JP4115147B2 - 加熱装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加熱材を加圧・加熱する加熱装置に関するものであり、特に電子写真式あるいは静電記録式等の画像形成装置の定着装置として用いれば好適な加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置において、電子写真プロセス・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の適宜の画像形成プロセス手段部で被記録材(転写シート・エレクトロファックスシート・静電記録紙・OHPシート・印刷用紙・フォーマット紙など)に転写方式あるいは直接方式にて形成担持させた画像情報の未定着画像(トナー画像)を被記録材面に永久固着画像として加熱定着させる定着装置としては熱ローラ方式の装置が広く用いられていた。
【0003】
近年では、クイックスタートや省エネルギーの観点からフィルム加熱方式が実用化されている。また電磁誘導加熱方式の装置も提案されている。
【0004】
a)フィルム加熱方式
フィルム加熱方式の定着装置(定着器)は、例えば特開昭63−313182号公報・特開平2−157878公報・特開平4−44075号公報・特開平4−204980号公報等に提案されている。
【0005】
即ち、加熱体としてのセラミックヒータと、加圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性フィルム(定着フィルム、定着ベルト)を挟ませて定着ニップ部を形成させ、前記定着ニップ部の定着フィルムと加圧ローラとの間に未定着トナー画像を形成担持させた被記録材を導入して定着フィルムと一緒に挟持搬送させることで、定着ニップ部においてセラミックヒータの熱を定着フィルムを介して被記録材に与え、さらに定着ニップ部の加圧力にて未定着トナー画像を被記録材面に定着させるものである。
【0006】
このフィルム加熱方式の定着装置は、セラミックヒータ及び定着フィルムとして低熱容量の部材を用いてオンデマンドタイプの装置を構成することができる。すなわち、画像形成装置の画像形成実行時のみ熱源としてのセラミックヒータに通電して所定の定着温度に発熱させた状態にすれば良く、画像形成装置の電源オンから画像形成実行可能状態までの待ち時間が短く(クイックスタート性)・スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい(省電力)等の利点がある。
【0007】
b)電磁誘導を用いたフィルム加熱方式
特開平7−114276号公報には、定着フィルム自身あるいは定着フィルムに近接させた導電性部材に渦電流を発生させ、その時のジュール熱によって発熱させる加熱装置が提案されている。この電磁誘導を用いたフィルム加熱方式は、発熱域を被加熱材に近接させることができるため、セラミックヒータを用いたフィルム加熱方式に比べ、さらなる消費エネルギーの効率向上が達成できる。
【0008】
フィルム加熱方式あるいは電磁誘導を用いたフィルム加熱方式の定着装置において、回転体としての円筒状もしくはエンドレスフィルム状の定着フィルムの駆動方法として、定着フィルム内周面を案内するフィルムガイド部材(フィルム支持部材)と加圧ローラとで圧接された定着フィルムを加圧ローラの回転駆動によって従動回転させる方法(加圧ローラ駆動方式)や、逆に駆動ローラとテンションローラによって張架されたエンドレスフィルム状の定着フィルムの駆動によって加圧ローラを従動回転させるもの等がある。
【0009】
定着フィルム内面とフィルムガイド部材には、定着フィルムとフィルムガイド部材との摩擦による回転トルクの影響を軽減するために、耐熱性グリース等の潤滑剤を介在させる等している。フィルム加熱方式の装置においては、特開平5−27619号に提案されているように、定着フィルムとフィルムガイド部材との間に潤滑剤(グリース)を介在させることにより定着フィルムとフィルムガイド部材との間の摺動性を確保していた。
【0010】
【発明が解決しようとしている課題】
従来のフィルム加熱方式の定着装置では、被記録材の巻き付きジャムが発生しやすい問題があった。特に、トナー載り量が比較的多いフルカラー画像定着時や、比較的コシの弱い薄紙や吸湿紙の定着時は、定着フィルムへの巻き付きジャムが発生しやすい。
【0011】
被記録材の巻き付きジャムを防止するために、定着ニップ通過後における被記録材の定着フィルムとの分離性を高めるために、フィルム支持部材の摺動部よりも下流側に、摺動部の面よりも加圧ローラ側へ突出させた段差部を設ける方法がある。この段差部で被記録材を定着フィルムから離れる方向に矯正させて曲率分離を行い、被記録材の分離性を確保するものである。
【0012】
しかしながら、上述のような段差部は、定着フィルム内面に付着しているグリースを定着フィルムから削ぎ落とし、定着フィルム端部から吐き出してしまうという問題があった。これにより、定着フィルムの摺動抵抗が大きくなり、定着フィルムと加圧ローラ、もしくは定着フィルムと被記録材との間でスリップが発生し、ジャムや画像不良が発生することがあった。また、定着器の駆動トルクが上昇するため、駆動モータの脱調が発生することがあった。さらに、定着フィルムと摺動部材の相性によっては定着フィルムが短い周期で動いたり止まったりするスティックスリップが発生することがあった。
【0013】
そこで、本発明は、フィルム加熱方式や電磁誘導を用いたフィルム加熱方式の加熱装置において、被加熱材のフィルム状加熱部材からの分離性確保と、フィルム状加熱部材端部からのグリースの吐き出しを防止し、フィルム状加熱部材の摺動抵抗を低減させることでスリップ防止し、駆動トルクの低減を図り、スティックスリップの発生しない加熱装置およびこれを具備した画像形成装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする加熱装置である。
【0015】
(1)円筒形状のフィルムと、前記フィルムの内周面と接触する摺動面を有し前記フィルムを支持する支持部材と、前記フィルムの外周面と接触し前記支持部材と共に前記フィルムを挟む加圧部材と、を有し、前記フィルムの内周面と前記支持部材の摺動面との間には潤滑剤が塗布されており、前記フィルム前記加圧部材の間で被加熱材を挟持搬送しつつ加熱する加熱装置において、
