JP3450585B2 - 像加熱装置 - Google Patents

像加熱装置

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JP3450585B2
JP3450585B2 JP11432996A JP11432996A JP3450585B2 JP 3450585 B2 JP3450585 B2 JP 3450585B2 JP 11432996 A JP11432996 A JP 11432996A JP 11432996 A JP11432996 A JP 11432996A JP 3450585 B2 JP3450585 B2 JP 3450585B2
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core
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nip
exciting coil
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁誘導を利用して
渦電流を発生させて加熱する像加熱装置に関する。
、電子写真、静電記録、磁気記録等の適宜の画像形成
プロセス手段により、加熱溶融性の樹脂等よりなるトナ
ーを用いて記録材の面に直接もしくは間接方式で形成し
た未定着のトナー画像を記録材面に永久固着画像として
加熱定着処理する装置等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は従来の技術を説明する図であ
り、電子写真技術をプリンタに応用したレーザービーム
プリンタの概略断面図である。この装置の動作を以下に
説明する。
【0003】まず、ホストコンピュータから画像情報信
号が送られてくると、スキャナー13によりレーザー光
の強度が変調されて感光ドラム11に照射され、感光ド
ラム11上に静電潜像が形成される。つまり、このレー
ザー光の強度及び照射スポット径は画像形成装置の解像
度及び所望の画像濃度によって適正に設定されており、
感光ドラム11上の静電潜像は、レーザー光が照射され
た部分が明部電位VLに、そうでない部分が一次帯電器
12で帯電された暗部電位VDに保持されることによっ
て形成される。次に、感光ドラム11の矢印方向の回転
に伴い、静電潜像は現像器14との対向位置まで搬送さ
れ、該現像器14によって順次現像される。このとき、
現像器14内のトナーは、トナー供給回転体である現像
スリーブ1402と現像ブレード1401とによって、
トナー高さ、トリボを制御され、現像スリーブ1402
上に均一なトナー層として形成されている。なお、現像
ブレード1401としては通常金属製もしくは樹脂製の
ものが用いられ、樹脂系のものは現像スリーブ1402
に対して適正な当接圧をもって接している。このような
構成により、現像スリーブ1402上に形成されたトナ
ー層は、現像スリーブ1402自信の回転に伴い、感光
ドラム11に対向し、現像スリーブ1402に印加され
ている電圧Vdcと感光ドラム11の表面電位が形成する
電界によりVLの部分だけを選択的に顕像化する。そし
て、この感光ドラム11上のトナー像は、給紙装置から
送られてきた紙に転写装置15によって順次転写され
る。転写装置としては、図に示したコロナ帯電器以外
に、導電弾性回転体に電源から電流を供給して紙に転写
電荷を付与しながら搬送する転写ローラ方式があるが、
いずれも紙の背面からトナーと逆極性の電荷を付与する
ものであり、このようにトナー像の転写された紙は感光
ドラム11の回転と共に定着装置10へと送り出され、
加熱及び加圧されることによりトナー像が紙上において
永久固定画像となる。
【0004】この定着装置10は熱ローラ方式の定着装
置であり、高い熱容量を有する定着ローラの芯金と、ト
ナー像を包み込んで均一に溶融するためのゴム弾性層と
を介してトナー像の加熱を行っている。
【0005】しかしながら、上記の定着装置では、熱ロ
ーラの熱容量が大きく、加熱に要する電力が大きくなる
ばかりか、ウェイトタイムが長くなるという問題があっ
た。
【0006】また、フルカラーの画像形成装置では、最
大で4層のトナー層を加熱溶融させる能力を要求される
ため、さらに熱容量の大きな熱ローラを用いる必要があ
るが、この熱容量の大きさのために、制御温度と熱ロー
