JPH06258969A - 加熱定着装置 - Google Patents

加熱定着装置

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JPH06258969A
JPH06258969A JP6905993A JP6905993A JPH06258969A JP H06258969 A JPH06258969 A JP H06258969A JP 6905993 A JP6905993 A JP 6905993A JP 6905993 A JP6905993 A JP 6905993A JP H06258969 A JPH06258969 A JP H06258969A
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JP
Japan
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heat
heating body
film
layer
fixing device
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Application number
JP6905993A
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English (en)
Inventor
Yasumasa Otsuka
康正 大塚
Yoji Tomoyuki
洋二 友行
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、オフセットを確実に防止で
き、転写抜けを発生させることのない加熱定着装置を提
供することにある。 【構成】 定着フィルム7を、絶縁性の樹脂基材10
1、例えば体積抵抗1011Ωcm以上の耐熱性樹脂、P
FA、PTFE等をチューブ状に形成したもので構成す
る。このようにPFA、PTFE等を使用することによ
り、フィルムと加熱体との摺擦によるフィルム内面の帯
電極性はマイナスとなり、この電荷によってフィルム外
面にマイナストナーを反発させるような電界を生じさせ
ることができるので、オフセットを防止することが可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱フィルムを介して
加熱体により記録材上のトナー像を加熱する加熱定着装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、画像の加熱定着等のため
の記録材の加熱装置としては、所定の温度に維持された
加熱ローラと、弾性層を有して該加熱ローラに圧接する
加圧ローラを有し、両ローラによって、未定着のトナー
画像が形成された記録材を挟持搬送しつつ加熱する熱ロ
ーラ方式が多用されている。
【0003】また、本出願人は、先に特開昭63−31
3182号公報で、固定支持された加熱体(サーマルヒ
ータ)と、該ヒータに対向圧接しつつ搬送される耐熱性
フィルム(定着フィルム)と、該フィルムを介して記録
材をヒータに密着させる加圧部材を有し、ヒータの熱を
フィルムを介して記録材へ付与することで記録材面に形
成担持されている未定着画像を記録材面に加熱定着され
る方式・構成の定着装置を提案した。
【0004】このようなフィルム加熱方式の定着装置に
おいては、ヒータとして低熱容量加熱体を用いることが
できる。そのため従来の接触式加熱方式である熱ローラ
方式やベルト加熱方式に比べて省電力化及びウェイトタ
イム短縮化(クイックスタート)が可能になる。
【0005】しかし、このようなフィルム加熱方式の加
熱定着装置においても静電的な要因によるオフセットが
発生する。これは特にマイナス帯電したトナーを加熱す
る場合、顕著である。
【0006】そこで、特開平1−187582号公報
で、フィルムのトナー像と接する離型層を低抵抗化し、
この離型層を接地することでフィルムの表面電位を低下
させるトナー画像の乱れやゴミの吸着を防止することが
提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記従来例では、以下のような問題点があった。先ず、上
記従来例ではオフセットを充分に防止することができな
かった。これは、本発明者等が検討したところ、フィル
ム内面が強くプラスに帯電し、このプラス電位がフィル
ムのトナー側表面まで影響し、逆極性であるトナーと静
電的に吸引し合うためであることが判かった。
【0008】次に別の問題として、フィルムの表面離型
層を低抵抗化した場合、吸湿して低抵抗化した記録材を
加熱すると、記録材に保持されているトナーと逆極性の
転写電荷が離型層にリークしてしまい、記録材とトナー
間の静電的吸引力が働かなくなりオフセットし易くなっ
たり、記録材が大きく低抵抗化した場合、転写電流が記
録材を通して離型層に流れ込んでしまい転写抜けが発生
してしまうことがある。特に、坪量が100g/m2
超える紙や吸湿した紙においては紙の抵抗が下がるた
め、この現象が顕著に起こる。
【0009】逆に、離型層の絶縁性を高くすると、紙の
後端がフィルムと剥離する際に放電し、そのためにフィ
ルム表面に局所的に剥離帯電電荷が溜り、+20〜+5
0Vの電位となってマイナストナーを吸着するためオフ
セットとなる。
【0010】本発明は、上記問題点を解決し、オフセッ
トを確実に防止でき、転写抜けを発生させることのない
加熱定着装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願第一発明によれば、
