JP5509820B2 - 定着装置、および画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、定着装置、および画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置に搭載する定着装置において、電磁誘導を用いて加熱する方式が知られている。
例えば特許文献1には、磁束発生手段としての電磁誘導コイルが磁性金属製の芯金シリンダからなる定着ロールの内部に配置され、電磁誘導コイルにて生成した誘導磁界により定着ロールに渦電流を誘起させて、定着ロールを直接的に加熱する電磁誘導方式の定着装置が記載されている。
特開2003−186322号公報
ここで一般に、定着装置において電磁誘導により直接的に加熱される定着部材を熱容量の小さいベルト部材で構成することにより、従来の定着ロールを用いる構成よりも定着可能状態に設定するまでの時間を低減することができる。しかし、熱容量の小さい定着部材は熱が流出し易い特性も有しており、それが定着可能状態までの到達時間の低減を妨げる要因となる。
本発明は、ベルト部材で構成された定着部材を備えた定着装置において、定着可能状態に設定するまでの時間を低減することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、電磁誘導により発熱する発熱層を有し、当該発熱層が電磁誘導加熱されることで記録材にトナーを定着する定着部材と、前記定着部材に対して接離自在に構成され、押圧しながら当該定着部材に接触することにより、当該定着部材との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材と、前記定着部材の内部に配置され、前記加圧部材からの押圧力により弾性変形して前記ニップ部を形成する弾性部材と、前記定着部材の内周面と前記弾性部材の外周面との間に空隙を形成するように当該定着部材と当該弾性部材とを支持し、回転駆動力が伝達されることで当該定着部材および当該弾性部材の双方を回転させる支持部材とを備え、前記回転駆動力が前記支持部材に伝達された状態で、前記定着部材の、電磁誘導加熱される部分から前記ニップ部に至るまでの範囲に、前記弾性部材と非接触の部分を有することを特徴とする定着装置である。
請求項2に記載の発明は、前記加圧部材を前記定着部材に接離させる接離手段をさらに備え、前記接離手段は、前記定着部材が予め定められた温度に加熱されるまで前記加圧部材を当該定着部材から離間した位置に設定し、当該定着部材が当該予め定められた温度に加熱されることにより、当該定着部材を介して前記弾性部材を押圧する位置に当該加圧部材を設定することを特徴とする請求項1記載の定着装置である。
請求項3に記載の発明は、前記支持部材は、前記定着部材の両端部に配置され、前記加圧部材が当該定着部材を介して前記弾性部材を押圧する位置に設定された場合に当該定着部材を支持する部分が当該定着部材の変形に対応して変形するように構成されたことを特徴とする請求項2記載の定着装置である。
請求項4に記載の発明は、前記支持部材は、前記回転駆動力が伝達される本体部と、当該本体部と前記定着部材との間に配置され、当該本体部よりも高い弾性変形率を有する弾性層部とより構成され、前記接離手段により前記加圧部材が当該定着部材から離間した位置に設定された場合に当該本体部および当該弾性層部を介して当該定着部材を回転させることを特徴とする請求項2記載の定着装置である。
請求項5に記載の発明は、前記支持部材は、前記本体部に前記弾性部材が接合されたことを特徴とする請求項4記載の定着装置である。
請求項6に記載の発明は、電磁誘導により発熱する発熱層を有し、当該発熱層が電磁誘導加熱されることで記録材にトナーを定着する定着部材と、前記定着部材に対して接離自在に構成され、押圧しながら当該定着部材に接触することにより、当該定着部材との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材と、前記定着部材の内部に配置され、前記加圧部材からの押圧力により弾性変形して前記ニップ部を形成する弾性部材と、前記定着部材の内周面と前記弾性部材の外周面との間に空隙を形成するように当該定着部材と当該弾性部材とを支持し、回転駆動力が伝達されることで当該定着部材および当該弾性部材の双方を回転させる支持部材とを備え、前記加圧部材が前記定着部材を押圧するまでは前記空隙が残り、当該加圧部材が当該定着部材を押圧したとき当該定着部材と前記弾性部材とが当該加圧部材の押圧力により接触することを特徴とする定着装置である。
請求項7に記載の発明は、トナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写された前記トナー像を当該記録材に定着する定着手段とを有し、前記定着手段は、電磁誘導により発熱する発熱層を有し、当該発熱層が電磁誘導加熱されることで前記記録材に前記トナー像を定着する定着部材と、前記定着部材に対して接離自在に構成され、押圧しながら当該定着部材に接触することにより、当該定着部材との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材と、前記定着部材の内部に配置され、前記加圧部材からの押圧力により弾性変形して前記ニップ部を形成する弾性部材と、前記定着部材の内周面と前記弾性部材の外周面との間に空隙を形成するように当該定着部材と当該弾性部材とを支持し、回転駆動力が伝達されることで当該定着部材および当該弾性部材の双方を回転させる支持部材とを備え、前記回転駆動力が前記支持部材に伝達された状態で、前記定着部材の、電磁誘導加熱される部分から前記ニップ部に至るまでの範囲に、前記弾性部材と非接触の部分を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記定着手段は、前記加圧部材を前記定着部材に接離させる接離手段をさらに備え、前記定着手段の前記接離手段は、前記定着部材が予め定められた温度に加熱されるまで前記加圧部材を当該定着部材から離間した位置に設定し、当該定着部材が当該予め定められた温度に加熱されることにより、当該定着部材を介して前記弾性部材を押圧する位置に当該加圧部材を設定することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、トナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写された前記トナー像を当該記録材に定着する定着手段とを有し、前記定着手段は、電磁誘導により発熱する発熱層を有し、当該発熱層が電磁誘導加熱されることで前記記録材に前記トナー像を定着する定着部材と、前記定着部材に対して接離自在に構成され、押圧しながら当該定着部材に接触することにより、当該定着部材との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材と、前記定着部材の内部に配置され、前記加圧部材からの押圧力により弾性変形して前記ニップ部を形成する弾性部材と、前記定着部材の内周面と前記弾性部材の外周面との間に空隙を形成するように当該定着部材と当該弾性部材とを支持し、回転駆動力が伝達されることで当該定着部材および当該弾性部材の双方を回転させる支持部材とを備え、前記加圧部材が前記定着部材を押圧するまでは前記空隙が残り、当該加圧部材が当該定着部材を押圧したとき当該定着部材と前記弾性部材とが当該加圧部材の押圧力により接触することを特徴とする画像形成装置である。