ラ表面の昇温に遅延が発生し、定着不良や光沢ムラやオ
フセット等の問題が発生していた。
【0007】そこで、熱ローラ方式に代わる定着装置と
して、耐熱性フィルムとセラミックヒータ等の発熱体等
を用いたフィルム加熱方式の定着装置が提案され、さら
に熱効率を向上させるるために、電磁誘導を利用して渦
電流の発生により加熱を行うフィルム加熱方式の定着装
置が提案された。
【0008】そして、この電磁誘導を利用したフィルム
加熱方式の定着装置においては、定着性の向上と分離効
果の向上を目的として、ニップ部における紙等の記録材
の進行方向前後の発熱分布を変える提案がなされた。
【0009】これは、ニップの上流と下流で発熱分布を
変えることで、ニップ上流での被加熱領域ではプレヒー
ト効果を、ニップ下流での被加熱領域では冷却分離効果
を与える効果があり、定着性が向上すると同時に高い分
離性を有する像加熱装置を実現できるとされたものであ
る。
【0010】以下、このような定着装置について図11
を用いて詳細に説明する。図11において1は定着フィ
ルム、110は鉄やニッケル等の抵抗体でできた発熱部
で、渦電流により発熱する。該発熱部110は、同時に
フィルムガイドの役割も果たしており、定着フィルム1
は発熱部110によって搬送安定性を図られながら矢印
Aの方向に回転する。201は交番磁束を発生するため
の励磁コイル、202は励磁コイル201により発生し
た交番磁界を効率良くニップ周辺で高めるためのフェラ
イトコアであり、発熱部110によって支持されてい
る。
【0011】さらに、コイル201はニップの上流では
粗に、下流では密に巻いてあるので、ニップの上流では
発熱量が大きく、下流では発熱量は小さい。
【0012】従って、ニップ上流の発熱量の大きい部分
では、プレヒート効果が、下流の発熱量の小さい領域で
は冷却分離がし易い効果があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成では、肝心のニップ部に発熱ピークがないため、その
結果、低温環境下では定着性が悪化することがあり、こ
れを解決するために入力電圧を大きくすると消費電力も
大きくなってしまうということがあった。
【0014】しかも、ニップ下流領域では、発熱ピーク
は無い方が冷却分離もよりし易いことがわかってきた。
【0015】そこで、本発明の目的は、低消費電力で、
しかもウェィトタイムを短縮可能な像加熱装置を提供
し、フルカラー画像形成装置においても分離性を確保し
た上で尾引きや定着不良や光沢ムラやオフセットの発生
しない高いパフォーマンスを有する像加熱装置を提供す
ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、回転体と、該回転体の内部に設けられている励磁
コイル及び磁束を導くコアと、上記回転体と接触してお
り該回転体との間に被加熱材を挟持搬送するニップ部を
形成する加圧部材と、を有する像加熱装置において、
記コアは上記ニップ部よりも上記回転体の回転方向上流
側に該回転体の回転方向と直交する方向に沿って設けら
れており、上記励磁コイルは上記コアの長手方向周り
に、少なくとも上記コアよりも上記回転体の回転方向上
流側の部分が上記回転体の曲面に沿って巻かれており、
上記コアよりも上記回転体の回転方向下流側のコイル部
分の作用による発熱域のピークが上記ニップ部にある
とにより達成される。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】かかる本発明によると被加熱材に対し
て、励磁コイルから発生する磁束が効率よくニップ部の
上流側に磁気結合するので効率的な予熱が行われ、また
ニップの下流側の余分な磁気結合を抑えられるので良好
な分離も行われる。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて詳細に説明する。
【0027】(第1の実施形態)まず、本発明の第1の
実施形態を図1ないし図6に基づいて説明する。図1は
本実施形態の定着装置を示す図であり、同図において1
は回転体としての定着フィルム、110は鉄やニッケル
等の抵抗体でできた発熱部で、渦電流により発熱する。
発熱部110の材料としては、ニッケル以外にも10-5
〜10-10Ω・mの電気良導体である金属、金属化合
物、有機導電体であればよく、より好ましくは透磁率が
高い強磁性を示す鉄、コバルト等の純金属もしくはそれ
