JP2005249958A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ベルトニップ方式の定着装置において、定着部材がスリップする懸念を排して、画像のズレや走行不良の生ずることの少ない定着装置、およびそれを用いた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 定着ベルト10と、その内周面の摺擦を受ける固定部材と、定着ベルト10を介して前記固定部材に押圧され、定着ベルト10とともに回転する加圧回転体30と、を有し、定着ベルト10と加圧回転体30との間のニップ部Nに、表面に未定着画像を担持する被記録材を挿通することで、未定着画像を前記被記録材表面に定着する定着装置であって、定着ベルト10における回転軸方向の両端開口部のうち、少なくとも一方に、当該開口部に嵌合して、当該開口部の形状を円形に固定化するエンドキャップ部材50が設けられ、かつ、これを介して定着ベルト10に回転駆動力を与える駆動装置Mを備えてなること定着装置、およびそれを用いた画像形成装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、未定着画像を加熱および加圧することで定着する定着装置、およびこれを備える電子写真装置・静電記録装置等の画像形成装置に関する。詳しくは、ベルト状の定着部材とそれに対向して当接する加圧部材とで加熱および加圧する構成を具備するベルトニップ方式の定着装置、およびこれを備える画像形成装置に関する。
画像形成装置において、電子写真プロセス・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の適宜の画像形成プロセス手段部で被記録材(転写材シート・エレクトロファックスシート・静電記録紙・OHPシート・印刷用紙・フォーマット紙など)に転写方式あるいは直接方式にて形成担持させた画像情報の未定着画像(トナー画像)を被記録材面に永久固着画像として加熱定着させる定着装置としては、熱ローラ方式の装置が広く用いられていた。
近年では、クイックスタートや省エネルギーの観点からベルト(フィルム)加熱方式の装置が実用化されている。また、熱を発生させる原理について着目すると電磁誘導加熱方式の装置も提案されている。
a)熱ローラ方式の定着装置:
熱ローラ方式の定着装置とは、定着ローラ(加熱ローラ)と加圧ローラとからなる圧接ローラ対を基本構成とし、当該圧接ローラ対を回転させ、相互圧接部である定着ニップ部(加熱ニップ部)に画像定着すべき未定着画像が表面に形成されこれを担持する被記録材を導入して挟持搬送させて(挿通させて)、定着ローラの熱と、定着ニップ部の加圧力にて未定着画像を被記録材面に熱圧定着させるものである。
定着ローラは、一般に、アルミニウム等の材質からなる中空金属ローラを基体(芯金)とし、その内空に熱源としてのハロゲンランプを挿入配設してあり、ハロゲンランプの発熱で加熱され、外周面が所定の定着温度に維持されるようにハロゲンランプヘの通電が制御されて温調される。
特に、一般的に最大4層のトナー画像層からなる未定着画像を十分に加熱溶融させて混色させる能力が要求される、フルカラー画像形成を行う画像形成装置における定着装置としては、被記録材とトナー画像層との界面まで十分に加熱しないと定着不良が発生するので、定着ローラの芯金を高い熱容量を有するものにし、またその芯金外周にトナー画像を包み込んで均一に溶融するためのゴム弾性層を具備させ、そのゴム弾性層を介してトナー画像の加熱を行っている。また加圧ローラ内にも熱源を具備させて加圧口一ラも加熱・温調する構成にしたものもある。
b)ベルト(フィルム)加熱方式の定着装置:
ベルト(フィルム)加熱方式の定着装置は、例えば特許文献1〜特許文献4等に提案されている。
