JP2002110336A - 電磁誘導加熱装置及びこれを用いた画像記録装置 - Google Patents

電磁誘導加熱装置及びこれを用いた画像記録装置

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JP2002110336A JP2000295017A JP2000295017A JP2002110336A JP 2002110336 A JP2002110336 A JP 2002110336A JP 2000295017 A JP2000295017 A JP 2000295017A JP 2000295017 A JP2000295017 A JP 2000295017A JP 2002110336 A JP2002110336 A JP 2002110336A
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Yasuhiro Uehara
康博 上原
Motofumi Baba
基文 馬場
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加熱体の発熱分布を自由に調整し、目的に
合致した発熱分布を容易に得る。 【解決手段】 少なくとも電磁誘導発熱層2を有する被
加熱体1と、この被加熱体1の電磁誘導発熱層2に向か
って対向配置されて電磁誘導発熱層2を貫く磁束を生成
する励磁コイル4が含まれる磁場発生手段3とを備えた
電磁誘導加熱装置において、励磁コイル4の磁束の一部
と鎖交することによって電磁誘導作用が生じ、電磁誘導
発熱層2へ作用する磁束が変化せしめられる磁束調整部
材6を励磁コイル4の近傍に配置する。更に、磁束調整
部材6による磁束調整度合が可変せしめられる調整可変
手段7を設ける。また、これらの電磁誘導加熱装置を使
用した画像記録装置も対象とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁誘導加熱を利
用した電磁誘導加熱装置、及び、これを用いた画像記録
装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機・レーザビームプリンタ・
ファクシミリ・マイクロフィルムリーダプリンタ・画像
表示(ディスプレイ)装置・静電記録装置等の画像形成
装置においては、電子写真・静電記録・磁気記録等の適
宜の画像形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等よ
り成るトナーを用いて記録材(エレクトロファックスシ
ート・静電記録シート・転写材シート・印刷紙など)の
面に直接方式もしくは間接(転写)方式で目的の画像情
報に対応した顕画像(未定着のトナー画像)を形成し、
この記録材を加熱定着装置(像加熱装置)に案内搬送
し、記録材面に前記画像を永久固着画像として加熱定着
処理するものが既に知られている。
【0003】ところで、この種の加熱定着装置(像加熱
装置)としては、熱ロール方式やフィルム加熱方式が広
く使われてきた。熱ロール方式は、例えば内部にヒータ
を備えた金属性の加熱定着ロールと、それに圧接する弾
性を持つ加圧定着ロールとを基本構成とし、この一対の
定着ロールにより形成される定着ニップ域に記録材を搬
入させることにより、トナー像を加熱・加圧定着させる
ものである。しかし、このような熱ロール方式では、定
着ロールの熱容量が大きいため、定着ロール表面を定着
温度まで上げるのには非常に多くの時間を要していたた
め、ウォーミングアップに時間がかかり、また、ファー
ストプリントを速くするためには、スタンバイ状態を設
けて常時定着ロールを加熱状態に置いておくことが必要
であった。ところが、最近では、この種の問題を解決す
るために、できる限り定着ロールの熱容量を低下させる
ことで、スタンバイ状態を設けなくても済むレベルにな
ってきた。
【0004】一方、フィルム加熱方式としては、固定支
持された加熱体としてのヒータと、該ヒータに対向圧接
しつつ搬送される耐熱性フィルムと、この耐熱性フィル
ムを介して被加熱材をヒータに密着させる加圧部材とを
有し、ヒータの熱を耐熱性フィルムを介して記録材へ付
与する構成の装置が一部利用されるようになってきた。
このフィルム加熱方式は、耐熱性フィルムと加圧部材と
の間に搬入される画像定着すべき記録材と順方向に同一
速度で耐熱性フィルムを走行移動させ、該耐熱性フィル
ムと加圧部材との圧接で形成される定着ニップ域に記録
材を通過させることにより、記録材の顕画像担持面を耐
熱性フィルムを介してヒータで加熱し、記録材の顕画像
に熱エネルギを付与して軟化・溶融せしめ、次いで、定
着ニップ域通過後の耐熱性フィルムと記録材とを分離点
で離間させることを基本とする装置である。
【0005】このような熱ロール方式やフィルム加熱方
式において、加圧定着ロールや加圧部材としては、一般
には耐熱性、離型性にすぐれたシリコーンゴムやフッ素
ゴムのロール体が多く利用されている。また、ヒータと
してハロゲンランプや低熱容量のサーマルヒータが用い
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな熱ロール方式やフィルム加熱方式の加熱定着装置に
あっては、次のような技術的課題が見られた。すなわ
ち、耐久性や高速化等のために高剛性の厚肉のロールや
フィルムを用いた場合、熱伝導が悪くなったり、熱容量
が大きくなって熱応答性が低下してしまい、急速に加熱
可能な状態を達成できなくなる。言い換えれば、厚肉ロ
ールやフィルムが熱抵抗となってヒータから被加熱材で
ある記録材への熱伝達を損なう虞れがあるため、省エネ
ルギ・クイックスタート性が損なわれる。
【0007】このような技術的課題を解決するために、
本発明者等はロール自体またはフィルム自体を発熱させ
ることで、ロールやフィルムが熱抵抗とならないように
して熱効率を向上させた電磁誘導加熱を利用した電磁誘
導加熱装置の研究を行ってきた。これは、磁場発生手
段、例えば磁性体である芯材と励磁コイルとを組み合わ
せることによって発生する磁場を励磁回路(例えば励磁
コイルに高周波を与える回路)で変化させ、その発生磁
場の中に電磁誘導発熱層(導電性部材[誘導磁性材、磁
界吸収導電材]など)が含まれる被加熱体としてのロー
ルやフィルムを通過させ、磁界の発生消滅の繰り返し
(変動磁界)によってロールやフィルムの中の電磁誘導
発熱層に渦電流を発生させるものである。この態様にお
いては、前記渦電流が電磁誘導発熱層の電気抵抗によっ
て熱(ジュール熱)に変換され、結果的に被加熱材であ
る記録材に密着するロールやフィルムのみが発熱するか
ら、熱効率の優れた加熱装置が提供される。
【0008】すなわち、変動する磁界が導体(ロールや
フィルム内の電磁誘導発熱層)中を横切るとき、その磁
界の変化を妨げる磁界を発生させるようにロールやフィ
ルムの電磁誘導発熱層には渦電流が発生する。この渦電
流がロールやフィルムの電磁誘導発熱層の表皮抵抗によ
り、表皮抵抗に比例した電力でロールやフィルムの電磁
誘導発熱層を発熱させる。このとき、ロールやフィルム
の表層近くに電磁誘導発熱層を設けるようにすれば、ロ
ールやフィルムの表層近くを直接発熱させることが可能
になるので、ロールやフィルム基層の熱伝導率、熱容量
によらず急速に加熱できる利点がある。これにより、省
エネルギ・クイックスタート性を損なうことなく、ロー
ルやフィルム基層の高剛性の厚膜化を図り、耐久性・高
速化に対処することが可能である。
【0009】しかしながら、このような電磁誘導加熱装
置にも次のような技術的課題が見られた。すなわち、 1) 励磁コイルが巻かれる長尺な芯材(コア)が一体
成型されていたため、長手方向に対して発熱量を調整す
ることが困難である。 2) 長尺なコアに巻かれる励磁コイルは長手方向両端
にて折り返されるパターンを具備するが、この励磁コイ
ルの両端折返し部では磁場の集中により異常加熱現象が
発生する。このことによって長手方向に亘る温度の不均
一化が発生し、加熱定着装置において部分昇温に起因す
る定着画像の光沢むらやホットオフセットの発生原因に
なる懸念がある。 3) また、熱ロール方式においては、フィルム加熱方
式より、定着ニップ域において中央よりも端部の方が放
熱量が大きいため、記録材に与える熱量を均一にでき
ず、端部で加熱不足・定着不良を起こしたり、フィルム
加熱方式とは逆に中央でトナーがフィルムへオフセット
するという技術的課題がある。 4) 更に、加熱領域よりも幅の狭い記録材としての用
紙を通過した場合に、非通紙領域の熱が消費されないた
めに、その領域だけ温度が高くなるという技術的課題も
ある。
【0010】このような技術的課題(温度の不均一課
題)を解決する先行例としては、例えば以下のものが挙
げられる。 ・特開平8−30216号公報は、電磁誘導加熱装置に
おいて、被加熱体加熱部長手にわたり良熱伝導性を有す
る部材を配置する事によって、熱の放散により温度分布
を補正しようとするものである。 ・特開平8−179647号公報は、定着ロールの内部