請求項1の発明によれば、ベルト部材で構成された定着部材を備えた定着装置において、本発明を採用しない場合に比較して、定着可能状態に設定するまでの時間を低減することができる。
請求項2の発明によれば、定着部材を定着可能状態に設定するに際して、本発明を採用しない場合に比較して、定着部材からの熱の流出を抑制することができる。
請求項3の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、定着部材に損傷が発生することを抑制することができる。
請求項4の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、定着部材に損傷が発生することを抑制しながら、定着部材をより安定的に回転動作させることができる。
請求項5の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、ニップ部のニップ圧をより安定して維持することができることができる。
請求項6の発明によれば、ベルト部材で構成された定着部材を備えた定着装置において、本発明を採用しない場合に比較して、定着可能状態に設定するまでの時間を低減することができる。
請求項7の発明によれば、ベルト部材で構成された定着部材を備えた画像形成装置において、本発明を採用しない場合に比較して、定着可能状態に設定するまでの時間を低減することができる。
請求項8の発明によれば、定着部材を定着可能状態に設定するに際して、本発明を採用しない場合に比較して、定着部材からの熱の流出を抑制することができる。
請求項9の発明によれば、ベルト部材で構成された定着部材を備えた画像形成装置において、本発明を採用しない場合に比較して、定着可能状態に設定するまでの時間を低減することができる。
本実施の形態の定着装置(定着器)が適用される画像形成装置の構成例を示した図である。 定着器の構成を説明する正面図である。 定着器の構成を説明する図2におけるIII−III断面図である。 定着ベルトの断面層構成図である。 定着ベルトおよび弾性部材とエンドキャップ部材との接合部を説明する図である。 リトラクト機構が加圧ロールを定着ベルトに接離させる際の動作を説明する図である。 駆動モータから定着ベルトおよび加圧ロールへの駆動力の伝達を説明する図である。 IHヒータの構成を説明する断面図である。 ニップ部近傍領域での定着ベルトの状態を示す図である。 主制御部が行う画像形成処理の内容の一例を説明するフローチャートである。 定着ベルトおよび弾性部材とエンドキャップ部材との接合部を説明する図である。 エンドキャップ部材のスポンジ層部が定着ベルトの変形に応じて圧縮変形した状態を示した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
<画像形成装置の説明>
図1は本実施の形態の定着装置(定着器)60が適用される画像形成装置1の構成例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部10と、画像形成装置1全体の動作を制御する主制御部31と、を備えている。さらには、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3等との通信を行って画像データを受信する通信部32と、原稿から画像を読み取って読取画像データを生成する画像読取部33と、通信部32にて受信された画像データや画像読取部33によって生成された読取画像データ等に対し予め定めた画像処理を施し画像形成部10に転送する画像処理部34と、ユーザからの操作入力の受付やユーザに対する各種情報の表示を行うユーザインターフェース(UI)部35と、を備えている。
画像形成部10は、例えば電子写真方式により画像を形成する構成部であって、並列して配置されるトナー像形成手段の一例としての4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K(以下、「画像形成ユニット11」)を備えている。各画像形成ユニット11は、機能部材として、例えば、矢印A方向に回転しながら静電潜像が形成され、その後にトナー像が形成される感光体ドラム12と、感光体ドラム12の表面を予め定められた電位で帯電する帯電器13と、帯電器13により帯電された感光体ドラム12を画像データに基づいて露光する露光器14と、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を各色トナーにより現像する現像器15と、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するクリーナ16と、を備えている。
画像形成ユニット11各々は、現像器15に収容されるトナーを除いて略同様に構成され、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
また、画像形成部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12にて形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト20と、各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト20に順次転写(一次転写)する一次転写ロール21と、を備えている。さらに、中間転写ベルト20上に重畳して転写された各色トナー像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)する二次転写ロール22と、二次転写された各色トナー像を用紙P上に定着させる定着手段(定着装置)の一例としての定着器60と、を備えている。なお、本実施の形態の画像形成装置1では、中間転写ベルト20、一次転写ロール21、および二次転写ロール22により転写手段が構成される。
画像形成部10の画像形成ユニット11各々は、上記の機能部材を用いた電子写真プロセスによりイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色トナー像を形成する。各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像は、一次転写ロール21により中間転写ベルト20上に順に静電転写され、各色トナーが重畳された合成トナー像を形成する。中間転写ベルト20上の合成トナー像は、中間転写ベルト20の移動(矢印B方向)に伴って二次転写ロール22が配置された二次転写領域Trに搬送され、用紙収容容器40から供給される用紙P上に一括して静電転写される。その後、用紙P上に静電転写された合成トナー像は、定着器60によって定着処理を受けて用紙P上に定着される。そして、定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置1の排出部に設けられた用紙積載部45に搬送され集積される。
一方、一次転写後に感光体ドラム12に付着しているトナー(一次転写残トナー)、および二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(二次転写残トナー)は、それぞれドラムクリーナ16、およびベルトクリーナ25によって除去される。
このようにして、画像形成装置1での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
<定着ユニットの全体構成の説明>
次に、本実施の形態の定着器60について説明する。
