JP4963930B2 - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

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この発明は、電磁誘導加熱方式を用いた加熱装置と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置とに関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、装置の立ち上げ時間を低減して省エネルギー化することを目的として、電磁誘導加熱方式の定着装置(加熱装置)を用いる技術が広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1等において、電磁誘導加熱方式の定着装置(加熱装置)は、発熱部材としての支持ローラ(加熱ローラ)、定着補助ローラ(定着ローラ)、支持ローラと定着補助ローラとによって張架された定着ベルト、支持ローラに定着ベルトを介して対向する磁束発生手段(誘導加熱手段)、定着補助ローラに定着ベルトを介して当接する加圧ローラ、等で構成される。磁束発生手段は、幅方向(記録媒体の搬送方向に直交する方向である。)に延設されたコイル部(励磁コイル)や、コイル部に対向するコア部(励磁コイルコア)等で構成される。
そして、定着ベルトは、磁束発生手段との対向位置で加熱される。加熱された定着ベルトは、定着補助ローラ及び加圧ローラの位置に搬送される記録媒体上のトナー像を加熱して定着する。詳しくは、コイル部に高周波の交番電流を流すことで、コイル部の周囲に交番磁界が形成されて、支持ローラ表面近傍に渦電流が生じる。支持ローラ(発熱部材)に渦電流が生じると、支持ローラ自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、支持ローラに巻装された定着ベルトが加熱される。
このような電磁誘導加熱方式の定着装置は、発熱部材が電磁誘導によって直接的に加熱されるために、熱ローラ方式(ヒータランプ加熱方式)等の他方式のものに比べて熱変換効率が高く、少ないエネルギー消費で短い立ち上げ時間にて定着ベルトの表面温度(定着温度)を所望の温度まで昇温できるものとして知られている。
一方、特許文献2等には、電磁誘導加熱方式を用いた定着装置であって、定着ニップ幅を最適化して定着不良を防止することを目的として、発熱部材としての定着ベルトにおける発熱層(電磁誘導発熱層)の層厚を幅方向によって変化させる技術が開示されている。詳しくは、発熱層の幅方向中央部の層厚が、幅方向両端部の層厚よりも厚くなるように形成されている。
特開2005−70376号公報 特開2005−55680号公報
上述した従来の定着装置(加熱装置)は、磁束発生手段によって電磁誘導加熱される発熱部材における幅方向の温度分布が不均一になって、出力画像(被加熱体)上に定着不良が生じてしまうことがあった。
このような問題は、長時間放置された後に電源が投入された場合等に、特に顕著に生じていた。すなわち、発熱部材は、構造上、幅方向中央部に比べて幅方向両端部の放熱量が大きくなる。そして、定着装置のウォームアップ時には発熱部材を昇温させる温度幅が大きくなるために、その放熱量の位置差の影響が大きくなってしまう。具体的に、発熱部材の幅方向両端部の温度が幅方向中央部の温度に比べて低くなってしまい、出力画像上の定着性にばらつきが生じていた。
このような問題を解決するために、磁束発生手段におけるコイル部として幅方向に異なるものを複数設置して、幅方向によって発熱部材に作用する磁束密度を変化させる方策が考えられる。しかし、その場合、複数のコイル部に交番電流を供給する電源部や制御部の構成が複雑になって高コスト化する可能性がある。
また、磁束発生手段におけるコア部の設置数を幅方向によって変化させて、幅方向によって発熱部材に作用する磁束発生量及び磁気的結合効率を変化させる方策が考えられる。しかし、その場合、コア部の設置数の違いによってコイル部で生じる熱をコア部外に放熱する量も変化してくるために、コイル部の温度上昇に位置差が生じて発熱効率にも位置差が生じてしまう可能性がある。
一方、特許文献2等の技術は、発熱部材における発熱層の層厚を幅方向によって変化させることで、定着ニップ幅を最適化して定着不良を防止することを目的とするものであって、上述した問題を直接的に解決するものではない。
なお、上述した問題は、画像形成装置に設置される電磁誘導加熱方式の定着装置(加熱装置)に限定されることなく、電磁誘導加熱方式の調理器(IH調理器)等の加熱装置に対しても共通するものである。すなわち、磁束発生手段によって電磁誘導加熱される発熱部材における幅方向の温度分布が不均一になって、被加熱体に加熱不良が生じてしまうことがあった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、比較的簡易な構成で発熱効率が高く、磁束発生手段によって加熱される発熱部材における幅方向の温度分布が均一化される、加熱装置及び画像形成装置を提供することにある。
本願発明者は、上述した課題を解決するために研究を重ねた結果、次の事項を知るに至った。
すなわち、発熱部材における発熱層の渦電流負荷(=体積抵抗率/層厚)を幅方向(幅方向の位置)によって最適化することで、幅方向両端部における温度の落ち込みがなく、幅方向の温度分布を均一化することができる。特に、発熱層の層厚を幅方向にわたって一定にして、発熱層の体積抵抗率を幅方向によって最適化した場合には、層厚の位置差に起因する定着ムラも生じることなく、幅方向両端部における温度の落ち込みがなく幅方向の温度分布を均一化することができる。
この発明は以上述べた事項に基づくものであり、すなわち、この発明の請求項1記載の発明にかかる加熱装置は、磁束を発生させる磁束発生手段と、前記磁束によって加熱される発熱層を有する発熱部材と、を備え、前記発熱層は、第1非磁性材料で形成された第1の層と、前記第1非磁性材料の体積抵抗率よりも小さい体積抵抗率を有する第2非磁性材料で形成された第2の層と、が積層されるとともに、全体の層厚が幅方向にわたって一定になるように形成され、前記第1の層と前記第2の層とは、それぞれ、体積抵抗率を層厚で除して求まる渦電流負荷が幅方向の位置によって変化するように形成されて、前記発熱層の体積抵抗率が幅方向の位置によって変化するように形成されたものである。
