JP3251816B2 - 定着フィルム及び像加熱装置 - Google Patents

定着フィルム及び像加熱装置

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JP3251816B2
JP3251816B2 JP19839595A JP19839595A JP3251816B2 JP 3251816 B2 JP3251816 B2 JP 3251816B2 JP 19839595 A JP19839595 A JP 19839595A JP 19839595 A JP19839595 A JP 19839595A JP 3251816 B2 JP3251816 B2 JP 3251816B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁誘導を利用し
て渦電流を発生させ加熱する像加熱装置に関し、特に電
子写真装置、静電記録装置などの画像形成装置に用いら
れ未定着トナーを定着させる定着装置に好適な定着フィ
ルム及び像加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】加熱定着装置に代表される像加熱装置と
しては、従来から熱ローラ方式、フィルム加熱方式等の
接触加熱方式が広く用いられている。その中でも、最大
4層のトナー層を有するカラーの定着装置では、ハロゲ
ンヒータを発熱させ、定着ローラ芯金、ゴム弾性層を介
してトナー像の加熱を行っている。
【0003】特公平5−9027号公報には、磁束によ
り定着ローラに渦電流を発生させジュール熱によって発
熱させる方法が開示されている。このような渦電流の発
生を利用して発熱させることによって、発熱位置をトナ
ーに近くすることができ、ハロゲンランプを用いる熱ロ
ーラよりも消費エネルギの効率をアップさせることはで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
公平5−9027号公報記載の方法では定着ローラとい
う熱容量の大きいものを加熱するので、効率の最良のも
のでもクイックスタートを達成することはできなかっ
た。またその場合、励磁コイル、励磁鉄芯が昇温して磁
束の量が減少してしまい発熱が不安定になる。更にロー
ラ内部への放熱により熱効率も不十分であった。
【0005】それらを解決するために、最近金属フィル
ムに渦電流を発生させ、ジュール熱を発生させる方法が
提案されている。しかしながら上記金属フィルムを用い
る方法では発熱量に限界があり、この発熱量向上のため
金属フィルムを厚くすると、今度は金属フィルムそれ自
体の剛性が非常に大きくなり、それにより定着フィルム
基材として用いた場合には、記録材の曲率分離ができな
いこと等の問題が発生する。また他のハロゲンヒータを
用いる方法は、一旦光にエネルギを変換しているので効
率が悪い。
【0006】特にカラーの画像記録装置では、トナー層
が最大4層まで積層されることがあり、記録材とトナー
層の界面まで十分に加熱しないと定着不良が発生する。
また、カラー画像を印刷する場合、特に写真現像などで
は被記録材上で大きな面積に亘ってベタ画像が形成され
る。この場合、被記録材の凹凸あるいはトナー層の凹凸
に加熱面(定着フィルム表層)追従できないと加熱ムラ
が発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分で画像に光沢
ムラが発生する。すなわち伝熱量が多い部分は光沢度が
高くなり、また伝熱量が少ない部分は光沢度が低くな
る。またモノクロ画像形成装置においても高速化を図る
上で十分な熱量を得ることができなかった。
【0007】本発明は上記のような問題点を解消し、高
度にクイックスタートが可能な省エネルギを達成するこ
とのできる、また記録材の曲率分離を可能としカラー画
像においても光沢ムラの発生しない、定着フィルム内面
及びフィルムステイの摩耗しない像加熱装置、並びに該
装置に具備される定着フィルムの提供をその目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下に示す
本発明によって達成される。すなわち、本発明は、定着
フィルムと加圧部材とを圧接し、該定着フィルムの発熱
層に磁場を入れることにより渦電流を発生させるための
交番磁場を発生させるコイルを少なくとも1個配設し、
前記定着フィルムと加圧部材間に未定着トナー像を載せ
た被記録材を挟持搬送させることにより定着させる像加
熱装置の定着フィルムにおいて、該定着フィルムは、表
面に離型層を有し、発熱層として、磁束吸収の良い金属
ウエブを有し、更に(1)前記離型層成分が前記金属ウ
エブに含浸された構成、又は、(2)前記金属ウエブと
離型層の間に弾性層が形成され、且つ該弾性層が前記金
属ウエブに含浸された構成、の何れかの構成を有するこ
とを特徴とする定着フィルムを開示するものである。