図2および図3は、本実施の形態の定着器60の構成を説明する図である。図2は用紙Pの搬入側から見た定着器60の正面図であり、図3は定着器60の図2におけるIII−III断面図である。
図2および図3に示すように、定着器60は、支持体69(図2参照)の内部に、交流磁界を生成する磁界生成部材の一例としてのIH(Induction Heating)ヒータ63と、IHヒータ63により電磁誘導加熱されてトナー像を定着する定着部材の一例としての定着ベルト61と、定着ベルト61の内部に配置された弾性部材64(図3参照)と、定着ベルト61に対向するように配置された加圧部材の一例としての加圧ロール62と、定着ベルト61からの用紙Pの剥離を補助する剥離補助部材70(図3参照)と、を備えている。
<定着ベルトの説明>
定着ベルト61は、原形が円筒形状の無端のベルト部材で構成され、例えば原形(円筒形状)時の直径が30mm、幅方向長が400mmに形成されている。また、図4(定着ベルト61の断面層構成図)に示したように、定着ベルト61は、基材層611と、基材層611の上に積層された導電発熱層612と、トナー像の定着性を向上させる弾性層613と、最外層に被覆された表面離型層614と、からなる多層構造で構成されている。
まず、定着ベルト61の基材層611は、薄層の導電発熱層612を支持するとともに、定着ベルト61全体としての機械的強度を形成する耐熱性のシート状部材で構成される。また、基材層611は、磁界を通過させる物性(比透磁率、固有抵抗)を持った材質、厚さで形成され、基材層611自身は、磁界の作用により発熱しないか、または発熱し難く構成される。具体的には、基材層611は、例えば、厚さ30〜200μmの非磁性ステンレススチール等の非磁性金属や、厚さ60〜200μmの樹脂材料等が用いられる。
定着ベルト61の導電発熱層612は、発熱層の一例であって、IHヒータ63にて生成される交流磁界によって電磁誘導加熱される電磁誘導発熱体層である。すなわち、導電発熱層612は、IHヒータ63からの交流磁界が厚さ方向に通過することにより、渦電流を発生させる層である。
ここで、IHヒータ63により生成される交流磁界の周波数は、一般に使用される汎用電源による20k〜100kHzである。それにより、導電発熱層612は、周波数20k〜100kHzの交流磁界が侵入し通過するように構成される。導電発熱層612を構成する材料としては、例えば、Au,Ag,Al,Cu,Zn,Sn,Pb,Bi,Be,Sb等の金属や、これらの金属合金が用いられる。
具体的には、導電発熱層612の構成として、厚さ2〜20μm、固有抵抗2.7×10−8Ω・m以下の例えばCu等の非磁性金属(比透磁率が概ね1の常磁性体)が用いられる。また、定着ベルト61を定着可能温度まで加熱するまでに要する時間(以下、「ウォームアップタイム」)を短縮する観点からも、導電発熱層612を薄層にして熱容量を小さく構成する。
次に、定着ベルト61の弾性層613は、シリコーンゴム等の耐熱性の弾性体で構成される。定着対象となる用紙Pに保持されるトナー像は、粉体である各色トナーが積層して形成されている。それにより、ニップ部Nにおいてトナー像の全体に均一に熱を供給するために、弾性層613は用紙P上のトナー像の凹凸に倣って変形するように構成される。例えば、弾性層613は、厚みが100〜600μm、硬度が10°〜30°(JIS−A)のシリコーンゴムが用いられる。
定着ベルト61の表面離型層614は、用紙P上に保持された未定着トナー像と直接接触するため、トナーに対する離型性の高い材質が使用される。例えば、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、シリコーン共重合体、またはこれらの複合層等が用いられる。表面離型層614の厚さとしては、薄すぎると、耐摩耗性の面で充分でなく、定着ベルト61の寿命を短くする。その一方で、厚すぎると、定着ベルト61の熱容量が大きくなりすぎ、ウォームアップタイムが長くなる。そこで、表面離型層614の厚さは、耐摩耗性と熱容量とのバランスを考慮し、1〜50μmに設定される。
なお、定着ベルト61は、単一の材質からなる一層構成としてもよい。例えば、定着ベルト61を50μm程度の厚さのNi等の金属からなる一層として構成としてもよい。
<弾性部材の説明>
本実施の形態の定着器60では、定着ベルト61の内部に、定着ベルト61の全幅に亘って弾性部材64を配置している。弾性部材64は、例えばゴム硬度15〜45°(JIS−A)のゴム、エラストマー等(例えば、シリコーンゴム)の弾性体で構成された外径が28mmの円柱状ロールで形成されている。
そして、弾性部材64は、定着ベルト61に加圧ロール62が圧接(押圧しながら接触)される領域であるニップ部Nを除き、その外周面が定着ベルト61の内周面と非接触となるように配置される。それにより、弾性部材64は、ニップ部Nが構成される場合を除き、その外周面と定着ベルト61の内周面との間に空隙の一例としての空隙層gapを形成する。
また、弾性部材64の両端部は、定着ベルト61の両端部とともに、エンドキャップ部材67,68に支持される。
<定着ベルトおよび弾性部材の支持方法の説明>
このような構成を有する定着ベルト61および弾性部材64は、図2に示すように、定着ベルト61および弾性部材64の両端部に支持部材の一例としての円柱形状のエンドキャップ部材67,68が装着され、定着ベルト61および弾性部材64とエンドキャップ部材67,68とは接着して固定(接合)される。その際に、図3に示すように、エンドキャップ部材67,68は、弾性部材64の外周面と定着ベルト61の内周面とが非接触となり空隙層gapが形成されるように定着ベルト61および弾性部材64を接合する。
エンドキャップ部材67,68は、例えば、耐熱ガラス、ポリカーボネート、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂、またはこれらにガラス繊維を混合した耐熱性樹脂等の剛性の高い耐熱性材料で構成されている。
また、エンドキャップ部材67,68の回転中心にはそれぞれ外側(定着ベルト61とは反対の側)に向けて回転軸97が設けられ、回転軸97は両端が支持体69に回転自在に支持されている。
図5は、定着ベルト61および弾性部材64とエンドキャップ部材67,68との接合部を説明する図である。図5(a)は定着ベルト61および弾性部材64とエンドキャップ部材67との接合部の断面図であり、(b)は弾性部材64がエンドキャップ部材67に接合される様子を示す斜視図であり、(c)は定着ベルト61がエンドキャップ部材67に接合される様子を示す斜視図である。図5では、エンドキャップ部材67との接合を例示しているが、エンドキャップ部材68との接合も同様に構成されている。
まず、図5(a)に示すように、エンドキャップ部材67は、外周側面67aに定着ベルト61の内周面61b(図5(c)参照)が接合され、定着ベルト61側の底面(内側底面)67bに弾性部材64の底面64bが接合されている。さらに詳細には、図5(b)に示すように、エンドキャップ部材67の内側底面67bには、エンドキャップ部材67の回転中心(図中一点鎖線)を中心軸とする円柱形状の凸状部67cが形成されている。また、エンドキャップ部材67の内側底面67bに対向する弾性部材64の底面64bには、弾性部材64の回転中心(図中一点鎖線)を中心軸とする円形の凹状部64aが形成されている。そして、エンドキャップ部材67の凸状部67cに弾性部材64の凹状部64aが嵌入されることで、弾性部材64はエンドキャップ部材67にそれぞれ共通の回転中心(図中一点鎖線)を持って接合される。