らの化合物を用いることができる。また、この発熱部1
10は、同時にフィルムガイドの役割も果たしており、
定着フィルム1は発熱部110によって搬送安定性を図
られながら、矢印Aの方向に回転する。201は交番磁
束を発生するための励磁コイル、202は励磁コイル2
01により発生した交番磁束を効率よくニップ周辺で高
めるためのフェライトコアであり、発熱部110によっ
て支持されている。また、励磁コイル201には励磁回
路(図示せず)が接続されており、この励磁回路は50
kHzの交番電流を励磁コイル201へ供給できるよう
になっている。
【0028】3は加圧部材としての加圧ローラで芯金3
01上にシリコーンゴム層302を2mm被覆させて弾
性をもたせ、定着フィルム1とニップNを形成してい
る。また、加圧ローラ3は、被加熱材としてのトナーが
担持された記録材Pの搬送方向に、定着フィルム1を回
転駆動させる駆動ローラの役割も兼ねている。
【0029】次に、定着フィルム1について図2を用い
て詳しく説明する。図2(A)に示すように、定着フィ
ルム1の層構成において101は基層であり、フッ素樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミ
ド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PF
A樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂等の耐熱樹脂が良
い。また、基層101の厚さとしては10〜1000μ
mが好ましい。これは、基層101の厚さが10μmよ
りも小さい場合には耐久性が不足するためであり、一
方、1000μmを超えると発熱部110からの距離が
大きくなり、熱が十分に表層の離型層102に到達しな
くなるからである。
【0030】さらに、定着フィルム1はフッ素樹脂の離
型層102で被覆してある。離型層102としてはPF
A、PTFE、FEP等のフッ素樹脂以外に、シリコー
ン樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム
等の離型性かつ耐熱性のよい材料を選択することができ
る。この離型層102の厚さは20〜100μmが好ま
しい。これは、離型層102の厚さが20μmよりも小
さいと塗膜の塗ムラで離型性の悪い部分ができたり、耐
久性が不足するといった問題が発生するためであり、ま
た、離型層が100μmを超えると熱伝導が悪化すると
いう問題が発生し、特に樹脂系の離型層の場合は硬度が
高くなり過ぎ、弾性層103の効果がなくなってしまう
からである。
【0031】また、図2(B)に示すようにカラー画像
の定着の場合には弾性層103を配置してもよい。この
弾性層103の硬度は、硬度が高過ぎると記録材あるい
はトナー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラが発生し
てしまうため、60°(JIS−A)以下、より好まし
くは45°(JIS−A)以下がよい。また、弾性層1
03の熱伝導率に関しては、6×10-4〜2×10
-3[cal/cm・sec・deg]がよい。熱伝導率
λが6×10-4[cal/cm・sec・deg]より
も小さい場合には、熱抵抗が大きく、定着フィルム1の
表層における温度上昇が遅くなる。
【0032】次に、励磁コイル201について詳しく説
明する。励磁コイル201としては加熱に十分な交番磁
束を発生するものでなければならないが、そのためには
抵抗成分を低く、インダクタンス成分を高くとる必要が
ある。本実施形態では、励磁コイル201の芯線として
細線を束ねた高周波用の直径1mmのものを用いて、図
3に示すようにフェライトコア202を周回するように
20回巻いてある。
【0033】従って、コイル201は励磁回路から供給
される交番電流によって交番磁束を発生し、交番磁束は
フェライトコア202に導かれて定着フィルム1の発熱
部110に渦電流を発生させる。この渦電流は発熱部1
10の固有抵抗によってジュール熱を発生させて、基層
101、離型層102を介してニップNに搬送される記
録材Pと記録材P上のトナーTを加熱することができ
る。
【0034】さらに、本発明は上記交番磁束の密度に分
布を持たせてあることにより、容易に所望の加熱領域が
設定可能となっている。
