JP4832188B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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このような電磁誘導加熱方式の定着装置は、発熱部材が電磁誘導によって直接的に加熱されるために、熱ローラ方式(ヒータランプ加熱方式)等の他方式のものに比べて熱変換効率が高く、少ないエネルギー消費で短い立ち上げ時間にて定着ベルトの表面温度(定着温度)を所望の温度まで昇温できるものとして知られている。
前記定着部材は、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接する定着ローラであって、前記コアを、前記定着ローラに内設された内部コアとしたものである。
図1〜図7にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、転写ベルト17上の記録媒体Pに、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(転写工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
その後、転写ベルト17表面は、転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、転写ベルト17上に付着した付着物が転写ベルトクリーニング部16に回収される。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、不図示の搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、転写ベルト17の位置に向けて搬送される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、不図示の排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2は定着装置を示す断面図であって、図3は定着ローラ20の一部を示す断面図である。
ここで、発熱部材としての定着ローラ20(定着部材)は、SUS304等の非磁性材料からなる中空構造の芯金23の表面に、弾性層22、発熱層21等を形成した多層構造体である。
弾性層22は、シリコーンゴム等の弾性材料からなり、その厚さは50〜500μmになっている。これにより、熱容量がそれ程大きくなく、良好な定着画像を得ることができる。
第2非磁性材料21bとしては、非磁性材料としての銅(Cu)等を用いることができる。第2非磁性材料21bの体積抵抗率は1.7×10-8Ω・mとなっていて、第1非磁性材料21bの体積抵抗率よりも小さくなっている。なお、第2非磁性材料21bとしては、銀(Ag)やアルミニウム(Al)等を用いることもできる。
第1非磁性材料21a及び第2非磁性材料21bからなる発熱層21は、誘導加熱部24(磁束発生手段)から発せられる磁束によって電磁誘導加熱される。
離型層20aは、PFA等のフッ素化合物で形成され、その厚さは30μmになっている。離型層20aは、トナー像(トナー)Tが直接的に接する定着ローラ20表面のトナー離型性を高めるためのものである。
なお、本実施の形態1では、発熱層21を第1非磁性層21aと第2非磁性層21bとの2層構造としたが、発熱層21をSUS304、SUS316等の非磁性金属材料からなる単層構造とすることもできる。
内部コア28は、定着ローラ20を介してコイル部25に対向していて、定着ローラ20の発熱層21に効率的に磁束を透過させる。
磁束遮蔽部材29は、厚さが1mm以上の銅等の良導体からなる。磁束遮蔽部材29は、その厚さが表皮深さ(材料の体積固有抵抗及び比透磁率と、誘導加熱部24の交番電流の周波数と、によって定まる。)よりも大きくなるように設定されていて、誘導加熱部24から発熱層21に達する磁束を必要に応じて低下させることができる。
不図示の駆動モータによって、定着ローラ20が図2の時計方向に回転駆動されると、加圧ローラ30も反時計方向に回転する。そして、定着部材としての定着ローラ20は、誘導加熱部24との対向位置で、誘導加熱部24から発生される磁束によって加熱される。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、不図示のガイド板に案内されながら定着ローラ20と加圧ローラ30との間に送入される(矢印Y1の搬送方向の移動である。)。そして、定着ローラ20から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ローラ20と加圧ローラ30との間から送出される。
このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
図4は、図2の定着装置20に設置された定着ローラ20を誘導加熱部24側から幅方向にみた図であって、定着ローラ20の内部を示している。図5は内部コア28を示す斜視図であって、図6は分割コア28A及び保持部材40の構造を示す斜視図であって、図7は保持部材40を示す正面図である。
これに対して、内部コア28及び磁束遮蔽部材29を周方向にさらに所定角度回転させて、磁束遮蔽部材29がセンターコア26aに対向しないようにする。このとき、磁束が低下される調整範囲がゼロになって、すべての範囲(幅L1の領域である。)が定着ベルト22の主たる加熱範囲となる。
なお、本実施の形態1では、内部コア28の外周面を端面側から遮蔽する範囲を連続的に増減するように磁束遮蔽部材29を形成したが、内部コア28の外周面を端面側から遮蔽する範囲を段階的(例えば、3段階である。)に増減するように磁束遮蔽部材29を形成することもできる。
詳しくは、コアとしての内部コア28は、幅方向に分割された複数の分割コア28Aからなる(本実施の形態1では、幅方向長さが10〜30mmの14個の分割コア28Aである。)。そして、図6を参照して、保持部材40は、内部コア28(分割コア28A)の外周面上に突出する突出部40aと、突出部40aと一体化されるとともに隣接する2つの分割コア28Aの間に挟持される非突出部40bと、で構成される。保持部材40の突出部40aには、磁束遮蔽部材29を非接着で保持するための穴部40a1が形成されている。
なお、保持部材40A、40Bの材料としては、内部コア28に向けて形成される磁束を乱すことのない非磁性材料を用いることが好ましい。
また、磁束遮蔽部材29に対する保持力をさらに向上するために、突出部40aの穴部40a1に挿嵌された磁束遮蔽部材29を突出部40aに溶接することもできる。
ここで、複数の分割コア28Aは、隣接する分割コア28Aとの隙間がないように形成されることが好ましい。具体的には、保持部材40の非突出部40bの肉厚を薄く形成したり、非突出部40bが挟持される部分が凹状になるように分割コア28Aを形成したりすることができる。これにより、内部コア28の表面には不要な隙間が形成されないために、内部コア28に向けて形成される磁束が乱れる不具合が抑止される。
