JP3504943B2 - 像加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

像加熱装置および画像形成装置

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JP3504943B2
JP3504943B2 JP2003020586A JP2003020586A JP3504943B2 JP 3504943 B2 JP3504943 B2 JP 3504943B2 JP 2003020586 A JP2003020586 A JP 2003020586A JP 2003020586 A JP2003020586 A JP 2003020586A JP 3504943 B2 JP3504943 B2 JP 3504943B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウォーミングアッ
プ時間を短縮する像加熱装置に関し、特に電子写真装
置、静電記録装置等の画像形成装置に用いられ未定着画
像を定着する定着装置に適する像加熱装置と、これを用
いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】加熱定着装置に代表される像加熱装置と
しては、従来から熱ローラ方式、ベルト方式等の接触加
熱方式が一般に用いられている。
【0003】近年、ウォームアップ時間の短縮や省エネ
ルギなどの要望から、熱容量を少なく設定できるベルト
方式が注目されている。
【0004】特許文献1はその一例で、図9にその構造
を示す。エンドレスの回転するベルト101を定着ロー
ラ102と加熱ローラ103間に張設し、加熱ローラ1
03内の加熱源H1により加熱ローラ103を加熱する
ことによって、ベルト101を所定の温度に暖める。
【0005】この従来例では熱容量の小さいベルトを用
いることによって、オイル塗布の少ない構成でオフセッ
トの無い定着を達成することを意図している。
【0006】
【特許文献1】特開平6−318001号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例も含めて一
般にベルト方式では、ウォームアップ時間を短縮するた
めにベルトの熱容量を小さく設定できるという利点があ
り、ベルト自身を短時間で所定温度まであげるようにす
ることができる。しかしながら一方で熱容量を小さくす
るほど、トナー像を定着したときに被記録材等に奪われ
る熱によって、非常にベルト温度が下がり易くなるとい
う傾向も強くなる。この時低下したベルト温度を、再度
定着部に来るまでに必要な温度まで安定的に均一に復帰
させることが、確実な定着のために必要となる。
【0008】さらに大きな課題は、定着部を通過した時
のベルトの温度の下がり方は、そのときの被記録材や、
加圧手段に用いられる部材等の温度状態によって大きく
変わることである。これらの温度状態がいかなる場合で
あっても、すなわち定着部を通過した後のベルト温度の
下がり方が大きく変わっても、再度定着部にベルトをも
たらすときにはベルトを常に定着に最適な一定温度に戻
すことが、安定した定着のために必要である。
【0009】ベルトを所定の温度に均一に安定して復帰
させるためには、発熱部からベルトへの熱伝達の構成や
発熱部そのものの構成が重要となってくるが、従来のベ
ルト方式の像加熱装置ではこの点については特別な考慮
はされていなかった。
【0010】また、上記従来例も含めて一般にベルト方
式では、ウォームアップ時間を短縮するためにフィルム
の熱容量を小さく設定するが、そのために、温度ムラや
部分的な過昇温の問題があった。これは、像加熱装置の
図9の奥行き方向の幅の大きさに対して幅の狭い被記録
材を連続で通す時に、さらに顕著な問題となる。すなわ
ち被記録材の通る部分はどんどん被記録材に熱を奪われ
るためにそれに応じて加熱しなければならないが、被記
録材の通らない部分は同様に加熱されると発熱体の熱容
量が小さいため温度がどんどん上昇する。そして異常に