剛性の高い耐熱性材料で構成されたエンドキャップ部材67,68に弾性部材64が接合されることで、弾性部材64は安定して支持されるので、ニップ部Nのニップ圧が一定値に安定して維持される。
また、図5(c)に示すように、エンドキャップ部材67の外周側面67aに定着ベルト61の内周面61bが接合される。この場合に、エンドキャップ部材67の内側底面67bの直径は、定着ベルト61の原形(円筒形状)時の直径と一致させて形成されている。それにより、定着ベルト61はエンドキャップ部材67との接合部にて撓むことなく、エンドキャップ部材67と接合される。
また、図2に示すように、エンドキャップ部材67の回転軸97には、駆動伝達ギヤ96が固定されている。そして、後段で説明する接離機構により、定着ベルト61に加圧ロール62が圧接(押圧しながら接触)されている状態では、駆動伝達ギヤ96には駆動モータ90からの回転駆動力が伝達されず、定着ベルト61は加圧ロール62からの摩擦力によって従動回転する。一方、定着ベルト61から加圧ロール62が離間した状態では、駆動伝達ギヤ96に駆動モータ90からの回転駆動力が伝達され、定着ベルト61はエンドキャップ部材67を介して自らが回転する。なお、定着ベルト61および加圧ロール62を駆動する機構については、後段(図6)で詳述する。
<加圧ロールの説明>
図3に示すように、加圧ロール62は、例えば発泡させたシリコーンゴム等からなる耐熱性弾性体層621と、例えば厚さ50μmのカーボン配合のPFA等の耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層622と、で構成されている。また、加圧ロール62は、直径が28mm、幅方向長が370mmに形成されている。そして、加圧ロール62は、定着ベルト61の回転軸97方向に沿って定着ベルト61と並行して配置され、次段で説明するように、接離機構により定着ベルト61に対して接離するように構成されている。
また図2(後段図7も参照)に示すように、加圧ロール62には、加圧ロール62の回転中心を貫通するように回転軸95が設けられている。そして、回転軸95の一方の端部側には、駆動伝達ギヤ94が固定されるとともに、回転軸95は、支持体69において定着ベルト61方向に関して予め定められた範囲内で移動自在に支持され、かつ回転自在に支持されている。それにより、加圧ロール62は、接離機構により定着ベルト61に圧接する位置に配置されると、駆動伝達ギヤ94を介して駆動源である駆動モータ90からの駆動力を受けて、自らが図3の矢印C方向に回転する。それにより、定着ベルト61は加圧ロール62に従動して回転する。その際には、加圧ロール62は定着ベルト61を押圧しながら定着ベルト61との接触位置にニップ部Nを形成し、このニップ部Nに未定着トナー像を保持した用紙Pを通過させることで、熱および圧力によって未定着トナー像を用紙Pに定着する。
<加圧ロールの接離機構の説明>
ここで、上記した加圧ロール62を定着ベルト61に対して接離させる接離手段の一例としての接離機構(以下、「リトラクト機構」)について説明する。
図2に示すように、本実施の形態の定着器60は、リトラクト機構として、支持体69に回転自在に支持される回転軸81と、予め定められた角度範囲内で回転軸81を変位させる変位モータ80と、回転軸81の両端部領域であって加圧ロール62の回転軸95に対向する位置に固定され、回転軸81の変位により揺動するカム82,83と、を備えている。さらに、加圧ロール62の回転軸95の両端部領域に接続され、加圧ロール62を定着ベルト61から離間する方向(矢印方向)に付勢するバネ84,85を備えている。
次の図6は、リトラクト機構が加圧ロール62を定着ベルト61に接離させる際の動作を説明する図である。まず、図6(a)に示すように、カム82,83(図6ではカム82のみを図示)の頂部F0が定着ベルト61の回転軸97方向を向くように、変位モータ80が回転軸81を変位させた状態では、カム82(カム83)の頂部F0が加圧ロール62の回転軸95をバネ84,85(図2参照)の付勢力に抗して定着ベルト61側(矢印方向)に押し込む。それにより、加圧ロール62は、定着ベルト61を介して弾性部材64を押圧する位置に設定される。
続いて、図6(b)に示すように、カム82(カム83)の頂部F0が定着ベルト61の回転軸97方向とは角度θだけ傾くように、変位モータ80が回転軸81を変位させた状態では、加圧ロール62の回転軸95はバネ84,85(図2参照)の付勢力によりカム82(カム83)の側面F1に沿って、支持体69(図5参照)に設定された移動制限領域Wの範囲内で定着ベルト61側から離間する方向(図5(b)矢印方向)に移動する。それにより、加圧ロール62は、定着ベルト61から離間した位置に設定される。
このように、加圧ロール62は、リトラクト機構によって定着ベルト61に対して接離動作を行う。リトラクト機構により加圧ロール62に対する接離動作が行われるのは、定着器60での定着動作の開始時および終了時である。すなわち、定着動作の開始に合わせて加圧ロール62が定着ベルト61に圧接する(押圧しながら接触する)ように設定される。それにより、定着動作時には駆動モータ90(図2参照)からの回転駆動力を受けた加圧ロール62が定着ベルト61を従動回転させる。また、定着動作の前は、加圧ロール62は定着ベルト61から離間した状態が維持され、その状態で定着ベルト61を回転させてIHヒータ63により定着可能温度まで上昇させる動作(以下、「ウォームアップ動作」)が行われる。
<定着ベルトの駆動機構の説明>
次に、定着ベルト61および加圧ロール62を駆動する機構(以下、「駆動機構」)について説明する。
まず、上記図2に示すように、本実施の形態の定着器60は、駆動機構として、駆動源としての駆動モータ90と、駆動モータ90の回転軸91に固定された駆動伝達ギヤ92および駆動伝達ギヤ93と、加圧ロール62の回転軸95に固定された駆動伝達ギヤ94と、エンドキャップ部材67の回転軸97に固定された駆動伝達ギヤ96と、を備えている。さらに、エンドキャップ部材67の駆動伝達ギヤ96と駆動モータ90側の駆動伝達ギヤ93とを結合する伝達ギヤ98を備えている。伝達ギヤ98は、トルクリミッタ100(次段図7参照)を介して回転軸99に支持されている。
引き続いて、定着器60の駆動機構において、駆動モータ90からの駆動力の伝達経路について説明する。上記したように、加圧ロール62がリトラクト機構によって定着ベルト61に対して接離動作することから、加圧ロール62が定着ベルト61に圧接された状態と離間された状態とで、駆動モータ90からの駆動力は、異なる経路を伝達される。
図7は、駆動モータ90から定着ベルト61および加圧ロール62への駆動力の伝達を説明する図である。図7(a)は、リトラクト機構によって加圧ロール62が定着ベルト61に圧接された状態での駆動力の伝達を示し、(b)は、加圧ロール62が定着ベルト61から離間された状態での駆動力の伝達を示している。
図7(a)に示すように、加圧ロール62が定着ベルト61(図6参照)に圧接された状態では、駆動モータ90の回転軸91に固定された駆動伝達ギヤ92は、加圧ロール62側の駆動伝達ギヤ94と結合する。また、駆動モータ90の回転軸91に固定された駆動伝達ギヤ93は、定着ベルト61側であるエンドキャップ部材67の駆動伝達ギヤ96と結合する伝達ギヤ98と結合する。
その場合には、駆動伝達ギヤ92と駆動伝達ギヤ94との結合により、駆動モータ90からの回転駆動力が駆動伝達ギヤ92および駆動伝達ギヤ94を介して加圧ロール62側に伝達され、加圧ロール62が回転駆動される。そして、加圧ロール62は、定着ベルト61を従動回転させる。