【0035】特に、本実施形態では上記交番磁束の密度
の分布を励磁コイル201の巻き方により実現してい
る。具体的にはニップNの上流では励磁コイル201を
基層101の曲面に沿うように巻き、図3に示すよう
に、ニップNの下流ではフェライトコア202に沿うよ
うに巻いてある。即ち、発生した磁束はニップ上流では
高密度かつ広範囲に亘り定着フィルム1に達し、ニップ
部でピークを有し、さらにニップ下流では低密度にな
る。従って、発熱分布は、定着フィルム1のニップ上流
では高温域を広く、ニップ部では発熱ピークを有し、下
流では高温域が無いように設定できる。
【0036】以下に従来の均等なコイル配置を行った場
合と、本実施形態の場合とでの発熱分布の様子を比較
し、その場合の定着性と分離不良の発生する頻度を比較
した結果を示す。画像形成装置としては毎分A4サイズ
紙8枚の印字速度の4色カラー画像形成装置において、
3色重ね合わせのベタ画像を形成した場合を代表に示
す。
【0037】図4は本実施形態と従来例の発熱分布を表
すものである。本実施形態の励磁コイルによれば、図4
(A)に示すように、磁力線Bの分布がニップ上流では
広い範囲で多く、ニップ部では狭い範囲での分布となっ
ている。しかし、従来例では、図4(B)に示すよう
に、ニップ部を境にして上流と下流に磁力線Bが分布し
ている。
【0038】このような磁束分布によって、本発明の定
着フィルムの発熱量としては、ニップ上流でピークを持
ち、ニップ部でもピークを持ち、ニップ下流で低くなる
ことが確認される。この効果は定着性や分離性の優劣と
して現れ、下表はこれらについて試験した結果を示すも
のである。下表においては「定着性」は粘着テープを貼
り付けて剥す前後での画像濃度の反射率の差で表したも
のであり、「適正定着温度」は上記定着性の数値が5%
以下となる定着温調温度であり、「分離不良率」は80
g/m2紙を通紙した場合の分離不良ジャムの発生する
割合である。
【0039】
【表1】
【0040】以下に、本実施形態の像加熱装置を4色カ
ラー画像形成装置の定着装置として用いた場合の作用効
果について画像形成装置の動作と共に記す。
【0041】図5は、本発明を用いた電子写真カラープ
リンタの断面図である。11は有機感光体で形成された
感光体ドラムであり、該感光体ドラム11の表面は帯電
装置12により一様に帯電される。そして、レーザ光学
箱13により画像信号発生装置(図示せず)からの信号
に基づいてオン/オフ駆動されるレーザ光1101が、
ミラー1102を介して照射されると、感光体ドラム1
1には静電潜像が形成される。このように感光体ドラム
11上に形成された静電潜像は、現像器14によってト
ナーを選択的に付着させることで顕像化されるが、現像
器14は、イエローY、マゼンタM、シアンCのカラー
現像器と、黒用の現像器Bから構成されており、一色ず
つ顕像化される。そして、各色のトナー像は、中間転写
体ドラム16上に順次重ねられ、該中間転写体ドラム1
6上にカラー画像が形成される。この中間転写体ドラム
16は金属ドラム上に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を
有するもので、金属ドラムにバイアス電位を与えて感光
体ドラム11との電位差でトナー像の転写を行うもので
ある。一方、給紙カセット(図示せず)から給紙ローラ
(図示せず)によって送り出された記録材Pは、感光体
ドラム11の静電潜像形成と同期するように転写ローラ
15と中間転写体ドラム16との間に送り込まれる。そ
して、転写ローラ15は記録材Pの背面からトナーと逆
極性の電荷を供給することで、中間転写体ドラム16上
のトナー像を記録材P上に転写する。こうして、未定着
のトナー像をのせた記録材Pは加熱定着装置10へと搬
送され、該定着装置10で熱と圧を加えられて、記録材
P上に永久固着させられて、排紙トレー(図示せず)へ
と排出される。なお、感光体ドラム11上に残ったトナ
ーや紙粉はクリーナ17によって除去され、また、中間
転写体ドラム16上に残ったトナーや紙粉はクリーナ1
8によって除去され、感光体ドラム11は帯電以降の工
程を繰り返す。
【0042】この画像形成装置においては、定着装置1
0に上述の発熱分布を有するフィルム加熱方式の定着装
置を用いており、コイル201の発生する磁束が定着フ
ィルム1をニップ上流から十分加熱するために、記録材
