JPH09101693A - 加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

加熱装置および画像形成装置

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JPH09101693A
JPH09101693A JP7257741A JP25774195A JPH09101693A JP H09101693 A JPH09101693 A JP H09101693A JP 7257741 A JP7257741 A JP 7257741A JP 25774195 A JP25774195 A JP 25774195A JP H09101693 A JPH09101693 A JP H09101693A
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JP
Japan
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layer
film
heat generating
rotating body
heat
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JP7257741A
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English (en)
Inventor
Tokuyoshi Abe
阿部篤義
Tetsuya Sano
佐野哲也
Hideo Nanataki
七瀧秀夫
Hiroki Kisu
木須浩樹
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱層を有するエンドレス状の回転体を具備
する加熱装置において、フィルム端部の保持部材の耐熱
性等の問題を解決すること。 【解決手段】 発熱層を有する回転体と、該回転体と対
向配置され該回転体とニップを形成する加圧部材30
と、前記発熱層に磁場を入れることで渦電流を発生させ
るための交番磁場を発生させる少なくとも1個の励磁コ
イルを有し、回転体と加圧部材間に画像担持体を挟持搬
送させることで、前記画像担持体に熱エネルギーを付与
する加熱装置において、回転体はエンドレスフィルム1
0であり、フィルムの層構成が少なくとも断熱層、発熱
層、弾性層、離型層の順で構成され、回転体の回転軸方
向に関するフィルム長をLF 、発熱層長をLM として、
F >LM を満足することとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムから直接
またはフィルムを介して画像担持体(記録材)に熱エネ
ルギーを付与する方式の加熱装置に関し、特に電子写真
装置、静電記録装置などの画像形成装置に用いられ未定
着画像を定着する加熱装置及びこのような加熱装置を具
備する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】加熱定着装置に代表される像加熱装置と
しては、従来から熱ローラ方式、フィルム加熱方式等の
接触加熱方式が広く用いられている。
【0003】その中でも、最大4層のトナー層を有する
カラーの定着装置では、ハロゲンヒータを発熱させ、定
着ローラの芯金、ゴム弾性層を介してトナー像の加熱を
行なっている。
【0004】特公平5−9027号公報では、磁束によ
り定着ローラに渦電流を発生させジュール熱によって発
熱させることが提案されている。
【0005】このように渦電流の発生を利用することで
発熱位置をトナーに近くすることができ、ハロゲンラン
プを用いた熱ローラよりも消費エネルギーの効率アップ
が達成できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
定着方法では、定着ローラという熱容量の大きなものを
加熱するため、決して効率の最良のものでもクイックス
タートができなかった。また、特公平5−9027号公
報では円筒体に渦電流を発生させジュール熱を発生させ
ると、励磁コイル、励磁鉄芯が昇温して磁束の量が減っ
てしまい発熱が不安定となる。また、ローラ内部への放
熱により熱効率も十分でない。
【0007】その他のハロゲンヒータを用いる方法は一
