JP4949803B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、電磁誘導を利用して加熱される定着部材を備え、定着ニップで未定着画像を担持した記録媒体を加熱・加圧して未定着画像を記録媒体に定着する定着装置、及び、その定着装置を備えた複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ、あるいはそれらの複合機等の画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置としては、従来からローラ加熱方式等のハロゲンヒータの輻射熱を用いたものが存在し広く使用されている。
その中で省エネルギー化や待ち時間の短縮化の要求から、ベルト定着やフィルム定着に代表されるように、熱容量の小さな定着部材が使用されるようになり、定着装置の立ち上がり時間の短縮が可能となっている。
特に特許文献1に記載の発明では、定着ベルトの外側から当接部材(テンションローラ等)を押し付け、定着ベルトと加熱ローラの接触長を大きく取ることで、短時間で多くの熱量を加熱ローラから定着ベルトに与え、短時間での立ち上がりを可能としている。
こうした定着装置の待ち時間の低減は重要な課題となっているが、更なる待ち時間の低減のため、近年では電磁誘導加熱(Induction Heating)方式を採用したローラ加熱方式やベルト加熱方式の定着装置が種々提案されている。そして、これらの方式では、発熱部材に対して非接触の誘導コイルから高周波の磁場が誘起され、誘導電流が発熱部材のコイル側表層に発生しジュール熱により発熱する。
ここで、従来の電磁誘導加熱方式の定着装置の例を挙げると、例えば特許文献2等に記載の定着装置は、発熱部材としての支持ローラ(加熱ローラ)、定着補助ローラ(定着ロ一ラ)、支持ローラと定着補助ローラとによって張架された定着ベルト、支持ローラに定着ベルトを介して対向する磁束励磁手段(誘導加熱手段)、定着補助ローラに定着ベルトを介して当接する加圧ローラ、等で構成される。磁束励磁手段は、幅方向(記録媒体の搬送方向に直交する方向である。)に延設されたコイル部(励磁コイル)や、コイル部に対向するコア部(励磁コイルコア)等で構成される。
そして、定着ベルトは、磁束励磁手段との対向位置で加熱される。加熱された定着ベルトは、定着補助ローラ及び加圧ローラの位置に搬送される記録媒体上のトナー像を加熱して定着する。詳しくは、コイル部に高周波の交番電流を流すことで、コイル部の周囲に交番磁界が形成されて、支持ローラ表面近傍に渦電流が生じる。支持ローラ(発熱部材)に渦電流が生じると、支持ローラ自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、支持ローラに巻装された定着ベルトが加熱される。
このような電磁誘導加熱方式の定着装置は、発熱部材が電磁誘導によって直接的に加熱されるために、熱ローラ方式(ヒータランプ加熱方式)等の他方式のものに比べて熱変換効率が高く、少ないエネルギー消費で短い立ち上げ時間にて定着ベルトの表面温度(定着温度)を所望の温度まで昇温できるものとして知られている。
一方、特許文献3等には、電磁誘導加熱方式を用いた定着装置であって、定着ローラ(加熱媒体)における非通紙領域の昇温を抑制することを目的として、定着ローラに内設した磁束励磁手段(誘導コイル)から発生される磁束の一部を遮蔽する磁束遮蔽部材を設ける技術が開示されている。
詳しくは、磁束遮蔽部材は、磁性金属からなる定着ローラにおける通紙領域に応じてその位置を変化させて、磁束を遮蔽する範囲を可変する。この技術は、定着ローラに届く磁束を非通紙領域において遮蔽して、非通紙領域における過昇温を抑止することを目的としたものである。
また、特許文献4等には、電磁誘導加熱方式を用いた定着装置であって、定着ローラ(加熱ローラ)の軸芯が加熱されて軸受が劣化するのを抑止することを目的として、定着ロ−ラの発熱層を、磁性材料からなる第1発熱層と、非磁性材料からなる第2発熱層と、で構成する技術が開示されている。
詳しくは、第1発熱層は、その固有抵抗が第2発熱層のものより高く、その肉厚が第2発熱層のものより厚くなるように形成されている。この技術は、非磁性材料からなる第2発熱層を主たる発熱層として、磁性材料からなる第1発熱層を設けることで磁束励磁手段から発せられた磁束が定着ローラの軸芯に達しないようにするものである。
上述した従来の定着装置は、発熱部材の昇温効率を低下させることなく、発熱部材の幅方向両端部における過昇温を防止することが難しかった。詳しくは、以下の通りである。
一般的な画像形成装置は、幅方向のサイズが異なる数種類の記録媒体に対して、画像形成ができるように構成されている。ここで、幅方向サイズの異なる記録媒体とは、JIS寸法のA列やB列における種々の定形サイズの記録媒体の他に、不定形サイズの記録媒体も含まれる。また、同一サイズ(例えぱA4サイズ等)の記録媒体であっても、長手方向を搬送方向にした場合と、短手方向(長手方向に直交する方向)を搬送方向にした場合とでは、幅方向サイズの異なる記録媒体を扱っていることになる。
このような幅方向サイズの異なる記録媒体を定着装置で定着する場合には、記録媒体の幅方向サイズに応じて、定着部材(定着ベルト又は定着ローラ)の幅方向の温度分布が変動して、温度ムラが生じてしまうことがあった。例えぱ、幅方向サイズの小さな記録媒体を通紙して定着する場合には、その記録媒体の幅方向サイズに対応する定着部材の通紙領域では熱が多く奪われて、非通続領域に比べて定着温度が低くなる。このような現象は、幅方向サイズの小さな記録媒体を連続的に通紙するような場合に、特に顕著になる。また、立ち上げ時間の早い電磁誘導加熱方式の定着装置では、特に幅方向両端部の過昇温が顕著になる。
したがって、定着部材の幅方向中央部の定着温度を基準として定着部材の幅方向全域の定着温度を制御しようとすると、定着部材の幅方向中央部の定着温度は所望の温度に制御できるものの、幅方向両端部の定着温度が上昇してしまうことになる。このように、定着部材の幅方向両端部の定着温度が上昇した状態で、幅方向サイズの大きな記録媒体を定着すると、温度上昇位置に対応した記録媒体上にホットオフセットが発生してしまう。さらに、幅方向両端部の定着温度が定着部材の耐熱温度を超えた場合には、定着部材に熱的破損が生じてしまうことも考えられる。
これに対して、定着部材の幅方向両端部の定着温度を基準として定着部材の幅方向全域の定着温度を制御しようとすると、定着部材の幅方向両端部の定着温度は所望の温度に制御できるものの、幅方向中央部の定着温度が下降してしまうことになる。このように、定着部材の幅方向中央部の定着温度が下降した状態で記録媒体を定着すると、温度下降位置に対応した記録媒体上に定着不良やコールドオフセットが発生してしまう。
このような問題を解決するために、特許文献3等では、記録媒体のサイズに応じて磁束遮蔽部材の位置を変化させて非通紙領域における磁束を遮蔽している。これにより、幅方向サイズが小さな記録媒体を連続的に運転する場合であっても、非通転領域の過昇温を抑止する効果がある程度期待できる。
しかし、特許文献3等の技術は、磁束励磁手段と定着部材(加熱媒体)との間に磁束遮蔽部材を介在させるために、定着部材に対して磁束励磁手段を近接させることができなかった。そのため、磁束励磁手段によって誘導加熱される定着部材の昇温効率を充分に向上させることができなかった。具体的には、定着部材の立ち上げ時間を充分に短縮することができなかった。
一方、特許文献4等の技術は、定着部材(定着ローラ)の軸芯が加熱されるのを抑止するために、定着部材の発熱層を磁性材料からなる第1発熱層と非磁性材料からなる第2発熱層とで構成するものであって、定着部材の幅方向両端部における過昇温を防止する効果は期待できない。