Pは徐々に加熱されてニップに入り、発熱ピークがある
ニップ部で良好に定着された後、ニップ下流では、磁束
が急激に弱わまるので、ニップ出口で急冷され分離され
る。
【0043】また、記録材の分離に関しては、定着フィ
ルム1の基層101を十分薄くしてフィルム状に構成す
ることにより、定着フィルム1の変形を容易にしてニッ
プの内外での曲率を変えることにより、一層の向上を図
っている。
【0044】以上示したように、本発明によれば、従来
の像加熱装置を用いた場合に比較して、高い定着性と分
離性を有する画像形成装置を実現できた。
【0045】また、本実施形態では、トナーTに低軟化
物質を含有させたトナーを使用したため、加熱定着装置
にオフセット防止のためのオイル塗布機構を設けていな
いが、低軟化物質を含有させていないトナーを使用した
場合には、オイル塗布機構を設けてもよい。
【0046】また、本実施形態では4色カラー画像形成
装置について説明してきたが、モノクロあるいは1パス
マルチカラー画像形成装置に利用してもよい。この場合
は定着フィルム1において弾性層103を省略すること
ができる。
【0047】さらに、本実施形態の発展として図6のよ
うな構成も考えられる。この発展例では、加圧ローラ3
を鉄製芯金301上に弾性層302を被覆したものを用
いて、加圧ローラ3内に励磁コイル203を配設した。
これは励磁コイル203で発生させた磁界により加圧ロ
ーラの芯金301に誘導された渦電流で直接加圧ローラ
3の加熱を行うためである。
【0048】励磁コイル203で発生した磁界を芯金3
01に効率よく吸収させるためには、励磁コイル203
と芯金301との距離はできる限り近い方がよい。
【0049】そこで、芯金301と励磁コイル203の
距離の近い領域が大きくなるように図6のように芯金3
01の曲面に沿うように励磁コイル203を配設した。
【0050】ここでは励磁コイル201と励磁コイル2
03とのそれぞれに励磁回路を接続したが、これにより
定着フィルム1と加圧ローラ3の発熱量を別々に制御す
ることができる。定着フィルム1と加圧ローラ3の発熱
量を別々に制御することにより、例えば、厚紙に対して
は加圧ローラ3側の発熱量を大きくして、紙に対して十
分な熱量を供給することにより、定着性の向上を図るこ
とができる。また、連続プリント時に定着フィルム1と
加圧ローラ3の熱容量の違いによる温度降下量の差を補
正することができ、より安定した定着性を得ることがで
きる。また、図6では励磁コイル203にコアを設けて
いないがコアを設けることもできる。コアを設けること
により、励磁コイルの同じ巻線数に対して磁束密度を増
加させることができるので、より大きな発熱量を得るこ
とができる。
【0051】また、上記発展例をより安価に構成するな
らば、励磁コイル203と励磁コイル201と直列で接
続することもできる。この場合、励磁コイル201と励
磁コイル203との巻数比の変更、周波数の変更、発熱
層と励磁コイルの距離の変更等により、定着フィルム1
側と加圧ローラ3側のインダクタンス比を任意に選ぶこ
とができて、定着フィルム1と加圧ローラ3の発熱比率
を任意に選ぶことができる。
【0052】なお、本実施形態は加圧ローラ3で定着フ
ィルム1を駆動しているが、定着フィルム1にテンショ
ンローラによりテンションをかけてフィルムを駆動ロー
ラによって駆動してもよく、また、巻き取り式のフィル
ムであっても実施可能である。
【0053】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態を図7に基づいて説明する。図7は本発明にお
ける第2の実施形態を示す概略断面図であり、第1の実
施形態との共通箇所には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0054】図7に示すように本実施形態はコイル20
1を左右対称に巻いたものである。このユニットを上流
側に回転させて配置することで、ニップ位置に、発熱量
のピークをもってきたものである。本構成においては、
発生する磁束は定着フィルム1を広範囲に亘り有効に加
熱すると共に、定着フィルム1の最大発熱領域をニップ
部とその上流に配置することにより、発生する熱エネル
ギーを効率よく記録材Pに供給できるという利点があ
る。
【0055】また、本実施形態では励磁コイル201の
最大磁束方向の上流側シフトの効果について説明した
