JP2001228732A - 加熱装置、像加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動手段Ｍで回転駆動される駆動回転体３１を
有するニップに被加熱材（被記録材）を導入して駆動回
転体の周速度に対応した速度で挟持搬送させて加熱する
加熱装置もしくは像加熱装置において、駆動回転体の熱
膨張による径変化に拘わらずニップにおける被加熱材の
挟持搬送速度は所定のほぼ一定速度に精度よく維持管理
させ、画像形成装置にあっては連続記録時の、定着部−
転写部での被記録材の速度差に起因する画像の伸び等を
防止する。 【解決手段】駆動回転体３１の径の熱膨張に伴う変化を
検知手段３３で検知させ、その検知結果に基づいて、ニ
ップにおける被加熱材の挟持搬送速度は所定のほぼ一定
速度が維持されるように制御手段３２により駆動回転体
３１の駆動手段Ｍを制御して駆動回転体の駆動速度を変
化させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、加熱装置、像加熱
装置および画像形成装置に関する。

【０００２】より詳しくは、駆動手段で回転駆動される
駆動回転体を有するニップに被加熱材を導入して駆動回
転体の周速度に対応した速度で挟持搬送させて加熱する
加熱装置若しくは像加熱装置、および該像加熱装置を有
する電子写真装置・静電記録装置などの画像形成装置に
関する。

【０００３】

【従来の技術】便宜上、複写機・プリンタ等の画像形成
装置に具備させる、トナー画像を被記録材に加熱定着さ
せる像加熱装置（画像加熱定着装置、定着器）を例にし
て説明する。

【０００４】画像形成装置において、電子写真プロセス
・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の適宜の画像
形成プロセス手段部で被記録材（転写材シート・エレク
トロファックスシート・静電記録紙・ＯＨＰシート・印
刷用紙・フォーマット紙など、以下、記録紙と記す）に
転写方式あるいは直接方式にて形成担持させた目的の画
像情報の未定着画像（トナー画像）を記録紙面に永久固
着画像として加熱定着させる定着装置としては熱ローラ
方式の装置が広く用いられていた。

【０００５】近時はクイックスタートや省エネルギーの
観点からフィルム加熱方式の装置が実用化されている。

【０００６】また電磁誘導加熱方式の装置も提案されて
いる。

【０００７】ａ）熱ローラ方式の定着装置 これは、定着ローラ（加熱ローラ）と加圧ローラとの圧
接ローラ対を基本構成とし、該ローラ対を回転させ、該
ローラ対の相互圧接部である定着ニップ部に画像定着す
べき未定着トナー画像を形成担持させた記録紙を導入し
て挟持搬送させて、定着ローラの熱と、定着ニップ部の
加圧力にて未定着トナー画像を記録紙面に熱圧定着させ
るものである。

【０００８】定着ローラは、一般に、アルミニウムの中
空金属ローラを基体（芯金）とし、その内空に熱源とし
てのハロゲンランプを挿入配設してあり、ハロゲンラン
プの発熱で加熱され、外周面が所定の定着温度に維持さ
れるようにハロゲンランプヘの通電が制御されて温調さ
れる。

【０００９】特に、最大４層のトナー画像層を十分に加
熱溶融させて混色させる能力を要求される、フルカラー
の画像形成を行う画像形成装置の定着装置としては、定
着ローラの芯金を高い熱容量を有するものにし、またそ
の芯金外周にトナー画像を包み込んで均一に溶融するた
めのゴム弾性層を具備させ、そのゴム弾性層を介してト
ナー画像の加熱を行っている。また、加圧ローラ内にも
熱源を具備させて加圧ローラも加熱・温調する構成にし
たものもある。

【００１０】ｂ）フィルム加熱方式の定着装置 フィルム加熱方式の定着装置は、例えば特開昭６３−３
１３１８２号公報・特開平２−１５７８７８号公報・特
開平４−４４０７５号公報・特開平４−２０４９８０号
公報等に提案されている。

【００１１】即ち、加熱体としての一般にセラミックヒ
ータと、加圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性フ
ィルム（定着フィルム、移動体）を挟ませてニップ部を
形成させ、該ニップ部のフィルムと加圧ローラとの間に
画像定着すべき未定着トナー画像を形成担持させた記録
紙を導入してフィルムと一緒に挟持搬送させることでニ
ップ部においてセラミックヒータの熱をフィルムを介し
て記録紙に与え、またニップ部の加圧力にて未定着トナ
ー画像を記録紙面に熱圧定着させるものである。

【００１２】このフィルム加熱方式の定着装置は、セラ
ミックヒータ及びフィルムとして低熱容量の部材を用い
てオンデマンドタイプの装置を構成することができ、画
像形成装置の画像形成実行時のみ熱源としてのセラミッ
クヒータに通電して所定の定着温度に発熱させた状態に
すればよく、画像形成装置の電源オンから画像形成実行
可能状態までの待ち時間が短く（クイックスタート
性）、スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい（省電
力）等の利点がある。

【００１３】ｃ）電磁誘導加熱方式の定着装置 実開昭５１−１０９７３９号公報には、磁束により定着
ローラに電流を誘導させてジュール熱によって発熱させ
る誘導加熱定着装置が開示されている。これは、誘導電
流の発生を利用することで直接定着ローラを発熱させる
ことができて、ハロゲンランプを熱源として用いた熱ロ
ーラ方式の定着装置よりも高効率の定着プロセスを達成
している。

【００１４】この方式も、オンデマンドタイプで、クイ
ックスタート性、省電力性を有している。

【００１５】上述例ｂ）やｃ）の様なオンデマンドタイ
プの定着装置においては、通常、加圧ローラ側に駆動源
を設けて加圧ローラを駆動回転体として回転駆動させる
ことで、加熱部材の移動体としての耐熱性フィルムある
いは電磁誘導発熱性フィルムを従動移動させており、定
着ニップ部に導入された被記録材は加圧ローラの回転駆
動力によって搬送力があたえられ、定着ニップ部をフィ
ルムと共に狭持搬送される（加圧ローラ駆動方式、特開
平４−４４０７５〜４４０８３、２０４９８０〜２０４
９８４号公報等）。

【００１６】

【発明が解決しようとする課題】オンデマンドタイプの
定着装置は上記ｂ）やｃ）のようにクイックスタート性
・省電力性があり有効なものであるが、加圧ローラ駆動
方式では次のような問題点が有る。

【００１７】この方式の場合、駆動回転体としての加圧
ローラの径により、定着ニップ部における記録紙搬送速
度が支配されるため、記録開始初期で加圧ローラが冷え
ている状態時の加圧ローラ径（初期径）による定着ニッ
プ部における記録紙搬送速度に比べて、連続記録を行い
その間に加圧ローラが加熱部材側の熱で加熱されて次第
に熱膨張して初期径よりも径が大きくなった状態時の該
加圧ローラ径による定着ニップ部における記録紙搬送速
度が速くなる変動現象を生じる。

【００１８】すると、記録動作を連続したときには、転
写部（画像形成部）における記録紙搬送速度（所定のプ
ロセススピード）に対して、定着装置の定着ニップ部に
おける記録紙搬送速度が速くなって、記録紙が転写部を
所定のプロセススピードで搬送されてトナー画像転写を
受けつつ転写部を通過してその先端が定着装置の定着ニ
ップ部に到達し定着ニップ部に狭持されると、記録紙は
転写部における所定のプロセススピードである記録紙搬
送速度よりも大きくなった定着装置の定着ニップ部にお
ける記録紙搬送速度をもって搬送されるようになる。

【００１９】そのため、記録紙先端が定着装置に到達し
た時点における記録紙の、定着ニップ部と転写部間領域
部以降の記録紙領域部に転写される記録画像は、記録紙
が転写部における所定のプロセススピードである記録紙
搬送速度よりも大きい定着装置の定着ニップ部における
搬送速度をもって引張られて搬送されるので、記録紙方
向に引き伸ばされてしまい、画像伸びを生じたものとな
る。場合によってはその画像伸びで画像後端部が記録紙
後端からはずれてしまうことになる。