即ち、加熱体としての一般にセラミックヒータと、加圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性のフィルム(定着フィルム、定着ベルト)を挟ませて定着ニップ部を形成させ、前記定着ニップ部の定着フィルムと加圧ローラとの間に、画像定着すべき未定着画像が形成されこれを担持する被記録材を導入して、定着フィルムと一緒に挟持搬送させる(挿通する)ことで、定着ニップ部において前記セラミックヒータの熱を定着フィルムを介して被記録材に与え、また定着ニップ部の加圧力にて未定着画像を被記録材面に熱圧定着させるものである。
この方式の定着装置は、セラミックヒータおよび定着フィルムとして低熱容量の部材を用いてオンデマンドタイプの装置を構成することができ、画像形成装置の画像形成実行時のみ熱源としてのセラミックヒータに通電して所定の定着温度に発熱させた状態にすればよく、画像形成装置の電源オンから画像形成実行可能状態までの待ち時間が短く(クイックスタート性)・スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい(省電力)等の利点がある。
c)電磁誘導加熱方式の定着装置:
特許文献5には、磁束により定着ローラに電流を誘導させてジュール熱によって発熱させる誘導加熱定着装置が開示されている。これは、誘導電流の発生を利用することで直接定着ローラを発熱させることができて、ハロゲンランプを熱源として用いた従来の熱ローラ方式の定着装置よりも高効率の定着プロセスを達成している。
定着に作用するエネルギーを高密度で得るため、発熱体である定着ローラに励磁コイルを接近させたり、励磁コイルの交番磁束分布を定着ニップ部近傍に集中させたりして、高効率の定着装置が実現できる。
図6は、電磁誘導加熱方式の定着装置の一例の概略構成を示す概略断面図である。図6において、110は定着ベルト(定着フィルム)であり、その外周面ないしその近傍には電磁誘導発熱層(導電体層、磁性体層、抵抗体層)が配されている。定着ベルト110は、エンドレスベルト状(無端状)で電磁誘導発熱性の加熱回転体である。
116は、横断面略半円弧状樋型の固定パッド部材(フィルムガイド部材)であり、定着ベルト110はこの固定パッド部材116の外側にルーズに外嵌させてある。115は固定パッド部材116の内側に配設した磁場発生手段であり、励磁コイル118と磁性コア(芯材)117とからなる。130は弾性加圧ローラであり、定着ベルト110を介して固定パッド部材116の下面と所定の圧接力をもって所定幅の定着ニップ部N’を形成させて相互圧接させてある。
加圧ローラ130は、駆動手投114により矢印K方向に回転駆動される。この加圧ローラ130の回転駆動による定着ニップ部N’での摩擦力で、定着ベルト110に回転力が作用して従動回転する。定着ベルト110は、その内周面が定着ニップ部N’において固定パッド部材116の下面に密着しつつ摺動しながら加圧ローラ130の回転周速度にほぼ対応した周速度をもって、固定パッド部材116の外回りを矢印L方向に回転する(加圧ローラ駆動方式)。
固定パッド部材116は、定着ニップ部N’への加圧と、定着ベルト110の支持と、定着ベルト110の回転時の搬送安定性確保と、の3つの役割を持つ。この固定パッド部材116は、磁束の通過を妨げない絶縁性の部材であり、高い荷重に耐えられる材料が用いられる。
励磁コイル118は、不図示の励磁回路から供給される交番電流によって交番磁束を発生する。交番磁束は、定着ニップ部Nの位置に対応している磁性コア117により、コイルに対向している定着ベルト110の電磁誘導発熱層に渦電流を発生させる。この渦電流は、電磁誘導発熱層の固有抵抗によって電磁誘導発熱層にジュール熱を発生させる。
この定着ベルト110の電磁誘導によって、交番磁束を集中的に分布させたコイルに対向している定着ベルト110の表面ないしその近傍が高効率に加熱される。
不図示の温度検知手段を含む温調系により、励磁コイル118に対する電流供給が制御されることで、定着ニップ部Nの温度が所定の温度が維持されるように温度調節される。
まず、加圧ローラ130が矢印K方向に回転駆動され、それに伴って定着ベルト110が固定パッド部材116の外回りを矢印L方向に回転し、励磁回路から励磁コイル118への給電により、上記のように定着ベルト110が電磁誘導発熱し所定の温度に立ち上がって温調された状態となる。不図示の画像形成手段により未定着画像Tが形成された被記録材P’が、定着ベルト110と加圧ローラ130との間の定着ニップ部N’に、画像面が定着ベルト110に接するように挿通される。すると、定着ニップ部N’において、未定着画像Tが定着ベルト110の外周面に密着して、定着ベルト110と一緒に挟持搬送されていく。