上記目的は、加熱体と、一面を該加熱体と接触させ他面
をトナー像が支持された記録材と接触させて移動する耐
熱性フィルムとを有し、上記加熱体からの熱で記録材上
のトナー像を加熱する加熱定着装置において、上記トナ
ーは摩擦帯電により負の帯電極性を有するものであり、
上記フィルムは、摩擦帯電により負の帯電極性を有する
部材で形成されていることにより達成される。
【0012】また、本願第二発明によれば、上記目的
は、加熱体と、一面を該加熱体と接触させ他面をトナー
像が支持された記録材と接触させて移動する耐熱性フィ
ルムと、該耐熱性フィルムを介して上記加熱体に圧接す
るように配設された加圧部材とを有し、上記加熱体から
の熱で記録材上のトナー像を加熱する加熱定着装置にお
いて、上記耐熱性フィルムは上記加熱体に接する側から
順に、絶縁性の基層、導電性のプライマ層、絶縁性の離
型層とで形成され、上記加圧部材は接地された芯金と、
該芯金上に形成され電気的にフロート状態とされた導電
層で形成されていることにより達成される。
【0013】さらに、本願第三発明によれば、上記目的
は、加熱体と、一面を該加熱体と接触させ他面をトナー
像が支持された記録材と接触させて移動する耐熱性フィ
ルムと、該耐熱性フィルムを介して上記加熱体に圧接す
るように配設された加圧部材とを有し、上記加熱体から
の熱で記録材上のトナー像を加熱する加熱定着装置にお
いて、上記耐熱性フィルムは上記加熱体と接する側から
順に、絶縁性の基層、導電性のプライマ層、絶縁性の離
型層とで形成されており、上記加圧部材は導電性の芯金
上に導電性の弾性層が形成されており、該導電性の芯金
は起電力素子を介して接地されていることにより達成さ
れる。
【0014】また、本願第四発明によれば、上記目的
は、加熱体と、一面を該加熱体と接触させ他面をトナー
像が支持された記録材と接触させて移動する耐熱性フィ
ルムとを有し、上記加熱体からの熱で記録材上のトナー
像を加熱する加熱定着装置において、上記耐熱性フィル
ムは上記加熱体と接する側から順に、絶縁性の基層、接
地された導電性のプライマ層、絶縁性の中間層、電気的
にフロート状態とされた導電性の離型層で形成されてい
ることにより達成される。
【0015】さらに、本願第五発明によれば、上記目的
は、加熱体と、一面を該加熱体と接触させ他面をトナー
像が支持された記録材と接触させて移動する耐熱性フィ
ルムと、該耐熱性フィルムを介して上記加熱体に圧接す
るように配設され導電性芯金を備えた加圧部材とを有
し、上記加熱体からの熱で記録材上のトナー像を加熱す
る加熱定着装置において、上記耐熱性フィルムは上記加
熱体に接する側から順に、絶縁性の基層、導電性のプラ
イマ層、高抵抗の離型層で形成されており、上記導電性
のプライマ層と上記加圧部材の導電性芯金間を整流素子
を介して接続し、上記加圧部材の導電性芯金を起電力素
子を介して接続したことにより達成される。
【0016】
【作用】本願第一発明によれば、フィルムは加熱体及び
記録材等との接触により負に帯電し、記録材上の負に帯
電したトナーとの間に電気的反発力を発生させ、オフセ
ットを防ぐ。
【0017】また、本願第二発明によれば、フィルムの
基層は絶縁性であるために加熱体からの電流の漏れを防
ぐ。また、該基層は加熱体との接触によりトナーと逆極
性に帯電するが、該基層の上層のプライマ層が導電性で
あるために該基層をシールドし、上記トナーと逆極性の
電荷の離型層への移動を防ぐ。さらに、トナーに負帯電
極性のものを用いた場合には、記録材は正に帯電してお
り、記録材の後端がフィルムと剥離する際に剥離帯電に
より離型層に正の電荷が残されるが、該離型層と接触す
る加圧部材の表層が導電性であるために上記正の電荷は
該表層に転移し、該表層全面へ拡散する。そして、該表
層は電気的にフロート状態にあるため上記正の電荷を保
持し、記録材の裏面から電気的引力によりトナーを引き
付けてオフセットを防止する。
【0018】さらに、本願第三発明によれば、フィルム
の基層は絶縁性であるために加熱体からの電流の漏れを
防ぐ。また、該基層は加熱体との接触によりトナーと逆
極性に帯電するが、該基層の上層のプライマ層が導電性
であるために該基層をシールドし、上記トナーと逆極性
の電荷の離型層への移動を防ぐ。さらに、トナーに負帯
電極性のものを用いた場合には、記録材は正に帯電して
おり、記録材の後端がフィルムと剥離する際に剥離帯電
により離型層に正の電荷が残されるが、該離型層と接触
する加圧部材の表層が導電性であるために上記正の電荷
は該表層に転移する。さらに、導電性芯金が起電力素子
を介して接地されているために該表層の電位は所定値に
維持され、記録材の裏面から電気的引力によりトナーを
引き付けてオフセットを防止する。
【0019】また、本願第四発明によれば、フィルムの
基層は絶縁性であるために加熱体からの電流の漏れを防
ぐ。また、該基層は加熱体との接触によりトナーと逆極
性に帯電するが、該基層の上層のプライマ層が導電性で
あり接地されているために逆極性の電界を消去する。さ
らに、トナーに負帯電極性のものを用いた場合には、記
録材は正に帯電しており、記録材の後端がフィルムと剥
離する際に剥離帯電により離型層に正の電荷が残される
が、該離型層は導電性で電気的にフロート状態にあるた
め、上記正の電荷は該離型層全面に広がり、一部分に高
い正電位を生じさせない。さらに、離型層とプライマ層
が容量の大きいコンデンサを作るため、剥離帯電による
電荷が耐久で蓄積しても、記録材と離型層間の電界が弱
まり、また、絶縁中間層等を介して剥離電荷が漏れるた
