JP2913488B2 - アクリル酸エステル系ブロック共重合体 - Google Patents
アクリル酸エステル系ブロック共重合体Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は樹脂改質剤及び弾性を有する熱可塑性エラス
トマーとして利用できるブロック共重合体に関するもの
であり、具体的にはホース、パッキン、シーラント、接
着剤、粘着剤、樹脂改質剤、成形体へ加工することによ
り弾性を必要とする汎用弾性材料、及び工業用弾性材料
として利用することが出来る。
トマーとして利用できるブロック共重合体に関するもの
であり、具体的にはホース、パッキン、シーラント、接
着剤、粘着剤、樹脂改質剤、成形体へ加工することによ
り弾性を必要とする汎用弾性材料、及び工業用弾性材料
として利用することが出来る。
[従来の技術] アクリル酸エステル系のエラストマーは耐熱性、耐薬
品性、耐候性に優れており、種々の産業分野で広範な用
途に使用されている。しかしながら、近年、エラストマ
ーの成形加工においては、加工性の向上、及び省エネル
ギー化が求められてきている。現状のエラストマーの加
硫工程はこのような産業的要請に対してエネルギー多消
費型であり、加工性も優れているとは言えず解決すべき
多くの課題を抱えている。このような背景の中で、コン
パウンディング及び加硫工程が簡略化或いは不要である
省エネルギー型の熱可塑性エラストマーの需要が大幅に
伸びている。現在、SIS(スチレン−ブタジエントリブ
ロック共重合体)或いはSBS(スチレン−ブタジエント
リブロック共重合体)をはじめとして種々のブロック共
重合体が製造、利用されている。また、産業界の熱可塑
性エラストマーに対する耐熱性の向上及び耐薬品性の向
上の要請があり、現在、新規な熱可塑性エラストマーの
製造研究が活発に行なわれている。しかしながら、現在
アクリル系の熱可塑性エラストマーとしては、ポリアク
リル酸エステルを軟質セグメントとし、ポリ(メタクリ
ル酸エステル/N置換−マレイミド)を硬質セグメントと
するもの、及びアクリル酸エステル軟質セグメントと
し、アクリロニトリルを硬質セグメントとするものが知
られているだけである(特開昭64−26619)。従来技術
においては、軟質セグメントに用いられるポリアクリル
酸エステルと、硬質セグメントの主成分であるポリメチ
ルメタクリレート等のアクリル系重合体との極性が近
い。その為、成形後の重合体において、硬質セグメント
ドメイン及び軟質セグメントドメイン間の非相溶性が低
下し物性上好ましくない。一般に、硬質セグメントの凝
集により形成される硬質ドメインは引張り強度及び破断
強度等の物性に大きく影響する為、該硬質ドメイン及び
軟質ドメイン間の極性の差はある程度大きい方が好まし
い。
品性、耐候性に優れており、種々の産業分野で広範な用
途に使用されている。しかしながら、近年、エラストマ
ーの成形加工においては、加工性の向上、及び省エネル
ギー化が求められてきている。現状のエラストマーの加
硫工程はこのような産業的要請に対してエネルギー多消
費型であり、加工性も優れているとは言えず解決すべき
多くの課題を抱えている。このような背景の中で、コン
パウンディング及び加硫工程が簡略化或いは不要である
省エネルギー型の熱可塑性エラストマーの需要が大幅に
伸びている。現在、SIS(スチレン−ブタジエントリブ
ロック共重合体)或いはSBS(スチレン−ブタジエント
リブロック共重合体)をはじめとして種々のブロック共
重合体が製造、利用されている。また、産業界の熱可塑
性エラストマーに対する耐熱性の向上及び耐薬品性の向
上の要請があり、現在、新規な熱可塑性エラストマーの
製造研究が活発に行なわれている。しかしながら、現在
アクリル系の熱可塑性エラストマーとしては、ポリアク
リル酸エステルを軟質セグメントとし、ポリ(メタクリ
ル酸エステル/N置換−マレイミド)を硬質セグメントと
するもの、及びアクリル酸エステル軟質セグメントと
し、アクリロニトリルを硬質セグメントとするものが知
られているだけである(特開昭64−26619)。従来技術
においては、軟質セグメントに用いられるポリアクリル
酸エステルと、硬質セグメントの主成分であるポリメチ
ルメタクリレート等のアクリル系重合体との極性が近
い。その為、成形後の重合体において、硬質セグメント