【0009】また本発明は、該定着フィルムと加圧部材
を圧接し、該定着フィルムの金属ウエブ発熱層に磁場を
入れることにより渦電流を発生させるための交番磁場を
発生させるコイルを少なくとも1個配設し、前記定着フ
ィルムと加圧部材間に未定着トナー像を載せた被記録材
を挟持搬送させることにより定着させる像加熱装置にお
いて、前記定着フィルムが前記本発明記載の定着フィル
ムであることを特徴とする像加熱装置をも開示するもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明によれば定着フィルムと加
圧部材を圧接し、該定着フィルムの金属ウエブ発熱層に
磁場を入れることにより渦電流を発生させるための交番
磁場を発生させるコイルを少なくとも1個配設し、前記
定着フィルムと加圧部材間に未定着トナー像を載せた被
記録材を挟持搬送させることにより定着させる加熱装置
において、前記定着フィルムの発熱層を、SUS、鉄、
ニッケル、コバルト等の磁束吸収の良い金属からなるウ
エブにより構成せしめることにより、金属フィルムを用
いた場合に比べ剛性が低く、且つ発熱量の十分な定着フ
ィルムを具備する像加熱装置を得ることができる。また
定着フィルムの剛性を低下させることにより、記録材の
曲率分離が容易となる。
【0011】また上記金属ウエブは2層以上に積層する
ことが可能である。SUSステンレス、鉄、ニッケル、
コバルト等で形成された金属ウエブを2層以上に積層す
ることにより電磁エネルギの吸収が良くなり発熱量が増
加する傾向がある。金属フィルムを用いた場合、フィル
ムの厚さは下記の一般式 σ=503×(ρ/fμ)1/2 (但し、σは表皮深さ[m]を、fは励磁回路の周波数
[Hz]を、ρは固有抵抗[Ωm]を、またμは透磁率
を表わす。)にて表される表皮深さσより厚い方が、電
磁エネルギをより吸収し発熱量が増加する。
【0012】しかしながら金属フィルムの厚みが100
μmを越えた場合、それ自体の剛性が極めて高くなり、
屈曲性が悪くなり記録材の曲率分離が困難となり、また
回転体として用いるためには現実的でなくなってしま
う。一方金属ウエブを用いた場合、金属ウエブそれ自体
の剛性が極めて低いため、積層してもフィルムの屈曲性
が実用レベル以下に落ちることはない。そのため、2層
以上に積層した金属ウエブを発熱層として用いることに
より、発熱量を増加させ、且つ記録材の曲率分離を可能
とした定着フィルムを与えることができる。
【0013】また上記金属ウエブの目の粗さは50〜6
00メッシュの範囲内が望ましい。50メッシュ未満の
金属ウエブは、それ自体の剛性が高く回転体として使用
するには不適であると同時に、ウエブを構成する金属細
線相互の距離が大きくなり、励磁コイルにより発生した
磁束が金属細線相互の間を通過してしまい吸収し切れず
発熱量が低下する。また600メッシュを越えると、金
属ウエブの厚みが20μm以下になって、金属フィルム
で言うところの表皮深さ(但し実際の金属ウエブの表皮
深さは不明)以下になってしまい発熱量が低下する。更
に600メッシュを越えるウエブを積層することにより
発熱量を増加させようとすると、定着に必要な熱量を発
生させるためには相当数の積層が必要となり、コスト的
にも非常に不利になってしまう。
【0014】また上記金属ウエブを定着フィルムの発熱
層として用いる場合、ウエブ上にフッ素樹脂(PTF
E、PFA、FEP等)、フッ素ゴム、フルオロシリコ
ーンゴム、シリコーン樹脂、シリコーンゴム等のトナー
離型層を設けることが必要である。これらの離型層によ
り、記録材上のトナーが定着フィルムに転写するいわゆ
るトナーオフセット現象を防止することができる。また
この際、上記離型層成分を、上記金属ウエブに含浸させ
た構成となすことが好ましい。このように構成せしめる
ことにより、金属ウエブが離型層を構成する成分(樹
脂、ゴム)によって拘束された状態を作ることができ、
定着フィルムとしての強度が向上し、必要以上に伸びて
しまったりすることがなくなる。また金属ウエブを積層
した場合に、多層の金属ウエブを一体化するのにも有効
である。
【0015】また上記金属ウエブと離型層との間にシリ
コーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性に優れた弾性層を設
ける構成となすこともできる。カラー画像を印刷する場
合、特に写真画像などでは、記録材上に大きな面積に亘
ってベタ画像が形成される。この場合、被記録材の凹凸
あるいはトナー層の凹凸に加熱面が追従できないと加熱
ムラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分で画像に
光沢ムラ(伝熱量の多い部分は光沢度が高くまた少ない
部分は低い)が発生する。このような画像光沢ムラを防
止するためには定着フィルム層中に弾性層を設けること