ここで、特許文献4において、定着部材の幅方向両端部における過昇温を防止するために、特許文献3の磁束遮蔽部材を設置するためには、定着部材と磁束励磁手段との間に磁束遮蔽部材を介在させることになる。したがって、この場合も特許文献3と同様に、発熱部材に対して磁束励磁手段を近接させることができずに、定着部材の昇温効率を充分に向上させることができないことになる。
そこで上記のような問題を解決し、定着部材の昇温効率の向上と、定着部材の幅方向両端部における過昇温を防止する効果とを得られる構成の定着装置が提案されている(例えば特許文献5等)。
図6はその一例を示すものであって、この定着装置は、定着部材を構成する発熱部材としてのスリーブ状の加熱ローラ101と、加熱ローラ101内に配設された磁性体からなる内部コア(例えばフェライトローラ)102及び磁束遮蔽部材103と、定着ロ一ラ106と、加熱ローラ101と定着ローラ106とによって張架された定着ベルト100と、加熱ローラ101に定着ベルト100を介して対向する磁束励磁手段104,105と、定着ローラ106に定着ベルト100を介して当接する加圧ローラ107と、加圧ローラ107の内部に設けられた補助加熱用のハロゲンヒータ108と、入口ガイド109等を有している。また、磁束励磁手段は、幅方向(記録媒体Pの搬送方向に直交する方向)に延設されたコイル(誘導コイル)105と、コア104(コイルコア)等で構成され、コア104にはセンターコア104aとサイドコア104bが設けられている。
この定着装置では、加熱ローラ101の内部にコア(フェライトローラ)102を設けているので、磁束励磁手段104と内部コア(フェライトローラ)102が対向する位置で加熱ローラ101が効率よく加熱され、定着ベルト100が加熱される。すなわち、磁束励磁手段104のコイル105に高周波の交番電流を流すことで、磁束励磁手段104のコアと加熱ローラ101内の内部コア102との間に磁力線が形成されて、加熱ローラ表面に渦電流が生じ、加熱ローラ自身の電気抵抗によってジュール熱が発生し、このジュール熱によって加熱ローラ101と、この加熱ローラに巻装された定着ベルト100が効率よく加熱される。一方、加熱ローラ内に設けられた磁束遮蔽部材103は、内部コア102の周面を遮蔽する範囲を可変できるように構成されており、記録媒体Pの幅に応じて、磁束遮蔽部材103により内部コア102の遮蔽範囲を調整することで、加熱ローラ101を透過する磁力線の幅方向の範囲も調整されて、加熱ローラ及び定着ベルトの幅方向の加熱範囲が可変される。
図6に示す構成では、加熱ローラ101の外部に磁束励磁手段104を配置し、加熱ローラ101の内部に整磁用の内部コア102と磁束遮蔽部材103を設けているので、昇温効率の向上と、幅方向両端部における過昇温を防止する効果とを得られる
また、上記と同様の効果を得られる定着装置の別の構成例を図7に示す。この定着装置は、磁性体発熱部材からなる円筒状の定着スリーブ110と加圧ローラ115を有し、定着スリーブ110の内部に、コア111と誘導コイル112からなる磁束励磁手段を設け、定着スリーブ110の外部に磁束遮蔽部材113と外部コア114を設けた構成である。
この構成では、コア111と誘導コイル112からなる磁束励磁手段を定着スリーブ110の内側に配置し、定着スリーブ110の外部に外部コアを配置することにより、誘起される磁場の磁気回路を閉じ込め、昇温効率を上昇させることができる。また、定着スリーブと外部コアとの間に磁束遮蔽部材113を設けているので、幅方向両端部における過昇温を防止することができる。また、弾性変形が可能な定着スリーブ110とすることにより、加圧ローラ115を圧接して定着ニップを容易に形成することができる。
さらに、上記と同様の効果を得られる定着装置の別の構成例を図8に示す。この定着装置は、円筒状の芯金と、発泡材料からなる弾性断熱層と、磁性体発熱層とを有する構成の定着ローラ120を備え、該定着ローラ120には加圧ローラ125が圧接され、定着ローラ120の外部に磁束励磁手段123を配置している。そして、定着ローラ120の芯金の内部に、磁性体からなる内部コア121と磁束遮蔽部材122を設けた構成となっている。
この構成では、定着ローラ120の外部に磁束励磁手段123を配置し、定着ローラ120の芯金の内部に内部コア121と磁束遮蔽部材122を設けているので、図6と同様に、昇温効率の向上と、幅方向両端部における過昇温を防止する効果とを得られる。また、磁性体発熱層を弾性断熱層上に設け、磁束励磁手段123を定着ローラ120の外側に配置することにより、発熱部材表層側が発熱することになる上、発熱部材の低熱容量化による短時間での立ち上がりが可能となる。
特開平9−218601号公報 特開2005−70376号公報 特開平10−74009号公報 再表WO2003/43379号公報 特開2005−241891号公報
図6〜図8に示したような構成の定着装置では、定着部材を構成する定着回転体(発熱部材を有するスリーブ、ベルト、ローラ等)を挟んで磁束励磁手段と対向する位置に、フェライト等の高透磁率材料からなる内部コアあるいは外部コアを配置しているので、磁束励磁手段のコアと整磁用のコアとの間に磁力線が形成されて、昇温効率の向上を図ることができる。また、定着回転体と内部コアあるいは外部コアの間に磁束遮蔽部材を可変可能に設けて、遮蔽範囲を調整することで、定着回転体を透過する磁束の幅方向の範囲も調整されて、定着回転体の幅方向の加熱範囲を可変することができる。
しかしながら、上記のように磁束励磁手段のコアとは別に、フェライト等の高透磁率材料からなる内部コアや外部コアを設ける構成では、定着装置の部品数が増大しコスト高となる。また、定着回転体の内部にコアや磁束遮蔽部材を設ける構成では、コアと磁束遮蔽部材に熱が奪われるため、定着部材としての熱容量が増大し、温度の立ち上がりが遅くなる。さらに、磁束遮蔽部材を可動して遮蔽範囲を調整する構成では、磁束遮蔽部材を可動する機構が必要となり、定着装置の製造コストがさらに増大する。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、定着回転体自身に磁束の透過を制御する整磁機能を持たせることにより、定着に必要なニップ幅を形成しつつも低熱容量化を実現し、昇温効率を低下させることなく幅方向両端部における過昇温を確実に防止することができる、簡易な構成で低コストな定着部材と、その定着部材を備えた定着装置、及び、その定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明では以下のような技術的手段を採っている。
本発明の第1の手段は、加圧部材と対向して定着ニップを形成するとともに、磁束励磁手段によって電磁誘導加熱され、円筒状またはベルト状の定着回転体とを備えた定着装置において、前記定着回転体の内側に、キュリー点が100℃〜300℃の磁性体部が配置されていて、前記定着装置は、前記定着回転体を挟んで前記磁束励磁手段と対向する位置であり、且つ前記定着回転体の内周側に配置され、且つ前記磁性体部より抵抗率の低い部材とを備え、前記抵抗率の低い部材の、前記定着回転体の回転方向における幅を、前記定着回転体の回転の軸方向の中央付近で一部狭くさせたことを特徴とする。
また、本発明の第2の手段は、第1の手段の定着装置において、前記定着回転体の回転方向における前記抵抗率の低い部材の幅は、前記定着回転体の加熱幅以下としたことを特徴とする。
本発明の第3の手段は、第1または第2の手段の定着装置において、前記抵抗率の低い部材と前記定着回転体の間に断熱部材を設けたことを特徴とする。
本発明の第4の手段は、第1乃至第3のいずれか1つの手段の定着装置において前記抵抗率の低い部材は、板状部材であることを特徴とする。
さらに本発明の第5の手段は、請求項1乃至4のいずれか1つの手段の定着装置において、前記定着回転体は、低抵抗の誘導発熱層を有することを特徴とする定着装置。
本発明の第6の手段は、第1乃至第5のいずれか1つの手段の定着装置において、前記磁性体部は、温度によって磁束の透過を制御する整磁機能を有することを特徴とする。