ドメイン及び軟質セグメントドメイン間の非相溶性が低
下し物性上好ましくない。一般に、硬質セグメントの凝
集により形成される硬質ドメインは引張り強度及び破断
強度等の物性に大きく影響する為、該硬質ドメイン及び
軟質ドメイン間の極性の差はある程度大きい方が好まし
い。
以上のように、現在検討されているアクリル系トリブ
ロック共重合体は依然として問題点を有しており新規な
重合体の開発が求められている。
ロック共重合体は依然として問題点を有しており新規な
重合体の開発が求められている。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は硬質ドメインを非アクリル系重合体とするこ
とにより重合体中のミクロ相分離状態を改良するもので
ある。
とにより重合体中のミクロ相分離状態を改良するもので
ある。
[課題を解決するための手段] 即ち、本発明は下記の一般式[I] で表されるアクリル酸エステル系ブロック共重合体に関
するものである。
するものである。
[但し、Aは下記の一般式[I a] (ここで、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で
表されるアクリル酸エステル単量体残基を表し、Bは下
記の一般式[I b] (ここで、kは臭素数を表し、kの平均値は1.6から3.0
の範囲にある。)で表される臭素化スチレン単量体残基
を表す。R1は炭素数1〜6のアルキル基を有するアルキ
ルアミノ基、或いは炭素数1〜8のアルコキシ基を表
し、nは50〜2000の自然数であり、mは5〜200の自然
数である。] 本発明のブロック共重合体は、下記の一般式[II] [但し、R1は炭素数1〜6のアルキル基を有するアルキ
ルアミノ基、或いは炭素数1〜8のアルコキシ基を表
す。Aは下記の一般式[I a] (ここで、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で
表されるアクリル酸エステル単量体残基を表す。nは50
〜2000の自然数である。]で表される末端に光重合性の
官能基を有する重合体を用いて、下記の一般式[I
b′] (ここで、kは臭素数を表し、kの平均値は1.6から3.0
の範囲にある。)で表される臭素化スチレン単量体を、
紫外線照射重合することによって合成される。
表されるアクリル酸エステル単量体残基を表し、Bは下
記の一般式[I b] (ここで、kは臭素数を表し、kの平均値は1.6から3.0
の範囲にある。)で表される臭素化スチレン単量体残基
を表す。R1は炭素数1〜6のアルキル基を有するアルキ
ルアミノ基、或いは炭素数1〜8のアルコキシ基を表
し、nは50〜2000の自然数であり、mは5〜200の自然
数である。] 本発明のブロック共重合体は、下記の一般式[II] [但し、R1は炭素数1〜6のアルキル基を有するアルキ
ルアミノ基、或いは炭素数1〜8のアルコキシ基を表
す。Aは下記の一般式[I a] (ここで、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で
表されるアクリル酸エステル単量体残基を表す。nは50
〜2000の自然数である。]で表される末端に光重合性の
官能基を有する重合体を用いて、下記の一般式[I
b′] (ここで、kは臭素数を表し、kの平均値は1.6から3.0
の範囲にある。)で表される臭素化スチレン単量体を、
紫外線照射重合することによって合成される。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明で用い
ることの出来るアクリル酸エステル単量体としては、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピル
アクリレート、n−ブチルアクリレート等が例示され、
これらを2つ以上組合せて用いることも可能である。臭
素化スチレン単量体としては、モノブロモスチレン、ジ
ブロモスチレン、トリブロモスチレン、或いはこれらの
混合物を用いることが出来る。
ることの出来るアクリル酸エステル単量体としては、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピル
アクリレート、n−ブチルアクリレート等が例示され、
これらを2つ以上組合せて用いることも可能である。臭