この定着ニップ部N’を定着ベルト110と一緒に被記録材P’が挟持搬送されていく過程において、定着ベルト110の電磁誘導発熱で加熱されて被記録材P’表面の未定着画像Tが加熱定着される。その後、被記録材P’は、定着ニップ部N’を通過すると回転定着ベルト110の外面から分離して排出搬送されていく(不図示)。
以上例示した加圧ローラ駆動方式の定着装置のように、加圧ローラ130でエンドレス状の定着ベルト110を駆動する際には、加圧ローラ130と定着ベルト110との間の摩擦抵抗よりも定着ベルト110と固定パッド部材116との摺動抵抗が大きくなってしまう場合や、加圧ローラ130に対する被記録材P’の摩擦抵抗が、定着ベルト110と固定パッド部材116との間の摺動抵抗より小さくなってしまう場合等に、スリップが発生し、被記録材P’をスムーズに搬送できなくなってしまう虞があった。
以上、電磁誘導加熱方式の定着装置を例に挙げて説明したが、この定着ベルト側が従動することによる搬送不良の懸念は、加圧側ではなく定着側がベルト状であるベルト(フィルム)加熱方式(ベルトニップ方式)の定着装置全般に言えるものである。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−204980号公報 実開昭51−109739号公報
したがって、本発明は、ベルト状の定着部材とそれに対向して当接する加圧部材とで加熱および加圧する構成を具備するベルトニップ方式の定着装置において、定着部材がスリップする懸念を排して、画像のズレや走行不良の生ずることの少ない定着装置、およびそれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明の定着装置は、フレキシブルでエンドレス状の定着ベルトと、該定着ベルトの周内に位置し該定着ベルトの内周面の摺擦を受ける固定部材と、前記定着ベルトを介して前記固定部材に押圧され、前記定着ベルトを前記固定部材との間で挟持しつつ前記定着ベルトとともに回転する加圧回転体と、を有し、
前記定着ベルトと前記加圧回転体との間のニップ部に、表面に未定着画像を担持する被記録材を挿通することで、未定着画像を前記被記録材表面に定着する定着装置であって、
前記定着ベルトにおける回転軸方向の両端開口部のうち、少なくとも一方に、当該開口部に嵌合して、当該開口部の形状を円形に固定化するエンドキャップ部材が設けられ、かつ、該エンドキャップ部材を介して前記定着ベルトに回転駆動力を与える駆動装置を備えてなることを特徴とする。
本発明によれば、前記加圧回転体とは別の定着ベルトを回転駆動するための定着ベルト駆動手段を配設することで、定着ベルトに対する回転駆動力が増加して定着ベルトのスリップが防止される。
前記駆動装置は、定着ベルトに密着固定した円形のエンドキャップ部材が設けられ、エンドキャップ部材を介して前記定着ベルトに回転駆動力を与える駆動装置が備えられている。これは、前記加圧回転体を回転駆動させる装置とは別の駆動装置であり、当該駆動装置が備えられているため、摺動抵抗が増加しても、前記定着ベルトをスリップさせることなく回転させることができる。
また、前記定着ベルトの中でも、熱膨張の少ない端部で当該着ベルトを駆動するため、温度変化に対する被記録材の搬送速度の変化を抑制することができ、安定した速度で定着ベルトを回転することができる。
本発明においては、前記定着ベルトにおける回転軸方向の両端開口部双方に前記エンドキャップ部材が設けられることが好ましく、その場合、前記駆動装置が、前記2つのエンドキャップ部材のどちらか一方もしくは双方を介して前記定着ベルトに回転駆動力を与える。