が有効である。この弾性層の弾性効果により記録材及び
トナーの凹凸に加熱面が追従することができるようにな
り光沢ムラが防止される。そこでカラー画像を印刷する
場合、上記金属ウエブと上記離型層の間に弾性層を設け
ることが好ましい。その際、弾性層成分を上記金属ウエ
ブに含浸させた構成とせしめることが好ましい。このよ
うな構成となすことにより、金属ウエブが弾性層を構成
する成分によって拘束された状態を作ることができ、定
着フィルムとしての強度が向上し、更にカラー画像にお
いても光沢ムラの発生しない定着フィルムを与えること
ができる。
【0016】また上記離型層の厚みは1〜100μmの
範囲内とすることが望ましい。離型層の厚みが1μm未
満であると、使用中に摩耗しトナー離型効果が極端に低
下してトナーオフセットが発生する。また100μmを
越えると、離型層を構成する樹脂及びゴムの断熱効果に
より、金属ウエブにより発生した熱量を効率よく記録材
とトナーの界面にまで伝達することが困難となる。
【0017】また上記弾性層の厚みは50〜1000μ
mの範囲内にあることが望ましい。弾性層の厚みが50
μm未満であると定着フィルム加熱面が記録材及びトナ
ーの凹凸に追従できなくなり、カラー画像において光沢
ムラが発生する。また1000μmを越えると弾性層構
成成分の断熱効果により、金属ウエブにより発生した熱
量を効率よく記録材とトナーの界面まで伝達することが
困難となる。
【0018】また上記弾性層の硬度は60°(JIS−
A)以下であることが望ましい。弾性層を設けることに
より定着フィルム加熱面が記録材及びトナーの凹凸に追
従できるようになり、カラー画像において光沢ムラを防
止することができるようになるが、その際弾性層の硬度
は60°(JIS−A)以下でないとその効果はなくな
ってしまう。また弾性層の硬度が60°(JIS−A)
を越えるとフィルム自体の剛性が高くなってしまい記録
材の曲率分離が困難となる。特に、カラー画像を印刷す
る場合には、より好ましくは弾性層の硬度は30°(J
IS−A)以下がよい。
【0019】また上記弾性層の熱伝導率λは、6×10
-4〜1.5×10-3cal/cm・sec・degの範
囲内にあることが望ましい。6×10-4cal/cm・
sec・deg未満であると、金属ウエブにより発生し
た熱量を効率よく記録材とトナーの界面に伝達すること
が困難となり、また1.5×10-3cal/cm・se
c・degを越えると、弾性層の硬度が極めて高くなり
カラー画像において画像光沢ムラが発生してしまう。
【0020】また上記構成の定着フィルム内面には、滑
り性の良い樹脂層を設けてもよい。金属ウエブ内面に樹
脂層を設けない場合、定着フィルムを内面から支持して
いるフィルムガイドと定着フィルム内面との摩擦により
定着フィルム及び内面フィルムガイドが摩耗することが
ある。このことにより記録材搬送に不具合が生じ、画像
不良が発生することがある。特に高速画像形成装置では
この現象が顕著である。この場合、上記各構成の定着フ
ィルム内面にフッ素樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン
樹脂等の滑り性の良い樹脂層を設けることが効果的であ
る。このことにより定着フィルム及び内面フィルムガイ
ドの摩耗を抑えることができる。
【0021】
【実施例】以下、図面に基き実施例により本発明を具体
的に説明するが、これらによって本発明が何ら限定され
るものではない。
【0022】[実施例1]図7は本発明を用いた電子写
真カラープリンターの断面図である。101は有機感光
体やアモルファスシリコン感光体からなる感光体ドラ
ム、102はこの感光体ドラム101に一様な帯電を行
うための帯電ローラ、110は不図示の画像信号発生装
置からの信号をレーザ光のオン/オフに変換し、感光体
ドラム101に静電潜像を形成するレーザ光学箱であ
る。103はレーザ光、109はミラーである。感光体
ドラム101の静電潜像は現像機104によってトナー
を選択的に付着させることいより顕像化される。現像機
104は、イエローY、マゼンタM、シアンCのカラー
現像器と黒用の現像器Bkから構成され、一色づつ感光
体ドラム101上の潜像を現像しこのトナー像を中間転
写体ドラム105上に順次積層してカラー画像を得る。
中間転写体ドラム105は金属ドラム上に中抵抗の弾性
層と高抵抗の表層を有するもので、金属ドラムにバイア
ス電位を与えて感光体ドラム101との電位差でトナー
像の転写を行うものである。一方、給紙カセットから給
紙ローラによって送り出された被記録材Pは、感光体ド
ラム101の静電潜像と同期するように転写ローラ10
6と中間転写体ドラム105との間に送り込まれる。転
写ローラ106は被記録材Pの背面からトナーと逆極性
の電荷を供給することにより、中間転写体ドラム105
上のトナー像を被記録材上に転写する。こうして、未定
着トナー像を載せた被記録材は加熱定着装置100にて