【００２０】この画像伸びを防止するため、特開平９−
３１９２８２号公報や、特開平１０−６９１３５公報に
解決手段が開示されているが、これらは夫々連続画像記
録枚数、または連続画像記録時間に基づいて搬送速度を
変化させるものと、記録紙の搬送経路における搬送速度
を計測して搬送速度を変化させるものである。

【００２１】ところが、上記の解決方法には次のような
問題がある。

【００２２】すなわち、前者の方法では、使用する記録
紙の厚さ即ち記録紙の熱容量によって異なる加圧ローラ
の外径の生長が考慮されていないため、紙種によっては
狙い通りの加圧ローラの速度の制御ができず画像の伸び
率にばらつきが生じてしまう。

【００２３】後者の方法では、センサを通過する時の記
録紙とセンサの平行度に起因する計測速度ばらつきが生
じる。これを抑えるためには高い精度のセンサ台座や記
録紙のガイドなどが必要で、高コスト化をまねいてい
た。

【００２４】そこで本発明では、上記課題を解決するこ
と、すなわち、駆動手段で回転駆動される駆動回転体を
有するニップに被加熱材（被記録材）を導入して駆動回
転体の周速度に対応した速度で挟持搬送させて加熱する
加熱装置もしくは像加熱装置において、簡単で低コスト
な手段構成にて、駆動回転体の熱膨張による径変化に拘
わらずニップにおける被加熱材の挟持搬送速度は所定の
ほぼ一定速度に精度よく維持管理されるようにするこ
と、これにより画像形成装置にあっては連続記録時の記
録画像の伸び防止、記録紙１ページ内での画像倍率の変
化を防ぐことを目的とする。

【００２５】

【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする、加熱装置、像加熱装置および画像形成装置で
ある。

【００２６】（１）駆動手段で回転駆動される駆動回転
体を有するニップに被加熱材を導入して駆動回転体の回
転周速度に対応した速度で挟持搬送させて加熱する加熱
装置において、駆動回転体の径を検知する検知手段と、
検知手段の検知結果に基づいて駆動手段を制御して駆動
回転体の駆動速度を変化させる制御手段を有することを
特徴とする加熱装置。

【００２７】（２）加熱体と、加熱体を内包して移動す
る移動体と、移動体に接して設けられ、駆動手段で駆動
される駆動回転体を有し、移動体と駆動回転体によって
形成されるニップに被加熱材を導入して駆動回転体の回
転周速度に対応した速度で挟持搬送させて加熱する加熱
装置において、駆動回転体の径を検知する検知手段と、
検知手段の検知結果に基づいて駆動手段を制御して駆動
回転体の駆動速度を変化させる制御手段を有することを
特徴とする加熱装置。

【００２８】（３）駆動回転体の径を検知する検知手段
をニップの被加熱材搬送方向の上流側に配置したことを
特徴とする（１）又は（２）に記載の加熱装置。

【００２９】（４）制御手段が検知手段の検知結果に基
づいて駆動手段を制御して駆動回転体の駆動速度を変化
させるタイミングは、被加熱材をニップに導入して挟持
搬送しないときとすることを特徴とする（１）乃至
（３）の何れかに記載の加熱装置。

【００３０】（５）駆動手段にステッピングモータを用
い、該ステッピングモータの駆動パルス周波数を変化さ
せることによって駆動回転体の駆動速度を変化させるこ
とを特徴とする（１）乃至（４）の何れかに記載の加熱
装置。

【００３１】（６）前記（１）乃至（５）の何れかに記
載の加熱装置を被記録材上の画像を加熱する加熱手段と
して有することを特徴とする像加熱装置。

【００３２】（７）画像の加熱が未定着画像の熱定着で
あることを特徴とする（６）に記載の像加熱装置。

【００３３】（８）被記録材上の画像を加熱する像加熱
装置として（１）乃至（５）の何れかに記載の加熱装置
を有することを特徴とする画像形成装置。

【００３４】（９）被記録材に画像を形成する画像形成
部と、記録材に形成された画像を加熱する像加熱装置を
有し、像加熱装置が（１）乃至（５）の何れかに記載の
加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。

【００３５】（１０）画像の加熱が未定着画像の熱定着
であることを特徴とする（９）に記載の画像形成装置。

【００３６】（１１）被記録材に画像を形成する画像形
成部が電子写真プロセス手段によることを特徴とする
（９）又は（１０）に記載の画像形成装置。

【００３７】（１２）外部装置から送り出される記録命
令、画像情報に基づいて被記録材に対する画像記録が行
われることを特徴とする（９）乃至（１１）の何れかに
記載の画像形成装置。

【００３８】〈作 用〉すなわち本発明は、ニップにお
ける被加熱材（被記録材）の挟持搬送速度を支配する駆
動回転体の径の熱膨張に伴う変化を検知手段で検知さ
せ、その検知結果すなわち駆動回転体の径変化情報に応
じて、ニップにおける被加熱材の挟持搬送速度は所定の
ほぼ一定速度が維持されるように制御手段により駆動回
転体の駆動手段を制御して駆動回転体の駆動速度を変化
させるもので、これにより、簡単で低コストな手段構成
にて、駆動回転体の熱膨張による径変化に拘わらずニッ
プにおける被加熱材の挟持搬送速度は所定のほぼ一定速
度に精度よく維持管理される。

【００３９】そして画像形成装置にあっては像加熱装置
の駆動回転体の熱膨張による径変化に拘わらずニップに
おける被記録材の挟持搬送速度は所定のほぼ一定速度に
精度よく維持管理されることで画像形成部での被記録材
の搬送速度との速度ずれが防止され、連続記録時の記録
画像の伸び防止、記録紙１ページ内での画像倍率の変化
を防ぐことができる。

【００４０】

【発明の実施の形態】〈第１の実施例〉（図１〜図１
１） （１）画像形成装置例 図１は画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の
画像形成装置は電子写真カラープリンタである。フルカ
ラー画像読み取り装置（イメージスキャナー）・コンピ
ュータ等の不図示の外部装置から送り出される記録命
令、画像情報に基づいて記録紙に対する画像記録が行わ
れる。

【００４１】１０１は有機感光体やアモルファスシリコ
ン感光体でできた感光体ドラム（像担持体）であり、矢
示の反時計方向に所定のプロセススピード（周速度）で
回転駆動される。

【００４２】感光体ドラム１０１はその回転過程で帯電
ローラ等の帯電装置１０２で所定の極性・電位の一様な
帯電処理を受ける。

【００４３】次いでその帯電処理面にレーザ光学箱（レ
ーザスキャナー）１１０から出力されるレーザ光１０３
による、目的の画像情報の走査露光処理を受ける。レー
ザ光学箱１１０は不図示の画像読み取り装置等の画像信
号発生装置からの目的画像情報の時系列電気デジタル画
素信号に対応して変調（オン／オフ）したレーザ光１０
３を出力して回転感光体ドラム１０１面に走査露光した
目的画像情報に対応した静電潜像が形成される。１０９
はレーザ光学箱１１０からの出力レーザ光１０３を感光
体ドラム１０１の露光位置に偏向させるミラーである。

【００４４】フルカラー画像形成の場合は、目的のフル
カラー画像の第１の色分解成分画像、例えばイエロー成
分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜
像が４色カラー現像装置１０４のうちのイエロー現像器
１０４Ｙの作動でイエロートナー画像として現像され
る。そのイエロートナー画像は感光体ドラム１０１と中
間転写体ドラム１０５との接触部（或いは近接部）であ
る１次転写部Ｔ１において中間転写体ドラム１０５の面
に転写される。

【００４５】中間転写体ドラム１０５面に対するトナー
画像転写後の回転感光体ドラム１０１面はクリーナ１０
７により転写残りトナー等の付着残留物の除去を受けて
清掃される。

【００４６】上記のような帯電・走査露光・現像・一次
転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画
像の第２の色分解成分画像（例えばマゼンタ成分画像、
マゼンタ現像器１０４Ｍが作動）、第３の色分解成分画
像（例えばシアン成分画像、シアン現像器１０４Ｃが作
動）、第４の色分解成分画像（例えば黒成分画像、黒現
像器１０４ＢＫが作動）の各色分解成分画像について順
次実行され、中間転写体ドラム１０５面にイエロートナ
ー画像・マゼンタトナー画像・シアントナー画像・黒ト
ナー画像の都合４色のトナー画像が順次重ねて転写され
て、目的のフルカラー画像に対応したカラートナー画像
が合成形成される。