素化スチレン単量体としては、モノブロモスチレン、ジ
ブロモスチレン、トリブロモスチレン、或いはこれらの
混合物を用いることが出来る。
重合溶媒としては、連鎖移動定数の小さいベンゼン、
トルエン、及びキシレン等の芳香族炭化水素溶媒が好適
に用いられる。重合温度としては5〜100℃を設定出来
るが、5〜60℃の範囲が好適に用いられる。
トルエン、及びキシレン等の芳香族炭化水素溶媒が好適
に用いられる。重合温度としては5〜100℃を設定出来
るが、5〜60℃の範囲が好適に用いられる。
紫外線源としては具体的に例示すれば低圧水銀灯、高
圧水銀灯、或いは超高圧水銀灯等の種々のものを用いる
ことが可能である。
圧水銀灯、或いは超高圧水銀灯等の種々のものを用いる
ことが可能である。
重合時間は6時間〜30時間とするのが好ましく、常法
に従った単量体の転化率の追跡によって、任意の転化率
で重合を停止することが出来る。
に従った単量体の転化率の追跡によって、任意の転化率
で重合を停止することが出来る。
臭素化スチレンセグメントの鎖長は、該アクリル系重
合体(中間ブロック)の分子量から算出した末端官能基
数(モル)に対する単量体のモル数を変化させるか、或
いは重合時の単量体の転化率の追跡により所望の転化率
で重合を停止することにより容易に制御出来る。
合体(中間ブロック)の分子量から算出した末端官能基
数(モル)に対する単量体のモル数を変化させるか、或
いは重合時の単量体の転化率の追跡により所望の転化率
で重合を停止することにより容易に制御出来る。
重合の停止は、紫外線の照射を中止し、反応器にt−
ブチルカテコール等の汎用のラジカル重合禁止剤を添加
することにより行われる。重合体の単離は、常法に従い
反応溶液を多量のメタノール或いはエタノール等の共重
合体の貧溶媒に注ぐことにより行われる。ポリブロモス
チレン(単独重合体)は、得られた重合体中のベンゼン
不溶分を取除くことにより容易に分離出来る。
ブチルカテコール等の汎用のラジカル重合禁止剤を添加
することにより行われる。重合体の単離は、常法に従い
反応溶液を多量のメタノール或いはエタノール等の共重
合体の貧溶媒に注ぐことにより行われる。ポリブロモス
チレン(単独重合体)は、得られた重合体中のベンゼン
不溶分を取除くことにより容易に分離出来る。
[発明の効果] 本発明によれば新規なアクリル系のブロック共重合体
を提供出来、該ブロック共重合体はブロモスチレンを含
有している為、高い難撚性を有している。
を提供出来、該ブロック共重合体はブロモスチレンを含
有している為、高い難撚性を有している。
[実施例] 以下、実施例により本発明を詳細に説明するがこれは
何等本発明を制限するものではない。尚、本発明の重合
体の分析は下記の測定機器及び測定条件により行なっ
た。
何等本発明を制限するものではない。尚、本発明の重合
体の分析は下記の測定機器及び測定条件により行なっ
た。
(1)GPC 東ソー(株)製 HLC−802A カラム TSK−GEL G7000H6/G6000H6/G3000H8 検出器 示差屈折計 溶離液 テトラヒドロフラン 流速 1.8ml/min 圧力 38Kg/cm2 温度 38℃ (2)1H−NMR バリアン社製 EM−360 NMRスペクトロメーター 溶媒 重水素化クロロホルム 内部標準 TMS (3)DSC セイコー電子工業社製SSC5000TAステーション/DSC200 昇温速度 10℃/min また、以下の参考例、及び実施例において、光重合反
応は、ウシオ電機(株)社製UM453B高圧水銀灯を用いて
行った。
応は、ウシオ電機(株)社製UM453B高圧水銀灯を用いて
行った。
光重合性ポリエチルアクリレートの製造例 参考例1 500ミリリットルのパイレックスガラス製アンプルに
エチルアクリレート100.7g、ベンゼン400ml、p−キシ
リレンビス(ジエチルジチオカルバメート)1.0gを仕込
み、十分に脱気した後封管した。恒温水槽中、10cmの距
離から14℃で19時間、紫外線照射を行った。重合終了
後、アンプルを開管し内容物を2リットルのヘキサンに
注ぎ、重合体84g(収率84%)を単離した。得られた重
合体の数平均分子量(Mn)はGPCで測定した結果、29,70
0であった。
エチルアクリレート100.7g、ベンゼン400ml、p−キシ
リレンビス(ジエチルジチオカルバメート)1.0gを仕込