熱と圧を加えられ、被記録材上に永久固着されて、排紙
トレー(不図示)へと排出される。感光体ドラム101
上に残ったトナーや紙粉はクリーナ108によって除去
され、感光体ドラムは帯電以降の工程を繰り返す。
【0023】以下本実施例における像加熱装置を説明す
る。 (1)像加熱装置の全体構成(図1参照) 図1は本発明における定着器の断面図である。定着フィ
ルム10は矢印方向に回転し、フィルムガイド16によ
ってニップ部(不図示)への加圧とフィルム安定性が図
られている。更にフィルムガイド16は、高透磁率のコ
ア17とコイル18を支持する働きを持つ。高透磁率コ
ア17はフェライトやパーマロイ等といったトランスの
コアに用いられる材料が良く、より好ましくは100k
Hz以上でも損失の少ないフェライトを用いるのが良
い。
【0024】コイル18には励磁回路(不図示)が接続
されており、この回路は20〜500kHzの高周波を
スイッチング電源で発生できるようになっている。加圧
ローラ30と定着フィルム10で形成されたニップNに
未定着トナーTを載せた被記録材Pを通すことにより加
熱定着を行う。このニップN内での加熱原理は図1に示
す通り、励磁回路(不図示)によってコイルに印加され
る電流で発生する磁束は、高透磁率コア17に導かれて
ニップN内で定着フィルム10の発熱層1に磁束23と
渦電流24を発生させる。この渦電流24と発熱層1の
固有抵抗によって熱が発生する。
【0025】発生した熱は、離型層3を介してニップN
に搬送される被記録材Pと被記録材P上のトナーTを加
熱する。ニップN内ではトナーTを溶融させニップ通過
後、冷却して永久固着像とする。図2は被記録材Pの曲
率分離を可能とする定着器の断面図である。定着フィル
ム10の剛性を低くし、定着フィルム10を図2に示す
ような形状で加圧ローラ30に当接することにより、被
記録材Pの曲率分離が可能となる。
【0026】(2)加圧ローラ 30は加圧ローラで芯金外周にシリコーンゴム、フッ素
ゴムといった耐熱性に優れた弾性層を被覆したものを用
いる。またそれらの弾性層上にフッ素樹脂、シリコーン
樹脂等の離型性に優れた樹脂をコーティングして用いて
もよい。本実施例においては芯金外周にシリコーンゴム
を被覆したものを用いた。
【0027】(3)定着フィルム構成 10は本発明による定着フィルムである。実施例1にお
ける定着フィルム(10a)の構成を図3に示す。30
1は定着フィルム基層であり発熱層であるステンレスウ
エブである。ステンレスウエブの目の粗さは100メッ
シュであり、ウエブを構成しているステンレス細線の直
径は0.1mmである。またステンレスウエブ自体の厚
みは200μmである。302はフッ素樹脂(FEP)
で構成されるトナー離型層であり、その厚みは15μm
である。
【0028】ステンレスウエブ301とトナー離型層3
02はフッ素樹脂系のプライマーで接着されており、ま
たステンレスウエブはトナー離型層を構成するFEPを
含浸させた構成をなしている。上記の10a定着フィル
ムを図2に示す像加熱装置に装着して定着試験を行った
結果を表1に示す。
【0029】
【表1】 10a定着フィルムを用いた場合、基層として50μm
のステンレス(SUS304)フィルムを用いた定着フ
ィルム(比較例1)と同程度の発熱量を得ることができ
る。その際10a定着フィルムは基層としてステンレス
ウエブを用いているので、フィルムの剛性が極めて小さ
くなり転写材の曲率分離が容易にできるようになるが、
ステンレスウエブを用いない比較例1の定着フィルムは
曲率分離がやや不良となる。以上のように、10a定着
フィルムを用いることにより、クイックスタート及び省
エネルギを達成し、記録材の曲率分離を容易にする像加
熱装置を提供することができる。
【0030】[実施例2]実施例2における定着フィル
ム(10a)は、実施例1と同様図3に示す10a定着
フィルムのような構成を有する。301は定着フィルム
基層であり発熱層であるニッケルウエブにて構成されて
いる。ニッケルウエブの目の粗さは100メッシュであ
り、ウエブを構成しているニッケルの細線の直径は0.
1mmである。またニッケルウエブ自体の厚みは210
μmである。302はフッ素樹脂(FEP)で構成され
るトナー離型層であり、その厚みは15μmである。
【0031】ニッケルウエブ301とトナー離型層30
2はフッ素樹脂プライマーで接着されており、またニッ
ケルウエブはトナー離型層を構成するFEPが含浸され
た構成となっている。本実施例2における10a定着フ
ィルムを図2に示す像加熱装置に装着して定着試験を行
った。その結果、実施例1において基層301としてス
テンレスウエブを用いた場合とほぼ同等の発熱量が得ら
れた。更にニッケルウエブを用いた場合にも、ニッケル
ウエブ自体の剛性が極めて低いため、ステンレスウエブ
を用いた場合と同様に記録材の曲率分離が極めて容易で