また、請求項2記載の発明にかかる加熱装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記発熱層は、渦電流負荷が大きくなるのにともない発熱量も大きくなるように設定されて、幅方向中央部の体積抵抗率が幅方向端部の体積抵抗率よりも小さくなるように形成されたものである。
また、請求項3記載の発明にかかる加熱装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記発熱層は、渦電流負荷が大きくなるのにともない発熱量が小さくなるように設定されて、幅方向中央部の体積抵抗率が幅方向端部の体積抵抗率よりも大きくなるように形成されたものである。
また、請求項4記載の発明にかかる加熱装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記発熱部材は、前記発熱層とは異なる材料からなる層を少なくとも1層有する多層構造体であって、前記異なる材料からなる層は、その層厚が幅方向にわたって一定になるように形成されたものである。
また、請求項5記載の発明にかかる加熱装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、トナー像を加熱して当該トナー像を記録媒体に定着する定着装置としたものである。
また、請求項6記載の発明にかかる加熱装置は、前記請求項5に記載の発明において、前記発熱部材を、トナー像を溶融する定着部材としたものである。
また、請求項7記載の発明にかかる加熱装置は、前記請求項6に記載の発明において、前記定着部材を、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接する定着ローラとしたものである。
また、請求項8記載の発明にかかる加熱装置は、前記請求項6に記載の発明において、前記定着部材を、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接するとともに、少なくとも2つのローラ部材に張架される定着ベルトとしたものである。
また、請求項9記載の発明にかかる加熱装置は、前記請求項5に記載の発明において、前記発熱部材は、トナー像を溶融する定着部材を加熱するものである。
また、請求項10記載の発明にかかる加熱装置は、前記請求項9に記載の発明において、前記定着部材は、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接するとともに、少なくとも2つのローラ部材に張架される定着ベルトであって、前記発熱部材を、前記少なくとも2つのローラ部材のうち1つのローラ部材としたものである。
また、請求項11記載の発明にかかる加熱装置は、前記請求項5に記載の発明において、前記発熱部材を、トナー像を溶融する定着部材に当接するとともに搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラとしたものである。
また、請求項12記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の加熱装置を備えたものである。
本発明は、電磁誘導加熱方式の加熱装置において、発熱部材の発熱層が、体積抵抗率を層厚で除して求まる渦電流負荷が幅方向によって変化するように形成されている。これにより、比較的簡易な構成で発熱効率が高く、磁束発生手段によって加熱される発熱部材における幅方向の温度分布が均一化される、加熱装置及び画像形成装置を提供することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図6にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
また、16は転写ベルト17を清掃する転写ベルトクリーニング部、17は複数色のトナー像が記録媒体P上に重ねて担持されるように記録媒体Pを搬送する転写ベルト、19は記録媒体P上のトナー像(未定着画像)を定着する電磁誘導加熱方式の定着装置(加熱装置)、を示す。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス5上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に向けて発せられる。
一方、4つの感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKは、それぞれ、図1の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、帯電部12との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Y表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部12にて帯電された後の感光体ドラム11Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11M表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11C表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11BK表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、現像部13との対向位置に達する。そして、各現像部13から感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、転写ベルト17上の記録媒体Pに、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(転写工程である。)。
