JP3495831B2 - トナー定着フィルム及び加熱定着装置 - Google Patents

トナー定着フィルム及び加熱定着装置

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JP3495831B2
JP3495831B2 JP30440195A JP30440195A JP3495831B2 JP 3495831 B2 JP3495831 B2 JP 3495831B2 JP 30440195 A JP30440195 A JP 30440195A JP 30440195 A JP30440195 A JP 30440195A JP 3495831 B2 JP3495831 B2 JP 3495831B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトナー定着フィルム
に関する。特に、電子写真装置や静電記録装置などの画
像形成装置に用いられる加熱定着装置に好適なトナー定
着フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】加熱定着装置に代表される像加熱装置と
しては、従来、熱ローラ方式やフィルム加熱方式等の接
触加熱方式が広く用いられている。
【0003】その中でも、最大4層のトナー層を有する
カラー像の定着を行う装置では、ハロゲンヒータを発熱
させ、定着ローラ芯金、ゴム弾性層を介してトナー像の
加熱を行っている。
【0004】特公平5−9027号公報では、磁束によ
り定着ローラに渦電流を発生させジュール熱によって発
熱させることが提案されている。このように渦電流の発
生を利用することで発熱位置をトナーに近くすることが
でき、ハロゲンランプを用いた熱ローラ方式よりも消費
エネルギーの効率アップが達成できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
定着方法では、熱容量の大きな定着ローラを加熱するた
め、効率を最良のものにしてもクイックスタートを達成
することはできなかった。さらに、ローラ内部への放熱
により熱効率も十分ではなかった。
【0006】また、特公平5−9027号公報のように
円筒状に渦電流を発生させてジュール熱を発生させる
と、励磁コイルや励磁鉄芯が昇温して磁束の量が減少し
発熱が不安定となる。さらに、昇温が大きいと励磁コイ
ルの劣化も生じてしまう。
【0007】その他、ハロゲンヒータを用いる方法は、
エネルギーをいったん光に変換しているため効率が悪
い。
【0008】特に、カラーの画像記録装置では、トナー
層が最大4層まで重ねられることがあるため、被記録材
とトナー層との界面まで十分に加熱しないと定着不良が
発生する。
【0009】また、カラー画像を印刷する場合、特に写
真現像などでは被記録材上で大きな面積にわたってベタ
画像が形成される。この場合、被記録材の凹凸あるいは
トナー層の凹凸に加熱面(定着フィルム表層)が追従で
きないと加熱ムラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない
部分で画像に光沢ムラが発生する(伝熱量が多い部分は
光沢度が高く、伝熱量が少ない部分は光沢度が低い)。
【0010】このような画像光沢ムラを防止するために
は、定着フィルムの層中に弾性層を設けることが有効で
ある。しかし、この弾性層の断熱効果によって、被記録
材とトナー層との界面まで十分に加熱するためには多く
のエネルギーが必要であり必ずしも効率的ではなかっ
た。またモノクロ画像形成装置においても高速化を図る
ためには十分な熱量が得られなかった。
【0011】これらの問題点を解決するために、電磁誘
導により金属フィルム層に渦電流を発生させてジュール
熱を発生させる方法が考案されている。しかし、定着フ
ィルムの表面にはゴム層あるいは樹脂層が形成されてい
る(被記録材とトナー層との界面と、金属フィルム発熱
層との間にゴム層あるいは樹脂層が存在する)ため、必
ずしもエネルギー効率が最良のものとは言えなかった。