め、表面電位としては小さくなり、オフセットを生じさ
せない。
【0020】さらに、本願第五発明によれば、フィルム
の基層は絶縁性であるために加熱体からの電流の漏れを
防ぐ。また、該基層は加熱体との接触によりトナーと逆
極性に帯電するが、該基層の上層のプライマ層が導電性
であるために該基層をシールドし、上記トナーと逆極性
の電荷の離型層への移動を防ぐ。さらに、トナーに負帯
電極性のものを用いた場合には、記録材は正に帯電して
おり、記録材の後端がフィルムと剥離する際に剥離帯電
により離型層に正の電荷が残されるが、該電荷は該離型
層を介して上記プライマ層に移動する。そして、該プラ
イマ層は、加圧部材の導電性芯金と整流素子を介して接
続されているため、上記基層から移動した電荷と剥離帯
電による電荷は共に加圧部材の表層に転移する。さら
に、導電性芯金が起電力素子を介して接地されているた
めに該表層の電位は所定値に維持され、記録材の裏面か
ら電気的引力によりトナーを引き付けてオフセットを防
止する。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0022】〈実施例1〉先ず、本発明の実施例1を図
1及び図2に基づいて説明する。図1は本発明の実施例
の加熱定着装置を有する画像形成装置の概略断面図であ
る。
【0023】図1において記録材Pは、画像形成部Aの
感光ドラム21の表面に形成された現像像が、転写帯電
手段22によって記録材Pの背面にトナー帯電極性(マ
イナス)と逆極性のプラスの電荷が与えられることによ
って転写され、その転写トナー像Taを静電気的に記録
材面に保持して定着装置へ搬送され、以下のような定着
装置にて加熱定着される。
【0024】7はエンドレスベルト状の加熱フィルムで
ある定着フィルム(耐熱性フィルム)であり、左側の駆
動ローラ8と、右側の従動ローラ9と、該駆動ローラ8
及び従動ローラ9間の下方に配置した加熱体としての低
熱容量線状加熱体1との三部材間に懸回張設してある。
定着フィルム7についての層構成の詳細は後述する。
【0025】従動ローラ9はエンドレスベルト状の定着
フィルム7のテンションローラを兼ねさせており、該定
着フィルム7は駆動ローラ8の時計方向回転駆動に伴い
時計方向に所定の周速度、すなわち画像形成部A側から
搬送されてくる未定着トナー画像Taを上面に担持した
記録材(転写材シート)Pの搬送速度と同じ周速度をも
って皺や蛇行、速度遅れなく回動駆動される。
【0026】10は鉄・ステンレス等の芯金11にシリ
コーンゴム等の離型性の良いゴム弾性層12を形成した
加圧部材としての加圧ローラであり、上記エンドレスベ
ルト状の定着フィルム7の下行側部分を挟ませて加熱体
1の下面に対して付勢手段(図示せず)により例えば総
加圧力40〜120Nをもって対向圧接させてあり、記
録材Pの搬送方向に順方向の反時計方向に芯金11を中
心に回転する。なお、芯金11はノイズ防止のために接
地してある。
【0027】加熱体1はフィルム7の面移動方向と交差
する方向を長手方向とする低熱容量線状加熱体であり、
ヒータ基板3、通電発熱抵抗体(発熱体)4、検温素子
5等よりなり、ヒータ支持体2に取付け保持させて固定
支持させてある。
【0028】ヒータ支持体2は加熱体1を定着装置及び
画像形成装置全体に対し断熱支持する断熱性・高耐熱性
・剛性を有するもので構成できる。
【0029】ヒータ基板3は耐熱性・絶縁性・低熱容量
の部材であり、本実施例においては厚み1.0mm、幅
10mm,長さ240mmのアルミナ基板である。
【0030】発熱体4はヒータ基板3の下面(フィルム
7との対面側)の略中央部に長手に沿って、例えば、A
g/Pd(銀パラジウム)、Ta2N等の電気抵抗材料
を厚み約10μm、幅1〜3mmにスクリーン印刷等に
より塗工し、その上に表面保護層として耐熱ガラス6を
約10μmコートしたものである。
【0031】発熱体4及びヒータ基板3の熱容量が小さ
く、かつ、これらがヒータ支持体2により断熱支持され
ているので、定着フィルム7を介して形成される加熱体
1と加圧ローラ10の圧接部Nにおける加熱体1の表面
温度は、短時間にトナーの融点(または記録材Pへの定
着可能温度)に対して充分な高温に昇温するので、加熱
体1を予め昇温させておく(いわゆるスタンバイ状態)
必要がなく、省エネルギーが実現でき、しかも機内昇温
も防止できる。
【0032】検温素子5は本実施例ではヒータ基板3の
上面(発熱体4を設けた面とは反対側の面)の略中央部
にスクリーン印刷等により塗工して具備させたPt膜等
の低熱容量の測温抵抗体である。しかしこれに限られる
ものではなく、他に低熱容量のサーミスタ等をヒータ基
板3に当接配置する構成にしてもよい。
【0033】本実施例の加熱体1の場合は、線状または
帯状をなす発熱体4に対し、その長手方向両端部より通
電し、発熱体4を略全長に亘って発熱させる。この発熱
体4を検温素子5の検知温度に応じてトライアックを含
む通電制御回路(図示せず)により、検知素子5の検知
温度が所定の定着温度に維持されるように通電電力が制
御される。
【0034】以上のような本実施例装置において、上記
未定着トナー画像Taを上面に担持した記録材Pは、定
着フィルム7を介して形成された加熱体1と加圧ローラ
10との圧接部N(定着ニップ部)へガイド18に案内
されて進入し、未定着トナー画像面が定着フィルム7の
下面に密着する。該定着フィルム7は記録材Pの搬送速
度と同一速度で同一方向に回動しているため、上記記録
材Pは定着フィルム7に対して面ずれ・皺・寄りを生じ
ることなく定着フィルム7と重なった状態で上記圧接部