一方、駆動伝達ギヤ93と伝達ギヤ98との結合により、駆動モータ90からの回転駆動力は、駆動伝達ギヤ93を介して伝達ギヤ98にも伝達される。ところが、この場合には、伝達ギヤ98が駆動伝達ギヤ96を介して回転駆動力を伝達しようとする定着ベルト61(エンドキャップ部材67)は、加圧ロール62によって従動回転している。さらには、駆動モータ90側の駆動伝達ギヤ92と加圧ロール62側の駆動伝達ギヤ94との間に設定されたギヤ比は、駆動モータ90側の駆動伝達ギヤ93と伝達ギヤ98とエンドキャップ部材67の駆動伝達ギヤ96との間に設定されたギヤ比よりも、定着ベルト61を僅かながら(例えば、1〜3%程度)速く回転させるように構成されている。そのため、この場合には、伝達ギヤ98が回転駆動力を伝達しようとする定着ベルト61側の駆動伝達ギヤ96は、伝達ギヤ98よりも速い回転速度で回転している。それにより、伝達ギヤ98は、回転軸99との間に配置されたトルクリミッタ100により空回転し、駆動モータ90側の駆動伝達ギヤ93からエンドキャップ部材67の駆動伝達ギヤ96へは回転駆動力が伝達されない。
このように、図7(a)に示す加圧ロール62が定着ベルト61に圧接された状態では、駆動モータ90からの回転駆動力は、加圧ロール62にのみ伝達される。そして、それにより、定着ベルト61は加圧ロール62によって従動回転するので、定着ベルト61の回転速度は、加圧ロール62のみによって設定されることとなる。そのため、定着ベルト61の回転速度は安定する。
一方、図7(b)に示すように、加圧ロール62が定着ベルト61から離間された状態では、駆動モータ90側の駆動伝達ギヤ92と、加圧ロール62側の駆動伝達ギヤ94との結合状態が解除される。そのため、駆動モータ90からの回転駆動力が加圧ロール62側に伝達されず、定着ベルト61は、加圧ロール62からの回転力を受けない。そのため、この場合には、伝達ギヤ98は、駆動モータ90側の駆動伝達ギヤ93からエンドキャップ部材67の駆動伝達ギヤ96へ回転駆動力を伝達する。それにより、駆動モータ90からの回転駆動力が、定着ベルト61側の駆動伝達ギヤ96からエンドキャップ部材67の回転軸97に伝達され、さらにはエンドキャップ部材67に接合された定着ベルト61に伝達されて、定着ベルト61は自らが直接的に回転される。
このように、本実施の形態の定着器60では、定着動作を開始する前であって加圧ロール62がリトラクト機構によって定着ベルト61に圧接されていない状態に設定されている場合には、駆動モータ90からの回転駆動力により、定着ベルト61はエンドキャップ部材67を介して直接的に回転駆動される。
一方、定着動作が開始され加圧ロール62がリトラクト機構によって定着ベルト61に圧接された状態においては、定着ベルト61は、駆動モータ90からの回転駆動力によって回転する加圧ロール62に従動して間接的に回転する。
<IHヒータの説明>
次に、定着ベルト61の導電発熱層612に交流磁界を作用させて電磁誘導加熱するIHヒータ63について説明する。
図8は、本実施の形態のIHヒータ63の構成を説明する断面図である。図8に示すように、IHヒータ63は、例えば耐熱性樹脂等の非磁性体から構成される支持体631と、交流磁界を生成する励磁コイル632と、励磁コイル632を支持体631上に固定する例えばシリコーンゴム等の弾性体で構成された弾性固定部材633と、定着ベルト61の幅方向に沿って複数配置され、励磁コイル632にて生成された交流磁界の磁路を形成する磁心634と、を備えている。またIHヒータ63は、定着ベルト61の幅方向に沿って複数配置され、励磁コイル632にて生成された交流磁界を支持体631の長手方向に均すための調整用磁心639と、磁心634を上部から覆うように保持する磁心保持部材637と、磁心保持部材637を介して磁心634を支持体631側に加圧する例えばシリコーンゴム等の弾性体で構成された加圧部材636と、磁界を遮蔽して外部への漏洩を抑制するシールド635と、励磁コイル632に交流電流を供給する励磁回路638と、を備えている。
支持体631は、例えば、耐熱ガラス、ポリカーボネート、PPSの耐熱性樹脂、またはこれらにガラス繊維を混合した耐熱性樹脂等の耐熱性のある非磁性材料で構成されている。そして、断面が定着ベルト61の表面形状に沿って湾曲した形状で形成され、励磁コイル632を支持する支持面631aが定着ベルト61表面と予め定めた間隙(例えば、0.5〜2mm)を保つように形成され設定されている。
励磁コイル632は、相互に絶縁された例えば直径0.17mmの銅線材を例えば90本束ねたリッツ線が長円形状や楕円形状、長方形状等の中空きの閉ループ状に巻かれて構成されている。そして、励磁コイル632に励磁回路638から予め定めた周波数の交流電流が供給されることにより、励磁コイル632の周囲には、閉ループ状に巻かれたリッツ線を中心とする交流磁界が生成される。励磁回路638から励磁コイル632に供給される交流電流の周波数は、一般的な汎用電源により生成される20k〜100kHzが用いられる。
弾性固定部材633は、例えばシリコーンゴム等やフッ素ゴム等の弾性体で構成されたシート状部材である。弾性固定部材633は、励磁コイル632が支持体631の支持面631aに密着して固定されるように、励磁コイル632を支持体631に対して押圧するように設定されている。
磁心634は、例えば焼成フェライト、フェライト樹脂、パーマロイ、感温磁性合金等の高透磁率の酸化物や合金材質で構成される円弧形状の強磁性体が用いられる。磁心634は、励磁コイル632にて生成された交流磁界による磁力線(磁束)を内部に誘導し、磁心634から定着ベルト61を横切って磁心634に戻るという磁力線の通路(閉磁路)を形成する。それにより、励磁コイル632にて生成された交流磁界の磁力線Hを定着ベルト61の磁心634と対向する領域に集中させる。
磁心保持部材637の各々は、SUSや樹脂等の非磁性体で形成され、磁心634の一部または全部を覆うようにして磁心634各々を保持する。
調整用磁心639は、例えば焼成フェライト、フェライト樹脂等の高透磁率材質で構成される直方体形状(ブロック形状)の強磁性体が用いられる。そして、調整用磁心639は、磁心634により形成される交流磁界の支持体631長手方向(=定着ベルト61の幅方向)に生じる強弱を均すことにより、定着ベルト61の幅方向の温度むら(温度のばらつき、温度リップル)を低減している。
このように、IHヒータ63は、定着ベルト61の厚さ方向に横切る磁力線Hを生成して、定着ベルト61の導電発熱層612に単位面積当たりの磁力線Hの数(磁束密度)の変化量に比例した渦電流Iを発生させる。それにより、導電発熱層612の固有抵抗値Rと渦電流Iの二乗の積であるジュール熱W(W=IR)を導電発熱層612に発生させて、定着ベルト61を加熱する。
<弾性部材の機能の説明>
次に、定着ベルト61の内部に配置された弾性部材64の機能について説明する。
上記したように、本実施の形態の定着器60は、加圧ロール62を定着ベルト61に対して接離させるリトラクト機構を備えている。そして、定着動作を開始する前に定着ベルト61をIHヒータ63により定着可能温度まで上昇させる動作(ウォームアップ動作)を行う際には、リトラクト機構によって加圧ロール62を定着ベルト61から離間させた位置に設定しておく。それにより、熱容量の小さな定着ベルト61から加圧ロール62に熱の流出が生し難い状態を設定することで定着ベルト61を効率的に加熱し、定着ベルト61を定着可能温度まで上昇させる時間(以下、「ウォームアップ時間」)を低減している。なお、ウォームアップ動作中は、定着ベルト61は、上記した駆動機構により駆動モータ90からの回転駆動力によって直接、回転駆動される。