そして、転写工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、クリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが重ねて転写(担持)された記録媒体Pは、図中の矢印方向に走行して、分離チャージャ18との対向位置に達する。そして、分離チャージャ18との対向位置で、記録媒体Pに蓄積された電荷が中和されて、トナーのちり等を生じさせることなく記録媒体Pが転写ベルト17から分離される。
その後、転写ベルト17表面は、転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、転写ベルト17上に付着した付着物が転写ベルトクリーニング部16に回収される。
ここで、転写ベルト17上に搬送される記録媒体Pは、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、不図示の搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、転写ベルト17の位置に向けて搬送される。
そして、フルカラー画像が転写された記録媒体Pは、転写ベルト17から分離された後に定着装置19に導かれる。定着装置19では、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像(トナー)が記録媒体P上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、不図示の排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、画像形成装置本体1に設置される加熱装置としての定着装置19の構成・動作について詳述する。
図2は定着装置を示す断面図であって、図3は定着ローラ20の一部を示す断面図であって、図4は定着ローラの内部を幅方向にみた概略図である。
図2に示すように、加熱装置としての定着装置19は、磁束発生手段としての誘導加熱部24、定着ローラ20、加圧ローラ30、内部コア28、磁束遮蔽部材29、等で構成される。
ここで、発熱部材としての定着ローラ20(定着部材)は、SUS304等の非磁性材料からなる中空構造の芯金23の表面に、弾性層22、発熱層21等を形成した多層構造体である。
詳しくは、図3を参照して、定着ローラ20は、芯金23上に、弾性層22、発熱層21(第1非磁性材料21aと第2非磁性材料21bとからなる。)、酸化防止層20b、離型層20a、が積層されている。
弾性層22は、シリコーンゴム等の弾性材料からなり、その厚さは50〜500μmになっている。これにより、熱容量がそれ程大きくなく、良好な定着画像を得ることができる。
第1非磁性材料21aとしては、非磁性材料としてのSUS304、SUS301、SUS316(いずれも非磁性ステンレス)等を用いることができる。
第2非磁性材料21bとしては、非磁性材料としての銅(Cu)等を用いることができる。第2非磁性材料21bの体積抵抗率は1.7×10-8Ω・mとなっていて、第1非磁性材料21bの体積抵抗率よりも小さくなっている。なお、第2非磁性材料21bとしては、銀(Ag)やアルミニウム(Al)等を用いることもできる。
第1非磁性材料21a及び第2非磁性材料21bからなる発熱層21は、誘導加熱部24(磁束発生手段)から発せられる磁束によって電磁誘導加熱される。
なお、本実施の形態1において、発熱層21は、体積抵抗率を層厚で除して求まる渦電流負荷が、幅方向(幅方向の位置)によって変化するように形成されている。具体的に、図5(B)を参照して、発熱層21の全体の層厚は幅方向(スラスト方向、回転軸方向)にわたって一定になるように形成されている。さらに、体積抵抗率の異なる第1非磁性材料21a及び第2非磁性材料21bを用いて(それぞれの幅方向の層厚を変化させて)、発熱層21の体積抵抗率が幅方向によって変化するように形成されている。これについては、後で図5及び図6を用いて詳しく説明する。
図3を参照して、酸化防止層20bは、ニッケル(Ni)で形成され、その厚さは5μm以下になるように設定されている。酸化防止層20bは、銅からなる第2非磁性材料21bの酸化を防止するためのものである。
離型層20aは、PFA等のフッ素化合物で形成され、その厚さは30μmになっている。離型層20aは、トナー像(トナー)Tが直接的に接する定着ローラ20表面のトナー離型性を高めるためのものである。
このように、定着ローラ20において互いに異なる材料からなる各層(芯金23、弾性層22、発熱層21、酸化防止層20b、離型層20a)は、それぞれの層厚が幅方向(記録媒体Pの搬送方向に直交する方向である。)にわたってほぼ一定になるように形成されている。したがって、定着ローラ20の肉厚(各層の層厚の合計である。)も、幅方向にわたってほぼ一定になる。このように定着ローラ20における各層の層厚を幅方向に均一化することで、定着工程における各層の機能が幅方向にわたってそれぞれ均等に作用することになる。
図2を参照して、加圧ローラ30は、アルミニウム、銅等からなる円筒部材32上にフッ素ゴム、シリコーンゴム等の弾性層31が形成されたものである。加圧ローラ30の弾性層31は、肉厚が0.5〜2mmで、アスカー硬度が60〜90度となるように形成されている。加圧ローラ30は、定着ローラ20に圧接している。そして、定着ローラ20と加圧ローラ30との当接部(定着ニップ部である。)に、記録媒体Pが搬送される。
磁束発生手段としての誘導加熱部24は、コイル部25(励磁コイル)、コア部26(励磁コイルコア)、コイルガイド27、等で構成される。コイル部25は、定着ローラ20の外周の一部を覆うように配設されたコイルガイド27上に細線を束ねたリッツ線を巻回して幅方向(図2の紙面垂直方向である。)に延設したものである。コイルガイド27は、耐熱性の高い樹脂材料等からなり、コイル部25を保持する。コア部26は、フェライト等の強磁性体(比透磁率が1000〜3000程度である。)からなり、発熱層21に向けて効率のよい磁束を形成するためにセンターコア26aやサイドコア26bが設けられている。コア部26は、幅方向に延設されたコイル部25に対向するように設置されている。