また、本発明の第7の手段は、第1乃至第6のいずれか1つの手段の定着部材において、前記抵抗率の低い部材の断面形状は、前記定着回転体の曲率に沿った円弧形状としたことを特徴とする。
さらに本発明の第8の手段は、第1乃至第7のいずれか1つの手段の定着装置において、前記抵抗率の低い部材の体積抵抗率は5.0×10 −8 Ω・m以下であることを特徴とする。
さらにまた、本発明の第9の手段は、第5乃至8のいずれか1つの手段に記載の定着装置において、前記定着回転体の誘導発熱層は体積抵抗率が5.0×10 −8 Ω・m以下であることを特徴とする。
本発明の第10の手段は、第8の手段の定着装置において、前記抵抗率の低い部材は非磁性の金属または合金からなることを特徴とする。
また、本発明の第11の手段は、第9の手段の定着装置において、前記定着回転体の誘導発熱層は非磁性の金属または合金からなることを特徴とする。
さらに本発明の第12の手段は、第1乃至11のいずれか1つの手段の定着装置において、前記定着回転体は、前記磁性体層または前記誘導発熱層の上に、弾性層と離型層を有することを特徴とする。
本発明の第13の手段は、第1乃至第12のいずれか1つの手段の定着装置において、
前記抵抗率の低い部材の厚みは、磁束の浸透深さ以上、2mm以下とすることを特徴とする。
また、本発明の第14の手段は、第1乃至第13のいずれか1つの手段の定着装置において、前記磁性体部と前記抵抗率の低い部材との距離は5mm以下としたことを特徴とする。
さらに本発明の第15の手段は、第1乃至第14のいずれか1つの手段の定着装置において、前記定着回転体内に、弾性変形が可能な断熱材からなるニップ形成部材を有することを特徴とする。
本発明の第16の手段は、第15の手段の定着装置において、前記ニップ形成部材は、回転可能に設けられたローラ状部材であることを特徴とする。
また、本発明の第17の手段は、第15の手段の定着装置において、前記ニップ形成部材は、パッド状部材であることを特徴とする。
本発明の第18の手段は、第1乃至第17のいずれか1つの手段の定着装置において、前記定着回転体の内周面に潤滑剤を塗布することを特徴とする。
また、本発明の第19の手段は、第15乃至18のいずれか1つの手段の定着装置において、前記定着回転体は、前記ニップ形成部材で支持される弾性変形が可能な定着スリーブであることを特徴とする。
さらに本発明の第20の手段は、第15乃至18のいずれか1つの手段の定着装置において、前記定着回転体は、前記抵抗率の低い部材と前記ニップ形成部材で支持される可撓性を有する定着ベルトであることを特徴とする。
本発明の第21の手段は、第1乃至20のいずれか1つの手段の定着装置において、前記加圧部材は、前記定着回転体内に設けたニップ形成部材に対向して配置され、前記加圧部材で前記定着回転体を前記ニップ形成部材側に加圧して定着ニップを形成することを特徴とする。
また、本発明の第22の手段は、第21の手段の定着装置において、前記ニップ形成部材は、前記加圧部材よりも柔らかい弾性材料からなり、前記定着ニップ部では、前記定着回転体側が凹形状となることを特徴とする。
本発明の第23の手段は第1乃至22のいずれか1つの手段の定着装置において、前記加圧部材は加圧ローラであることを特徴とする。
本発明の第24の手段は、第23の手段の定着装置において、前記加圧ローラに駆動手段を有することを特徴とする。
本発明の第25の手段は、像担持体に画像を形成する手段と、前記像担持体上の画像を記録媒体に転写する手段と、前記記録媒体に転写された画像を定着する手段を備えた画像形成装置において、前記定着手段として、請求項1乃至24のいずれか1つの手段の定着装置を備えた画像形成装置であることを特徴とする。
本発明では、加圧部材と対向して定着ニップを形成するとともに、磁束励磁手段によって電磁誘導加熱され、円筒状またはベルト状の定着回転体とを備えた定着装置において、前記定着回転体の内側に、キュリー点が100℃〜300℃の磁性体部が配置されていて、前記定着装置は、前記定着回転体を挟んで前記磁束励磁手段と対向する位置であり、且つ前記定着回転体の内周側に配置され、且つ前記磁性体部より抵抗率の低い部材とを備える構成としたので、前記磁性体層がキュリー点以下の温度では磁性体(強磁性体)となり、キュリー点以上の温度では非磁性体(常磁性体又は反磁性体)となるので、温度によって磁束の透過を制御する整磁機能を有する。これにより、定着回転体の温度がキュリー点以下では、磁束を定着回転体内に閉じ込める効果により誘導電流による昇温を促進し、定着回転体の温度がキュリー点以上では、磁束は定着回転体を透過して前記抵抗率の低い部材(例えば低抵抗板状部材)に至り、定着回転体内での誘導電流の発生を抑制し、昇温が停止する。このように、本発明の定着部材では、定着回転体と、磁性体層より抵抗率の低い部材(例えば低抵抗板状部材)の組み合わせにより自己温度制御機能を有するので、磁性体層のキュリー点の設定に応じて定着回転体の昇温温度を所定の温度に制御でき、昇温効率を低下させることなく幅方向両端部における過昇温をも確実に防止できる。また、従来技術のような内部コアや磁束遮蔽部材を設けることなく自己温度制御機能を得ることができるので、簡易な構成で低コストな定着部材を実現することができる。さらに本発明の定着装置では、上記の構成に加えて、定着回転体に低抵抗な誘導発熱層を設けることにより、インバータ制御による高周波誘導を行うことができ、発熱効率をより向上して立ち上がりの早い昇温を行うことができる。
また、抵抗率の低い部材(例えば低抵抗板状部材)の、前記定着回転体の回転方向における幅を、前記定着回転体の回転の軸方向の中央付近で一部狭くさせたので、この部材を一体成形することが可能で、この部材の低熱容量化を図ることもできる。
本発明の定着装置では、磁束励磁手段と、該磁束励磁手段によって電磁誘導加熱される定着部材と、該定着部材に圧接する加圧部材を備え、前記定着部材として、上述の構成及び効果を有する定着部材を用いたことにより、立ち上がりの早い昇温を行うことができ、かつ昇温効率を低下させることなく幅方向両端部における過昇温をも確実に防止できる、低コストな定着装置を実現することができる。
また、定着部材の円筒状またはベルト状の定着回転体内にニップ形成部材を設け、前記加圧部材で定着回転体をニップ形成部材側に加圧して定着ニップを形成することにより、十分なニップ幅を得ることができ、定着性を向上することができる。
本発明の画像形成装置では、立ち上がりの早い昇温を行うことができ、かつ昇温効率を低下させることなく幅方向両端部における過昇温をも確実に防止できる、低コストな定着装置を備えることにより、低コストで省エネルギー効果を得られ、定着性も良好な画像形成装置を実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の定着装置に用いる定着部材の整磁機能と、それを利用した定着装置の自己温度制御機能の基本的な原理について説明する。
電磁誘導加熱方式の定着装置では、発熱部材となる定着回転体(スリーブやベルト、ローラ)に磁性体層を設け、この磁性体層にキュリー点が100℃〜300℃に調整された強磁性体、例えばFe−NiやCu−Ni等の整磁合金を用いることで、過剰な温度上昇を防止できる。すなわち、このFe−NiやCu−Ni等の整磁合金は、組成比を変えることでキュリー点の温度を容易に調整することができ、昇温温度の上限を設定して過昇温を防止することができる。なお、磁性体層に用いる強磁性体は上記の整磁合金に限らず、キュリー点が100℃〜300℃であれば、その他の整磁合金でも良い。
キュリー点が100℃〜300℃に調整された整磁合金では、温度がキュリー点以下のときの磁性状態(強磁性体)から、温度がキュリー点以上のときの非磁性状態(常磁性又は反磁性)へと物性が転移することで自己温度制御機能が発揮できる。
図9は定着部材を銅(Cu)薄層からなる誘導発熱層・整磁合金からなる磁性体層・低抵抗部材(例えばアルミニウム(Al))の3層で構成した場合の整磁機能を模式的に示す説明図である。図9のモード1に示すように、温度がキュリー点以下で、整磁合金が磁性体の状態では、コイルからの磁束は磁性体状態の浸透深さ以上には透過せず、Cu薄層の誘導発熱層表層で主に発熱が起こる。