N間を挟圧力を受けつつ通過する。加熱体1は画像形成
スタート信号により所定のタイミングで通電加熱される
ので、トナー画像Taは圧接部Nにおいて加熱を受けて
軟化・溶融像Tbとなる。
【0035】定着フィルム7は、支持体2の曲率の大き
い(曲率半径が約2mm)エッジ部Sにおいて、急角度
(屈折角度θが略45°)で走行方向が転向する。した
がって、定着フィルム7と重なった状態で圧接部Nを通
過して搬送された記録材Pは、エッジ部Sにおいて定着
フィルム7から曲率分離し、排紙トレイへ排紙される。
トナーは記録材Pが排紙される時までに充分冷却固化
し、記録材Pに完全に定着した状態(トナー画像Tc)
となる。
【0036】次に、加熱フィルムである定着フィルム7
について説明する。図2は定着フィルム7の層構成を示
す断面図である。絶縁性の樹脂基材101は厚さ20〜
100μm、体積抵抗1011Ωcm以上の耐熱性樹脂、
PFA、PTFE等をチューブ状のフィルムに形成した
ものである。PFA、PTFE等を使用することによ
り、フィルムと加熱体との摺擦によるフィルム内面の帯
電極性はマイナスとなり、この電荷によってフィルム外
面にマイナストナーを反発させるような電界を生じさせ
ることができるので、オフセットを防止することが可能
となる。
【0037】また、PFA、PTFEは外面側で記録材
である紙や、加圧ローラのシリコーンゴム等と摺擦して
もマイナスに帯電するため、この点からもオフセットに
対して良好である。
【0038】〈実施例2〉次に、本発明の実施例2を図
3に基づいて説明する。なお、実施例1との共通箇所に
は同一符号を付して説明を省略する。
【0039】図3は本実施例におけるフィルム7の構成
を示す図で、フィルムの基材102としてポリイミドや
ガラス繊維の織布を用いるものである。これらを基材と
して用いることでフィルムの寸法精度、特に高温時の寸
法精度を保ち易く、また引張り力、引き裂き力に対して
も実施例1に比較して数段改善されたものとなる。
【0040】そして、このフィルム基材102に対し
て、スプレーまたはディッピングによって内周面、及び
外周面にPFA、PTFE、FEP等あるいはこれらの
混合物を塗布して焼成成膜する。
【0041】これによって、外周面、内周面ともマイナ
スに帯電し、マイナストナーに対して反発力を発生させ
ることができるので、オフセットを防止することが可能
となる。また、フィルム内周面におけるヒータとの摺擦
抵抗を減少させて定着装置しての駆動トルクを低減させ
ると共に、外周面の離型性をも向上させて、メカニカル
なオフセットを防止できる利点もある。
【0042】また、内周面のコーティング104と外周
面のコーティング103は異なるものがそれぞれ内周面
は耐摺擦性、外周面は離型性を重視してマイナス帯電を
する材料を選択すれば良い。
【0043】〈実施例3〉次に、本発明の実施例3につ
いて説明する。なお、実施例1との共通箇所には同一符
号を付して説明を省略する。
【0044】実施例1及び実施例2においては、摩擦帯
電によってフィルムがマイナスに帯電するようにその材
質を選択した。しかしながら、通常は、樹脂そのままの
帯電では1kV以上の高い電圧となってしまい、未定着
トナー像を尾引きさせてしまったり、周囲の金属に対し
て放電してノイズを生じたりする虞がある。
【0045】そこで、実施例1においては、フィルム基
材101、実施例2においてはコーティング103、1
04に使用する材料中にカーボンブラック、金属粉、金
属酸化物、界面活性剤、金属ウィスカー、酸化物ウィス
カーを添加して、フィルムのマイナス帯電を数百Vに抑
えることができる。これによって、上述の問題が解決さ
れると共に、添加物によるフィルムやコーティングの強
化が図れる利点もある。また、添加物の他にフィルムの
表面を陽極酸化やエッチング等の処理を行ったり、コー
ティング材の一部の基を置換することによるマイナス帯
電の制御も可能である。
【0046】〈実施例4〉次に、本発明の実施例4を図
4及び図5に基づいて説明する。なお、実施例1との共
通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0047】本実施例の定着装置は定着フィルム7及び
加圧ローラ10の構成を除いて実施例1の定着装置の構
成と同様であり、図4に示すように実施例1と同様な画
像形成装置に用いられる。なお、本実施例装置における
転写−定着間の距離は最大記録材長より短く設定されて
いる。
【0048】次に、加熱フィルムである定着フィルム7
について説明する。図5は定着フィルム7の層構成を示
す断面図である。絶縁性の樹脂基材105は厚さ20〜
80μm、体積抵抗1011Ωcm以上の耐熱性のポリイ
ミドから成る。基材105には表面抵抗107Ω/□以
下、厚み3〜8μmのプライマ層106より、絶縁性・
離型性にすぐれた耐圧30V以上であるPFA・PTF
E等のフッ素樹脂やシリコーン樹脂から成る離型層10
7が接着されている。
【0049】例えば、体積抵抗1014Ωcm、厚み40
μmのポリイミドフィルム105の上に、表面抵抗5×
104Ω/□、厚み4μmのプライマー106、その上
にPFA(四フッ化エチレン−パーフルオロビニルエー
テル共重合体)・PTFEの比が20/80から成るフ
ッ素樹脂を厚み18μmでスプレー塗布して離型層10
7を形成したものが使用可能である。
【0050】また、本実施例では加熱体と摺動するフィ
ルム基材105を絶縁性としている。これは、フィルム
内面の摩擦帯電電位を低くするために基材105に導電