【００４７】中間転写体ドラム１０５は、金属ドラム上
に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有するもので、感光
体ドラム１０１に接触して或いは近接して感光体ドラム
１０１と略同じ周速度で矢示の時計方向に回転駆動さ
れ、中間転写体ドラム１０５の金属ドラムにバイアス電
位を与えて感光体ドラム１０１との電位差で感光体ドラ
ム１０１側のトナー画像を前記中間転写体ドラム１０５
面側に転写させる。

【００４８】上記の回転中間転写体ドラム１０５面に合
成形成されたカラートナー画像は、前記回転中間転写体
ドラム１０５と転写ローラ１０６との接触ニップ部であ
る二次転写部Ｔ２において、前記二次転写部Ｔ２に不図
示の給紙部から所定のタイミングで送り込まれた被記録
材Ｐの面に転写されていく。転写ローラ１０６は被記録
材Ｐの背面からトナーと逆極性の電荷を供給することで
中間転写体ドラム１０５面側から被記録材Ｐ側へ合成カ
ラートナー画像を順次に一括転写する。

【００４９】二次転写部Ｔ２を通過した被記録材Ｐは中
間転写体ドラム１０５の面から分離されて像加熱装置
（定着装置）１００へ導入され、未定着トナー画像の加
熱定着処理を受けてカラー画像形成物として機外の不図
示の排紙トレーに排出される。定着装置１００について
は（２）項にて詳述する。

【００５０】被記録材Ｐに対するカラートナー画像転写
後の回転中間転写体ドラム１０５はクリーナ１０８によ
り転写残りトナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて
清掃される。このクリーナ１０８は常時は中間転写体ド
ラム１０５に非接触状態に保持されており、中間転写体
ドラム１０５から被記録材Ｐに対するカラートナー画像
の二次転写実行過程において中間転写体ドラム１０５に
接触状態に保持される。

【００５１】また転写ローラ１０６も常時は中間転写体
ドラム１０５に非接触状態に保持されており、中間転写
体ドラム１０５から被記録材Ｐに対するカラートナー画
像の二次転写実行過程において中間転写体ドラム１０５
に被記録材Ｐを介して接触状態に保持される。

【００５２】本例装置は、白黒画像などモノカラー画像
のプリントモードも実行できる。また両面画像プリント
モード、或いは多重画像プリントモードも実行できる。

【００５３】両面画像プリントモードの場合は、定着装
置１００を出た１面目画像プリント済みの被記録材Ｐは
不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されて再び二
次転写部Ｔ２へ送り込まれて２面に対するトナー画像転
写を受け、再度、定着装置１００に導入されて２面に対
するトナー画像の定着処理を受けることで両面画像プリ
ントが出力される。

【００５４】多重画像プリントモードの場合は、定着装
置１００を出た１回目画像プリント済みの被記録材Ｐは
不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに再び
二次転写部Ｔ２へ送り込まれて１回目画像プリント済み
の面に２回目のトナー画像転写を受け、再度、定着装置
１００に導入されて２回目のトナー画像の定着処理を受
けることで多重画像プリントが出力される。

【００５５】（２）定着装置１００ Ａ）装置の全体的な概略構成 図２は装置の要部の横断側面模型図、図３は要部の一部
切欠き正面模型図、図４は要部の分解斜視図である。

【００５６】図２において、１０は加熱部材であり移動
体でもある、円筒状（無端ベルト状）の電磁誘導発熱性
部材（以下、定着ベルトと記す）、２０は磁場発生手段
アセンブリ、３０は回転可能な第１の加圧部材としての
加圧ローラ、３１は駆動回転体としての第２の加圧部材
（以下、駆動ローラと記す）、１６はベルトガイド部
材、２６は温度センサ、５０はサーモスイッチ、６０は
入り口ガイドである。

【００５７】磁場発生手段アセンブリ２０は、横断面略
半円弧状樋形のケーシング２１と、このケーシング内に
組み込んだ磁場発生手段としての励磁コイル１８及び磁
性コア１７ａ・１７ｂと、ケーシング２１の開口部を閉
塞するように配設された平板状の励磁コイル保持部材１
９の組み立て体である。

【００５８】この磁場発生手段アセンブリ２０はケーシ
ング２１の凸曲面側を上向きにして長手両端部を図３の
ように装置シャシー７０のシャシー側板７０ａ・７０ｂ
間にビス締め等の手段で固定されている。

【００５９】駆動回転体である駆動ローラ３１は、芯金
３１ａと、該芯金周りに同心一体にローラ状に成形被覆
させた、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂など
の耐熱性・弾性材層３１ｂとで構成されている。この駆
動ローラ３１は上記の磁場発生手段アセンブリ２０の下
側に位置させて、芯金３１ａの両端部を図３のように装
置シャシー７０のシャシー側板７０ａ・７０ｂ間に軸受
け２９ｃ・２９ｄを介して回転自由に軸受け保持させ
て、磁場発生手段アセンブリ２０と並行に配設してあ
る。

【００６０】３１ｃはこの駆動ローラ３１の芯金３１ａ
の一端部に固着したドライブギアであり、このドライブ
ギア３１ｃに駆動手段としてのステッピングモータＭ
（図１０）から回転力が伝達されて該駆動ローラ３１が
所定の周速度をもって図２において矢印の時計方向に回
転駆動される。

【００６１】ベルトガイド部材１６は横断面弧状の細幅
横長部材であり、後述する定着ニップ部Ｎよりも定着ベ
ルト回転方向上流側において、磁場発生手段アセンブリ
２０と駆動ローラ３１との間に位置させて、両端部を装
置シャシー７０のシャシー側板間にビス締め等の手段で
固定して、駆動ローラ３１と並行に配設してある。

【００６２】図３・図４において、２３ａ・２３ｂは定
着ベルト端部規制・保持用の円筒部材としての左右の円
筒状（リング状）フランジ部材であり、磁場発生手段ア
センブリ２０のケーシング２１の左右両端部に設けた円
周方向溝部２１ａ・２１ｂとベルトガイド部材１６の左
右両端部に設けた段部１６ａ・１６ｂに回転自由に外嵌
させてあり、それぞれ溝部２１ａ・２１ｂの段部および
ベルトガイド部材１６の段部１６ａ・１６ｂと装置シャ
シー７０のシャシー側板との間に位置決めされてスラス
ト方向への移動は規制されている。

【００６３】電磁誘導発熱性部材としての円筒状の定着
ベルト１０はこの左右のフランジ部材２３ａ・２３ｂ間
において磁場発生手段アセンブリ２０・駆動ローラ３１
・ベルトガイド部材１６の３部材の外側にルーズに外嵌
させてある。

【００６４】第１の加圧部材としての加圧ローラ３０
は、芯金３０ａと、該芯金回りに同心一体にローラ状に
成形被覆させた、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素
樹脂などの耐熱性・弾性材層３０ｂとで構成されてい
る。必要に応じてフッ素樹脂などの離型層を最外層に設
けることができる。

【００６５】この加圧ローラ３０は、円筒状定着ベルト
１０の外側で、前記駆動ローラ３１の下側において該駆
動ローラ３１に並行させて、定着ベルト１０を挟ませて
駆動ローラ３１の下面に圧接させて回転自由に配設して
ある。具体的には図３のように加圧ローラ３０の芯金３
０ａの両端部をそれぞれ不図示のガイド部材により上下
方向にスライド移動可能に設けた左右の可動軸受け２９
ａ・２９ｂに回転自由に保持させ、それらの各可動軸受
け２９ａ・２９ｂと装置シャシー７０との間にそれぞれ
加圧バネ２５ａ・２５ｂを縮設することで加圧ローラ３
０に押し上げ力を作用させ、これにより駆動ローラ３１
と加圧ローラ３０とを定着ベルト１０を挟んで圧接させ
て所定幅の定着ニップ部Ｎを形成させている。