これは整磁合金が磁性体状態では、発熱層の渦電流負荷により発熱が起こるが、図9のモード2に示すように、温度がキュリー点以上になり、整磁合金が非磁性体になると、コイルからの磁束は磁性体層を通過してAl層まで透過し、磁気回路中に良導体のAlが入るため、負荷が最適値ではなくなることで投入電力が減少し発熱が止まる。これによって発熱層の昇温が停止する。以上が自己温度制御機能の原理である。
なお、ここで、表皮深さ(浸透深さ)δは、
δ=k(ρ/fμ)1/2
(k:定数、ρ:抵抗率、μ:比透磁率、f:周波数)
で定義され、透磁率の高い磁性体状態では磁束の浸透深さは非磁性体状態に比べ浅い。
また、渦電流負荷dは、
d=発熱層の体積抵抗率/δ
で定義される。
ただし、発熱層の厚み(=t)が磁束の浸透深さ以下では、渦電流負荷dは、
d=発熱層の体積抵抗率/t
で定義される。
上記の自己温度制御機能を定着回転体(定着スリーブ、定着ベルト又は定着ローラ)に活用することで、熱容量の小さい定着回転体を用いた際の端部温度上昇の問題が解決できる。
この端部温度上昇の問題とは、前述したように、小サイズ紙を通紙した際、用紙突入部は温度が用紙に奪われるが、用紙外部では熱量が奪われないため、中央部の設定温度を維持するように電力が投入されると、中央部に比べ端部の温度が極めて上昇するという問題である。そのために端部温度が過昇温となった場合は、中央と同じにならされるまで通紙を止める必要があり、利便性を損なっていた。また、これを行わないとホットオフセット画像が発生し、画像品質を補償できない。
しかし、上記のように整磁合金を用いた定着回転体と低抵抗の良導体(例えばAl)を組み合わた定着部材とすることで、端部温度が過昇温となった場合には、整磁合金はキュリー点で状態が転移し、負荷が適切でなくなることから、端部に電力投入がなされなくなり、端部温度上昇の問題が解決できる。
ここで、図10は整磁合金と低抵抗の良導体(例えばAl)を組み合わせた定着部材を用いた定着装置の一例を示す図であり、(a)は定着装置の概略構成図、(b)は定着部材の層構成を示す図である。図10に示す定着部材は、芯金と発泡ゴムからなる定着ローラ132の外周に、整磁合金とCu誘導発熱層を有する定着スリーブ131を設けた構成であり、この定着部材に加圧部材(加圧ローラ)133が圧接して設けられている。そして、定着スリーブ131の外周には、インバータ制御回路135に接続された誘導コイル134とコア133からなる磁束励磁手段が設けられており、磁束励磁手段からの磁束により定着スリーブ131のCu誘導発熱層が誘導加熱される。このような構成の定着装置では、定着ローラ132の芯金を低抵抗部材であるアルミニウム(Al)にすることで、図9に示したような自己温度制御機能が発揮される。
ただし定着スリーブ131の磁性体層として、この整磁合金を用いるためには、所謂定着スリーブ131と対向する加圧部材133により画像定着に必要なニップ幅を確保する必要があり、従って定着スリーブ131には適度な柔軟性が必要とされている。
そこで本発明者らは、これまで効率良い発熱を得るために、磁性体層(整磁合金)に加え、発熱層として体積抵抗率が5.0×10−8Ω・m以下の金属(図10中では定着スリーブ131のCu誘導発熱層)を用いているが、定着スリーブ131に適度な柔軟性を与える必要から整磁合金層には100μmの薄層を用い、発熱層も体積抵抗率が5.0×10−8Ω・m以下の金属を50μm以下の厚みで使用している。
これによりキュリー点以上での浸透深さが大きいため、磁束は定着ローラ132のAl芯金を透過して自己温度制御機能が発揮される。また、これに加えて、定着ローラ132と別体で芯金内に配置される、従来技術に示したような内部コア(フェライトローラ等)を設ける必要が無いので、定着部材の低熱容量化を果たしている。
一方、加圧部材133との圧接部でニップ幅を与えるには、定着スリーブ131の柔軟性だけでは充分でなく、定着スリーブ131内で適度な弾性を有したニップ形成部材(図10では定着ローラ132)を用い、これにより整磁合金層を有する定着スリーブ131を加圧部材136との間に挟みこむことでニップ幅を形成する必要がある。
ところが整磁合金の自己温度制御機能を充分に発揮させるには、磁束が定着ローラのAl芯金まで達するように、整磁合金層とAl芯金のギャップは7mm以下の距離とすることが望ましく、これにより弾性体の厚みが限定されることになり、定着ニップ幅を形成することを困難にしていた。すなわち、図11に示すように、定着ローラ132を構成する発泡ゴムの厚みを5mmと薄くした場合には、磁束はAl芯金を透過し自己温度制御機能が発揮されるが、発泡ゴムの厚みが薄くなり、ニップ幅の形成が困難になる。また、図12に示すように、定着ローラ132の発泡ゴムの厚みを10mmと厚くした場合には、ニップ幅の形成は容易になるが、磁束がAl芯金まで達しにくくなり、自己温度制御機能を充分に発揮させることができなくなる。
ここで、キュリー点以下での発熱量をW1とし、キュリー点以上の発熱量をW2として、発熱抑制率を、
(W1−W2)/W1×100[%]
として定義すると、自己温度制御機能は整磁合金と低抵抗部材(Al芯金)の距離(整磁合金−Alのギャップ)に依存し、実験的に自己温度制御機能発揮のためには発熱抑制率が45%必要であり、これは図13のグラフに示すように、発熱層と低抵抗部材(Al芯金)の距離にしておよそ7mmとなる。従って、図10に示すような、定着ローラ132の芯金を自己温度制御機能を得るための低抵抗部材として利用する構成では、定着ニップ幅の確保が困難である。
そこで、本発明は上記の点を考慮し、定着に必要なニップ幅を形成しつつも低熱容量化を実現し、整磁合金による自己温度制御機能を充分に発揮させることができる構成の定着部材と、その定着部材を備えた定着装置を開発するに至った。
すなわち、本発明では、加圧部材と対向して定着ニップを形成するとともに、磁束励磁手段によって電磁誘導加熱される定着部材を、キュリー点が100℃〜300℃の磁性体層を有する円筒状またはベルト状の定着回転体と、この定着回転体を挟んで磁束励磁手段と対向する位置に別体で配置された前記磁性体層より抵抗率の低い部材とを備える構成とする。より具体的には、本発明では、定着回転体として、磁性体層を有する円筒状の定着スリーブまたはベルト状の定着ベルトを用い、この定着スリーブまたは定着ベルトを挟んで磁束励磁手段と対向する位置に、前記磁性体層より抵抗率の低い部材(例えば低抵抗の板状部材(以下、低抵抗板状部材と言う))を別体で配置する。これにより低抵抗板状部材と磁性体層(整磁合金)との距離を、自己温度制御機能が確実に発揮できる距離(例えば5mm以下)に設定することができる。
また、低抵抗板状部材とは別に、定着スリーブまたは定着ベルト内に、加圧部材と対向して定着スリーブまたは定着ベルトを挟み込むニップ形成部材を設ければ、定着に必要なニップ幅をも確保することができる。
以下、本発明に係る定着部材と、これを用いた定着装置、及び、その定着装置を備えた画像形成装置の具体的な実施例について説明する。
図1は本発明の一実施例を示す定着装置の構成説明図であり、同図(a)は定着装置の概略構成を示す断面図、同図(b)は(a)に示す定着装置を構成する定着部材20の点線で囲んだ部分Aの層構成を示す概略要部断面図である。
図1に示すように、本実施例の定着装置19は、磁束励磁手段としての誘導加熱部24、この誘導加熱部24によって電磁誘導加熱される定着部材20と、定着部材20に圧接する加圧部材30を備えている。