前記支持部材の前記摺動面よりも被加熱材搬送方向下流側の部分は、前記支持部材長手方向に亘って前記摺動面よりも前記加圧部材側へ突出する段差部となっており、前記長手方向において前記支持部材の前記段差部よりも両端側の領域には前記段差部より突出量が小さいまたは前記摺動面と同じ高さの切欠き部が設けられており、前記長手方向における前記フィルムの長さをLf、前記支持部材の長さをLs、前記加圧部材の長さをLr、前記段差部の長さをLdとすると、
Lf>Lr>Ld、且つLs>Lr>Ld
の関係を満たしていることを特徴とする加熱装置。
【0016】
(2)前記装置は被加熱材に形成された未定着画像を定着する定着装置として用いられるものであり、前記段差部の前記支持部材長手方向の配置領域は前記定着装置の画像通過領域以上であることを特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0017】
(3)前記フィルムの摺動面の粗さが0.07≦Ra≦0.5であることを特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0018】
(4)前記フィルムの摺動面には前記移動部材移動方向に沿った凹凸が形成さ
れていることを特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0019】
(5)前記切欠き部は、前記ニップの長手方向における圧力分布のピーク部を含む領域に設けられていることを特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0021】
(6)前記段差部の高さは前記摺動面を基準に0.1mm以上1.0mm以下であることを特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0022】
(7)前記支持部材は、さらに、前記摺動面よりも被加熱材搬送方向上流側の部分にも前記支持部材長手方向に亘って前記摺動面よりも前記加圧部材側へ突出する段差部を有し、
前記被加熱材搬送方向上流側の段差部は、前記長手方向において前記支持部材の前記被加熱材搬送方向上流側の段差部よりも両端側の領域には前記被加熱材搬送方向上流側の段差部より突出量が小さいまたは前記摺動面と同じ高さの切欠き部が設けられていることを特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0023】
(8)前記支持部材は前記切欠き部よりも外側に前記摺動面よりも前記加圧部材側に突出している第2の段差部を有することを特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0024】
(9)前記第2の段差部の高さは、前記摺動面を基準に0.1mm以上1.0mm以下であることを特徴とする(8)に記載の加熱装置。
【0028】
(10)前記装置は更に磁場発生手段を有し、且つ前記フィルムは導電層を有し、磁場発生手段によって発生する磁場の作用により前記導電層に渦電流が発生し、この渦電流の作用で発熱する前記フィルムからの熱により被加熱材が加熱されることを特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0029】
(11)前記装置は更に通電により発熱するヒータを有し、被加熱材は前記フィルムを介したヒータからの熱により加熱されることを特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0031】
(12)前記装置は被加熱材に形成された未定着画像を定着する定着装置であることを特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0032】
【発明の実施の形態】
<第1の実施形態例>
(1)画像形成装置例
図19は、本実施形態にかかる画像形成装置の一例の概略構成を示す図である。本実施形態の画像形成装置は、電子写真プロセスを利用したカラーレーザプリンタである。
【0033】
かかる画像形成装置にあっては、先ず、有機感光体やアモルファスシリコン感光体で形成された潜像担持体たる感光ドラム101は、矢示の反時計方向に所定の搬送速度(周速度)で回転駆動される。そして、感光ドラム101はその回転過程で帯電ローラ等の帯電装置102によって所定の極性及び電位の一様な帯電処理を受ける。
【0034】
次いで、その帯電処理面は、レーザ光学箱(レーザスキャナー)110から出力されるレーザ光103により、目的の画像情報の走査露光処理を受ける。レーザ光学箱110は不図示の画像読み取り装置等の画像信号発生装置からの目的画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応してオン又はオフに切り換えられて変調したレーザ光103を出力し、感光ドラム101面を走査露光する。これにより、感光ドラム101面に目的画像情報に対応した静電潜像が形成される。このとき、レーザ光学箱110からの出力レーザ光はミラー109によって感光ドラム101の露光位置に偏向される。
【0035】
フルカラー画像形成の場合は、目的のフルカラー画像における第一の色分解成分画像、例えばイエロー成分画像についての走査露光、潜像形成がなされ、その潜像が4色カラー現像装置104のうちイエロー現像器104Yの作動でイエロートナー画像として現像される。そのイエロートナー画像は感光ドラム101と中間転写ドラム105との接触部(或いは近接部)である一次転写部T1において中間転写ドラム105面に転写される。中間転写ドラム105面に対するトナー画像転写後の感光ドラム101面はクリーナ107により転写残トナー等の付着残留物の除去を受けて清掃される。
【0036】
上記のような帯電、走査露光、現像、一次転写、清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画像の第二の色分解成分画像(例えばマゼンタ成分画像、マゼンタ現像器104Mが作動)、第三の色分解成分画像(例えばシアン成分画像、シアン現像器104Cが作動)、第四の色分解成分画像(例えば黒成分画像、黒現像器104Bkが作動)の各色分解成分画像について順次実行され、中間転写ドラム105面にイエロートナー画像、マゼンタトナー画像、シアントナー画像、黒トナー画像の4色のトナー画像が順次重ねて転写されて、目的のフルカラー画像に対応したカラートナー画像が合成形成される。
【0037】