あった。
【0032】[実施例3]実施例3における定着フィル
ム(10b)の構成を図4に示す。401は定着フィル
ム基層であり発熱層であるステンレスウエブであり、上
記ステンレスウエブの2層が積層されている。ステンレ
スウエブの目の粗さは100メッシュであり、ウエブを
構成しているステンレスの細線の直径は0.1mmであ
る。またステンレスウエブ1層の厚みは200μmであ
り、ステンレスウエブ層トータルの積層厚みは400μ
mである。402はフッ素樹脂(FEP)で構成される
トナー離型層であり、その厚みは15μmである。
【0033】ステンレスウエブ401とトナー離型層4
02はフッ素樹脂系プライマーで接着されており、また
ステンレスウエブはトナー離型層を構成するFEPが含
浸された構成をなしている。このことによりステンレス
ウエブ第1層と第2層の一体化を行うことができる。上
記の10b定着フィルムを図2に示す像加熱装置に装着
して定着試験を行った結果を表2に示す。
【0034】
【表2】 10bに示す定着フィルムを用いた場合、実施例1のス
テンレスウエブ1層の構成の定着フィルムより多くの発
熱量を得ることができた。また本実施例における定着フ
ィルム10bの発熱量は、基層として90μmのステン
レス304フィルムを用いた定着フィルムと同等のもの
であった。基層として90μmのステンレス(SUS3
04)フィルムを用いた場合、より多くの発熱量を得る
ことはできるが、定着フィルムの剛性は極めて高くな
り、記録材の曲率分離は困難となる。一方、本実施例に
おける定着フィルム10bを用いた場合、より多くの発
熱量を得られると同時に、ステンレスウエブ自体の剛性
が極めて低いためそれを2層に積層しても定着フィルム
の剛性が極端に高くなることはなく、その効果で記録材
の曲率分離が容易となる。以上のように、10bのよう
な定着フィルムを用いることにより、クイックスタート
及び省エネルギをより高度に達成し、記録材の曲率分離
を容易にする像加熱装置を提供することができる。
【0035】[実施例4〜9]金属ウエブの目の粗さ
と、発熱量及び記録材の曲率分離の関係、及び定着フィ
ルムのコストについての検討を行った。実施例4〜9で
用いた定着フィルム構成と、像加熱装置に装着した定着
試験を行った結果を表3に示す。
【0036】
【表3】 定着フィルム基層として、目の粗さ40メッシュのステ
ンレスウエブの単層を用いた場合(実施例4)、ステン
レスウエブ自体の剛性が高く、回転体として用いるには
不適であり、像加熱装置に装着した場合、記録材の曲率
分離が困難となる。またウエブを構成するステンレス細
線相互の距離が大きくなり、磁束がその間を通過してし
まうので発熱量も少なくなり、エネルギ効率も悪い。
【0037】一方、定着フィルム基層として600メッ
シュのステンレスウエブの5層を積層して用いた場合
(実施例9)、ステンレスウエブの厚みが単層では20
μmと極めて薄く、金属フィルムで言うところの表皮深
さ以下となってしまい、磁束を吸収し切れず発熱量が減
少する。このことを解決するために、600メッシュス
テンレスウエブの5層を積層して試験を行ったが十分な
発熱量は得られなかった。また多層の金属ウエブを積層
することにより定着フィルムのコストは上昇していくた
め、この面でも600メッシュ以上の細かい目の粗さを
持つ金属ウエブを定着フィルム基層として用いることは
最良とは言い難い。
【0038】定着フィルム基層として、目の粗さ50メ
ッシュのステンレスウエブを用いた場合(実施例5)、
目の粗さ100メッシュのステンレスウエブを用いた場
合(実施例1)、及び200メッシュのステンレスウエ
ブを用いた場合(実施例6)は何れも、フィルムの発熱
量、記録材の曲率分離、コスト共に満足する定着フィル
ムを与えることができる。
【0039】また目の粗さ100メッシュのステンレス
ウエブの2層を積層した場合(実施例3)、目の粗さ2
00メッシュのステンレスウエブの2層を積層した場合
(実施例7)、及び400メッシュのステンレスウエブ
の3層を積層した場合(実施例8)においては、ステン
レスウエブ単層の場合よりそれぞれ発熱量が増加し、よ
りエネルギ効率が向上すると共に、記録材の曲率分離、
コスト共に満足する定着フィルムを与えることができ
る。
【0040】以上のことから基層となる金属ウエブの目
の粗さは50〜600メッシュの範囲内であることが好
ましい。またこの範囲の金属ウエブを定着フィルム基層
として用いることにより、クイックスタート及び省エネ
ルギを達成し、また記録材の曲率分離を容易にする定着
フィルム及び像加熱装置を与えることができる。
【0041】[実施例10]実施例10における定着フ
ィルム(10c)の構成を図5に示す。501は定着フ
ィルム基層であり発熱層であるステンレスウエブであ
る。ステンレスウエブの目の粗さは100メッシュであ
る。ウエブを構成しているステンレス細線の直径は0.