上昇すると、その状態で幅広の被記録材を通すとホット
オフセットを起こしたりする。
【0011】逆にホットオフセットを防ぐために発熱を
制限すると、被記録材に熱を奪われた部分が低温になっ
てコールドオフセットや未定着になるおそれがある。
【0012】本発明はこれら従来のベルト方式の像加熱
装置の、熱容量を小さくすることに伴う課題を解決する
ものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、定着ローラと、少なくとも一部は導電性
を有し回転する発熱ローラと、前記定着ローラと前記発
熱ローラとに張架され、前記発熱ローラの外周面の一部
に接触して前記発熱ローラと連動しながら熱を吸収・移
送するベルトと、前記発熱ローラの外部に設けられ、前
記発熱ローラと前記ベルトとの接触部において、前記接
触部よりも狭い領域を覆い、前記接触部の一部の領域
前記発熱ローラの外部から励磁して発熱させる励磁コイ
ルと、前記発熱ローラのベルト移送方向下流側において
前記ベルトを介して前記定着ローラと圧接する加圧ロー
ラと、を有し、前記ベルトは、まず励磁領域手前の発熱
ローラに接触した後に、前記励磁領域に進入して昇温さ
れることを特徴とする像加熱装置と、これを用いた画像
形成装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】図8は本発明の実施例の像加熱装
置を定着装置として用いた画像形成装置の断面図であ
る。以下にこの装置の構成と動作を説明する。
【0015】1は電子写真感光体(以下感光ドラム)で
ある。感光ドラム1は矢印の方向に所定の周速度で回転
駆動されながら、その表面が帯電器2によりマイナスの
所定の暗電位V0に一様に帯電される。
【0016】3はレーザビームスキャナであり、図示し
ない画像読取装置やコンピュータ等のホスト装置から入
力される画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応
して変調されたレーザビームを出力する。上記のように
一様帯電された感光ドラム1の表面が、このレーザビー
ムで走査露光されて、露光部分は電位絶対値が小さくな
って明電位VLとなり、感光ドラム1面に静電潜像が形
成される。
【0017】次いでその潜像は現像器4によりマイナス
に帯電した粉体トナーで反転現像されて顕像化される。
【0018】現像器4は回転駆動される現像ローラ4a
を有し、そのローラ外周面にマイナスの電荷をもったト
ナーの薄層が形成されて感光ドラム1面と対抗してお
り、その現像ローラ4aにはその絶対値が感光ドラム1
の暗電位V0より小さく、明電位VLより大きな現像バ
イアス電圧が印加されていることで、現像ローラ4a上
のトナーが感光ドラム1の明電位VLの部分にのみ転移
して潜像が顕像化される。
【0019】一方給紙部10からは被記録材15が一枚
ずつ給送され、レジストローラ対11、12を経て、感
光ドラム1とこれに当接させた転写ローラ13とのニッ
プ部へ、感光体ドラム1の回転と同期した適切なタイミ
ングで送られる。転写バイアスの印加された転写ローラ
13の作用によって、感光ドラム1上のトナー像は被記
録材15に順次転写される。転写部を通った被記録材1
5は感光ドラム1から分離され、定着装置16へ導入さ
れ、転写トナー像の定着が行われる。定着されて像が固
定された被記録材15は排紙トレイ17へ出力される。
【0020】被記録材分離後の感光ドラム1面はクリー
ニング装置5で転写残りトナー等の感光ドラム面残留物
の除去を受けて清浄にされ、繰り返し次の作像に供され
る。
【0021】次に、本発明の実施例の像加熱装置を詳細
に説明する。
【0022】図1は本発明の第1の実施例の像加熱装置
としての定着装置の断面図である。薄肉のベルト20は
基材21がポリイミド樹脂でなるエンドレスのベルトで
直径50mm、厚さ50μmで、図2にその断面を示す
ように、その表面には離型性を付与するため、フッ素樹
脂の厚さ5μmの離型層22が被覆してある。基材21
の材質としては耐熱性のあるポリイミドやフッ素樹脂等
