JP3323658B2 - 加熱装置 - Google Patents

加熱装置

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JP3323658B2 JP18893194A JP18893194A JP3323658B2 JP 3323658 B2 JP3323658 B2 JP 3323658B2 JP 18893194 A JP18893194 A JP 18893194A JP 18893194 A JP18893194 A JP 18893194A JP 3323658 B2 JP3323658 B2 JP 3323658B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電磁(磁気)誘導加熱方
式の加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機・レーザービームプリンタ
・ファクシミリ・マイクロフィルムリーダプリンタ・画
像表示(ディスプレイ)装置・記録機等の画像形成装置
において、電子写真・静電記録・磁気記録等の適宜の画
像形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等よりなる
トナーを用いて画像支持体としての記録材(エレクトロ
ファクスシート・静電記録シート・転写材シート・印刷
紙など)の面に直接方式もしくは間接(転写)方式で形
成した目的の画像情報に対応した未定着のトナー像を該
トナー像を担持している被記録材の面に永久固着画像と
して加熱定着処理する加熱装置としての画像加熱定着装
置は、熱ローラを用いた熱ローラ方式の定着装置や、フ
ィルム加熱方式を用いた定着装置といった接触式定着装
置が多く採用されている。
【0003】(a)熱ローラ方式の装置は、内部にハロ
ゲンヒータ等の発熱体を備えた金属製の熱ローラと、そ
れに圧接する弾性を持つ加圧ローラから構成され、この
一対のローラの圧接部である定着ニップ部に被加熱体と
しての記録材を通過させることにより、トナー像を加熱
・加圧定着させるものである。
【0004】しかし、このような熱ローラ方式では、ロ
ーラの熱容量が大きいため、ローラ表面を所定の定着温
度まで昇温させるには非常に多くの時間を要していた。
またこのため、画像出力動作を速やかに実行するために
は、非画像出力時にもローラ表面をある程度のスタンバ
イ温度に温調していなければならなかった。
【0005】(b)フィルム加熱方式の装置は特開昭6
3−313182号公報・特開平2−157878号公
報・特開平4−44075号公報・特開平4−2049
80号公報等に提案されている。即ち、加熱体(一般に
セラミックヒータ、以下ヒータと記す)と、該ヒータに
密着して移動する耐熱性フィルムを有し、このフィルム
を介して被加熱体をヒータに密着させてフィルムと一緒
にヒータ位置を移動させヒータの熱エネルギーをフィル
ムを介して被加熱体に付与する加熱装置である。フィル
ム・被加熱体をヒータに密着させる加圧部材を有してい
る。
【0006】画像定着動作は、フィルムを挟んでヒータ
と加圧部材との圧接により形成される定着ニップ部のフ
ィルムと加圧部材との間に被加熱体としての記録材を導
入通過させることにより記録材の顕画像担持体面をフィ
ルムを介してヒータで加熱して、未定着トナー像に熱エ
ネルギーを付与し、トナーを軟化・溶融させることで行
なわれる。
【0007】このようなフィルム加熱方式の装置には、
低熱容量のヒータを用いることができるので、熱ローラ
方式に比べ、ウエイトタイムの短縮化(クイックスター
ト)が可能となる。また、クイックスタートが可能とな
ったことにより、予めヒータを昇温させておく必要がな
いので、消費電力を小さくすることができ、また機内昇
温も防止できる。
【0008】フィルム加熱方式の加熱装置は上記のよう
な利点を有していて画像加熱定着装置等として有効であ
が、加熱体であるヒータと被加熱体の間に介在するフ
ィルムは熱抵抗となって熱効率を損なう介在物でもあっ
た。
【0009】即ち、従来のフィルム加熱方式では、ヒー
タはフィルムを介して間接的に被加熱体を加熱するた
め、加熱効率という観点においてまだ改善の余地を有し
ている。例えば、フィルムの強度を上げるためにフィル
ム膜厚を厚くしていくと、ヒータの熱を素早く被加熱体
に供給することが困難になっていく。また、フィルム自
体が断熱性をもつため本来フィルム外面に伝えるべきヒ
ータの発する熱をフィルムの内側に蓄積してしまう。つ
まり、高剛性のフィルムを用いた場合、熱伝導が悪くな
ったり、フィルムの熱容量が大きくなってしまい、急速
に加熱可能な状態を達成できなくなる。フィルムが薄い
と剛性が得られず、フィルム走行制御機構が必要とな
り、装置が大きく、複雑な構成となってしまう。耐熱性
を要求されるフィルムは素材が限定されてしまう。また
樹脂フィルムは断熱性が良いためフィルム内側で熱の蓄
積が生じフィルム内側に配置される部品についても耐熱
性が必要とされ、高価かつ限定された材料を使わざるを
得なくなる。
【0010】(c)そこで本出願人は該フィルム自体を
発熱させることでフィルムが熱抵抗とならないようにし
て熱効率を向上させた電磁誘導加熱方式・フィルム加熱
方式の加熱装置を先に提案している。
【0011】これは、磁性体である芯材とコイルを組み
合わせることによって発生する磁場を励磁回路で変化さ
せ、その磁場の中を移動する導電部材(誘導磁性材、磁