【0012】
【0013】そこで本発明の目的は、熱伝達性がよくエ
ネルギー効率を向上させ、また画像の色ムラを抑制でき
トナー定着フィルムを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために種々の検討を重ねた結果、本発明を
完成した。
【0015】 第1の発明は、発熱層に渦電流を起こ
し、それにより発熱する熱でトナー像の定着を行うトナ
ー定着フィルムにおいて、該トナー定着フィルムが、磁
性を有する金属フィルムと、樹脂材料中に磁性体を含有
する発熱層とを有することを特徴とするトナー定着フィ
ルムに関する。
【0016】
【0017】第の発明は、前記発熱層の樹脂材料が弾
性を有する樹脂材料であることを特徴とする第1の発明
のトナー定着フィルムに関する。
【0018】第の発明は、前記発熱層の厚さが50μ
m以上であることを特徴とするの発明のトナー定着
フィルムに関する。
【0019】第の発明は、前記磁性体が少なくとも、
磁性体コートされたウィスカー状の粉体であることを特
徴とするの発明のトナー定着フィルムに関する。
【0020】第の発明は、前記磁性体が少なくとも、
ファイバー状の磁性粉体であることを特徴とする
発明のトナー定着フィルムに関する。
【0021】第の発明は、前記磁性体が少なくとも、
磁性体コートされたファイバー状の粉体であることを特
徴とするの発明のトナー定着フィルムに関する。
【0022】第の発明は、前記発熱層の体積抵抗値が
1〜1×109Ω/□である上記のいずれかの発明のト
ナー定着フィルムに関する。
【0023】第の発明は、表面に離型層が形成された
上記のいずれかの発明のトナー定着フィルムに関する。
第9の発明は、トナー定着フィルムとこの定着フィルム
に渦電流を起こすための交番磁場を発生させるコイルを
少なくとも備えた定着手段、及び、この定着手段に圧接
している加圧手段を少なくとも有し、前記定着手段と前
記加圧手段との間の圧接部に未定着トナー像が形成され
た被記録材を挟持搬送させることでトナー像の定着を行
う加熱定着装置において、該トナー定着フィルムが上記
のいずれかの発明のトナー定着フィルムであることを特
徴とする加熱定着装置に関する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を用いて詳細
に説明する。
【0025】図3は、本発明のトナー定着フィルムを有
する加熱定着装置を備えた電子写真カラープリンターの
模式的断面図である。301は有機感光体やアモルファ
スシリコン感光体でできた感光体ドラム、302はこの
感光体ドラム(301)に一様な帯電を行うための帯電
ローラ、310は不図示の画像信号発生装置からの信号
をレーザ光のオン/オフに変換し、感光体ドラム(30
1)に静電潜像を形成するレーザ光学箱である。303
はレーザ光、309はミラーである。
【0026】感光体ドラム(301)の静電潜像は、現
像機(304)によってトナーを選択的に付着させるこ
とで顕像化される。現像機(304)は、イエロー
(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)のカラー現像機
と黒色用の現像機(Bk)から構成され、一色づつ感光
体ドラム(301)上の潜像を現像し、このトナー像を
中間転写体ドラム(305)上に順次重ねてカラー画像
を形成する。
【0027】中間転写体ドラム(305)は金属ドラム
上に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有するもので、金
属ドラムにバイアス電位を与えて感光体ドラム(30
1)との電位差でトナー像の転写を行うものである。
【0028】一方、給紙カセットから給紙ローラによっ
て送り出された被記録材(P)は、感光体ドラム(30
1)の静電潜像と同期するように転写ローラ(306)
と中間転写体ドラム(305)との間に送り込まれる。
転写ローラ(306)は被記録材(P)の背面からトナ