磁束励磁手段としての誘導加熱部24は、コア部25(コイルコア)とコイル部26(誘導コイル)等で構成される。コイル部26は、定着部材20の外周の一部を覆うように配設されたコア部25(または図示しないコイルガイド)に細線を束ねたリッツ線を巻回して定着部材の幅方向(図1の紙面垂直方向)に延設したものである。コア部25は、強磁性体(例えば比透磁率が1000〜3000程度のフェライト等)からなり、定着部材20の定着回転体21に向けて効率のよい磁束を形成するためにセンターコア25aやサイドコア26bが設けられている。また、コア部25は、幅方向に延設されたコイル部25に対向するように設置されている。
定着部材20は、キュリー点が100℃〜300℃の磁性体層21dを有する円筒状の定着回転体21と、この定着回転体21を挟んで誘導加熱部24と対向する位置に別体で配置された前記磁性体層より抵抗率の低い部材(例えば低抵抗板状部材)22とを備えている。また、定着回転体21内には、加圧部材30と対向する位置にローラ状で回転可能なニップ形成部材23が設けられており、このニップ形成部材23と加圧部材30とが定着回転体21を挟んで圧接し、定着ニップを形成している。
ここで、円筒状の定着回転体21は弾性変形が可能な定着スリーブであり、例えば図1(b)に示すように、磁性体層21d、低抵抗の誘導発熱層21c、弾性層21b、離型層21aの4層を積層して形成されている。なお、本実施例では4層構成としているが、誘導発熱層を省略した3層構成とすることもでき、この場合は、磁性体層21dが誘導発熱層を兼ねた構成となる。しかし、非磁性材料からなる低抵抗の誘導発熱層21aを設けることにより、誘導加熱部24に高周波用のインバータ制御回路(周波数10kHz〜1MHz)を用いて発熱効率を向上することができるので、低抵抗の誘導発熱層21cを設けるほうが好ましい。
定着スリーブ21の磁性体層21dは、例えばキュリー点が100℃〜300℃のFe−NiやCu−Ni等の整磁合金からなる層であり、その厚みは100μm以下である。ここでは一例として、磁性体層の厚みを50μmとしている。
誘導発熱層21cは、例えば体積抵抗率が5.0×10−8Ω・m以下の非磁性の金属または合金等で形成され、その厚みは50μm以下である。ここでは一例として、非磁性材料の銅(Cu)で形成された厚みが15μmの誘導発熱層としているが、良導体であれば、その他の金属や合金でもよい。
弾性層21bは、定着スリーブ21の基材を兼ねた弾性材料からなり、一例としては厚みが200μmのシリコーンゴム(Siゴム)で形成されている。
離型層21aは、例えばPFA(四フッ化−パーフルオロアルキルビニルエーテル樹脂)等のフッ素化合物で形成され、その厚さは30μmになっている。この離型層21aは、記録媒体P上のトナー像(トナー)Tが直接的に接する定着スリーブ21表面のトナー離型性を高めるためのものである。
上記のように、定着スリーブ21の基材をシリコーンゴム(Siゴム)等の弾性層21bで構成し、その一面に誘導発熱層21cと磁性体層21dをメッキ、スパッタ、蒸着等で形成し、磁性体層21dの厚みを100μm以下、誘導発熱層21cの厚みを50μm以下に設定することにより、定着スリーブ21にニップ形成に必要な柔軟性を与えることができる。
この柔軟性は、主に曲げ剛性で考えられ、金属からなる誘導発熱層21cを定着スリーブ21に使用した際には、定着スリーブ21の薄肉化により、厚みの3乗で断面2次モーメントが低下することで機械強度(曲げ剛性)が低下し、柔軟性が与えられる。
なお、曲げ剛性は、
曲げ剛性=E×I
(E:ヤング率、I:断面2次モーメント)
で定義される。
定着スリーブ21を挟んで誘導加熱部24と対向する位置に別体で配置された低抵抗板状部材22は、定着部材20の幅方向(図1の紙面に垂直な軸方向)に長手方向を延設して設置されている。そして、この低抵抗板状部材22の断面形状は、定着スリーブ21の曲率に沿った円弧形状をしており、板状部材の端部での急激な曲率の変化により、定着スリーブ21の磁性体層21dや誘導発熱層21cを構成する金属や合金が破断することを防止している。また、この低抵抗板状部材22の体積抵抗率は5.0×10−8Ω・m以下であり、非磁性の金属または合金の板材(例えばアルミニウム(Al)板、銅(Cu)板等)22bで形成されている。
低抵抗板状部材22の板材21bの厚みは磁束の浸透深さ以上、2mm以下であり、図1の例では1.5mmとしている。これは、低抵抗板状部材22によって、充分な自己温度制御を発揮するには、金属や合金からなる板材22bの厚みは板材材料の浸透深さ以上である必要がある。ただし定着部材20の低熱容量化を満たす剛性の観点から、厚みは2mm以下とした方が良い。
また、定着スリーブ21の回転方向における低抵抗板状部材22の幅は、定着スリーブ21の発熱層の加熱幅(センターコア25aを挟んで両側の矢印Bの範囲(発熱範囲)を合わせた幅)としている。この加熱幅は、おおよそコイル幅となる。この幅内に低抵抗板状部材21が配置されれば、自己温度制御機能が十分に発揮される。また、これ以上の幅とすることは、低熱容量化の観点から好ましくない。
本実施例の定着部材20では、低抵抗板状部材22を、ニップ形成部材23とは独立させて、誘導加熱部24と対向する位置に別体で配置しているので、定着スリーブ21に近接して低抵抗板状部材22を配置することが容易であり、定着スリーブ21の磁性体層21dと低抵抗板状部材22との距離を10mm以下に容易に縮めることが可能であり、定着部材20が自己温度制御機能を確実に発揮するための距離(磁性体層21dと低抵抗板状部材22とのギャップ:5mm以下)に設定することができる。
また、本実施例の定着部材20では、低抵抗板状部材22を構成する板材22bと定着スリーブ21の間に断熱部材22aを設けている。このように、断熱部材22aで低抵抗板材22bが定着スリーブ21に直接接触することを規制する事で、定着スリーブ21から低抵抗板状部材22への熱移動が抑制される。これにより実質的な低熱容量化が実現できる。なお、断熱部材22aとしては、所謂発泡素材のものやフェルトなどが好ましい。
ところで、定着装置19の通常の使用を考えた場合、記録媒体Pの通紙は定着部材20の幅方向(図1の紙面に垂直な軸方向)の中央が基準であり、サーミスタやサーモパイル等の温度センサにより温度が検知される温度制御点も同じく幅方向(軸方向)の中央が基準であるため、定着スリーブ21の中央部分が過度に温度上昇することはない。このため、定着スリーブ21の幅方向(軸方向)の中央で、対応最小用紙幅の通紙範囲では、過昇温防止用の自己温度制御機能はあまり必要ではない。このため、定着スリーブ21の回転方向における低抵抗板状部材22の幅は、低熱容量化のためにも定着部材の軸方向で断面形状を変化させることが望ましい。図2はその一例を示す定着部材の構成説明図であり、同図(b)に示すように、この定着部材20の定着スリーブ21の内周側に配置された低抵抗板状部材22では、低抵抗板材22bの定着スリーブ回転方向の幅を、定着スリーブ21の幅方向(軸方向)の中央で変化(狭く)している。ただし、低抵抗板状部材22を一体成形するためにも、定着スリーブ21の幅方向(軸方向)の中央の低抵抗板材22bを全て取り去る必要は無く、中央部にコイル幅よりも幅の狭い低抵抗板材22bを残しておいても良い。
図1に示す構成の定着装置19では、定着部材20の定着スリーブ21内には、加圧部材30と対向する位置にローラ状で回転可能なニップ形成部材23が設けられており、このニップ形成部材23と加圧部材30とが定着スリーブ21を挟んで圧接し、定着ニップを形成している。そして、このような定着ニップ形成用のニップ形成部材23と、上記の低抵抗板状部材22とを別々に設けたことにより、自己温度制御機能発揮のための構成と、定着ニップ形成用の構成を両立させることができ、定着に必要なニップ幅を形成しつつも低熱容量化を実現し、昇温効率を低下させることなく幅方向両端部における過昇温をも確実に防止できる。
図1に示す構成の定着装置19では、ニップ形成部材23は、芯材23aを軸として、その周囲にローラ状の弾性変形が可能な断熱材23bを設けた2層構成であり、芯材23aを中心に回転可能となっている。