性金属材、磁界吸収導電材)としてのフィルム中の導電
層に渦電流を発生させるものである。この渦電流が導電
層の電気抵抗によって熱(ジュール熱)に変換し、結果
的に被加熱体に密着するフィルムのみが発熱する加熱装
置であり、熱効率が優れている。
【0012】図10はこの電磁誘導加熱方式・フィルム
加熱方式の加熱装置の一例の摸式図である。
【0013】21は磁界発生手段としての励磁コイルで
あり、芯材(磁性体、コア)22に巻き付けて構成され
る。23は芯材を支持し、フィルムガイドを兼ねるステ
ーである。25は芯材22の下側に配設したフィルム加
圧板(第1の加圧部材)であり、後述する導電部材(発
熱部材)としてのフィルム17に対して摩擦抵抗の比較
的少ないガラスを用いている。
【0014】17は導電部材としての、導電層を有する
エンドレス状(円筒状、シームレス)の耐熱性フィルム
であり、フィルム基層17a・導電層17b・離型層1
7cの3層構成フィルムである。このフィルム17を上
記のコイル21・芯材22・ステー23・加圧板25か
らなるアセンブリ(電磁誘導加熱構造体)にルーズに外
嵌させてある。
【0015】24は加圧ローラ(第2の加圧部材)であ
り、芯金の周囲にシリコーンゴム、フッ素ゴム等を巻い
て構成される。この加圧ローラ24は不図示の軸受手段
・付勢手段により所定の押圧力を持ってフィルム17を
挟ませてフィルム加圧板25の下面に圧接させて配設し
てあり、加圧板25との間にフィルム17を挟んで圧接
ニップ部(被加熱体加熱部、定着ニップ部)を形成す
る。
【0016】そして該加圧ローラ24は駆動手段により
矢示の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ2
5の回転駆動による該ローラ24とフィルム17外面と
の摩擦力でフィルム17に回転力が作用して、該フィル
ム17が加圧板25の下面に密着摺動してアセンブリ2
1・22・23・25の外回りを回転する。
【0017】このような構成でコイル21は所定の周波
数で不図示の励磁回路から電流が印加され、これによっ
てコイル21の周囲に矢印Hで示した磁束が発生消滅を
繰り返す。この磁束Hがフィルム17の導電層17bを
横切るように芯材22は構成される。
【0018】変動する磁界が導体中を横切るとき、その
磁界の変化を妨げる磁界を発生させるようにフィルム1
7の導電層17bには渦電流が発生する。この渦電流が
フィルム17の導電層17bの表皮抵抗により、表皮抵
抗に比例した電力でフィルムの導電層17bを発熱させ
る。
【0019】このようにフィルム17の表層近くを直接
発熱させるので、フィルム基層17aの熱伝導率、熱容
量によらず急速に加熱できる利点がある。また、フィル
ム17の厚さにも依存しない急速加熱が実現できる。
【0020】而して、加圧ローラ24の回転によりフィ
ルム17が回転され、かつ上記電磁誘導加熱によりフィ
ルム17(17b)が加熱された状態において、圧接ニ
ップ部のフィルム17と加圧ローラ24との間に被加熱
体としての画像定着すべき被記録材Pが不図示の画像形
成部より導入されてフィルム17と一緒に圧接ニップ部
を挟持搬送されることにより電磁誘導加熱されたフィル
ム17の熱が被記録材Pに付与され被記録材P上の未定
着トナー像Tが被記録材P面に加熱定着されるものであ
る。圧接ニップ部を通った被記録材Pはフィルム1の面
から分離されて搬送される。
【0021】この方式はフィルム自身が直接発熱すると
いう点で従来のフィルム加熱方式と根本的に異なってお
り、このため、フィルムの膜厚を厚くしても加熱効率が
落ちるということはない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上記(c)の電磁誘導
加熱方式・フィルム加熱方式の加熱装置にあっても次の
ような問題があった。
【0023】.導電部材(発熱部材)としてのフィル
ムの導電層の膜厚のばらつきや、長手方向での磁界の分
布などにより、被加熱体の通紙域でのフィルムの温度分
布が不均一となりやすい。
【0024】.加圧による変形や疲労によって起こる
フィルム導電層の破損。
【0025】.被加熱体として小サイズ紙を連続通紙
した場合、通紙域と非通紙域でフィルム温度差は100
deg以上となる。この温度差により長手方向で加圧ロ
ーラの熱膨張量が不均一となり、フィルムの搬送力に差
が生じフィルムがねじれて破損する可能性がある。
【0026】そこで本発明はこの種の電磁誘導加熱方式
の加熱装置について上記〜のような問題を解消する
こと、即ち、被加熱体加熱部長手方向における導電部材
の温度分布を均一化すること、導電部材の屈曲による破
損を防止すること、加圧部材の被加熱体加熱部長手方向
における熱膨張の不均一に起因する導電部材のねじれ発
生を防止することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする加熱装置である。
【0028】(1)回転体と、磁場を発生する磁場発生
手段と、前記回転体とニップを形成するローラと、を有
し、前記磁場発生手段による磁場の作用により前記回転
体が発熱し、前記ニップで挟持搬送される記録材上の画
像が加熱される加熱装置において、前記ニップに対向す
る位置で前記回転体の内面と接し回転体の移動方向と直
交する長手方向にわたって設けられたセラミック部材を
有することを特徴とする加熱装置、である即ち、磁場
の作用により回転体が発熱する加熱装置において、ニッ