定着ローラ20の内部には、フェライト等の強磁性体からなる内部コア28(コア)と、内部コア28の外周の一部を覆う磁束遮蔽部材29と、が回転自在に設置されている。内部コア28及び磁束遮蔽部材29の回転駆動は、定着ローラ20の回転駆動とは別におこなわれる。
内部コア28は、定着ローラ20を介してコイル部25に対向していて、定着ローラ20の発熱層21に効率的に磁束を透過させる。
磁束遮蔽部材29は、厚さが1mm以上の銅等の良導体からなる。磁束遮蔽部材29は、その厚さが表皮深さ(材料の体積固有抵抗及び比透磁率と、誘導加熱部24の交番電流の周波数と、によって定まる。)よりも大きくなるように設定されていて、誘導加熱部24から発熱層21に達する磁束を必要に応じて低下させることができる。
また、図示は省略するが、定着ローラ20の表面には、サーミスタが当接されている。サーミスタは、熱応答性の高い感温素子であって、定着ローラ20上の温度(定着温度)を検知する。そして、サーミスタによる検知結果に基いて、誘導加熱部24による加熱量を調整する。
このように構成された定着装置19は、次のように動作する。
不図示の駆動モータによって、定着ローラ20が図2の時計方向に回転駆動されると、加圧ローラ30も反時計方向に回転する。そして、定着部材としての定着ローラ20は、誘導加熱部24との対向位置で、誘導加熱部24から発生される磁束によって加熱される。
詳しくは、不図示の電源部からコイル部25に10kHz〜1MHz(好ましくは、20kHz〜800kHzである。)の高周波交番電流を流すことで、コア部26と内部コア28との間に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このように交番磁界が形成されることで、定着ローラ20の発熱層21に渦電流が生じて、発熱層21はその電気抵抗によってジュール熱が発生して誘導加熱される。こうして、定着ローラ20は、自身の発熱層21の誘導加熱によって加熱される。
その後、誘導加熱部24によって加熱された定着ローラ20表面は、加圧ローラ30との当接部に達する。そして、搬送される記録媒体P上のトナー像T(トナー)を加熱して溶融する。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、不図示のガイド板に案内されながら定着ローラ20と加圧ローラ30との間に送入される(矢印Y1の搬送方向の移動である。)。そして、定着ローラ20から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ローラ20と加圧ローラ30との間から送出される。
定着位置を通過した定着ローラ20表面は、その後に再び誘導加熱部24との対向位置に達する。
このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
次に、図4にて、内部コア28及び磁束遮蔽部材29の構成・動作について、詳しく説明する。
図4は、図2の定着装置20に設置された定着ローラ20を誘導加熱部24側から幅方向にみた図であって、定着ローラ20の内部を示している。
図4に示すように、定着ローラ20の内部には、内部コア28と磁束遮蔽部材29とが回転自在に設置されている。
強磁性体からなる円柱状の内部コア28の幅方向両端部には、銅からなる磁束遮蔽部材29が一体的に設置されている。磁束遮蔽部材29は、内部コア28の外周面を端面側から遮蔽する範囲を段階的に増減するように形成されている。これにより、内部コア28を磁束遮蔽部材29とともに回転させることによって、誘導加熱部24のコイル部25に対向する内部コア28の幅方向の遮蔽範囲を可変することができる。
詳しくは、誘導加熱部24のセンターコア26a(磁束密度が最も高くなる位置である。)と内部コア28との間に磁束遮蔽部材29が介在する場合には、磁束遮蔽部材29がないときに形成される正規の磁束が弱められる。これにより、磁束遮蔽部材29を介在した定着ローラ20の位置では、作用する磁束の低下にともない加熱効率が低下する。
ここで、磁束を低下させる幅方向の範囲(調整範囲)は、コイル部25に対向する磁束遮蔽部材29の姿勢を変化させることで可変することができる。具体的に、磁束遮蔽部材29を内部コア28とともに回転駆動(駆動制御)することで、定着ローラ20上の加熱範囲を図4のL1〜L2の範囲で可変することができる。すなわち、調整範囲(遮蔽範囲)が0〜(L1−L2)の範囲で可変される。
なお、内部コア28及び磁束遮蔽部材29の回転駆動(駆動制御)は、内部コア28の軸部に連結されたステッピングモータ(不図示である。)によっておこなわれる。このステッピングモータは、定着ローラ20を駆動する駆動モータ(不図示である。)とは別の駆動系となる。
具体的に、内部コア28及び磁束遮蔽部材29を周方向に所定角度(所定ステップ数)回転させて、磁束遮蔽部材29の最大範囲をセンターコア26aに対向させる。このとき、磁束が低下される調整範囲が最大になって、その調整範囲外(中央の幅L2の領域である。)が定着ベルト22の主たる加熱範囲となる。
これに対して、内部コア28及び磁束遮蔽部材29を周方向にさらに所定角度回転させて、磁束遮蔽部材29がセンターコア26aに対向しないようにする。このとき、磁束が低下される調整範囲がゼロになって、すべての範囲(幅L1の領域である。)が定着ベルト22の主たる加熱範囲となる。
そして、定着ローラ20に対する記録媒体Pの幅方向範囲(通紙領域)と、定着ローラ20の加熱範囲と、が一致するように、ステッピングモータで磁束遮蔽部材29を回転駆動する。なお、定着ローラ20に対する記録媒体Pの幅方向範囲は、記録媒体Pのサイズを検知するサイズ検知センサ(検知手段)の検知結果に基いて定められる。
なお、本実施の形態1では、内部コア28の外周面を端面側から遮蔽する範囲を段階的(3段階である。)に増減するように磁束遮蔽部材29を形成したが、内部コア28の外周面を端面側から遮蔽する範囲を連続的に増減するように磁束遮蔽部材29を形成することもできる。具体的には、磁束遮蔽部材29の展開形状は、三角形になる。