性物質を添加して低抵抗化すると、通電される電気抵抗
材料との距離が非常に小さいため電流がリークする問題
が発生する。このリークの問題を解決するために保護層
を厚くするとクイックスタート性が低下してしまうの
で、絶縁性の基材105を設けることでクイックスター
ト性を低下させることなくリークの問題を解決してい
る。
【0051】しかし、基材105は加熱体等との摩擦帯
電によりトナーと逆極性のプラスに強く帯電しているた
め、フィルムの摺動面の帯電電位がトナーに静電的吸引
力を及ぼす。これを防止するために、プライマ層106
を導電性にし、シールドしている。
【0052】また、本実施例ではPTFEにPFAを混
合したフッ素樹脂で離型層107を形成している。
【0053】さらに、加圧ローラ10は芯金11の周上
に絶縁性かつ耐熱性のシリコーン層12を巻き、その表
面上にカーボンブラック入りの導電性かつ離型性の良い
表層13を設けたものである。芯金11は接地され、ノ
イズを防止すると共に表層13との間でコンデンサーを
形成する。表層13は電気的にフロート状態としてお
く。
【0054】従来のフィルム方式の定着装置において、
マイナストナーを用いた場合には、紙はプラス帯電をし
ており、紙の後端が定着フィルムと剥離する際には図5
(a)のようにプラス電荷が剥離帯電でフィルムに残さ
れる。これによって次の紙にオフセットが生じる。
【0055】そこで、本発明では、図5(b)のよう
に、定着フィルム7表面に局所的に蓄積した剥離帯電電
荷は、ニップ部を通る際に加圧ローラ10の導電性表層
13へ転移し、加圧ローラ外周全面へ拡散する。
【0056】このため、定着フィルム7の表面の剥離帯
電電荷は除かれ、かつ、加圧ローラ10にはトナーを紙
の裏面から引力を働かせるように、プラスに帯電してお
り、よりオフセット防止に効果が上がる。
【0057】表層13の材料としては、例えばPFAに
カーボンブラックを分散させたもの(例えば、グンゼ
(株)製のGFチューブの導電性のもの)あるいは導電
性シリコーンを用いれば良い。
【0058】〈実施例5〉次に、本発明の実施例5を図
6に基づいて説明する。なお、実施例1及び実施例4と
の共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0059】実施例4では、加圧ローラ10を二層構造
としたが、本実施例では、図6に示すように、導電性の
ある耐熱性ゴム層24、例えば導電性シリコーンやフッ
素ゴムを用い、加圧ローラ芯金11をダイオード23を
介して接地することで、トナーと逆極性のバイアス電位
を加圧ローラ10に印加させることができる。
【0060】これによって、実施例4と同じく定着フィ
ルム7の剥離帯電電荷を除去し、かつ、トナーを紙へ拘
束する力を加圧ローラ10に生じたバイアス電位で作る
ことができるので、オフセットに対して効果がある。こ
れによって、加圧ローラ10の構造を簡素化できる。
【0061】〈実施例6〉次に、本発明の実施例6を図
7に基づいて説明する。なお、実施例1及び実施例4並
びに実施例5との共通箇所には同一符号を付して説明を
省略する。
【0062】図7の如く加圧ローラ10を導電性のゴム
層25と、導電性の樹脂層26から構成しても良い。
【0063】具体的には、ゴム層25はカーボンブラッ
ク入りシリコーンゴム、樹脂層26はカーボンブラック
入りPFAをコーティングまたはチューブを収縮させて
接着させて作れば良い。
【0064】これによって、実施例4及び実施例5より
加圧ローラの離型性を向上させながらオフセットを防止
できる。
【0065】以上の実施例4ないし実施例6ではマイナ
ストナーに関して説明したが、プラストナーに対しても
応用できることは明らかである。すなわち、実施例5及
び実施例6については、ダイオードの向きを逆転させる
だけで良い。
【0066】〈実施例7〉次に、本発明の実施例7を図
8ないし図10に基づいて説明する。なお、実施例1及
び実施例4との共通箇所には同一符号を付して説明を省
略する。
【0067】本実施例の定着装置は定着フィルム7及び
導電ブラシ27の構成を除いて実施例1の定着装置の構
成と同様であり、図8に示すように実施例1及び実施例
4と同様な画像形成装置に用いられる。本実施例装置に
おける転写−定着間の距離は最大記録材長より短く設定
されている。
【0068】次に、加熱フィルムである定着フィルム7
について説明する。図9は定着フィルム7の層構成を示
す断面図である。絶縁性の樹脂基材105は厚さ20〜
80μm、体積抵抗1011Ωcm以上の耐熱性のポリイ
ミドから成る。基材105には表面抵抗107Ω/□以
下、厚み3〜8μmのカーボンとPESとPFAの混合
物のプライマ層106より、絶縁性・離型性にすぐれた
耐圧30V以上であるPFA・PTFE等のフッ素樹脂
やシリコーン樹脂から成る絶縁中間層108が厚さ5〜
8μmが接着されている。
【0069】そして、さらにその上に、カーボンブラッ
クを1〜4wt%固形分比で分散させたフッ素樹脂やシ
リコーンゴム樹脂の3〜5μmの離型層109を接着す
る。ここで、絶縁中間層108の樹脂と離型層109の
主となる樹脂は接着性を良くするために同種のものが好
ましい。
【0070】離型層109の表面抵抗は104〜108Ω
/□が好ましい。104Ω/□以下にするとカーボン量
が多くなりすぎて離型性の低下が生じるためのかえって
オフセットし易くなる。一方で、108Ω/□以上では
充分に剥離帯電電荷の移動分離が行われないうちに、次
の紙が定着装置に入るようになるため、オフセットが防
止できない。
【0071】例えば、体積抵抗1014Ωcm、厚み45
