JP5772103B2 - 定着装置、画像形成装置およびプログラム - Google Patents
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Description
本発明は、加圧部材の温度を検知する手段の有無にかかわらず加圧部材の温度に対応して定着部材の温度制御を行なうことができ、定着動作を安定して行なうことができる定着装置等を提供することを目的とする。
請求項2の発明によれば、加圧部材が定着部材の外周面へ圧接する際の定着部材の回転数により加熱手段の制御パターンを決定することができる。
請求項3の発明によれば、加圧部材の温度を検知する手段の有無にかかわらず加圧部材の温度に対応して定着部材の温度制御を行なうことで、記録材に供給される熱量がほぼ一定となりホットオフセット現象の発生を抑制するとともに、適切な電力量を印加することで消費電力を削減しやすくなり、また、定着部材表面の線速度の変化量に対応して定着部材の段階的な温度制御を適切な時間に行なうことができ、より良好な画質を得ることができる画像形成装置を提供することができる。
請求項4の発明によれば、加圧部材の温度を検知する手段の有無にかかわらず加圧部材の温度に対応して定着部材の温度制御を行なうことで、記録材に供給される熱量がほぼ一定となりホットオフセット現象の発生を抑制するとともに、適切な電力量を印加することで消費電力を削減しやすくなり、また、定着部材表面の線速度の変化量に対応して定着部材の段階的な温度制御を適切な時間に行なう機能をコンピュータにより実現することができる。
<画像形成装置の説明>
図1は本実施の形態の定着装置が適用される画像形成装置の構成例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部10、画像形成装置1全体の動作を制御する制御部31を備えている。さらには、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置(スキャナ)4等との通信を行って画像データを受信する通信部32、通信部32にて受信された画像データに対し予め定めた画像処理を施す画像処理部33を備えている。
画像形成ユニット11各々は、現像器15に収納されるトナーを除いて略同様に構成され、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
一方、一次転写後に感光体ドラム12に付着しているトナー(一次転写残トナー)、および二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(二次転写残トナー)は、それぞれドラムクリーナ16、およびベルトクリーナ25によって除去される。
このようにして、画像形成装置1での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
次に、本実施の形態の定着ユニット60について説明する。
図2および図3は本実施の形態の定着ユニット60の構成を示す図であり、図2は正面図、図3は図2におけるIII−III断面図である。
まず、断面図である図3に示すように、定着ユニット60は、交流磁界を生成するIH(Induction Heating)ヒータ80、IHヒータ80により電磁誘導加熱されて用紙Pにトナー像を定着する定着部材の一例としての定着ベルト61、定着ベルト61に対向するように配置される加圧部材の一例としての加圧ロール62、定着ベルト61を介して加圧ロール62から押圧される押圧パッド63を備えている。
さらに、定着ユニット60は、押圧パッド63等の構成部材を支持するホルダ65、IHヒータ80にて生成された交流磁界を誘導して磁路を形成する感温磁性部材64、感温磁性部材64を通過した磁力線を誘導する誘導部材66、定着ベルト61からの用紙Pの剥離を補助する剥離補助部材70、定着ベルト61の表面に接触して配設され定着ベルト61の温度を検知する温度検知手段の一例としての温度センサ75を備えている。また詳しくは後述するが、加圧ロール62は、定着を行なうときには定着ベルト61の外周面に圧接することで定着ベルト61との間に未定着トナー像を保持した用紙Pが通過するためのニップ部N(定着加圧部)を形成し、定着を行なわないときには定着ベルト61から離間するように移動する移動機構200を備える。なお本実施の形態において、IHヒータ80は、定着ベルト61を加熱する加熱手段として捉えることができる。