中間転写ドラム105は、金属ドラム上に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を設けたもので、感光ドラム101に接触して或いは近接して感光ドラム101と同じ周速度で矢示の時計方向に回転駆動され、中間転写ドラム105の金属ドラムにバイアス電位を与えて感光ドラム101との電位差で感光ドラム101側のトナー画像を中間転写ドラム105面側に転写させる。
【0038】
上記の中間転写ドラム105面に形成されたカラートナー画像は、中間転写ドラム105と転写ローラ106との接触ニップ部である二次転写部T2において、前記二次転写部T2に不図示の給紙部から所定のタイミングで送り込まれた被記録材Pの面に転写されていく。転写ローラ106は被記録材Pの背面からトナーと逆極性の電荷を供給することで中間転写ドラム105面側から被記録材P側へ合成カラートナー画像を順次に一括転写する。
【0039】
二次転写部T2を通過した被記録材Pは、中間転写ドラム105面から分離されて定着手段たる定着装置(画像加熱装置)100へ導入され、未定着トナー画像が加熱定着処理されて定着トナー画像となり、機外の不図示の排紙トレーに排出される。
【0040】
被記録材Pに対するカラートナー画像転写後の中間転写ドラム105はクリーナ108により転写残トナーや紙粉等の付着残留物の除去を受けて清掃される。このクリーナ108は常時は中間転写ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写ドラム105から被記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写ドラム105に接触状態に保持される。
【0041】
また、転写ローラ106も常時中間転写ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写ドラム105から被記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写ドラム105に被記録材Pを介して接触状態に保持される。
【0042】
本実施形態例の画像形成装置は、白黒画像などモノカラー画像のプリントモードも実行できる。また両面画像プリントモード、或いは多重画像プリントモードも実行できる。
【0043】
両面画像プリントモードの場合は、定着装置100を出た1面目画像プリント済みの被記録材Pは不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されて再び二次転写部T2へ送り込まれて2面に対するトナー画像転写を受け、再度、定着装置100に導入されて2面に対するトナー画像の定着処理を受けることで、両面画像プリントが出力される。
【0044】
多重画像プリントモードの場合は、定着装置100を出た1回目画像プリント済みの被記録材Pは、不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに再び二次転写部T2へ送り込まれて1回目画像プリント済みの面に2回目のトナー画像転写を受け、再度、定着装置100に導入されて2回目のトナー画像の定着処理を受けることで多重画像プリントが出力される。
【0045】
(2)定着装置100の全体的な概略構成
本実施形態例における加熱装置としての定着装置100は、加熱部材として電磁誘導発熱性の円筒状の定着フィルム(定着ベルト)を用いた、加圧ローラ駆動方式、電磁誘導加熱方式の装置である。
【0046】
図1は本実施形態例における定着装置100の要部の横断面側面模型図、図2は要部の正面模型図、図3は要部の縦断面正面模型図である。
【0047】
この装置100は、大きく分けて円筒状の支持部材としてのフィルムガイド部材16と、このフィルムガイド部材16にルーズに外嵌させた、移動部材(加熱部材)としての円筒状の電磁誘導発熱性の定着フィルム10と、フィルムガイド部材16との間に定着フィルム10を挟んでニップ部Nを形成させた、加圧部材としての加圧ローラ30とからなる。
【0048】
円筒状のフィルムガイド部材(フィルム支持部材)16は、左右一対の横断面略半円弧状樋型半体16aと16bとを互いに開口部を向かい合わせて組み合わせることで円筒体を構成させてある。図1中で右側のフィルムガイド部材半体16aの内側には、磁場発生手段としての磁性コア17a・17b・17cと励磁コイル18を配設して保持させてある。
【0049】
加圧部材としての加圧ローラ30は、芯金30aと、前記芯金周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などの耐熱性・弾性材層30bとで構成されており、表層に離型層30cを設けてある。例えば、離型層30cはフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、PTFE、FEP等の離型性かつ耐熱性のよい材料を選択することができる。芯金30aの両端部を装置の不図示のシャーシ側板金間に回転自由に軸受け保持させて配設してある。
【0050】
定着フィルム10を外嵌させたフィルムガイド部材16は加圧ローラ30の上側に配置され、フィルムガイド部材16内に挿通して配設した加圧用剛性ステイ22の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材29a・29bとの間にそれぞれ加圧バネ25a・25bを縮設することで加圧用剛性ステイ22に押し下げ力を作用させている。これにより、フィルムガイド部材16の下面と加圧ローラ30の上面とが定着フィルム10を挟んで圧接して、所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
【0051】
加圧ローラ30は駆動手段M(図1)により矢示の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ30の回転駆動により、定着ニップ部Nにおいて加圧ローラ30と定着フィルム10の外面との摩擦力で定着フィルム10に回転力が作用し、定着フィルム10の内周面が定着ニップ部Nにおいてフィルムガイド部材16の下面に密着して摺動しながら矢示の時計方向に加圧ローラ30の周速度にほぼ対応した周速度をもってフィルムガイド部材16の外周を回転する(加圧ローラ駆動方式)。
【0052】