に配した励磁コイルの巻き径が励磁コイルの長手方向両
端部を中央部より大きくする事によって、ロール両端部
の発熱を大きくして均一な温度分布を得るものである。 ・特開平9−26719号公報は、励磁コイルと定着ロ
ール内の電磁誘導発熱層との距離について、両端部を中
央部より狭くする事により、両端部における磁束の吸収
を大きくして発熱量を増大して端部の温度の落ち込みを
補正するものである。 ・特開平10−10901号公報は、励磁コイルのコア
に記録サイズに応じた複数の巻き線を具備させ、通過す
る記録材に対応した発熱を選択できるようにして温度の
均一化を達成するものである。
【0011】・特開平10−31379号公報は、低周
波誘導加熱方式において、定着ロールの両端部の抵抗を
中央部より小さくすることによって、端部の発熱を大き
くする事によって励磁ロールの温度分布を均一にするも
のである。 ・特開平9−106207号公報は、定着ロール内に複
数のコアを配設すると共に、夫々のコアに励磁コイルを
巻回し、各励磁コイルの接続構造として、並列接続と直
列接続とを適宜組みあわせ、定着ロールの温度分布を略
均一にするものである。 ・特開平11−167982号公報は、電磁誘導発熱性
部材(被加熱体)両端部において、励磁コイルを進行方
向に対して傾けるように配置する事によって、発熱量を
増大させ、温度の均一化を達成するものである。 ・特開平11−202652号公報は、励磁コイルのコ
アの形状を両端部でテーパ形状とする事により、両端部
で吸収される磁束を大きくして温度分布を均一化するも
のである。 ・特開2000−39796号公報は、被加熱体の発熱
がキューリー地点近傍で減少する事を利用した自己温度
制御特性によって温度の均一化を達成するものである。
【0012】このように、被加熱体の温度分布の均一化
については従前より多くの提案がなされているが、夫々
一長一短(短所例:熱効率が悪い、構成が複雑化する
等)があり、実際には採用が困難であった。また、いず
れの先行例にあっても、被加熱体の温度分布を均一化す
ることを企図しているが、目的に合致した発熱分布を自
由に得ることは何等配慮されていない。
【0013】本発明は、以上の技術的課題を解決するた
めになされたものであって、被加熱体の発熱分布を自由
に調整し、目的に合致した発熱分布を容易に得ることを
可能とした電磁誘導加熱装置及びこれを用いた画像記録
装置を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、図
1に示すように、少なくとも電磁誘導発熱層2を有する
被加熱体1と、この被加熱体1の電磁誘導発熱層2に向
かって対向配置されて電磁誘導発熱層2を貫く磁束を生
成する励磁コイル4が含まれる磁場発生手段3とを備え
た電磁誘導加熱装置において、励磁コイル4の磁束の一
部と鎖交することによって電磁誘導作用が生じ、電磁誘
導発熱層2へ作用する磁束が変化せしめられる磁束調整
部材6を励磁コイル4の近傍に配置したことを特徴とす
るものである。
【0015】このような技術的手段において、被加熱体
1としては、少なくとも電磁誘導発熱層2を具備してい
ればよく、像担持搬送体や定着部材などを広く含む。但
し、移動性については必須要件としていないため、被加
熱体1が固定された態様にも適用可能である。また、電
磁誘導発熱層2とは、磁束による電磁誘導現象に起因し
て発熱するものであれば、銅、金、銀、アルミニウム等
の非磁性の導電性材料を始め、ニッケル、鉄、ニッケル
−コバルト合金、強磁性ステンレスなどの強磁性体金属
等適宜選定してよい。更に、磁場発生手段3には、励磁
コイル4を要件としているが、磁場の生成効率を上げる
という観点からすれば、コア5を設け、このコア5に励
磁コイル4を巻き付ける態様が好ましい。
【0016】また、磁束調整部材6とは、励磁コイル4
の磁束の一部に鎖交することによって電磁誘導作用が生
じ、前記磁束に変化を与えるものであれば全て含む。こ
こで、磁束調整部材6の代表的な態様としては、単数あ
るいは複数回導電線材を巻装した導電性ループが挙げら
れる。この場合において、導電部材としては単一の導線
でも差し支えないが、導線を束ねた束線であってもよ
い。更に、導電部材の巻き数については単数に限られ
ず、複数回であってもよく、導電性ループの巻き数によ
り電磁誘導作用の程度を調整可能に設定することが可能
である。
【0017】また、磁束調整部材6の代表的な他の態様
としては、透磁率の低い材料からなる導電部材が挙げら
れるが、ここでいう導電部材は完全に非磁性でなくて
も、透磁率が低ければよい。この場合、導電部材は、導
電性ループのようにループ構造である必要はなく、単な
る板状、ブロック状など、励磁コイル4の磁束の一部が
鎖交することによってその周囲に誘導電流が誘導される
形状であればよい。
【0018】更に、磁場発生手段3の代表的な態様とし
て、構成の簡略化という観点からすれば、励磁コイル4
が保持せしめられるホルダに磁束調整部材6を保持させ
る態様が挙げられる。また、磁束調整部材6のレイアウ
トについては、励磁コイル4の磁束の一部が鎖交する位
置であれば任意に選定して差し支えない。例えば励磁コ
イル4と略同一平面上に設ける場合には、励磁コイル4
の内周縁若しくは外周縁の近傍に磁束調整部材6を配置
すればよいが、これに限られるものではなく、例えば被
加熱体1を挟んで励磁コイル4とは反対側に磁束調整部
材6を配置するようにしてもよいし、あるいは、励磁コ
イル4を挟んで被加熱体1とは反対側に磁束調整部材6
を配置するようにしてもよい。尚、磁束調整部材6とし
ては、励磁コイル4のホルダ上に設けて、励磁コイル4
と一体に設けるようにしてもよい。
【0019】また、磁束調整部材6の用途としては、励
磁コイル4の磁束を局所的に弱めることが可能である。
よって、励磁コイル4の磁束の中で局所的に大きい個所
があり、これを弱めたいという要請下においては、磁束
調整部材6は、電磁誘導発熱層2へ作用する励磁コイル
4の磁束のうち周囲より大きい個所に対応する磁束部分
が鎖交するように配置されればよい。
【0020】このような電磁誘導加熱装置によれば、以
下のような作用を奏する。すなわち、図1に示すよう
に、電磁誘導の法則より、磁場発生手段3の励磁コイル
4の磁束と鎖交する位置に磁束調整部材6(図1では導
電性ループを例示)を配置すると、磁束調整部材6には
鎖交する磁束の変化割合に比例した起電力が生じ、磁束
調整部材6には誘導電流が流れる閉回路(鎖交回路)が
形成される。このとき、その起電力の方向、あるいは、
起電力が生じて流れる電流の方向はその電流によって生
ずる磁束が、鎖交磁束の変化を妨げる方向である。すな
わち、図1において、励磁コイル4の磁束が磁束調整部
材6と鎖交する割合が変化しようとしたときに、それを
妨げる磁束を作る方向に誘導電流が流れ、この誘導電流
によって所定の起電力が生じるのである。要するに、本
発明は電磁誘導の法則を用いたものである。つまり、励
磁コイル4の近傍に磁束調整部材6を設けることによっ
て励磁コイル4と磁束調整部材6との間に相互インダク
タンスを作用させることによって、励磁コイル4から電
磁誘導発熱層2へ作用する磁束を制御するものであり、
それによって、電磁誘導発熱層2に生ずる発熱量を制御
するのである。
【0021】より具体的に説明すると、図1に示すよう
に、磁束調整部材(本例では導電性ループ)6に鎖交す
る磁束が通る領域では、磁束調整部材6に励磁コイル4
の磁束の変化を妨げる方向に誘導電流が作用するため、
励磁コイル4からの磁束密度が減少し、電磁誘導発熱層
2からの発熱量は押さえられる。このため、磁束の強い
領域に選択的に磁束調整部材6を設けることによって、
例えば加熱領域全域にわたって磁束の均一化を達成する
事が可能となり、それによって温度の均一化が達成され
る。このとき、磁束が特に強い領域では、磁束調整部材
6として例えば導電性ループを使用する態様では、鎖交
回路を構成する導電性ループの巻き数を多くする事によ
って、相互インダクタンスを増大させる方法を用い、そ
の部分の大きな発熱を押さえて温度の均一化を達成する
ことが可能である。
【0022】また、本発明においては、磁束調整部材6
を用途に応じて選択的に使用する態様も提供することが
可能である。この場合、本発明は、上述した電磁誘導加
熱装置に加え、更に、磁束調整部材6による磁束調整度
合が可変せしめられる調整可変手段7を設けるようにす
ればよい。この調整可変手段7の可変方法については、
単なる調整の有無は勿論のこと、調整度合を多段階に変
化させるものも含む。また、調整可変手段7の代表的な
態様としては、磁束調整部材6としての導電性ループを
開閉するスイッチング素子である態様が挙げられる。一
方、調整可変手段7の別の態様としては、磁束調整部材
6を移動自在に支持し、励磁コイル4の磁束の一部に対
する磁束調整部材6の鎖交領域を変化させる態様が挙げ
られる。ここで、磁束調整部材6の移動態様としては、
磁束調整部材6を直線移動させたり、回転させる等適宜
選定して差し支えない。
【0023】次に、調整可変手段7を設けた態様の作用