定着ベルト61は、原形が円筒形状の無端のベルト部材で構成され、例えば原形(円筒形状)時の直径が30mm、幅方向長が370mmに形成されている。また、図4(定着ベルト61の断面層構成図)に示したように、定着ベルト61は、基材層611、基材層611の上に積層された導電発熱層612、トナー像の定着性を向上させる弾性層613、最上層に被覆された表面離型層614からなる多層構造のベルト部材である。
具体的には、基材層611として、例えば、厚さ30〜200μm(好ましくは50〜150μm)の非磁性ステンレススチール等の非磁性金属や、厚さ60〜200μmの樹脂材料等が用いられる。
通常、IHヒータ80に交流電流を供給する励磁回路(後段の図5も参照)の電源として、安価に製造できる汎用電源が使用される。そのため、IHヒータ80により生成される交流磁界の周波数は、一般に、汎用電源による20kHz〜100kHzとなる。それにより、導電発熱層612は、周波数20kHz〜100kHzの交流磁界が侵入し通過するように構成される。
そのため、導電発熱層612の厚さは、周波数20kHz〜100kHzの交流磁界が導電発熱層612を侵入し通過するように、(1)式で規定される導電発熱層612の表皮深さ(δ)よりも薄層に構成される。また、導電発熱層612を構成する材料として、例えば、Au,Ag,Al,Cu,Zn,Sn,Pb,Bi,Be,Sb等の金属や、これらの金属合金が用いられる。
また、定着ベルト61が定着設定温度まで加熱されるまでに要する時間(以下、「ウォームアップタイム」)を短縮する観点からも、導電発熱層612は、薄層に構成するのが好ましい。
表面離型層614は、用紙P上に保持された未定着トナー像と直接接触するため、離型性の高い材質が使用される。例えば、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、シリコーン共重合体、またはこれらの複合層等が用いられる。表面離型層614の厚さとしては、薄すぎると、耐摩耗性の面で充分でなく、定着ベルト61の寿命を短くする。その一方で、厚すぎると、定着ベルト61の熱容量が大きくなりすぎ、ウォームアップタイムが長くなる。そこで、表面離型層614の厚さとして、耐摩耗性と熱容量とのバランスを考慮し、1〜50μmが好適である。
押圧パッド63は、シリコーンゴム等やフッ素ゴム等の弾性体で構成され、加圧ロール62と対向する位置にてホルダ65に支持される。そして、定着ベルト61を介して加圧ロール62から押圧される状態で配置され、加圧ロール62との間でニップ部N(定着加圧部)を形成する。
また、押圧パッド63は、ニップ部Nの入口側(用紙Pの搬送方向上流側)のプレニップ領域63aと、ニップ部Nの出口側(用紙Pの搬送方向下流側)の剥離ニップ領域63bとで異なるニップ圧が設定されている。すなわち、プレニップ領域63aでは、加圧ロール62側の面がほぼ加圧ロール62の外周面に倣う円弧形状に形成され、より均一で幅の広いニップ部Nを形成する。また、剥離ニップ領域63bでは、剥離ニップ領域63bを通過する定着ベルト61の曲率半径が小さくなるように、加圧ロール62表面から局所的に大きなニップ圧で押圧されるように形成される。それにより、剥離ニップ領域63bを通過する用紙Pに定着ベルト61表面から離れる方向のカール(ダウンカール)を形成して、用紙Pに対する定着ベルト61表面からの剥離を促進させている。
次に、感温磁性部材64は、定着ベルト61の内周面に倣った円弧形状で形成され、定着ベルト61の内周面とは予め定めた間隙(例えば、0.5〜1.5mm)を有するように近接させるが、非接触で配置される。感温磁性部材64を定着ベルト61と近接させて配置するのは、感温磁性部材64の温度が定着ベルト61の温度に対応して変化する、すなわち、感温磁性部材64の温度が定着ベルト61の温度と略同じ温度となるように構成するためである。また、感温磁性部材64を定着ベルト61と非接触で配置するのは、画像形成装置1のメインスイッチがオンされ、定着ベルト61が定着設定温度まで加熱される際に、定着ベルト61の熱が感温磁性部材64に流入するのを抑制して、ウォームアップタイムの短縮を図るためである。
なお、ここでの「透磁率変化開始温度」とは、透磁率(例えば、JIS C2531で測定される透磁率)が連続的に低下を開始する温度であり、例えば感温磁性部材64等の部材を透過する磁束量(磁力線の数)が変化し始める温度点をいう。したがって、透磁率変化開始温度は、物質の磁性が消失する温度であるキュリー点に近い温度となるが、キュリー点とは異なる概念を有するものである。
また、感温磁性部材64は、IHヒータ80により生成された交流磁界(磁力線)に対する表皮深さδ(上記(1)式参照)よりも厚い厚さで形成される。具体的には、例えばFe−Ni合金を用いた場合には50〜300μm程度に設定される。
