増減させるインバータ制御を行う。
また、制御部63は、用紙Pのサイズに応じて通電用のリレーの切替スイッチ61,62を制御し、消磁コイル43をオンオフする。例えば、A4サイズを標準とする場合でB5サイズやA5サイズの用紙を用いるときに、加熱ローラ31の周面全体を昇温させると、周面のうちで用紙と対面しない非通紙領域が用紙による吸熱がないことから過剰に昇温する。そこで、非通紙領域を耐熱温度以下に保つため、制御部63は切替スイッチ62を閉じて消磁コイル43の両端を短絡し、消磁コイル43をオン状態にする。消磁コイル43がオン状態のとき、励磁コイル42で発生した磁束が消磁コイル43に電流を誘起する。消磁コイル43に電流が流れると、消磁コイル43で発生する磁束が励磁コイル42で発生した磁束の一部を打ち消す。磁束が打ち消される範囲は消磁コイル43の配置位置に対応する。磁束が打ち消されることによって発熱体315における昇温範囲が狭まり、非通紙領域の昇温が抑制される。一方、加熱ローラ31の周面を全体的に昇温させる場合には、制御部63は切替スイッチ62を開いて消磁コイル43をオフ状態にする。励磁コイル42で発生した磁束によって、加熱ローラ31の周面が全体的に昇温する。
このように励磁コイル42への通電および消磁コイル43のオンオフ制御によって加熱ローラ31の表面における所定範囲の領域が定着に適した温度に保たれた状態で、画像形成が行われる。加熱ローラ31および加圧ローラ32が回転している状態の定着器30に、未定着のトナー像を担持した用紙Pが搬送される。このときの用紙Pの表裏の向きは、未定着のトナー像を担持する面が加熱ローラ31と対面する向きである。用紙Pは圧接ニップ部において加熱されかつ加圧される。これによってトナーが溶融して用紙Pに定着する。
図4では磁束発生装置33の主要構成要素間の立体的配置関係が示される。図示のように磁束発生装置33は加熱ローラ31に近接配置された状態で使用される。以下では、使用状態における加熱ローラ31の回転軸方向(長手方向)に沿う方向を「軸方向」といい、加熱ローラ31の周方向に沿う方向を「周方向」という。
励磁コイル42は加熱ローラ31の全長とほぼ等しい長さをもち、この励磁コイル42の両端部に一つずつ消磁コイル43が重なっている。励磁コイル42と消磁コイル43とは図示しない薄い絶縁材を挟んで密接する。加熱ローラ31からみて励磁コイル42よりも外側には、すなわち図における加熱ローラ31の上方には、多数のメインコア51が軸方向に沿って間隔を設けて配列されている。適度の間隔を設けることで外部に対する磁束の漏れを防ぎかつ軽量化を図ることができる。各メインコア51は屈曲した厚い板状であって、励磁コイル42を跨ぐように配置されている。メインコア51の横断面は外側を上辺とする台形である。全てのメインコア51は、軸方向に延びる2個の裾コア52によって磁気的に一体化される。一方の裾コア52は全メインコア51のそれぞれにおける周方向の一端側端面と対向し、他方の裾コア52は全メインコア51のそれぞれにおける周方向の他端側端面と対向する。メインコア51と裾コア52とが当接してもよいし、磁気的結合が得られる範囲で離れていてもよい。各裾コア52はひと続きであっても、複数の小コアに分割されていてもよい。
磁束発生装置33は、1個の第1センターコア53と2個の第2センターコア54とを有している。これら第1センターコア53および第2センターコア53は、励磁コイル42の開口部に配置される。開口部とは、コイルにおける巻回された線材で囲まれる領域である。励磁コイル42の平面視形状は軸方向に長い環状であり、励磁コイル42の開口部の平面視形状は軸方向に長い帯状である。励磁コイル42の開口部の両端部には消磁コイル43の開口部が重なって連通している。第1センターコア53は、励磁コイル42の開口部のうちの消磁コイル43の開口部と重ならない領域に配置されている。そして、第2センターコア54は、励磁コイル42の開口部のうちの消磁コイル43の開口部と重なる領域に配置されている。