が、上述した実施形態及びその発展例の構成を加えて応
用することにより、さらなる定着性、分離性の向上が望
める。
【0056】このようにすれば、コイルの巻き方は、左
右対称なので、製造し易く、製造コストも安くなる。
【0057】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態を図8及び図9に基づいて説明する。図8は本
実施形態の定着装置を示す図であり、本実施形態は定着
フィルムそのものが発熱する場合である。図8において
112は液晶ポリマー等の樹脂でできた紙ガイドで、コ
イル、コアのホルダーも兼ねている。
【0058】本実施形態の定着フィルム1について図9
を用いて詳しく説明する。図9(A)において定着フィ
ルム1はニッケルからなる厚み50μmの発熱層104
の表面をフッ素樹脂の離型層102で被覆してある。発
熱層104としてはニッケル以外にも10-5〜10-10
Ω・mの電気良導体である金属、金属化合物、有機導電
体であればよく、より好ましくは透磁率が高い強磁性を
示す鉄、コバルト等の純金属もしくはそれらの化合物を
用いることができる。
【0059】発熱層104の厚みを薄くすると十分な磁
路が確保できなくなり、外部へ磁束が漏れて発熱体自身
の発熱エネルギーは小さくなる場合があり、また厚くす
ると熱容量が大きくなり昇温に要する時間が長くなる傾
向がある。従って、厚みは発熱体に用いた材料の比熱、
密度、透磁率、抵抗率の値によって適正値があり、本実
施形態では10〜100μmの厚みの範囲で、3℃/s
ec以上の昇温速度を得ることができた。
【0060】図9(B)は、離型層102と発熱層10
4の間に、弾性層103を設けたものであり、カラート
ナーの定着に使われる。そして、弾性層103の硬度
は、硬度が高過ぎると記録材あるいはトナー層の凹凸に
追従しきれず画像光沢ムラが発生してしまうため、60
°(JIS−A)以下、より好ましくは45°(JIS
−A)以下がよい。弾性層103の熱伝導率に関して
は、6×10-4〜2×10-3[cal/cm・sec・
deg]がよい。これは、熱伝導率λが6×10-4[c
al/cm・sec・deg]よりも小さい場合には、
熱抵抗が大きく、定着フィルム1の表層における温度上
昇が遅くなるからである。
【0061】離型層102としては、PFA、PTF
E、FEP等のフッ素樹脂以外に、シリコーン樹脂、シ
リコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の離型性
かつ耐熱性のよい材料を選択することができる。離型層
102の厚さは20〜100μmが好ましい。これは、
離型層102の厚さが20μmよりも小さいと塗膜の塗
ムラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足する
といった問題が発生するためであり、また、離型層が1
00μmを超えると熱伝導が悪化するという問題が発生
し、特に樹脂系の離型層の場合は硬度が高くなり過ぎ、
弾性層103の効果がなくなってしまうからである。
【0062】また、図9(B)に示すように、定着フィ
ルム1の層構成において基層101を設けてもよい。基
層101としては、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、P
ES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、F
EP樹脂等の耐熱樹脂が良い。また、基層101の厚さ
としては10〜1000μmが好ましい。これは、基層
101の厚さが10μmよりも小さい場合には効果が得
られず、また、耐久性も不足するためであり、一方、1
000μmを超えると高透磁率コア202から発熱層1
04の距離が大きくなり、磁束が十分に発熱層104に
到達しなくなるためである。基層101を設けた場合、
発熱層104に発生した熱による励磁コイル201やフ
ェライトコア202の昇温を防止できるため、安定した
加熱をすることができる。
【0063】なお、上述の各実施形態においては、本発
明の像加熱装置を、定着装置として用いた場合について
説明したが、本発明の像加熱装置はこれに限らず、画像
を担持した被記録材を加熱して表面性(つや等)を改質
する装置、仮定着する装置、その他、シート(紙葉体)
上の被加熱材を加熱処理する装置として広く利用できる