み、十分に脱気した後封管した。恒温水槽中、10cmの距
離から14℃で19時間、紫外線照射を行った。重合終了
後、アンプルを開管し内容物を2リットルのヘキサンに
注ぎ、重合体84g(収率84%)を単離した。得られた重
合体の数平均分子量(Mn)はGPCで測定した結果、29,70
0であった。
参考例2 500ミリリットルのパイレックスガラス製アンプルに
エチルアクリレート100.0g、ベンゼン300ml、p−キシ
リレンビス(ジエチルジチオカルバメート)0.5gを仕込
み、十分に脱気した後封管した。恒温水槽中、10cmの距
離から14℃で30時間、紫外線照射を行った。重合終了
後、アンプルを開管し内容物を2リットルのヘキサンに
注ぎ、重合体95g(収率95%)を単離した。得られた重
合体の数平均分子量(Mn)はGPCで測定した結果、79,70
0であった。
エチルアクリレート100.0g、ベンゼン300ml、p−キシ
リレンビス(ジエチルジチオカルバメート)0.5gを仕込
み、十分に脱気した後封管した。恒温水槽中、10cmの距
離から14℃で30時間、紫外線照射を行った。重合終了
後、アンプルを開管し内容物を2リットルのヘキサンに
注ぎ、重合体95g(収率95%)を単離した。得られた重
合体の数平均分子量(Mn)はGPCで測定した結果、79,70
0であった。
参考例3 500ミリリットルのパイレックスガラス製アンプルに
エチルアクリレート100.0g、ベンゼン300ml、p−キシ
リレンビス(メチルキサンテート)0.22gを仕込み、十
分に脱気した後封管した。恒温水槽中、10cmの距離から
30℃で25時間、紫外線照射を行った。重合終了後、アン
プルを開管し内容物を2リットルのヘキサンに注ぎ、重
合体91.3g(収率90.7%)を単離した。得られた重合体
の数平均分子量(Mn)はGPCで測定した結果、145000で
あった。
エチルアクリレート100.0g、ベンゼン300ml、p−キシ
リレンビス(メチルキサンテート)0.22gを仕込み、十
分に脱気した後封管した。恒温水槽中、10cmの距離から
30℃で25時間、紫外線照射を行った。重合終了後、アン
プルを開管し内容物を2リットルのヘキサンに注ぎ、重
合体91.3g(収率90.7%)を単離した。得られた重合体
の数平均分子量(Mn)はGPCで測定した結果、145000で
あった。
(エチルアクリレート−ブロモスチレン)共重合体の製
造例 実施例1 100mlのパイレックスガラス製アンプルに参考例1で
製造した光重合性末端を有するポリエチルアクリレート
5.0グラム、トリブロモスチレン(平均臭素化率2.0)5.
1g、ベンゼン50mlを仕込み、10cmの距離から30℃で14時
間紫外線照射を行った。重合終了後、内容物を500mlの
メタノールに注ぎ重合体を単離し、該重合体をベンゼン
及びエタノールを用いて3度再沈精製した。得られた重
合体をベンゼンを用いて凍結乾燥後、ベンゼンを用いて
ソックスレー抽出を行い、再度ベンゼンにより凍結乾燥
して9.2g(収率91%)の重合体を得た。得られた重合体
を1H−NMRにより分析して重合体の組成分析、及びピー
クの帰属を行い、分子量及び重合体の構造を推定した。
図1に得られた重合体の1H−NMR測定結果を示した。更
に、得られた重合体をベンゼンを用いてテフロンモール
ド上でキャストした結果、強度を有するフィルムが得ら
れ、このことから得られた重合体はブロモスチレンセグ
メントが硬質相を形成して物理架橋状態にあるトリブロ
ック構造を有することを示していた。またDSCの測定か
ら、得られた重合体はポリエチルアクリレートセグメン
トの分子運動に起因する−20℃の吸熱ピーク(Tg1)及
びポリブロモスチレンセグメントの分子運動に起因する
180〜198℃の吸熱ピーク(Tg2)の2つのガラス転移点
を有しておりポリエチルアクリレート相及びポリブロモ
スチレン相が相分離した状態にあることを示していた。
以上の結果から、得られた重合体は、ポリエチルアクリ
レートを中間ブロックに、ポリブロモスチレンを両末端
ブロックにもつトリブロック共重合体であると推定され
る。
造例 実施例1 100mlのパイレックスガラス製アンプルに参考例1で
製造した光重合性末端を有するポリエチルアクリレート
5.0グラム、トリブロモスチレン(平均臭素化率2.0)5.