また、本実施の形態1では、定着ローラ20の内部に内部コア28及び磁束遮蔽部材29を設置したが、定着ローラ20の内部に内部コア28及び磁束遮蔽部材29を設置しない構成にすることもできる。
以上のように構成され動作する定着装置29(加熱装置)において、本実施の形態1では、発熱層21における渦電流負荷が、幅方向によって変化するように形成されている。
以下、図5及び図6を用いて詳しく説明する。
図5(A)は定着ローラ20を幅方向にみた模式図であり、図5(B)は発熱層21を幅方向に見た模式図であり、図5(C)は幅方向の位置による発熱層21の体積抵抗率を示すグラフであって、図5(D)は幅方向の位置による発熱層21の渦電流負荷を示すグラフである。図6は、コイル部25に30kHzの高周波交番電流が供給されたときの、発熱層21における渦電流負荷と発熱量との関係を示すグラフである。
ここで、渦電流負荷dとは、発熱層21の発熱特性を定める因子であって、発熱層21の体積抵抗率をρとして、発熱層21の層厚をtとしたときに、
d=ρ/t
なる関係が成立する。ただし、発熱層21の層厚tがその表皮深さ(浸透深さ)δよりも厚い場合には、磁束が発熱層21を透過しないで、その渦電流負荷dはδ/tとなる。
なお、表皮深さ(浸透深さ)δは次式で求まる。
δ=503・〔ρ/(μf)〕1/2
上式において、ρは材料の低積抵抗率(体積固有抵抗)であり、μは材料の比透磁率であり、fは材料を励磁する交番電流の周波数である。
ここで、本願発明者は、研究の結果、発熱層21における渦電流負荷と発熱量との関係は渦電流負荷が大きくなれば発熱量も比例的に大きくなるものではないことを知得した。詳しくは、図6を参照して、渦電流負荷が所定値以下のとき(図6中のA領域である。)には、渦電流負荷が大きくなるのにともない発熱量も大きくなる。これに対して、渦電流負荷が所定値以上のとき(図6中のB領域である。)には、渦電流負荷が大きくなるのにともない発熱量は小さくなる。
本実施の形態1では、第1非磁性材料21a及び第2非磁性材料21bで構成される発熱層21を、その渦電流負荷が図6のA領域内になるように設定している。そして、図5(D)に示すように、発熱層21の幅方向中央部の渦電流負荷が、幅方向両端部の渦電流負荷よりも小さくなるように形成している(本実施の形態1では渦電流負荷が3段階で変化するように形成している。)。具体的には、図5(B)及び図5(C)に示すように、体積抵抗率の異なる第1非磁性材料21a及び第2非磁性材料21bを用いて(それぞれの幅方向の層厚を変化させて)、発熱層21の幅方向中央部の体積抵抗率が、幅方向両端部の体積抵抗率よりも小さくなるように形成している。
このように、温度の落ち込みが生じる幅方向両端部では、その落ち込み分を見込んで渦電流負荷(体積抵抗率)を大きく設定しているので、発熱層21における幅方向の温度分布(発熱量)を均一化することができる。
また、本実施の形態1では、発熱層21の渦電流負荷(=体積抵抗率/層厚)を幅方向(幅方向の位置)によって最適化するときに、発熱層21の層厚を定数として、発熱層21の体積抵抗率を変数としている。これにより、発熱層21の層厚を変数とした場合(層厚を幅方向にわたって変化させた場合である。)に、それにともない他の層(弾性層22や離型層20a等である。)の層厚が幅方向にわたって変化して生じる定着ムラ等の不具合を抑止することができる。例えば、弾性層22の層厚が幅方向にわたって変化すると、出力画像上に溶融トナーの高低差が生じたり、光沢ムラの位置差が大きくなったりしてしまう。
以上説明したように、本実施の形態1において、電磁誘導加熱方式の定着装置(加熱装置)における定着ローラ20(発熱部材)の発熱層21は、渦電流負荷(=体積抵抗率/層厚)が幅方向によって変化するように形成されている。これにより、比較的簡易な構成で発熱効率が高く、誘導加熱部24(磁束発生手段)によって加熱される定着ローラ20における幅方向の温度分布が均一であって、出力画像上における定着性が良好な定着装置(加熱装置)及び画像形成装置を提供することができる。
なお、本実施の形態1では、定着ローラ20を発熱部材として用いたが、定着装置19における定着性を向上させるために、定着ローラ20に加えて加圧ローラ30を発熱部材として用いることもできる。その場合、加圧ローラ30に発熱層を設けて、加圧ローラ30に対向する位置に磁束発生手段が設置されることになる。その場合も、加圧ローラ30の発熱層における渦電流負荷が幅方向によって変化するように形成することで、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態1では、発熱層21の渦電流負荷(=体積抵抗率/層厚)を幅方向によって最適化するときに、発熱層21の層厚を定数として、発熱層21の体積抵抗率を変数としている。これに対して、発熱層21の層厚と発熱層21の体積抵抗率とをそれぞれ変数として、発熱層21の渦電流負荷(=体積抵抗率/層厚)を幅方向の位置によって最適化することもできる。
さらに、発熱層21の層厚のみを変数として、渦電流負荷を幅方向の位置によっ最適化することもできる。ただし、発熱層21の層厚のみを変数として渦電流負荷を変化させようとすると、発熱層21の成形上の制約によって、所望の発熱量変化が得られない場合がある。具体的に、発熱層21の成形上の制約によって層厚変化の上限が10%程度になっている場合には、発熱層21の層厚変化だけで発熱量を20%変化させようとしても、発熱量変化が10%しか得られないことになる。これに対して、発熱層21の層厚と発熱層21の体積抵抗率とをそれぞれ変数とすれば、例えば、層厚変化によって発熱量変化10%を得て、体積抵抗率変化によって残りの発熱量変化10%を得ることで、所望の発熱量変化20%を得ることができる。さらに、本実施の形態1のように発熱層21の体積抵抗率のみを変数とする場合には、発熱層の成形上の制約があっても、その影響を受けずに所望の発熱量変化を得られることになる。
実施の形態2.