の他、電鋳で製作したニッケル等のごく薄い金属を用い
ることもできる。また表面の離型層22はPTFE、P
FA、FEP、シリコンゴム、フッ素ゴム等の離型性の
良好な樹脂やゴムを単独あるいは混合で被覆してもよ
い。モノクロ画像の定着用としては離型性のみを確保す
ればよいが、カラー画像の定着用として用いる場合には
弾性を付与するのが望ましく、その場合にはやや厚いゴ
ム層を形成する必要がある。
【0023】23は発熱手段としての励磁コイルで、断
面形状は図1のようにベルト20を覆うように形成さ
れ、中心と背面の一部にはフェライトで構成された芯材
24が設置されている。芯材24はパーマロイ等の高透
磁率の材料を用いることもできる。図3は芯材24と励
磁コイル23の構成をベルトの方から正面を見た図で、
励磁コイル23は図のように渦巻き状に形成されてお
り、背面の芯材は一部のみに存在し外部に漏れる磁束を
捕捉するように構成されている。励磁コイル23には励
磁回路25から30kHzの交流電流が印加される。
【0024】再び図1に戻り、ベルト20は、表面が低
硬度(JISA30度)の弾力性ある発泡体のシリコン
ゴムで構成された直径20mmの低熱伝導性の定着ロー
ラ43と、後述の合金でなる直径30mmの発熱ローラ
44との間に所定の張力をもって懸架され、矢印B方向
に回転移動可能となっている。発熱ローラ44は厚さ
0.4mmの鉄・ニッケル・クロムの合金でなる磁性材
料で構成され、そのキュリー点が材料中に混合するクロ
ム量により220度になるように調整されて製造されて
いる。発熱ローラ44の内部には、発熱ローラ44と
0.5mmの隙間をあけてアルミニウムでなる厚さ0.
8mmの導電性部材としての導電ローラ45が設けられ
ている。
【0025】発熱ローラ44と導電ローラ45は図4に
示すように、両端においてベークライト等の熱伝導性の
小さな耐熱樹脂で構成されたフランジ46、47で支持
されている。このように、導電ローラ45は発熱ローラ
44とは断熱的に設置されているので、発熱ローラ44
で発生した熱は導電ローラ45には伝わり難くなってい
る。これらは、図示しない装置本体の駆動手段によって
軸48を中心に回転駆動される。
【0026】図1において、加圧手段としての加圧ロー
ラ49は硬度JISA65度のシリコンゴムで構成さ
れ、ベルト20を介して図1のように定着ローラ43に
対して圧接してニップを形成している。この時、加圧ロ
ーラ49は図1に示すように、定着ローラ43の鉛直方
向の真下に対して被記録材の搬送方向のやや上流に設置
され、ベルト20が移動するに従って、まず加圧ローラ
49に接触開始するように設定されている。加圧ローラ
49はその状態で金属軸50の周りに従動で回転可能に
支持される。加圧ローラ49の材質は他のフッ素ゴム、
フッ素樹脂等の耐熱性樹脂やゴムで構成しても良い。ま
た加圧ローラ49の表面には耐摩耗性や離型性を高める
ために、PFA、PTFE、FEP等の樹脂あるいはゴ
ムを単独あるいは混合で被覆してもよい。熱の放散を防
ぐため、加圧ローラは熱伝導性の小さい材料で構成され
ることが望ましい。
【0027】本実施例では、上記の発熱ローラの構成に
よって、自己温度制御特性を持たせている。以下にその
作用を図5、図6を用いて説明する。
【0028】図5において、発熱ローラ44の励磁コイ
ル23に対向した発熱部44aがキュリー点以下の温度
にある時は、励磁コイル23により生じた磁束は発熱ロ
ーラ44の磁性のため、図の矢印D、D’に示すように
ほとんど発熱ローラ44内を貫通して生成消滅を繰り返
し、それによって発生する誘導電流は表皮効果によって
ほとんど表面にのみ流れ、その部分にジュール熱が発生
する。発熱ローラ44の発熱部44aがキュリー温度近
くになると磁性がなくなるため、図6の矢印E、E’に
示すように磁束が内部の導電ローラ45の方にも発散
し、誘導電流は電気抵抗の低い導電ローラ45内で圧倒
的に流れだし、この時は電気抵抗が低いので電流を一定
に制限しておくと熱の発生が格段に少なくなる。計算に