について説明する。今、図1において、例えば励磁コイ
ル4及び磁束調整部材6からの磁束分布が均一な磁束で
あっても、被加熱体1から消費される熱量が局所的な場
合には、被加熱体1の温度が不均一になる。このような
場合に、熱量が消費されないところに予め磁束調整部材
6を設けておくことによってその領域の磁束を減少し
て、温度分布の均一化が可能となる。ところが、被加熱
体1から熱量が消費される個所が変化する場合があり、
この場合には、それぞれの熱量消費パターンに応じて磁
束調整部材6からの磁束調整度合を変化させることが必
要になる。このような状況下において、磁束調整部材6
に調整可変手段7を付加する態様が必要になる。例えば
被加熱体1の全領域から熱量が消費される場合との温度
分布の両立を図るために、予め設けた磁束調整部材6に
調整可変手段(例えばスイッチング素子又は移動手段)
7を設けておき、被加熱体1全領域から熱量が消費され
る場合には、磁束調整部材6を働かないようにし(例え
ば導電性ループであれば鎖交回路を開いたり、励磁コイ
ル4からの磁束が鎖交しない位置に移動させるなど)、
つまり相互インダクタンスが作用しないようにして誘導
電流が生じないようにすれば、いずれの場合でも均一温
度分布を得る事が可能となる。
【0024】また、本発明は、電磁誘導加熱装置のみで
なく、この電磁誘導加熱装置を使用した画像記録装置を
も対象とする。ここで、画像記録装置における電磁誘導
加熱装置の使用態様としては例えば以下のものがある。
本発明に係る画像記録装置の一つの態様は、未定着像を
作成する作像手段と、この作像手段にて作成された未定
着像を記録材に加熱定着する加熱定着装置とを備え、こ
の加熱定着装置として電磁誘導加熱装置を使用したもの
である。
【0025】また、本発明に係る画像記録装置の別の態
様は、図1に示すように、電磁誘導発熱層2を有し且つ
未定着像が担持搬送せしめられる被加熱体1を兼用する
像担持搬送体と、この像担持搬送体の電磁誘導発熱層2
に向かって対向配置されて電磁誘導発熱層2を貫く磁束
を生成する励磁コイル4が含まれる磁場発生手段3と、
像担持搬送体上に未定着像を形成する図示外の作像手段
と、像担持搬送体の励磁コイル4に対向する部位の下流
位置に配設され且つ像担持搬送体上で溶融した被定着像
を記録材上に少なくとも押圧して転写、定着する図示外
の定着装置とを備えたものである。これは、転写同時定
着タイプの画像記録装置に本件の誘導加熱装置を適用し
たものであり、ここでいう定着装置の中で、少なくとも
押圧して転写、定着する点としたのは、押圧部材による
加圧転写、定着を基本とするが、静電転写、定着をも付
加することを排除しない趣旨である。
【0026】このような画像記録装置においては、記録
材が通過した領域で被加熱体の熱量が消費されることに
なるため、電磁誘導加熱装置を使用する場合には、例え
ば記録材の通過領域以外の領域に対応した部位に磁束調
整部材6(図1参照)を配設するようにすればよい。こ
のように、記録材の非通過領域に磁束調整部材6を配置
することで、電磁誘導発熱層2への磁束を低減し、発熱
度合を抑えることが可能になる。すなわち、記録材の非
通過領域では記録材による放熱がないため、発熱分布が
不均一になり易いという技術的課題を解消する点で好ま
しい。
【0027】また、このような画像記録装置において、
寸法の異なる記録材に対応して、磁束調整部材6による
磁束調整作用を異ならせるには、図1に示すように、更
に、電磁誘導加熱装置に、磁束調整部材6による磁束調
整度合が可変せしめられる調整可変手段7を設け、寸法
の異なる記録材に応じて調整可変手段7による磁束調整
度合を変化させ、記録材の通過領域以外の領域に対応し
た部位に対し磁束調整部材6による磁束調整作用を働か
せるようにすればよい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づいて本発明を詳細に説明する。 ◎実施の形態1 図2は、本発明に従う電磁誘導加熱装置を適用した加熱
定着装置の実施の形態1を示す模式図である。同図にお
いて、加熱定着装置は、一対の張架ロール31,32間
に掛け渡される定着ベルト10と、この定着ベルト10
の一方の張架ロール31に対向する部位に押圧せしめら
れて定着ベルト10との間に定着ニップ域を形成する加
圧ロール30と、定着ベルト10内に設けられ、定着ベ
ルト10を幅方向に沿って電磁誘導加熱する磁場発生装
置15とを備えている。
【0029】本実施の形態において、定着ベルト10の
層構成模式図を図4に示す。同図において、定着ベルト
10は、その内周側から順に例えばポリイミド層からな
るベース層11と、このベース層11上に積層される例
えば金属製の電磁誘導発熱層(以下、実施の形態では必
要に応じて発熱層と略記する)12と、この外面に積層
した弾性層13と、その外面に積層した離型層14との
複合構造である。尚、ベース層11と発熱層12、発熱
層12と弾性層13、弾性層13と離型層14との間の
接着のため、各層間にプライマ層(図示せず)を設けて
もよい。
【0030】以下、ベース層11〜離型層14について
詳述する。ベース層11としては、フッ素樹脂、ポリイ
ミド樹脂、ポリアミド樹脂、結晶性ポリマー、ポリアミ
ドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹
脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂などの耐熱
樹脂がよい。厚さとしては10〜1000μmが好まし
い。特に25〜75μmが最適である。ベース層11の
厚さが10μmよりも小さい場合には強度が得られず、
また、耐久性も不足する。一方、1000μmを超える
とベルトとしての柔軟性が確保できない。
【0031】発熱層12はニッケル、鉄、強磁性SU
S、ニッケル―コバルト合金といった強磁性体の金属で
あっても、また、銅、アルミニウム、金、銀、プラチ
ナ、白金などの非磁性の金属でもよい。その厚みは、磁
性体の金属の場合には、次の式で表される表皮深さより
厚くかつ100μm以下にすることが好ましい。ここ
で、表皮深さσ[m]は、励磁回路の周波数f[Hz]
と透磁率μと固有抵抗ρ[Ωm]との関係で σ=503×(ρ/fμ)1/2 と表される。磁性体の金属の発熱層12の厚さは好まし
くは20〜100μmがよい。発熱層12の厚みが20
μmよりも小さいとほとんどの電磁エネルギが吸収しき
れないため磁場の遮蔽が必要になる。また、発熱層12
が100μmを超えると剛性が高くなりすぎ、また屈曲
性が悪くなり回転体として使用するには現実的ではな
い。従って、発熱層12の厚みは20〜100μmが好
ましい。また、非磁性の金属の場合には、表皮深さが数
百μmとなり表皮深さより厚くすると抵抗が小さくなり
すぎてしまい、十分なジュール発熱が得られない。この
場合は、薄膜の金属を用いることによって磁性金属の場
合と同様な発熱量を得る事ができる。この場合の好まし
い厚みは1〜20μmである。1μm以下では、抵抗が
大きくなりすぎて十分な発熱が得られなくなる。
【0032】弾性層13は、シリコンゴム、フッ素ゴ
ム、フルオロシリコンゴム等で耐熱性がよく、熱伝導率
がよい材質である。また、弾性層13の厚さは10〜1
000μmが好ましい。この弾性層13の厚さは定着画
像品質を保証するために必要な厚さである。カラー画像
を印刷する場合、特に写真画像などでは記録材P上で大
きな面積に渡ってベタ画像が形成される。この場合、記
録材Pの凹凸あるいはトナー層の凹凸に加熱面(離型層
14)が追従できないと加熱ムラが発生し、伝熱量が多
い部分と少ない部分で画像に光沢ムラが発生する。伝熱
量が多い部分は光沢度が高く、伝熱量が少ない部分では
光沢度が低い。
【0033】弾性層13の厚さとしては、10μm以下
では記録材Pあるいはトナー層の凹凸に追従しきれず画
像光沢ムラが発生してしまう。また、弾性層13が10
00μm以上の場合には弾性層13の熱抵抗が大きくな
り、クイックスタートを実現するのが難しくなる。より
好ましくは弾性層13の厚みは30〜500μmがよ
い。弾性層13の硬度は、硬度が高すぎると記録材Pあ
るいはトナー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラが発
生してしまう。そこで、弾性層13の硬度としては60
°(JIS―A)以下、より好ましくは30°(JIS
―A)以下がよい。
【0034】弾性層13の熱伝導率λは、6×10-4
2×10-3[cal/cm・sec・deg.]がよ
い。熱伝導率λが6×10-4[cal/cm・sec・
deg.]よりも小さい場合には、熱抵抗が大きく、定
着ベルトの表面(離型層14)における温度上昇が遅く
なる。また、熱伝導率λが2×10-3[cal/cm・
sec・deg.]よりも大きい場合には、硬度が高く
なりすぎたり、圧縮永久歪みが悪化する。よって熱伝導
率λは6×10-4〜2×10-3[cal/cm・sec
・deg.]がよい。より好ましくは6×10-4〜1.