定着ニップ部Nにおけるフィルムガイド部材16の下面と定着フィルム10の内面との相互摺動摩擦力を低減化させるために、フィルムガイド部材16の下面の定着ニップ部Nに対応する面部分には、耐熱性・低摩擦性の摺動部材40を配設してある。摺動部材40は、この摺動部材の固定部材としてのフィルムガイド部材16よりも定着フィルム10の内面との滑り性が良い部材であり、例えばポリイミド樹脂、ガラス、アルミナ、アルミナにガラスをコートしたものなどで構成するのが好ましい。本例では、アルミナ基板にガラスをコートしたものを配設している。なお、摺動部材は支持部材の一部と考えることができ、摺動部材40を省略してフィルムガイド部材16の下面を滑り性の良い面に加工してフィルムとの摺動面にしても構わない。
【0053】
この摺動部材40は、少なくとも定着ニップ部Nの長さと幅に対応する長さと幅を有する帯板状あるいはテープ状の部材であり、本例ではフィルムガイド部材16の下面に長手に沿って具備させた嵌め込み用の溝部に位置決め保持させてある。さらには、耐熱性接着剤で固定すると良い。
【0054】
さらに、摺動部材40と定着フィルム10内周面との間に潤滑剤Gを介在させ、定着フィルム10の摺動抵抗低減を図っている。本実施形態例においては、潤滑剤としてフッ素グリースを用いている。
【0055】
定着ニップ部Nにおける定着フィルム10摺動部近傍のフィルムガイド16部材および摺動部材40の構成については、後記(5)項にて詳述する。
【0056】
また、図1中右側のフィルムガイド部材半体16aの周面には、図4に示すように、その長手方向に所定の間隔を置いて凸リブ部16cを形成具備させ、フィルムガイド部材半体16aの周面と定着フィルム10の内面との接触摺動抵抗を低減させて定着フィルム10の回転負荷を少なくしている。このような凸リブ部16cは図中左側のフィルムガイド部材半体16bにも同様に形成具備することができる。なお、凸リブ部は定着フィルムの接触摺動抵抗を低減できればよく形状は任意に選択できる。
【0057】
23a・23bは図2に示すとおり円筒状のフィルムガイド部材16の手前側と奥側の端部に嵌着して配設したフランジ部材であり、定着フィルム10の回転時に定着フィルムの端部を受けて、定着フィルム10のフィルムガイド部材16の長手に沿う寄り移動を規制する役目をする。フランジ部材23a・23bは定着フィルム10の回転に従動で回転する構成にしてもよい。
【0058】
而して、加圧ローラ30が回転駆動され、それに伴って定着フィルム10が回転し、励磁回路27(図4)から励磁コイル18への給電により発生する磁場の作用で加熱部材としての定着フィルム10が電磁誘導発熱して定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調される。この状態において、不図示の画像形成手段部から搬送された未定着トナー画像tが形成された被記録材Pが定着ニップ部Nの定着フィルム10と加圧ローラ30との間に導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面が定着フィルムの外面に密着して定着フィルム10と一緒に挟持搬送されていく。
【0059】
被記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると、定着フィルム10の外面から分離して排出搬送されていく。被記録材P上の加熱定着トナー画像tは定着ニップNを通過後、冷却して永久固着画像となる。
【0060】
本実施形態例における画像加熱定着装置100では、トナーtに低軟化物質を含有させたトナーを使用したため、定着装置にオフセット防止のためのオイル塗布機構を設けていないが、低軟化物質を含有させていないトナーを使用した場合には、オイル塗布機構を設けても良い。また、低軟化物質を含有させたトナーを使用した場合にもオイル塗布や冷却分離を行っても良い。
【0061】
(3)磁場発生手段
磁性コア17a・17b・17cは高透磁率の部材であり、フェライトやパーマロイ等といったトランスのコアに用いられる材料が良く、より好ましくは100kHz以上でも損失の少ないフェライトを用いるのが良い。
【0062】
磁場発生手段を構成する励磁コイル18は、コイル(線輪)を構成させる導線(電線)として、一本ずつがそれぞれ絶縁被覆された銅製の細線を複数本束ねたもの(束線)を用い、これを複数回巻いて励磁コイルを形成している。本例では12回巻きで励磁コイルを形成している。
【0063】
絶縁被覆を行う被覆部材は、定着フィルム10の発熱による熱伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用いることが好ましい。例えば、アミドイミドやポリイミド等の被覆を用いるとよい。本実施形態例においては、ポリイミドによる被覆を用いており耐熱温度は220℃である。
【0064】
励磁コイル18は外部から圧力を加えて密集度を向上させてもよい。
【0065】
磁場発生手段17a・17b・17c・18と加圧用剛性ステイ22の間には、絶縁部材19を配設してある。絶縁部材19の材質としては、絶縁性に優れ、耐熱性がよいものが好ましい。例えば、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂、LCP樹脂等を選択するとよい。
【0066】
図5は、磁場発生手段によって発生される交番磁束の発生の様子を模式的に表したものである。磁束Cは発生した交番磁束の一部を表す。磁性コア17a,17b,17cに導かれた交番磁束Cは、磁性コア17aと磁性コア17bとの間、そして磁性コア17aと磁性コア17cとの間において定着フィルム10の発熱層1に渦電流を発生させる。この渦電流は、発熱層1の固有抵抗によって、発熱層1にジュール熱(渦電流損)を発生させる。
【0067】
発熱量Qは発熱層1を通る磁束Cの密度によって決まり、図5のグラフような分布を示す。図5に示すグラフは、縦軸が磁性コア17aの中心を0とした角度θで表した定着フィルム10における円周方向の位置を示し、横軸が定着フィルム10の発熱層1での発熱量Qを示す。ここで、発熱域Hは最大発熱量をQとし、発熱量がQ/e以上の領域と定義する(eは自然対数の底)。これは、定着プロセスに必要な発熱量が得られる領域である。
【0068】
この定着ニップ部Nの温度は、温度検知手段26(図1)を含む不図示の温調系により励磁コイル18に対する電流供給が制御されることで所定の温度が維持されるように温調される。温度検知手段26は定着フィルム10の温度を検知するサーミスタなどの温度センサであり、本例においてはサーミスタで測定した定着フィルム10の温度情報を基に定着ニップ部Nの温度を制御するようにしている。
【0069】
(4)定着フィルム10