図7にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図7は、実施の形態2における定着ローラ20及び発熱層21を幅方向にみた模式図であって、前記実施の形態1における図5に対応する図である。本実施の形態2の定着装置は、定着ローラ20における発熱層21の構成が、前記実施の形態1のものとは相違する。
本実施の形態2における定着装置の定着ローラ20も、前記実施の形態1のものと同様に、芯金上に、弾性層22、発熱層21(第1非磁性材料21aと第2非磁性材料21bとからなる。)、酸化防止層、離型層、が積層されている。
本実施の形態2における定着ローラ20は、前記実施の形態1のものと異なり、第1非磁性材料21a及び第2非磁性材料21bで構成される発熱層21を、その渦電流負荷が図6のB領域内になるように設定している。そして、図7(D)に示すように、発熱層21の幅方向中央部の渦電流負荷が、幅方向両端部の渦電流負荷よりも大きくなるように形成している(本実施の形態2でも渦電流負荷が3段階で変化するように形成している。)。具体的には、図7(B)及び図7(C)に示すように、体積抵抗率の異なる第1非磁性材料21a及び第2非磁性材料21bを用いて(それぞれの幅方向の層厚を変化させて)、発熱層21の幅方向中央部の体積抵抗率が、幅方向両端部の体積抵抗率よりも大きくなるように形成している。
このように、温度の落ち込みが生じる幅方向両端部では、その落ち込み分を見込んで渦電流負荷(体積抵抗率)を小さく設定しているので、発熱層21における幅方向の温度分布(発熱量)を均一化することができる(図6中のB領域を参照できる。)。
以上説明したように、本実施の形態2においても、前記実施の形態1と同様に、電磁誘導加熱方式の定着装置における定着ローラ20の発熱層21は、その渦電流負荷が幅方向(幅方向の位置)によって変化するように形成されている。これにより、比較的簡易な構成で発熱効率が高く、誘導加熱部24によって加熱される定着ローラ20における幅方向の温度分布が均一であって、出力画像上における定着性が良好な定着装置(加熱装置)及び画像形成装置を提供することができる。
実施の形態3.
図8にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図8は、実施の形態3における定着ローラ20及び発熱層21を幅方向にみた模式図であって、前記実施の形態1における図5に対応する図である。本実施の形態3の定着装置は、定着ローラ20における発熱層21の構成が、前記実施の形態1のものとは相違する。
本実施の形態3における定着装置の定着ローラ20も、前記各実施の形態のものと同様に、芯金上に、弾性層22、発熱層21、酸化防止層、離型層、が積層されている。
本実施の形態3における定着ローラ20は、前記実施の形態1のものとは異なり、層厚が等しく体積抵抗率が異なる複数の材料21c、21d、21eを並設して発熱層21を構成している。
そして、第1材料21c、第2材料21d、第3材料21eで構成される発熱層21を、その渦電流負荷が図6のA領域内になるように設定している。そして、図8(D)に示すように、発熱層21の幅方向中央部の渦電流負荷が、幅方向両端部の渦電流負荷よりも小さくなるように形成している(本実施の形態3でも渦電流負荷が3段階で変化するように形成している。)。具体的には、図8(B)に示すように、体積抵抗率が最も小さい第1材料21cを幅方向中央部に配設して、体積抵抗率が最も大きい第3材料21eを幅方向両端部に配設して、体積抵抗率が二番目に大きい(小さい)第2材料21dを第1材料21cと第3材料21eとの間に配設している。こうして、図8(C)に示すように、発熱層21の幅方向中央部の体積抵抗率が、幅方向両端部の体積抵抗率よりも小さくなる。
このように、温度の落ち込みが生じる幅方向両端部では、その落ち込み分を見込んで渦電流負荷(体積抵抗率)を大きく設定しているので、発熱層21における幅方向の温度分布(発熱量)を均一化することができる(図6中のA領域を参照できる。)。
以上説明したように、本実施の形態3においても、前記各実施の形態と同様に、電磁誘導加熱方式の定着装置における定着ローラ20の発熱層21は、その渦電流負荷が幅方向(幅方向の位置)によって変化するように形成されている。これにより、比較的簡易な構成で発熱効率が高く、誘導加熱部24によって加熱される定着ローラ20における幅方向の温度分布が均一であって、出力画像上における定着性が良好な定着装置(加熱装置)及び画像形成装置を提供することができる。
実施の形態4.