5×10-3[cal/cm・sec・deg.]がよ
い。尚、白黒定着専用の場合には、あえて弾性層13を
必要としない場合もある。この場合は、熱抵抗が少なく
なる分クイックスタート化や省エネが達成されるが、定
着後の画質は弾性体のある場合より劣る。
【0035】離型層14はフッ素樹脂、シリコン樹脂、
フルオロシリコンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、P
FA、PTFE、FEP等の離型性かつ耐熱性のよい材
料を選択することができる。離型層14の厚さは1〜3
0μmが好ましい。離型層14の厚さが1μmよりも小
さいと塗膜の塗ムラで離型性の悪い部分ができたり、耐
久性が不足するといった問題が発生する。また、離型層
14が30μmを超えると熱伝導が悪化するという問題
が発生し、特に樹脂系の離型層14の場合は硬度が高く
なりすぎ、弾性層13の効果がなくなってしまう。
【0036】更に、定着ベルト10の一方の張架ロール
31は例えば駆動ロールとして使用されており、芯金3
1aと、該芯金周りに同心一体にロール状に成形被覆さ
せた、シリコンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などの耐
熱性・弾性材層31bとで構成されている。芯金31a
の両端部は、図示外の装置シャーシ側板金間に回転自由
に軸受保持されている。そして、この駆動ロール31は
図示外の駆動機構により矢示の時計方向に回転駆動され
るようになっている。一方、定着ベルト10の他方の張
架ロール32はテンションロールとして使用されてお
り、このテンションロール32は、定着ベルト10にテ
ンションを加えることにより定着ベルト10を安定して
回転させる。そして、テンションロール32の両端に
は、定着ベルト10の端部を規制・保持するフランジ部
材32aが固定的に取り付けられている。このフランジ
部材32aは、定着ベルト10の回転時に該定着ベルト
10の端部を受けて定着ベルトの幅方向の寄り移動を規
制する役目をする。
【0037】更に、加圧ロール30は、芯金30aと該
芯金周りに同心一体にロール状に成形被覆させたシリコ
ンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などの耐熱性・弾性材
層30bとで構成されており、芯金30aの両端部を装
置の図示外のシャーシ側板金間に回転自由に軸受保持さ
せたものである。そして、加圧ロール30には図示外の
押し上げ機構で押し上げ力を作用させている。これによ
り、駆動ロール31と加圧ロール30の上面とが定着ベ
ルト10を挟んで圧接して所定幅の定着ニップ域が形成
される。この駆動ロール31の回転駆動による該駆動ロ
ール31と定着ベルト10の内面との摩擦力で該定着ベ
ルト10に回転力が作用して、定着ベルト10は矢示の
時計方向に駆動ロール31の回転周速度に略対応した周
速度をもって回転する。
【0038】また、磁場発生装置15は、図2〜図4に
示すように、定着ベルト10の幅方向に沿って延びる長
尺な絶縁性ホルダ19を有し、このホルダ19上に磁性
コア17を配設すると共に、この磁性コア17の周囲に
励磁コイル18を巻き付け保持するようにしたものであ
る。ここで、磁場発生装置15と発熱層12との間の距
離は極力小さい方がよいのであるが、設計可能な範囲で
最小値になるように設計するのがよい。本実施の形態に
おいては、定着ベルト10と磁場発生装置15とは非接
触で配設されている。これは熱容量の大きい磁場発生装
置15と定着ベルト10が接触することによる定着ベル
ト10の温度が低下するのを防止するためである。本例
では、定着ベルト10と磁場発生装置15との距離は図
示外の位置決め機構によってh(例えば略1mm)にな
るように設定される。
【0039】本実施の形態において、ホルダ19の材質
としては絶縁性に優れ、耐熱性がよいものがよい。例え
ば、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、
PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、
FEP樹脂、LCP樹脂などを選択するとよい。また、
磁性コア17は高透磁率の部材であり、フェライトやパ
ーマロイ等といったトランスのコアに用いられる材料が
よく、より好ましくは周波数が100kHz以上でも損
失の少ないフェライトを用いるのがよい。
【0040】更に、励磁コイル18としては、コイル
(線輪)を構成する導線(電線)として、一本ずつがそ
れぞれ絶縁被覆された銅製の細線を複数本束ねたもの
(束線)を用い、これを複数回(例えば12ターン)巻
いたものが用いられる。上記絶縁被覆は定着ベルト10
の発熱による熱伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用
いるのがよい。本実施の形態において、例えばポリイミ
ドによる被覆を用いるようにすれば、耐熱温度は260
℃である。ここで、励磁コイル18の外部から圧力をか
けて密集度を向上させてもよい。
【0041】また、励磁コイル18の給電部には励磁回
路(図示せず)が接続されている。この励磁回路は20
kHzから100kHzの高周波をスイッチング電源で
発生できるようになっている。この結果、励磁コイル1
8は励磁回路から供給される交番電流(高周波電流)に
よって交番磁束を発生するものである。
【0042】特に、本実施の形態に係る磁場発生装置1
5としては、図5に示すように、励磁コイル18両端の
折返し部18aの内側で励磁コイル18の磁束と鎖交す
る位置にループ状の導電体である導電性ループ51を配
設したものが用いられる。本実施の形態では、導電性ル
ープ51は例えばホルダ19上に固定配置されている
が、その保持構造についてはこれに限られるものではな
い。また、この導電性ループ51には、励磁コイル18
の磁束と鎖交した場合大きな誘導電流が生ずる。ここ
で、導電性ループ51の電気抵抗が大きい場合には、導
電性ループ51内部でジュール発熱が生じる。その熱エ
ネルギは定着ベルト10の発熱層12の発熱には使われ
ないのでエネルギロスとなる。これを防ぐために、導電
性ループ51の抵抗はできる限り小さいのが望ましい。
特に、高周波電流での表皮効果を考慮して、本実施の形
態では、励磁コイル18に使っている束線と略同様な構
成のもの、すなわち、コイル(線輪)を構成する導線
(電線)として、一本ずつがそれぞれ絶縁被覆された銅
製の細線を複数本束ねたもの(束線)を、複数回巻いた
ものを用いることが好ましい。この場合、導電性ループ
51のジュール発熱は数ワット以下であり、効率低下に
はならない。
【0043】尚、図2中、符号26は定着ベルト10の
温度を検出し、図示外の温度制御装置に検出温度情報を
供給する温度センサ、40は記録材Pを案内搬送するガ
イドである。
【0044】次に、本実施の形態に係る加熱定着装置の
作動について説明する。今、図2及び図5に示すよう
に、加熱定着装置を作動させる場合には、駆動ロール
(張架ロール)31を駆動回転させる一方、図示外の励
磁回路により励磁コイル18に交番電流を流し、励磁コ
イル18から図4に示すような交番磁束を生成させるよ
うにすればよい。このとき、磁性コア17に導かれた交
番磁束Cは定着ベルト10の発熱層12に渦電流を発生
させる。この渦電流は該発熱層12の固有抵抗によって
発熱層12にジュール熱(渦電流損)を発生させる。こ
こでの発熱量Qは発熱層12を通る磁束の密度によって
決まる。そして、発熱層12からの熱は 弾性層13・
離型層14を介して定着ベルト10を加熱する。
【0045】本実施の形態においては、図示外の温度制
御装置は、温度センサ26で検知した定着ベルト10の
温度情報をもとに、励磁コイル18に対する電流供給を
制御することで、定着ニップ域の温度が所定の温度に維
持されるように、定着ベルト10を温度調整する。一
方、定着ベルト10は駆動ロール31の回転駆動により
回転し、電磁誘導加熱により加熱された定着ベルト10
は定着ニップ域へと移動していき、定着ニップ域で所定
の温度に温度調整される。
【0046】この状態において、図示外の画像形成部か
ら搬送された未定着のトナー画像tの形成された記録材
Pは、定着ベルト10と加圧ロール30との間の定着ニ
ップ域に、画像面を上向き、すなわち、定着ベルト10
面に対向させた状態で搬入されることになり、定着ニッ
プ域において、画像面が定着ベルト10の外面に密着し
て該定着ベルト10と一緒に定着ニップ域を挟持搬送さ
れていく。この定着ニップ域を定着ベルト10と一緒に
記録材Pが挟持搬送されていく過程において、定着ベル
ト10の電磁誘導発熱で加熱されて記録材P上の未定着
トナー画像tが記録材Pに加熱定着される。
【0047】記録材Pは定着ニップ域を通過すると、定
着ベルト10の外面から分離して排出搬送される。そし
て、記録材P上の加熱定着トナー画像tは定着ニップ域
通過後、冷却して永久固着像となる。本実施の形態にお
いて、トナーとして低軟化物質が含有されたトナーを使
用する場合には、加熱定着装置にオフセット防止のため
のオイル塗布機構を設けなくてもよいが、低軟化物質の
含有していないトナーを使用した場合には、オイル塗布
機構を設けるようにするのがよい。また、低軟化物質が