【００６６】ステッピングモータＭからギア３１ｃに回
転力が伝達されて駆動ローラ３１が図２において矢印の
時計方向に所定の周速度で回転駆動されると、定着ニッ
プ部Ｎにおける駆動ローラ３１と定着ベルト１０の内面
との摩擦力で定着ベルト１０に回転力が作用して定着ベ
ルト１０が磁場発生手段アセンブリ２０・駆動ローラ３
１・ベルトガイド部材１６の３部材の外回りを矢印の時
計方向に駆動ローラ３１の回転周速度にほぼ対応した周
速度をもって回転状態になる。

【００６７】加圧ローラ３０は定着ベルト１０の回転に
従動して矢印の反時計方向に回転する。

【００６８】而して、駆動ローラ３１が回転駆動され、
それに伴って定着ベルト１０が回転し、励磁回路２７
（図４）から磁場発生手段アセンブリ２０の励磁コイル
１８への給電により発生する磁場の作用で電磁誘導発熱
性部材としての定着ベルト１０の電磁誘導発熱がなされ
て定着ニップ部Ｎが所定の温度に立ち上がって温調され
た状態において、画像形成手段部から搬送された未定着
トナー画像ｔが形成された記録紙（被記録材）Ｐが入り
口ガイド６０により定着ニップ部Ｎに導かれ、定着ニッ
プ部Ｎの定着ベルト１０と加圧ローラ３０との間に画像
面が上向き、即ち定着フィルム面に対向して導入され、
定着ニップ部Ｎにおいて画像面が定着ベルト１０の外面
に密着して定着ベルト１０と一緒に定着ニップ部Ｎを挟
持搬送されていく。

【００６９】この定着ニップ部Ｎを定着ベルト１０と一
緒に被記録材Ｐが挟持搬送されていく過程において定着
ベルト１０の電磁誘導発熱で加熱されて被記録材Ｐ上の
未定着トナー画像ｔが加熱定着される。この際、入り口
ガイド６０上で記録紙Ｐと未定着トナー画像ｔが予備加
熱される。

【００７０】記録紙Ｐは定着ニップ部Ｎを通過すると回
転定着ベルト１０の外面から分離して排出搬送されてい
く。記録紙Ｐ上の加熱定着トナー画像ｔは定着ニップ部
Ｎを通過後、冷却して永久固着像となる。

【００７１】本例ではトナーｔに低軟化物質を含有させ
たトナーを使用したため、定着装置にオフセット防止の
ためのオイル塗布機構を設けていないが、低軟化物質を
含有させていないトナーを使用した場合にはオイル塗布
機構を設けてもよい。また、低軟化物質を含有させたト
ナーを使用した場合にもオイル塗布や冷却分離を行って
もよい。

【００７２】Ｂ）ベルトガイド部材１６ 駆動ローラ３１によって定着ベルト１０を回転させたと
き、定着ベルト１０に対して定着ニップ部Ｎよりも定着
ベルト回転方向上流側の定着ベルト部分には定着ニップ
部Ｎに向かって引っ張り力が働く。そこで、定着ベルト
１０の回転を安定させるために、定着ニップ部Ｎよりも
定着ベルト回転方向上流側において、磁場発生手段アセ
ンブリ２０と駆動ローラ３１との間に位置させて、定着
ベルト１０の走行位置を決定可能なベルトガイド部材１
６を配設した。

【００７３】このベルトガイド部材１６は領域Ｇ（図
２）において定着ベルト１０の内面と当接可能としてあ
る。そして、定着ベルト１０の回転開始／停止時、被記
録材が定着ニップ部Ｎに入るときのトルク変動など、定
着ベルト１０の回転が不安定になる場合でも、このベル
トガイド部材１６が定着ニップ部Ｎに対する定着ベルト
１０の位置を決定するので、すなわち定着ベルト１０は
ベルトガイド部材によって中心が位置決めされて、安定
した定着ベルト１０の回転が得られる。

【００７４】また、加圧ローラ３０の左右の加圧バラン
スが異なる場合や、被記録材Ｐが中央からオフセットし
て定着ニップ部Ｎに入る場合など、定着ベルト１０の左
右で引っ張り力に変化が生じ、ねじれ力が発生した場合
でも、ベルトガイド部材１６が定着ベルト１０の走行位
置を決定するため、安定した定着ベルト１０の回転が得
られる。

【００７５】よって、定着ベルト１０の回転が安定する
ので、被記録材Ｐの搬送性も安定させることができる。
さらに、定着ベルト１０と被記録材Ｐの距離が一定に保
てるので被記録材Ｐとトナーｔに対する、定着ニップ部
Ｎ前での熱供給の変化を抑えることができ、定着トナー
画像の光沢度も安定させることができる。

【００７６】図３において、ＬＢは定着ベルト１０の長
さ、ＬＲ１は加圧ローラ３０の加圧部長さ、ＬＲ２は駆
動ローラ３１の定着ベルト１０との接触可能長さであ
り、 ＬＢ＞ＬＲ２＞ＬＲ１ の関係を満足するように設計するのがよい。

【００７７】なお、被記録材Ｐの最大幅をＬＰとした場
合、ＬＲ２≧ＬＰを満足する。

【００７８】Ｃ）フランジ部材２３ａ・２３ｂ フランジ部材２３ａ・２３ｂは定着ベルト１０の端部と
密着している部材であり、定着ベルト１０の回転時に該
定着ベルト１０の端部をフランジ部材内側面で受けて定
着ベルトの長手に沿う寄り移動を規制する役目をする。

【００７９】このフランジ部材２３ａ・２３ｂは前述し
たように回転自由に配設してあることで、定着ベルト１
０の回転時に該定着ベルト１０の端部を受けて定着ベル
トの長手に沿う寄り移動を規制した時の定着ベルト端部
とフランジ部材内側面との摩擦力により該フランジ部材
が定着ベルト１０と共に回転する。

【００８０】そうすると、回転する定着ベルト１０の寄
り規制時の定着ベルト端部とフランジ部材内側面との摩
擦力はこれらの回転するフランジ部材が全て受けるよう
になるので、定着ベルト端部の座屈などの定着ベルト１
０の破損を防止することができる。

【００８１】フランジ部材が回転しない固定に部材であ
ると、回転する定着ベルト１０の寄り規制時の定着ベル
ト端部と該フランジ部材内側面との摩擦力を全て定着ベ
ルトの端部で受けてしまうことになり、この力によって
定着ベルトが破損してしまう原因になることがある。

【００８２】またフランジ部材が無かったならば定着ベ
ルト１０はシャシー７０の側板の内面によって寄りが規
制される。このときの摩擦力を全て定着ベルト１０の端
部で受けてしまうと、この力によって定着ベルト１０が
破損してしまう原因になることがある。

【００８３】フランジ部材２３ａ・２３ｂが定着ベルト
１０と共に回転すると、定着ベルト１０の寄り規制時の
摩擦力はこれらのフランジ部材２３ａ・２３ｂが全て受
けるようになるので、定着ベルト１０の破損を防止する
ことができる。

【００８４】Ｄ）定着ベルト１０ 図５は本実施例における、加熱部材であり移動体でもあ
る電磁誘導発熱性の定着ベルト１０の層構成模型図であ
る。

【００８５】本例の定着ベルト１０は、電磁誘導発熱性
の定着ベルトの基層となる金属ベルト等でできた発熱層
１（加熱体）と、その外面に積層した弾性層２と、更に
その外面に積層した離型層３の複合構造のものである。

【００８６】発熱層１と弾性層２との間の接着、弾性層
２と離型層３との間の接着のために、各層間にプライマ
ー層（不図示）を設けてもよい。

【００８７】略円筒形状である定着ベルト１０におい
て、発熱層１が内面側であり、離型層３が外面側であ
る。前述したように、発熱層１に交番磁束が作用するこ
とで、発熱層１に渦電流が発生して発熱層１が発熱す
る。この層で誘導発熱した熱が弾性層２・離型層３を介
して定着ベルト１０全体を加熱し、定着ニップ部Ｎに通
紙される被記録材Ｐを加熱してトナーｔ画像の加熱定着
がなされる。