図9及び図10にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図9は実施の形態4における定着装置19を示す断面図であって、図10は定着装置19に設置される定着ベルト60の一部を示す断面図である。本実施の形態4の定着装置19は、定着部材として定着ベルト60を用いている点が、定着部材として定着ローラ20を用いている前記実施の形態1のものとは相違する。
図9に示すように、本実施の形態4における定着装置19は、誘導加熱部24、発熱部材としての定着ベルト60(定着部材)、定着ベルト60とともに発熱部材として機能する支持ローラ41(ローラ部材)、定着補助ローラ50(ローラ部材)、加圧ローラ30、等で構成される。
ここで、定着補助ローラ50は、ステンレス鋼等からなる芯金の表面に、シリコーンゴム等の弾性層を形成したものである。定着補助ローラ50の弾性層は、肉厚が1〜5mmで、アスカー硬度が30〜60度となるように形成されている。
発熱部材としての支持ローラ41は、SUS304(非磁性ステンレス)で形成された第1非磁性材料41aと、銅のメッキ層からなる第2非磁性材料41bと、で構成される発熱層を有する。支持ローラ41の第1非磁性材料41a及び第2非磁性材料41bの構成は、前記実施の形態1における定着ローラ20の第1非磁性材料21a及び第2非磁性材料21bの構成とほぼ同等である。そして、支持ローラ41の発熱層41a、41bは、その渦電流負荷が幅方向(図9の紙面垂直方向である。)の位置によって変化するように形成されている。
支持ローラ41は、図9の時計方向に回転する。そして、支持ローラ41の発熱層41a、41bは、誘導加熱部24から発せられる磁束によって誘導加熱される。
発熱層を備えた定着ベルト60は、支持ローラ41及び定着補助ローラ50(2つのローラ部材である。)に張架・支持されている。
図10を参照して、定着ベルト60は、内周面側から、発熱層(体積抵抗率の異なる第1非磁性材料61a、第2非磁性材料61bで構成されている。)、ニッケルからなる酸化防止層60b、シリコーンゴム等からなる弾性層62、フッ素化合物からなる離型層60a、が積層されている。定着ベルト60の各層の構成は、前記実施の形態1における定着ローラ20の各層の構成とほぼ同等である。そして、定着ベルト60の発熱層61a、61bは、その渦電流負荷が幅方向(幅方向の位置)によって変化するように形成されている。
定着ベルト60は、図9の時計方向に走行する。そして、定着ベルト60の発熱層61a、61bは、誘導加熱部24から発せられる磁束によって誘導加熱される。
支持ローラ41の内部には、フェライト等の強磁性体からなる内部コア28と、内部コア28の外周の一部を覆う磁束遮蔽部材29と、が回転自在に設置されている。内部コア28及び磁束遮蔽部材29の回転駆動は、支持ローラ41の回転駆動とは別におこなわれる。
内部コア28は、定着ベルト60及び支持ローラ41を介してコイル部25に対向していて、支持ローラ41と定着ベルト60の発熱層61a、61bとに効率的に磁束を透過させる。
磁束遮蔽部材29は、その厚さが表皮深さよりも大きくなるように設定されていて、誘導加熱部24から支持ローラ41と定着ベルト60の発熱層61a、61bとに達する磁束を必要に応じて低下させることができる。
このように構成された定着装置19は、次のように動作する。
定着補助ローラ50の回転駆動によって、定着ベルト60は図9中の時計方向に周回するとともに、支持ローラ41も時計方向に回転して、加圧ローラ30も反時計方向に回転する。定着ベルト60は、誘導加熱部24との対向位置で加熱される。
詳しくは、不図示の電源部からコイル部25に10kHz〜1MHz(好ましくは、20kHz〜800kHzである。)の高周波交番電流を流すことで、コア部26と内部コア28との間に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このように交番磁界が形成されることで、支持ローラ41表面と定着ベルト60の発熱層61a、61bとに渦電流が生じて、支持ローラ41及び発熱層61a、61bの電気抵抗によってジュール熱が発生して、支持ローラ41及び発熱層61a、61bが加熱される。こうして、定着ベルト60は、発熱した支持ローラ41から受ける熱と、自身の発熱層61a、61bの発熱と、によって加熱される。
その後、誘導加熱部24によって加熱された定着ベルト60表面は、加圧ローラ30との当接部に達する。そして、搬送される記録媒体P上のトナー像T(トナー)を加熱して溶融する。
定着位置を通過した定着ベルト60表面は、その後に再び誘導加熱部24との対向位置に達する。
このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
以上説明したように、本実施の形態4において、電磁誘導加熱方式の定着装置における定着ベルト60及び支持ローラ41のそれぞれの発熱層は、その渦電流負荷が幅方向によって変化するように形成されている。これにより、比較的簡易な構成で発熱効率が高く、誘導加熱部24によって加熱される定着ベルト60及び支持ローラ41における幅方向の温度分布が均一であって、出力画像上における定着性が良好な定着装置(加熱装置)及び画像形成装置を提供することができる。
なお、本実施の形態4では、定着ベルト60と支持ローラ41とを発熱部材として用いた。これに対して、定着ベルト60及び支持ローラ41のうちいずれか一方のみを発熱部材として用いることもできる。その場合も、本実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
実施の形態5.
