JP6167686B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着ベルトを加熱して記録シート上の未定着画像を熱定着させる定着装置および画像形成装置に関し、特に、定着装置の耐久性を向上させる技術に関する。
プリンターなどの画像形成装置は、定着ローラーなどの加熱部材に加圧ローラーを押し付けて定着ニップを形成し、この定着ニップに記録シートを通紙させることにより記録シート上に形成されたトナーなどの未定着画像を熱定着する定着装置を備えている。
このような定着装置において、ウォームアップ時に、加熱部材の熱容量をできるだけ小さくして、ウォームアップ時間の短縮化を図るものが提案されている(例えば、特許文献1)。
図12は、このような定着装置500の一例を示す図である。
定着装置500は、同図に示すように、両端に一対の回転軸502を有する押圧ローラー501と、一対のリング状の支持部材503と、円筒状の定着ベルト504と、定着ベルト504に対して圧接および離間可能な加圧ローラー505と、定着ベルト504を誘導加熱する不図示の誘導コイルなどからなる。
同図において省略線よりも左側は、加圧ローラー505が定着ベルト504から離間している状態を示し、また、同図の省略線よりも右側は、加圧ローラー505が定着ベルト504に圧接している状態を示している。
定着ベルト504は、押圧ローラー501の外周面と所定の隙間Dsを介して配され、その両端部において、押圧ローラー501の回転軸502に同軸上に取着された支持部材503により保持されている。
定着ベルト504の端部内周面と支持部材503の外周面間、および支持部材503の軸穴内周面と回転軸502間はそれぞれ接着剤などを介して固着されている。
このような構成において、ウォームアップ時に左側の図のように、加圧ローラー505を定着ベルト504から離間させることにより、定着ベルト504に付与された熱量が加圧ローラー505に伝わって逃げるのを防止すると共に、定着ベルト504の内周面が押圧ローラー501にも接触しないので、定着ベルト504のみを効率的に加熱することができ、ウォームアップ時間の短縮化を図ることができる。
記録シートを通紙して定着する際には、加圧ローラー505を定着ベルト504側に圧接して定着ニップを形成して(図12の右側の状態)、トナーの定着性を確保している。
ところで、このような圧接状態においては、加圧ローラー505により定着ベルト504の中央部を押圧ローラー501側に押し込むことにより、定着ベルト504の両端部を中央部側に向けて引き込むような張力が生じたり、あるいは、加圧ローラー505による押圧力が軸方向の左右で均等に付与されない状態で押圧ローラー501を回転させた場合、定着ベルト504を軸方向のどちらか一方に移動させようとする力が生じ、いずれにしても、定着ベルト504と、その両端部に設けられた支持部材503との接合部を介して、支持部材503を軸方向に移動させて変形させようとする力(以下、「スラスト力」という。)が生じる。
このため、特許文献1の定着装置500では、支持部材503を弾性体で形成することにより、定着ベルト504からスラスト力を受けても、弾性変形により吸収するように構成されている。
特開2011−118273号公報 特開2006−47768号公報 特許第4803962号公報 特開2011−118164号公報 特開2011−118298号公報
しかしながら、上記スラスト力による弾性変形を何回も繰り返すことにより、支持部材503に疲労が蓄積され、特に、図12の楕円P、Q内の部分拡大図に示すように、支持部材503と回転軸502との接合部付近(楕円P内)および定着ベルト504と支持部材503との接合部付近(楕円Q内)において破損(疲労破壊)が生じ、定着装置500の耐久性を低下させてしまうという問題が生じていた。
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたものであって、定着ベルトをその両端部において支持部材を介して回転可能に保持する構成を有する定着装置における耐久性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の1つの観点による定着装置は、加熱手段により加熱される無端状で非張架のベルトの内側に押圧部材を配すると共に、前記ベルトの外側に配された加圧ローラーと前記押圧部材との一方を他方で、前記ベルトを介して押圧することにより定着ニップを形成し、未定着画像の形成された記録シートを当該定着ニップに通紙して熱定着する定着装置であって、外部のモーターから駆動力を受けて回転自在な回転軸と、前記ベルトの幅方向両端部の内周面をそれぞれの外周面で回転自在に支持しているリング状の弾性を有する一対の部材であり、前記回転軸に同軸に固定されている一対の支持部材とを備えている。前記加圧ローラーは、前記押圧部材に圧接する第1の位置と、前記ベルトから離間した第2の位置とに移動自在である。前記ベルトは、前記加圧ローラーが前記第1の位置にある間は前記加圧ローラーの回転に伴って従動回転し、前記加圧ローラーが第2の位置にある間は前記一対の支持部材の回転に伴って回転する。前記加圧ローラーが前記第1の位置へ移動したことに起因するスラスト力を前記ベルトが受けた場合、前記ベルトの内周面は前記一対の支持部材の外周面上を幅方向に滑動自在である
本発明のもう1つの観点による定着装置は、加熱手段により加熱される無端状で非張架のベルトの内側に押圧部材を配すると共に、前記ベルトの外側に配された加圧ローラーと前記押圧部材との一方を他方で、前記ベルトを介して押圧することにより定着ニップを形成し、未定着画像の形成された記録シートを当該定着ニップに通紙して熱定着する定着装置であって、外部のモーターから駆動力を受けて回転自在な回転軸と、前記ベルトの幅方向両端部の内周面をそれぞれの外周面で回転自在に支持しているリング状の弾性を有する一対の部材であり、前記回転軸によって同軸に、かつ前記回転軸の回転に伴って前記回転軸のまわりを回転自在に支持されている一対の支持部材とを備えている。前記加圧ローラーは、前記押圧部材に圧接する第1の位置と、前記ベルトから離間した第2の位置とに移動自在である。前記ベルトは、前記加圧ローラーが前記第1の位置にある間は前記加圧ローラーの回転に伴って従動回転し、前記加圧ローラーが第2の位置にある間は前記一対の支持部材の回転に伴って回転する。前記加圧ローラーが前記第1の位置へ移動したことに起因するスラスト力を前記一対の支持部材のそれぞれが受けた場合、当該支持部材は前記回転軸の外周面上を軸方向に滑動自在である。
前記押圧部材は、前記定着ニップが形成されている状態で、前記定着ニップに対応する前記押圧部材の部分が前記ベルトの内周面に密着し、それ以外の部分が前記ベルトの内周面に接触しないように配置されていることが望ましい。
前記押圧部材は、前記ベルトの内側に遊挿され、かつ回転自在に保持された押圧ローラーであって、前記押圧ローラーの軸心は、前記回転軸の軸心よりも、前記加圧ローラー寄りに位置していることが望ましい。前記押圧部材は、前記ベルトの内側に配された長尺状のパッド部材であってもよい。
前記ベルトの幅は、前記加圧ローラーのローラー本体の軸方向長さよりも大きく、前記ベルトの幅方向における両外側には、前記ベルトの幅方向における移動を規制する一対の規制部材が配設されていることが望ましい。
前記加圧ローラーを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させる移動手段と、ウォームアップ時には、前記加圧ローラーを前記第2の位置に移動させ、ウォームアップ完了後に前記加圧ローラーを前記第1の位置に移動させるように前記移動手段を制御する接離制御手段とを更に備えることが望ましい。
前記押圧部材は、前記加圧ローラーが前記第2の位置に移動して前記ベルトが変形していない状態に復帰したときに、前記ベルトの内周面に接触しない位置に配されていることが望ましい。