ものである。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では励磁
コイルは、コアよりも回転体の回転方向上流側の部分が
該回転体の曲面に沿って巻かれており、上記コアよりも
上記回転体の回転方向下流側のコイル部分の作用による
発熱域のピークがニップ部にあるようにしたので、被加
熱材に対して、励磁コイルから発生する磁束が効率よく
ニップ部の上流側に磁気結合して効率的に徐々に予熱が
でき、またニップの下流側の余分な磁気結合を抑えられ
るので良好な分離も行える。すなわち、本願発明特有の
コイルの巻き方により効率の良い予熱及び良好な分離性
を両立できる。定着装置にあっては、コイルの発生する
磁束が回転体たる定着フィルムをニップ上流から十分加
熱するために、被加熱材たる記録材は徐々に加熱されて
ニップに入り、発熱ピークがあるニップ部で良好に定着
された後、ニップ下流では、磁束が急激に弱わまるの
で、ニップ出口で急冷され分離されるという効果を得
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における像加熱装置を
説明する概略断面図である。
【図2】図1装置の定着フィルムの説明図である。
【図3】図1装置の励磁コイル、コアの説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における像加熱装置の
発熱量分布図である。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるカラー画像形
成装置を説明する概略断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における他の像加熱装
置を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における像加熱装置を
示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態における像加熱装置を
示す図である。
【図9】図8装置の定着フィルムの説明図である。
【図10】従来の画像形成装置を示す図である。
【図11】従来の像加熱装置を示す図である。
【符号の説明】
1 定着フィルム(回転体) 3 加圧ローラ(加圧部材) 102 離型層 103 弾性層 104 発熱層(抵抗層) 110 発熱部(抵抗体) 201 励磁コイル 203 コア N ニップ部(圧接部) P 記録材(被加熱材) T トナー(被加熱材、熱軟化性有色粉体)
フロントページの続き (72)発明者 佐野 哲也 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−76620(JP,A) 特開 平6−314041(JP,A) 特開 平8−63022(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体と、該回転体の内部に設けられて
    いる励磁コイル及び磁束を導くコアと、上記回転体と接
    触しており該回転体との間に被加熱材を挟持搬送するニ
    ップ部を形成する加圧部材と、を有する像加熱装置にお
    いて、上記コアは上記ニップ部よりも上記回転体の回転方向上
    流側に該回転体の回転方向と直交する方向に沿って設け
    られており、上記励磁コイルは上記コアの長手方向周り
    に、少なくとも上記コアよりも上記回転体の回転方向上
    流側の部分が上記回転体の曲面に沿って巻かれており、
    上記コアよりも上記回転体の回転方向下流側のコイル部
    分の作用による発熱域のピークが上記ニップ部にある
    とを特徴とする像加熱装置。
  2. 【請求項2】 上記励磁コイル及び上記コアと上記回転
    体との間に上記回転体のガイド部材を有し、このガイド
    部材が上記励磁コイルへの通電による磁場の作用で発熱
    することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 【請求項3】 上記回転体は上記励磁コイルへの通電に
    よる磁場の作用で発熱する発熱層を有することを特徴
    する請求項1に記載の像加熱装置。
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