本発明においては、前記加圧回転体が自ら回転駆動する従来からの定着装置に対して、前記定着ベルトを自立的に回転駆動させる前記駆動装置を補助的に付加することにより、走行安定性を付与する構成としてもよい。勿論、前記駆動装置により前記定着ベルトが自立的に回転することから、前記加圧回転体を駆動させるのではなく、前記加圧回転体が、前記定着ベルトの回転駆動により従動回転する態様であっても構わない。いずれにしても、前記定着ベルトの回転と、前記加圧回転体の回転とが、線速度として、略等速であることが望まれる。
本発明の定着装置としては、前記エンドキャップ部材における前記定着ベルトの端部から表出した部位に、前記定着ベルトの回転軸と軸を同じくする回転ギアが設けられ、該回転ギアを前記駆動装置で回転駆動するように構成することが好ましい。
本発明の定着装置は、その加熱原理として電磁誘導加熱方式を採用することができる。すなわち、前記定着ベルトが、その外周面ないしその近傍に電磁誘導発熱性部材を含み、かつ、該定着ベルトの外周面に近接して磁場発生手段が配されてなる構成することができる。
なお、ここで、本発明で規定する「外周面の近傍」とは、電磁誘導により電磁誘導発熱性部材を含む層(以下、必要に応じて「発熱層」と称する場合がある。)が発熱した際に、外周面に他の層が形成されている場合であっても当該外周面にその熱が伝わり、外周面の温度が、定着に十分な程度になり得る程度の近傍であることを意味する。したがって、「外周面の近傍」を規定する外周面からの深さについては、各種条件により大きく変動し、一律に具体的な数値を示し得るものではない。また、基体自身が電磁誘導発熱性部材を含む発熱層を構成し、外周面に他の層が形成された状態においては、内周面側に当該発熱層が露出した状態となるが、この場合も外周面からの状態のみに着目して「外周面の近傍」であるか否かが判断される。
一方、本発明の画像形成装置は、少なくとも、被記録材表面に未定着画像を形成する画像形成手段と、前記被記録材表面に形成された未定着画像を加熱および加圧することで定着する定着手段とを具備する画像形成装置であって、前記定着手段が上記本発明の定着装置であることを特徴とする。
本発明によれば、エンドレスベルト状の定着ベルトとそれに対向して当接する加圧部材とで加熱および加圧する構成を具備するベルトニップ方式の定着装置において、前記定着ベルトの少なくとも一端の開口部の形状を前記エンドキャップ部材で円形に規制しつつ、かつ、これを回転駆動させることで、前記定着ベルトがスリップする懸念が払拭され、また、加圧回転体の外径変化に影響されることなく被記録材をほぼ一定速度で搬送することができる。そのため、画像のズレや走行不良の生ずることの極めて少ない定着装置、およびそれを用いた画像形成装置を提供することができる。
以下、好ましい実施形態を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<第1の実施形態>
まず、第1の実施形態について説明する。本実施形態の定着装置は、加熱部材として電磁誘導発熱性の無端状(円筒状)の定着ベルト(定着フィルム)を用いた、定着ベルトおよび加圧ローラの両方を駆動させる方式の電磁誘導加熱方式の定着装置である。本実施形態の定着装置の全体的な概略構成を図1に示す。また、図1におけるA−A断面図を図2に示す。なお、図2においては、フレーム5の図示は省略し、後述する定着動作の説明の便宜のため、未定着ないし定着後のトナー像が形成された被記録材P1およびP2を描き加えてある。
図1および図2において、10は、電磁誘導発熱性でエンドレス状(無端状)の定着ベルトである。50,50’は、円筒状のエンドキャップ部材であり、定着ベルト10の両端開口部はそれぞれ、このエンドキャップ部材50,50’の一部(スリーブ部50a,50’a)に外嵌し密着している。また、定着ベルト10とエンドキャップ部材50,50’との密着を確実にするために、リング状締め具51,51’で、定着ベルト10の外側からエンドキャップ部材50,50’に締め付けて定着ベルト10を固定している。30は、固定パッド部材(固定部材)16との間に定着ベルト10を挟んで定着ニップ部を形成する加圧回転体としての加圧ローラである。