【００８８】ａ．発熱層１ 発熱層１は、ニッケル、鉄、強磁性ＳＵＳ、ニッケル−
コバルト合金といった強磁性体の金属を用いるとよい。

【００８９】非磁性の金属でも良いが、より好ましくは
磁束の吸収のよいニッケル、鉄、磁性ステンレス、コバ
ルト−ニッケル合金等の金属が良い。

【００９０】その厚みは次の式で表される表皮深さより
厚くかつ２００μｍ以下にすることが好ましい。表皮深
さσ［ｍ］は、励磁回路の周波数ｆ［Ｈｚ］と透磁率μ
と固有抵抗ρ［Ωｍ］で σ＝５０３×（ρ／ｆμ）^1/2 と表される。

【００９１】これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の
深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強
度は１／ｅ以下になっていることを示す。逆に言うと、
殆どのエネルギーはこの深さまでで吸収されている（図
７）。

【００９２】発熱層１の厚さは好ましくは１〜１００μ
ｍがよい。発熱層１の厚みが１μｍよりも小さいとほと
んどの電磁エネルギーが吸収しきれないため効率が悪く
なる。また、発熱層１が１００μｍを超えると剛性が高
くなりすぎ、また屈曲性が悪くなり回転体として使用す
るには現実的ではない。従って、発熱層１の厚みは１〜
１００μｍが好ましい。

【００９３】ｂ．弾性層２ 弾性層２は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシ
リコーンゴム等で、耐熱性、熱伝導率が良い材質であ
る。

【００９４】弾性層２の厚さは１０〜５００μｍが好ま
しい。この弾性層２は定着画像品質を保証するために必
要な厚さである。

【００９５】カラー画像を印刷する場合、特に写真画像
などでは被記録材Ｐ上で大きな面積に渡ってベタ画像が
形成される。この場合、被記録材Ｐの凹凸あるいはトナ
ー層ｔの凹凸に加熱面（離型層３）が追従できないと加
熱ムラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分で画像
に光沢ムラが発生する。伝熱量が多い部分は光沢度が高
く、伝熱量が少ない部分では光沢度が低い。

【００９６】弾性層２の厚さとしては、１０μｍ以下で
は記録媒体あるいはトナー層の凹凸に追従しきれず画像
光沢ムラが発生してしまう。また、弾性層２が１０００
μｍ以上の場合には弾性層の熱抵抗が大きくなりクイッ
クスタートを実現するのが難しくなる。より好ましくは
弾性層２の厚みは５０〜５００μｍが良い。

【００９７】弾性層２は、硬度が高すぎると被記録材Ｐ
あるいはトナー層ｔの凹凸に追従しきれず画像光沢ムラ
が発生してしまう。そこで、弾性層２の硬度としては６
０゜（ＪＩＳ−Ａ：ＪＩＳ−Ｋ Ａ型試験機）以下、よ
り好ましくは４５゜以下がよい。

【００９８】弾性層２の熱伝導率λに関しては、２．５
２×１０^-1〜８．４×１０^-1Ｗ／ｍ・℃（６×１０^-4〜
２×１０^-3cal/cm・sec・deg）がよい。熱伝導率λが
２．５２×１０^-1Ｗ／ｍ・℃（６×１０^-4cal/cm・sec
・deg）よりも小さい場合には、熱抵抗が大きく、定着
ベルト１０の表層（離型層３）における温度上昇が遅く
なる。

【００９９】熱伝導率λが８．４×１０^-1Ｗ／ｍ・℃
（２×１０^-3cal/cm・sec・deg）よりも大きい場合に
は、硬度が高くなりすぎたり、圧縮永久歪みが悪化す
る。よって熱伝導率λは２．５×１０^-1〜８．４×１０
^-1Ｗ／ｍ・℃（６×１０^-4〜２×１０^-3cal/cm・sec・d
eg）が良い。より好ましくは３．４×１０^-1〜６．３×
１０ ^-1Ｗ／ｍ・℃（８×１０^-4〜１．５×１０^-3cal/cm
・sec・deg）が良い。

【０１００】ｃ．離型層３ 離型層３はフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリ
コーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ＰＦＡ、Ｐ
ＴＦＥ、ＦＥＰ等の離型性かつ耐熱性のよい材料を選択
することができる。

【０１０１】離型層３の厚さは１〜１００μｍが好まし
い。離型層３の厚さが１μｍよりも小さいと塗膜の塗ム
ラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足すると
いった問題が発生する。また、離型層が１００μｍを超
えると熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂
系の離型層の場合は硬度が高くなりすぎ、弾性層２の効
果がなくなってしまう。

【０１０２】ｄ．断熱層４ また図６に示すように、定着ベルト１０の構成におい
て、発熱層１の自由面側（発熱層１の弾性層２側とは反
対面側）に断熱層４を設けてもよい。

【０１０３】断熱層４としては、フッ素樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ＰＥ
ＥＫ樹脂、ＰＥＳ樹脂、ＰＰＳ樹脂、ＰＦＡ樹脂、ＰＴ
ＦＥ樹脂、ＦＥＰ樹脂などの耐熱樹脂がよい。

【０１０４】また、断熱層４の厚さとしては１０〜１０
００μｍが好ましい。断熱層４の厚さが１０μｍよりも
小さい場合には断熱効果が得られず、また、耐久性も不
足する。一方、１０００μｍを超えると磁性コア１７及
び励磁コイル１８から発熱層１の距離が大きくなり、磁
束が十分に発熱層１に吸収されなくなる。

【０１０５】断熱層４は、発熱層１に発生した熱が定着
ベルト１０の内側に向かわないように断熱できるので、
断熱層４がない場合と比較して被記録材Ｐ側への熱供給
効率良くなる。よって、消費電力を抑えることができ
る。

【０１０６】Ｅ）磁場発生手段アセンブリ２０、および
温調系 磁場発生手段は励磁コイル１８及び磁性コア１７ａ・１
７ｂからなる。

【０１０７】磁性コア１７ａ・１７ｂは高透磁率の部材
であり、フェライトやパーマロイ等といったトランスの
コアに用いられる材料がよく、より好ましくは１００ｋ
Ｈｚ以上でも損失の少ないフェライトを用いるのがよ
い。

【０１０８】励磁コイル１８はコイル（線輪）を構成さ
せる導線（電線）として、一本ずつがそれぞれ絶縁被覆
された銅製の細線を複数本束ねたもの（束線）を用い、
これを複数回巻いて励磁コイルを形成している。本例で
は１０ターン巻いて励磁コイル１８を形成している。

【０１０９】絶縁被覆は定着ベルト１０の発熱による熱
伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用いるのがよい。
たとえば、アミドイミドやポリイミドなどの被覆を用い
るとよい。

【０１１０】磁場発生手段アセンブリ２０からの励磁コ
イル給電部（引出線）１８ａ・１８ｂ（図４）について
はアセンブリから外の部分について束線の外側に絶縁被
覆を施している。励磁コイル１８は外部から圧力を加え
て密集度を向上させてもよい。

【０１１１】励磁コイル１８の形状は、図２のように、
定着ベルト１０に内包の加熱体としての電磁誘導発熱層
１の曲面に沿うようにしている。本例では定着ベルト１
０の発熱層１と励磁コイル１８との間の距離は略２ｍｍ
になるように設定した。

【０１１２】磁性コア１７ａ・１７ｂ及び励磁コイル１
８と、定着ベルト１０の発熱層１の間の距離はできる限
り近づけた方が磁束の吸収効率が高いのであるが、この
距離が５ｍｍを越えるとこの効率が著しく低下するため
５ｍｍ以内にするのがよい。また、５ｍｍ以内であれば
定着ベルト１０の発熱層１と励磁コイル１８の距離が一
定である必要はない。

【０１１３】励磁コイル保持部材１９の材質としては絶
縁性に優れ、耐熱性がよいものがよい。例えば、フェノ
ール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリアミドイミド樹脂、ＰＥＥＫ樹脂、ＰＥＳ樹
脂、ＰＰＳ樹脂、ＰＦＡ樹脂、ＰＴＦＥ樹脂、ＦＥＰ樹
脂、ＬＣＰ樹脂などを選択するとよい。

【０１１４】励磁コイル１８には給電部１８ａ・１８ｂ
（図４）に励磁回路２７を接続してある。この励磁回路
２７は約２０ｋＨｚから５００ｋＨｚの高周波電流をス
イッチング電源で発生できるようになっている。