前記加圧ローラーを回転させる第1の駆動源と、前記回転軸を回転させる第2の駆動源と、少なくともウォームアップ時には前記第2の駆動源を駆動させ、少なくとも定着動作実行時には前記第1の駆動源を駆動させる駆動制御手段と、前記第2の駆動源から前記回転軸へ至る動力伝達路に介設され、前記動力伝達路を、動力を伝達するモードと遮断するモードとの間で択一的に切り替える駆動力伝達切替手段とを更に備え、前記駆動力伝達切替手段は、前記加圧ローラーが前記第2の位置にあるときには前記ベルトが前記第2の駆動源により回転駆動され、前記加圧ローラーが前記第1の位置にあるときには、前記第1の駆動源により駆動されている前記加圧ローラーの回転に伴い前記ベルトが従動回転するように前記動力伝達路のモードを切り替えることが望ましい。
前記駆動力伝達切替手段は、ワンウェイクラッチであって、前記第2の駆動源は、前記ベルトの周速が前記加圧ローラーの周速よりも遅くなるように前記回転軸を回転させていることが望ましい。
本発明の別の観点による定着装置は、加熱手段により加熱される無端状のベルトの周回経路内側に押圧部材を配すると共に、前記ベルトの周回経路外側に配された加圧ローラーを、前記ベルトを介して前記押圧部材に相対的に押圧することにより定着ニップを形成し、未定着画像の形成された記録シートを当該定着ニップに通紙して熱定着する定着装置であって、前記ベルトの幅方向両端部には、それぞれ回転軸を有し、弾性を有すると共に、前記ベルトに内接して、当該ベルトを回転自在に支持する一対の支持部材が配設されており、前記ベルトが、前記支持部材により前記幅方向に滑動自在な状態で支持されている、および/または、前記支持部材が、前記回転軸に対して前記幅方向に滑動自在な状態で支持されており前記一対の支持部材はそれぞれ、前記ベルトの幅方向において空気が流動可能な間隙を有する
本発明の更に別の観点による定着装置は、加熱手段により加熱される無端状のベルトの周回経路内側に押圧部材を配すると共に、前記ベルトの周回経路外側に配された加圧ローラーを、前記ベルトを介して前記押圧部材に相対的に押圧することにより定着ニップを形成し、未定着画像の形成された記録シートを当該定着ニップに通紙して熱定着する定着装置であって、前記ベルトの幅方向両端部には、それぞれ回転軸を有し、弾性を有すると共に、前記ベルトに内接して、当該ベルトを回転自在に支持する一対の支持部材が配設されており、前記ベルトが、前記支持部材により前記幅方向に滑動自在な状態で支持されている、および/または、前記支持部材が、前記回転軸に対して前記幅方向に滑動自在な状態で支持されており、前記一対の支持部材はそれぞれ、その外周面に、複数の凹凸が設けられると共に、当該凸部分で前記ベルトに内接して支持している。
前記ベルトは、金属材料からなる発熱層を有し、前記加熱手段は、前記ベルトの周面に対向して配され、交番磁束を発生する磁束発生部であって、前記発熱層を誘導加熱するとしてもよい。
もしくは、前記ベルトは、抵抗発熱体層を有し、前記加熱手段は、前記抵抗発熱体層に給電することによりジュール発熱させるとしてもよい。
また、本発明は、上記定着装置を備えた画像形成装置としてもよい。
上記構成によれば、ベルトの両端部とこれを支持する支持部材との間、もしくは支持部材と回転軸との間の少なくとも一方において回転軸方向に滑動可能になっており、定着ニップの形成によりベルトから支持部材にスラスト力が作用しようとしても、当該滑動部分においてスラスト力が逃がされるため、支持部材がスラスト力により回転軸方向に弾性変形する頻度およびその大きさを可及的に低減することができる。これにより支持部材への弾性疲労の蓄積を防止し、耐久性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略断面図である。 (a)および(b)は、上記定着装置の構成を示す横断面図である。 上記定着装置の縦断面図である。 擬似ニップを説明するための図である。 上記プリンターの制御部とこれに接続される各機能部との関係を示す機能ブロック図である。 上記制御部が実施する加圧ローラー接離制御処理の内容を示すフローチャートである。 加圧ローラー接離制御処理の有無による定着ベルトの加熱速度の違いを示す図である。 (a)および(b)は、上記実施の形態に係る定着装置の変形例を示す図である。 (a)〜(d)は、上記実施の形態に係るベルト支持部材の変形例を示す図である。 (a)および(b)は、上記実施の形態に係る定着装置の変形例を示す図である。 上記実施の形態に係る定着装置の変形例の断面図である。 従来の定着装置の構成を示す図である。
(1)実施の形態
以下、本発明の実施の形態に係る画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。
(1−1)画像形成装置の構成
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるプリンターの構成を説明するための概略断面図である。
プリンター1は、画像形成部10と、給紙部20と、定着部30と、制御部6とを備える。
給紙部20は、給紙カセット21と、繰り出しローラー22と、捌き部23と、タイミングローラー対24などを有している。
給紙カセット21は、記録シートを収容するものである。
繰り出しローラー22は、給紙カセット21の最上位の記録シートに接触して、これを記録シートの搬送路に繰り出すものである。
捌き部23は、給紙ローラー23aと捌きローラー23bが、互いに当接して捌きニップを形成し、捌きローラー23bにトルクリミッター(不図示)が取着されて記録シートに対して搬送方向と反対方向に摩擦抵抗を付与する構成となっている。
これにより、繰り出しローラー22で連れ送りされた記録シートがあっても、それ以上搬送されなくなり、記録シートは、捌かれて1枚に分離される。
タイミングローラー対24は、制御部6から指示されたタイミングで記録シートを搬送方向の下流側(以下、「シート搬送方向下流側」といい、また、記録シートの搬送方向の上流側を、以下、「シート搬送方向上流側」という。)に送り出すものである。
画像形成部10は、同図に示すように、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色のそれぞれに対応する作像ユニット11Y、11M、11C、11Kと、これらのユニットに内蔵された感光体ドラム12とそれぞれ対向する一次転写ローラー14と、中間転写ベルト13、二次転写ローラー15等を備えている。
作像ユニット11Y、11M、11C、11Kは、同図に示すように、中間転写ベルト13に沿って、この順序で所定の間隔をおいて配置されている。
例えば、作像ユニット11Kは、感光体ドラム12並びに、当該感光体ドラム12の周方向に沿って配置された帯電器16、露光部17、現像器18及びクリーナー19を備える。
感光体ドラム12は、不図示の駆動源により回転駆動されており、クリーナー19で表面の残留トナーが除去された後、帯電器16により一様に帯電され、露光部17から射出されるレーザー光により露光走査されて、感光体ドラム12の表面に静電潜像が形成される。
感光体ドラム12に形成された静電潜像は、現像器18により現像され、これにより感光体ドラム12の表面にブラックのトナー像が作像される。
他の作像ユニット11Y、11M、11Cも作像ユニット11Kとトナーの色以外は全く同様の構成であり、作像ユニット11Y、11M、11Cの各感光体ドラム12にY、M、Cの各色のトナー像が作像される。
上記作像ユニット11Y、11M、11C、11Kにおける作像動作は、各トナー像が中間転写ベルト13上の同じ位置に重ね合わせて転写されるようにタイミングをずらして実行されており、一次転写ローラー14により中間転写ベルト13上に多重転写され、カラーのトナー像が形成される。
中間転写ベルト13上に形成されたカラーのトナー像の二次転写位置への移動に合わせて、給紙部20からは、タイミングローラー対24を介して記録シートが給送されており、二次転写位置において二次転写ローラー15に印加された電圧による静電力によって、中間転写ベルト13上のトナー像が、記録シート上に二次転写され、その後、定着部30に搬送される。
記録シートが定着部30を通過する過程で、当該記録シートは、表面に転写されたトナー像が加熱および加圧されて記録シートに熱定着された後、一対の排出ローラー31を介して排紙トレイ32に排紙される。