ーと逆極性の電荷を供給することで、中間転写体ドラム
(305)上のトナー像を被記録材上に転写する。こう
して、未定着トナー像を載せた被記録材(P)は加熱定
着装置(311)において熱と圧力が加えられ、トナー
層が被記録材(P)上に永久固着させられて、排紙トレ
ー(不図示)へと排出される。
【0029】感光体ドラム(301)や中間転写体ドラ
ム(305)上に残ったトナーや紙粉は、クリーナ(3
07、308)によって除去され、上記の帯電以降の工
程を繰り返す。
【0030】図1に、本発明のトナー定着フィルムを備
えた加熱定着装置の模式的断面図を示す。
【0031】図1のトナー定着フィルム(4)は、基層
(1)・発熱層(2)・離型層(3)からなり、矢印方
向に回転する。この定着フィルム(4)はフィルムガイ
ド(5)によってニップ部への加圧とフィルムの安定化
が図られている。また、フィルムガイド(5)は、励磁
コイル(6)と高透磁率コア(7)を支持する働きも持
つ。
【0032】高透磁率コア(7)の材料としては、フェ
ライトやパーマロイ等といったトランスのコアに用いら
れる材料が良く、好ましくは100kHz以上でも損失
の少ないフェライトを用いるのが良い。
【0033】励磁コイル(6)には励磁回路(不図示)
が接続されており、この回路は20〜500kHzの高
周波をスイッチング電源で発生できるようになってい
る。
【0034】上記の定着フィルム(4)、フィルムガイ
ド(5)、励磁コイル(6)及び高透磁率コア(7)で
定着ローラ(定着手段(8))を構成する。
【0035】加圧ローラ(加圧手段(9))は、芯金外
周にシリコーンゴムやフッ素ゴムといった耐熱性に優れ
た弾性層を被覆したものを用いるのが一般的である。ま
た、それらの弾性層上にフッ素樹脂やシリコーン樹脂等
の離型性に優れた樹脂をコーティングしてもよい。
【0036】定着ローラのトナー定着フィルム(4)と
加圧ローラ(9)とで形成されたニップ部に未定着トナ
ー(T1)をのせた被記録材(P)を通すことで加熱定
着を行う。
【0037】ニップ部における加熱原理は、図1に示す
ように、励磁回路(不図示)により励磁コイル(6)に
印加される電流で発生する磁束は、高透磁率コア(7)
に導かれ、ニップ部で定着フィルム(4)の発熱層
(2)に磁束(10)と渦電流(11)を発生させる。
この渦電流(11)と発熱層(2)の固有抵抗によって
熱が発生する。
【0038】発生した熱により、ニップ部に搬送される
被記録材(P)と、この被記録材(P)上のトナー(T
1)が離型層(3)を介して加熱される。ニップ部では
トナー(T1)が溶融し、ニップ部を通過後に冷却され
永久固着像が形成される。
【0039】次に、本発明の特徴であるトナー定着フィ
ルムについて説明する。
【0040】本発明のトナー定着フィルムは、上記のよ
うな加熱定着装置の定着ローラ(8)に、フィルムガイ
ド(5)に沿って設置されている。
【0041】
【0042】また、本発明のトナー定着フィルムの基層
(1)は、金属材料からなる層であってもよい。金属材
料としては、非磁性の金属材料でもよいが、ニッケル・
鉄・強磁性SUS・ニッケル−コバルト合金等の磁束吸
収のよい金属が好ましい。また、その厚みは、次式
(I)で表される表皮深さ(σ)より厚く、且つ200
μm以下が好ましい。表皮深さ(σ)[m]は、励磁回
路の周波数(f)[Hz]、透磁率(μ)及び固有抵抗
(ρ)[Ωm]で次の式(I)で表される。
【0043】σ=503×(ρ/fμ)1/2 (I) これは、電磁誘導で使われる電磁波の吸収の深さを示し
ており、これより深いところでは電磁波の強度は1/e
以下になっており、逆にいえば、ほとんどのエネルギー
はこの深さまで吸収されている。
【0044】本発明のトナー定着フィルムの発熱層
(2)は、樹脂材料にニッケル・鉄・SUS・コバルト
等の磁束吸収の良い磁性体を混合したものを用いること
が好ましい。磁性体は、通常粉体として混合する。この
ような磁束吸収の良い磁性体(磁性粉体)を樹脂材料に
混合させることによって、励磁回路により励磁コイル