【０１１５】励磁コイル１８は励磁回路２７から供給さ
れる交番電流（高周波電流）によって交番磁束を発生す
る。定着ベルト１０に内包の加熱体としての電磁誘導発
熱層１には上記の交番磁束を打ち消す方向に渦電流が流
れ、ジュール熱が発生し、定着ベルト１０が発熱する。

【０１１６】図８は交番磁束の発生の様子を模式的に表
したものである。磁束Ｃは発生した交番磁束の一部を表
す。磁性コア１７ａ・１７ｂに導かれた交番磁束Ｃは定
着ベルト１０の電磁誘導発熱層１に渦電流を発生させ
る。この渦電流は電磁誘導発熱層１の固有抵抗によって
電磁誘導発熱層１にジュール熱（渦電流損）を発生させ
る。ここでの発熱量Ｑは電磁誘導発熱層を通る磁束の密
度によって決まり図８のグラフような分布を示す。

【０１１７】図８のグラフは、縦軸が磁性コア１７ａの
中心を０とした角度θで表した定着ベルト１０における
円周方向の位置を示し、横軸が定着ベルト１０の電磁誘
導発熱層１での発熱量Ｑを示す。ここで、発熱域Ｈ（発
熱箇所、加熱部位）は最大発熱量をＱとした場合、発熱
量がＱ／ｅ以上の領域と定義する。これは、定着に必要
な発熱量が得られる領域である。

【０１１８】定着ニップ部Ｎの温度は、温度検知手段２
６（図２）を含む温調系により励磁コイル１８に対する
電流供給が制御されることで所定の温度が維持されるよ
うに温調される。

【０１１９】温度検知手段２６は定着ベルト１０の温度
を検知するサーミスタなどの温度センサであり、本実施
例の装置においてはこの温度センサ２６は定着ニップ部
Ｎよりも定着ベルト回転方向上流側でベルトガイド部材
１６よりも定着ベルト回転方向下流側において定着ニッ
プ部寄りの位置で定着ベルト１０の内面に接触させて配
設してあり、定着ニップ部Ｎの前で温度センサ２６で測
定した定着ベルト１０の温度情報をもとに定着ニップ部
Ｎの温度を制御するようにしている。これは、定着ベル
ト１０の温度を定着ニップ部前で制御することで被記録
材Ｐおよびトナーｔに与える熱量を制御するためであ
る。

【０１２０】Ｆ）安全回路 本例においては、定着ベルト１０の発熱域Ｈ（図８）の
対向位置に暴走時の励磁コイル１８への給電を遮断する
ため温度検知素子であるサーモスイッチ５０（図２）を
配設している。

【０１２１】図９は本例で使用した安全回路の回路図で
ある。温度検知素子であるサーモスイッチ５０は＋２４
ＶＤＣ電源とリレースイッチ５１と直列に接続されてお
り、サーモスイッチ５０が切れると、リレースイッチ５
１への給電が遮断され、リレースイッチ５１が動作し、
励磁回路２７への給電が遮断されることにより励磁コイ
ル１８への給電を遮断する構成をとっている。サーモス
イッチ５０はＯＦＦ動作温度を２２０℃に設定した。

【０１２２】また、サーモスイッチ５０は定着ベルト１
０の発熱域Ｈに対向して定着ベルト１０の外面に非接触
に配設した。サーモスイッチ５０と定着ベルト１０との
間の距離は略２ｍｍとした。これにより、定着ベルト１
０にサーモスイッチ５０の接触による傷が付くことがな
く、耐久による定着画像の劣化を防止することができ
る。

【０１２３】本例によれば、装置故障による装置暴走
時、定着ベルト１０が定着ニップ部Ｎで発熱する構成と
は違い、定着ニップ部Ｎに記録紙Ｐが挟まった状態で装
置が停止し、励磁コイル１８に給電が続けられ定着ベル
ト１０が発熱し続けた場合でも、記録紙Ｐが挟まってい
る定着ニップ部Ｎでは発熱していないために記録紙Ｐが
直接加熱されることがない。また、発熱量が多い発熱域
Ｈには、サーモスイッチ５０が配設してあるため、サー
モスイッチ５０が２２０℃を感知して、サーモスイッチ
５０が切れた時点で、リレースイッチ５１により励磁コ
イル１８への給電が遮断される。

【０１２４】よって、被記録材としての紙の発火温度は
約４００℃近辺であるため紙が発火することなく、定着
ベルト１０の発熱を停止することができる。

【０１２５】温度検知素子としてサーモスイッチ５０の
ほかに温度ヒューズを用いることもできる。

【０１２６】Ｇ）駆動ローラ３１の駆動速度制御（画像
伸び防止） 定着装置１００において、駆動回転体である駆動ローラ
（第２の加圧ローラ）３１の径により定着ニップ部Ｎに
おける記録紙搬送速度が支配されるため、前述したよう
に、記録開始初期で駆動ローラ３１が冷えている状態時
の該ローラの径（初期径）による定着ニップ部Ｎにおけ
る記録紙搬送速度に比べて、連続プリント動作を行うう
ちに駆動ローラ３１が加熱部材である定着フィルム１０
からの熱により加熱されて昇温してゆき、熱膨張を生じ
て外径が初期径よりも増し、初期径よりも径が大きくな
ることで定着ニップ部Ｎにおける記録紙搬送速度が速く
なる変動現象を生じる。

【０１２７】すると、記録動作を連続したときには、転
写部（画像形成部）Ｔ２における記録紙搬送速度（所定
のプロセススピード）に対して、定着装置１００の定着
ニップ部Ｎにおける記録紙搬送速度が速くなって、記録
紙Ｐが転写部Ｔ２を所定のプロセススピードで搬送され
てトナー画像転写を受けつつ転写部Ｔ２を通過してその
先端が定着装置１００の定着ニップ部Ｎに到達し定着ニ
ップ部Ｎに狭持されると、記録紙Ｐは転写部Ｔ２におけ
る所定のプロセススピードである記録紙搬送速度よりも
大きくなった定着装置１００の定着ニップ部Ｎにおける
記録紙搬送速度をもって搬送されるようになる。

【０１２８】そのため、記録紙先端が定着装置１００の
定着ニップ部Ｎに到達した時点における記録紙の、定着
ニップ部Ｎと転写部Ｔ２との間の領域部以降の記録紙領
域部に転写される記録画像は、記録紙Ｐが転写部Ｔ２に
おける所定のプロセススピードである記録紙搬送速度よ
りも大きい定着装置１００の定着ニップ部Ｎにおける搬
送速度をもって引張られて搬送されるので、記録紙方向
に引き伸ばされてしまい、画像伸びを生じたものとな
る。場合によってはその画像伸びで画像後端部が記録紙
後端からはずれてしまうことになる。

【０１２９】そこで本実施例では、簡単で低コストな手
段構成にて、駆動回転体である駆動ローラ３１の熱膨張
による径変化に拘わらず定着ニップ部Ｎにおける記録紙
Ｐの挟持搬送速度は所定のほぼ一定速度に精度よく維持
管理されるようにして連続記録時の記録画像の伸び防
止、記録紙１ページ内での画像倍率の変化を防ぐように
している。

【０１３０】すなわち、定着ニップ部Ｎにおける記録紙
Ｐの挟持搬送速度を支配する駆動ローラ３１の径の熱膨
張に伴う変化を検知手段で検知させ、その検知結果すな
わち駆動ローラ３１の径変化情報に応じて、定着ニップ
部Ｎにおける記録紙Ｐの挟持搬送速度は所定のほぼ一定
速度が維持されるように制御手段により駆動ローラ３１
の駆動手段Ｍを制御して駆動ローラ３１の駆動速度（回
転速度ｒｐｍ）を変化させるもので、これにより、簡単
で低コストな手段構成にて、駆動ローラ３１の熱膨張に
よる径変化に拘わらず定着ニップ部Ｎにおける記録紙Ｐ
の挟持搬送速度は所定のほぼ一定速度に精度よく維持管
理され、転写部Ｔ２での記録紙Ｐの搬送速度との速度ず
れが防止され、連続記録時の記録画像の伸び防止、記録
紙１ページ内での画像倍率の変化を防ぐことができる。