よればこの表皮効果による電流の流れる部分の深さは、
励磁電流の周波数が30kHzのとき0.3mm程度の
厚さになる。発熱ローラ44の厚さはこの表皮深さと同
等かそれ以上であれば、低温時には電流がほとんど発熱
ローラ44内で発生する。電流周波数を上げればそれだ
け表皮深さは小さくなり、それだけ薄い発熱ローラを用
いることができる。しかし励磁電流の周波数はあまり高
くするとコストがかかり、外部に出るノイズも大きくな
る。
【0029】本実施例では発熱体は上記設定により、約
190度の安定した温度制御が実現された。この実施例
では、発熱ローラ44と導電ローラ45の2層構造の構
成をとっているが、この他にも、表皮深さより厚い磁性
体の1層の発熱ローラ構成を用いることによって、キュ
リー温度以下のときには電流の流れる部分が薄いため発
熱量が多く、キュリー点を超えるとほぼ磁性体の厚み全
体に電流が流れるため抵抗が下がり、したがって発熱量
を下げることによって、自己温度制御性を得ることもで
きる。
【0030】以上により発熱ローラ44の厚さは、励磁
コイルに印加する周波数に対応した表皮深さと同等以上
であれば自己温度制御の効果が大きくなる。
【0031】なおこの実施例では導電ローラ45として
アルミニウムを用いたが他の銅などの導電性の高い金属
を用いることもできる。また発熱ローラ44もキュリー
温度を設定できる他の合金でも同様の効果を得ることが
可能である。
【0032】以上のように構成した定着装置に、図8の
画像形成装置でトナー像を転写された被記録材15を、
図1に示すようにトナー35のある面を上側にして矢印
Fの方向から突入させ、被記録材15上のトナーを定着
させる。
【0033】以上の実施例によれば、発熱ローラ自身が
自己温度制御特性を持つので、発熱部が異常に高温にな
ったりすることはなく、定着温度にほぼ近い温度の温度
制御が自動的に行えるものである。このことは図1の奥
行き方向の部分的な温度差に対しても作用し、部分的な
発熱作用の差が発生するので、幅の狭い被記録材を連続
で通しても、被記録材の通過しない部分が異常に高温に
なることがなく、またその後幅広の被記録材を通しても
ホットオフセットすることがない。
【0034】また、発熱ローラの材質・厚さ等はベルト
とは独立して設定できるので、自己温度制御を行うため
に最適な材料・厚さを選ぶことができ、ベルトの熱容量
もそれとは別に設定できるので最適な値を選ぶことがで
きる。
【0035】また一方、定着ローラ43は材料自身熱伝
導率が低いうえに発泡体で構成されているので内部の空
隙の存在で、ベルト20で発生した熱は逃げにくく効率
が良いものとなっている。
【0036】本実施例では、ウォームアップ時間を短縮
するという目的を達成するために、ベルトの熱容量を極
力小さく設定するとともに、発熱ローラ44の厚さを小
さくしてその熱容量も小さく設定している。立ち上がり
を早くするために本実施例のように発熱ローラ44の厚
さを小さくして、ベルトの熱容量と同等レベルになって
くると、発熱ローラに蓄えられる熱量は非常に小さくな
ってくるので、一旦発熱ローラに熱を蓄えても通常では
すぐに温度低下してしまう。すなわちベルトとの接触部
以外の他の場所で一旦発熱ローラに熱を与えてそれによ
ってベルトを暖める方法では、ベルトに十分な熱量を与
えるためには、発熱ローラ自身を相当高い温度にまで暖
める必要がある。さらにまた、ニップ部を通過するとき
冷やされるベルトは、そのときの加圧ローラや定着ロー
ラの温度や被記録材の温度状態によって、大きく異なっ
た温度に冷やされる可能性がある。したがって上記の方
法では、それに応じて発熱ローラの温度も大きく異なっ
た温度に設定しなければならない。
【0037】しかるに本実施例では、発熱は発熱ローラ
のベルトと接している部分で行われるので、ベルトに必
要な熱がすぐに伝わるため、必要以上に発熱ローラを高
温にする必要がない。また、発熱ローラのベルトとの接
触部を通り過ぎた位置では発熱がほとんどないため、こ
の部分の温度が一定に維持されるように制御することに
よって、ニップ部に突入するベルト温度を常に一定にす