押圧パッド63を支持するホルダ65は、押圧パッド63が加圧ロール62からの押圧力を受けた状態での撓み量が一定量以下となるように、剛性の高い材料で構成される。それにより、ニップ部Nにおける長手方向の圧力(ニップ圧)の均一性を維持している。さらに、本実施の形態の定着ユニット60では、電磁誘導を用いて定着ベルト61を加熱する構成を採用していることから、ホルダ65は、誘導磁界に影響を与えないか、または与え難い材料であり、かつ、誘導磁界から影響を受けないか、または受け難い材料で構成される。例えば、ガラス混入PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂や、例えばAl,Cu,Ag等の非磁性金属材料等が用いられる。
誘導部材66は、感温磁性部材64の内周面に倣った円弧形状で形成され、感温磁性部材64の内周面とは予め定めた間隙(例えば、1.0〜5.0mm)を有する非接触に配置される。また、誘導部材66は、例えばAg,Cu,Alといった固有抵抗値が比較的小さい非磁性金属で構成される。そして、感温磁性部材64が透磁率変化開始温度以上の温度に上昇した際に、IHヒータ80により生成された交流磁界(磁力線)を誘導して、定着ベルト61の導電発熱層612よりも渦電流Iが発生し易い状態を形成する。それにより、誘導部材66の厚さは、渦電流Iが流れ易いように、表皮深さδ(上記(1)式参照)よりも充分に厚い予め定められた厚さ(例えば、1.0mm)で形成される。
続いて、定着ベルト61の導電発熱層612に交流磁界を作用させて電磁誘導加熱するIHヒータ80について説明する。
図5は、本実施の形態のIHヒータ80の構成を説明する断面図である。図5に示したように、IHヒータ80は、例えば耐熱性樹脂等の非磁性体から構成される支持体81、交流磁界を生成する励磁コイル82を備えている。また、励磁コイル82を支持体81上に固定する弾性体で構成された弾性支持部材83、励磁コイル82にて生成された交流磁界の磁路を形成する磁心84を備えている。さらには、磁界を遮蔽するシールド85、磁心84を支持体81側に加圧する加圧部材86、励磁コイル82に交流電流を供給する励磁回路88を備えている。
励磁コイル82は、相互に絶縁された例えば直径0.17mmの銅線材を例えば90本束ねたリッツ線が長円形状や楕円形状、長方形状等の中空きの閉ループ状に巻かれて構成される。そして、励磁コイル82に励磁回路88から予め定めた周波数の交流電流が供給されることにより、励磁コイル82の周囲には、閉ループ状に巻かれたリッツ線を中心とする交流磁界が生成される。励磁回路88から励磁コイル82に供給される交流電流の周波数は、一般に、上記した汎用電源により生成される20kHz〜100kHzが用いられる。
ここで、磁心84は磁路形成による損失が小さい材料が望ましい。具体的には、磁心84は渦電流損を小さくする形態(スリット等による電流経路遮断や分断化、薄板束ね等)での使用が望ましく、ヒステリシス損の小さい材料で形成されることが望ましい。
また、定着ベルト61の回転方向に沿った磁心84の長さは、感温磁性部材64の定着ベルト61の回転方向に沿った長さよりも小さく構成される。それにより、磁力線のIHヒータ80周辺への漏洩が減り、力率が向上する。さらには、定着ユニット60を構成する金属製部材への電磁誘導を抑え、定着ベルト61(導電発熱層612)での発熱効率を高める。
引き続いて、IHヒータ80により生成された交流磁界によって定着ベルト61が発熱する状態を説明する。
まず、上記したように、感温磁性部材64の透磁率変化開始温度は、各色トナー像を定着する定着設定温度以上であって定着ベルト61の耐熱温度以下となる温度範囲内(例えば、140〜240℃)に設定されている。そして、定着ベルト61の温度が透磁率変化開始温度以下の状態にある場合には、定着ベルト61に近接する感温磁性部材64の温度も定着ベルト61の温度に対応して、透磁率変化開始温度以下となる。そのため、感温磁性部材64は強磁性を呈するので、IHヒータ80により生成された交流磁界の磁力線Hは、定着ベルト61を透過した後、感温磁性部材64の内部を広がり方向に沿って通過する磁路を形成する。ここでの「広がり方向」とは、感温磁性部材64の厚さ方向と直交する方向を意味する。
このように、定着ベルト61の温度が透磁率変化開始温度以下の温度範囲にある場合には、磁力線Hが導電発熱層612を横切る領域R1,R2や領域R3において大きな熱が発生する。それにより、定着ベルト61は加熱される。