図6は、本実施形態例における定着フィルム10の層構成模型図である。
【0070】
本実施形態例の定着フィルム10は、基層となる電磁誘導発熱性の金属フィルム等でできた発熱層1と、その外面に積層した弾性層2と、その外面に積層した離型層3の複合構造のものである。
【0071】
発熱層1と弾性層2との間の接着、弾性層2と離型層3との間の接着のために、各層間にプライマー層(図示せず)を設けてもよい。
【0072】
略円筒形状である定着フィルム10において、発熱層1が摺動部材40と接触する内面側であり、離型層3が加圧ローラ若しくは記録材(被加熱材)と接触する外面側である。
【0073】
上述したように、発熱層1に交番磁束が作用することにより、発熱層1に渦電流が発生して発熱層1が発熱する。この熱が弾性層2、離型層3に伝達されて、定着フィルム10全体が加熱され、定着ニップ部Nに通紙される被記録材Pを加熱してトナーt画像の加熱定着がなされる。
【0074】
a.発熱層1
発熱層1としては、磁性及び非磁性の金属を用いることができるが、磁性金属が好ましく用いられる。このような磁性金属としては、ニッケル、鉄、強磁性ステンレス、ニッケル−コバルト合金、パーマロイといった強磁性体の金属が好ましく用いられる。又、定着フィルム10回転時に受ける繰り返しの屈曲応力による金属疲労を防ぐために、ニッケル中にマンガンを添加した部材を用いるのも良い。
【0075】
発熱層1の厚さは、次の式で表される表皮深さσ[m]より厚く、且つ200μm以下にすることが好ましい。発熱層1の厚さをこの範囲とすれば、発熱層1が電磁波を効率よく吸収することができるため、効率良く発熱させることができる。
【0076】
σ=503×(ρ/fμ)1/2 …(1)
ここで、fは励磁回路の周波数[Hz]、μは発熱層1の透磁率、ρは発熱層1の固有抵抗[Ωm]である。
【0077】
この表皮深さσは、電磁誘導で使われる電磁波の吸収の深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強度は1/e以下になっている。逆にいうと殆どのエネルギーはこの深さまでで吸収されている(図8に示した発熱層深さと電磁波強度の関係を参照)。
【0078】
発熱層1の厚さは、より好ましくは1〜100μmがよい。発熱層1の厚みが上記範囲よりも薄い場合には、ほとんどの電磁エネルギーが吸収しきれないため効率が悪くなる。又、発熱層1が上記範囲よりも厚い場合には、発熱層1の剛性が高くなりすぎ、又、屈曲性が悪くなり回転体として使用するには現実的でなくなる。
【0079】
b.弾性層2
弾性層2は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等の、耐熱性、熱伝導率が良い材質が好ましく用いられる。
【0080】
弾性層2の厚さは、定着画像品質を保証するために10〜500μmであることが好ましい。カラー画像を印刷する場合、特に写真画像等では、被記録材P上で大きな面積に渡ってベタ画像が形成される。この場合、被記録材Pの凹凸或いはトナー層tの凹凸に加熱面(離型層3)が追従できないと加熱ムラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分で画像に光沢ムラが発生する。即ち、伝熱量が多い部分は光沢度が高く、伝熱量が少ない部分では光沢度が低くなる。弾性層2の厚さが上記範囲よりも小さい場合には、上記離型層3が被記録材P或いはトナー層tの凹凸に追従しきれず、画像光沢ムラが発生してしまう。又、弾性層2が上記範囲よりも大きすぎる場合には、弾性層2の熱抵抗が大きくなりすぎ、クイックスタートを実現するのが難しくなる。この弾性層2の厚さは、より好ましくは50〜500μmが良い。
【0081】
弾性層2は、硬度が高すぎると被記録材P或いはトナー層tの凹凸に追従しきれず画像光沢ムラが発生してしまう。そこで、弾性層2の硬度としては60゜(JIS−A)以下、より好ましくは45゜(JIS−A)以下がよい。
【0082】
弾性層2の熱伝導率λは、2.5×10-1〜8.4×10-1W/m・℃であることが好ましい。熱伝導率λが上記範囲よりも小さい場合には、熱抵抗が大きすぎて、定着フィルム10の表層(離型層3)における温度上昇が遅くなる。熱伝導率λが上記範囲よりも大きい場合には、弾性層2の硬度が高くなりすぎたり、圧縮永久歪みが発生しやすくなる。より好ましくは3.3×10-1〜6.3×10-1W/m・℃が良い。
【0083】
c.離型層3
離型層3は、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、PTFE、FEP等の離型性且つ耐熱性のよい材料を用いることが好ましい。
【0084】
離型層3の厚さは1〜100μmが好ましい。離型層3の厚さが上記範囲よりも薄い場合には、塗膜の塗ムラが生じ、離型性の悪い部分が発生したり、耐久性が不足するといった問題が発生する。又、離型層3の厚さが上記範囲よりも厚い場合には、熱伝導が悪化する。特に、離型層3に樹脂系の材質を用いた場合は、離型層3の硬度が高くなりすぎて、弾性層2の効果がなくなってしまう。
【0085】
d.断熱層4
図7に示すように、定着フィルム10の構成において、発熱層1の摺動部材40との接触面側に断熱層4を設けてもよい。断熱層4としては、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂等の耐熱樹脂がよい。
【0086】
断熱層4の厚さとしては10〜1000μmが好ましい。断熱層4の厚さが10μmよりも薄い場合には断熱効果が得られず、又、耐久性も不足する。一方、1000μmを超えると磁性コア17a,17b,17c及び励磁コイル18から発熱層1までの距離が大きくなり、磁束が十分に発熱層1に吸収されなくなる。
【0087】
断熱層4は、発熱層1に発生した熱が定着フィルム10の内側に向かわないように断熱できるので、断熱層1がない場合と比較して被記録材Pへの熱供給効率が良くなる。よって、消費電力を抑えることができる。
【0088】
又、断熱層4を滑り性の良い材料で構成すれば、摺動部材40と定着フィルム10との摺動抵抗を軽減することができる。
【0089】
(5)定着フィルム摺動部の構成