旦は光にエネルギーを変換しているため、効率が悪い。
【0008】また、カラーの画像記録装置ではトナー層
が最大4層まで重ねられることがあり、被記録材とトナ
ー層との界面まで十分に加熱しないと定着不良が発生す
る。このため、カラーにおけるローラ定着では、加圧ロ
ーラにもハロゲンヒータを入れているが、クイックスタ
ートを実現できないという欠点があった。また、熱容量
が大きく消費電力が大きくなるという欠点があった。
【0009】そこで、熱容量の小さいフィルムを利用し
て、電磁誘導加熱によりフィルムの導電層を発熱させる
方式があるが、加圧ローラ長よりもフィルムの発熱層長
の方が長いためにフィルムの加圧ローラと接触していな
い部分が接触している部分と比較して温度が高くなりす
ぎ、発熱層が熱疲労により脆くなったり、また、フィル
ム端部の保持部材の耐熱性を必要とし、コストアップの
要因ともなっている。本発明は上記のような問題点を解
決しフィルムや発熱層の劣化を防止し長時間の使用に耐
える加熱装置及び画像形成装置を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本出願に係る第1の
発明は、発熱層を有する回転体と、該回転体と対向配置
され該回転体とニップを形成する加圧部材と、前記発熱
層に磁場を入れることで渦電流を発生させるための交番
磁場を発生させる少なくとも1個の励磁コイルを有し、
回転体と加圧部材間に画像担持体を挟持搬送させること
で、前記画像担持体に熱エネルギーを付与する加熱装置
において、回転体はエンドレスフィルムであり、フィル
ムの層構成が少なくとも断熱層、発熱層、弾性層、離型
層の順で構成され、回転体の回転軸方向に関するフィル
ム長をLF 、発熱層長をLM とすると、 LF >LM を満足することを特徴とする。
【0011】(2)本出願に係る第2の発明は、発熱層
を有する回転体と、該回転体と対向配置され該回転体と
ニップを形成する加圧部材と、前記発熱層に磁場を入れ
ることで渦電流を発生させるための交番磁場を発生させ
る少なくとも1個の励磁コイルを有し、回転体と加圧部
材間に画像担持体を挟持搬送させることで、前記画像担
持体に熱エネルギーを付与する加熱装置において、回転
体はエンドレスフィルムであり、フィルムの層構成が少
なくとも断熱層、発熱層、弾性層、離型層の順で構成さ
れ、回転体の回転軸方向に関するフィルム長をLF 、発
熱層長をLM 、加圧部材長をLR とすると、 LF >LM ≧LR を満足することを特徴とする。
【0012】(3)本出願に係る第3の発明は、発熱層
を有する回転体と、該回転体と対向配置され該回転体と
ニップを形成する加圧部材と、前記発熱層に磁場を入れ
ることで渦電流を発生させるための交番磁場を発生させ
る少なくとも1個の励磁コイルを有し、回転体と加圧部
材間に画像担持体を挟持搬送させることで、前記画像担
持体に熱エネルギーを付与する加熱装置において、回転
体はエンドレスフィルムであり、フィルムの層構成が少
なくとも断熱層、発熱層、離型層の順で構成され、回転
体の回転軸方向に関するフィルム長をLF 、発熱層長を
M とすると、 LF >LM を満足することを特徴とする。
【0013】(4)本出願に係る第4の発明は、発熱層
を有する回転体と、該回転体と対向配置され該回転体と
ニップを形成する加圧部材と、前記発熱層に磁場を入れ
ることで渦電流を発生させるための交番磁場を発生させ
る少なくとも1個の励磁コイルを有し、回転体と加圧部
材間に画像担持体を挟持搬送させることで、前記画像担
持体に熱エネルギーを付与する加熱装置において、回転
体はエンドレスフィルムであり、フィルムの層構成が少
なくとも断熱層、発熱層、離型層の順で構成され、回転
体の回転軸方向に関するフィルム長をLF 、発熱層長を
M 、加圧部材長をLR とすると、 LF >LM ≧LR を満足することを特徴とする。
【0014】(5)本出願に係る第5の発明は、請求項
1乃至4記載の加熱装置において、発熱層、弾性層、離
型層の少なくとも一つの層間にプライマ層を有すること
を特徴とする。
【0015】(6)本出願に係る第6の発明は、請求項
1乃至5記載の加熱装置において、発熱層がある部分の
フィルムの総厚をT1 、発熱層がない部分のフィルムの
総厚をT2 とすると、T1 とT2 の厚さが略等しくなる
ようにしたことを特徴とする。