1g、ベンゼン50mlを仕込み、10cmの距離から30℃で14時
間紫外線照射を行った。重合終了後、内容物を500mlの
メタノールに注ぎ重合体を単離し、該重合体をベンゼン
及びエタノールを用いて3度再沈精製した。得られた重
合体をベンゼンを用いて凍結乾燥後、ベンゼンを用いて
ソックスレー抽出を行い、再度ベンゼンにより凍結乾燥
して9.2g(収率91%)の重合体を得た。得られた重合体
を1H−NMRにより分析して重合体の組成分析、及びピー
クの帰属を行い、分子量及び重合体の構造を推定した。
図1に得られた重合体の1H−NMR測定結果を示した。更
に、得られた重合体をベンゼンを用いてテフロンモール
ド上でキャストした結果、強度を有するフィルムが得ら
れ、このことから得られた重合体はブロモスチレンセグ
メントが硬質相を形成して物理架橋状態にあるトリブロ
ック構造を有することを示していた。またDSCの測定か
ら、得られた重合体はポリエチルアクリレートセグメン
トの分子運動に起因する−20℃の吸熱ピーク(Tg1)及
びポリブロモスチレンセグメントの分子運動に起因する
180〜198℃の吸熱ピーク(Tg2)の2つのガラス転移点
を有しておりポリエチルアクリレート相及びポリブロモ
スチレン相が相分離した状態にあることを示していた。
以上の結果から、得られた重合体は、ポリエチルアクリ
レートを中間ブロックに、ポリブロモスチレンを両末端
ブロックにもつトリブロック共重合体であると推定され
る。
実施例2 100mlのパイレックスガラス製アンプルに参考例2で
製造した光重合性末端を有するポリエチルアクリレート
5.0グラム、ブロモスチレン(平均臭素化率2.0)2.14
g、ベンゼン50mlを仕込み、10cmの距離から30℃で23時
間紫外線を照射した。重合終了後、内容物を500mlのメ
タノールに注ぎ重合体を単離し、該重合体をベンゼン及
びエタノールを用いて3度再沈精製した。得られた重合
体をベンゼンを用いて凍結乾燥後、ベンゼンを用いてソ
ックスレー抽出を行い、再度ベンゼンにより凍結乾燥し
て6.84g(収率86%)の重合体を得た。得られた重合体
を1H−NMRにより分析して重合体の組成分析、及びピー
クの帰属を行い、分子量及び重合体の構造を推定した。
更に、得られた重合体をベンゼンを用いてテフロンモー
ルド上でキャストした結果、強度を有するフィルムが得
られ、このことから得られた重合体はブロモスチレンセ
グメントが硬質相を形成して物理架橋状態にあるトリブ
ロック構造を有することを示していた。またDSCの測定
から、得られた重合体はポリエチルアクリレートセグメ
ントの分子運動に起因する−20℃の吸熱ピーク(Tg1)
及びポリブロモスチレンセグメントの分子運動に起因す
る180〜198℃の吸熱ピーク(Tg2)の2つのガラス転移
点を有しておりポリエチルアクリレート相及びポリブロ
モスチレン相が相分離した状態にあることを示してい
た。以上の結果から、得られた重合体は、ポリエチルア
クリレートを中間ブロックに、ポリブロモスチレンを両
末端ブロックにもつトリブロック共重合体であると推定
される。
製造した光重合性末端を有するポリエチルアクリレート
5.0グラム、ブロモスチレン(平均臭素化率2.0)2.14
g、ベンゼン50mlを仕込み、10cmの距離から30℃で23時
間紫外線を照射した。重合終了後、内容物を500mlのメ
タノールに注ぎ重合体を単離し、該重合体をベンゼン及
びエタノールを用いて3度再沈精製した。得られた重合
体をベンゼンを用いて凍結乾燥後、ベンゼンを用いてソ
ックスレー抽出を行い、再度ベンゼンにより凍結乾燥し
て6.84g(収率86%)の重合体を得た。得られた重合体
を1H−NMRにより分析して重合体の組成分析、及びピー
クの帰属を行い、分子量及び重合体の構造を推定した。
更に、得られた重合体をベンゼンを用いてテフロンモー
ルド上でキャストした結果、強度を有するフィルムが得
られ、このことから得られた重合体はブロモスチレンセ
グメントが硬質相を形成して物理架橋状態にあるトリブ
ロック構造を有することを示していた。またDSCの測定
から、得られた重合体はポリエチルアクリレートセグメ
ントの分子運動に起因する−20℃の吸熱ピーク(Tg1)
及びポリブロモスチレンセグメントの分子運動に起因す
る180〜198℃の吸熱ピーク(Tg2)の2つのガラス転移
点を有しておりポリエチルアクリレート相及びポリブロ
モスチレン相が相分離した状態にあることを示してい
た。以上の結果から、得られた重合体は、ポリエチルア
クリレートを中間ブロックに、ポリブロモスチレンを両
末端ブロックにもつトリブロック共重合体であると推定
される。
実施例3 100mlのパイレックスガラス製アンプルに参考例3で
製造した光重合性末端を有するポリエチルアクリレート
5.0グラム、ブロモスチレン(平均臭素化率2.0)2.5g、
ベンゼン50mlを仕込み、10cmの距離から30℃で23時間紫
外線を照射した。重合終了後、内容物を500mlのメタノ
ールに注ぎ重合体を単離し、該重合体をベンゼン及びエ
タノールを用いて3度再沈精製した。得られた重合体を
ベンゼンを用いて凍結乾燥後、ベンゼンを用いてソック
スレー抽出を行い、再度ベンゼンにより凍結乾燥して6.