制御部6は、画像形成部10、給紙部20および定着部30などを統一的に制御して画像形成動作を円滑に実行させる。
また、制御部6は、定着部30における加圧ローラー180を定着ベルト150に当接・離間する加圧ローラー接離制御処理を実行する。詳しくは後述する。
(1−2)定着部の構成
図2(a)および(b)は、定着部30の構成を示す横断面図である。
図2(a)に示すように、定着部30は、押圧ローラー140、定着ベルト150、加圧ローラー180、加圧ローラー移動機構190および磁束発生部200などからなる。
このうち、加圧ローラー移動機構190は、加圧ローラー180を移動させて、当該加圧ローラー180を、定着ベルト150を介して押圧ローラー140に圧接させたり(以下、この状態を「圧接状態」という。)、定着ベルト150から離間させたり(以下、この状態を「離間状態」という。)するものである。
図2(a)では、上記の圧接状態における定着部30の様子を示し、図2(b)では、離間状態における定着部30の様子を示している。
<磁束発生部>
磁束発生部200は、図2(a)に示すように、誘導コイル201を有し、定着ベルト150の周回経路外側であって、定着ベルト150を挟んで加圧ローラー180と対向する位置に、定着ベルト150に対して、数[mm]程度の間隔を空けた状態で、ベルト幅方向に沿うように配置される。
誘導コイル201は、高周波インバータを含む駆動回路(不図示)に接続され、その駆動回路からの高周波電力、例えば、20[kHz]〜90[kHz]、100[W]〜1500[W]の供給を受けて、定着ベルト150に含まれている後述の発熱層150cを誘導加熱するための交番磁束を発生させる。
定着ベルト150が回転駆動されつつ、上記発熱層150cが誘導加熱されることによって、定着ベルト150全体が加熱される。
また、定着ベルト150の表面温度を検出するための温度センサー210が、定着ニップNのシート搬送方向上流側であって、かつ、定着ベルト150に近接する位置に設けられている。
この温度センサー210の検出信号は、定着ベルト150の現在の表面温度を検出するために用いられる。
<加圧ローラー>
図3は、省略線よりも左側の部分が、図2(a)(圧接状態)におけるA−A’断面を示すと共に、省略線よりも右側の部分が、図2(b)(離間状態)におけるB−B’断面を示している。
加圧ローラー180は、図3に示すように、非磁性材料からなる円筒状の芯金181と、弾性体182と、ボス付外歯車183とを有する。
芯金181の両端部は、一対の軸受231によって回転自在に支持されている。
弾性体182は、外径が40[mm]、内径が32[mm]の円筒状の部材であって、シリコーンゴムなどの耐熱性と弾性とを兼ね備える材料からなり、芯金181の両端部を除く部分を覆っている。
ボス付外歯車183は、芯金181の一方の端部に取着されており、モーターなどからなる加圧ローラー駆動源260(図5参照)から駆動力を受け、これにより、加圧ローラー180が、図2(a)において、時計回りに回転駆動される。
<加圧ローラー移動機構>
図2(a)に示すように、加圧ローラー移動機構190は、軸受保持部材193と、付勢部材194と、カム195などを備える(同図では、紙面奥手側の構成のみ示されている。)。
軸受保持部材193は、加圧ローラー180の軸受231を保持するものであって、支軸192を介して、定着部30の機枠の一部191に揺動自在に支持されている。
付勢部材194は、引張バネであって、軸受保持部材193を定着ベルト150に向けて付勢する。
カム195は、加圧ローラー移動駆動部270(図5参照)によって回転駆動され、軸受保持部材193の一部に当接しつつ、これを揺動させるものであり、図2(a)に示すように、カム195の最小外径部分が、軸受保持部材193に当接するとき、付勢部材194の付勢力によって、加圧ローラー180が、定着ベルト150を介して押圧ローラー140を押圧して定着ニップNを形成する。
一方、図2(b)に示すように、カム195の最大外径部分およびその周辺部分が、軸受保持部材193に当接すると、当該カム195は、付勢部材194の付勢力に抗して、加圧ローラー180を定着ベルト150から離間させる。
<押圧ローラー>
押圧ローラー140は、図3に示すように、アルミニウムなどの非磁性材料からなる円柱状の芯金140aと、これの両端部を除く部分を覆う円筒状の弾性体140bとを有する。
芯金140aの両端部は、それぞれ一対の軸受221によって回転自在に支持されている。
弾性体140bは、例えば、外径が32[mm]のシリコーンゴムなどの耐熱性と弾性とを兼ね備えた円筒状の部材である。
<定着ベルト>
定着ベルト150は、無端状のベルトであって、その内径は、本実施の形態では40[mm]に設定され、押圧ローラー140の外径34[mm]よりも6[mm]大きく設定されている。
定着ベルト150は、回転軸方向から見て、当該押圧ローラー140の外周を囲むように配置された状態で(図2(a)参照)、図3に示すように、その両端部において、一対のベルト支持機構160を介し、定着装置の機枠(不図示)に対して回転自在に支持される。
後述するように、ベルト支持機構160のベルト支持部材162は、定着ベルト150の端部に緩みがない程度に内挿されているだけで、接着剤などで固着されておらず、定着ベルト150にスラスト力が生じた場合に、回転軸方向に滑動自在となっている。
図2(a)の2点鎖線の円内に拡大して示すように、定着ベルト150は、外側から離型層150a、弾性層150b、発熱層150cが積層されてなる。
離型層150aは、例えば、厚さが10[μm]〜30[μm]程度のPFA(Poly(tetrafluoriethylene-co-perfluoropropylvinylether))などのフッ素系樹脂からなり、定着ベルト150表面の離型性を高めている。
弾性層150bは、例えば、厚さが100[μm]〜200[μm]程度のシリコーンゴムなどの耐熱性と弾性とを有する材料からなる。
発熱層150cは、磁束発生部200から発せられた磁束により誘導加熱されるものであり、例えば、厚さが10[μm]〜50[μm]程度のニッケル、ステンレスまたは鉄などの強磁性材料からなる。
なお、弾性層150bと発熱層150cとの間に、銅、金または銀などの非磁性であって、発熱層150cよりもさらに導電性に優れた材料を、数[μm]から十数[μm]までの厚みで積層すれば、発熱効率をより向上させることができる。
また、上記発熱層150cを、通常の温度では強磁性体であるが、キュリー温度を超えると非磁性になる特性を有する、いわゆる整磁合金で形成しても構わない。
このような整磁合金は、ニッケルと鉄の合金、もしくは、ニッケルと鉄とクロムの合金などからなり、上記キュリー温度を、定着温度よりも少し高い温度に設定することにより、定着ベルト150の定着温度を超えて過熱された部分が磁性を失うことで、磁束密度が低下して誘導加熱が抑制され、過昇温を防止することができる。
<ベルト支持機構>
図3に示すように、ベルト支持機構160は、芯金161、ベルト支持部材162、ボス付外歯車163およびベルト規制部材170を有する。
芯金161は、アルミニウムなどの非磁性材料からなる円筒状のシャフトであり、当該シャフトの内部に押圧ローラー140の芯金140aが挿通する。
各芯金161は、2つの軸受211によって、回転自在に支持される。
ボス付外歯車163は、芯金161の一方の端部に取着されている。
ベルト支持部材162は、外径が40[mm]、内径が26[mm]、厚みが20[mm]のリング状の部材であって、シリコーンゴムなどの耐熱性および弾性を有する材料からなり、芯金161のボス付外歯車163が取着される端部とは反対側の端部に嵌め込まれて、例えば、接着によって、芯金161に固定されている。
また、一対のベルト支持部材162のそれぞれは、押圧ローラー140の弾性体140bの回転軸方向における両端の一方と対向するように配置されている。
なお、ベルト支持部材162と弾性体140bとの間に、数[mm]程度の隙間が設定されることが望ましい。