ることができ、上記の加圧ローラ等の温度状態の如何に
関わらず安定した定着が可能となる。
【0038】本実施例では発熱ローラで熱せられたベル
トは、定着ローラより先にまず被記録材に接触開始する
ので、必要温度に保たれた状態で被記録材上のトナーを
溶かし、ベルトの熱容量が小さいことから、ベルトが被
記録材に接しはじめると被記録材に熱が奪われはじめ、
ニップ部を通過して離れる時には相当温度が低下し、ト
ナーがホットオフセットしない状態になる。
【0039】本実施例ではベルトは樹脂で構成したが、
かわりに金属を用いると、一部の発熱はこのベルトで発
生するが、その厚さが極小さければ上記の説明の磁束の
多くはこれを貫いて発熱ローラまで達するので、自己温
度制御等の同様な作用を行わせることができる。
【0040】また本実施例では発熱部はベルト内部にあ
る一方、励磁コイルや芯材はベルト外部に設置できるの
で、励磁コイル等が発熱部の温度の影響を受けて昇温し
にくく、発熱量を安定に保つことができる。
【0041】また本実施例では発熱ローラ44と導電ロ
ーラ45とは熱的に離間させて構成したが、これらを密
着させても、この自己温度制御特性は同様に得られる。
この場合には発熱ローラ部としての熱容量はやや大きく
なり、その分ウォームアップ時間が長くかかる。
【0042】なお本実施例では、発熱ローラの自己温度
制御を定着温度に設定したが、他の構成として、定着温
度の制御は通常のサーミスタ等による検出による制御を
行って、一方自己温度制御の設定をもっと高くして、装
置の高温による破損に対する安全を確保するための異常
昇温の防止のためにこれを用いることもできる。
【0043】次に第2の実施例の像加熱装置として、カ
ラー像を定着するのに応用した定着装置を図7を用いて
説明する。
【0044】第2の実施例において、第1の実施例の定
着装置と同様の構成で同じ役割をする部分は、その詳細
な説明を省略する。
【0045】本実施例ではベルト50は、直径50mm
の大きさのポリイミド基材51の表面に、カラー画像の
定着のために70μmのシリコンゴム52を被覆したも
のを用いた。またこの実施例でも発熱は発熱ローラで行
われるので、ベルト50としては極薄い金属や、金属以
外のフッ素樹脂等の耐熱性樹脂をフィルム状にしたもの
を用いることもできる。
【0046】ベルト50は、第1の実施例とほぼ同様の
構成の直径30mmの定着ローラ53と、磁性ステンレ
スでなる厚さ0.4mmの発熱ローラ54に所定の張力
をもって懸架され、矢印C方向に回転移動可能となって
いる。加圧ローラ57は硬度JISA60度のシリコン
ゴムで構成され、ベルト50を介して図7のように定着
ローラ53に対して圧接し、その状態で金属軸60の周
りに従動で回転可能に構成される。
【0047】発熱ローラ54にベルト50を介して小さ
な間隙をあけて対向して、励磁コイル71と芯材72が
設置されている。芯材72は本実施例では断面がE型を
しており、その中心部の凸部に励磁コイルが巻回されて
いる。第1の実施例と同様に、励磁コイル71に励磁回
路75から30kHzの交流電流を印加することによ
り、矢印G、G’のような磁束が生成消滅を繰り返し、
発熱ローラ54のベルト50との接触部である発熱部5
4aを中心に励磁されてうず電流を発生し発熱する。こ
のとき発熱ローラに発生するうず電流は、発熱ローラに
用いられる材料の透磁率および固有抵抗と、印加される
励磁周波数によって定まる表皮深さ以内の表面に集中す
る。使用したステンレス材料の特性と印加周波数から計
算すると、その深さは約0.3mmであった。発熱ロー
ラ54の厚さを0.4mmに設定したため、発熱は、ほ
とんど表面側の表皮深さで定まる厚さの中で起こってい
ることになる。したがって発熱ローラ54の厚さに部分
的なムラがあっても、発熱のムラとはならず均一な発熱
が可能となる。また発熱ローラのベルトと接触している
表面に発熱が集中するので、効率よくベルトに熱が伝え
られる。
【0048】一方発熱ローラ54のベルトから離間した
直後の部分54bには、表面に温度検出手段としての温