(6)に印加される電流で発生する磁束が、高透磁率コ
ア(7)に導かれ、ニップ部のトナー定着フィルム
(4)の発熱層(2)中に磁束(10)と渦電流(1
1)が発生する。この渦電流(11)と発熱層(2)の
固有抵抗により熱が発生する(図1参照)。
【0045】樹脂材中の磁性体の含有量は、樹脂:磁性
体=100:50〜100:300(重量比)が好まし
い。含有量が多すぎると、発熱層本来の機能はもちろ
ん、離型層を設けた場合の接着層としての機能も低下す
る。後述の弾性を有する低剛性樹脂材料で発熱層を形成
している場合は、その弾性特性が低下して所望の効果が
得られなくなる。
【0046】樹脂材料の本来有する性質を保ちながら、
この樹脂材料からなる層を発熱層(2)とするために
は、この樹脂材料に磁性体コートされたウィスカー状の
粉体を混合するとよい。
【0047】磁性体コートされたウィスカー状の磁性粉
体とは、チタン酸カリウム・酸化チタン・硫酸バリウム
等のウィスカー状粉体の表面上に、メッキ法やカーボニ
ル法等の手法によりニッケル・鉄・コバルト等の磁束吸
収の良い物質を被覆したものいう。
【0048】このようなウィスカー状のものを用いるこ
とにより、樹脂材料中でウィスカー状の粉体同士の絡み
つきが起こり、これによって少量のウィスカー状の磁性
粉体の混合で樹脂材料を発熱層にすることが可能とな
る。このように、ウィスカー状の磁性粉体(磁性体)を
少なくすることができるため、樹脂材料の本来有する性
質を保ちながら、樹脂材料を発熱層にすることができ
る。
【0049】磁性体コートされたウィスカー状粉体は、
磁性体として単独で用いてもよいし、他の磁性体と混合
して用いてもよい。
【0050】樹脂材料の本来有する性質を保ちながら、
この樹脂材料からなる層を発熱層(2)とするためのそ
の他の磁性体として、ファイバー状の磁性粉体を用いる
ことができる。このファイバー状の磁性粉体は通常の磁
性粉体(球状、ウィスカー状、鱗片状等)に比べて、そ
のアスペクト比が非常に大きいため、樹脂材料中でファ
イバー同士の密な絡みつきが発生する。その結果、より
少量の混合で樹脂材料を発熱層とすることができ、樹脂
材料の本来有する性質を保ちながら発熱層としての役割
を果たすことができる。
【0051】ファイバー状の磁性粉体は、磁性体として
単独で用いてもよいし、他の磁性体と混合して用いても
よい。
【0052】また、磁性体として、磁性体コートされた
ファイバー状の粉体を用いても上記のファイバー状の磁
性粉体と同様な、又はそれ以上の効果が得られる。
【0053】磁性体コートされたファイバー状の粉体と
は、カーボンファイバー等のファイバー状の非磁性の粉
体にメッキ法やカーボニル法等の手法により、ニッケル
・コバルト・鉄等の磁束吸収の良い物質を被覆したもの
をいう。
【0054】この場合、ファイバー状の粉体の芯に、カ
ーボンファイバー等が磁性体金属より軽いものを用いる
と、樹脂材料中での見かけの密度を上げることができ
る。
【0055】磁性体コートされたファイバー状の粉体
は、磁性体として単独で用いてもよいし、他の磁性体と
混合して用いてもよい。
【0056】本発明に用いる発熱層の樹脂材料として
は、耐熱性を有するものであれば特に制限されないが、
低剛性であることが好ましい。例えば、ポリイミド樹脂
・ポリエーテルサルフォン樹脂・ポリエーテルケトン樹
脂・ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、
シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0057】本発明に用いる発熱層の樹脂材料として、
弾性を有する低剛性樹脂材料を用いてもよい。これによ
り、被記録材やトナー層の表面の凹凸に加熱面(例えば
離型層)が追従できないことによって生じる加熱ムラを
抑え、光沢ムラを防ぐことができる。
【0058】弾性を有する低剛性樹脂材料としては、シ
リコーンゴム・フッ素ゴム・フルオロシリコーンゴム等