図9は、定着ニップ部Nにおける定着フィルム10の摺動部近傍の横断面側面模型図である。定着フィルム10からの紙分離性を向上させるために、フィルムガイド部材16の摺動面側に対し、摺動部材40を凹状に配置することにより、段差状の段差部50a・50bを形成させている。段差状の段差部50aは、フィルムガイド部材16に設けられた摺動部材40と定着フィルム10との摺動部Sよりも定着フィルム10移動方向上流側に位置する段差部である。段差状の段差部50bは、摺動部Sよりも定着フィルム10移動方向下流側に位置する段差部である。
【0090】
摺動部Sよりも定着フィルム10移動方向下流側に位置する段差部50bは、紙分離性に寄与している。この段差部50bの突出量hは、摺動部材40の摺動面を基準に0.1mm以上1.0mm以下であれば良い。この突出量hが0.1mm未満であると、紙分離性が不十分となり、定着器における巻き付きジャムが発生してしまう問題がある。逆に、この突出量hが1.0mmより大きいと、定着された紙のカール量が非常に大きくなってしまう問題がある。さらに、本実施形態例のように、定着フィルム10が発熱層1として金属部材を用いている場合、突出量hが大きいほど定着フィルム10への屈曲応力が増大するため、金属部材の疲労破壊が発生しやすくなる。よって、より好ましくは、突出量hは0.5mm以下とするのが良い。本実施形態例において、突出量hは0.3mmとしている。
【0091】
段差部50a・50bのエッジによる定着フィルム10の内周面への機械的ダメージを低減するために、図10に示すように、段差部50a・50bのエッジをR状に面取りしても良い。
【0092】
図11は、摺動部Sよりも下流側に位置する段差部50bを、定着フィルム10移動方向下流側からみた縦断正面模型図である。摺動部Sよりも下流側の段差部50bの長手幅は被記録材上のトナー画像部分を分離するために必要な最小幅を最大画像幅とし領域Aとして示した。領域Aよりも外側で段差がない部分(摺動面とほぼ同じ高さの部分)を領域B(切欠き部)とした。領域Aと領域Bの段差の接続は定着フィルムの耐久性を考慮して、急な段差ではなく、斜度を持たせて接続することが可能である。また、エッジになる部分はR形状とすることができる。領域Bでは、定着フィルム10内周面のグリースは削ぎ落とされずに付着しているため、グリースは定着フィルム10の回転移動と共に摺動部S(図9)上流側へ循環される。循環されたグリースは再び摺動部Sへ入り込むことができる。また、領域Aから吐き出されてきたグリースも領域Bで循環するため、定着フィルム端部から吐き出されることなく定着フィルム内に留まり、グリースとして機能させることが可能となる。よって、定着フィルム10の摺動抵抗低減も図ることが可能となる。
【0093】
また、本実施形態例においては、領域Bは摺動部Sよりも下流側の段差部50b(図9)に設けているが、上流側の段差部50a(図9)にも設けて良い。この場合は、定着フィルム10内周面に付着しているグリースは上流側の段差で削ぎ落とされる量が減少するため、より効率よく摺動部Sへグリースを送り込むことができる。なお、領域Bは領域Aよりもグリースの掻き取り機能が小さい構造であれば良いので、必ずしも摺動面と同じ高さである必要はなく、領域Aよりも突出量の小さい段差であっても良い。
【0094】
さらに、図12に示すように、摺動部Sよりも上流側には段差部を設けずに、紙分離性に影響のある下流側にだけ段差部50bを設けることも可能である。この場合、摺動部Sよりも上流側において、定着フィルム10内面に付着したグリースが段差部によって削ぎ落とされることがないため、さらに定着フィルム10の摺動抵抗を低減させることができる。
【0095】
さらに、定着フィルムの内面の粗さを増すことで定着フィルム内面のグリースの保持力が増すため、摺動抵抗の低減効果を増加させることができる。定着フィルム内面の粗さとしては、0.07≦Ra≦0.5[μm]が好ましい。また、定着フィルムの内面のフィルム移動方向に沿う凹凸(溝)を設けるとグリースはフィルム移動方向に対して直交する方向、すなわちフィルムの長手方向への移動が減少し、より定着フィルム端部からの吐き出しに対してより効果的に作用する。
【0096】
尚、本例では少なくとも画像が通過する領域は全て摺動面よりほぼ一定の高さ突出した段差部としてあり、グリースの殆どはこの段差部の両端に設けた非段差部を通り抜ける構成になっている。しかしながら、段差部の両端に設けた非段差部だけでなく画像通過域の段差部にスリットを設けてこのスリットの部分でもグリースが容易に通過するように構成しても構わない。ただし、段差部に後加工でスリットを形成する場合は後加工のコストを必要とする。また、成型時にスリットを設ける場合には段差管理の精度が要求されコストが高くなることがある。しかしながらコスト面の課題をクリアできるのであれば上述のようにスリットを形成しても構わない。
【0097】
<第2の実施形態例>
図13は本実施形態例の構成説明図である。本例では、第1の実施形態例において、段差部50bの領域Bはニップ内の長手方向の圧分布において、圧力のピーク部分を含む位置に配設してある。具体的にはニップ形状は中央部が6mmに対して端部に向かって徐々に広くなる形状で端部で7mmとなる。そして、ニップ幅に応じて加圧ローラ端部でもっとも圧力が高くなるようになっている。定着フィルム内面と摺動部材の相性によっては定着フィルムが短い周期で動いたり止まったりするスティックスリップが発生する場合がある。この現象は、静摩擦力と動摩擦力の差が大きくなりすぎることによって発生しやすくなる。また、加圧力の高い部分で発生しやすくなる。本例のようにニップ端部の圧力の高い部分でグリースの循環を良くすることで定着フィルムと摺動部材との間に常にグリースが介在する状態を作り出すことが可能となる。さらに、グリースは圧力の高い方から低い方へ流れやすいので、端部から中央に向かってグリースを送り込む作用がある。よって、静摩擦力の上昇を抑制することができ、スティックスリップの発生を抑制することができる。
【0098】
さらに、図14に示すように加圧ローラ30の形状を逆クラウン形状とするとグリースを端部から中央に向かって送り込む効果をさらに増すことが可能となると同時に、被記録材Pを両端に引っ張る作用があるため紙しわにも有利となる。
【0099】
さらに、図15に示すように加圧ローラ30の領域Bにかかる部分に1段外径の大きい部分30dを設けることで領域Aから外側に押し出されるグリースをせき止めることが可能となる。こちらは、1段外径の大きい部分30dをその他の部分よりも表面の摩擦抵抗を高くすることで定着フィルム10の搬送力を増し、スリップ防止の効果を増大させることが可能となる。具体的には加圧ローラ30の離型層30cを上記の1段外径の大きい部分30dには設けないことで離型層30cよりも摩擦抵抗の大きい弾性層30bを直接定着フィルム10と接触させることが可能である。