一方、ウォームアップ動作によって定着ベルト61が定着可能温度近傍であって定着可能温度よりも低い予め定められた温度に到達した時点にて、加圧ロール62はリトラクト機構によって定着ベルト61に圧接される。それにより、定着ベルト61は、上記した駆動機構によって駆動モータ90からの回転駆動力によって回転する加圧ロール62に従動して回転するため、定着ベルト61から加圧ロール62に熱が流出する。しかし、この状態では、定着ベルト61は定着可能温度近傍まで到達している。そのため、定着ベルト61は、加圧ロール62に熱を伝熱しながらIHヒータ63から電磁誘導加熱により定着可能温度に向けた加熱が継続して行われて、最終的に定着可能温度に到達する。そして、定着ベルト61が定着可能温度に到達することにより、ニップ部Nに用紙P搬送されて定着動作が開始される。
ところで、上記したように、本実施の形態の定着器60では、定着ベルト61の内部に、定着ベルト61の全幅に亘って弾性部材64を配置している。そして、定着ベルト61は、定着動作中はリトラクト機構によって加圧ロール62が定着ベルト61に圧接して配置されることにより、弾性部材64および加圧ロール62双方の弾性力によって定着ベルト61と加圧ロール62との間でニップ部Nを形成する。一方、ウォームアップ動作中はリトラクト機構によって加圧ロール62が定着ベルト61から離間して配置されることにより、定着ベルト61全体の原型形状が復元して、定着ベルト61と弾性部材64との間に空隙層gapが介在した構成が形成される。
次の図9は、ニップ部N近傍領域での定着ベルト61の状態を示す図である。図9(a)は、加圧ロール62が定着ベルト61に圧接された場合を示し、(b)は、加圧ロール62が定着ベルト61から離間した場合を示している。
図9(a)に示すように、定着動作中においては、リトラクト機構によって加圧ロール62が定着ベルト61に圧接して配置される。その際に、ニップ部Nでは、定着ベルト61が弾性部材64に押し付けられて定着ベルト61の内周面と弾性部材64の外周面とが密着するとともに、弾性変形しながら定着ベルト61を押圧する加圧ロール62と、加圧ロール62からの押圧力によって弾性変形する弾性部材64とによって、予め定められたニップ圧を持ったニップ部Nが形成される。
このように、加圧ロール62が定着ベルト61に圧接して配置された際には、定着ベルト61の内周面が弾性部材64の外周面に押し付けられ、それにより加圧ロール62からの押圧力を弾性部材64が受けて弾性変形し、ニップ部Nを形成する(図9(a))。これによって、ニップ部Nのニップ圧は、弾性変形する加圧ロール62と弾性変形する弾性部材64との双方によって予め定められた圧力に安定的に設定される。
一方、図9(b)に示すように、ウォームアップ動作中においては、リトラクト機構によって加圧ロール62が定着ベルト61から離間して配置される。その際には、定着ベルト61全周に亘って、定着ベルト61と弾性部材64との間に空隙層gapが介在した構成が形成される。
上記したように、ウォームアップ動作中は、リトラクト機構によって加圧ロール62を定着ベルト61から離間させることにより、定着ベルト61の外側において、定着ベルト61から加圧ロール62に熱の流出が生じない状態を設定している。さらに、本実施の形態では、定着ベルト61の内側においても、定着ベルト61と弾性部材64との間に空隙層gapを介在させることにより、定着ベルト61から弾性部材64に熱の流出が生じない状態を設定している。それによって、定着ベルト61を定着可能温度まで上昇させるウォームアップ時間をさらに低減する構成を実現している。
<画像形成処理に関する動作制御の説明>
続いて、画像形成動作の流れについて説明しておく。
図10は、主制御部31が行う画像形成処理の内容の一例を説明するフローチャートである。
図10に示したように、主制御部31は、画像読取部33やUI部35や通信部32からの信号等に基づいて、画像読取部33に原稿が置かれるなどのユーザによる画像形成指示前に行われる操作(以下、「ユーザによる操作」)を監視する(ステップ101)。そして、主制御部31は、ユーザによる操作を認識した場合には(ステップ101でYes)、定着器60に対し、駆動モータ90(上記図2参照)をオンして、リトラクト機構により加圧ロール62が定着ベルト61に圧接されていない状態にて定着ベルト61を回転させるように指示する(ステップ102)。さらにその後、主制御部31は、ウォーミングアップ動作の実行を指示する(ステップ103)。
この段階では、加圧ロール62が定着ベルト61から離間しているので、定着ベルト61の外側において、定着ベルト61から加圧ロール62に熱の流出が生じない状態となり、さらに、定着ベルト61の内側においても、定着ベルト61と弾性部材64との間に空隙層gapが介在するので、定着ベルト61から弾性部材64に熱の流出が生じない状態となる。それによって、熱容量の小さい定着ベルト61からの熱の流出が抑制され、定着ベルト61を定着可能温度まで上昇させるウォームアップ時間が低減される。またこの場合には、定着ベルト61は、駆動モータ90からの回転駆動力によって自らが回転する。
一方、ユーザによる操作を認識しない場合には(ステップ101でNo)、主制御部31は、ユーザによる操作の監視を継続する(ステップ101)。
そして、主制御部31は、ウォームアップ動作によって定着ベルト61が定着可能温度近傍であって定着可能温度よりも低い予め定められた温度に到達すると(ステップ104でYes)、リトラクト機構によって加圧ロール62を定着ベルト61に圧接させる(ステップ105)。そして、加圧ロール62が圧接された定着ベルト61が定着可能温度に到達すると(ステップ106でYes)、主制御部31は、画像形成部10に対してトナー像形成動作の開始を指示する(ステップ107)。
この段階では、定着ベルト61に加圧ロール62が圧接して配置されるので、定着ベルト61の内周面が弾性部材64の外周面に押し付けられ、加圧ロール62からの押圧力を弾性部材64が受けて弾性変形し、ニップ部Nを形成する。また、加圧ロール62は、定着ベルト61を従動回転させる。
そして、主制御部31は、一連の画像形成処理の完了を認識すると(ステップ108)、再度、ステップ101に戻って、ユーザによる操作を監視する。
上記したように、本実施の形態の定着器60は、定着ベルト61の全幅に亘って定着ベルト61の内部に弾性部材64が配置されるとともに、定着ベルト61と弾性部材64とはエンドキャップ部材67,68にて相互間に空隙層gapが形成されるように接合されている。さらには、本実施の形態の定着器60は、加圧ロール62を定着ベルト61に接離させるリトラクト機構を備え、ウォーミングアップ動作にて定着可能温度近傍であって定着可能温度よりも低い予め定められた温度に到達するまで、加圧ロール62を定着ベルト61から離間させておく。
それにより、ウォームアップ動作中は、定着ベルト61の外側において、定着ベルト61から加圧ロール62に熱の流出が生じない状態を設定している。さらに、定着ベルト61の内側においても、定着ベルト61と弾性部材64との間に空隙層gapを介在させることにより、定着ベルト61から弾性部材64に熱の流出が生じ難い状態を設定している。それによって、熱容量の小さい定着ベルト61から外部への熱の流出を抑制し、定着ベルト61を定着可能温度まで上昇させるウォームアップ時間を従来よりもさらに低減している。