図11及び図12にて、この発明の実施の形態5について詳細に説明する。
図11は実施の形態5における定着装置19を示す断面図であって、図12は定着装置19に設置される定着ローラ20の一部を示す断面図である。本実施の形態5の定着装置19は、定着ローラ20の内周面に誘導加熱部24が対向している点が、定着ローラ20の外周面に誘導加熱部24が対向している前記実施の形態1のものとは相違する。
図11に示すように、本実施の形態5における定着装置19は、誘導加熱部24が定着ローラ20の内周面に対向するように配設されるとともに、強磁性体からなるコアとしての外部コア75が定着ローラ20の外周面に対向するように配設されている。また、磁束遮蔽部材29は、外部コア29と定着ローラ20の外周面との間に配設されていて、誘導加熱部24から発熱層21に達する磁束を所望の幅方向範囲で低下させて発熱層21の加熱範囲を可変することができる。
本実施の形態5における定着装置19は、誘導加熱部24、外部コア75、磁束遮蔽部材29の配置が異なるだけで、電磁誘導加熱方式のメカニズムは前記実施の形態1のものとほぼ同等である。
ただし、図12を参照して、定着ローラ20は、内周面側から、ニッケルからなる酸化防止層20b、発熱層(第2非磁性材料21b、第1非磁性材料21a)、シリコーンゴム等からなる弾性層22、フッ素化合物からなる離型層20a、が積層されている。なお、本実施の形態5における定着ローラ20の各層の構成は、前記実施の形態1における定着ローラ20の各層の構成とほぼ同等である。そして、定着ローラ20の発熱層21は、その渦電流負荷が幅方向の位置によって変化するように形成されている。
以上説明したように、本実施の形態5においても、前記実施の形態1と同様に、電磁誘導加熱方式の定着装置における定着ローラ20の発熱層21は、その渦電流負荷が幅方向(幅方向の位置)によって変化するように形成されている。これにより、比較的簡易な構成で発熱効率が高く、誘導加熱部24によって加熱される定着ローラ20における幅方向の温度分布が均一であって、出力画像上における定着性が良好な定着装置(加熱装置)及び画像形成装置を提供することができる。
なお、前記各実施の形態では、加熱装置として画像形成装置に設置される定着装置に対して、本発明を適用した。しかし、本発明の適用は、定着装置及び画像形成装置に限定されることはない。例えば、電磁誘導加熱方式を用いた調理器(IH調理器)等の加熱装置に対しても、本発明を適用することができる。そして、その場合にも、加熱装置の発熱層を、その渦電流負荷が幅方向によって変化するように形成することで、比較的簡易な構成で発熱効率が高く、被加熱体における幅方向の温度分布を均一化することができる。
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 図1の画像形成装置に設置される定着装置を示す断面図である。 定着ローラの一部を示す断面図である。 定着ローラの内部を示す概略図である。 定着ローラ及び発熱層を幅方向にみた模式図である。 発熱層における渦電流負荷と発熱量との関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態2における定着ローラ及び発熱層を幅方向にみた模式図である。 この発明の実施の形態3における定着ローラ及び発熱層を幅方向にみた模式図である。 この発明の実施の形態4における定着装置を示す断面図である。 定着ベルトの一部を示す断面図である。 この発明の実施の形態5における定着装置を示す断面図である。 定着ローラの一部を示す断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置本体(装置本体)、
19 定着装置、
20 定着ローラ(定着部材、発熱部材)
20a、60a 離型層、 20b、60b 酸化防止層、
21 発熱層、
21a、41a、61a 第1非磁性材料、
21b、41b、61b 第2非磁性材料、
21c 第1材料、 21d 第2材料、 21e 第3材料、
22、62 弾性層、 23 芯金、
24 誘導加熱部(磁束発生手段)、 25 コイル部、 26 コア部、
26a センターコア、 26b サイドコア、 27 コイルガイド、
28 内部コア(コア)、 29 磁束遮蔽部材、
30 加圧ローラ、 41 支持ローラ(発熱部材、ローラ部材)、
50 定着補助ローラ(ローラ部材)、
60 定着ベルト(定着部材、発熱部材)、 75 外部コア(コア)。

Claims (12)

  1. 磁束を発生させる磁束発生手段と、
    前記磁束によって加熱される発熱層を有する発熱部材と、
    を備え、
    前記発熱層は、第1非磁性材料で形成された第1の層と、前記第1非磁性材料の体積抵抗率よりも小さい体積抵抗率を有する第2非磁性材料で形成された第2の層と、が積層されるとともに、全体の層厚が幅方向にわたって一定になるように形成され、
    前記第1の層と前記第2の層とは、それぞれ、体積抵抗率を層厚で除して求まる渦電流負荷が幅方向の位置によって変化するように形成されて、前記発熱層の体積抵抗率が幅方向の位置によって変化するように形成されたことを特徴とする加熱装置。
  2. 前記発熱層は、渦電流負荷が大きくなるのにともない発熱量も大きくなるように設定されて、幅方向中央部の体積抵抗率が幅方向端部の体積抵抗率よりも小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記発熱層は、渦電流負荷が大きくなるのにともない発熱量が小さくなるように設定されて、幅方向中央部の体積抵抗率が幅方向端部の体積抵抗率よりも大きくなるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  4. 前記発熱部材は、前記発熱層とは異なる材料からなる層を少なくとも1層有する多層構造体であって、
    前記異なる材料からなる層は、その層厚が幅方向にわたって一定になるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の加熱装置。
  5. トナー像を加熱して当該トナー像を記録媒体に定着する定着装置であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の加熱装置。
  6. 前記発熱部材は、トナー像を溶融する定着部材であることを特徴とする請求項5に記載の加熱装置。
  7. 前記定着部材は、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接する定着ローラであることを特徴とする請求項6に記載の加熱装置。
  8. 前記定着部材は、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接するとともに、少なくとも2つのローラ部材に張架される定着ベルトであることを特徴とする請求項6に記載の加熱装置。
  9. 前記発熱部材は、トナー像を溶融する定着部材を加熱することを特徴とする請求項5に記載の加熱装置。
  10. 前記定着部材は、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接するとともに、少なくとも2つのローラ部材に張架される定着ベルトであって、
    前記発熱部材は、前記少なくとも2つのローラ部材のうち1つのローラ部材であることを特徴とする請求項9に記載の加熱装置。
  11. 前記発熱部材は、トナー像を溶融する定着部材に当接するとともに搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラであることを特徴とする請求項5に記載の加熱装置。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれかに記載の加熱装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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