図2に示されるように、定着ベルト10の外周面に対向する位置には、磁性コア17および励磁コイル18を有する、磁場発生手段としての磁場発生部材15が、定着ベルト10の外周面から数ミリの間隙で配設および固定されている。図2中、19は、磁場発生部材15における定着ベルト10対向面に配設された励磁コイル18を保護するための絶縁部材である。絶縁部材19は、磁場発生部材15と定着ベルト10との間を電気的に絶縁するために設けられている。
図3に、定着ベルト10およびその周辺部を、定着ベルト10の軸で切断した断面図を示す。なお、当該図3には、定着ベルト10、エンドキャップ部材50,50’およびリング状締め具51,51’のみを表し、他の構成の図示は省略している。以下、エンドキャップ部材50,50’について説明する際には、主としてエンドキャップ部材50についてのみ取り上げるが、エンドキャップ部材50’についても基本的に同様の構成である。
リング状のエンドキャップ部材50は、主として、定着ベルト10の両端から内面に嵌挿されるスリーブ部(円筒形状部)50aと、定着ベルト10の端部から外側に表出するフランジ部50bとで構成され、さらにフランジ部50bの外周にギア50cが設けられている。
エンドキャップ部材50や絶縁部材19の材質としては、機械的特性や絶縁性に優れ耐熱性の高い、いわゆるエンジニアリングプラスチックスが好ましい。具体的なエンジニアリングプラスチックスとしては、例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、LCP樹脂など選択するとよい。
エンドキャップ部材50を定着ベルト10の両端開口部に挿入し、密着固定することにより、それまでフレキシブルなベルトの状態だったものが、ある程度の剛性を有した薄肉のロールに近い機械的特性を有するようになる。
エンドキャップ部材50のスリーブ部50a端面(図1中の一点鎖線部)から、長手方向の中心側に十数ミリ離れたところでは、定着ベルト10の外周面に外力が加わればそれによって凹むのであるが、定着ベルト10全体にねじりトルクが加わった場合に、容易には、ねじれて座屈することはない。一般に、ベルトを用いた画像加熱定着装置に作用するトルクは0.1〜0.5N・m程度であり、この程度のトルクでは、エンドキャップ部材50を装着した定着ベルト10が座屈することはない。
また、定着ベルト10の両端から軸方向に圧縮力が加わった場合には、定着ベルト10が軸方向に容易に圧縮されて座屈することもない。軸方向に作用する圧縮力は、定着ベルト10が軸方向のどちらか一方に寄ってしまい、それ以上移動するのを何らかの規制手段により規制する際に発生する。この場合に生じる圧縮力の大きさは、一般に1〜5N程度であり、この程度の圧縮力では、エンドキャップ部材50を装着した定着ベルト10が座屈することはない。
加圧ローラ30は、芯金30aと、芯金30aを軸としてその周りにローラ状に成形被覆された弾性材層30bと、さらにその上に被覆された離型性を確保するための離型層30cとから構成されており、芯金30aの両端部が、軸受け29,29’に保持されている。軸受け29,29’は、バネ25,25’を介して、フレーム5に固定されており、このバネ25,25’の反発弾性により、加圧ローラ30は、定着ベルト10外周面に(詳しくは、定着ベルト10を介して、その内周面に当接する固定パッド部材16に)所定の荷重で付勢される。
弾性材層30bは、耐熱性と弾性とを備える材料からなるものであり、具体的には、シリコーンゴム、発泡シリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂などから選択される。また、離型層30cは、表面の離型性の良好な材料からなるものであり、具体的には、フッ素樹脂などを選択することができる。
31,31’は、駆動回転体としての駆動ギアである。駆動ギア31,31’は、定着ベルト10の両端側において夫々装着されたエンドキャップ部材50,50’のギア50c,50’cと噛み合い(歯合し)、これを介して定着ベルト10に回転駆動力を伝達する。