励磁コイル42の開口部に第1センターコア53および第2センターコア54を配置することにより、励磁コイル42と発熱体315との磁気結合を向上させることができる。例えば、磁気結合の指標である結合係数が約5.0である場合に、第1センターコア53および第2センターコア54を配置することによって結合係数が約7.0に向上する。第1センターコア53および第2センターコア54の大きさについては、高周波電源回路60の性能と必要最大電力とを考慮して所望の磁気作用が得られるように設計する必要がある。高周波電源回路60のスイッチィング素子や必要電力は仕様により決まるが、基本的に結合係数はできるだけ大きい方が望ましい。
メインコア51、裾コア52、第1センターコア53および第2センターコア54はいずれもフェライトまたはパーマロイからなる。磁気的に一体化するメインコア51、裾コア52、第1センターコア53および第2センターコア54で構成されるコアは、励磁コイル42と加熱ローラ31との間に形成される磁気回路の励磁効率を高めるとともに外部に対して磁束を遮蔽する。コアの材質としては高透磁率で低損失のものが望ましい。
以下、磁束発生装置33の特徴に係る第1センターコア53および第2センターコア54の構成を説明する。以下の説明においては、第1センターコア53および第2センターコア54を総称して「センターコア」ということがある。
図5によく示されるように、第1センターコア53および第2センターコア54は、軸方向に長い角柱状である。ただし、第1センターコア53の軸方向の両端部(図では片方の端部が描かれている)および第2センターコア54における第1センターコア53と対向する側の端部は、消磁コイル43の下側に向かって部分的に張り出す形状になっている。図5、図6および図7(A),(B)によって示されるように、第1センターコア53および第2センターコア54は、消磁コイル43における“折り返し部”と呼称する一部分を互いの間に介在させ、かつ当該折り返し部の軸方向寸法W43よりも短い寸法D80のギャップ80を隔てて隣接する。消磁コイル43の折り返し部とは、周方向に沿う部分であって、励磁コイル42の開口部A42(図7(A)参照)を跨ぐ部分である。
図7(B)が示す図7(A)のb−b矢視断面構造のとおり、センターコアは励磁コイル43と消磁コイル43の厚さの合計以上の高さを有する。このことは、センターコアをメインコア51に近づけて磁気的結合を良好にする。軸方向の中央に配置される第1センターコア53は、その下部が励磁コイル42の開口部A42の中に位置し、その上部が開口部A42から突出する。第1センターコア53は2個の消磁コイル43の開口部A43のいずれとも重ならないが、第1センターコア53の両端における高さの低い部分が消磁コイル43と部分的に重なる。軸方向の両側に配置される第2センターコア54は、それらの下部が励磁コイル42の開口部A42の中に位置し、それらの上部が消磁コイル43の開口部A43の中に位置する。各消磁コイル43の一端における高さの低い部分が消磁コイル43と部分的に重なる。
ギャップ80の軸方向の寸法(ギャップ長)D80は、磁束発生装置33の性能に影響する。ギャップ長D80が過大であると、例えば消磁コイル43の折り返し部の寸法W43と同程度であると、加熱ローラ31において局所的に温度の低い温度むらが生じる。すなわち、軸方向の発熱分布において、ギャップ80に対応する位置(ギャップ位置)で温度の落込みが現れる。これとは逆に、ギャップ長D80が過小であると、例えばギャップ長D80の値が0で第1センターコア53と第2センターコア54とが連続していると、消磁コイル43に電流が流れにくく、消磁の効率が低い。
図8は消磁コイル43を使用しないときの発熱分布を、ギャップ長D80が異なる他は同じ構成をもつ複数の磁束発生装置(試料)を用意して測定した結果を示す。また、図9は消磁コイル43を使用したときの発熱分布を、上記複数の試料を用いて測定した結果を示す。
図8のとおり、ギャップ長が0mmまたは5.5mmの場合は軸方向において加熱ローラ31の表面温度はほぼ均一である。しかし、ギャップ長が10mmの場合は、ギャップ位置における温度が他の位置の温度と比べて若干低い。ギャップ位置と他の位置との温度差(落込温度)は約10℃である。