1mmである。またステンレスウエブ自体の厚みは20
0μmである。502はシリコーンゴム(ゴム硬度30
°(JIS−A)、熱伝導率1×10-3cal/cm・
sec・deg)で構成される弾性層であり、その厚み
は100μmである。またステンレスウエブ501と弾
性層502はシリコーンゴムプライマーで接着されてお
り、またステンレスウエブには弾性層を構成するシリコ
ーンゴムが含浸され硬化された構成をなしている。50
3はフッ素樹脂(FEP)で構成されるトナー離型層で
あり、その厚みは15μmである。また弾性層502と
離型層503はプライマーにより接着されている。上記
の10c定着フィルムを、図2に示す像加熱装置に装着
して定着試験を行った。その結果を表4に示す。
【0042】
【表4】 実施例1に示したステンレスウエブと離型層(FEP)
のみの構成の定着フィルムを用いた場合、カラー画像
(特に写真現像のように全面がベタ画像の場合)を印刷
する際、離型層がトナー及び転写材の凹凸に追従できな
くなり、画像に光沢ムラが発生する。しかしながら実施
例10に示す10c定着フィルムのように層中に弾性層
を有する構成をなす定着フィルムを用いると、離型層が
トナー及び転写材の凹凸に追従することができるように
なり、カラー画像においても光沢ムラのない定着フィル
ムを与えることができる。
【0043】[実施例11〜13]定着フィルム離型層
の厚みと、クイックスタート(省エネルギ)、定着フィ
ルム耐久性及びカラー画像における光沢ムラについて検
討を行った。実施例11〜13にて用いた定着フィルム
は図5に示す10cのような構成を有し、それぞれの構
成と、像加熱装置に装着し定着試験を行った結果につい
て表5に示す。
【0044】
【表5】 定着フィルム基層である発熱層としてはステンレスウエ
ブ(目の粗さ100メッシュ、線径0.1mm、厚み2
00μm)、弾性層としてはシリコーンゴム(ゴム硬度
30°(JIS−A)、熱伝導率1×10-3cal/c
m・sec・deg、厚み100μm)をそれぞれ用い
た。上記弾性層上にトナー離型層であるフッ素樹脂(F
EP)を1μm構成した定着フィルム(実施例11)を
像加熱装置に装着し定着試験を行ったところ、発熱量は
十分となりクイックスタート及び省エネルギを達成する
ことができたが、A4記録紙約1000枚を通紙したと
ころで離型層の摩耗が進んでトナーオフセット現象が発
生した。
【0045】一方、上記弾性層上にトナー離型層である
フッ素樹脂(FEP)を100μm構成した定着フィル
ム(実施例13)を像加熱装置に装着し定着試験を行っ
たところ、フッ素樹脂の断熱効果によりステンレスウエ
ブで発生した熱を記録材とトナーに対して完全に伝える
ためには、極めて多くのエネルギを要することが判っ
た。また離型層であるフッ素樹脂の硬度が高く、更に1
00μmと非常に厚いため、記録材及びトナーの凹凸に
離型層が追従できなくなり、カラー画像において光沢ム
ラが発生した。
【0046】上記弾性層上にトナー離型層であるフッ素
樹脂(FEP)を厚さ15μmに形成した定着フィルム
(実施例9)、及び上記弾性層上にトナー離型層である
フッ素樹脂(FEP)を厚さ50μmに形成した定着フ
ィルム(実施例12)においては、ステンレスウエブで
発生した熱量を記録材とトナーに効率よく伝えクイック
スタート及び省エネルギを達成すると共に、カラー画像
においても光沢ムラのない、更に離型層の摩耗のない定
着フィルムを与えることができる。以上のことから定着
フィルム離型層の厚みとしては1〜100μmの範囲内
にあることの望ましいことが判る。
【0047】[実施例14〜16]定着フィルム弾性層
の厚みと、クイックスタート及びカラー光沢ムラについ
て検討を行った。実施例14〜16にて用いた定着フィ
ルムは図5に示す10cのような構成を有し、それぞれ
の構成と、像加熱装置に装着し定着試験を行った。その
結果について表6に示す。
【0048】
【表6】 定着フィルム基層である発熱層としてはステンレスウエ
ブ(目の粗さ100メッシュ、線径0.1mm、厚み2
00μm)、トナー離型層としてはフッ素樹脂(FEP
15μm)をそれぞれ用いた。上記ステンレスウエブ
とトナー離型層(FEP)の間に、弾性層としてのシリ
コーンゴム(ゴム硬度30°(JIS−A)、熱伝導率
1×10-3cal/cm・sec・deg、厚み100
μm)形成したローラにおいて、弾性層の厚みについて
検討した。
【0049】上記弾性層の厚みが50μm(実施例1
4)の場合、発熱量は十分でクイックスタート及び省エ
ネルギが達成されるものの、カラー画像を印刷する場合
離型層がトナーや記録材の凹凸に追従できるほどの弾性
効果は得られず、その結果画像光沢ムラが発生する。一
方上記弾性層の厚みが1000μm(実施例16)の場
合、弾性層による弾性効果は十分でカラー画像において
も光沢ムラは発生しないが、弾性層の断熱効果によりス
テンレスウエブで発生した熱を記録材とトナーに対して
完全に伝えるためには、極めて多くのエネルギを要する
ことが判った。その結果クイックスタート及び省エネル
ギの達成が困難になる。
【0050】上記弾性層の厚みが100μm(実施例
9)、及び上記弾性層の厚みが500μm(実施例1
5)においては、ステンレスウエブで発生した熱を記録
材とトナーに効率よく伝え、クイックスタート及び省エ
ネルギを達成すると共に、弾性層の弾性効果により離型
層がトナーと記録材の凹凸に追従することができ、カラ
ー画像においても光沢ムラのない定着フィルムを与える
ことができる。以上のことから、定着フィルム弾性層の
厚みとしては50〜1000μmの範囲内にあることが