1g(収率81%)の重合体を得た。得られた重合体を1H−
NMRにより分析して重合体の組成分析、及びピークの帰
属を行い、分子量及び重合体の構造を推定した。更に、
得られた重合体をベンゼンを用いてテフロンモールド上
でキャストした結果、強度を有するフィルムが得られ、
このことから得られた重合体はブロモスチレンセグメン
トが硬質相を形成して物理架橋状態にあるトリブロック
構造を有することを示していた。またDSCの測定から、
得られた重合体はポリエチルアクリレートセグメントの
分子運動に起因する−20℃の吸熱ピーク(Tg1)及びポ
リブロモスチレンセグメントの分子運動に起因する180
〜198℃の吸熱ピーク(Tg2)の2つのガラス転移点を有
しておりポリエチルアクリレート相及びポリブロモスチ
レン相が相分離した状態にあることを示していた。以上
の結果から、得られた重合体は、ポリエチルアクリレー
トを中間ブロックに、ポリブロモスチレンを両末端ブロ
ックにもつトリブロック共重合体であると推定される。
製造した光重合性末端を有するポリエチルアクリレート
5.0グラム、ブロモスチレン(平均臭素化率2.0)2.5g、
ベンゼン50mlを仕込み、10cmの距離から30℃で23時間紫
外線を照射した。重合終了後、内容物を500mlのメタノ
ールに注ぎ重合体を単離し、該重合体をベンゼン及びエ
タノールを用いて3度再沈精製した。得られた重合体を
ベンゼンを用いて凍結乾燥後、ベンゼンを用いてソック
スレー抽出を行い、再度ベンゼンにより凍結乾燥して6.
1g(収率81%)の重合体を得た。得られた重合体を1H−
NMRにより分析して重合体の組成分析、及びピークの帰
属を行い、分子量及び重合体の構造を推定した。更に、
得られた重合体をベンゼンを用いてテフロンモールド上
でキャストした結果、強度を有するフィルムが得られ、
このことから得られた重合体はブロモスチレンセグメン
トが硬質相を形成して物理架橋状態にあるトリブロック
構造を有することを示していた。またDSCの測定から、
得られた重合体はポリエチルアクリレートセグメントの
分子運動に起因する−20℃の吸熱ピーク(Tg1)及びポ
リブロモスチレンセグメントの分子運動に起因する180
〜198℃の吸熱ピーク(Tg2)の2つのガラス転移点を有
しておりポリエチルアクリレート相及びポリブロモスチ
レン相が相分離した状態にあることを示していた。以上
の結果から、得られた重合体は、ポリエチルアクリレー
トを中間ブロックに、ポリブロモスチレンを両末端ブロ
ックにもつトリブロック共重合体であると推定される。
実施例4 100mlのパイレックスガラス製アンプルに参考例3で
製造した光重合性末端を有するポリエチルアクリレート
3.5グラム、ブロモスチレン(平均臭素化率2.0)3.7g、
ベンゼン60mlを仕込み、10cmの距離から30℃で21時間紫
外線を照射した。重合終了後、内容物を500mlのメタノ
ールに注ぎ重合体を単離し、該重合体をベンゼン及びエ
タノールを用いて3度再沈精製した。得られた重合体を
ベンゼンを用いて凍結乾燥後、ベンゼンを用いてソック
スレー抽出を行い、再度ベンゼンにより凍結乾燥して6.