の耐熱性ゴムが好ましい。
【0059】発熱層の厚さは、通常の範囲で設定される
が、弾性を有する樹脂材料を用いた場合は50μm以上
が好ましい。
【0060】
【0061】図2に、上記のトナー定着フィルムを用い
た加熱定着装置の模式的断面図を示す。定着フィルム
(4)を図2のような形状の定着ローラで加圧ローラ
(9)に当接することにより、被記録材(P)の曲率分
離が可能となる。すなわち、定着フィルムに通常の円筒
以上の曲率を持たせることができ、そのため、定着フィ
ルムや加圧ローラへの転写紙の巻き込みが防止され、転
写紙の分離が容易になる。なお、図2は、曲率分離を強
調するため、実際の場合より曲率を大きくして表してい
る。
【0062】本発明のトナー定着フィルムの発熱層の体
積抵抗値は、1〜1×109Ω/□の範囲にあることが
好ましい。より好ましくは、1×103〜1×106Ω/
□の範囲である。体積抵抗値が1×109Ω/□以下の
発熱層を用いることによって、励磁コイルに印加される
電流で発生する磁束により発熱層に発生する渦電流量
は、体積抵抗値が1×109Ω/□以上の場合より増加
し、電磁誘導による発熱量が多くなる。
【0063】発熱層の体積抵抗値を1×109Ω/□以
下にする手法としては、カーボン・酸化スズ等の導電性
充填剤を添加する方法や、界面活性剤を添加する方法が
一般的である。
【0064】本発明のトナー定着フィルムは、その表面
(被記録材およびトナーと接触する層として)に離型層
(3)を設けることが望ましい。
【0065】離型層(3)の材料としては、フッ素樹脂
(PTFE、PFA、FEP等)、シリコーン樹脂、フ
ッ素ゴム、シリコーンゴム等のトナー離型性および耐熱
性に優れた材料を用いることが好ましい。
【0066】また、離型層(3)の厚みは1〜500μ
mが好ましく、1μm未満であると離型層の摩耗のため
トナーのオフセット現象が生じ、一方500μmを超え
ると発熱層で発生した熱を十分に被記録材及びトナーに
伝えることができず定着の不良が発生する。
【0067】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明する
が、本発明はこれらに限定するものではない。
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】実施例 基層(1)としては、磁束吸収性のよい金属フィルムで
あるニッケル電鋳フィルムを用いた。このフィルム厚
(層厚)は、式(I)で求められた表皮深さ(σ)より
厚い50μmとした。
【0095】離型層(3)としては、トナーの離型性に
優れたフッ素樹脂(FEP)を用いた。このフッ素樹脂
層の厚みは15μmとした。
【0096】発熱層(2)としては、フッ素樹脂プライ
マー中に磁束吸収の良いニッケル粉体(球状)を混合し
たものを用いた(樹脂:磁性体=1:2(重量比))。
この発熱層の厚みは10μmとした。この発熱層は、発
熱層としての機能を果たすとともに基層であるニッケル
電鋳フィルムと、離型層であるフッ素樹脂(FEP)層
とを接着する役割を同時に果たす。
【0097】基層、発熱層、離型層の順で積層して本発
明のトナー定着フィルムを作製し、図2に示す加熱定着
装置に装着した。
【0098】この加熱定着装置を設けた図3に示す電子
写真カラープリンタにより定着試験を行ったところ、ニ
ッケル電鋳フィルム(厚さ50μm)上にフッ素樹脂プ
ライマー(厚さ10μm)及びフッ素樹脂(厚さ15μ
m)という構成のトナー定着フィルムを装着した場合と
比較して、約20%のエネルギー消費を抑えることがで
きた。
【0099】実施例 基層(1)及び離型層(3)は実施例と同様、それぞ
れニッケル電鋳フィルム(厚さ50μm)、フッ素樹脂
(FEP、厚さ15μm)を用いた。
【0100】発熱層(2)としては、シリコーンゴム中
に磁束吸収の良いニッケル粉体(球状)を混合したもの
を用いた(ゴム:磁性体=1:2(重量比))。この発
熱層の厚みは100μmとした。
【0101】基層、発熱層、離型層の順で積層して本発