何故なら、後述するように、ベルト支持部材162と押圧ローラー140の回転軸同士の位置が異なっているのに加え、両者の外径も異なっているため、定着ニップでの周速が同一であっても、全体としての回転速度[rpm]は異なっており、ベルト支持部材162と弾性体140bの端面同士を接触させると、接触面同士が摩耗するおそれがあるからである。
また、本実施の形態における定着部30では、1対のベルト支持部材162が、それぞれ定着ベルト150の端部に滑動自在に内挿されて、定着ベルト150が支持されている。
つまり、ベルト支持部材162は、定着ベルト150の内部に挿入されているだけで、接着材などによって固定されていない、即ち、定着ベルト150がベルト支持部材162により滑動自在に支持されている。
本実施の形態では、図3に示すように、加圧ローラー180の回転軸方向の長さW1を、定着ベルト150の幅方向(回転軸方向)の長さW2よりも少し短くすると共に、一対のベルト支持部材162の外側の端面同士の間隔D2とほぼ同じ長さに設定しているため、加圧ローラー180を定着ベルト150に圧接する際に、ベルト支持部材162も加圧ローラー180に押されて変形する(以下、このような構成を「全幅押圧構成」という。)。
この際に定着ベルト150に発生するスラスト力は、図12のように加圧ローラー505のローラー幅が一対の支持部材503間の距離よりも短い場合のように、定着ベルト504の両端部が大きく変形するケースよりも、多少は小さくなると考えられるが、この場合でもスラスト力がベルト支持部材162に頻繁に加われば、遅かれ早かれ疲労破壊を招来させる点には変わりがない。
なお、上記疲労破壊は、定着ベルト504から直接的に力が伝わる支持部材503の外周部分において特に生じやすく、次いで、回転軸502と固定された内周部分に生じやすい。
しかしながら、本実施の形態によれば、定着ベルト150にスラスト力が生じたとしても、定着ベルト150がベルト支持部材162により滑動自在に支持されているため、疲労破壊が生じ易いベルト支持部材162の外周部分に上記スラスト力が殆ど伝わらないようにすることができ、軸方向に弾性変形しなくなる。
このため、ベルト支持部材162にストレスが蓄積することがなく、支持部材の破損を防止することができ、定着装置の耐久性を向上させることができる。
なお、定着ベルト150とベルト支持部材162との接触する部分同士を、より滑り易くするために、当該接触する部分同士の少なくとも一方の面にフッ素系樹脂などのコーティングを施すことが望ましい。
もっとも、上記のように、定着ベルト150がベルト支持部材162に対して、滑動自在な構成にすると、定着ベルト150の蛇行が発生するおそれがある。
そこで、本実施の形態に係る定着部30では、図3に示すように、定着ベルト150の両端外側に、ベルト規制部材170を設けて、定着ベルト150の幅方向への移動を規制することにより、定着ベルト150に蛇行が生じないようにしている。
このベルト規制部材170は、例えば、アルミニウムなどの非磁性材料もしくは樹脂からなる鍔状の部材であって、芯金161に外挿され、そのボス部170aの軸方向における端面がベルト支持部材162の外側端面と接触した位置で、当該芯金161に接着剤などによって固定されている。
定着ベルト150の両縁部とベルト規制部材170の規制面170bとの間に製造誤差や組立て誤差により多少隙間があって、その量だけ定着ベルト150の蛇行が許容されることがあっても、定着ベルト150の幅方向(回転軸方向)の長さW2が、一対のベルト支持部材162の外側の端面同士の間隔D2よりも長めに設定されているため、ベルト支持部材162により確実に支持される。
なお、図3に示すように、定着ベルト150が、ニップ部Nにおいてベルト規制部材170と干渉しないように、ベルト規制部材170のボス部170aの外周面と定着ベルト150の内周面との間に隙間が形成される構成となっている。
また、本実施の形態に係る定着部30では、ベルト支持機構160における芯金161の中心位置を、図2(a)に示すように、押圧ローラー140の芯金140aの中心位置から定着ニップNから遠ざかる方向にオフセットさせて、擬似ニップの幅ができるだけ小さくなるようにしている。
当該擬似ニップNgは、図4に示すように、押圧ローラー140により押圧されてニップ圧が高い本来の定着ニップNとは別に、そのシート搬送方向における前後において発生するニップの部分をいう。
なお、図4では、押圧ローラー140の回転軸方向から見て、押圧ローラー140およびベルト支持機構160の双方の芯金の中心位置を一致させている状態が示されており、このような場合には、上述のようなオフセットを行った場合よりも、定着ベルト150が加圧ローラー180に近づいて、擬似ニップNgが生じ易くなる。
この疑似ニップでは、定着ベルト150が記録シートに接して、熱が奪われるが、加圧されていないため、トナーの記録シートへの定着にあまり寄与しないため、その分電力を無駄に消費するおそれがある。
そればかりか、記録シートの通紙の際、記録シートS上の未定着のトナーが、シート搬送方向上流側の擬似ニップNgに接触してずれてしまい(「画像ずれ」)、定着品質の劣化するおそれさえある。
この疑似ニップNgの幅をできるだけ小さくするためには、定着ベルト150の内径を小さくして押圧ローラー140との隙間を小さくすればいいが、そうすると放熱により定着ベルト150の熱が、押圧ローラー140に逃げやすくなって、ウォームアップ時間の短縮化の妨げになるので、本実施の形態では、定着ベルト150の内径を小さくすることなく、ベルト支持機構160における芯金161の中心位置を、図2(a)に示すように、押圧ローラー140の芯金140aの中心位置から定着ニップNから遠ざかる方向にオフセットさせて、離間状態のときにニップ形成位置に対応する部分における押圧ローラー140と定着ベルト150との隙間D1を小さくすることにより、擬似ニップNgの幅ができるだけ小さくなるようにしている。
本実施の形態では、隙間D1は、数[mm]程度になるように上記オフセット量を設定し、擬似ニップNgのシート搬送方向における上流側および下流側の長さを、それぞれ約1[mm]以下に抑えるようにしている。
図3に戻り、定着部30は、一対のベルト支持部材162を同期させて回転させる駆動力伝達路240を有している。
駆動力伝達路240は、ワンウェイクラッチ243、駆動シャフト242および一対の歯車241などからなる。
ワンウェイクラッチ243は、入力軸がモーターなどからなる定着ベルト駆動源250(図5参照)に接続され、出力軸が駆動シャフト242に接続されており、正回転方向において定着ベルト駆動源250の駆動力が駆動シャフト242に伝達されるが、逆回転方向においては、ロック状態が解除されて、駆動力の伝達が遮断される。
ここで、上記正回転方向とは、定着ベルト駆動源250により定着ベルト150が、図2(a)において、反時計回りに回転する方向を意味している。
一対の歯車241は、図3に示すように、駆動シャフト242に取着されており、一対のベルト支持機構160におけるボス付外歯車163と、それぞれ噛み合っている。
なお、定着ベルト駆動源250は、定着ニップNにおける定着ベルト150の周速が、定着ニップNにおける加圧ローラー180の周速よりも僅かに遅くなるように、単位時間あたりの回転数が設定されている。その理由については、後述する。
(1−3)制御部の構成
図5は、プリンター1における制御部6の構成と、制御部6の制御対象となる主構成要素との関係を示す図である。
制御部6は、主な構成要素として、CPU61、通信インターフェース(I/F)部62、RAM63、ROM64および不揮発性メモリー65などを備えている。
通信I/F部62は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。
RAM(Random Access Memory)63は、揮発性のメモリーであって、CPU61におけるプログラム実行時のワークエリアとなる。
ROM(Read Only Memory)64には、プリントの実行に関連する制御および加圧ローラー接離制御処理を実行するプログラムなどが格納されている。
不揮発性メモリー65は、EEPROM(登録商標)などであって、CPU61のデータ保存エリアとなる。