[実施の形態2]
実施の形態1の定着器60では、剛性の高い耐熱性樹脂で構成されたエンドキャップ部材67,68により、定着ベルト61と弾性部材64とが相互間に空隙層gapが形成されるように接合される構成を説明した。本実施の形態では、剛性の低い耐熱性材料で構成されたエンドキャップ部材67,68により、定着ベルト61と弾性部材64とが相互間に空隙層gapが形成されるように接合される構成を説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図11は、本実施の形態における定着ベルト61および弾性部材64とエンドキャップ部材67,68との接合部を説明する図である。図11(a)は定着ベルト61および弾性部材64とエンドキャップ部材67との接合部の断面図であり、(b)は弾性部材64がエンドキャップ部材67に接合される様子を示す斜視図であり、(c)は定着ベルト61がエンドキャップ部材67に接合される様子を示す斜視図である。図11では、エンドキャップ部材67との接合を例示しているが、エンドキャップ部材68との接合も同様である。
まず、図11(a)に示すように、本実施の形態のエンドキャップ部材67(エンドキャップ部材68)は、回転軸97(回転軸98)と一体として剛性の高い耐熱性樹脂で構成された本体部67Aと、本体部67Aの外周側面67aに外嵌され、本体部67Aよりも高い弾性変形率を有する弾性層部の一例としての円筒形状のスポンジ層部67Bとで構成されている。例えばスポンジ層部67Bは、シリコーンゴムを発泡させたゴム硬度15〜35°(JIS−A)の弾性体で構成される。本体部67Aを剛性の高い耐熱性樹脂で構成することにより、駆動モータ90からの回転駆動力が効率的かつ安定的に伝達される。なお、ここでの「弾性変形率」とは、押圧力が作用した際の単位体積当たりの弾性変形量をいう。
そして、スポンジ層部67Bの外周側面67aに定着ベルト61の内周面61b(図11(c)参照)が接合され、本体部67Aに弾性部材64の底面64b(図11(b)参照)が接合されている。
さらに詳細には、図11(b)に示すように、エンドキャップ部材67の本体部67Aは、定着ベルト61側においてエンドキャップ部材67の回転中心(図中一点鎖線)を中心軸とする円柱形状の凸状部67cを構成する。また、エンドキャップ部材67の本体部67Aに対向する弾性部材64の内側底面64bには、弾性部材64の回転中心(図中一点鎖線)を中心軸とする円形の凹状部64aが形成されている。そして、エンドキャップ部材67の本体部67A(凸状部67c)に弾性部材64の凹状部64aが嵌入されることで、弾性部材64はエンドキャップ部材67にそれぞれ共通の回転中心(図中一点鎖線)を持って接合される。その場合に、スポンジ層部67Bの内側底面67bと弾性部材64の底面64bとは接触するか、または僅かな間隙を持つように設定される。すなわち、スポンジ層部67Bが弾性部材64からの圧力よって変形しないように、弾性部材64の底面64bがスポンジ層部67Bの内側底面67bを圧接しないように配置される。
剛性の高い耐熱性樹脂で構成された本体部67Aに弾性部材64が接合されることで、弾性部材64は安定して支持されるので、ニップ部Nのニップ圧が一定値に安定して維持される。
また、図11(c)に示すように、エンドキャップ部材67のスポンジ層部67Bの外周側面67aに定着ベルト61の内周面61bが接合される。この場合に、スポンジ層部67Bの外径は、定着ベルト61の原形(円筒形状)時の直径と一致するか、または僅かに大きく形成されている。それにより、定着ベルト61はエンドキャップ部材67と密着して接合される。
そして、上記したリトラクト機構により、定着ベルト61に加圧ロール62が圧接されている状態では、駆動伝達ギヤ96には駆動モータ90からの回転駆動力が伝達されず、定着ベルト61は加圧ロール62からの摩擦力によって従動回転する。一方、定着ベルト61から加圧ロール62が離間した状態では、駆動伝達ギヤ96に駆動モータ90からの回転駆動力が伝達される。それにより、回転駆動力は駆動伝達ギヤ96からエンドキャップ部材67の回転軸97、さらにはエンドキャップ部材67の本体部67Aを介してスポンジ層部67Bに伝達され、スポンジ層部67Bに接合された定着ベルト61は自らが回転する。
この構成において、リトラクト機構により定着ベルト61に加圧ロール62が圧接されている状態では、定着ベルト61が弾性部材64に押し付けられて定着ベルト61の内周面と弾性部材64の外周面とが密着するとともに、弾性変形しながら定着ベルト61を押圧する加圧ロール62と、加圧ロール62からの押圧力によって弾性変形する弾性部材64とによって、予め定められたニップ圧を持ったニップ部Nが形成される。
その際に、定着ベルト61が弾性変形した弾性部材64と密着して弾性部材64の外周面に倣って変形するのに伴い、エンドキャップ部材67のスポンジ層部67Bは、定着ベルト61の変形に応じて圧縮変形する。
次の図12は、エンドキャップ部材67のスポンジ層部67Bが定着ベルト61の変形に応じて圧縮変形した状態を示した図である。
図12に示すように、定着ベルト61は、ニップ部Nにおいて加圧ロール62から押圧されると、加圧ロール62からの押圧力によって弾性変形した弾性部材64の外周面に倣って圧縮変形する。すなわち、定着ベルト61は、両端部から加圧ロール62が定着ベルト61を押圧する領域までの端部領域Eに位置する部分61aにおいて、弾性部材64の外周面に倣って湾曲する。その際に、エンドキャップ部材67のスポンジ層部67Bは、定着ベルト61の湾曲に対応して圧縮変形するように、剛性が低く構成されている。そのため、スポンジ層部67Bは、定着ベルト61の湾曲に対応して圧縮変形する。それにより、定着ベルト61の両端部側の部分61aは、端部から加圧ロール62が定着ベルト61を押圧する領域に向かって滑らかな曲線を描いて徐々に変形する。このことにより、定着ベルト61に対し部分的に大きな力が加わることが抑えられ、定着ベルト61にて座屈や折れ等の破損が生じ難くなる。
また、外周部にスポンジ層部67Bが構成されたエンドキャップ部材67によっても、実施の形態1の場合と同様に、リトラクト機構によって加圧ロール62が定着ベルト61から離間して配置された状態では、定着ベルト61と弾性部材64との間に空隙部gapが介在する。それにより、定着ベルト61の内側においても、定着ベルト61から弾性部材64に熱の流出が生じ難い状態を設定している。
また、加圧ロール62が定着ベルト61から離間して配置された状態において、上記した駆動機構により、外周部にスポンジ層部67Bが構成されたエンドキャップ部材67を介して定着ベルト61が回転する。
以上説明したように、上記した実施の形態に係る定着器60は、定着ベルト61の全幅に亘って定着ベルト61の内部に弾性部材64が配置されるとともに、定着ベルト61と弾性部材64とはエンドキャップ部材67,68にて相互間に空隙層gapが形成されるように接合されている。さらには、本実施の形態の定着器60は、加圧ロール62を定着ベルト61に接離させるリトラクト機構を備え、ウォーミングアップ動作にて定着可能温度近傍であって定着可能温度よりも低い予め定められた温度に到達するまで、加圧ロール62を定着ベルト61から離間させておく。