5g(収率90%)の重合体を得た。得られた重合体を1H−
NMRにより分析して重合体の組成分析、及びピークの帰
属を行い、分子量及び重合体の構造を推定した。更に、
得られた重合体をベンゼンを用いてテフロンモールド上
でキャストした結果、強度を有するフィルムが得られ、
このことから得られた重合体はブロモスチレンセグメン
トが硬質相を形成して物理架橋状態にあるトリブロック
構造を有することを示していた。またDSCの測定から、
得られた重合体はポリエチルアクリレートセグメントの
分子運動に起因する−20℃の吸熱ピーク(Tg1)及びポ
リブロモスチレンセグメントの分子運動に起因する180
〜198℃の吸熱ピーク(Tg2)の2つのガラス転移点を有
しておりポリエチルアクリレート相及びポリブロモスチ
レン相が相分離した状態にあることを示していた。以上
の結果から、得られた重合体は、ポリエチルアクリレー
トを中間ブロックに、ポリブロモスチレンを両末端ブロ
ックにもつトリブロック共重合体であると推定される。
製造した光重合性末端を有するポリエチルアクリレート
3.5グラム、ブロモスチレン(平均臭素化率2.0)3.7g、
ベンゼン60mlを仕込み、10cmの距離から30℃で21時間紫
外線を照射した。重合終了後、内容物を500mlのメタノ
ールに注ぎ重合体を単離し、該重合体をベンゼン及びエ
タノールを用いて3度再沈精製した。得られた重合体を
ベンゼンを用いて凍結乾燥後、ベンゼンを用いてソック
スレー抽出を行い、再度ベンゼンにより凍結乾燥して6.
5g(収率90%)の重合体を得た。得られた重合体を1H−
NMRにより分析して重合体の組成分析、及びピークの帰
属を行い、分子量及び重合体の構造を推定した。更に、
得られた重合体をベンゼンを用いてテフロンモールド上
でキャストした結果、強度を有するフィルムが得られ、
このことから得られた重合体はブロモスチレンセグメン
トが硬質相を形成して物理架橋状態にあるトリブロック
構造を有することを示していた。またDSCの測定から、
得られた重合体はポリエチルアクリレートセグメントの
分子運動に起因する−20℃の吸熱ピーク(Tg1)及びポ
リブロモスチレンセグメントの分子運動に起因する180
〜198℃の吸熱ピーク(Tg2)の2つのガラス転移点を有
しておりポリエチルアクリレート相及びポリブロモスチ
レン相が相分離した状態にあることを示していた。以上
の結果から、得られた重合体は、ポリエチルアクリレー
トを中間ブロックに、ポリブロモスチレンを両末端ブロ
ックにもつトリブロック共重合体であると推定される。
第1図は、本発明の実施例1で得られたポリマーのプロ
トン核磁気共鳴スペクトルを示す。
トン核磁気共鳴スペクトルを示す。
Claims (1)
- 【請求項1】下記の一般式[I] で表されるアクリル酸エステル系ブロック共重合体。 [但し、Aは下記の一般式[I a] (ここで、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で
表されるアクリル酸エステル単量体残基を表し、Bは下
記の一般式[I b] (ここで、kは臭素数を表し、kの平均値は1.6から3.0
の範囲にある。)で表される臭素化スチレン単量体残基
を表す。R1は炭素数1〜6のアルキル基を有するアルキ
ルアミノ基、或いは炭素数1〜8のアルコキシ基を表
し、nは50〜2000の自然数であり、mは5〜200の自然
数である。]
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17528390A JP2913488B2 (ja) | 1990-07-04 | 1990-07-04 | アクリル酸エステル系ブロック共重合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17528390A JP2913488B2 (ja) | 1990-07-04 | 1990-07-04 | アクリル酸エステル系ブロック共重合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0463819A JPH0463819A (ja) | 1992-02-28 |
JP2913488B2 true JP2913488B2 (ja) | 1999-06-28 |
Family
ID=15993419
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17528390A Expired - Fee Related JP2913488B2 (ja) | 1990-07-04 | 1990-07-04 | アクリル酸エステル系ブロック共重合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2913488B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4949803B2 (ja) * | 2006-03-17 | 2012-06-13 | 株式会社リコー | 定着装置及び画像形成装置 |
-
1990
- 1990-07-04 JP JP17528390A patent/JP2913488B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0463819A (ja) | 1992-02-28 |
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