プに対向する位置で回転体の内面と接し回転体の移動方
向と直交する長手方向にわたって設けられたセラミック
部材を有することを特徴とする。このように本発明は、
回転体と接する熱伝導性が良いものが磁場で発熱しない
セラミック部材であり、且つニップに対向する位置にあ
るので、磁場の影響を受けることなく良好に、且つニッ
プの位置で安定して回転体の温度分布を均一にすること
ができる
【0029】(2)前記装置は更に、前記セラミック部
材の両端部を前記ローラ側に加圧する加圧手段を有し、
前記セラミック部材は記録材の移動方向と直交する方向
に関して前記回転体と接する部分がクラウン形状である
ことを特徴とする(1)に記載の加熱装置、である。即
ち、磁場の作用により回転体が発熱する加熱装置におい
て、記録材の移動方向と直交する方向に関して、加圧部
材は回転体と接する部分がクラウン形状であることを特
徴とする。このように本発明は、回転体自身が発熱する
ので、ローラと圧接する加圧部材は実質的に圧接力が均
一になるようにだけ設計されればよく、加圧部材の設計
の自由度を増すことができる。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【実施例】〈実施例1〉(図1・図2) 図1は本実施例の加熱装置の一例(電磁誘導加熱方式・
フィルム加熱方式の像加熱装置)の構成を示す摸式図で
ある。前述図10と共通の構成部材・部分には同一の符
号を付して再度の説明を省略する。
【0049】(1)磁場(磁界)発生手段21・22 芯材22には鉄を用いている。また、さらにフィルム1
7の導電層17bの発熱を増やすためには、フェライ
ト、パーマロイといった高透磁率で残留磁束密度の低い
ものを用い、コイル21によって生成される磁束を強く
する、或いは磁束の変化を大きくすることでフィルム中
を流れる電流を大きくすればよい。
【0050】また本実施例では芯材22にU型形状を用
い、コイル21は図2に示したようにフィルム軸方向に
長いコイルを用い、フィルム17面を垂直に通る磁束H
を生成して導電部材としてのフィルム17(17b)を
発熱させるようにした。芯材22は図10の装置のよう
にE型や、I型等のものを用いることができることは勿
論であり、これらを組み合わせても良く、組み合わせな
いで寸法、材質を各々で変えても良い。
【0051】ステー23は液晶ポリマー・フェノール樹
脂等で構成され、フィルムをガイドする摺擦板が側面に
取り付けられている。
【0052】(2)フィルム17 導電部材(発熱部材)としての回転体フィルム17は、
厚さ10μm〜100μmのポリイミド・ポリアミドイ
ミド・PEEK・PES・PPS・PFA・PTFE・
FEP等の耐熱性樹脂を基層(基材)17aとし、その
基層17aの外周(被加熱体圧接面側)に導電層17b
を、Fe,Coや、例えばNi,Cu,Cr等の金属を
1μm〜100μmの厚みでメッキ等の処理によって形
成している。更にその導電層17bの自由面に表面層と
して例えばPFA,PTFE,FEP,シリコーン樹脂
等のトナー離型性の良好な耐熱性樹脂を混合ないしは独
立で被覆して離型層17cを形成した、3層構成のもの
である。
【0053】この例ではフィルム基層17aと導電層1
7bを別々の層としたが、フィルム基層17aそのもの
を導電層としてもよい。
【0054】導電層17bの厚みを1μmより小さくす
ると、ほとんどの電磁エネルギーが導電層17bで吸収
しきれないためエネルギー効率が悪くなり、また、漏れ
た磁界が他の金属部を加熱するという問題も生じる。一
方、100μmを越えた導電層17bでは、フィルム1
7の剛性が高くなりすぎることと、導電層中の熱伝導に
よって熱が伝わり、離型層17cが暖まりにくくなると
いう問題が生じる。
【0055】また導電層17bの抵抗値が小さすぎると
渦電流が発生した際の発熱効率が悪化するため、導電層
17bの固有体積抵抗率は20℃環境下で1.5×10
-8Ωm以上が好ましい。 (3)加熱原理 励磁コイル21には励磁回路28から交流電流(10k
Hz〜500kHz)が印加され、これによってコイル
21の周囲に矢印Hで示した磁束が生成消滅をくり返
す。この磁束Hがフィルム17の導電層17bを横切る
ように芯材22は構成される。
【0056】変動する磁界が導体中を横切るとき、その
磁界の変化を妨げる磁界を生じるように導体中には渦電
流Aが発生する。
【0057】この渦電流は表皮効果のためにほとんど導
電層17bの励磁コイル21側の面に集中して流れ、フ
ィルム導電層17bの表皮抵抗RSに比例した電力で発
熱を生じる。
【0058】RSは、角周波数ω、透磁率μ、固有抵抗
ρから得られる表皮深さ
【0059】
【外1】 と表せる。
【0060】従って、RSを大きくするか、Ifを大き
くすれば、電力を増すことができ、発熱量を増すことが
可能となる。
【0061】RSを大きくするには周波数ωを高くする
か、透磁率μの高い材料、固有抵抗ρの高いものを使え
ば良い。
【0062】これからすると、非磁性金属を導電層17
bに用いると加熱しずらいことが推測されるが、導電層
17bの厚さtが表皮深さδより薄い場合には、RS
ρ/tとなるので加熱可能となる。
【0063】励磁コイル21に印加する交流電流の周波
数は10〜500kHzが好ましい。10kHz以上に
なると、導電層17bへの吸収効率が良くなり、500
kHz迄は安価な素子を用いて励磁回路を組むことがで
きる。
【0064】更には20kHz以上であれば可聴域をこ