CPU(Central Processing Unit)61は、ROM64に格納されている制御プログラムを読み出して実行することにより、前述のプリント動作を実行すると共に、定着部30の温度センサー210から出力される信号にもとづき、磁束発生部200に交番磁束を発生させるための信号を出力して、定着ローラー131の表面温度を目標の温度に維持するための温調制御を実施する。
また、CPU61は、ウォームアップ時において、加圧ローラー180を定着ベルト150から離間させて、定着ベルト150の熱が周囲に逃げるのを抑制し、ウォームアップ時間を短縮すると共に、定着時において、加圧ローラー180を定着ベルト150に圧接して定着ニップを形成する加圧ローラー接離制御処理を実施する。
(1−3−1)加圧ローラー接離制御処理について
図6は、加圧ローラー接離制御処理における実行手順を示すフローチャートであり、プリンター1における全体の動作を制御するためのメインルーチン(不図示)におけるサブルーチンとして実行されるものである。
CPU61は、通信I/F部62を介して、他の端末からプリントジョブを受け付けると(ステップS101:YES)、現在、定着ベルト150の温調中であるか否かを判定し(ステップS102)、温調中でなければ、定着ベルト150が加熱されていないので、定着ベルト150の全周を加熱するために、先ず、定着ベルト駆動源250を駆動して、定着ベルト150を回転させる(ステップS103)。
加圧ローラー180は、プリントジョブの実行準備が整うまでは、定着ベルト150から離間されたままである(図2(b))。
これにより、定着ベルト150は、両端に設けられた一対のベルト支持部材162にしか接触しない状態となり、磁束発生部200によって昇温される部分の熱容量が小さくなる。
続いて、CPU61は、磁束発生部200を駆動して、交番磁束を発生させ、定着ベルト150における発熱層150cの誘導加熱を開始する(ステップS104)。定着ベルト150は回転されているので、その全周に亘って誘導加熱される。
ステップS102の判定において、現在、定着ベルト150の温調を実行中であると判定された場合には(ステップS102:YES)、ステップS103、S104はすでに実行されているので、これらをスキップして、ステップS105に移行する。
そして、定着ベルト150が定着温度に達したか否かを判定する(ステップS105)。
ここで、定着温度に達していなければ、定着温度に達するまで待機し(ステップS105:NO)、定着温度に達すると(ステップS105:YES)、加圧ローラー駆動源260を駆動して、加圧ローラー180を回転させる(ステップS106)。
次に、CPU61は、加圧ローラー移動駆動部270を駆動して、加圧ローラー180を定着ベルト150に圧接させた後(ステップS107)、定着ベルト駆動源250の駆動を停止させる(ステップS108)。
なお、加圧ローラー180を定着ベルト150に圧接させた直後は、加圧ローラー駆動源260と定着ベルト駆動源250が共に駆動されることになるが、加圧ローラー駆動源260により回転駆動される加圧ローラー180の定着ニップにおける周速よりも、定着ベルト駆動源250により回転駆動される定着ベルト150の定着ニップにおける周速が、僅かに遅く設定されており、ワンウェイクラッチ243の作用により、定着ニップが形成された以後は、定着ベルト150が加圧ローラー180に従動回転するようになっている。
そのため、定着ニップ形成直後に、加圧ローラー駆動源260と定着ベルト駆動源250の双方が駆動されている間でも、定着ベルト駆動源250による駆動力により、加圧ローラー駆動源260に余計な負荷が加わらず、加圧ローラー180の回転速度がシステム速度に合わせて円滑に制御される。
このことは、定着ベルト駆動源250の駆動が停止した場合も同様である。
続いて、CPU61は、画像形成部10、給紙部20および定着部30を制御して、受け付けたプリントジョブを開始させ(ステップS109)、当該プリントジョブが完了すると(ステップS110:YES)、定着ベルト駆動源250を駆動した後(ステップS111)、加圧ローラー移動駆動部270を駆動して、加圧ローラー180を定着ベルト150から離間させる(ステップS112)。
このとき、定着ベルト150は、ワンウェイクラッチ243の作用により、加圧ローラー180の回転に伴って従動回転する状態から、定着ベルト駆動源250の駆動力より回転駆動される状態へと切り替わる。
そして、CPU61は、加圧ローラー駆動源260の駆動を停止して、加圧ローラー180の回転を停止し(ステップS113)、定着ベルト150の温調制御を終了するか否かを判定する(ステップS114)。
例えば、所定時間経過しても次のプリントジョブを受け付けていないときには、温調制御終了と判定し(ステップS114:YES)、磁束発生部200の駆動を停止させた後(ステップS115)、定着ベルト駆動源250の駆動を停止させて(ステップS116)、定着ベルト150の回転を停止し、メインルーチンにリターンする。
また、定着ベルト150の温調制御を終了すべきでないと判定された場合には(ステップS114:NO)、定着ベルト150の加熱を継続すべく、温調制御を維持したまま、メインルーチンにリターンする。
なお、このときの温調制御は、プリントジョブ実行中に定着ベルト150の温度を定着温度(180[℃])に維持する通常の温調制御の他、プリントジョブ実行後のしばらく間、定着ベルト150の温度を、上記定着温度よりもやや低い温度範囲に維持して、磁束発生部54の消費電力を低く抑えつつ、定着温度への速やかな復帰が可能な状態にして、プリントジョブの実行が開始されるのを待つ待機モードなどを含んでも構わない。
以上のように、プリントジョブの実行が開始されるまでは、加圧ローラー180を定着ベルト150から離間させていると共に、定着ベルト150が、両端に設けられた一対のベルト支持部材162にしか接触しない状態となっているため、誘導加熱された定着ベルト150の熱が、周辺の部材に伝導することが抑制され、ウォームアップ時間の短縮が可能となる。
(1−3−2)加圧ローラー接離制御処理の効果
図7は、ウォームアップ時において、上記加圧ローラー接離制御処理を行った場合と、行わなかった場合における定着ベルト150の昇温特性の違いを示す図である。
ここで、曲線L1は、ウォームアップ時において、加圧ローラー接離制御処理を行わなかった場合、即ち、図2(a)に示すように、加圧ローラー180が定着ベルト150を介して加圧ローラー180に圧接している状態(圧接状態)における、定着ベルト150の昇温特性を示す図である。
この曲線L1を見てわかるように、圧接状態では、定着ベルト150が、定着温度となる180[℃]に到達するまでに、21[sec]程かかっている。
一方、曲線L2は、ウォームアップ時において、加圧ローラー接離制御処理を行っている場合、即ち、図2(b)に示すように、加圧ローラー180を定着ベルト150から離間させている状態(離間状態)における、定着ベルト150の昇温特性を示す図である。
この曲線L2を見てわかるように、離間状態では、定着温度の180[℃]に到達するまでに、7[sec]程度しかかかっておらず、圧接状態の結果と比べると、14[sec]もの差が生じており、加圧ローラー接離制御処理がウォームアップの短縮化にはかなり有効であることがわかる。
<変形例>
本発明は、上述のような実施の形態に限られるものではなく、次のような変形例も実施することができる。
(1)上記実施の形態では、ベルト支持部材162が定着ベルト150を滑動自在に保持する構成としたが、これに代えて、もしくはこれに加えて、ベルト支持部材162を芯金161に固定せず、少なくとも軸方向に滑動自在に保持する構成としてもよい。
この場合でも当該滑動部分において定着ベルト150に発生したスラスト力を逃がすことができ、ベルト支持部材162にストレスが蓄積されないので、その耐久性を向上させることができるからである。
なお、この場合でもウォームアップ時の離間状態において、芯金161の回転により定着ベルト150を確実に回転させるため、ベルト支持部材162が、芯金161に対して周方向に回転しない構成であることが望ましい。