μmのポリイミドフィルム105の上に、表面抵抗5×
104Ω/□、厚み4μmのプライマー106、その上
に絶縁中間層108としてPFA(四フッ化エチレン−
パーフルオロビニルエーテル共重合体)・PTFEの比
が20/80から成るフッ素樹脂を厚み10μmで、さ
らに最外層にPFAとPTFEの比が20/80で、固
形分比で4wt%のカーボンブラックを添加した厚さ5
μmの離型層をスプレー塗布したものが使用できる。
【0072】また、本実施例では加熱体と摺動するフィ
ルム基材105を絶縁性としている。これは、フィルム
内面の摩擦帯電電位を低くするために基材105に導電
性物質を添加して低抵抗化すると、通電される電気抵抗
材料との距離が非常に小さいため電流がリークする問題
が発生する。
【0073】このリークの問題を解決するために保護層
を厚くするとクイックスタート性が低下してしまうの
で、絶縁性の基材105を設けることでクイックスター
ト性を低下させることなくリークの問題を解決してい
る。
【0074】しかし、基材105は加熱体等との摩擦帯
電によりトナーと逆極性のプラスに強く帯電しているた
め、フィルムの摺動面の帯電電位がトナーに静電的吸引
力を及ぼす。これを防止するために、プライマー層を導
電性にし、シールドしている。
【0075】そして、この導電プライマ層106はグラ
ンドに接地されている。そして、中間絶縁層108はP
FAとPTFEとを混合したフッ素樹脂でPFAによつ
てPTFEのピンホールを少なくして離型層の体積抵抗
を大きくしている。これは、紙にトナーを保有するため
の電荷のリークを防止するためである。
【0076】離型層109は、PFA、PTFEの混合
物にカーボンブラック(商品名ライオンペーストW−3
10A、ライオン(株)製)を固形分比で1〜4wt%
分散させたものである。そしてこの層は電気的にフロー
ト状態である。
【0077】ここではカーボンブラックを用いて離型層
109の導電化を図ったが、他に金属粉、金属ウィスカ
ー等の導電性を与える粒子を加えても良い。
【0078】剥離帯電によって離型層109表面に発生
した電荷は、定着フィルム全面に広がるため、一部分に
高いプラス電位を生じさせることがない。
【0079】また、離型層104とプライマ層102が
容量の大きいコンデンサを作るため剥離帯電による電荷
が耐久で蓄積しても表面電位としては数Vのレベルを超
えずオフセットを生じない。
【0080】これは、一つには表面が少しでもプラスに
帯電すると、紙と定着フィルム間の電界が弱まって剥離
帯電が抑制されるからであり、もう一つの理由として
は、絶縁中間層や加圧ローラを介して微小ではあるが、
剥離電荷のリークがあるからである。
【0081】なお、図10は定着フィルムの軸方向の層
構成であり、表層離型層109が中間絶縁層108によ
って完全に絶縁されるようになっていることを示すもの
である。導電性プライマ層106は導電ブラシ27によ
って接地されている。
【0082】〈実施例8〉次に、本発明の実施例8を図
11に基づいて説明する。なお、実施例7との共通箇所
には同一符号を付して説明を省略する。
【0083】実施例7では離型層109にカーボンブラ
ックを分散させていたが、さらにはカーボンブラックを
微粒化すると良い。
【0084】例えば、実施例7で用いたライオンペース
トW310−Aでは平均粒径0.3μmのケッチェンブ
ラックECを用いていたが、これをケッチェンブラック
EC600JD粒径0.03μmにすれば、図11
(a)に示すように粒子の間隔が狭いので粒子間を埋め
ているフッ素樹脂から放電が生じ易く、この結果フィル
ム全体の帯電は均一化させることができる。
【0085】一方で、従来のケッチェンブラックECで
は、図11(b)に示すように粒子間隔が広くフッ素樹
脂の表面でケッチェンブラックECへの放電がなされて
ない帯電領域が生じてしまう。したがって、表面に現れ
る電位もケッチェンブラックEC600JDの方がムラ
が少なく、オフセットにも良好な結果が得られる。
【0086】他にも0.03μm程度の導電性粒子でも
同様の効果が得られる。
【0087】さらに、ケッチェンブラックEC600J
Dは粒径が細かいので、通常がカーボンブラックに比べ
てトナーの粒径数μmに対して接着しずらく、離型性の
低下を生じさせにくい。さらには、同じ導電性を与える
にも60%の量で良く、この点も離型性の面で優れた表
層となる。
【0088】〈実施例9〉次に、本発明の実施例9につ
いて説明する。なお、実施例1との共通箇所には同一符
号を付して説明を省略する。
【0089】実施例8では離型層、絶縁中間層の材質を
PFAとPTFEの混合比を20/80としたが、この
値に限るものではない。
【0090】また、PFAの代わりにFEPを用いても
良い。
【0091】PFAまたはFEPは塗膜の絶縁性あるい
は体積抵抗を上げる働きをしてるものであるから、中間
層、離型層とも厚みを増すことでPTFEの配合比を増
して、強度アップすることができる。
【0092】これによって、傷、耐摩耗性の向上を図る
ことが可能である。また、フィルム基材もポリイミドに
限るものではなく、ガラス織布等の耐熱性熱伝導性の良
いもので、フィルム状に形成したものであれば良い。
【0093】〈実施例10〉次に、本発明の実施例10
を図12ないし図16に基づいて説明する。なお、実施
例1及び実施例4並びに実施例7との共通箇所には同一
符号を付して説明を省略する。
【0094】本実施例の定着装置は定着フィルム7の接
地方式を除いて実施例1の定着装置の構成と同様であ