含有されたトナーを使用した場合でも、オイル塗布や冷
却分離を行ってもよいことは勿論である。
【0048】一方、定着ニップ域において均一な温度分
布を得るために、磁場発生装置15にて、定着ベルト1
0の幅方向に沿って定着ベルト10の発熱層12に均一
な磁束分布を作用させることが必要である。図6は磁場
発生装置15による定着ベルト10の発熱分布を示す模
式図である。尚、同図において、P1,P2は磁場発生装
置15の励磁コイル18の両端折返し部位置を示す(図
5参照)。同図において、実線は導電性ループ51から
なる鎖交回路(図中では回路と略記)がない場合を示す
ものであり、励磁コイル18の両端部に対応した個所で
の昇温現象は、励磁コイル18の長手方向両端での折返
し部では、磁束が局所的に集中することに起因する。
【0049】これを解決するには、定着ベルト10の発
熱層12において幅方向両端部の発熱量を減少させるこ
とが必要になり、本実施の形態では、上述したように、
励磁コイル18両端の折り返し部の内側で励磁コイル1
8の磁束と鎖交する位置に導電性ループ51がそれぞれ
設けられている(図5参照)。この導電性ループ51に
は、励磁コイル18の磁束の時間的変化の割合に比例し
た起電力が生じ、そのために誘導電流が流れる。その流
れる方向はその電流によって生ずる磁束が鎖交磁束の変
化を妨げる方向である。これによって、定着ベルト10
の幅方向両端付近の発熱層12に鎖交する励磁コイルの
磁束は弱められ、昇温現象が減少する。
【0050】このとき、導電性ループ51の巻き数を増
やすことによって、発熱層12に鎖交する励磁コイル1
8の磁束を更に減らすことができるので、最適な巻き数
を選択することによって、定着ベルト10の幅方向の温
度分布を均一にする事が可能となる。これにより、導電
性ループ51からなる鎖交回路が存在する態様では、図
6に点線で示すように、定着ベルト10の幅方向の温度
分布が均一に保たれる。本実施の形態において、例えば
巻き数3の導電性ループ51を設けたことによる、イン
ダクタンスの変化を調べたところ、本例では50μヘン
リーから42μヘンリーに減少し、その分だけ定着ベル
ト10の両端部の発熱量が押えられることが確認され
た。すなわち、本実施の形態の磁場発生装置15は、励
磁コイル18と導電性ループ51との間に相互インダク
タンスを作用させる事によって、定着ベルト10の発熱
層12に作用する磁束を制御するものであり、それによ
って前記発熱層12に生ずる発熱量を制御するのであ
る。
【0051】また、本実施の形態にあっては、導電性ル
ープ51は励磁コイル18の折返し部18aの内側に設
置されているが、導電性ループ51の設置個所はこれに
限られるものではなく、例えば図7に示すように、励磁
コイル18の外側に設けるようにしてもよい。更に、導
電性ループ51の設置個所としては、必ずしもホルダ1
9上である必要はなく、従って、励磁コイル18と同一
面に設けなくてもよい。つまり、励磁コイル18からの
磁束の一部と鎖交する位置であればどこでもよい。例え
ば励磁コイル18と同一面上に設けられない場合には、
図8(a)に示すように、導電性ループ51が励磁コイ
ル18を挟んで定着ベルト10の発熱層12とは反対側
に配置してもよいし、あるいは、定着ベルト10の発熱
層12が非磁性体で励磁コイル18の磁束の多くを透過
できるような場合には、図8(b)に示すように、導電
性ループ51を定着ベルト10の発熱層12を挟んで励
磁コイル18と反対側に配置してもよい。
【0052】また、本実施の形態では、磁束調整部材と
して導電性ループ51を用いているが、この態様に限ら
れるものではなく、導電性ループ51の代わりに、図9
に示すように、導電性ループ51外形形状と略同じ形状
の導電板52を同じ位置に設けるようにしてもよい。こ
こで、導電板52の材料としては例えば金属材料が好ま
しく、金属材料としては固有抵抗値ができる限り低く、
かつ、透磁率の低い材料、例えば、銅、アルミニウム、
金、銀、白金、プラチナなどの金属が最適である。この
態様において、導電板52は、励磁コイル18からの磁
束の一部が鎖交すると、その周囲に誘導電流がループ状
に流れ、導電性ループ51に相当する鎖交回路を形成
し、励磁コイル18からの磁束を調整するように働く。
本実施の形態において、導電板52として、厚さ2mm
の銅板で前述の導電性ループ51と同じ外形形状にした
ものを同じ場所に設け、インダクタンスの変化分を調べ
たところ、本例では50μヘンリーから47μヘンリー
に減少し、その分だけ定着ベルト10の両端部の発熱量
が押さえられることが確認された。
【0053】更に、本実施の形態において、加熱定着装
置は、定着ベルト10を被加熱体とする態様のものが示
されているが、定着ロール自体を被加熱体とする態様に
適用できることは勿論であり、この場合には、定着ロー
ルの内部若しくは外部近傍に磁場発生装置を配設し、定
着ロール自体を電磁誘導発熱層として機能するように構
成すればよい。定着ロールの場合には、構造体としての
強度が必要であるので、その肉厚は100μm以上とな
る。そして、構造体そのものが電磁誘導性材料(電磁誘
導発熱層となる材料)である時、この厚さで十分なジュ
ール発熱をするには強磁性体金属が必要である。その材
料はニッケル、鉄、強磁性SUS、ニッケル―コバルト
合金などがある。一方、構造体が電磁誘導性材料でない
場合、例えばセラミックスや定着ベルト10のベース層
11で述べた耐熱性樹脂の場合には、その構成はベース
層11の厚さだけが定着ベルトの場合と異なるだけで、
その他の発熱層12、弾性層13、離型層14は同じで
ある。
【0054】◎実施の形態2 図10は本発明が適用された加熱定着装置の要部(磁場
発生装置)を示す説明図である。同図において、磁場発
生装置15は、実施の形態1と同様に、定着ベルト10
(図2参照)の幅方向に沿って延びる長尺な絶縁製ホル
ダ19を有し、このホルダ19上に磁性コア17を配設
すると共に、この磁性コア17の周囲に励磁コイル18
を巻き付け保持し、更に、励磁コイル18両端の折返し
部18aの内側近傍に導電性ループ51(又は導電板5
2)を配設することで、定着ベルト10の幅方向全域に
均一な発熱分布を得ようとするものである。ところが、
定着ベルト10が幅方向全域に均一な発熱分布であって
も、記録材(用紙)の通過する通紙幅が発熱領域より小
さい小サイズ紙を連続的に通過した場合には、非通紙領
域の熱が消費されないため、その部分の温度が通紙領域
に比較して高くなる現象が起こり、定着ベルト10の発
熱分布が不均一になる場合がある。
【0055】本実施の形態に係る磁場発生装置15はこ
れを防止するものであり、非通紙部の発熱を抑えるため
に、励磁コイル18からの磁束のうち非通紙部領域に対
応する部分の磁束と鎖交する位置(本例では励磁コイル
18の長手方向折返し部18aの一側方位置)に、更に
別の導電性ループ53を配設すると共に、この導電性ル
ープ53をスイッチ54を介して開閉するようにしたも
のである。尚、図10において、符号Xは記録材として
の用紙通過時の側端基準位置を示す通紙基準位置、WL
は大サイズ紙(本例ではフルサイズ紙)の幅寸法、WS
は小サイズ紙の幅寸法を夫々示す。
【0056】本実施の形態によれば、小サイズ紙が通過
する条件下においては、導電性ループ53のスイッチ5
4を閉じるようにすればよい。このとき、励磁コイル1
8からの磁束のうち非通紙部領域に対応する部分の磁束
が閉じた導電性ループ53を鎖交することになり、導電
性ループ53には誘導電流が流れる鎖交回路が形成され
る。これに伴って励磁コイル18の磁束を妨げる方向に
磁束が生成され、励磁コイル18からの磁束が減少し、
その分、非通紙部領域に対応した定着ベルト10部分で
は、図11に実線から点線で示すように、発熱が抑えら
れる。このため、小サイズ紙が通過する場合でも、定着
ベルト10の非通紙部領域が不必要に昇温する事態は有
効に回避される。
【0057】一方、大サイズ紙(フルサイズ紙)が通過
する条件下では、逆に、導電性ループ53のスイッチ5
4を開くようにすればよい。このとき、励磁コイル18
からの磁束のうち非通紙部領域に対応する部分の磁束は
導電性ループ53部分を鎖交することになるが、導電性
ループ53が開いているため、この導電性ループ53に
は誘導電流が流れる鎖交回路が形成されない。このた
め、導電性ループ53からは励磁コイル18の磁束を妨
げる磁束は生成されず、励磁コイル18の磁束は妨げら
れない。それゆえ、大サイズ紙が通過する場合には、導
電性ループ53は何等働かず、定着ベルト10は幅方向
全域に亘って均一に加熱される。このように、導電性ル
ープ53のスイッチ54の開閉を行う事により、大サイ
ズ紙と小サイズ紙の両方のサイズの温度分布の均一化を
容易に達成する事が可能である。
【0058】本実施の形態において、非通紙部領域に対
応して巻き数4の導電性ループ53を配設し、スイッチ
54を閉じたときのインダクタンスの変化分を調べたと
ころ、50μヘンリーから40μヘンリーに減少し、そ
の分だけ、定着ベルト10の非通紙部の発熱量を押さえ
る事ができ、均一な温度分布が得られることが確認され
た。また、導電性ループ53のスイッチ54を開いたと
きのインダクタンスは50μmヘンリーのままで変わら
ない。
【0059】更に、本実施の形態では、導電性ループ5