【0100】
<第3の実施形態例>
本例では第1または第2の実施形態例において、各構成部品の長手の関係(図13ないし図15)を説明する。定着フィルム10の長さをLf、フィルムガイド部材の長さをLs、加圧ローラ30の長さをLr、ニップ下流の段差部50bの領域Aの長さをLdとするとき、
Lf,Ls>Lr>Ld
すなわち、
Lf>Lr>Ld、且つLs>Lr>Ld
を満足すると、グリースの循環が良好で、定着フィルム端部からグリースの吐き出しが発生せず良好な結果が得られた。
【0101】
Lr>Ldの関係については前述のとおりである。
【0102】
Ls>Lrは加圧ローラ端部までのニップ部でグリースを循環させ、その外側の加圧ニップ外側にもグリースを循環させる部分を設けることで加圧ローラ端部より外側に吐き出されたグリースも循環することが可能となり、フィルム端部からのグリースの吐き出しの抑制に効果があった。
【0103】
LfとLsの関係においては本発明ではどちらが長くても同等の効果を得ることができるが、より好ましくはLf>Lsがよい。これは、定着フィルムが摺動部材よりも長いことで、仮に摺動部材の端部から外側にグリースが押し出されてもその外側では定着フィルムと摺動部材が接触しないためにグリースがフィルム端部から吐き出されることがないためである。
【0104】
なお、被記録材Pの幅をLp、最大トナー画像幅をLtとした場合に、
Lp>Ld≧Lt
とすることで、被記録材Pの非画像域に当たる部分の定着フィルムの形状と最大トナー画像幅Ltの部分で、定着フィルムから被記録材Pを分離する曲率が異なるために、非画像域の分離が容易に行われ、被記録材Pの分離性能を向上させることが可能となる。
【0105】
<第4の実施形態例>
本実施形態例は、上記の第1の実施形態例において、摺動部材40を用いずに、フィルムガイド部材16を構成している。
【0106】
図16は、本実施形態例における定着ニップ部Nにおける定着フィルム10摺動部近傍の断面模型図である。フィルムガイド部材16の下面が、摺動部Sにて、直接定着フィルム10の内面と摺動する構成となっている。
【0107】
本実施形態例におけるフィルムガイド部材16の材質としては、耐熱性に優れるものが好ましい。例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、LCP樹脂等といった耐熱性樹脂を選択するとよい。さらに好ましくは、滑り性に優れるものが良く、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂といったフッ素樹脂や、フッ素樹脂等滑り性の良い材料を混入させた耐熱性樹脂で構成すると良い。
【0108】
本実施形態例においては、摺動部材40を用いないため、低コスト化を図ることが可能である。
【0109】
また、フィルムガイド部材16自体の形状で段差部50bを形成できるので、摺動部材40とフィルムガイド部材16との組み合わせによって段差部50bを形成する第1の実施形態例の構成に比べ、段差部50bの突出量hの製造バラツキなどを大幅に抑えることができる。
【0110】
当然ながら、下流側の段差部50bの構成は定着フィルム端部からのグリースの吐き出し防止と、定着フィルム10の摺動抵抗低減のために、第1の実施形態例と同様の構成となっている。
【0111】
その他の装置構成等は、第1の実施形態例の定着装置100と同様であるので、再度の説明は省略する。
【0112】
<第5の実施形態例>
本実施形態例においては、図17に示すように定着フィルム端部からのグリースの吐き出しをより効果的に防止するために、摺動部の長手端部にグリースをせき止めるための段差(第2の段差部)50cを設けている。この段差により確実に定着フィルム端部からのグリースの吐き出しを防止することが可能となる。なお、この段差50cはエッジによる定着フィルム10の内周面への機械的ダメージを低減するために、50a、50bと同様にエッジ部をR形状にすることが可能である。また、段差の高さは摺動部材40の摺動面を基準に0.1mm以上1.0mm以下であれば良い。また、ニップ下流側の段差50bよりも高ければ定着フィルム端部からのグリースの吐き出し防止により効果がある。
【0113】
<第6の実施形態例>
図18は本実施形態例の構成説明図である。本例の定着装置は、定着フィルム10′として電磁誘導発熱性部材を具備させていない耐熱性フィルムを用い、フィルムガイド部材16の下面の定着ニップ部Nに対応する面部分にはセラミックヒータや電磁誘導発熱部材等の加熱体41を配設してある。定着ニップ部Nの定着フィルム10′と加圧ローラ30との間に未定着トナー画像を形成担持させた被記録材を導入して定着フィルム10′と一緒に挟持搬送させることで、定着ニップ部Nにおいて加熱体41の熱を定着フィルム10′を介して被記録材に与え、さらに定着ニップ部Nの加圧力にて未定着トナー画像を被記録材面に定着させるものである。
【0114】
その他の装置構成等は、第1〜第5の実施形態例の定着装置100と同様であるので、再度の説明は省略する。
【0115】
<その他の実施形態例>
1)電磁誘導発熱性の定着フィルム10は、モノクロあるいは1パスマルチカラー画像などの加熱定着用の場合は、弾性層2を省略した形態のものとすることもできる。発熱層1は樹脂に金属フィラーを混入して構成したものとすることもできる。発熱層単層の部材とすることもできる。
【0116】
2)定着フィルム10はエンドレスの回転部材ではなく、例えば、ロール巻きにした長尺の有端のウエブ部材にし、これを繰り出して走行移動させる形態の装置構成にすることもできる。
【0117】
3)加圧部材30はローラ体に限らず、回動ベルト型など他の形態の部材にすることもできる。また、加圧部材30側からも被記録材に熱エネルギーを供給するために、加圧部材30側にも電磁誘導加熱などの発熱手段を設けて所定の温度に加熱温調する装置構成にすることもできる。
【0118】