明のトナー定着フィルムを作製し、図2に示す加熱定着
装置に装着した。
【0102】この加熱定着装置を設けた図3に示す電子
写真カラープリンタにより定着試験を行ったところ、ニ
ッケル電鋳フィルム(厚さ50μm)上にシリコーンゴ
ム(厚さ100μm)及びフッ素樹脂(厚さ15μm)
という構成のトナー定着フィルムを装着した場合と比較
して、約20%のエネルギー消費を抑えることができ
た。また、光沢ムラのないカラー画像が得られた。
【0103】実施例 基層(1)及び離型層(3)は実施例と同様、それぞ
れニッケル電鋳フィルム(厚さ50μm)、フッ素樹脂
(FEP、厚さ15μm)を用いた。
【0104】発熱層(2)としては、磁束吸収の良いニ
ッケルをメッキ法によりコートした硫酸バリウムウィス
カーをシリコーンゴム中に混合したものを用いた(ゴ
ム:磁性体=5:8(重量比))。この発熱層の厚みは
100μmとした。
【0105】基層、発熱層、離型層の順で積層して本発
明のトナー定着フィルムを作製し、図2に示す加熱定着
装置に装着した。
【0106】この加熱定着装置を設けた図3に示す電子
写真カラープリンタにより定着試験を行ったところ、粉
体混合量が実施例8の80%であるにもかかわらず、実
施例8と同様のエネルギー消費量で定着することができ
た。また、光沢ムラのない画像が得られた。
【0107】実施例 基層(1)及び離型層(3)は実施例と同様、それぞ
れニッケル電鋳フィルム(厚さ50μm)、フッ素樹脂
(FEP、厚さ15μm)を用いた。
【0108】発熱層(2)としては、シリコーンゴム中
にニッケルファイバー(アスペクト比:100)を混合
したものを用いた(ゴム:磁性体=5:8(重量
比))。この発熱層の厚みは100μmとした。
【0109】基層、発熱層、離型層の順で積層して本発
明のトナー定着フィルムを作製し、図2に示す加熱定着
装置に装着した。
【0110】この加熱定着装置を設けた図3に示す電子
写真カラープリンタにより定着試験を行ったところ、粉
体充填量が実施例8の80%であるにもかかわらず、実
施例8と同様のエネルギー消費量で定着することができ
た。また、光沢ムラのない画像が得られた。
【0111】実施例 基層(1)及び離型層(3)は実施例と同様、それぞ
れニッケル電鋳フィルム(厚さ50μm)、フッ素樹脂
(FEP、厚さ15μm)を用いた。
【0112】発熱層(2)としては、シリコーンゴム中
にニッケルコートされたカーボンファイバーを混合した
ものを用いた(ゴム:磁性体=5:7(重量比))。こ
の発熱層の厚みは100μmとした。
【0113】基層、発熱層、離型層の順で積層して本発
明のトナー定着フィルムを作製し、図2に示す加熱定着
装置に装着した。
【0114】この加熱定着装置を設けた図3に示す電子
写真カラープリンタにより定着試験を行ったところ、粉
体混合量が実施例8の70%であるにもかかわらず、実
施例8と同様のエネルギー消費量で定着することができ
た。また、光沢ムラのない画像が得られた。
【0115】実施例 基層(1)及び離型層(3)は実施例と同様、それぞ
れニッケル電鋳フィルム(厚さ50μm)、フッ素樹脂
(FEP、厚さ15μm)を用いた。
【0116】発熱層(2)としては、シリコーンゴム中
にニッケル粉末を混合し、次いでカーボンにより体積抵
抗値を1×106Ω/□に調整したものを用いた。この
発熱層2の厚みは100μmとした。
【0117】基層、発熱層、離型層の順で積層して本発
明のトナー定着フィルムを作製し、図2に示す加熱定着
装置に装着した。
【0118】この加熱定着装置を設けた図3に示す電子
写真カラープリンタにより定着試験を行ったところ、実
施例8の場合に比べて約20%減の消費エネルギーで定
着することができた。また、光沢ムラのない画像が得ら
れた。
【0119】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
トナー定着フィルムの構成において、発熱層が被記録材
とトナーとの界面に近づいた構成となるため、エネルギ