駆動ギア31,31’の回転駆動力は、モータ(駆動装置)Mの駆動により不図示の駆動力伝達系を介してギアG1に伝達され、さらに駆動ギア31,31’の軸心である回転軸31cに伝達されて発生するものである。また、本実施形態では、モータMの回転駆動力がギアG1からギアG2にも伝達されて、軸心である芯金30aから加圧ローラ30に伝達され、加圧ローラ30も回転駆動する。このとき勿論、駆動ギア31,31’により駆動される定着ベルト10と加圧ローラ30とが、それらの外表面の線速度として、略等速であることが望ましい。
定着装置のフレーム5に両端が固定された長尺状の剛性ステイ22は、定着ベルト10内に嵌挿され、定着ベルト10内周面と摺動しながらニップ部を形成する固定パッド部材16が設けられている。この固定パッド部材16は、定着ベルト10を内周面から加圧ローラ30に付勢して、定着ベルト10と加圧ローラ30との間に所定幅の定着ニップ部Nが形成されている。
加圧ローラ30は、既述の如き回転駆動力により矢印B方向に回転し、加圧ローラ30と定着ベルト10の外周面との摩擦力で、定着ベルト10に回転駆動力が作用する。定着ベルト10は、その内周面が定着ニップ部Nにおいて固定パッド部材16の下面に密着して摺動しながら、加圧ローラ30外周面の線速度にほぼ対応した線速度をもって、矢印C方向に回転する。この回転駆動の原理は、従来のベルトニップ型の定着装置と同様である。しかし、本実施形態では、既述の通り、モータMからの回転駆動力は、駆動ギア31,31’およびエンドキャップ部材50のみを介して、直接的に定着ベルト10にも伝達される。
定着ニップ部Nにおける、固定パッド部材16と定着ベルト10の内周面との相互摺動摩擦力を低減化させ摺動性を向上させるために、固定パッド部材16の定着ニップ部Nに対応する面(定着ベルト10の内周面と当接する部分)に、耐熱性および低摩擦性を具備した摺動シートが配設されている(不図示)。この摺動シートには、PI(ポリイミド)フィルムやフッ素樹脂をガラスクロスにコートしたものなど、耐熱性に優れ、定着ベルト10の内周面との摺動性のよいものが用いられる。また、摺動性を向上させるため、摺動シートと定着ベルト10との間に耐熱性オイルなどの潤滑材を介在させることもできる。
磁場発生部材15は、主として、励磁コイル18および磁性コア17から構成されている。これらは励磁コイル保持部材13に保持されている。
磁性コア17は、高透磁率の部材であり、フェライトやパーマロイ等といったトランスのコアに用いられる材料が好ましく、100kHz以上でも損失の少ないフェライトを用いるのがより好ましい。
励磁コイル18は、コイル(線輪)を構成する導線(電線)として、一本ずつがそれぞれ絶縁被覆された銅製の細線を複数本束ねたもの(束線)を用い、これを複数回巻いて形成されている。本実施形態では、11ターン巻いて励磁コイル18を形成している。
絶縁部材19は、定着ベルト10の発熱による熱伝導を考慮して、耐熱性を有する被覆を用いるのが好ましい。具体的には例えば、アミドイミドやポリイミドなどの被覆を用いるのが好ましい。
励磁コイル18は、定着ベルト10の発熱層の曲面に沿うような形状に形成されている。本実施形態では、定着ベルト10の表面と励磁コイル18との距離は略2.5mmになるように設定している。
磁性コア17および励磁コイル18と、定着ベルト10外周面との距離は、できる限り近づけた方が磁束の吸収効率が高いのであるが、磁性コア17および励磁コイル18と、定着ベルト10における発熱層(後に詳述する。)との距離が5mmを越えるとこの効率が著しく低下するため、5mm以内にするのが好ましい。また、5mm以内であれば定着ベルト10の発熱層と磁性コア17および励磁コイル18との距離が一定である必要はない。
励磁コイル18の励磁コイル保持部材13からの引出線については、励磁コイル保持部材13から外の部分について、束線の外側に絶縁被覆を施している。
励磁コイル18には、給電部励磁回路(不図示)を接続してある。この給電部励磁回路は20kHzから500kHzの高周波をスイッチング電源で発生できるようになっている。かかる給電部励磁回路から供給される交番電流(高周波電流)によって、励磁コイル18から交番磁束が発生する。