り、図12に示すように実施例1と同様な画像形成装置
に用いられる。本実施例装置における転写−定着間の距
離は最大記録材長より短く設定されている。
【0095】次に、加熱フィルムである定着フィルム7
について説明する。図13は定着フィルム7の層構成を
示す断面図である。絶縁性の樹脂基材105は厚さ20
〜80μm、体積抵抗1011Ωcm以上の耐熱性のポリ
イミドから成る。
【0096】この樹脂基材105上に表面抵抗値107
Ω/□以下で厚さ3〜8μmのプライマ層106が離型
層107を接着するために塗布される。
【0097】離型層107は、厚み8〜12μmで表面
抵抗値107〜1012Ω/□のフッ素樹脂PFAとPT
FEにカーボンブラック等の導電性粒子を混合したもの
をディッピングまたはスプレー塗層で塗り、焼成成形す
る。
【0098】そして、このプライマ層106は図13で
示したように、導電性ブラシ27等の摺動接点を接触さ
せダイオード28を介して加圧ローラ芯金11と接続す
る。さらに、加圧ローラ芯金11はダイオード29を介
して接地される。
【0099】しかしながら、マイナストナーを使用して
いる場合に、図14のようにダイオードを接続するとダ
イオード30の向きでは紙Pのプラス電荷が離型層10
7、プライマ層106を通じてグランドへ流出してトナ
ーに対する拘束電界が弱まってオフセットが生じる。こ
の場合、加圧ローラの芯金11に接続したダイオード3
1のPN接合及び容量によって発生させられる電圧では
紙の背面に充分な電界を作用させられない。
【0100】一方、逆に図15のように接続すると紙P
からのリーク電流でダイオード32に生じる電圧はプラ
ス数百V程になり、かえってオフセットがひどくなる。
【0101】しかし、図16のように接続すると、紙P
から漏れる電流は矢印の示す経路でダイオード28を介
してダイオード29によってせき止められ加圧ローラ芯
金電位としてバイアス電圧を発生させる。そして定着フ
ィルムに対してはダイオード28によって電位が低い方
へバイアスされる。
【0102】加圧ローラ芯金に生じた電位と定着フィル
ムに生じる電位で矢印Eの向きの電界がトナーに対して
働くので紙からの電荷の移動があってもオフセットを生
じない。
【0103】本実施例で用いたダイオード25の代わり
に100MΩ以上の抵抗を用いて起電力を生じさせても
良く、またバリスタを用いても良い。
【0104】〈実施例11〉次に、本発明の実施例11
を図17に基づいて説明する。なお、実施例10との共
通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0105】実施例10ではマイナストナーについて説
明したが、本実施例ではプラストナーに対して説明す
る。
【0106】この場合は、図17に示すように紙の電荷
がマイナスであるので加圧ローラ芯金電位としてはマイ
ナスが生じるようにダイオード35によってマイナス数
百Vの電位として加圧ローラ芯金にバイアス電位を生じ
させ、かつダイオード34のPN接合によって存在する
電位差だけ定着フィルムはプラス側の電圧になるので矢
印E’の電界が生じて、プラストナーを紙へ押しつける
ように力が働く。このようにしてオフセットが防止され
る。
【0107】なお、ダイオード35を100MΩ以上の
抵抗またはバリスタに代えても良い。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、本願第一発明によ
れば、定着用のフィルムの摩擦帯電極性が負なるように
することで、負帯電トナーに対する反発力を生じさせて
オフセットを防止し、転写抜けの発生も防止することが
可能となった。
【0109】また、本願第二及び第三発明によれば、加
圧部材を導電化することで、定着フィルム表面に蓄積し
た剥離帯電電荷を加圧部材へ移し、かつ、加圧部材への
バイアス電圧としてトナーを記録材へ拘束する力に転用
することで、オフセットを防止することができる。
【0110】さらに、本願第四発明によれば、定着用フ
ィルムとして絶縁性のフィルム基層上に接地した導電性
プライマ層、絶縁中間層、フロート導電性離型層を設け
ることで、記録材の剥離帯電によって生じるオフセット
を防止することが可能となった。
【0111】また、本願第五発明によれば、定着フィル
ムと加圧部材の芯金間に整流素子による電位差を生じさ
せ、トナーを記録材に対して拘束する電界を作ると共
に、加圧ローラ芯金自体を起電力素子を介して接地する
ことで装置からの記録材の電荷の流出を防止しつつ、加
圧部材にトナーと逆極性の電位を生じさせることでオフ
セットを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における画像形成装置の概略
構成を示す断面図である。
【図2】図1装置の加熱定着装置に用いられるフィルム
の概略構成を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例2における加熱定着装置に用い
られるフィルムの概略構成を示す断面図である
【図4】本発明の実施例4における画像形成装置の概略
構成を示す断面図である。
【図5】図4装置の加熱定着装置における剥離帯電電荷
の移動を説明するための図である。
【図6】本発明の実施例5における加熱定着装置の概略
構成を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例6における加熱定着装置の概略
構成を示す断面図である。
【図8】本発明の実施例7における画像形成装置の概略
構成を示す断面図である。