えるため通電時に音がすることがなく、200kHz以
下では励磁回路で生じるロスも少なく、周辺への放射ノ
イズも小さい。
【0065】また10〜500kHzの交流電流を導電
層17bに印加した場合、常温から200℃では表皮深
さは数μmから数百μm程度である。実際に導電層17
bの厚みを1μmより小さくすると、ほとんどの電磁エ
ネルギーが導電層17bで吸収しきれないためエネルギ
ー効率が悪くなる。また、もれた磁界が他の金属部を加
熱するという問題も生じる。一方で100μを越えた導
電層17bではフィルム17の剛性が高くなりすぎるこ
とと、導電層17b中の熱伝導によって熱が伝わり、離
形層17cが暖まりにくくなるという問題が生じる。ま
た製造時間・コストもかさむ。従って導電層17bの厚
みは1〜100μmが好ましい。
【0066】また導電層17bの発熱を増すためにはI
f を大きくすれば良く、そのためには励磁コイル21
によって生成される磁束を強くする、あるいは磁束の変
化を大きくすれば良い。この方法としてコイル21の巻
き線数を増すか、励磁コイル21の芯材22をフェライ
ト、パーマロイといった高透磁率で残留磁束密度の低い
ものを用いると良い。
【0067】本実施例ではフィルム17の導電層17b
をメッキ処理によって形成したが、真空蒸着・スパッタ
リング等で形成しても良い。これによりメッキ処理でき
ないアルミニウムや金属酸化物合金を導電層17bに用
いることができる。但し、メッキ処理が膜厚を得られ易
いため1〜100μmの層厚を得るためにはメッキ処理
が好ましい。
【0068】例えば高透過率の鉄、コバルト、ニッケル
等の強磁性体を付けると、励磁コイル2によって生成さ
れる電磁エネルギーを吸収し易く、効率よく加熱でき
つ、機外へもれる磁気も少なくなり、周辺装置への影
響も減らせる。また、これらのもので高低効率のものを
選ぶともっと良い。
【0069】また、フィルム17の導電層17bは金属
のみならず、低熱伝導電性基材に表面離形層を接着する
ための接着剤中に導電性、高透磁率な粒子、ウィスカー
を分散させて導電層としても良い。
【0070】例えば、マンガン、チタン、クロム、鉄、
銅、コバルト、ニッケル等の粒子やこれらの合金である
フェライトや酸化物の粒子やウィスカーといったものを
カーボン等の導電性粒子と混合し、接着剤中に分散させ
て導電層とすることができる。
【0071】本実施例では、磁場の方向がフィルム17
に垂直に入るように構成していたが、導電層17b中に
層面に平行に磁場を駆けても良い。
【0072】また導電層17bを構成する材料として、
キュリー温度が定着に必要な温度のものを使用すると加
熱されてキュリー温度に近づくと比熱が増大し、内部エ
ネルギーに変わるので自己温度制御が可能となる。キュ
リー温度を越えると自発磁化がなくなり、これによって
導電層17b中に生成される磁界はキュリー温度以下よ
り減少し、そのため渦電流が減少して発熱を抑制する方
向で働くので自己温度制御が可能となる。このキュリー
点としてはトナーの軟化点に合わせて100℃〜200
℃が好ましい。
【0073】あるいは、キュリー温度付近では励磁コイ
ル21とフィルム17との間での合成インダクタンスが
大きく変化するので、コイル21に高周波を加える励磁
回路側で温度を検出し、温度制御を行なうことも可能で
ある。
【0074】またコイル21の芯材22の材質としては
キュリー点の低いものを用いることが好ましい。
【0075】装置の搬送動作が停止して加熱制御が不可
能な所謂暴走状態になった場合に芯材22が昇温し始め
る。この結果、高周波を発生させる回路から見ると励磁
コイル21のインダクタンスが大きくなったように見え
るので、励磁回路が周波数を合わせようとするとどんど
ん高周波側へ変化して励磁回路の電力ロスとしてエネル
ギーが消費され、コイル21に供給されるエネルギーは
減り、暴走は防止される。具体的にキュリー点は100
℃〜250℃で選ぶと良い。
【0076】100℃以下ではトナーの融点より低くフ
ィルム内部が断熱されていても昇温が存在するので暴走
防止が誤作動し易く、250℃以上では暴走防止になら
ない。
【0077】(4)フィルム加圧板25A磁場 発生手段21・22を配置した側であるフィルム内
面側のフィルム加圧板25A(第1の加圧部材)は、良
熱伝導性を有するセラミック部材とした。
【0078】この良熱伝導性を有する部材としての加圧
板25Aの表面にはフィルム17との摩擦抵抗を減らす
ためにグリス・オイルなどの潤滑材を塗布することが好
ましい。また加圧板25Aのフィルム17との接触面に
ガラスの薄板等比較的フィルムと摺動性の良い部材を接
着してもよい。
【0079】この加圧板25Aが導電性の部材だと、フ
ィルム17の金属層17bを発熱させる磁力のエネルギ
ーにより該加圧板25Aが発熱してしまい、定着に必要
な充分なエネルギーをフィルム17の金属層17bに与
えられなくなるため、該加圧板25Aは、渦電流の発生
しない、良熱伝導性の材料とする必要がある。
【0080】本実施例では熱伝導率が0.004(ca
l/cm・sec・℃)以上のAl23のセラミック
(幅40mm、厚さ2mm、長さ220mm)を用い
【0081】この様な構成とすると、フィルム導電層1
7bの膜厚のばらつきや、長手方向での磁界の分布など
により生じる長手方向でのフィルムの温度分布の不均一
を補正し、通紙域のフィルムの温度分布を均一とするこ
とができる。
【0082】また、小サイズ紙を連続通紙した場合、被