図9のとおり、ギャップ長が10mmまたは5.5mmの場合は、消磁コイル43のオンによって軸方向の端部の温度が十分に低い。すなわち、消磁コイル43が有効に機能している。しかし、ギャップ長が0mmの場合は、軸方向の端部と他の部分とで温度の差がほとんどない。すなわち、消磁コイル43が有効に機能していない。
上記構造のセンターコアを有する本実施形態の磁束発生装置33では、ギャップ長D80の適正化によって、発熱の均一化と消磁効率の向上とを両立させることができる。ギャップ長D80の適正化は、図10のグラフが示すギャップ長と消磁効率および発熱の落込温度との関係に基づく。図10における消磁効率および落込温度のプロットは、ギャップ長D80が異なる他は同じ構成をもつ複数の磁束発生装置(試料)を用意して同一条件で測定した結果である。
図10において、センターコアのギャップ長が1.5mmの場合の消磁効率は約55%であって、ギャップ長が2mm以上の範囲における消磁効率は60%以上である。消磁効率とは、消磁コイル43がオフのときの加熱ローラ31の表面温度に対する消磁コイル43をオンにしたときの温度低下の変化分の割合である。一方、消磁コイル43がオフのときのギャップ位置での落込温度については、ギャップ長が10mm以下の範囲において、落込温度は12℃以下である。
したがって、落込温度の許容範囲の上限を12℃とし、消磁効率の許容範囲の下限を55%とするならば、ギャップ長を1.5mm以上10mm以下にすることで、落込温度および消磁効率を許容範囲内とすることができる。また、消磁効率の許容範囲の下限を60%とするならば、ギャップ長を2mm以上10mm以下にすることで、落込温度および消磁効率を許容範囲内とすることができる。すなわち、ギャップ長の実用上の適正範囲は1.5mm以上10mm以下であり、より好ましい範囲は2mm以上10mm以下である。
センターコアの形状および寸法条件には図11〜図14に示される変形がある。
図11(A),(B),(C)に示される第1センターコア53bおよび第2センターコア54bにおける互いに隣接する端面は、消磁コイル43の折り返し部と対向する第1面とそれより張り出した第2面とを含む段差面である。すなわち、図11(B)によく示されるとおり、第1センターコア53bおよび第2センターコア54bの互いに隣接する端部は階段状である。図11の第1センターコア53bおよび第2センターコア54bの高さは、上面位置が消磁コイル43の上面位置とほぼ同じになるように選定されている。
図12(A),(B),(C)に示される第1センターコア53cおよび第2センターコア54cにおける互いに隣接する端面は、消磁コイル43の折り返し部と対向する第1面とそれに対して斜めに張り出す第2面とを含む屈曲面である。すなわち、図12(B)によく示されるとおり、第1センターコア53bおよび第2センターコア54bの互いに隣接する端部は下端側が傾斜した形状である。下端どうしの距離がギャップ長D80である。図12の第1センターコア53bおよび第2センターコア54bの高さは、上面位置が消磁コイル43の上面位置よりも高くなるように選定されている。
図13に示される第1センターコア53dおよび第2センターコア54dは、ギャップ80dが消磁コイル43の折り返し部の軸方向中央に対して片寄るように形成されている。例示ではギャップ80dが第1センターコア53dの側に片寄っているが、第2センターコア54dの側に片寄るようにしてもよい。
図14に示される第1センターコア53eおよび第2センターコア54eは、ギャップ80eが軸方向に対して直交する方向ではなく傾斜する方向に延びるように形成されている。
以上の実施形態におけるセンターコアのギャップ長の選定は、消磁コイル43のない装置に応用することができる。ギャップ長と温度むらとの関係は消磁コイル43の有無にかかわらず成立する。したがって、センターコアと他の部材との配置上の干渉を避けるためにギャップを設ける場合に、装置の設計に際してギャップ長を所定範囲内に管理すれば、温度ムラを抑制することができる。センターコアとの干渉が考えられる部材としては、コイル内部の絶縁部材やボビン41の位置決めリブがある。