それにより、ウォームアップ動作中は、定着ベルト61の外側において、定着ベルト61から加圧ロール62に熱の流出が生じない状態を設定している。さらに、定着ベルト61の内側においても、定着ベルト61と弾性部材64との間に空隙層gapを介在させることにより、定着ベルト61から弾性部材64に熱の流出が生じ難い状態を設定している。それによって、熱容量の小さい定着ベルト61からの熱の流出を抑制し、定着ベルト61を定着可能温度まで上昇させるウォームアップ時間を従来よりもさらに低減している。
1…画像形成装置、60…定着器(定着装置)、61…定着ベルト、62…加圧ロール、63…IHヒータ、64…弾性部材、67,68…エンドキャップ部材、67A…本体部、67B…スポンジ層部

Claims (9)

  1. 電磁誘導により発熱する発熱層を有し、当該発熱層が電磁誘導加熱されることで記録材にトナーを定着する定着部材と、
    前記定着部材に対して接離自在に構成され、押圧しながら当該定着部材に接触することにより、当該定着部材との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材と、
    前記定着部材の内部に配置され、前記加圧部材からの押圧力により弾性変形して前記ニップ部を形成する弾性部材と、
    前記定着部材の内周面と前記弾性部材の外周面との間に空隙を形成するように当該定着部材と当該弾性部材とを支持し、回転駆動力が伝達されることで当該定着部材および当該弾性部材の双方を回転させる支持部材と
    を備え、
    前記回転駆動力が前記支持部材に伝達された状態で、前記定着部材の、電磁誘導加熱される部分から前記ニップ部に至るまでの範囲に、前記弾性部材と非接触の部分を有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記加圧部材を前記定着部材に接離させる接離手段をさらに備え、
    前記接離手段は、前記定着部材が予め定められた温度に加熱されるまで前記加圧部材を当該定着部材から離間した位置に設定し、当該定着部材が当該予め定められた温度に加熱されることにより、当該定着部材を介して前記弾性部材を押圧する位置に当該加圧部材を設定することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記支持部材は、前記定着部材の両端部に配置され、前記加圧部材が当該定着部材を介して前記弾性部材を押圧する位置に設定された場合に当該定着部材を支持する部分が当該定着部材の変形に対応して変形するように構成されたことを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  4. 前記支持部材は、前記回転駆動力が伝達される本体部と、当該本体部と前記定着部材との間に配置され、当該本体部よりも高い弾性変形率を有する弾性層部とより構成され、前記接離手段により前記加圧部材が当該定着部材から離間した位置に設定された場合に当該本体部および当該弾性層部を介して当該定着部材を回転させることを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  5. 前記支持部材は、前記本体部に前記弾性部材が接合されたことを特徴とする請求項4記載の定着装置。
  6. 電磁誘導により発熱する発熱層を有し、当該発熱層が電磁誘導加熱されることで記録材にトナーを定着する定着部材と、
    前記定着部材に対して接離自在に構成され、押圧しながら当該定着部材に接触することにより、当該定着部材との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材と、
    前記定着部材の内部に配置され、前記加圧部材からの押圧力により弾性変形して前記ニップ部を形成する弾性部材と、
    前記定着部材の内周面と前記弾性部材の外周面との間に空隙を形成するように当該定着部材と当該弾性部材とを支持し、回転駆動力が伝達されることで当該定着部材および当該弾性部材の双方を回転させる支持部材と
    を備え、
    前記加圧部材が前記定着部材を押圧するまでは前記空隙が残り、当該加圧部材が当該定着部材を押圧したとき当該定着部材と前記弾性部材とが当該加圧部材の押圧力により接触することを特徴とする定着装置。
  7. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像形成手段によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    前記記録材上に転写された前記トナー像を当該記録材に定着する定着手段とを有し、
    前記定着手段は、
    電磁誘導により発熱する発熱層を有し、当該発熱層が電磁誘導加熱されることで前記記録材に前記トナー像を定着する定着部材と、
    前記定着部材に対して接離自在に構成され、押圧しながら当該定着部材に接触することにより、当該定着部材との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材と、
    前記定着部材の内部に配置され、前記加圧部材からの押圧力により弾性変形して前記ニップ部を形成する弾性部材と、
    前記定着部材の内周面と前記弾性部材の外周面との間に空隙を形成するように当該定着部材と当該弾性部材とを支持し、回転駆動力が伝達されることで当該定着部材および当該弾性部材の双方を回転させる支持部材と
    を備え、
    前記回転駆動力が前記支持部材に伝達された状態で、前記定着部材の、電磁誘導加熱される部分から前記ニップ部に至るまでの範囲に、前記弾性部材と非接触の部分を有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記定着手段は、前記加圧部材を前記定着部材に接離させる接離手段をさらに備え、
    前記定着手段の前記接離手段は、前記定着部材が予め定められた温度に加熱されるまで前記加圧部材を当該定着部材から離間した位置に設定し、当該定着部材が当該予め定められた温度に加熱されることにより、当該定着部材を介して前記弾性部材を押圧する位置に当該加圧部材を設定することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  9. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像形成手段によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    前記記録材上に転写された前記トナー像を当該記録材に定着する定着手段とを有し、
    前記定着手段は、
    電磁誘導により発熱する発熱層を有し、当該発熱層が電磁誘導加熱されることで前記記録材に前記トナー像を定着する定着部材と、
    前記定着部材に対して接離自在に構成され、押圧しながら当該定着部材に接触することにより、当該定着部材との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材と、
    前記定着部材の内部に配置され、前記加圧部材からの押圧力により弾性変形して前記ニップ部を形成する弾性部材と、
    前記定着部材の内周面と前記弾性部材の外周面との間に空隙を形成するように当該定着部材と当該弾性部材とを支持し、回転駆動力が伝達されることで当該定着部材および当該弾性部材の双方を回転させる支持部材と
    を備え、
    前記加圧部材が前記定着部材を押圧するまでは前記空隙が残り、当該加圧部材が当該定着部材を押圧したとき当該定着部材と前記弾性部材とが当該加圧部材の押圧力により接触することを特徴とする画像形成装置。
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