加熱体としての紙に熱エネルギーを奪われない非通紙部
の加圧ローラ温度はおよそ270℃となり、加圧ローラ
24の耐熱温度240〜250℃を越えてしまう。本実
施例の加圧板25Aはこの非通紙部昇温を低減する効果
もある。
【0083】加圧板25Aの長手方向の熱伝導率を増し
非通紙部昇温を低減する効果を得るには加圧板25Aの
長さをL、横断面積をS、熱伝導率をρ、消費電力をW
とすると、
【0084】
【数1】 の関係とすれば良いことが、本発明者等の検討から分か
った。
【0085】この関係式を満足するよう構成した本実施
例の加圧板25Aを用い、小サイズ紙を連続通紙する
と、非通紙部の加圧ローラ温度はおよそ230℃であ
り、加圧ローラ24の耐熱温度以内とすることができ
た。
【0086】即ちフィルム17の内面に良熱伝導性のセ
ラミック加圧板25Aを配置してフィルム長手方向の温
度分布が均一となる構成としたことで、フィルム長手方
向の温度分布のムラによって起こる定着不良や光沢ムラ
などの発生を防ぐことができる。この良熱伝導性を有す
る部材としての加圧板25Aは芯材22を含むステー2
3に取り付けられており、不図示の加圧機構でステー2
3ごとフィルム17を加圧ローラ24(第2の加圧部
材)に圧接している。あるいは、加圧板25Aに直接加
圧機構を設けてもよい。または、加圧ローラ24から加
圧板25に向って加圧が行なわれてもよい。
【0087】なお、このフィルム加圧板25Aとステー
23をここでは別部材としているが、同じ材質を用いて
一体化することも可能である。その方が部品点数も減
り、組立性も向上するためコスト的に有利である。
【0088】(5)通電系 28は励磁コイル21に対して通電する励磁回路、27
は励磁コイル21の芯材22に当接させて、かつこの通
電路に直列に介入させた温度ヒューズ・サーモスイッチ
等の安全素子である。この安全素子27は過昇温時に励
磁コイル21への通電を遮断する役目をする。この暴走
防止のための安全素子27は動作温度の低いものを用い
ても通常は暖まらないので自然切れを生じることがな
く、かつ異常時には動作温度が低いので迅速に通電を止
めるので従来よりも安全である。
【0089】26は加圧ローラ24の表面に接触させた
サーミスタであり、該加圧ローラ24の温度を検知して
励磁コイル21へ印加する電流を制御する役目をする。
即ちこのサーミスタ26の検知温度に基づきレギュレー
タ29により励磁回路28が制御されて励磁コイル21
へ印加する電流値が制御される。加圧ローラ24が冷え
ていてサーミスタ26の検知温度が低い時は通電のデュ
ーティー比を小さくする。即ち加圧ローラ24が冷えて
いる場合は全波で通電するが、暖まってくるに従って徐
々にONのタイミングでもOFFして通電を間引いてい
くことで加熱量を調整できる。このサーミスタ26は加
圧板25Aのフィルム非接触面(加圧板裏面)や芯材2
2上に設けることも可能である。
【0090】このような構成で励磁コイル21には励磁
回路28から交流電流が印加され、これによって、励磁
コイル21の周囲に矢印Hで示した磁束が生成消滅を繰
り返す。
【0091】而して前述図10の装置と同様に、加圧ロ
ーラ24の回転によりフィルム17が回転され、かつ上
記電磁誘導加熱によりフィルム17(17b)が加熱さ
れた状態において、圧接ニップ部N(被加熱体加熱部、
定着ニップ部)のフィルム17と加圧ローラ24との間
に被加熱体としての画像定着すべき記録材Pが不図示の
画像形成部より導入されてフィルム17と一緒に圧接ニ
ップ部Nを挟持搬送されることにより電磁誘導加熱され
たフィルム17(17b)の熱が記録材Pに付与され、
記録材P上の未定着トナー像Tが記録材P面に加熱定着
されるものである。圧接ニップ部Nを通った記録材Pは
フィルム17の面から分離されて搬送される。
【0092】なお、図1の本実施例装置においてフィル
ム加圧板25Aは芯材22に接触しているが、非接触に
することもできる。その場合、例えばステー23と加圧
板25Aが別部材であれば、ステー23は加熱装置内に
固定して配置し、加圧板25Aだけでフィルム17を加
圧すればよい。また、ステー23と加圧板25Aが同一
部材である場合は、単に芯材22を加圧板25Aから離
してステー23に取り付けるだけでよい。
【0093】以上説明したように、フィルム17の表層
近くを直接発熱させるので、フィルム基層(基材)17
aの熱伝導率、熱容量によらず、急速に加熱できる利点
がある。即ち、導電部材(加熱部材)としてのフィルム
17のフィルム基材(基層)は熱的には断熱材として働
けばよく、従来の熱伝導体としてのフィルムを用いるフ
ィルム加熱方式の装置よりもフィルム基材の選択枝が広
がる。またフィルム17の厚さにも依存しないために、
高速化のためにフィルム17の剛性を向上するためフィ
ルム17の基層17aを厚くしても迅速に定着温度にま
で加熱できる。
【0094】本実施例ではフィルム加熱で説明したが、
加熱部材としてのフィルムはローラ体としても良い。
【0095】本例装置は定着装置に限らず、例えば画像
を担持した記録材を加熱して艶等の表面性を改質する装
置、仮定着する装置等、広く被加熱体を加熱処理する手
段・装置として使用できる。シート状物を搬送しつつ加
熱や乾燥させる装置にも利用できる。
【0096】〈実施例2〉(図3) 本実施例では図3のように、良熱伝導性を有する部材と
してのフィルム加圧板25Aが実施例(図1)の装置の
ように平板ではなく、フィルム17の内面との接触面に