また、環状の発熱体315の内側に磁束発生装置を配置する構成においても、実施形態におけるセンターコアの構造を適用することができる。
上記の実施形態において、メインコア51の数および配置間隔、コアの材質を含めて装置の構成および各部の材質は適宜選定することができる。2個の消磁コイル43を有する構成に限らず、例えば励磁コイル42の片方の端部に設けるというように、1個の消磁コイル43を有する構成であってもよい。励磁コイル42の両端、片方の端部または軸方向の3箇所以上に消磁コイル43を配置してもよい。各配置位置において、複数個の消磁コイルを並べてまたは重ねて配置する構成にも本発明を適用することができる。
310 ローラ本体(回転する支持体)
315 発熱体
33 磁束発生装置
30 定着器
1 画像形成装置
A42,A43 開口部
42 励磁コイル
43 消磁コイル
53,53b,53c,53d,53e 第1センターコア
54,54b,54c,54d,54e 第2センターコア
80,80d,80e ギャップ
D80 ギャップ長

Claims (5)

  1. 回転する支持体を周回する発熱体の外周面と対向するように配置されて使用される、前記発熱体に対する誘導加熱のための磁束発生装置であって、
    前記発熱体の外周面に沿いかつ前記支持体の回転軸方向に長い開口部をもつ環状に形成された励磁コイルと、
    前記励磁コイルの開口部と重なる開口部をもつ環状に形成され、開口部どうしが連通するように前記励磁コイルに重なり、かつ前記励磁コイルよりも前記回転軸方向の寸法が短い少なくとも一つの消磁コイルと、
    前記励磁コイルで発生した磁束を前記発熱体に導く磁性体であるコアとを備え、
    前記コアは、前記励磁コイルの開口部に配置されかつ前記消磁コイルの開口部と重ならない第1センターコアと、前記励磁コイルの開口部のうちの前記第1センターコアの配置されていない領域に配置されかつ前記消磁コイルと部分的に重なる第2センターコアとを含んでおり、
    前記第1センターコアおよび前記第2センターコアは、前記消磁コイルの一部分を互いの間に介在させ、かつ当該消磁コイルの一部分の前記回転軸方向の寸法よりも短い寸法のギャップを隔てて隣接する
    ことを特徴とする磁束発生装置。
  2. 前記ギャップの寸法が1.5mm以上10mm以下である
    請求項1記載の磁束発生装置。
  3. 前記第1センターコアおよび前記第2センターコアのそれぞれの互いに隣接する端面は、前記消磁コイルの一部分と対向する第1面とそれより張り出した第2面とを含む段差面である
    請求項1または2記載の磁束発生装置。
  4. 前記第1センターコアおよび前記第2センターコアのそれぞれの互いに隣接する端面は、前記消磁コイルの一部分と対向する第1面とそれに対して斜めに張り出す第2面とを含む屈曲面である
    請求項1または2記載の磁束発生装置。
  5. 回転する支持体を周回する誘導加熱のための発熱体と、前記発熱体の外周面と対向するように配置されて使用される請求項1ないし4のいずれかに記載の磁束発生装置とを備え、
    前記磁束発生装置によって発熱させた前記発熱体を、用紙に転写されたトナー像と接触させて定着させ、それによって前記用紙上に画像を形成する
    ことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013244163A (ja) * 2012-05-25 2013-12-09 Mitsubishi Electric Corp 加熱調理器
JP7448634B2 (ja) 2020-06-10 2024-03-12 ドンウン アナテック カンパニー リミテッド 電流駆動回路

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