定着ニップ部Nの温度は、温度検知手段を含む不図示の温調系により、励磁コイル18に対する電流供給が制御されることで、所定の温度が維持されるように温調される。温度検知手段126は定着ベルト10の温度を検知するサーミスタなどの温度センサであり、本例においては温度検知手段126で測定した定着ベルト10の温度情報をもとに定着ニップ部Nの温度を制御するようにしている。
次に、定着ベルト10について説明する。図4に、本実施形態における定着ベルト10の層構成を、拡大断面図で示す。定着ベルト10は、電磁誘導発熱性の定着ベルトの基層となるポリイミドベルト製のベース層10dの表面(片面)に、銅メッキ等でできた発熱層(電磁誘導発熱性部材を含む層)10cが形成され、その上に弾性層10bが積層され、さらにその外面に離型層10aが積層されてなる複合構造のものである。なお、発熱層10cと弾性層10bとの間や、弾性層10bと離型層10aとの間に、それら層間を接着するために、プライマー層(不図示)を設けてもよい。
略円筒形状である定着ベルト10において、ベース層10dが当該円筒の内面側であり、離型層10aが外面側である。前述したように、発熱層10cに交番磁束が作用することで、発熱層10cに渦電流が発生して発熱層10cが発熱する。発熱層10cで誘導発熱して生じた熱が、弾性層10bおよび離型層10aに行き渡り、定着ベルト10全体が加熱され、定着ニップ部Nに挿通される被記録材P1を加熱して未定着画像T1の加熱定着が為される。
ベース層10dは、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂などのフレキシブルで機械的強度に優れ、耐熱性を有する材料が望ましい。ベース層10dの厚みとしては、30〜100μmの範囲が適切である。30μm未満では定着ベルトとしての強度が得られにくく、100μmを超えるとフレキシブル性が損なわれ、また熱容量が大きくなり立ち上り時間が長くなることから、それぞれ好ましくない。
発熱層10cは、薄膜の金属層とすることが望ましい。発熱層10cの厚みとしては、1〜20μmの範囲が適切である。1μm未満では十分な発熱を得ることが困難となる場合があり、20μmを超えるとフレキシブル性が損なわれ、また熱容量が大きくなり立ち上り時間が長くなることから、それぞれ好ましくない。使用する金属材料としては、銅、アルミニウム、銀などの電気抵抗の低い金属が望ましい(これらが、本発明にいう「電磁誘導発熱性部材」と称される材料である。)。
弾性層10bは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で、耐熱性、熱伝導率が良い材質を用いることが望ましい。弾性層10bの厚さとしては、定着画像品質を保証するために、10〜500μmの範囲が好ましい。カラー画像を形成する場合、特に写真画像などでは、被記録材P1表面で大きな面積に渡ってベタ画像が形成される。この場合、被記録材P1の凹凸あるいは未定着画像T1の凹凸に加熱面(離型層10a)が追従できないと、加熱ムラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分とで画像に光沢ムラが発生する。伝熱量が多い部分は光沢度が高くなり、伝熱量が少ない部分では光沢度が低くなる。
弾性層10bの厚さが、10μm未満では被記録材P1あるいは未定着画像T1の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラが発生してしまう可能性がある。一方、弾性層10bの厚さが500μmを超えると、弾性層10bの熱抵抗が大きくなり、クイックスタートを実現するのが難しくなる。弾性層10bの厚さとしては、50〜300μmの範囲とすることがより好ましい。
弾性層10bは、硬度が高すぎると被記録材P1あるいは未定着画像T1の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラが発生してしまう可能性がある。そこで、弾性層10bの硬度としては、50゜(JIS−A:JIS−K A型試験機)以下であることが好ましく、35゜以下であることがより好ましい。