おいて、フィルムの形状と同方向に凸形状をもってい
る。
【0097】実施例1の装置のように平面形状の加圧板
25Aでは、屈曲によるフィルム17の早期破損の危険
性が高いが、本実施例のように加圧板25Aのフィルム
接触面がフィルム内面の曲率にならうような形状にする
ことで、フィルムに屈曲部をつくらずにニップを形成
し、フィルムの破損を防止することができる。ここで、
フィルム加圧板25Aにおけるフィルム接触面の曲率は
0、すなわちフィルムと同方向に曲率を持てば何でも良
いが、フィルム内面の曲率と同じかそれ以上が好まし
い。
【0098】加圧板25Aの曲率がフィルム17の曲率
以上であれば、フィルム17は外力の加わらない放置形
状に近い形状を維持したまま回転駆動することができ、
破損が起こりづらい。
【0099】また本例装置の場合も、フィルム加圧板2
5Aを良熱伝導性のセラミック等にして良熱伝導性を有
する部材としたことで、フィルム長手方向の温度分布が
均一となり、温度分布のムラによって生じる定着不良や
光沢ムラなどの発生を防ぐことができる。
【0100】〈実施例3〉(図4) 本実施例では小サイズ紙を連続通紙した場合の非通紙部
昇温によるフィルム17のねじれや破損を防ぐために、
フィルム内面の加圧板25Aに実施例2と同様の良熱伝
導性を有する部材を用い、かつ該加圧板25Aの非通紙
部端(被加熱体通紙幅領域の非通紙側端部)に放熱部材
30を配置する構成とした。
【0101】フィルム17にねじれが発生する主な要因
は、長手方向での加圧ローラ24の熱膨張が不均一とな
るためであることが分かっている。
【0102】例えば被加熱体としての、封筒等の小サイ
ズの記録材Pを連続通紙した場合、フィルム17や加圧
ローラ24の非通紙領域(非通紙部)Bでは記録材に熱
が奪われないため、連続的に通紙を行なうと徐々に温度
が上昇していき、通紙領域(通紙部)Aとの温度差は1
00deg以上になる。この温度差により加圧ローラ2
4の熱膨張量が不均一になり、軸方向でローラ外径差を
生じるためにフィルム17の送り量に差がでる。
【0103】特に、記録材の一側端を基準として搬送す
る片側基準の構成で記録材を加熱する場合、例えば最大
幅がA4サイズの装置でB5サイズや幅100mmの封
筒を通紙すると約40mmから110mmの非通紙領域
Bが形成されるため、この現象は顕著となる。
【0104】本実施例で用いた装置(画像加熱定着装
置)は片側基準の構成である。記録材端部が搬送基準面
aに沿って搬送される。
【0105】30は小サイズ紙非通紙領域Bの熱量を加
圧ローラ外部へ放出させ、小サイズ通紙領域Aと非通紙
領域Bの温度差を減少させるための放熱部材であり、加
圧板25の非通紙側端部に接続されている。本実施例で
は放熱部材30として放熱効果を高めるために熱伝導性
の良いアルミニウムを使用した。形状は、肉厚2mm、
直径15mmの円板である。
【0106】而して、上記のように放熱部材30を具備
させた本実施例の装置と、この装置から放熱部材30を
除いた装置につきそれぞれ小サイズ記録材を通紙して加
熱処理を行なわせて、加圧ローラ24の温度の測定とフ
ィルム17のねじれについて実験を行なった。
【0107】この場合、放熱部材30を具備させた装
置、具備させない装置の何れの装置においても、通紙領
域Aのフィルム表面の温度を130℃に制御し、通紙領
域Aに対して非通紙領域Bの昇温の大きい封筒(幅10
5mm×長さ241mm)をプロセススピード11.4
πmm/sec、紙間296mmで連続通紙した。
【0108】加圧ローラ24の温度測定は熱電対を加圧
ローラ下部にパッドで押し当てて行なった。測定ポイン
トは通紙側が搬送基準面aから11mm、非通紙側が2
07mmのところである。
【0109】放熱部材30を除いた装置の場合は、連続
通紙枚数が40枚で加圧ローラ24の通紙領域Aと非通
紙領域Bの温度差ΔTはΔT=115degであった。
【0110】本発明者らの実験によれば、加圧ローラ2
4の上記温度差ΔTは、およそΔT≧110degにな
るとフィルム17にシワが入り始め、ねじれが発生す
る。
【0111】次に図4のように放熱部材30を具備させ
た本実施例の装置を用いて、上記と同様の実験を行なっ
た。
【0112】結果は連続通紙40枚でΔT=107de
gであり、フィルムねじれは発生しなかった。
【0113】このように加圧ローラ24の非通紙領域B
の昇温が低減するのは、小サイズ紙通紙時に記録材によ
り熱エネルギーを奪われない非通紙領域B側に蓄積され
た熱エネルギーが良熱伝導性の加圧板25Aを通じて放
熱部材30に伝わり、放熱されるためである。
【0114】以上のことから本実施例に示した構成の加
熱装置を用いることによりフィルムのねじれの発生を防
ぎ、加熱装置の破損を防止できる。
【0115】〈実施例4〉(図5) 本実施例の加熱装置は、良熱伝導性を有する部材として
のフィルム加圧板25Aが図5に示すように長手方向に
クラウン形状をもっている。このクラウンは加圧板25
Aが実施例1のような平板でも実施例2のように曲率を
もっていても同じようにつけることができる。また、加
圧板25Aのクラウン量については、加圧板25Aの材
質、厚さ、幅、加圧力等に応じて最適なものを選択でき
る。
【0116】加熱装置は不図示の加圧機構により加圧板
25Aもしくはステー23をその両端部から加圧ローラ
24に対して圧接する。実施例1、同2のように加圧板
25Aが長手方向でストレート形状になっている場合に