加圧ロール62は、定着ベルト61に対向するように配置され、図3の矢印D方向に、例えば140mm/sのプロセススピードで回転する。そして、加圧ロール62と押圧パッド63とにより定着ベルト61を挟持した状態でニップ部Nを形成し、このニップ部Nに未定着トナー像を保持した用紙Pを通過させることで、熱および圧力を加えて未定着トナー像を用紙Pに定着する。
加圧ロール62は、例えば直径18mmの中実のアルミニウム製コア(円柱状芯金)621と、コア621の外周面に被覆された例えば厚さ5mmのシリコーンスポンジ等の耐熱性弾性体層622と、さらに例えば厚さ50μmのカーボン配合のPFA等の耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層623とが積層されて構成される。そして、例えば20kgfの荷重で定着ベルト61を介して押圧パッド63を押圧している。
図7に示すように加圧ロール62と定着ベルト61とは離間した状態にある。その結果、加圧ロール62は、元の円形形状に形状復元がなされるため、加圧ロール62が変形し元の形状に戻らなくなるおそれが少なくなる。
なお定着を行なう際には、移動機構200により再び加圧ロール62を定着ベルト61と接触させ、図3で説明したニップ部Nを形成する位置に戻すことが可能である。
続いて図2、図3、図7を使用して、本実施の形態の定着ユニット60における加圧ロール62と定着ベルト61の駆動機構について説明する。
ここで定着動作の際には、定着ユニット制御部300は、IHヒータ80の制御も行なっている。そして温度センサ75から取得された定着ベルト61の温度に基づき、IHヒータ80をフィードバック制御する。そしてこれとともに定着ユニット制御部300は、定着開始後においてIHヒータ80による定着ベルト61への加熱量を段階的に減少させる制御を行なっている。
図8において横軸は時間、縦軸は定着ベルト61の温度を表わす。図中IHヒータ80による加熱開始後、定着ベルト61の温度は上昇する。そして時間aにおいて移動機構200により加圧ロール62が定着ベルト61に圧接する(ラッチON)。そして時間a〜bまで定着ベルト61の温度は下降する。これは、加圧ロール62により定着ベルト61の熱が奪われるためである。次に時間b〜時間cにおいて定着ベルト61の温度は、温度T1でほぼ一定に保持されるように制御される。そして本実施の形態では、時間cにおいて、IHヒータ80に印加する電力量を減少させ、定着ベルト61の温度を温度T2まで下降させる。また時間dにおいて、IHヒータ80に印加する電力量を更に減少させ、定着ベルト61の温度を温度T3まで下降させる。本実施の形態では、定着ベルト61の温度を例えば、1℃〜2℃ずつ下降させる制御を行なう。
しかしながらこの場合、用紙Pに供給される熱量が一定になりにくく、上述したホットオフセット現象が生じることがある。
そこで本実施の形態では、加圧ロール62の温度変化に応じて変化する定着ベルト61の回転数に応じて定着開始後における定着ベルト61への加熱量を調整する。これにより加圧ロール62に温度を検知する手段の有無にかかわらず、加圧ロール62の温度変化を考慮してIHヒータ80の制御を行い、定着ベルト61の加熱量を調整することができる。
図9において横軸は加圧ロール62の温度を表わし、縦軸は定着ベルト61表面の線速度を表わす。図9に示すように加圧ロール62の表面温度が上昇すると定着ベルト61の線速度は増加する。定着ベルト61表面の線速度は、定着ベルト61の回転数と対応関係にあり、この場合、加圧ロール62の表面温度が上昇すると定着ベルト61の回転数が増加することを意味する。これは加圧ロール62の温度が変化すると加圧ロール62に径変化が生じるためである。即ち、加圧ロール62の温度が高くなると、加圧ロール62は膨張し、直径が大きくなる。よって加圧ロール62の回転数の変化がなければ、定着ベルト61の回転数は増加する。本実施の形態では、上述した通りラッチON後の駆動モータ90(図3参照)からの回転駆動力は、加圧ロール62側に伝わり、定着ベルト61側には伝わらない。これにより駆動源は、加圧ロール62側となり、加圧ロール62は予め定められた回転数で回転する。そのため定着ベルト61の回転数は、加圧ロール62の径変化に対応したものとなる。これは加圧ロール62の温度に対応して定着ベルト61の回転数が変化すると言い換えることもできる。