【図9】図8装置の加熱定着装置に用いられるフィルム
の概略構成を示す断面図である。
【図10】図8装置の加熱定着装置に用いられるフィル
ムの接地状態を示す断面図である。
【図11】本発明の実施例8におけるフィルムの離型層
の概略構成を示す図である。
【図12】本発明の実施例10における画像形成装置の
概略構成を示す断面図である。
【図13】図12装置の加熱定着装置の概略構成を示す
断面図である
【図14】剥離帯電電荷の流出によりトナーに対する拘
束電界が弱まる場合の整流素子及び起電力素子の接続方
式を示す図である。
【図15】剥離帯電電荷の蓄積によりオフセットを生じ
る場合の整流素子の接続方式を示す図である。
【図16】図12装置の加熱定着装置における整流素子
及び起電力素子の働きを説明するための図である。
【図17】本発明の実施例11における加熱定着装置の
整流素子及び起電力素子の接続方式を示す図である。
【符号の説明】
1 加熱体 7 定着フィルム 10 加圧ローラ(加圧部材) 11 芯金 12 弾性層(表層) 23 ダイオード(起電力素子) 28 ダイオード(整流素子) 29 ダイオード(起電力素子) 101 基材(負の帯電極性を有する部材) 105 基材(基層) 106 プライマ層 107 離型層 108 絶縁中間層 109 離型層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱体と、一面を該加熱体と接触させ他
    面をトナー像が支持された記録材と接触させて移動する
    耐熱性フィルムとを有し、上記加熱体からの熱で記録材
    上のトナー像を加熱する加熱定着装置において、上記ト
    ナーは摩擦帯電により負の帯電極性を有するものであ
    り、上記フィルムは、摩擦帯電により負の帯電極性を有
    する部材で形成されていることを特徴とする加熱定着装
    置。
  2. 【請求項2】 フィルムは、複数の層から形成されてお
    り、フィルムの最内層が摩擦帯電により負の帯電極性を
    有する部材で形成されていることとする請求項1に記載
    の加熱定着装置。
  3. 【請求項3】 フィルムは、複数の層から形成されてお
    り、フィルムの最外層が摩擦帯電により負の帯電極性を
    有する部材で形成されていることとする請求項1に記載
    の加熱定着装置。
  4. 【請求項4】 加熱体と、一面を該加熱体と接触させ他
    面をトナー像が支持された記録材と接触させて移動する
    耐熱性フィルムと、該耐熱性フィルムを介して上記加熱
    体に圧接するように配設された加圧部材とを有し、上記
    加熱体からの熱で記録材上のトナー像を加熱する加熱定
    着装置において、上記耐熱性フィルムは上記加熱体に接
    する側から順に、絶縁性の基層、導電性のプライマ層、
    絶縁性の離型層とで形成され、上記加圧部材は接地され
    た芯金と、該芯金上に形成され電気的にフロート状態と
    された導電層で形成されていることを特徴とする加熱定
    着装置。
  5. 【請求項5】 加熱体と、一面を該加熱体と接触させ他
    面をトナー像が支持された記録材と接触させて移動する
    耐熱性フィルムと、該耐熱性フィルムを介して上記加熱
    体に圧接するように配設された加圧部材とを有し、上記
    加熱体からの熱で記録材上のトナー像を加熱する加熱定
    着装置において、上記耐熱性フィルムは上記加熱体と接
    する側から順に、絶縁性の基層、導電性のプライマ層、
    絶縁性の離型層とで形成されており、上記加圧部材は導
    電性の芯金上に導電性の弾性層が形成されており、該導
    電性の芯金は起電力素子を介して接地されていることを
    特徴とする加熱定着装置。
  6. 【請求項6】 加熱体と、一面を該加熱体と接触させ他
    面をトナー像が支持された記録材と接触させて移動する
    耐熱性フィルムとを有し、上記加熱体からの熱で記録材
    上のトナー像を加熱する加熱定着装置において、上記耐
    熱性フィルムは上記加熱体と接する側から順に、絶縁性
    の基層、接地された導電性のプライマ層、絶縁性の中間
    層、電気的にフロート状態とされた導電性の離型層で形
    成されていることを特徴とする加熱定着装置。
  7. 【請求項7】 耐熱性フィルムは、絶縁性の基層がポリ
    イミド、絶縁性の中間層がPTFE及びPFA並びにF
    EPの混合物、導電性の離型層がPTFE及びPFA並
    びにFEPの混合物にカーボンブラックを1〜4wt%
    添加したものであることとする請求項6に記載の加熱定
    着装置。
  8. 【請求項8】 加熱体と、一面を該加熱体と接触させ他
    面をトナー像が支持された記録材と接触させて移動する
    耐熱性フィルムと、該耐熱性フィルムを介して上記加熱
    体に圧接するように配設され導電性芯金を備えた加圧部
    材とを有し、上記加熱体からの熱で記録材上のトナー像
    を加熱する加熱定着装置において、上記耐熱性フィルム
    は上記加熱体に接する側から順に、絶縁性の基層、導電
    性のプライマ層、高抵抗の離型層で形成されており、上
    記導電性のプライマ層と上記加圧部材の導電性芯金間を
    整流素子を介して接続し、上記加圧部材の導電性芯金を
    起電力素子を介して接続したことを特徴とする加熱定着
    装置。
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