3の一部に開閉用のスイッチ54を設けた態様が示され
ているが、これに限られるものではなく、例えば図12
に示すように、導電性ループ55をホルダ19とは別に
可動台56上に配設し、この可動台56を移動機構57
で移動させることにより、例えば励磁コイル18の長手
方向に沿って導電性ループ55を移動自在に配設するよ
うにしてもよい。尚、導電性ループ55の移動方向とし
ては、励磁コイル18の長手方向に限られるものではな
く、励磁コイル18の幅方向を始め任意の方向でもよ
い。この態様においては、例えば小サイズ紙が通過する
条件下では、図12に実線で示す位置(非通紙部領域に
対応した位置)に導電性ループ55を移動配置するよう
にすればよく、定着ベルト10の非通紙部領域が不必要
に昇温することを防止することができる。一方、大サイ
ズ紙が通過する条件下では、図12に二点鎖線で示す位
置(励磁コイル18の磁束が鎖交しない位置)に導電性
ループ55を移動配置するようにすればよく、この場
合、励磁コイル18による磁束が導電性ループ55を鎖
交することはなく、導電性ループ55による磁束調整は
働かず、定着ベルト10は幅方向全域に亘って均一に加
熱される。
【0060】また、別の変形形態としては、図13に示
すように、例えば励磁コイル18からの磁束のうち非通
紙部領域に対応する部分の磁束と鎖交する位置に閉じた
導電性ループ58を回転可能に設け、例えばステッピン
グモータ等の駆動装置59にて、前記導電性ループ58
を励磁コイル18からの磁束と鎖交する位置(図中実践
で示す)と、前記磁束と鎖交しないように前記磁束と平
行になる位置(図中二点鎖線で示す)との間で回転移動
させるようにしてもよい。この態様によれば、小サイズ
紙が通過する場合には、図13に実線で示すように、励
磁コイル18からの磁束の一部が導電性ループ58に鎖
交するように導電性ループ58を回転移動させればよ
く、この場合には、定着ベルト10の非通紙部領域が不
必要に昇温することを防止することができる。一方、大
サイズ紙が通過する条件下では、図12に二点鎖線で示
すように、導電性ループ55を回転移動させるようにす
ればよく、この場合、励磁コイル18による磁束が導電
性ループ55を鎖交することはなく、導電性ループ55
による磁束調整は働かず、定着ベルト10は幅方向全域
に亘って均一に加熱される。
【0061】また、本実施の形態及び図12,図13に
示す変形形態にあっては、いずれも導電性ループ53,
55,58を働かせるか、働かせないかで小サイズ紙、
大サイズ紙に対応する態様を示しているが、これに限定
されるものではなく、3以上の異なるサイズの記録材
(用紙)に対応させるには、夫々のサイズにおける非通
紙部領域に対応して導電性ループ53,55,58を選
択的に働かせるようにすればよい。例えばラダー状の導
電性ループに複数のスイッチを設け、適宜スイッチを切
替選択することで導電性ループの作用領域を可変にした
り、十分に大きい導電性ループを移動可能とし、各種サ
イズに対応した非通紙部領域に合わせて導電性ループを
移動させる等、適宜選定して差し支えない。
【0062】◎実施の形態3 図14は本発明が適用された画像記録装置の実施の形態
3を示す説明図である。本実施の形態に係る画像記録装
置は、中間転写型の電子写真カラープリンタであり、実
施の形態1又は2に係る加熱定着装置100を組み込ん
だものである。尚、実施の形態1又は2と同様な構成要
素については実施の形態1又は2と同様な符号を付して
ここではその詳細な説明を省略する。同図において、1
01は有機感光体やアモルファスシリコン感光体ででき
た感光体ドラム(像担持体)であり、矢示の反時計方向
に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動され
る。感光体ドラム101の周りには、帯電ロールなどの
帯電装置102、レーザスキャナなどの光学ユニット1
10、各色成分毎の現像装置104(具体的にはイエロ
現像装置104Y,マゼンタ現像装置104M,シアン
現像装置104C,ブラック現像装置104K)、中間
転写ドラム105、クリーナ107等の画像形成デバイ
スが配置されている。
【0063】本実施の形態においては、まず、感光体ド
ラム101はその回転過程で帯電ロール等の帯電装置1
02で所定の極性・電位の一様な帯電処理を受ける。次
いで、その帯電処理面に光学ユニット110から出力さ
れるビーム103による目的の画像情報の走査露光処理
を受ける。光学ユニット110は、図示外の画像読取装
置等の画像信号発生装置からの目的画像情報の時系列電
気デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ)した
ビーム103を出力し、感光体ドラム101面に走査露
光した目的画像情報に対応した静電潜像を形成する。
尚、109は光学ユニット110からの出力ビーム10
3を感光体ドラム101の露光位置に偏向させるミラー
である。
【0064】フルカラー画像形成の場合は、目的のフル
カラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成
分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜
像が4色カラー現像装置104のうちのイエロ現像装置
104Yの作動でイエロトナー像として現像される。そ
のイエロトナー像は感光体ドラム101と中間転写ドラ
ム105との接触部(あるいは近接部)である一次転写
部T1において中間転写ドラム105の面に転写され
る。中間転写ドラム105面に対するトナー像転写後の
感光体ドラム101面はクリーナ107により転写残り
トナー等の付着残留物の除去を受けて清掃される。
【0065】上記のような帯電・走査露光・現像・一次
転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画
像の第2の色分解成分画像(例えばマゼンタ成分画像、
マゼンタ現像装置104Mが作動)、第3の色分解成分
画像(例えばシアン成分画像、シアン現像装置104C
が作動)、第4の色分解成分画像(例えばブラック成分
画像、ブラック現像装置104Kが作動)の各色分解成
分画像について順次実行され、中間転写ドラム105面
にイエロトナー像・マゼンタトナー像・シアントナー像
・ブラックトナー像の都合4色のトナー像が順次重ねて
転写されて、目的のフルカラー画像に対応したカラート
ナー像が合成形成される。
【0066】中間転写ドラム105は、例えば金属ドラ
ム上に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有するもので、
感光体ドラム101に接触してあるいは近接して感光体
ドラム101と略同じ周速度で矢示の時計方向に回転駆
動され、中間転写ドラム105の金属ドラムにバイアス
電位を与えて感光体ドラム101との電位差で感光体ド
ラム101側のトナー像を該中間転写ドラム105面側
に転写させる。上記の回転中間転写ドラム105面に合
成形成されたカラートナー像は、該回転中間転写ドラム
105と転写ロール106との接触ニップ部である二次
転写部T2において、該二次転写部T2に図示外の給紙
部から所定のタイミングで送り込まれた記録材Pの表面
に転写される。転写ロール106は記録材Pの背面から
トナーと逆極性の電荷を供給することで中間転写ドラム
105面側から記録材P面側へ合成カラートナー像を順
次に一括転写する。二次転写部T2を通過した記録材P
は中間転写ドラム105の表面から分離されて加熱定着
装置100へ搬入され、未定着トナー像の加熱定着処理
を受けてカラー画像形成物として機外の不図示の排紙ト
レーに排出される。
【0067】記録材Pに対するカラートナー像転写後の
中間転写ドラム105の表面はクリーナ108により転
写残りトナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて清掃
される。このクリーナ108は常時は中間転写ドラム1
05に非接触状態に保持されており、中間転写ドラム1
05から記録材Pに対するカラートナー像の二次転写実
行過程において中間転写ドラム105に接触状態に保持
される。また、転写ロール106も常時は中間転写ドラ
ム105に非接触状態に保持されており、中間転写ドラ
ム105から記録材Pに対するカラートナー像の二次転
写実行過程において中間転写ドラム105に記録材Pを
介して接触状態に保持される。
【0068】更に、白黒画像などモノカラー画像のプリ
ントモードも実行できる。また、両面画像プリントモー
ド、あるいは多重画像プリントモードも実行できる。両
面画像プリントモードの場合は、加熱定着装置100を
出た1回目画像プリント済みの記録材Pは図示外の再循
環搬送機構を介して表裏反転されて再び二次転写部T2
へ送り込まれて2面に対するトナー像転写を受け、再
度、加熱定着装置100に導入されて2面に対するトナ
ー像の定着処理を受けることで両面画像プリントが出力
される。多重画像プリントモードの場合は、加熱定着装
置100を出た1回目画像プリント済みの記録材Pは不
図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに再び二
次転写部T2へ送り込まれて1回目画像プリント済みの