【０１３１】図１０に本実施例の駆動ローラ３１の駆動
制御システム（画像伸び防止制御システム）概略図を示
す。

【０１３２】本実施例では、定着装置駆動制御装置（制
御手段）３２と、駆動ローラ３１に接触させた、駆動ロ
ーラ径を検知する検知手段としての変位センサ３３（ロ
ードセル等）により、駆動ローラ３１の外径を常に計測
し、この外径の初期径に対する増加率に応じて、駆動ロ
ーラ３１を駆動するステッピングモータＭの回転速度、
即ち駆動ローラ３１の駆動速度（ローラ回転速度ｒｐ
ｍ）を段階的に遅くしてゆくものである。

【０１３３】具体的には、初期の駆動ローラ３１の外径
がφ２０．００ｍｍで、駆動ローラ３１の回転数が１１
２ｒｐｍのときには、駆動ローラ３１の表面速度（回転
周速度）は１１７．３ｍｍ／ｓである。

【０１３４】そして駆動ローラ３１が加熱部材である定
着フィルム１０の熱をうけて膨張したときの駆動ローラ
３１の外径がφ２０．４５ｍｍで、駆動ローラ３１の回
転数が１１２ｒｐｍのままでは駆動ローラ３１の表面速
度は１１９．９ｍｍ／ｓと初期の表面速度１１７．３ｍ
ｍ／ｓよりも２．２５％増加する。これに伴い定着ニッ
プ部Ｎにおける記録紙搬送速度の上昇割合もこれに比例
する。

【０１３５】よって本実施例では、駆動ローラ３１を回
転させるステッピングモータＭの回転速度を低減して定
着ニップ部Ｎにおける記録紙搬送速度は駆動ローラ３１
の熱膨張による径変化に拘わらず所定のほぼ一定速度に
精度よく維持させることで、前記の記録画像の伸びを抑
制するものである。

【０１３６】図１１は上記制御のフローチャートであ
る。プリント開始時の駆動ローラ３１の外径を初期値と
して変位センサ３３により計測して定着装置駆動制御装
置３２にメモリーさせ、連続プリント過程ではこの初期
値に対し０．５％以上駆動ローラ３１の外径が大きくな
っていないかどうかを判断させる（ステップ１）。０．
５％以上大きくなっていれば、駆動ローラ３１を回転さ
せるステッピングモータＭの駆動周波数を変化させ駆動
ローラ３１の駆動速度（回転速度）を初期値に対し０．
５％ダウンさせる（ステップ２）。

【０１３７】さらに、０．５％以上駆動ローラ３１の外
径が大きくなっていないかどうか、すなわち駆動ローラ
３１の外径の初期値に対し１．０％大きくなっていない
かを判断する（ステップ３）。１．０％以上大きくなっ
ていれば、駆動ローラ３１の駆動速度を初期値に対し
１．０％ダウンさせる（ステップ４）。

【０１３８】以下同様に、０．５％刻みで駆動ローラ３
１の駆動速度制御を繰り返す。

【０１３９】本実施例では、画像伸びが０．５％以内に
抑えられることになる。

【０１４０】駆動ローラ３１の外径を常に計測する変位
センサ３３の取付け位置は、定着ニップ部Ｎの形成直前
部での駆動ローラ３１の外径をより精度よく測定できる
よう、定着ニップ部Ｎの記録紙搬送方向の上流側に配設
しておくと良い。

【０１４１】本実施例では接触式の変位センサ３３を用
いたが、これを超音波方式等の非接触式としても良い。

【０１４２】制御装置３２による駆動ローラ３１の駆動
速度切換えタイミングを記録紙Ｐの定着ニップ部Ｎへの
非導入時とすることで、記録紙１ページ内で倍率が変更
するのを防ぐことができる。

【０１４３】〈第２の実施例〉（図１２・図１３） 本実施例においては、図１２に示すように、ベルトガイ
ド部材１６により定着ベルト１０の形状を略円筒形状に
維持し、回転させた構成で、磁場発生手段１７・１８を
定着ベルト１０の外側に配設している。なお、第１の実
施例と共通の構成部材・部分には同一の符号を付して再
度の説明を省略する。

【０１４４】この第２の実施例において、左右のフラン
ジ部材２３ａ・２３ｂはそれぞれ、図１３に示すよう
に、ベルトガイド部材１６の両端部側に設けられた段部
１６ａ・１６ｂと装置シャシー７０のシャシー側板７０
ａ・７０ｂ（図３）の間に位置決めされてスラスト方向
への移動は規制されている。定着ベルト１０はこの左右
のフランジ部材２３ａ・２３ｂ間において、駆動ローラ
３１、ベルトガイド部材１６の外側にルーズに外嵌させ
てある。

【０１４５】本例において、ベルトガイド部材１６を定
着ニップ部部Ｎよりも定着ベルト回転方向上流側（以
下、定着ニップ部上流側と記す）に定着ベルト１０と当
接可能に配設する事で、定着ニップ部上流側で、定着ニ
ップ部に対する定着ベルト１０の位置が決まり、安定し
た定着ベルト走行を実現することができる。これによ
り、加圧バランスに差などにより定着ベルト１０に対し
ねじれ方向に発生する力に対しても定着ベルトの位置を
決めることができ、安定した定着ベルト走行を得ること
ができる。よって、安定した被記録材の搬送を行うこと
ができる。

【０１４６】本例においては、磁場発生手段１７・１８
を定着ベルト１０の外側で、定着ニップ部上流に配置し
たが、磁場発生手段の向き・形状は変更することができ
る。

【０１４７】磁場発生手段１７・１８を定着ベルト１０
の外側に配設すると、磁場発生手段を定着ベルトの内側
に配設する場合と比較して、定着ベルト径を小さくする
ことができ、定着ベルトの熱容量の低減を図ることが可
能となる。

【０１４８】サーモスイッチ５０は定着ベルト１０の発
熱域Ｈに対向して定着ベルト１０の内面に非接触に配設
した。サーモスイッチ５０と定着ベルト１０との間の距
離は略１ｍｍとした。これにより、定着ベルト１０にサ
ーモスイッチ５０の接触による定着ベルト１０からサー
モスイッチ５０への熱流出により、サーモスイッチ位置
の温度が低下することでの光沢ムラの発生を防止するこ
とができる。また、光沢ムラが気にならないモノクロ画
像や、光沢度の低い場合にはサーモスイッチ５０を定着
ベルト１０に当接することが可能である。また、トナー
画像形成域外において定着ベルト１０に当接することも
可能である。

【０１４９】〈その他の実施例〉 １）第１及び第２の実施例の定着装置においては、円筒
状の定着ベルト１０の内側の第２の加圧ローラ３１を駆
動ローラとしたが、このローラ３１は従動回転ローラに
し、定着ベルト１０の外側の第１の加圧ローラ３０を駆
動回転体として駆動をかける装置構成にしても良い。こ
の場合は駆動回転体としたこの第１の加圧ローラ３０の
径変化に応じて該ローラ３１の駆動速度を制御する。

【０１５０】２）ベルトガイド部材１６は図４のように
装置の長手にわたって配設することができるが、図１４
のように定着ベルト１０の両端部で被記録材Ｐのトナー
画像形成域外Ｂ・Ｂに配設することで、トナー画像域Ａ
で定着ベルト１０からベルトガイド部材１６への熱流出
をなくすことができ、消費電力の削減と、定着温度まで
の立ち上げ時間の短縮を図ることもできる。

【０１５１】３）定着ベルト端部の規制・保持用フラン
ジ部材２３ａ・２３ｂは、定着ベルト１０の回転時の寄
り移動方向が左方向または右方向の何れか一方向になる
ように装置構成することで、その寄り移動方向側のみに
配設することもできる。

【０１５２】４）電磁誘導発熱性部材である定着ベルト
１０は、モノクロあるいは１パスマルチカラー画像など
の加熱定着用の場合は弾性層２を省略した形態のものと
することもできる。

【０１５３】発熱層１は樹脂に金属フィラーを混入して
構成したものとすることもできる。

【０１５４】発熱層単層の部材とすることもできる。

【０１５５】５）実施例の定着装置は電磁誘導加熱方式
であるが、本発明において加熱装置もしくは像加熱装置
（定着装置）は前述した熱ローラ方式でも良いし、フィ
ルム加熱方式でも良い。