【0016】(7)本出願に係る第7の発明は、被記録
材に画像を形成する画像形成手段と、請求項1乃至6の
何れかに記載の加熱装置を具備し、前記加熱装置を前記
画像形成手段により被記録材上に形成した画像を加熱処
理する像加熱装置として備えたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図7は本発明を用いた画像形成装置
の一例としての電子写真カラープリンタの断面図であ
る。101は有機感光体やアモルファスシリコン感光体
でできた像担持体としての感光体ドラム、102はこの
感光体ドラム101に一様な帯電を行なうための帯電ロ
ーラ、110は不図示の画像信号発生装置からの信号を
レーザ光のオン/オフに変換し、感光体ドラム101に
静電潜像を形成するレーザ光学箱である。103はレー
ザ光、109はミラーである。感光体ドラム101の静
電潜像は現像器104によってトナーを選択的に付着さ
せることで顕像化される。現像器104は、イエロー
Y、マゼンダM、シアンCのカラー現像器と黒用の現像
器Bから構成され、一色ずつ感光体ドラム101上の潜
像を現像しこのトナー像を中間転写体ドラム105上に
順次重ねてカラー画像を得る。中間転写体ドラム105
は金属ドラム上に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有す
るもので、金属ドラムにバイアス電位を与えて感光体ド
ラム101との電位差でトナー像の転写を行なうもので
ある。
【0018】一方、給紙カセットから給紙ローラによっ
て送り出された被記録材Pは、感光体ドラム101の静
電潜像と同期するように転写ローラ106と中間転写体
ドラム105との間に送り込まれる。転写ローラ106
は被記録材Pの背面からトナーと逆極性の電荷を供給す
ることで、中間転写体ドラム105上のトナー像を被記
録材上に転写する。こうして、未定着のトナー像をのせ
た被記録材は加熱定着装置100で熱と圧を加えられ
て、被記録材上に永久固着させられて、排紙トレー(不
図示)へと排出される。感光体ドラム101上に残った
トナーや紙粉はクリーナ107によって除去され、ま
た、中間転写体ドラム105上に残ったトナーや紙粉は
クリーナ108によって除去され、感光体ドラムは帯電
以降の工程を繰り返す。
【0019】以下本実施形態における像加熱装置の説明
を行なう。
【0020】(1)像加熱装置の全体構成−図5 図5は本発明における像加熱装置の断面図である。
【0021】定着フィルム10は矢印の方向に回転し、
フィルムガイド16によってニップ部への加圧とフィル
ムの搬送安定性が図られている。
【0022】さらにフィルムガイド16は、高透磁率の
コア17とコイル18を支持する働きも持つ。フィルム
ガイド16は、下部半割体16a及び上部半割体16b
を有する。高透磁率コア17はフェライトやパーマロイ
等といったトランスのコアに用いられる材料がよく、よ
り好ましくは100kHz以上でも損失の少ないフェラ
イトを用いるのがよい。
【0023】コイル18には励磁回路(図6)が接続さ
れており、この回路は20kHzから500kHzの高
周波をスイッチング電源で発生できるようになってい
る。加圧ローラ30と定着フィルム10で形成されたニ
ップNに未定着トナーTをのせた被記録材Pを通すこと
で加熱定着を行なう。
【0024】このニップ内での加熱原理は、励磁回路
(図6)によってコイル18に印加される電流で発生す
る磁束は、高透磁率コア17に導かれて定着フィルム1
0の発熱層1に渦電流を発生させる。この渦電流と発熱
層1の固有抵抗によって熱が発生する。
【0025】発生した熱は発熱層1の外側に順次形成さ
れた弾性層2、離型層3を介してニップNに搬送される
被記録材Pと被記録材P上のトナーTを加熱する。ニッ
プN内ではトナーTを溶融させニップ通過後、冷却して
永久固着像とする。
【0026】(2)励磁コイル及びコア形状について−
図5 励磁コイル18及びコア17で発生した磁界を定着フィ
ルム10の発熱層1に効率よく吸収させるためには、励
磁コイル18及びコア17と定着フィルム10の発熱層
1との距離はできる限り近い方がよい。
【0027】そこで、コア17及び励磁コイル18の距
離の近い領域が大きくなるように図5のように発熱層1
の曲面に沿うように励磁コイル18を配設した。発熱層