は、加圧力は当然両端部で高く、中央にいくほど低くな
る。これはそのままニップ形状にあらわれ、ニップは端
部で広く、中央が狭くなる。この長手方向でのニップ幅
の不均衡は、長手方向で記録材の加熱量のむらになり、
ニップの広い部分で定着過多によるオフセット、あるい
はニップの狭い部分で定着不良をおこす可能性がある。
しかし、本実施例のように加圧板25Aにクラウンがつ
いていると、両端部の加圧力と中央部の加圧力が平均化
されるためニップ幅を均一にすることができる。
【0117】〈実施例5〉(図6) 本実施例では良熱伝導性を有する部材としてのフィルム
加圧板25Aのフィルム17との接触面に図6に示すよ
うに薄層の弾性部材25aを貼り付けてある。弾性部材
25aにはシリコーンゴム、フッ素ゴム等の高耐熱性を
有するゴムを使用できる。また弾性部材25aの表面に
は、加圧板25Aとフィルム17との摺動性を良くする
ためにPFA、PTFE等の耐熱樹脂のシート25bを
接着してある。なお、本実施例では実施例2のように加
圧板25Aには曲率がついている。
【0118】上記のような構成をとることで、フィルム
17を挾むニップ形成が加圧ローラ24と弾性層25a
をもつ加圧板25Aの間で行なわれるため、ニップをよ
り広く取ることができるようになり、記録材Pの加熱能
力の向上が図れる。
【0119】〈実施例6〉(図7) 本実施例では芯材22の形状をU型にし、その2本の壁
の谷間にあたる空間内にフィルム17を加圧ローラ24
に圧接する、良熱伝導性を有する部材としてのフィルム
加圧ローラ25Bを配置している。
【0120】このフィルム加圧ローラ25Bは前述実施
例の良熱伝導性を有する部材としてフィルム加圧板25
Aと同様に、良熱伝導性のセラミック等で構成される。
【0121】このフィルム加圧ローラ25Bは芯材22
とは非接触である。したがって、フィルム加圧ローラ2
5Bは不図示の軸受部に設けられた加圧機構により、そ
こからフィルム17を挟んで加圧ローラ24に対して加
圧されることでニップが形成される。フィルム加圧ロー
ラ25Bはフィルム17の回転駆動に従動して回転す
る。
【0122】このようにフィルム17の加圧を板ではな
く回転体で行なうことで、フィルム17の摺動性が向上
し、フィルム17のスリップが起こりづらくなる。ま
た、これはフィルム17の金属疲労による破損防止にも
有効な手段である。
【0123】なお、このフィルム加圧ローラ25Bに実
施例3のようなクラウンをつけることができることはい
うまでもない。また、フィルム加圧ローラ25Bの表面
に実施例4のような弾性層25aを設けることもでき
る。
【0124】〈実施例7〉(図8) 図8の(a)・(b)はそれぞれ電磁誘導加熱方式の加
熱装置の他の構成形態例を示したものである。
【0125】(a)のものは電磁誘導加熱構造体21・
22・23・25の、良熱伝導性を有する部材としての
フィルム加圧板25Aの下面と、駆動ローラ31と、従
動ローラ(テンションローラ)32との、3部材間にエ
ンドレスベルト状の導電部材としてのフィルム17を懸
回張設して駆動ローラ31によりフィルム17を回転駆
動する構成のものである。33はフィルム17を挟んで
加圧板25の下面に圧接させた加圧ローラであり、フィ
ルム17の回転移動に伴ない従動回転する。
【0126】(b)のものは、電磁誘導加熱構造体21
・22・23・25の、良熱伝導性を有する部材として
のフィルム加圧板25Aの下面と駆動ローラ31の2部
材間にエンドレスベルト状の導電部材としてのフィルム
17を懸回張設して駆動ローラ31により回転駆動する
構成のものである。
【0127】
【0128】〈実施例8〉(図9) 本実施例は例えば前述実施例1の電磁誘導加熱方式の加
熱装置を画像加熱定着装置(像加熱装置)55として用
いた画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の画
像形成装置は、電子写真プロセス利用のレーザービーム
プリンタである。
【0129】41は像担持体(第1の像担持体)として
の回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと
記す)である。該感光ドラム41は矢印の時計方向に所
定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動さ
れ、その回転過程で一次帯電器42によりマイナスの所
定の暗電位VDに一様に帯電処理される。
【0130】43はレーザービームスキャナであり、不
図示の画像読取装置・ワードプロセッサ・コンピュータ
等のホスト装置から入力される目的画像情報の時系列電
気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービー
ムLを出力し、前記のように一次帯電器42でマイナス
に一様帯電された感光ドラム41面が該レーザービーム
で走査露光されることで露光部分は電位絶対値が小さく
なって明電位VLとなり回転露光ドラム41面に目的の
画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。
【0131】次いでその潜像は現像器44によりマイナ
スに帯電した粉体トナーで反転現像(レーザー露光部V
Lにトナーが付着)されて顕像化される。
【0132】現像器44は回転駆動される現像スリーブ
44aを有し、そのスリーブ外周面にマイナスの電荷を
もったトナーの薄層がコートされて感光ドラム41面と