4)本発明の加熱装置は、実施形態例の画像加熱定着装置としてに限らず、画像を担持した被記録材を加熱して、つや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着する像加熱装置、その他、被加熱部材の加熱乾燥装置、加熱ラミネート装置、加熱加圧しわ取り装置など、広く被加熱材を加熱処理する手段・装置として利用できる。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、フィルム状の加熱部材と、加熱部材を支持する支持部材と、加熱部材を挟んで前記支持部材に当接する加圧部材とを有し、加熱部材は支持部材に対して摺動して移動し、加熱部材と加圧部材との当接によって形成されるニップ部において被加熱材を挟持搬送して加圧および加熱する加熱装置において、被加熱材の加熱部材からの分離性向上を図りつつ、フィルム端部からのグリースの吐き出しを防止し、フィルムの摺動抵抗を低減することで駆動トルクを低減し、駆動トルクの低減し、スリップおよびスティックスリップの防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態例の定着装置の要部の横断面側面模型図
【図2】 同じく要部の正面模型図
【図3】 同じく要部の縦断正面模型図
【図4】 内部に磁場発生手段を配設支持させた右側のフィルムガイド部材半体の斜視模型図
【図5】 磁場発生手段と発熱量Qの関係を示した図
【図6】 電磁誘導発熱性の定着フィルムの層構成模型図(その1)
【図7】 電磁誘導発熱性の定着フィルムの層構成模型図(その2)
【図8】 発熱層深さと電磁波強度の関係を示したグラフ
【図9】 定着フィルム摺動部近傍の横断面側面模型図
【図10】 段差部の形状説明図(その1)
【図11】 定着フィルム移動方向下流側からみた段差部の縦断正面模型図
【図12】 段差部の形状説明図(その2)
【図13】 長手寸法の関係および加圧ローラ形状の説明図(その1)
【図14】 長手寸法の関係および加圧ローラ形状の説明図(その2)
【図15】 長手寸法の関係および加圧ローラ形状の説明図(その3)
【図16】 第4の実施形態例の定着装置の段差部の形状説明図
【図17】 第5の実施形態例の定着装置の段差部の形状説明図
【図18】 第6の実施形態例の定着装置の段差部の形状説明図
【図19】 第1の実施形態例の画像形成装置の概略構成模型図
【符号の説明】
1 発熱層
2 弾性層
3 離型層
4 断熱層
10 定着フィルム(加熱部材,円筒状フィルム)
16 フィルムガイド部材(支持部材)
17,18,27 磁性コア,励磁コイル,励磁回路(磁場発生手段)
26 温度検知素子
30 加圧ローラ(加圧部材)
40 摺動部材
50 段差部
100 定着装置(加熱装置)
N 定着ニップ部(ニップ領域)
P 被記録材
S 摺動部

Claims (12)

  1. 円筒形状のフィルムと、前記フィルムの内周面と接触する摺動面を有し前記フィルムを支持する支持部材と、前記フィルムの外周面と接触し前記支持部材と共に前記フィルムを挟む加圧部材と、を有し、前記フィルムの内周面と前記支持部材の摺動面との間には潤滑剤が塗布されており、前記フィルム前記加圧部材の間で被加熱材を挟持搬送しつつ加熱する加熱装置において、
    前記支持部材の前記摺動面よりも被加熱材搬送方向下流側の部分は、前記支持部材長手方向に亘って前記摺動面よりも前記加圧部材側へ突出する段差部となっており、前記長手方向において前記支持部材の前記段差部よりも両端側の領域には前記段差部より突出量が小さいまたは前記摺動面と同じ高さの切欠き部が設けられており、前記長手方向における前記フィルムの長さをLf、前記支持部材の長さをLs、前記加圧部材の長さをLr、前記段差部の長さをLdとすると、
    Lf>Lr>Ld、且つLs>Lr>Ld
    の関係を満たしていることを特徴とする加熱装置。
  2. 前記装置は被加熱材に形成された未定着画像を定着する定着装置として用いられるものであり、前記段差部の前記支持部材長手方向の配置領域は前記定着装置の画像通過領域以上であることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記フィルムの摺動面の粗さが0.07≦Ra≦0.5であることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  4. 前記フィルムの摺動面には前記フィルム移動方向に沿った凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  5. 前記切欠き部は、前記ニップの長手方向における圧力分布のピーク部を含む領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  6. 記段差部の高さは前記摺動面を基準に0.1mm以上1.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  7. 前記支持部材は、さらに、前記摺動面よりも被加熱材搬送方向上流側の部分にも前記支持部材長手方向に亘って前記摺動面よりも前記加圧部材側へ突出する段差部を有し、前記被加熱材搬送方向上流側の段差部は、前記長手方向において前記支持部材の前記被加熱材搬送方向上流側の段差部よりも両端側の領域には前記被加熱材搬送方向上流側の段差部より突出量が小さいまたは前記摺動面と同じ高さの切欠き部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  8. 前記支持部材は前記切欠き部よりも外側に前記摺動面よりも前記加圧部材側に突出している第2の段差部を有することを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  9. 前記第2の段差部の高さは、前記摺動面を基準に0.1mm以上1.0mm以下であることを特徴とする請求項8に記載の加熱装置。
  10. 前記装置は更に磁場発生手段を有し、且つ前記フィルムは導電層を有し、磁場発生手段によって発生する磁場の作用により前記導電層に渦電流が発生し、この渦電流の作用で発熱する前記フィルムからの熱により被加熱材が加熱されることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  11. 前記装置は更に通電により発熱するヒータを有し、被加熱材は前記フィルムを介したヒータからの熱により加熱されることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  12. 前記装置は被加熱材に形成された未定着画像を定着する定着装置であることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
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