1と励磁コイル18間の距離は略1mmになるように設
定している。図5のように励磁コイル18を配設するこ
とにより励磁コイル18と発熱層1が面する面積を大き
くとることができる。
【0028】コア17及び励磁コイル18と発熱層1と
の間の距離はできる限り近づけた方が磁束の吸収効率が
高いのであるがこの距離が5mmを越えるとこの効率が
低下するため、5mm以内にするのがよい。また、5m
m以内であれば発熱層1と励磁コイル18の距離は必ず
しも一定である必要はない。
【0029】本実施形態では励磁コイル18の巻線を1
列に配置したが2列以上で巻線を巻いてもよい。
【0030】(3)定着フィルム層構成について−図2
(A) 1は定着フィルム10の基層となる金属フィルム等でで
きた発熱層であり、非磁性の金属でも良いが、より好ま
しくは磁束の吸収の良いニッケル、鉄、磁性ステンレ
ス、コバルト−ニッケル合金等の強磁性体の金属が良
い。その厚みは次の式で表される表皮深さより厚くかつ
200μm以下にすることが好ましい。表皮深さσ
[m]は、励磁回路の周波数f[Hz]と透磁率μと固
有抵抗ρ[Ωm]で σ=503×(ρ/fμ)1/2 と表される。
【0031】これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の
深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強
度は1/e以下になっており、逆にいうと殆どのエネル
ギーはこの深さまでで吸収されている(図8)。
【0032】好ましくは発熱層1の厚さは1〜100μ
mがよい。発熱層の厚みが1μmよりも小さいとほとん
どの電磁エネルギーが吸収しきれないため効率が悪くな
る。また、発熱層が100μmを超えると剛性が高くな
りすぎ、また屈曲性が悪くなり回転体として使用するに
は現実的ではない。従って、発熱層1の厚みは1〜10
0μmが好ましい。
【0033】2は弾性層でシリコーンゴム、フッ素ゴ
ム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性がよく、熱伝導
率がよい材質である。
【0034】弾性層2の厚さは10〜500μmが好ま
しい。この弾性層2は定着画像品質を保証するために必
要な厚さである。
【0035】カラー画像を印刷する場合、特に写真画像
などでは被記録材P上で大きな面積に渡ってベタ画像が
形成される。この場合、被記録材の凹凸あるいはトナー
層の凹凸に加熱面(離型層3)が追従できないと加熱ム
ラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分で画像に光
沢ムラが発生する(伝熱量が多い部分は光沢度が高く、
伝熱量が少ない部分では光沢度が低い)。そこで弾性層
2の厚さとしては、10μm未満では被記録材あるいは
トナー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラが発生して
しまう。また、弾性層2が1000μmを超える場合に
は弾性層の熱抵抗が大きくなりクイックスタートを実現
するのが難しくなる。より好ましくは弾性層2の厚みは
50〜500μmがよい。
【0036】弾性層2の硬度は、硬度が高すぎると被記
録材あるいはトナー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ム
ラが発生してしまう。そこで、弾性層の硬度としては6
0°(JIS−A)以下、より好ましくは45°(JI
S−A)以下がよい。
【0037】弾性層2の熱伝導率λは6×10-4〜2×
10-3[cal/cm・sec・deg.]がよい。熱
伝導率λが6×10-4[cal/cm・sec・de
g.]よりも小さい場合には、熱抵抗が大きく、定着フ
ィルムの表層における温度上昇が遅くなる。熱伝導率λ
が2×10-3[cal/cm・sec・deg.]より
も大きい場合には、硬度が高くなりすぎたり、圧縮永久
歪みが悪化する。よって熱伝導率λは6×10-4〜2×
10-3[cal/cm・sec・deg.]がよい。よ
り好ましくは8×10-4〜1.5×10-3[cal/c
m・sec・deg.]がよい。
【0038】3は離型層でフッ素樹脂、シリコーン樹