望ましいことが判る。
【0051】[実施例17,18]定着フィルム弾性層
の硬度と、カラー画像における光沢ムラ及び定着フィル
ム剛性に高低による記録材の曲率分離のし易さについて
検討した。実施例17及び18にて用いた定着フィルム
は図5に示す10cのような構成を有し、それぞれの構
成と、像加熱装置に装着し定着試験を行った結果につい
て表7に示す。
【0052】
【表7】 定着フィルム基層である発熱層としてはステンレスウエ
ブ(目の粗さ100メッシュ、線径0.1mm、厚み2
00μm)、トナー離型層としてはフッ素樹脂(FE
P、15μm)をそれぞれ用いた。上記ステンレスウエ
ブとトナー離型層(FEP)の間に、弾性層としてゴム
硬度60°(JIS−A)のシリコーンゴムを100μ
m形成した定着フィルム(実施例17)を用いた場合、
弾性層の硬度が高いため、トナーと記録材の凹凸に離型
層が追従することが困難となりカラー画像において光沢
ムラが発生した。
【0053】一方、上記ステンレスウエブとトナー離型
層(FEP)の間に、弾性層としてゴム硬度30°(J
IS−A)のシリコーンゴムを100μm形成した定着
フィルム(実施例9)、また弾性層としてゴム硬度20
°(JIS−A)のシリコーンゴムを100μm形成し
た定着フィルム(実施例18)を用いた場合、ステンレ
スウエブで発生した熱を記録材とトナーに効率よく伝
え、クイックスタート及び省エネルギを達成すると共
に、弾性層の弾性効果により離型層がトナーと記録材の
凹凸に追従することができ、カラー画像においても光沢
ムラのない定着フィルムを与えることができる。以上の
ことから、定着フィルム弾性層のゴム硬度は60°(J
IS−A)以下であることが望ましく、更にはゴム硬度
30°(JIS−A)以下であることがより望ましいこ
とが判る。
【0054】[実施例19,20]定着フィルム弾性層
の熱伝導率とクイックスタート(省エネルギ)と、カラ
ー画像における光沢ムラについて検討した。実施例17
及び18にて用いた定着フィルムは図5に示す10cの
ような構成を有し、それぞれの構成と、像加熱装置に装
着し定着試験を行った結果について表8に示す。
【0055】
【表8】 定着フィルム基層である発熱層としてはステンレスウエ
ブ(目の粗さ100メッシュ、線径0.1mm、厚み2
00μm)、トナー離型層としてはフッ素樹脂(FE
P、15μm)をそれぞれ用いた。上記ステンレスウエ
ブとトナー離型層(FEP)の間に弾性層として熱伝導
率λが6×10-4cal/cm・sec・degのシリ
コーンゴムを形成した定着フィルム(実施例19)を用
いた場合、弾性層の熱伝導率が極めて低いためステンレ
スウエブで発生した熱を効率よく記録材とトナーに伝達
することができず、クイックスタート及び省エネルギを
達成することができない上、トナーを完全に溶融するこ
とができず定着不良が発生したりする。
【0056】一方、上記ステンレスウエブとトナー離型
層(FEP)の間に弾性層として熱伝導率λが1.5×
10-4cal/cm・sec・degのシリコーンゴム
を形成した定着フィルム(実施例20)を用いた場合、
弾性層の熱伝導率が極めて高いため、ステンレスウエブ
で発生した熱量を効率よく記録材とトナーに伝達するこ
とができ、クイックスタート及び省エネルギを達成する
ことができる。このようにゴムの熱伝導率を上げていく
と、一般的にゴム硬度は高くなる。今回用いたシリコー
ンゴムの場合、その際の硬度は58°(JIS−A)と
なり、弾性層の弾性効果により離型層がトナーと記録材
の凹凸に追従できるぎりぎりのところまでゴム硬度が上
がってしまう。以上のことから定着フィルムの熱伝導率
λは、6×10-4〜1.5×10-3cal/cm・se
c・degの範囲内にあることが望ましいが判る。
【0057】[実施例21]実施例21で用いた定着フ
ィルムの断面図を図6に示す。602は定着フィルム基
層であり発熱層であるステンレスウエブである。ステン
レスウエブの目の粗さは100メッシュであり、ウエブ
を構成しているステンレス細線の直径は0.1mmであ
る。またステンレスウエブ自体の厚みは200μmであ
る。603はシリコーンゴム(ゴム硬度30°(JIS
−A)、熱伝導率1×10-3cal/cm・sec・d
eg)で構成される弾性層であり、その厚みは100μ
mである。またステンレスウエブ602と弾性層603
はシリコーンゴムプライマーで接着されており、またス
テンレスウエブには弾性層を構成するシリコーンゴムが
含浸され硬化された構成をなしている。604はフッ素
樹脂(FEP)で構成されるトナー離型層であり、その
厚みは15μmである。また弾性層603と離型層60
4はプライマーにより接着されている。601は定着フ
ィルムの内面樹脂層で50μmのPFAフィルムで構成
されている。601はシリコーンゴムプライマーにより
ステンレスウエブに含浸したシリコーンゴムと接着して
おり、ステンレスウエブと一体化されている。
【0058】画像形成装置の高速化にともない、定着フ
ィルムの回転速度は速まり、定着フィルムを内面から支
持しているフィルムステイと、定着フィルム内面との摩
擦により、定着フィルム内面及びフィルムステイが摩耗
することがある。その結果記録材搬送に不具合が生じ、
画像不良が発生することがある。しかしながら実施例2
1のように、定着フィルム内面に滑り性の良い樹脂層を
設けることにより、定着フィルム内面及びフィルムステ
イの摩耗は減少し、高速画像形成装置においても耐久性
が向上する(表9参照)ことが判る。
【0059】
【表9】
【0060】
【発明の効果】上記のように、定着フィルムと加圧部材