面に2回目のトナー像転写を受け、再度、加熱定着装置
100に導入されて2回目のトナー像の定着処理を受け
ることで多重画像プリントが出力される。
【0069】特に、本実施の形態にあっては、加熱定着
装置100として実施の形態1のものを組み込んだ場合
には、例えば定着ベルト10の幅方向全域の発熱分布を
常時均一することが可能になり、また、加熱定着装置1
00として実施の形態2のものを組み込んだ場合には、
サイズの異なる記録材Pに対応し、記録材Pが小サイズ
であっても大サイズであっても、定着ベルト10の発熱
分布を常時均一に保つことができる。
【0070】◎実施の形態4 図15は本発明が適用された画像記録装置の実施の形態
4を示す説明図である。本実施の形態に係る画像記録装
置は、中間転写ベルトを用いた転写同時定着タイプであ
り、中間転写ベルトを被加熱体とした電磁誘導加熱装置
を組み込んだものである。同図において、この画像記録
装置は、表面に静電電位の差による潜像が形成される感
光体ドラム211を備えており、この感光体ドラム21
1の周囲に、感光体ドラム211表面を略一様に帯電す
る帯電装置212と、感光体ドラム211に各色信号に
応じたレーザ光を照射して潜像を形成するレーザスキャ
ナ213及びミラー214等からなる露光部と、シア
ン、マゼンタ、イエロ、ブラックの4色のトナーをそれ
ぞれ収容し、感光体ドラム211上の潜像を各色トナー
により可視化するロータリ型現像装置215と、一定方
向に循環移動が可能に支持された無端状の中間転写ベル
ト220と、中間転写ベルト220を挟んで感光体ドラ
ム211と対向するように配置され、トナー像を中間転
写ベルト220に転写する一次転写ロール217と、転
写後の感光体ドラム211表面を清掃するクリーニング
装置218と、感光体ドラム211の表面を除電する除
電ランプ219とを有している。
【0071】また、装置内には、一次転写ロール217
と共に中間転写ベルト220を張架するように配置され
たテンションロール221、駆動ロール222と、中間
転写ベルト220を挟むように駆動ロール222と対向
して配置された加圧ロール223と、給紙ユニット20
0内に収容される記録材Pを1枚ずつ搬送する給紙ロー
ル201及びレジストロール203と、駆動ロール22
2に巻き回された中間転写ベルト220と加圧ロール2
23との間に記録材を供給するための記録材ガイド20
4とを有している。更に、中間転写ベルト220の周回
方向における加圧ロール223との対向位置の上流側に
は、中間転写ベルト220の背面側からトナー像を加熱
する電磁誘導加熱装置230を有している。尚、図15
において、符号206は定着済みの記録材を排出する排
出ロール、207は排出された記録材を収容する排出ト
レイである。
【0072】上記感光体ドラム211は、円筒状の導電
性基材の表面にOPC又はa−Si等からなる感光体層
を備えるものであり、導電性基材は電気的に接地されて
いる。上記ロータリ型現像装置215は、シアン、マゼ
ンタ、イエロ、ブラックのトナーをそれぞれ収容する4
台の現像器215C、215M、215Y、215Kを
備えており、各現像器215C〜215Kが感光体ドラ
ム211と対向するように回転可能に支持されている。
各現像器215C〜215K内には、表面にトナー層を
形成して感光体ドラム211との対向位置に搬送する現
像ロールが設けられている。この現像ロールには、所定
の交流に所定の直流を重畳した電圧が印加され、電界の
作用によりトナーが感光体ドラム211上の潜像に転移
されるようになっている。また、各現像器215C、2
15M、215Y、215K内には、トナーホッパ21
6からそれぞれトナーが補給される。
【0073】また、この中間転写ベルト220は、耐熱
性の高い樹脂又はゴム製の基層(ベルト基体)と、その
上に積層された導電層(電磁誘導発熱層)と、最も上層
となる表面離型層との3層で構成されている。一方、電
磁誘導加熱装置230は、中間転写ベルト220を被加
熱体とし、中間転写ベルト220の背面側に実施の形態
1又は2に示す磁場発生装置15を配設したものであ
る。
【0074】次に、本実施の形態に係る画像記録装置の
作動について説明する。感光体ドラム211は、図中矢
印の向きに回転し、帯電装置212によって略一様に帯
電された後、レーザスキャナ213から原稿のイエロ画
像信号に従ってパルス幅変調されたレーザ光が照射さ
れ、感光体ドラム211上にイエロ画像に相当する静電
潜像が形成される。このイエロ画像用の静電潜像は、ロ
ータリ型現像装置215により予め現像位置に定置され
たイエロ用現像器215Yによって現像され、感光体ド
ラム211上にイエロトナー像が形成される。
【0075】このイエロトナー像は、感光体ドラム21
1と中間転写ベルト220との当接部である一次転写部
Xにおいて、一次転写ロール217の作用により中間転
写ベルト220上に静電的に転写される。この中間転写
ベルト220は、感光体ドラム211と同期して周回移
動しており、表面にイエロトナー像を保持したまま周回
移動を継続し、次の色のマゼンタ像の転写に備える。一
方、感光体ドラム211は、クリーニング装置218に
よって表面が清掃された後、再び帯電装置212により
略一様に帯電され、次のマゼンタの画像信号に従ってレ
ーザスキャナ213からレーザ光が照射される。
【0076】ロータリ型現像装置215は、感光体ドラ
ム211上にマゼンタ用の静電潜像が形成される間に回
転し、マゼンタ用現像器215Mを現像位置に定置して
マゼンタトナーによる現像を行う。このようにして形成
されたマゼンタトナー像は一次転写部Xで中間転写ベル
ト220上に静電的に転写される。引き続いて、上述の
プロセスがそれぞれシアン及びブラックに対して行わ
れ、中間転写ベルト220上へ4色分の転写が終了した
とき、若しくは最終色のブラックの転写途中において、
給紙ユニット200内に収容される記録材(用紙)が給
紙ロール201により給紙され、レジストロール202
及び記録材ガイド204を経由して中間転写ベルト22
0の二次転写部Yに搬送される。
【0077】一方、中間転写ベルト220上に転写され
た4色分のトナー像は、二次転写部Yの上流側で、電磁
誘導加熱装置230と対向する加熱領域Aを通過する。
加熱領域Aでは、磁場発生装置15からの磁束が中間転
写ベルト220の導電層(発熱層)に作用し、中間転写
ベルト220の導電層が電磁誘導加熱により発熱する。
これにより導電層は急激に加熱され、この熱は時間経過
とともに表層に伝達され、二次転写部Yに到達するとき
には中間転写ベルト220上のトナーが溶融した状態と
なる。特に、本実施の形態では、実施の形態1の磁場発
生装置15を組み込んだ場合には、例えば中間転写ベル
ト220の幅方向全域の発熱分布を常時均一にすること
が可能になり、また、実施の形態2の磁場発生装置15
を組み込んだ場合には、サイズの異なる記録材に対応
し、記録材Pが通過しない非通紙部領域に対応する中間
転写ベルト220部分へ作用する磁束を抑制することが
可能になり、記録材が小サイズであっても大サイズであ
っても、記録材通過後に非通紙部領域に対応する中間転
写ベルト220が部分的に昇温する事態はなく、記録材
通過後の中間転写ベルト220の発熱分布を常時均一に
保つことができる。
【0078】更に、中間転写ベルト220上で溶融した
トナー像は、二次転写部Yで記録材の搬送に合わせて圧
接される加圧ロール223の圧力により、記録材と密着
される。加熱領域Aでは中間転写ベルト220は局所的
に表面近傍だけが加熱されており、溶融したトナーは室
温の記録材と接触して急激に冷却される。つまり、溶融
したトナーは二次転写部Yのニップを通過するときに、
トナーが持っている熱エネルギと圧接力とで瞬時に記録
材に浸透して転写定着され、記録材はトナー及び表面近
傍だけ加熱された中間転写体の熱を奪いながらニップ出
口に向かって搬送され、そのまま略完全に記録材上に転
写定着される。その後、トナー像が転写定着された記録
材は、排出ロール206を通って排出トレイ207上に
排出され、フルカラーの画像形成が終了する。
【0079】加熱領域Aを過ぎると、中間転写ベルト2
20の導電層(発熱層)は加熱されなくなり、導電層の
温度は周囲の基層及び表面離型層に熱を奪われて低下す
る。トナー温度は加熱領域Aを通過した後も表面離型層
からの伝熱があるため、二次転写部Y(転写定着領域
B)に到達するまで上がり続ける。転写定着領域Bの入
口でトナー及び中間転写ベルト220は室温の記録材と
当接する。トナーが記録材と接触した瞬間のトナー温度
がトナー軟化点温度より低いと、トナーと記録材との界
面に働く接着力が十分でないため定着不良が発生する。
このため、記録材と接触した瞬間のトナー温度が少なく
ともトナー軟化点温度以上となるように、電磁誘導加熱
装置230による加熱量を制御する必要がある。
【0080】このように本実施の形態に係る画像記録装
置では、電磁誘導加熱装置230と対向する加熱領域A
において、電磁波を吸収する中間転写ベルト220の導
電層(発熱層)の近傍が加熱され、転写定着領域Bにお
いては、加熱領域Aで加熱溶融したトナーが室温の記録
材と加圧接触することによって転写と同時に定着され
る。中間転写ベルト220はごく表面が加熱されている
だけなので、中間転写ベルト220の室温は転写定着直