【０１５６】図１５は本発明に従うフィルム加熱方式・
加圧ローラ駆動式の定着装置の例である。

【０１５７】３５は加熱体としてのセラミックヒータ、
３６はヒータ支持体兼フィルムガイド部材、３７は移動
体としての円筒状の定着フィルム（耐熱性フィルム）で
ある。加熱体としてのセラミックヒータ３５は横長の低
熱容量のものであり、通電により急速に昇温し、通電が
断たれると急速に降温するものである。ヒータ支持体兼
フィルムガイド部材は耐熱性・断熱性・剛性を有する横
断面半円弧状樋型の部材であり、この部材の下面に上記
のセラミックヒータ３５を配設して保持させてある。円
筒状の定着フィルム３７は下面にセラミックヒータ３５
を配設保持させた上記のヒータ支持体兼フィルムガイド
部材３６にルーズに外嵌させてある。

【０１５８】３１は加圧部材としての加圧ローラであ
る。この加圧ローラ３１は駆動回転体としてステッピン
グモータＭにより回転駆動されるである。３１ａは該ロ
ーラの芯金、３１ｂは耐熱性・弾性層である。

【０１５９】加圧ローラ３１は定着フィルム３７を挟ん
でセラミックヒータ３５に所定の押圧力で圧接してい
て、所定幅の定着ニップ部Ｎを形成している。加圧ロー
ラ３１は本例の場合は矢印の反時計方向に回転駆動さ
れ、これに伴って円筒状の定着フィルム３７がその内面
が定着ニップ部Ｎにおいてセラミックヒータ３５の下面
に密着して摺動しながらヒータ支持体兼フィルムガイド
部材３６の外回りを矢印の時計方向に従動回転する。

【０１６０】そして、加圧ローラ３１を回転駆動させ、
セラミックヒータ３５に通電して定着ニップ部Ｎを所定
の定着温度に温調した状態において定着ニップ部の定着
フィルム３７と加熱ローラ３１との間に記録紙Ｐを導入
して挟持搬送させることで画像の加熱定着を行なわせる
ものである。

【０１６１】本例の装置においても、定着ニップ部Ｎに
おける記録紙Ｐの挟持搬送速度を支配する駆動回転体と
しての加圧ローラ３１の径の熱膨張に伴う変化を検知手
段３３（変位センサ）で検知させ、その検知結果すなわ
ち加圧ローラ３１の径変化情報に応じて、定着ニップ部
Ｎにおける記録紙Ｐの挟持搬送速度は所定のほぼ一定速
度が維持されるように制御手段３２により加圧ローラ３
１の駆動手段Ｍを制御して加圧ローラ３１の駆動速度
（回転速度ｒｐｍ）を変化させるものである。

【０１６２】６）本発明の加熱装置は実施例の画像加熱
定着装置としてに限らず、画像を担持した被記録材を加
熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着す
る像加熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装置、加熱
ラミネート装置など、広く被加熱材を加熱処理する手段
・装置として使用できる。

【０１６３】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、駆
動手段で回転駆動される駆動回転体を有するニップに被
加熱材（被記録材）を導入して駆動回転体の周速度に対
応した速度で挟持搬送させて加熱する加熱装置もしくは
像加熱装置において、簡単で低コストな手段構成にて、
駆動回転体の熱膨張による径変化に拘わらずニップにお
ける被加熱材の挟持搬送速度は所定のほぼ一定速度に精
度よく維持管理され、画像形成装置にあっては連続記録
時の記録画像の伸び防止、記録紙１ページ内での画像倍
率の変化を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 第１の実施例における画像形成装置の概略構
成図

【図２】 定着装置の要部の横断側面模型図

【図３】 同じく要部の一部切欠き正面模型図

【図４】 同じく要部の分解斜視図

【図５】 定着ベルトの層構成模型図（その１）

【図６】 定着ベルトの層構成模型図（その２）

【図７】 発熱層深さと電磁波強度の関係を示したグラ
フ

【図８】 磁場発生手段と発熱量Ｑの関係を示した図

【図９】 安全回路を示した図

【図１０】 駆動ローラの駆動速度制御系のブロック図

【図１１】 制御のフローチャート

【図１２】 第２の実施例の定着装置の要部の横断側面
模型図

【図１３】 定着ベルトと、ベルトガイド部材と、左右
のフランジ部材の分解斜視図

【図１４】 他の実施例の装置の要部の分解斜視図

【図１５】 さらに他の実施例の装置の要部の概略の構
成模型図

【符号の説明】

１・・発熱層、２・・弾性層、３・・離型層、４・・断
熱層、１０・・定着ベルト（電磁誘導発熱性部材）、１
６・・ベルトガイド部材、１７・・磁性コア、１８・・
励磁コイル、１９・・励磁コイル保持部材、２０・・磁
場発生手段アセンブリ、２３ａ，２３ｂ・・定着ベルト
端部の規制・保持用フランジ部材、２６・・温度検知素
子（サーミスタ）、３０・・第１の加圧ローラ、３１・
・第２の加圧ローラ（駆動ローラ）、３２・・定着装置
制御装置、３３・・駆動ローラ径検知手段（変位セン
サ）、５０・・安全用温度検知素子

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】駆動手段で回転駆動される駆動回転体を有
   するニップに被加熱材を導入して駆動回転体の回転周速
   度に対応した速度で挟持搬送させて加熱する加熱装置に
   おいて、 駆動回転体の径を検知する検知手段と、検知手段の検知
   結果に基づいて駆動手段を制御して駆動回転体の駆動速
   度を変化させる制御手段を有することを特徴とする加熱
   装置。
2. 【請求項２】加熱体と、加熱体を内包して移動する移動
   体と、移動体に接して設けられ、駆動手段で駆動される
   駆動回転体を有し、移動体と駆動回転体によって形成さ
   れるニップに被加熱材を導入して駆動回転体の回転周速
   度に対応した速度で挟持搬送させて加熱する加熱装置に
   おいて、 駆動回転体の径を検知する検知手段と、検知手段の検知
   結果に基づいて駆動手段を制御して駆動回転体の駆動速
   度を変化させる制御手段を有することを特徴とする加熱
   装置。
3. 【請求項３】駆動回転体の径を検知する検知手段をニッ
   プの被加熱材搬送方向の上流側に配置したことを特徴と
   する請求項１又は２に記載の加熱装置。
4. 【請求項４】制御手段が検知手段の検知結果に基づいて
   駆動手段を制御して駆動回転体の駆動速度を変化させる
   タイミングは、被加熱材をニップに導入して挟持搬送し
   ないときとすることを特徴とする請求項１乃至３の何れ
   かに記載の加熱装置。
5. 【請求項５】駆動手段にステッピングモータを用い、該
   ステッピングモータの駆動パルス周波数を変化させるこ
   とによって駆動回転体の駆動速度を変化させることを特
   徴とする請求項１乃至４の何れかに記載の加熱装置。
6. 【請求項６】請求項１乃至５の何れかに記載の加熱装置
   を被記録材上の画像を加熱する加熱手段として有するこ
   とを特徴とする像加熱装置。
7. 【請求項７】画像の加熱が未定着画像の熱定着であるこ
   とを特徴とする請求項６に記載の像加熱装置。
8. 【請求項８】被記録材上の画像を加熱する像加熱装置と
   して請求項１乃至５の何れかに記載の加熱装置を有する
   ことを特徴とする画像形成装置。
9. 【請求項９】被記録材に画像を形成する画像形成部と、
   記録材に形成された画像を加熱する像加熱装置を有し、
   像加熱装置が請求項１乃至５の何れかに記載の加熱装置
   であることを特徴とする画像形成装置。
10. 【請求項１０】画像の加熱が未定着画像の熱定着である
    ことを特徴とする請求項９に記載の画像形成装置。
11. 【請求項１１】被記録材に画像を形成する画像形成部が
    電子写真プロセス手段によることを特徴とする請求項９
    又は１０に記載の画像形成装置。
12. 【請求項１２】外部装置から送り出される記録命令、画
    像情報に基づいて被記録材に対する画像記録が行われる
    ことを特徴とする請求項９乃至１１の何れかに記載の画
    像形成装置。