を圧接し、該定着フィルムの発熱層に磁場を入れること
により渦電流を発生させるための交番磁場を発生させる
コイルを少なくとも1個配設し、前記定着フィルムと加
圧部材間に未定着トナー像を載せた被記録材を挟持搬送
させることにより定着させる像加熱装置の定着フィルム
において、該定着フィルムの発熱層を磁束吸収の良い金
属ウエブにより構成せしめることにより、クイックスタ
ート及び省エネルギが達成され、記録材の曲率分離を可
能とする像加熱装置が提供される。
【0061】更に、前記金属ウエブを2層以上に積層し
た層を発熱層とする定着フィルムを用いることにより、
更に高度にクイックスタート及び省エネルギを達成する
像加熱装置を提供することができる。また層中の金属ウ
エブ上に弾性層を有する定着フィルムを用いることによ
り、カラー画像においても光沢ムラの発生しない像加熱
装置を提供することができる。更にまた金属ウエブ内面
に滑り性の良い樹脂層を設けた定着フィルムを用いるこ
とにより、定着フィルム内面及びフィルムステイの摩耗
のない像加熱装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱定着装置の概要を示す模式断面
図。
【図2】曲率分離を可能とする加熱定着装置の概要を示
す模式断面図。
【図3】実施例1,2及び4〜9の定着フィルムの断面
構造を示す模式断面図。
【図4】実施例3の定着フィルムの断面構造を示す模式
断面図。
【図5】実施例10〜20の定着フィルムの断面構造を
示す模式断面図。
【図6】実施例21の定着フィルムの断面構造を示す模
式断面図。
【図7】実施例1に用いた画像形成装置の断面構造を示
す模式断面図。
【符号の説明】
1 発熱層 3,302,402,503,604 トナー離型層 10 定着フィルム 16 フィルムガイド 17 高透磁率コア 18 励磁コイル 23 磁束 24 渦電流 30 加圧ローラ 100 加熱定着装置 101 感光体ドラム 102 帯電ローラ 103 レーザ光 104 現像機 105 中間転写体ドラム 106 転写ローラ 108 クリーナ 109 ミラー 110 レーザ光学箱 301,401,501,602 金属ウエブ 502,603 弾性層 601 内面樹脂層 N ニップ P 被記録材 T トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川元 英雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 熊谷 裕昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−114276(JP,A) 実開 平1−73864(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定着フィルムと加圧部材とを圧接し、該
    定着フィルムの発熱層に磁場を入れることにより渦電流
    を発生させるための交番磁場を発生させるコイルを少な
    くとも1個配設し、前記定着フィルムと加圧部材間に未
    定着トナー像を載せた被記録材を挟持搬送させることに
    より定着させる像加熱装置の定着フィルムにおいて、該
    定着フィルムは、表面に離型層を有し、発熱層として、
    磁束吸収の良い金属ウエブを有し、更に(1)前記離型
    層成分が前記金属ウエブに含浸された構成、又は、
    (2)前記金属ウエブと離型層の間に弾性層が形成さ
    れ、且つ該弾性層が前記金属ウエブに含浸された構成、
    の何れかの構成を有することを特徴とする定着フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 前記金属ウエブが、2層以上に積層され
    て成ることを特徴とする、請求項1記載の定着フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 前記金属ウエブの目の粗さが、50乃至
    600メッシュの範囲であることを特徴とする、請求項
    1又は2記載の定着フィルム。
  4. 【請求項4】 前記離型層の厚みが、1乃至100μm
    の範囲であることを特徴とする、請求項記載の定着フ
    ィルム。
  5. 【請求項5】 前記弾性層の厚みが、50乃至1000
    μmの範囲であることを特徴とする、請求項記載の定
    着フィルム。
  6. 【請求項6】 前記弾性層の硬度が、60°(JIS−
    A)以下であることを特徴とする、請求項記載の定着
    フィルム。
  7. 【請求項7】 前記弾性層の熱伝導率λが、6×10-4
    乃至1.5×10-3cal/cm・sec・degの範
    囲であることを特徴とする、請求項記載の定着フィル
    ム。
  8. 【請求項8】 前記定着フィルムの内面に、滑り性の良
    い樹脂層が設けられて成ることを特徴とする、請求項
    に記載の定着フィルム。
  9. 【請求項9】 定着フィルムと加圧部材を圧接し、該定
    着フィルムの金属ウエブ発熱層に磁場を入れることによ
    り渦電流を発生させるための交番磁場を発生させるコイ
    ルを少なくとも1個配設し、前記定着フィルムと加圧部
    材間に未定着トナー像を載せた被記録材を挟持搬送させ
    ることにより定着させる像加熱装置において、前記定着
    フィルムが、請求項1乃至の何れかに記載のものであ
    ることを特徴とする、像加熱装置。
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