このような構成は、例えば、ベルト支持部材162の内周面に、回転軸方向に沿って延びるキー溝を設けると共に、芯金161にこのキー溝に滑合するキーを設けることによって実現することができる。
このように、ベルト支持部材162が芯金161によって少なくとも回転軸方向に滑動自在に支持されている構成を採用すれば、この構成だけでも定着ベルト150に作用するスラスト力を回転軸方向に逃がすことができるため、ベルト支持部材162と定着ベルト150との間は接着剤などにより固定しても構わない。
なお、上記実施の形態のように、ベルト支持部材162が芯金161に固定され、定着ベルト150がベルト支持部材162によって滑動自在に保持されている構成においては、ベルト支持部材162の外周面と定着ベルト150の端部の内周面との接触面積が比較的大きいので、両者間の摩擦力により定着ベルト150が、ベルト支持部材162の回転に追随して回転するが、この部分においても、定着ベルト150の内周面のベルト支持部材162に保持される部分に、回転軸方向に延びるキー(もしくはリブ)を設け、ベルト支持部材162の周面に上記キー(もしくくはリブ)と滑合する溝を設けるようにして、回転軸方向のみに滑動自在な構成にしても構わない。
要するに、ベルト支持部材162は、芯金161によって少なくとも定着ベルトの幅方向(回転軸方向)に滑動自在な状態で支持されている、および/または、定着ベルト150がベルト支持部材162に少なくともその幅方向に滑動自在な状態で支持さえされておれば、ベルト支持部材162の疲労破壊の発生を抑制し、耐久性が向上するものである。
(2)また、上記実施の形態では、定着ベルト150の幅方向のほぼ全域が加圧ローラー180によって押圧される全幅押圧構成となっていたが、[背景技術]で説明したように、加圧ローラー180の弾性体182の回転軸方向における長さを、押圧ローラー140の弾性体140bの回転軸方向における長さよりも短くして、ベルト支持部材162が加圧ローラー180によって押圧されない構成としてもよい。
このような構成では、ニップ形成時に定着ベルト150の回転軸方向における端部付近での変形量が大きくなり(図12参照)、ベルト支持部材162に加わるスラスト力が全幅押圧構成の場合よりも大きくなると考えられるが、この場合でも、定着ベルト150がベルト支持部材162により回転軸方向に滑動自在に支持されることにより、上記スラスト力を十分逃がすことができ、ベルト支持部材162の疲労破壊を防止することができる。
なお、変形例(1)で示したように、ベルト支持部材162が芯金161によって回転軸方向に滑動自在に支持される構成の場合でも同様の効果が得られる。
(3)また、上記実施の形態では、発熱層150cは、磁束発生部200から発せられた磁束により誘導加熱されるものであり、ニッケル、ステンレスまたは鉄などの強磁性を有する導電性材料からなるとしたが、これに限らない。
近年、発熱層150cとして、樹脂に炭素繊維や金属粒子などのフィラーを充填して抵抗発熱体とし、これにカーボンブラシなどの給電部材を介して通電することによりジュール発熱させる抵抗体発熱方式の定着装置であってもよい。
あるいは、定着ベルト150の周回軌跡の内側からハロゲンランプで加熱する構成などを用いても構わない。
(4)上記実施の形態では、押圧ローラー140の回転軸方向から見て、押圧ローラー140とベルト支持部材162の回転軸の位置をオフセットさせて、擬似ニップの形成を抑制していたが、このようなオフセットを行わない構成であっても構わない。
例えば、モノクロ専用のプリンターなどの場合には、定着品質を確保する上で、それほど大きな定着ニップ幅(シート搬送方向における長さ)を必要としないため、加圧ローラー180の押圧ローラー140への押し込み量は、上記実施の形態における定着部30ほど大きくしなくて済む。
このため、擬似ニップの発生も、上記実施の形態における定着部30ほど顕著にはならないものと考えられる。
図8(a)、(b)は、このように、押圧ローラー140とベルト支持部材162の回転軸の位置をオフセットさせない定着部350の要部を示す横断面図、縦断面図である。
定着部350の基本的な構成は、ベルト支持機構160の構成が異なっている点を除いては、上述の図3に示した定着部5と同じである。なお、図8(a)、(b)において、定着部5と共通の構成部分には同じ符号を付すか、もしくは、符号を省略している。
すなわち、図8(a)および(b)に示すように、定着部350では、押圧ローラー340の回転軸(芯金)340aに、一対のベルト支持部材362と一対の蛇行規制部材370が、当該押圧ローラー340のローラー本体340bを両側から挟むようにして取着されてなる。
定着ベルト150は、その両端部においてベルト支持部材362に接着剤などを介さずに滑動自在に支持されており、上記実施の形態同様、定着ベルト150にスラスト力が作用しても、当該スラスト力がベルト支持部材162に伝わらないため、ベルト支持部材362の破損を防止することができる。もちろん、ベルト支持部材362を回転軸340aに対し軸方向に滑動自在に保持させるようにしてもよい。
なお、本例の場合、ウォームアップ時には、回転軸340aに駆動力を付与して定着ベルト150を回転することとなるので、ローラー本体340bも一体として回転する。
本変形例の構成によれば、定着ベルト支持機構が極めて簡易になり、製造コストの低減化に資する。
(5)上記変形例(4)の図8(a)および(b)に示す定着部350のようにベルト支持部材362と押圧ローラー340を同軸上に支持する構成では、定着ベルト150の内部がベルト支持部材362により密閉されてしまい、定着時に定着ベルト150の内部の空気の熱膨張により内圧が高くなり、加圧ローラー180を定着ベルト150に圧接してもニップ部が十分形成できなくなくなったり、軸方向におけるニップ幅にバラツキが生じたりして、定着品質に悪影響を及ぼすおそれがある。
図9(a)〜(d)は、このような不具合を避けるため、定着ベルト150内部の膨張した空気が外に逃げて内部圧力が高くならないようなベルト支持部材262〜265の構成例を示す図である。
図9(a)に示すベルト支持部材262は、通気性があり、かつ耐熱性、弾性を有する材料で形成されており、これにより定着ベルト150内の膨張した空気を外に逃がして内部圧力が高くならないようにしている。
このような通気性が付加された材料としては、例えば、連続気泡型のシリコーンスポンジゴムなどが挙げられる。本例の場合には、連続的に形成された無数の気泡の存在により、空気が流動可能な微小な間隙がベルト支持部材262内部に形成されると共に、ベルト支持部材の断熱性も向上するため、定着ベルト150の加熱効率が増すという効果も得られる。
また、図9(b)に示すベルト支持部材263は、その外周面に沿って連続して多数の凹凸をほぼ等しいピッチで設けている。
このような構成では、定着ベルト150とベルト支持部材263との間に存在する空気が膨張した場合、この空気がベルト支持部材263の凹部263aを通って、外部に放出される。
また、図9(b)のD−D’断面図(図9(b)の右側の図)が示すように、凸部263bの縦断面形状が円弧状になっている。これにより、ベルト支持部材263と定着ベルト150との接触面積が小さくなり、定着ベルト150において誘導加熱により生じた熱がベルト支持部材263に伝導するのを抑制されるため、定着ベルト150の加熱効率がより向上する。
また、定着部30の組立工程に着目すると、ベルト支持部材263と定着ベルト150との接触面積が小さい方が、ベルト支持部材263を定着ベルト150に挿入し易くなり、組立時間が短縮するため、コストダウンに資する。
また、図9(c)に示すベルト支持部材264は、上記実施の形態に係るベルト支持部材162の外周に、回転軸方向に沿って伸びるV字状の溝264aを、周方向に複数設ける構成としている。
このような構成により、定着ベルト150とベルト支持部材264との間に存在する空気が膨張した場合、この空気がベルト支持部材264の溝264aを通って、外部に放出される。