図12では、定着ベルト61の回転数と対応関係にある定着ベルト61表面の線速度を検知し、この線速度(mm/s)の変化量に対するIHヒータ80に印加する電力量を減少させるタイミング(s)について規定されている。このタイミングは、図8の時間c,dに対応する。このLUTでは、定着ベルト61表面の標準的な線速度である目標線速度と実際の線速度を比較し、この変化量により3段階に分け、このそれぞれに対する電力量を減少させるタイミング(s)が設定されている。具体的には、本実施の形態では、ラッチON後、1s後の定着ベルト61表面の線速度を検知する。目標線速度に対する実際の線速度の変化量が+4mm/s以上である場合、0mm/s以上+4mm/s未満である場合、0mm/s未満である場合に分けられる。これらの線速度の変化量は、それぞれ加圧ロール62が高温の場合、中温の場合、低温の場合に対応している。
まず入出力部301が制御部31(図1参照)から定着動作開始のコマンドを受信する(ステップ101)。定着動作開始のコマンドを受信すると、加圧ロール移動部302が、移動機構200に制御信号を出力し加圧ロール62を定着ベルト61に圧接させる方向に移動させる(ステップ102)。それとともに電力調整部306が、IHヒータ80に対する電力の印加を開始する(ステップ103)。また定着ベルト回転数取得部303が、ラッチON後、1s後の定着ベルト61の回転数を取得する(ステップ104)。次に制御パターン決定部304が、定着ベルト61の回転数の変化を導出して記憶部305のLUTを参照し、定着ベルト61の回転数の変化からIHヒータ80の制御パターンを決定する(ステップ105)。そして電力調整部306は、この制御パターンによりIHヒータ80を制御し、図8で説明した3回目の加熱を行なう(ステップ106)。
Claims (4)
- 記録材にトナー像を定着する定着部材と、
前記定着部材の外周面に圧接することで当該定着部材との間に未定着トナー像を保持した記録材が通過するための定着加圧部を形成する加圧部材と、
前記定着部材を加熱する加熱手段と、
前記加圧部材を回転させることで前記定着部材を回転させる駆動部と、
前記定着部材の回転数を検知する回転数検知手段と、
を備え、
前記加熱手段は、前記加圧部材の温度変化に応じて変化する前記定着部材の回転数に応じて定着開始後における当該定着部材への加熱量を、段階的に減少させるとともに段階的に減少させる時間を変化させ、当該定着部材の回転数に対応する当該定着部材表面の線速度の変化量が大きいほど、当該定着開始後における当該定着部材への加熱量を段階的に減少させる時間を短くすることを特徴とする定着装置。 - 前記加圧部材を移動させることで当該加圧部材が前記定着部材の外周面へ圧接する状態と離間する状態とを変更可能とする加圧部材移動手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- トナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像を記録材に転写する転写手段と、
記録材にトナー像を定着する定着部材と、当該定着部材の外周面に圧接することで当該定着部材との間に未定着トナー像を保持した記録材が通過するための定着加圧部を形成する加圧部材と、当該定着部材を加熱する加熱手段と、当該加圧部材を回転させることで当該定着部材を回転させる駆動部と、当該定着部材の回転数を検知する回転数検知手段と、を備える定着手段と、
前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、
を備え、
前記加熱制御手段は、前記加圧部材の温度変化に応じて変化する前記定着部材の回転数を前記回転数検知手段から取得し、取得した当該回転数に応じて定着開始後における当該定着部材への加熱量を、段階的に減少させるとともに段階的に減少させる時間を変化させ、当該定着部材の回転数に対応する当該定着部材表面の線速度の変化量が大きいほど、当該定着開始後における当該定着部材への加熱量を段階的に減少させる時間を短くするように前記加熱手段を制御することで調整することを特徴とする画像形成装置。 - コンピュータに、
加圧部材の温度変化に応じて変化する定着部材の回転数を取得する機能と、
前記定着部材の回転数の変化に基づき、定着開始後における当該定着部材への加熱量を、段階的に減少させるとともに段階的に減少させる時間を変化させ、当該定着部材の回転数に対応する当該定着部材表面の線速度の変化量が大きいほど、当該定着開始後における当該定着部材への加熱量を段階的に減少させる時間を短くする手順を決定する機能と、
前記手順に基づき、加熱手段を制御する機能と、
を実現するためのプログラム。
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