ー効率が向上し、クイックスタートが可能となる。
【0120】また発熱層を、弾性を有する樹脂材料を用
いて形成することによって、トナー定着フィルムが被記
録材及びトナー層の凹凸に追従することができるように
なり、光沢ムラのないカラー画像を形成することができ
る。
【0121】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナー定着フィルムを備えた加熱定着
装置の模式的断面図である。
【図2】本発明のトナー定着フィルムを備えた加熱定着
装置の模式的断面図である。
【図3】本発明のトナー定着フィルムを有する加熱定着
装置を備えた電子写真カラープリンターの模式的断面図
である。
【符号の説明】
1 基層 2 発熱層 3 離型層 4 トナー定着フィルム 5 フィルムガイド 6 励磁コイル 7 高透磁率コア 8 定着ローラ(定着手段) 9 加圧ローラ(加圧手段) 10 磁束 11 渦電流 301 感光体ドラム 302 帯電ローラ 303 レーザ光 304 現像機 305 中間転写体ドラム 306 転写ローラ 307、308 クリーナ 309 ミラー 310 レーザ光学箱 311 加熱定着装置 P 被記録材 T1 未定着トナー T2 定着トナー
フロントページの続き (72)発明者 岸野 一夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 川元 英雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−78140(JP,A) 特開 平7−295411(JP,A) 特開 平7−191544(JP,A) 特開 平7−114276(JP,A) 特開 平5−188809(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱層に渦電流を起こし、それにより発
    熱する熱でトナー像の定着を行うトナー定着フィルムに
    おいて、該トナー定着フィルムが、磁性を有する金属
    ィルムと、樹脂材料中に磁性体を含有する発熱層とを有
    することを特徴とするトナー定着フィルム。
  2. 【請求項2】 前記発熱層の樹脂材料が弾性を有する樹
    脂材料であることを特徴とする請求項1記載のトナー定
    着フィルム。
  3. 【請求項3】 前記発熱層の厚さが50μm以上である
    ことを特徴とする請求項2記載のトナー定着フィルム。
  4. 【請求項4】 前記磁性体が少なくとも、磁性体コート
    されたウィスカー状の粉体であることを特徴とする請求
    項1記載のトナー定着フィルム。
  5. 【請求項5】 前記磁性体が少なくとも、ファイバー状
    の磁性粉体であることを特徴とする請求項1記載のトナ
    ー定着フィルム。
  6. 【請求項6】 前記磁性体が少なくとも、磁性体コート
    されたファイバー状の粉体であることを特徴とする請求
    項1記載のトナー定着フィルム。
  7. 【請求項7】 前記発熱層の体積抵抗値が1〜1×10
    9Ω/□である請求項1〜6のいずれか1項に記載のト
    ナー定着フィルム。
  8. 【請求項8】 表面に離型層が形成された請求項1〜7
    のいずれか1項に記載のトナー定着フィルム。
  9. 【請求項9】 トナー定着フィルムとこの定着フィルム
    に渦電流を起こすための交番磁場を発生させるコイルを
    少なくとも備えた定着手段、及び、この定着手段に圧接
    している加圧手段を少なくとも有し、前記定着手段と前
    記加圧手段との間の圧接部に未定着トナー像が形成され
    た被記録材を挟持搬送させることでトナー像の定着を行
    う加熱定着装置において、該トナー定着フィルムが請求
    項1〜8のいずれか1項に記載されたトナー定着フィル
    ムであることを特徴とする加熱定着装置。
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