度検知センサ58が接触するように設置されており、こ
の検知出力により制御手段79を通して励磁回路75の
出力が制御される構成になっている。これにより発熱ロ
ーラ54のベルトから離間した直後の部分54bが、常
に一定温度に維持されるように発熱量が制御される。
【0049】以上のように構成した定着装置に、図示し
ないカラー画像形成装置により、ポリエステルを基材と
したシャープメルトのカラートナー85で形成したカラ
ー画像を乗せた被記録材86を、図7の矢印Hの方向か
ら突入させ、被記録材86上のカラートナーを定着し
た。
【0050】本実施例では、発熱は発熱ローラ54のベ
ルトとの接触部で行われ、その熱は即座にベルト50に
伝えられ、必要以上に発熱ローラを高温にする必要がな
い。発熱ローラ54のベルトと離間した直後の部分の温
度検知によって発熱量を制御しているので、ベルト温度
を常に定着に最適な温度に維持できる。
【0051】さらにまた、ニップ部を通過するとき冷や
されるベルトは、そのときの加圧ローラや定着ローラの
温度や被記録材の温度状態によって、大きく異なった温
度に冷やされる可能性があるが、上記のようにベルトと
の接触部で発熱し、その発熱量を離間直後の温度が一定
になるように制御しているので、ベルトの低下温度に関
係なく安定した制御ができる。このことは発熱ローラ5
4の熱容量を非常に小さくしても、ベルトの低下温度に
応じて異なった発熱ローラの温度制御をする必要がな
く、ニップ突入部の温度を常に一定にできるということ
になる。
【0052】また、本実施例では、ベルトの熱容量が小
さいことから、ベルトが被記録材に接しはじめると被記
録材に熱が奪われはじめ、ニップ部を通過して離れる時
にはトナーがホットオフセットしない状態になる。よっ
てニップ部に入るときの温度をかなり高く設定してもホ
ットオフセットが起こることはない。本実施例では発熱
ローラ54のベルトと離間した直後の部分の温度検知に
よって発熱量を制御しているので、ニップ前半における
温度を微妙にコントロールできる。したがって、シャー
プメルトのカラートナーでも一旦充分溶かしながらホッ
トオフセット無しに定着できるものである。
【0053】また、発熱ローラのベルトとの接触部を通
り過ぎた位置では発熱がほとんどないため、この部分の
温度が一定に維持されるように制御することによって、
ニップ部に突入するベルト温度を常に一定にすることが
でき、上記の加圧ローラ等の温度状態の如何に関わらず
安定した定着が可能となる。
【0054】一方定着ローラ53は材料自身熱伝導率が
低いうえに発泡体で構成されているので内部の空隙の存
在で、ベルト50に保持された熱はその接触によっては
逃げにくく効率が良いものとなっている。さらに、定着
ローラ53の硬度は加圧ローラ57の硬度よりかなり低
く設定されているので、ニップ部ではベルト50が加圧
ローラ57の外周面に沿って変形しているため被記録材
がこのニップ部を通過して出てくるときには、被記録材
の出る方向がベルト50から離れる方向に押し出される
ため剥離性が極めてよい。また、発熱ローラの厚さは表
皮深さより大きく設定することによって、ムラのない均
一な発熱ができる。さらに自己温度制御により、安定し
た温度制御とともに、幅の狭い被記録材を連続で通して
も被記録材の通らない部分が過昇温することなく、ホッ
トオフセットを起こしたり、あるいは発熱量が不安定に
なったりすることがなく、また励磁コイル等の熱による
破損を防止できる。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明では、被加熱体であ
るベルトと発熱体である発熱ローラの熱容量が非常に小
さく設定できるので、急速に暖めることが可能で定着温
度に達するまでのウォームアップ時間が極めて小さくで
きる。また発熱ローラの熱容量を小さく設定しても、ベ
ルト接触部での発熱により発熱ローラの温度を低く設定
できる。
【0056】
【0057】
【0058】また、励磁コイルと芯材はベルト外部に設
置できるので、同様に励磁コイル等が高温にさらされる