また、加圧部材30は、芯金30aと、シリコーンゴム等の弾性材料で形成される弾性層30bを有する加圧ローラであり、この加圧ローラ30は、定着部材20の定着スリーブ21内に設けたニップ形成部材23に対向して配置されている。そして、加圧ローラ30で定着スリーブ21をニップ形成部材23側に加圧して定着ニップを形成する。この際、ニップ形成部材23の断熱材23bは、加圧ローラ30よりも柔らかい弾性材料(例えばウレタンゴム等の発泡材料)からなり、定着ニップ部では、定着スリーブ21側が凹形状に凹む構成となっている。これにより記録媒体P上のトナー像Tを定着する際に必要なニップ幅を確実に確保することができる。
次に本実施例の構成の定着装置の特性を評価する試作実験を行った。本試作実験例では、Fe−Ni系整磁合金からなる厚さ35μmの磁性体層上に、Cu誘導発熱層を中央部10μmの厚さで形成することで定着スリーブ21を形成した。次にアルミニウムを用いて厚さが1.5mmの低抵抗板状部材22を形成し、その板状部材22b上に厚さ1mmの発泡ゴムの断熱層22aを配置した。上記のようにして試作した定着スリーブ21と、低抵抗板状部材22を、図1(a)に示す構成の定着装置19の定着部材20に用い、誘導加熱実験を行い、特性を評価した。その結果、自己温度制御に必要な発熱抑制率は95%以上となった。また、定着スリーブ21内にローラ状のニップ形成部材23を配置したことにより、十分な定着ニップ幅を得ることに成功した。
以上に説明した図1に示す構成の定着装置の実施例では、ニップ形成部材23は2層構成のローラとしたが、芯材23aの無い、1層構成のローラとしても良い。また、ローラ状に限定されるものではなく、ニップ形成部材23にパッド状部材を用いてもよい。
ここで、図3は本発明の別の実施例を示す定着装置の概略構成図であり、ニップ形成部材23をパッド状部材27で構成した例である。このパッド状部材27は断熱材からなり、バネ等の押圧部材で加圧ローラ30側に押圧されて定着ニップを形成する。この際、ニップ形成部材23のパッド状部材27は、加圧ローラ30よりも柔らかい弾性材料(例えばウレタンゴム等の発泡材料)からなり、定着ニップ部では、定着スリーブ21側が凹形状に凹む構成となっている。これにより図1の構成と同様に、記録媒体P上のトナー像Tを定着する際に必要なニップ幅を確実に確保することができる。
ところで、図1に示す構成の定着装置では、定着部材20と加圧ローラ30を回転する駆動手段は、ローラ状のニップ形成部材23と加圧ローラ30のいずれか一方に設けられ、駆動手段により一方が回転され、他方が従動回転する構成である。そして定着駆動時には、ニップ形成部材23が時計回りに回転し、加圧ローラ30が反時計周りに回転し、定着スリーブ21が時計回りに回動して、トナー像を担持した記録媒体Pを定着ニップ部で挟持搬送し、誘導加熱部24で加熱された定着スリーブ21による加熱と、加圧ローラ30による加圧で、トナー像を記録媒体Pに定着する。
一方、図3に示す構成の定着装置のように、ニップ形成部材23をパッド状部材27で構成した場合は、パッド状部材27は回転することができないので、定着部材20と加圧ローラ30を回転する駆動手段は、加圧ローラ30側にのみ設けられ、加圧ローラ30が反時計周りに回転することによって。定着スリーブ21を時計回りに回動させる構成となる。そして定着駆動時には、加圧ローラ30が反時計周りに回転し、定着スリーブ21を時計回りに回動して、トナー像を担持した記録媒体Pを定着ニップ部で挟持搬送し、誘導加熱部24で加熱された定着スリーブ21による加熱と、加圧ローラ30による加圧で、トナー像を記録媒体Pに定着する。
なお、図1に示す構成の定着装置では、低抵抗板状部材22は定着スリーブ21の内部に別体で固定配置されているが、定着スリーブ21の磁性体層(整磁合金)に近接させているため、定着スリーブ21の回動時に、低抵抗板状部材22に設けた断熱部材22aと定着スリーブ21の内周面が接触する状態となり、摺動時の摩擦による疲労で、定着スリーブ21の内周面側に形成された磁性体層が破断する恐れがある。また、図3に示す構成の定着装置では、ニップ形成部材23をパッド状部材27で構成しているので、定着スリーブ21の回動時には、パッド状部材27と定着スリーブ21の内周面とが摺動する状態となり、定着スリーブ21の内周面側に形成された磁性体層が摩擦による疲労で破断する恐れがある。そこで、本実施例では、このような問題を解消するため定着スリーブ21の内周面に潤滑剤を塗布する構成とした。
本実施例の定着装置では、定着スリーブ21内に摺動部材を配する構成となっているため、摩擦による疲労が起こるが、潤滑剤を塗布することで摩擦による疲労を大幅に低減でき、磁性体層の破断等の問題を低減することができる。なお、潤滑剤としては、フッ素グリスやシリコーンオイルに代表されるような潤滑剤を適宜使用できる。また、この潤滑剤を、例えば低抵抗板状部材22に設けた断熱部材22aや、ニップ形成部材23を構成するパッド状部材27に予め染み込ませておく等の手段により、定着スリーブ21の内周面に潤滑剤を容易に塗布することができる。
以上、本発明に係る定着部材及び定着装置の一実施例を説明したが、定着部材20を構成する定着回転体は、図1〜3に示したような円筒状の定着スリーブ21に限るものではなく、定着ベルトで構成しても良い。
図4はその一実施例を示すものであって、定着回転体として定着ベルトを用いた定着装置の概略構成図である。図4に示す定着装置においては、磁束励磁手段である誘導加熱部24や、加圧部材である加圧ローラ30の構成は、図1の定着装置と同じであるが、定着部材20を構成する定着回転体が、低抵抗板状部材22とニップ形成部材23とで支持される可撓性を有する定着ベルト28で構成されている。
この定着ベルト28の層構成は、例えば図1(b)と同様であり、磁性体層、低抵抗の誘導発熱層、弾性層、離型層の4層を積層して形成されている。定着ベルト28の磁性体層は、例えばキュリー点が100℃〜300℃のFe−NiやCu−Ni等の整磁合金からなる層であり、その厚みは100μm以下である。誘導発熱層は、例えば体積抵抗率が5.0×10−8Ω・m以下の非磁性の金属または合金等で形成され、その厚みは50μm以下である。ここでは一例として、非磁性材料の銅(Cu)の薄層をメッキやスパッタ、蒸着等で形成した誘導発熱層としているが、良導体であれば、その他の金属や合金でもよい。
弾性層は、定着ベルト28の基材を兼ねたシリコーンゴム(Siゴム)等の弾性材料で形成されており、可撓性を有するベルトとしての機能を失わない厚さに形成されている。
離型層は、例えばPFA(四フッ化−パーフルオロアルキルビニルエーテル樹脂)等のフッ素化合物の薄層で形成されている。
上記のように、定着ベルト28の基材をシリコーンゴム(Siゴム)等の弾性層で構成し、その一面に誘導発熱層と磁性体層を形成し、磁性体層の厚みを100μm以下、誘導発熱層21cの厚みを50μm以下に設定することにより、定着ベルト28にニップ形成に必要な柔軟性を与えることができる。
定着ベルト28は、誘導加熱部24のコイル26に沿って対向して固定配置されている断面形状を円弧状に形成された低抵抗板状部材22と、回転可能なローラ状のニップ形成部材23とで回動可能に支持されており、誘導加熱部24で、前述の定着スリーブと同様に誘導加熱される。また、この際の、自己温度制御機能の概要は前述の定着スリーブを用いた場合と同様である。
定着ベルト28がニップ形成部材23に架設された位置では加圧部材30が圧接し、定着ニップを形成している。この際、ニップ形成部材23の断熱材23bは、加圧ローラ30よりも柔らかい弾性材料(例えばウレタンゴム等の発泡材料)からなり、定着ニップ部では、定着ベルト28側が凹形状に凹む構成となっている。これにより記録媒体P上のトナー像Tを定着する際に必要なニップ幅も確実に確保することができる。