対向し、スリーブ44aにはその絶対値が感光ドラム4
1の暗電位VDよりも小さく、明電位VLよりも大きな現
像バイアス電圧VDCが印加されていることで、スリーブ
44a上のトナーが感光ドラム41の明電位VLの部分
のみ転移して潜像が顕像化(反転現像)される。
【0133】一方、給紙トレイ45上に積載セットされ
ている記録材(第2の像担持体、転写紙)Pが給紙ロー
ラ46により1枚宛繰り出し給送され、搬送ガイド4
7、レジストローラ対48、転写前ガイド49を経由し
て、感光ドラム41とこれに当接させて電源51で転写
バイアスを印加した転写部材としての転写ローラ50と
のニップ部(転写部)52へ、感光ドラム41の回転と
同期どりされた適切なタイミングをもって給送されて該
給送記録材Pの面に感光ドラム41面側のトナー像が順
次に転写されていく。転写部材としての転写ローラ50
の抵抗値は108〜109Ωm程度のものが適当である。
【0134】転写部52を通った記録材Pは感光ドラム
41面から分離され、搬送ガイド54で定着装置55へ
導入されて転写トナー像の定着を受け、画像形成物(プ
リント)として排紙トレイ56へ出力される。記録材
離後の感光ドラム41面はクリーニング装置53で転写
残りトナー等の感光ドラム面残留物の除去を受けて清浄
面化されて繰り返して作像に供される。
【0135】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、
場の作用により回転体が発熱する加熱装置において、ニ
ップに対向する位置で回転体の内面と接し回転体の移動
方向と直交する長手方向にわたって設けられたセラミッ
ク部材を有することを特徴とすることで、磁場の影響を
受けることなく良好に、且つニップの位置で安定して回
転体の温度分布を均一にすることができる また、磁場
の作用により回転体が発熱する加熱装置において、記録
材の移動方向と直交する方向に関して、加圧部材は回転
体と接する部分がクラウン形状であることにより、回転
体自身が発熱するのでローラと圧接する加圧部材は実質
的に圧接力が均一になるようにだけ設計されればよく、
加圧部材の設計の自由度を増すことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の加熱装置(電磁誘導加熱方式・フ
ィルム加熱方式の画像加熱定着装置)の概略構成を示す
模型図
【図2】 磁場発生手段としての励磁コイルと芯材の斜
視図
【図3】 実施例2の加熱装置の概略構成を示す模型図
【図4】 実施例3の加熱装置の一部切欠き構成模型図
【図5】 クラウン形状にしたフィルム加圧板の側面模
型図(実施例4)
【図6】 実施例5の加熱装置の要部の模型図
【図7】 実施例6の加熱装置の概略構成を示す摸式図
【図8】 (a)・(b)はそれぞれ加熱装置の他の構
成形態例の略図(実施例7)
【図9】 画像形成装置例の概略構成図(実施例8)
【図10】 電磁誘導加熱方式・フィルム加熱方式の加
熱装置の一例(画像加熱定着装置)の概略構成を示す模
型図
【符号の説明】
17 導電部材(発熱部材)としての耐熱性フィルム 17a フィルム基層(基材) 17b 導電層(発熱層) 17c 離形層 21 励磁コイル 22 コイル芯材 23 ステー 24 フィルム加圧ローラ 25・25A・25B 良熱伝導性のフィルム加圧板
またはフィルム加圧ローラ 26 サーミスタ(温度検出素子) 27 安全素子 28 励磁回路 29 レギュレータ 30 放熱部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福沢 大三 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 阿部 篤義 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 小川 賢一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−144084(JP,A) 特開 平3−233586(JP,A) 特開 昭59−33476(JP,A) 実開 昭60−38494(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/20 H05B 6/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体と、磁場を発生する磁場発生手段
    と、前記回転体とニップを形成するローラと、を有し、
    前記磁場発生手段による磁場の作用により前記回転体が
    発熱し、前記ニップで挟持搬送される記録材上の画像が
    加熱される加熱装置において、 前記ニップに対向する位置で前記回転体の内面と接し回
    転体の移動方向と直交する長手方向にわたって設けられ
    たセラミック部材を有することを特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記装置は更に、前記セラミック部材の
    両端部を前記ローラ側に加圧する加圧手段を有し、前記
    セラミック部材は記録材の移動方向と直交する方向に関
    して前記回転体と接する部分がクラウン形状であること
    を特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
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