脂、フッ素樹脂シリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコー
ンゴム、PFA、PTFE、FEP等の離型性かつ耐熱
性のよい材料を選択する。
【0039】離型層3の厚さは1〜100μmが好まし
い。離型層3の厚さが1μmよりも小さいと塗膜の塗ム
ラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足すると
いった問題が発生する。また、離型層が100μmを超
えると熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂
系の離型層の場合は硬度が高くなりすぎ、弾性層2の効
果がなくなってしまう。
【0040】4は断熱層で、フッ素樹脂ポリイミド樹
脂、ポリアミド樹脂、ホリアミドイミド樹脂、PEEK
樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE
樹脂、FEP樹脂などの耐熱樹脂がよい。また、断熱層
4の厚さとしては10〜1000μmが好ましい。断熱
層4の厚さが10μmよりも小さい場合には断熱効果が
得られず、また、耐久性も不足する。一方、1000μ
mを超えるとコア17及び励磁コイル18から発熱層1
の距離が大きくなり、磁束が十分に発熱層1に吸収され
なくなる。
【0041】断熱層4は、発熱層1に発生した熱が定着
フィルムの内側に向かわないように断熱できるので、断
熱層4がない場合と比較して被記録材P側への熱供給効
率が良くなる。よって、消費電力を抑えることができ
る。
【0042】(4)加圧ローラについて−図1 30は加圧ローラで芯金の周囲にシリコーンゴム、フッ
素ゴム、フッ素樹脂等を被覆して構成される。この加圧
ローラは不図示の駆動機構で駆動する。
【0043】さらに加圧ローラ側から記録材に熱エネル
ギーを供給するために、加圧ローラ30に発熱手段を設
けてもよい。
【0044】(5)長手寸法について−図1 回転体としてのエンドレスフィルムの寸法は、回転体の
回転方向と直交する方向即ち回転体の回転軸方向に関す
る長さについてみると、定着フィルムの長さLF と加圧
ローラの長さLR はフィルムエッジで加圧ローラに傷を
つけてしまうことを防止するためにLF >LR としてい
る。
【0045】コア17と励磁コイル18は定着フィルム
10の内部にありコア17の長手寸法LC は発熱層長さ
M と略等しくしてある。コア17及び励磁コイル18
で発生した磁界はLC よりも外側に回り込む。このため
C よりも外側に発熱層があれば、この部分でも発熱す
る。
【0046】従来、定着フィルム端部まで発熱層があっ
た場合は、フィルムが加圧ローラに当接している部分
と、当接していない部分を比較すると、当接している部
分は加圧ローラに熱エネルギーを奪われるが、当接して
いない部分は熱エネルギーを奪われない。よって、フィ
ルムが加圧ローラに当接していない部分は、当接してい
る部分と比較して温度上昇が大きい。このために、フィ
ルムの加圧ローラに当接していない部分は発熱層の熱疲
労が大きくなり、耐久性に悪影響を与えていた。また、
フィルム端部を保持する部材の耐熱性についても、より
高温まで耐熱性のある材料を選択する必要があった。
【0047】そこで本実施形態では、定着フィルム10
において断熱層の長さをLF 、発熱層の長さをLM 、加
圧ローラ30の長さをLR とすると、 LF >LM =LR となるように設定している。
【0048】L1 及びL2 は定着フィルム端部で発熱層
がない部分である。よって、定着フィルムにおいて、加
圧ローラに当接していない部分(L1 及びL2 の部分)
の発熱がない。また、フィルム端部に発熱層がないので
熱疲労による耐久性の悪化がない。さらに、フィルム端
部保持部材21a,21bの耐熱グレードを下げること
ができコストダウンが図れる。
【0049】発熱層の長さLM と加圧ローラ30の長さ
をLR の関係においてフィルムの寄りによる位置ずれ分
と、寸法公差分を考慮して、 LM ≧LR とする方が好ましい。これは、定着フィルム10の発熱
層1のある部分とない部分でフィルムの外周長に差があ
るために加圧ローラ30のエッジより内側にフィルムの
1 部分がかかると周速差が発生し、フィルムにねじれ
が生じやすくなるためである。