また、V字状の溝264aが設けられている分、ベルト支持部材264は、上記実施の形態に係るベルト支持部材162よりも定着ベルト150との接触面積が小さくなっているので、定着ベルト150において誘導加熱により生じた熱が、ベルト支持部材264に伝導し難くなり、加熱効率を向上させることができる。
また、図9(b)と同様の理由で、ベルト支持部材264を定着ベルト150に挿入し易くなるため、組立時間が短縮するので、コストダウンに資する。
なお、上述したベルト支持部材262〜264は、いずれもベルト支持部材162と同様に、定着ベルト150を幅方向において滑動自在に支持可能な材料で作成されている。
ところで、上記図9(a)〜(c)で示したベルト支持部材は、いずれもシリコーンゴムなどの樹脂材料で一体的に構成されていたが、このような樹脂材料を使用しないで、金属製のバネ材などの弾性を利用してベルト支持部材を構成してもよい。
図9(d)は、このようなベルト支持部材265の構成を示す図である。
このベルト支持部材265は、図9(d)に示すように、本体部265a、当接部265bおよび弾性リング265cなどからなり、これらの部材間には、空気が移動可能な間隙が存在する。
本体部265aは、外形形状が正8角形の剛性を有する部材であって、8角形の各頂部にリブ265dが形成され、当該リブ265dを介して本体部265aに弾性リング265cが取着されている。
この弾性リング265cは、金属製の板バネ材料からなり、その外周面の、各隣接するリブ265dの中央の位置には、定着ベルト150の内周面に当接してこれを滑動自在な状態で支持する半球状の当接部265bが設けられている。
当接部265bが、半球状となっているのは、図9(b)に示す凸部263bと同様に、定着ベルト150との接触面積をできるだけ小さくして放熱量を小さくし、定着ベルト150の加熱効率を向上させるためである。
また、図9(b)と同様の理由で、ベルト支持部材265を定着ベルト150に挿入し易くなるため、組立時間が短縮するので、コストダウンに資する。
なお、当接部265bは、摺動性、断熱性、耐熱性を有する樹脂材料からなるのが望ましい。
以上の構成により、加圧ローラー180を定着ベルト150に圧接すると、弾性リング265cが撓むことにより、定着ニップにおける定着ベルト150の径方向の変形を可能にしている。
なお、以上のベルト支持部材の構成は、実施の形態におけるベルト支持部材としても適用可能である。実施の形態にかかる定着装置の構成では、押圧ローラー140の芯金140aと定着ベルト150のベルト支持機構160の芯金161との間に隙間があるため、図9(a)〜(d)に示すように、定着ベルト150内の空気を逃がすための隙間を改めて設ける必要はないが、定着ベルト150の支持部材の断熱性を高め、あるいは定着ベルト150と支持部材との接触面積を小さくして、定着ベルト150の加熱効率を向上させる点では、なおメリットがあるからである。
また、このように定着ベルト150の加熱効率の向上だけを目的とする場合には、定着ベルト150内の空気を逃がす必要がないので、ベルト支持部材の外周面において周方向に1周する少なくとも1つの環状のリブを設けたり、ベルト支持部材の外周面全体に複数のディンプルや凹凸を分散配置することにより、定着ベルト150と支持部材との接触面積を小さくしても構わない。
(6)また、上記実施の形態では、定着ニップを形成するために、定着ベルト150を裏面から支持するため、押圧ローラー140を配設したが、これに限らず、例えば、図10(a)に示すように、押圧ローラー140の代わりに、押圧パッド440を用いてもよい。
押圧パッド440は、定着ベルト150の回転軸方向に沿って配された弾性を有する長尺な押圧部材440bを、剛性を有する保持部材440aによって保持してなる。
押圧部材440bの定着ベルト150との摺接面には、低摩擦の表面処理を施すか、あるいは、押圧部材440bと定着ベルト150間に可撓性を有する低摩擦フィルムを介在させることが望ましい。
図10(b)は、加圧ローラー180を定着ベルト150から離間させた状態を示す図である。
同図に示すように、このように押圧パッド440を使用する構成でも、ウォームアップ時間短縮および摩耗の低減のため、加圧ローラー180が離間状態にあるときには、押圧部材440bと定着ベルト150との間に隙間D3が介在するように配置することが望ましい。
この隙間D3の値は、例えば、数[mm]程度に設定される。
図11は、図10(a)における加圧ローラー180が圧接状態にあるときの定着部450の状態を示す縦断面図である。
押圧パッド440は、押圧ローラー140のように回転自在にする必要がないので、同図に示すように、保持部材440aの長手方向両端部において、定着部450の機枠の一部491に、例えば、ネジ492などで固定される。
(7)また、上記実施の形態の定着部30における加圧ローラー移動機構190(図2参照)は、加圧ローラー180を揺動させて、圧接状態と離間状態との間で択一的に切り替えを行っていたが、コスト低減の要請が強い場合には、加圧ローラー移動機構190を省略して、常に、定着ベルト150と加圧ローラー180とを圧接させた状態とすることも可能である。
(8)また、上記実施の形態の定着部30では、駆動力伝達路240にワンウェイクラッチ243介設することにより、圧接状態において定着ベルト150が従動する際に、加圧ローラー駆動源260の駆動力が定着ベルト駆動源250に過剰な負荷を与えることを防止しているが(図3参照)、これに限らない。
例えば、ワンウェイクラッチ243の代わりに電磁クラッチを設け、離間状態から圧接状態に移行する直前に、制御部6によって、上記電磁クラッチを、駆動を伝達する状態から駆動力を遮断する状態に切り替えると共に、圧接状態構成から離間状態に移行した直後に、上記電磁クラッチを、駆動力を遮断している状態から駆動を伝達する状態に切り替える構成としてもよい。
要するに、加圧ローラー180が離間状態にあるときには、定着ベルト150が定着ベルト駆動源250により回転駆動され、加圧ローラー180が圧接状態にあるときには、加圧ローラー駆動源260により駆動されている加圧ローラー180の回転に伴い定着ベルト150が従動回転するように、定着ベルト駆動源250からベルト支持部材162芯金161(回転軸)へ至る動力伝達路に、動力を伝達するモードと遮断するモードとの間で択一的に切り替える駆動力伝達切替手段が介設されていればよい。
(9)なお、上記実施の形態では、本発明に係る画像形成装置をタンデム型カラープリンターに適用した場合の例を説明したが、これに限られず、モノクロ式プリンターに適用してもよく、要するに、定着装置を備える画像形成装置一般に適用することができる。
また、上記実施の形態および上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
本発明は、加熱手段により加熱される無端状の定着ベルトの両端が、支持部材を介して定着装置本体に対して、回転可能に保持される定着装置、もしくは、当該定着装置を備える画像形成装置に広く適用することができる。
1 プリンター
5 定着部
6 制御部
10 画像形成部
11 作像ユニット
12 感光体ドラム
20 給紙部
30 定着部
61 CPU
62 通信I/F部
63 RAM
64 ROM
65 不揮発性メモリー
131 定着ローラー
140 押圧ローラー
150 定着ベルト
150c 発熱層
160 ベルト支持機構
162 ベルト支持部材
170 ベルト規制部材
180 加圧ローラー
190 加圧ローラー支持機構
193 軸受保持部材
200 磁束発生部
201 誘導コイル
210 温度センサー
243 ワンウェイクラッチ
250 定着ベルト駆動源
260 加圧ローラー駆動源
262、264、264、265 ベルト支持部材
270 加圧ローラー移動駆動部

Claims (15)

  1. 加熱手段により加熱される無端状で非張架のベルトの内側に押圧部材を配すると共に、前記ベルトの外側に配された加圧ローラーと前記押圧部材との一方を他方で、前記ベルトを介して押圧することにより定着ニップを形成し、未定着画像の形成された記録シートを当該定着ニップに通紙して熱定着する定着装置であって、
    外部のモーターから駆動力を受けて回転自在な回転軸と、