図4に示す構成の定着装置では、定着部材20と加圧ローラ30を回転する駆動手段は、ローラ状のニップ形成部材23と加圧ローラ30のいずれか一方に設けられ、駆動手段により一方が回転され、他方が従動回転する構成である。そして定着駆動時には、ニップ形成部材23が時計回りに回転し、加圧ローラ30が反時計周りに回転し、定着ベルト28が時計回りに回動して、トナー像を担持した記録媒体Pを定着ニップ部で挟持搬送し、誘導加熱部24で加熱された定着ベルト28による加熱と、加圧ローラ30による加圧で、トナー像を記録媒体Pに定着する。
図4に示す構成の定着装置では、低抵抗板状部材22は定着ベルト28の内部に別体で固定配置されているが、定着ベルト28の支持部材を兼ねた構成としているため、定着ベルト28の回動時に、低抵抗板状部材22に設けた断熱部材22aと定着ベルト28の内周面が接触する状態となり、摺動時の摩擦による疲労で、定着ベルト28の内周面側に形成された磁性体層が破断する恐れがある。そこで、本実施例では、このような問題を解消するため定着ベルト28の内周面に潤滑剤を塗布する構成としている。
本実施例の定着装置では、定着ベルト28内に摺動部材を配する構成となっているため、摩擦による疲労が起こるが、潤滑剤を塗布することで摩擦による疲労を大幅に低減でき、磁性体層の破断等の問題を低減することができる。なお、潤滑剤としては、前述したように、フッ素グリスやシリコーンオイルに代表されるような潤滑剤を適宜使用できる。また、この潤滑剤を、例えば低抵抗板状部材22に設けた断熱部材に予め染み込ませておく等の手段により、定着ベルト28の内周面に潤滑剤を容易に塗布することができる。
以上、本発明に係る定着部材及び定着装置の実施例を説明したが、次に本発明の定着装置を用いた画像形成装置の実施例を説明する。
上述の実施例で説明した定着装置は、モノクロの複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ等の画像形成装置に好適に利用できることは言うまでもないが、発熱効率が良く、立ち上がりが早く、自己温度制御機能による過昇温防止効果にも優れているので、高品質な定着性能が得られ、多色やフルカラー画像を形成する画像形成装置に利用するのに好適である。そこで、ここでは、フルカラー画像形成装置の構成例を説明する。
図5は画像形成装置全休の構成例を示す概略構成図である。
図5において、符号1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が形成される感光体ドラム(像担持体)、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写パイアスローラ、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示している。
また、符号16は転写ベルト17を清掃する転写ベルトクリーニング部、17は複数色のトナー像が記録媒体P上に重ねて担持されるように記録媒体Pを搬送する転写ベルト、19は記録媒体P上のトナー像(未定着画像)を定着する電磁誘導加熱方式の定着装置、を示している。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ロ一ラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス5上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に向けて発せられる。
一方、4つの感光休ドラム11Y、11M、11C、11BKは、それぞれ、図1の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Bkの表面は、帯電部12との対向部で、一様に帯電される(帯電工程)。こうして、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Bk上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11Y、11M、11C、11Bk表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Y表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部12にて帯電された後の感光体ドラム11Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11M表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11C表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙同左から4番目の感光休ドラム11BK表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、現像部13との対向位置に達する。そして、各現像郎13から感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の潜像が現像される(現像工程)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスロ一ラ14の位置で、転写ベルト17上の記録媒体Pに、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(転写工程)。
そして、転写工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、クリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、感光体11Y、11M、11C、11BK上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して除電され、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが重ねて転写(担持)された記録媒体Pは、図中の矢印方向に走行して、分離チャージャ18との対向位置に達する。そして、分離チャージャ18との対向位置で、記録媒体Pに蓄積された電荷が中和されて、トナーのちり等を生じさせることなく記録媒体Pが転写ベルト17から分離される。
その後、転写ベルト17表面は、転写ベルトクリーニング郎16の位置に達する。そして、転写ベルト17上に付着した付着物が転写ベルトクリーニング部16に回収される。
ここで、転写ベルト17上に搬送される記録媒体Pは、絵紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、不図示の搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、転写ベルト17の位置に向けて搬送される。
そして、上記の転写工程を経てフルカラー画像が転写された記録媒体Pは、転写ベルト17から分離された後に定着装置19に導かれる。
定着装置19は前述の実施例で説明した構成の電磁誘導加熱式の定着装置であり、この定着装置19では、電磁誘導加熱される定着部材20と加圧ローラ30とのニップにて、未定着のカラートナー像を担持した記録媒体Pが加熱・加圧され、カラー画像(トナー)が記録媒体P上に定着される(定着工程)。
そして定着工程後の記録媒体Pは、不図示の排紙ローラによって、装置本体1外の図示しない排紙トレイ等に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