【0050】本実施形態はコア長さLC と発熱層長さL
M を略等しくしたが、本発明の効果は発熱層長さに対す
るコア長さの変化に影響されることはなく、定着フィル
ムの長さLF と発熱層の長さLM と加圧ローラ長さLR
の関係によって得られる。
【0051】本実施形態は加圧ローラでフィルムを駆動
しているが、図9のようにフィルムにテンションローラ
20によりテンションをかけてフィルムを駆動ローラ1
9によって駆動してもよい。
【0052】以上本発明により画像光沢ムラを発生させ
ずに高画像品質を保ったまま、クイックスタートが可能
な像加熱装置を提供することができた。
【0053】本実施形態ではトナーTに低軟化物質を含
有させたトナーを使用したため、加熱定着装置にオフセ
ット防止のためのオイル塗布機構を設けていないが、低
軟化物質を含有させていないトナーを使用した場合には
オイル塗布機構を設けてもよい。また、定着ニップ後に
冷却部を設けて、冷却分離を行なってもよい。また、低
軟化物質を含有させたトナーを使用した場合にもオイル
塗布や冷却分離を行なってもよい。
【0054】本実施形態では4色カラー画像形成装置に
ついて説明してきたが、モノクロ或いは1パスマルチカ
ラー画像形成装置に利用してもよい。この場合は、図2
(B)に示すように定着フィルム10において弾性層2
を省略してもよい。
【0055】(第2の実施形態)本実施形態において
は、第1の実施形態の加熱装置において、図3に示すよ
うに定着フィルム10の端部で発熱層1がない部分L1
(及びL2 )のフィルムの総厚T1 と、発熱層がある部
分LM のフィルムの総厚T2 とが略等しくなるようにし
ている。そのため、L1 部分の離型層2の厚さをLM
分の発熱層の厚さ分だけ厚くしている。これにより、定
着フィルムの総厚は発熱層がある部分とない部分で等し
くなっている。それ以外の構成は第1の実施形態と同じ
である。
【0056】第1の実施形態においては、定着フィルム
10の発熱層1のある部分(LM )とない部分(L1
びL2 )でフィルムの外周長の差による周速差を考慮し
なければならなかったが、本実施形態では周速差が生じ
ないために基本的にLM =LR でよい。また、寸法公差
でLM <LR となっても問題はない。
【0057】(第3の実施形態)本実施形態において
は、第2の実施形態の加熱装置において定着フィルム1
0の端部で発熱層1がない部分L1 (及びL2 )のフィ
ルムの総厚T1 と、発熱層がある部分LM のフィルムの
総厚T2 とが略等しくするためのもう一つの実施形態で
ある。本実施形態においては図4(A)に示すようにL
1 部分の離型層2の厚さをLM 部分の発熱層の厚さ分だ
け厚くしている。これにより、定着フィルムの総厚は発
熱層がある部分とない部分で等しくなっている。
【0058】これにより実施形態2と同等の効果が得ら
れる。また、図4(B)に示すように定着フィルム10
において弾性層2を省略してもよい。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
定着フィルム端部で加圧ローラに当接しない部分に発熱
層がないのでフィルム端部の昇温がなく、フィルム端部
の熱疲労による耐久性の悪化がない。さらに、フィルム
端部保持部材の耐熱グレードを下げることができコスト
ダウンが図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加熱装置の1実施形態の正面図
【図2】本発明に係る第1の実施形態の定着フィルム及
び加圧ローラの一部断面図
【図3】本発明に係る第2の実施形態の定着フィルム及
び加圧ローラの一部断面図
【図4】本発明にかかる第3の実施形態の定着フィルム
及び加圧ローラの一部断面図
【図5】本発明に係る第1の実施形態に用いた像加熱装
置の断面図
【図6】本発明に係る第1の実施形態の励磁コイル、コ
ア、ステイの斜視図
【図7】本発明に係る第1の実施形態に用いた画像形成
装置の断面図
【図8】発熱層深さと電磁波強度の関係を示したグラフ
【図9】本発明に係る第1の実施形態に用いた加熱装置
の断面図
【符号の説明】
1…発熱層 2…弾性層 3…離型層 4…断熱層 10…定着フィルム 17…高透磁率
コア 18…励磁コイル 21a,b…フ