    前記ベルトの幅方向両端部の内周面をそれぞれの外周面で回転自在に支持しているリング状の弾性を有する一対の部材であり、前記回転軸に同軸に固定されている一対の支持部材
    を備え、
    前記加圧ローラーは、前記押圧部材に圧接する第1の位置と、前記ベルトから離間した第2の位置とに移動自在であり、
    前記ベルトは、前記加圧ローラーが前記第1の位置にある間は前記加圧ローラーの回転に伴って従動回転し、前記加圧ローラーが第2の位置にある間は前記一対の支持部材の回転に伴って回転し、
    前記加圧ローラーが前記第1の位置へ移動したことに起因するスラスト力を前記ベルトが受けた場合、前記ベルトの内周面は前記一対の支持部材の外周面上を幅方向に滑動自在である
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 加熱手段により加熱される無端状で非張架のベルトの内側に押圧部材を配すると共に、前記ベルトの外側に配された加圧ローラーと前記押圧部材との一方を他方で、前記ベルトを介して押圧することにより定着ニップを形成し、未定着画像の形成された記録シートを当該定着ニップに通紙して熱定着する定着装置であって、
    外部のモーターから駆動力を受けて回転自在な回転軸と、
    前記ベルトの幅方向両端部の内周面をそれぞれの外周面で回転自在に支持しているリング状の弾性を有する一対の部材であり、前記回転軸によって同軸に、かつ前記回転軸の回転に伴って前記回転軸のまわりを回転自在に支持されている一対の支持部材と
    を備え、
    前記加圧ローラーは、前記押圧部材に圧接する第1の位置と、前記ベルトから離間した第2の位置とに移動自在であり、
    前記ベルトは、前記加圧ローラーが前記第1の位置にある間は前記加圧ローラーの回転に伴って従動回転し、前記加圧ローラーが第2の位置にある間は前記一対の支持部材の回転に伴って回転し、
    前記加圧ローラーが前記第1の位置へ移動したことに起因するスラスト力を前記一対の支持部材のそれぞれが受けた場合、当該支持部材は前記回転軸の外周面上を軸方向に滑動自在である
    ことを特徴とする定着装置。
  3. 前記押圧部材は、前記定着ニップが形成されている状態で、前記定着ニップに対応する前記押圧部材の部分が前記ベルトの内周面に密着し、それ以外の部分が前記ベルトの内周面に接触しないように配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記押圧部材は、前記ベルトの内側に遊挿され、かつ回転自在に保持された押圧ローラーであって、
    前記押圧ローラーの軸心は、前記回転軸の軸心よりも、前記加圧ローラー寄りに位置している
    ことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記押圧部材は、前記ベルトの内側に配された長尺状のパッド部材であることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  6. 前記ベルトの幅は、前記加圧ローラーのローラー本体の軸方向長さよりも大きく、
    前記ベルトの幅方向における両外側には、前記ベルトの幅方向における移動を規制する一対の規制部材が配設されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記加圧ローラーを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させる移動手段と、
    ウォームアップ時には、前記加圧ローラーを前記第2の位置に移動させ、ウォームアップ完了後に前記加圧ローラーを前記第1の位置に移動させるように前記移動手段を制御する接離制御手段と
    を更に備えた請求項1から請求項6までのいずれかに記載の定着装置。
  8. 前記押圧部材は、前記加圧ローラーが前記第2の位置に移動して前記ベルトが変形していない状態に復帰したときに、前記ベルトの内周面に接触しない位置に配されていることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記加圧ローラーを回転させる第1の駆動源と、
    前記回転軸を回転させる第2の駆動源と、
    少なくともウォームアップ時には前記第2の駆動源を駆動させ、少なくとも定着動作実行時には前記第1の駆動源を駆動させる駆動制御手段と、
    前記第2の駆動源から前記回転軸へ至る動力伝達路に介設され、前記動力伝達路を、動力を伝達するモードと遮断するモードとの間で択一的に切り替える駆動力伝達切替手段と
    を更に備え、
    前記駆動力伝達切替手段は、前記加圧ローラーが前記第2の位置にあるときには前記ベルトが前記第2の駆動源により回転駆動され、前記加圧ローラーが前記第1の位置にあるときには、前記第1の駆動源により駆動されている前記加圧ローラーの回転に伴い前記ベルトが従動回転するように前記動力伝達路のモードを切り替える
    ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記駆動力伝達切替手段は、ワンウェイクラッチであって、
    前記第2の駆動源は、前記ベルトの周速が前記加圧ローラーの周速よりも遅くなるように前記回転軸を回転させていることを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
  11. 加熱手段により加熱される無端状のベルトの周回経路内側に押圧部材を配すると共に、前記ベルトの周回経路外側に配された加圧ローラーを、前記ベルトを介して前記押圧部材に相対的に押圧することにより定着ニップを形成し、未定着画像の形成された記録シートを当該定着ニップに通紙して熱定着する定着装置であって、
    前記ベルトの幅方向両端部には、それぞれ回転軸を有し、弾性を有すると共に、前記ベルトに内接して、当該ベルトを回転自在に支持する一対の支持部材が配設されており、
    前記ベルトが、前記支持部材により前記幅方向に滑動自在な状態で支持されている、および/または、前記支持部材が、前記回転軸に対して前記幅方向に滑動自在な状態で支持されており、
    前記一対の支持部材はそれぞれ、前記ベルトの幅方向において空気が流動可能な間隙を有する定着装置。
  12. 加熱手段により加熱される無端状のベルトの周回経路内側に押圧部材を配すると共に、前記ベルトの周回経路外側に配された加圧ローラーを、前記ベルトを介して前記押圧部材に相対的に押圧することにより定着ニップを形成し、未定着画像の形成された記録シートを当該定着ニップに通紙して熱定着する定着装置であって、
    前記ベルトの幅方向両端部には、それぞれ回転軸を有し、弾性を有すると共に、前記ベルトに内接して、当該ベルトを回転自在に支持する一対の支持部材が配設されており、
    前記ベルトが、前記支持部材により前記幅方向に滑動自在な状態で支持されている、および/または、前記支持部材が、前記回転軸に対して前記幅方向に滑動自在な状態で支持されており、
    前記一対の支持部材はそれぞれ、その外周面に、複数の凹凸が設けられると共に、当該凸部分で前記ベルトに内接して支持している
    ことを特徴とする定着装置。
  13. 前記ベルトは、金属材料からなる発熱層を有し、
    前記加熱手段は、前記ベルトの周面に対向して配され、交番磁束を発生する磁束発生部であって、前記発熱層を誘導加熱する
    ことを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれかに定着装置。
  14. 前記ベルトは、抵抗発熱体層を有し、
    前記加熱手段は、前記抵抗発熱体層に給電することによりジュール発熱させる
    ことを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれかに記載の定着装置。
  15. 請求項1から請求項14までのいずれかに記載の定着装置を備える画像形成装置。
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