図5に示す画像形成装置では、前述の定着装置の実施例で説明したような(図1〜4のいずれかの構成)、立ち上がりの早い昇温を行うことができ、かつ昇温効率を低下させることなく幅方向両端部における過昇温をも確実に防止できる、安全性に優れた低コストな定着装置19を備えることにより、低コストで省エネルギー効果を得られ、定着性も良好で、安全性にも優れている。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は前記実施例に示した構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において、前記実施例の中で示唆した以外にも、前記実施例は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記実施例の構成部材の数、配置、形状等は前記実施例に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、配置、形状等にすることができる。
本発明の一実施例を示す定着装置の構成説明図である。 本発明の別の実施例を示す定着装置の構成説明図である。 本発明の別の実施例を示す定着装置の構成説明図である。 本発明の別の実施例を示す定着装置の構成説明図である。 本発明の別の実施例を示す画像形成装置の構成説明図である。 従来技術の一例を示す定着装置の概略構成図である。 従来技術の別の例を示す定着装置の概略構成図である。 従来技術の別の例を示す定着装置の概略構成図である。 本発明に係る定着部材の自己温度制御機能の原理の説明図である。 自己温度制御機能を有する定着装置の基本構成の説明図である。 図10に示す構成の定着装置の課題の説明図である。 図10に示す構成の定着装置の別の課題の説明図である。 整磁合金と低抵抗部材(Al)のギャップに対する、磁気結合率及び発熱抑制率の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 画像形成装置本体(装置本体)
19 定着装置
20 定着部材
21 定着スリーブ(定着回転体)
21a 離型層
21b 弾性層
21c 誘導発熱層
21d 磁性体層(整磁合金)
22 低抵抗板状部材(磁性体層より抵抗率の低い部材)
22a 断熱部材
22b 低抵抗板材
23 ニップ形成部材
24 誘導加熱部(磁束励磁手段)
25 コア部(コイルコア)
26 コイル部(誘導コイル)
27 パッド状部材
28 定着ベルト(定着回転体)
30 加圧ローラ(加圧部材)
P 記録媒体
T トナー像

Claims (25)

  1. 加圧部材と対向して定着ニップを形成するとともに、磁束励磁手段によって電磁誘導加熱され、円筒状またはベルト状の定着回転体とを備えた定着装置において、
    前記定着回転体の内側に、キュリー点が100℃〜300℃の磁性体部が配置されていて、
    前記定着装置は、前記定着回転体を挟んで前記磁束励磁手段と対向する位置であり、且つ前記定着回転体の内周側に配置され、且つ前記磁性体部より抵抗率の低い部材とを備え、前記抵抗率の低い部材の、前記定着回転体の回転方向における幅を、前記定着回転体の回転の軸方向の中央付近で一部狭くさせたことを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1記載の定着装置において、前記定着回転体の回転方向における前記抵抗率の低い部材の幅は、前記定着回転体の加熱幅以下としたことを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1または2に記載の定着装置において、前記抵抗率の低い部材と前記定着回転体の間に断熱部材を設けたことを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の定着装置において、前記抵抗率の低い部材は、板状部材であることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の定着装置において、前記定着回転体は、低抵抗の誘導発熱層を有することを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の定着装置において、前記磁性体部は、温度によって磁束の透過を制御する整磁機能を有することを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の定着装置において、前記抵抗率の低い部材の断面形状は、前記定着回転体の曲率に沿った円弧形状としたことを特徴とする定着装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の定着装置において、前記抵抗率の低い部材の体積抵抗率は5.0×10 −8 Ω・m以下であることを特徴とする定着装置。
  9. 請求項5乃至8のいずれか一項に記載の定着装置において、前記定着回転体の誘導発熱層は体積抵抗率が5.0×10 −8 Ω・m以下であることを特徴とする定着装置。
  10. 請求項8に記載の定着装置において、前記抵抗率の低い部材は非磁性の金属または合金からなることを特徴とする定着装置。
  11. 請求項9に記載の定着装置において、前記定着回転体の誘導発熱層は非磁性の金属または合金からなることを特徴とする定着装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の定着装置において、前記定着回転体は、前記磁性体層または前記誘導発熱層の上に、弾性層と離型層を有することを特徴とする定着装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の定着装置において、前記抵抗率の低い部材の厚みは磁束の浸透深さ以上、2mm以下とすることを特徴とする定着装置。
  14. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の定着装置において、前記磁性体部と前記抵抗率の低い部材との距離は5mm以下としたことを特徴とする定着装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれか一項に記載の定着装置において、前記定着回転体内に、弾性変形が可能な断熱材からなるニップ形成部材を有することを特徴とする定着装置。
  16. 請求項15記載の定着装置において、前記ニップ形成部材は、回転可能に設けられたローラ状部材であることを特徴とする定着装置。
  17. 請求項15記載の定着装置において、前記ニップ形成部材は、パッド状部材であることを特徴とする定着装置。
  18. 請求項1乃至17のいずれか一項に記載の定着装置において、前記定着回転体の内周面に潤滑剤を塗布することを特徴とする定着装置。
  19. 請求項15乃至18のいずれか一項に記載の定着装置において、前記定着回転体は、前記ニップ形成部材で支持される弾性変形が可能な定着スリーブであることを特徴とする定着装置。
  20. 請求項15乃至18のいずれか一項に記載の定着装置において、前記定着回転体は、前記抵抗率の低い部材と前記ニップ形成部材で支持される可撓性を有する定着ベルトであることを特徴とする定着装置。
  21. 請求項1乃至20のいずれか一項に記載の定着装置において、前記加圧部材は、前記定着回転体内に設けたニップ形成部材に対向して配置され、前記加圧部材で前記定着回転体を前記ニップ形成部材側に加圧して定着ニップを形成することを特徴とする定着装置。
  22. 請求項21記載の定着装置において、前記ニップ形成部材は、前記加圧部材よりも柔らかい弾性材料からなり、前記定着ニップ部では、前記定着回転体側が凹形状となることを特徴とする定着装置。
  23. 請求項1乃至22のいずれか1項に記載の定着装置において、前記加圧部材は加圧ローラであることを特徴とする定着装置。
  24. 請求項23記載の定着装置において、前記加圧ローラに駆動手段を有することを特徴とする定着装置。
  25. 像担持体に画像を形成する手段と、前記像担持体上の画像を記録媒体に転写する手段と、前記記録媒体に転写された画像を定着する手段を備えた画像形成装置において、前記定着手段として、請求項1乃至24のいずれか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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