ことなく安定した発熱量を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の像加熱装置の断面図
【図2】本発明の第1の実施例の像加熱装置に用いるベ
ルトの断面図
【図3】本発明の第1の実施例の像加熱装置に用いる励
磁コイルと芯材を示す正面図
【図4】本発明の第1の実施例の像加熱装置に用いる発
熱ローラの断面図
【図5】低温状態のときに、本発明の第1の実施例の像
加熱装置に用いる発熱ローラを通過する磁束の流れを説
明する図
【図6】高温状態のときに、本発明の第1の実施例の像
加熱装置に用いる発熱ローラを通過する磁束の流れを説
明する図
【図7】本発明の第2の実施例の像加熱装置の断面図
【図8】本発明の第1の実施例の像加熱装置を用いた像
形成装置の断面図
【図9】従来例の像加熱装置の断面図
【符号の説明】
1 感光ドラム 16 定着装置 20,50 ベルト 23,71 励磁コイル 24,72 芯材 43,53 定着ローラ 44,54 発熱ローラ 49,57 加圧ローラ 15,86 被記録材
フロントページの続き (72)発明者 豊田 昭則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−281824(JP,A) 特開 平9−197863(JP,A) 特開 平8−44228(JP,A) 特開 平8−137306(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20 H05B 6/00 - 6/44

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定着ローラと、 少なくとも一部は導電性を有し回転する発熱ローラと、 前記定着ローラと前記発熱ローラとに張架され、前記発
    熱ローラの外周面の一部に接触して前記発熱ローラと連
    動しながら熱を吸収・移送するベルトと、 前記発熱ローラの外部に設けられ、前記発熱ローラと前
    記ベルトとの接触部において、前記接触部よりも狭い領
    域を覆い、前記接触部の一部の領域を前記発熱ローラの
    外部から励磁して発熱させる励磁コイルと、 前記発熱ローラのベルト移送方向下流側において前記ベ
    ルトを介して前記定着ローラと圧接する加圧ローラと、
    を有し、 前記ベルトは、まず励磁領域手前の発熱ローラに接触し
    た後に、前記励磁領域に進入して昇温される、 ことを特
    徴とする像加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記加圧ローラは、前記定着ローラより
    ベルト移送方向上流側に位置し、前記ベルトが前記発熱
    ローラから離間して移動するに従って、まず前記加圧ロ
    ーラに接触するよう構成されたことを特徴とする請求項
    1記載の像加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記ベルトの材質は、樹脂材料または金
    属材料であることを特徴とする請求項1記載の像加熱装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ベルトは、樹脂材料または金属材料
    からなる基材と、表面に設けられる離型層と、を有する
    ことを特徴とする請求項1または3記載の像加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記ベルトとして金属材料を用い、ベル
    ト自体が発熱することを特徴とする請求項3または4記
    載の像加熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の像加
    熱装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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