ィルム端部保持部材 30…加圧ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木須浩樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱層を有する回転体と、該回転体と対
    向配置され該回転体とニップを形成する加圧部材と、前
    記発熱層に磁場を入れることで渦電流を発生させるため
    の交番磁場を発生させる少なくとも1個の励磁コイルを
    有し、回転体と加圧部材間に画像担持体を挟持搬送させ
    ることで、前記画像担持体に熱エネルギーを付与する加
    熱装置において、 回転体はエンドレスフィルムであり、フィルムの層構成
    が少なくとも断熱層、発熱層、弾性層、離型層の順で構
    成され、回転体の回転軸方向に関するフィルム長を
    F 、発熱層長をLM とすると、 LF >LM を満足することを特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】 発熱層を有する回転体と、該回転体と対
    向配置され該回転体とニップを形成する加圧部材と、前
    記発熱層に磁場を入れることで渦電流を発生させるため
    の交番磁場を発生させる少なくとも1個の励磁コイルを
    有し、回転体と加圧部材間に画像担持体を挟持搬送させ
    ることで、前記画像担持体に熱エネルギーを付与する加
    熱装置において、 回転体はエンドレスフィルムであり、フィルムの層構成
    が少なくとも断熱層、発熱層、弾性層、離型層の順で構
    成され、回転体の回転軸方向に関するフィルム長を
    F 、発熱層長をLM 、加圧部材長をLR とすると、 LF >LM ≧LR を満足することを特徴とする加熱装置。
  3. 【請求項3】 発熱層を有する回転体と、該回転体と対
    向配置され該回転体とニップを形成する加圧部材と、前
    記発熱層に磁場を入れることで渦電流を発生させるため
    の交番磁場を発生させる少なくとも1個の励磁コイルを
    有し、回転体と加圧部材間に画像担持体を挟持搬送させ
    ることで、前記画像担持体に熱エネルギーを付与する加
    熱装置において、 回転体はエンドレスフィルムであり、フィルムの層構成
    が少なくとも断熱層、発熱層、離型層の順で構成され、
    回転体の回転軸方向に関するフィルム長をLF、発熱層
    長をLM とすると、 LF >LM を満足することを特徴とする加熱装置。
  4. 【請求項4】 発熱層を有する回転体と、該回転体と対
    向配置され該回転体とニップを形成する加圧部材と、前
    記発熱層に磁場を入れることで渦電流を発生させるため
    の交番磁場を発生させる少なくとも1個の励磁コイルを
    有し、回転体と加圧部材間に画像担持体を挟持搬送させ
    ることで、前記画像担持体に熱エネルギーを付与する加
    熱装置において、 回転体はエンドレスフィルムであり、フィルムの層構成
    が少なくとも断熱層、発熱層、離型層の順で構成され、
    回転体の回転軸方向に関するフィルム長をLF、発熱層
    長をLM 、加圧部材長をLR とすると、 LF >LM ≧LR を満足することを特徴とする加熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4記載の加熱装置におい
    て、発熱層、弾性層、離型層の少なくとも一つの層間に
    プライマ層を有することを特徴とする加熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5記載の加熱装置におい
    て、発熱層がある部分のフィルムの総厚をT1 、発熱層
    がない部分のフィルムの総厚をT2 とすると、T1 とT
    2 の厚さが略等しくなるようにしたことを特徴とする加
    熱装置。
  7. 【請求項7】 被記録材に画像を形成する画像形成手段
    と、請求項1乃至6の何れかに記載の加熱装置を具備
    し、前記加熱装置を前記画像形成手段により被記録材上
    に形成した画像を加熱処理する像加熱装置として備えた
    ことを特徴とする画像形成装置。
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