図8及び図9にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図8は実施の形態2における定着装置19を示す断面図であって、図9は定着装置19に設置される定着ベルト60の一部を示す断面図である。本実施の形態2の定着装置19は、定着部材として定着ベルト60を用いている点が、定着部材として定着ローラ20を用いている前記実施の形態1のものとは相違する。
支持ローラ41は、図8の時計方向に回転する。そして、支持ローラ41の発熱層41a、41bは、誘導加熱部24から発せられる磁束によって誘導加熱される。
図9を参照して、定着ベルト60は、内周面側から、発熱層(第1非磁性材料61a、第2非磁性材料61bで構成されている。)、ニッケルからなる酸化防止層60b、シリコーンゴム等からなる弾性層62、フッ素化合物からなる離型層60a、が積層されている。定着ベルト60の各層の構成は、前記実施の形態1における定着ローラ20の各層の構成とほぼ同等である。
定着ベルト60は、図8の時計方向に走行する。そして、定着ベルト60の発熱層61a、61bは、誘導加熱部24から発せられる磁束によって誘導加熱される。
内部コア28は、定着ベルト60及び支持ローラ41を介してコイル部25に対向していて、支持ローラ41と定着ベルト60の発熱層61a、61bとに効率的に磁束を透過させる。
磁束遮蔽部材29は、その厚さが表皮深さよりも大きくなるように設定されていて、誘導加熱部24から支持ローラ41と定着ベルト60の発熱層61a、61bとに達する磁束を必要に応じて低下させることができる。
ここで、本実施の形態2においても、前記実施の形態1と同様に、磁束遮蔽部材29が複数の保持部材(不図示である。)によって内部コア28の外周面上に非接着で保持されている。
定着補助ローラ50の回転駆動によって、定着ベルト60は図8中の時計方向に周回するとともに、支持ローラ41も時計方向に回転して、加圧ローラ30も反時計方向に回転する。定着ベルト60は、誘導加熱部24との対向位置で加熱される。
定着位置を通過した定着ベルト60表面は、その後に再び誘導加熱部24との対向位置に達する。
このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
19 定着装置、
20 定着ローラ(定着部材、発熱部材)、
21 発熱層、
24 誘導加熱部(磁束発生手段)、 25 コイル部、 26 コア部、
28 内部コア(コア)、
28A 分割コア、 28B 軸部、
29 磁束遮蔽部材、
30 加圧ローラ、
40、40A、40B 保持部材、
40a 突出部、 40a1 穴部、 40b 非突出部、
41 支持ローラ(発熱部材、ローラ部材)、
50 定着補助ローラ(ローラ部材)、
60 定着ベルト(定着部材、発熱部材)。
Claims (12)
- トナー像を加熱して記録媒体に定着する定着装置であって、
磁束を発生させる磁束発生手段と、
前記磁束によって加熱される発熱層を有する発熱部材と、
前記発熱部材を介して前記磁束発生手段に対向するコアと、
前記磁束によって加熱される前記発熱部材の幅方向の加熱範囲を前記コアの幅方向の一部を遮蔽して可変する磁束遮蔽部材と、
前記磁束遮蔽部材を前記コアの外周面上に非接着で保持する保持部材と、
を備え、
前記コアは、幅方向に分割された複数の分割コアからなり、
前記保持部材は、前記コアの外周面上に突出する突出部と、前記突出部と一体化されるとともに隣接する2つの前記分割コアの間に挟持される非突出部と、を備えたことを特徴とする定着装置。 - 前記磁束遮蔽部材は、複数の前記保持部材における前記突出部の穴部に挿嵌されて保持されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記非突出部は、前記複数の分割コアとともに前記コアの軸部上に設置されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
- 前記複数の分割コアは、隣接する分割コアとの隙間がないように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記発熱部材は、トナー像を溶融する定着部材を加熱することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。
- 前記定着部材は、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接するとともに、少なくとも2つのローラ部材に張架される定着ベルトであって、
前記発熱部材は、前記少なくとも2つのローラ部材のうち1つのローラ部材であって、
前記コアは、前記1つのローラ部材に内設された内部コアであることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。 - 前記磁束遮蔽部材は、前記内部コアとともに一体的に回転することで前記加熱範囲が段階的又は連続的に漸増又は漸減するように形成されたことを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
- 前記発熱部材は、トナー像を溶融する定着部材であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。
- 前記定着部材は、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接する定着ローラであって、
前記コアは、前記定着ローラに内設された内部コアであることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。 - 前記定着部材は、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接するとともに、少なくとも2つのローラ部材に張架される定着ベルトであって、
前記コアは、前記ローラ部材に内設された内部コアであることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。 - 前記磁束遮蔽部材は、前記内部コアとともに一体的に回転することで前記加熱範囲が段階的又は連続的に漸増又は漸減するように形成されたことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の定着装置。
- 請求項1〜請求項11のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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