後に低下する。このため、装置内での熱の蓄積は少なく
なる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電磁
誘導加熱装置によれば、磁場発生手段を構成する励磁コ
イルからの磁束の一部と鎖交する磁束調整部材を設け、
励磁コイルから被加熱体の電磁誘導発熱層へ作用する磁
束を局所的に調整するようにしたので、励磁コイルから
被加熱体の電磁誘導発熱層へ至る磁束分布を局所的に調
整することが可能になり、例えば電磁誘導発熱層に作用
する磁束分布を均一にすることで、電磁誘導発熱層から
の発熱分布を均一にして被加熱体を均一加熱する等、被
加熱体の発熱分布として、目的に合致した所望の発熱分
布を容易に得ることができる。また、本発明において、
更に、磁束調整部材に調整可変手段を設け、磁束調整部
材からの磁束調整度合を変化させるようにすれば、例え
ば目的とする発熱分布が複数必要な条件下でも、一つの
磁場発生手段で各種条件に応じた最適な発熱分布を容易
に得ることができる。更に、本発明に係る電磁誘導加熱
装置を使用した画像記録装置によれば、記録材へ画像記
録する際に必要な発熱分布として、目的に合致した所望
の発熱分布を容易に得ることができるため、高品質の画
像出力を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電磁誘導加熱装置の概要を示す
説明図である。
【図2】 本発明を適用した加熱定着装置の実施の形態
1を示す説明図である。
【図3】 実施の形態1で用いられる磁場発生装置の概
要を示す説明図である。
【図4】 実施の形態1で用いられる磁場発生装置及び
定着ベルトの相互関係を示す説明図である。
【図5】 実施の形態1で用いられる磁場発生装置の詳
細を示す平面説明図である。
【図6】 実施の形態1に係る加熱定着装置の定着性能
を示すグラフ図である。
【図7】 実施の形態1に係る加熱定着装置の変形形態
を示す説明図である。
【図8】 (a)(b)は実施の形態1に係る加熱定着
装置の他の変形形態を示す説明図である。
【図9】 実施の形態1に係る加熱定着装置の更に別の
変形形態を示す説明図である。
【図10】 実施の形態2に係る加熱定着装置の磁場発
生装置の詳細を示す説明図である。
【図11】 実施の形態2に係る加熱定着装置の定着性
能を示すグラフ図である。
【図12】 実施の形態2に係る加熱定着装置の変形形
態を示す説明図である。
【図13】 実施の形態2に係る加熱定着装置の他の変
形形態を示す説明図である。
【図14】 本発明を適用した画像記録装置の実施の形
態3を示す説明図である。
【図15】 本発明を適用した画像記録装置の実施の形
態4を示す説明図である。
【符号の説明】
1…被加熱体,2…電磁誘導発熱層,3…磁場発生手
段,4…励磁コイル,5…コア,6…磁束調整部材,7
…調整可変手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 6/36 H05B 6/36 Z Fターム(参考) 2H032 AA05 AA14 BA09 BA19 BA21 BA23 2H033 AA20 AA30 AA32 BA11 BA27 BE06 BE09 CA17 CA44 2H078 AA12 AA18 CC06 DD47 DD51 DD53 DD56 3K059 AA01 AA08 AC10 AD05 CD14 CD17 CD65 CD75

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも電磁誘導発熱層を有する被加
    熱体と、この被加熱体の電磁誘導発熱層に向かって対向
    配置されて電磁誘導発熱層を貫く磁束を生成する励磁コ
    イルが含まれる磁場発生手段とを備えた電磁誘導加熱装
    置において、 励磁コイルの磁束の一部と鎖交することによって電磁誘
    導作用が生じ、電磁誘導発熱層へ作用する磁束が変化せ
    しめられる磁束調整部材を励磁コイルの近傍に配置した
    ことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電磁誘導加熱装置におい
    て、 磁束調整部材は、単数あるいは複数回導電線材を巻装し
    た導電性ループであることを特徴とする電磁誘導加熱装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の電磁誘導加熱装置におい
    て、 磁束調整部材は、導線を束ねた束線からなる導電線材を
    巻装した導電性ループであることを特徴とする電磁誘導
    加熱装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電磁誘導加熱装置におい
    て、 磁束調整部材は、透磁率の低い材料からなる導電部材で
    あることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電磁誘導加熱装置におい
    て、 磁束調整部材は、励磁コイルが保持せしめられるホルダ
    に保持されていることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電磁誘導加熱装置におい
    て、 磁束調整部材は、励磁コイルの内周縁若しくは外周縁の
    近傍に配置されることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の電磁誘導加熱装置におい
    て、 磁束調整部材は、被加熱体を挟んで励磁コイルとは反対
    側に配置されることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の電磁誘導加熱装置におい
    て、 磁束調整部材は、励磁コイルを挟んで被加熱体とは反対
    側に配置されることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の電磁誘導加熱装置におい
    て、 磁束調整部材は、電磁誘導発熱層へ作用する励磁コイル
    の磁束のうち周囲より大きい個所に対応する磁束部分が
    鎖交するように配置されていることを特徴とする電磁誘
    導加熱装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の電磁誘導加熱装置にお
    いて、 更に、磁束調整部材による磁束調整度合が可変せしめら
    れる調整可変手段を設けたことを特徴とする電磁誘導加
    熱装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の電磁誘導加熱装置に
    おいて、 調整可変手段は、磁束調整部材としての導電性ループを
    開閉するスイッチング素子であることを特徴とする電磁
    誘導加熱装置。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の電磁誘導加熱装置に
    おいて、 調整可変手段は、磁束調整部材を移動自在に支持し、励
    磁コイルの磁束の一部に対する磁束調整部材の鎖交領域
    を変化させることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の電磁誘導加熱装置を使
    用することを特徴とする画像記録装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の画像記録装置におい
    て、 未定着像を作成する作像手段と、この作像手段にて作成
    された未定着像を記録材に加熱定着する加熱定着装置と
    を備え、 この加熱定着装置として電磁誘導加熱装置を使用したこ
    とを特徴とする画像記録装置。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の画像形成装置におい
    て、 電磁誘導発熱層を有し且つ未定着像が担持搬送せしめら
    れる被加熱体を兼用する像担持搬送体と、 この像担持搬送体の電磁誘導発熱層に向かって対向配置
    されて電磁誘導発熱層を貫く磁束を生成する励磁コイル
    が含まれる磁場発生手段と、 像担持搬送体上に未定着像を形成する作像手段と、 像担持搬送体の励磁コイルに対向する部位の下流位置に
    配設され且つ像担持搬送体上で溶融した被定着像を記録
    材上に少なくとも押圧して転写、定着する定着装置とを
    備えたことを特徴とする画像記録装置。
  16. 【請求項16】 請求項13記載の画像記録装置におい
    て、 記録材の通過領域以外の領域に対応した部位に磁束調整
    部材を配設したことを特徴とする画像記録装置。
  17. 【請求項17】 請求項13記載の画像記録装置におい
    て、 更に、電磁誘導加熱装置には、磁束調整部材による磁束
    調整度合が可変せしめられる調整可変手段を設け、 寸法の異なる記録材に応じて調整可変手段による磁束調
    整度合を変化させ、記録材の通過領域以外の領域に対応
    した部位に対し磁束調整部材による磁束調整作用を働か
    せるようにしたことを特徴とする画像記録装置。
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