弾性層10bの熱伝導率λに関しては、6×10-4〜2×10-3[cal/cm・sec・deg]の範囲内とすることが好ましい。熱伝導率λが6×10-4[cal/cm・sec・deg]よりも小さい場合には、熱抵抗が大きく、定着ベルト10の表層(離型層10a)における温度上昇が遅くなる場合があるため好ましくない。熱伝導率λが2×10-3[cal/cm・sec・deg]よりも大きい場合には、硬度が高くなり過ぎたり、圧縮永久歪みが悪化する場合がある。熱伝導率λとしては、8×10-4〜1.5×10-3[cal/cm・sec・deg]の範囲内とすることがより好ましい。
離型層10aには、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、PTFE、FEP等の離型性および耐熱性の良好な材料を選択することができる。
離型層10aの厚さとしては、5〜50μmの範囲とすることが好ましい。離型層10aの厚さが5μmよりも小さいと、層形成時の塗膜ムラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足したりするといった問題が発生する懸念がある。一方、離型層10aの厚さが50μmを超えると、熱伝導が悪化するという問題が発生する可能性があり、特に樹脂系の離型層の場合には硬度が高くなり過ぎ、弾性層10bの効果が薄れてしまう可能性がある。
而して、加圧ローラ30、駆動ギア31,31’が回転駆動され、それに伴って定着ベルト10が回転し、既述の如く、励磁回路(不図示)から励磁コイル18への給電により発生する磁場の作用で、加熱部材としての定着ベルト10に電磁誘導発熱が生じて、定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態になる。この状態で、不図示の画像形成手段により未定着画像T1が形成された被記録材P1が、定着ベルト10と加圧ローラ30との間に形成された定着ニップ部Nに、画像面が定着ベルト10に接するように挿通される。すると、定着ニップ部Nにおいて、未定着画像T1が定着ベルト10の外周面に密着して、定着ベルト10と一緒に挟持搬送されていく。
この定着ニップ部Nを定着ベルト10と一緒に被記録材P1が挟持搬送されていく過程において、定着ベルト10の電磁誘導発熱で加熱されて被記録材P1表面の未定着画像T1が加熱定着される。被記録材P1は、定着ニップ部Nを通過すると、定着ベルト10の外面から分離して、定着後の被記録材P2として排出搬送されていく。被記録材P2表面の定着トナー画像T2は、定着ニップ部Nを通過後、冷却されて永久固着像となる。
本実施形態の定着装置では、未定着画像T1の形成に、低軟化物質を含有させたトナーを使用しているため、定着装置にオフセット防止のためのオイル塗布機構を設けていないが、低軟化物質を含有させていないトナーを使用した場合等必要に応じて、オイル塗布機構を設けてもよい。また、低軟化物質を含有させたトナーを使用した場合にもオイル塗布や冷却分離を行ってもよい。
上述したように、駆動ギア31,31’を配設し、エンドキャップ部材50を介して定着ベルト10に回転駆動力を伝達することで、加圧ローラ30による従動回転のみの場合に比して、定着ベルト10に対する回転駆動力が増加して、定着ベルト10のスリップが防止される。
加圧ローラ30と定着ベルト10の外周面との間の摩擦抵抗よりも、定着ベルト10と固定パッド部材16(ないし、不図示の摺動シート。以下、この場合も単に「固定パッド部材16」との表現に含むものとする。)との間の摺動抵抗が大きくなる場合や、加圧ローラ130に対する被記録材P1の摩擦抵抗が、定着ベルト10と固定パッド部材16との間の摺動抵抗より小さい場合等にも、本実施形態の定着装置によれば、定着ベルト10をスリップさせることなく被記録材P1を安定して搬送することができる。
なお、本実施形態のように、1つのモータMが、定着ベルト10および加圧ローラ30の両方の駆動源となる構成であっても、これらは一方の回転駆動により他方が従動する構成ではないため、本発明に言う「前記定着ベルトに回転駆動力を与える駆動装置」を有するとともに、「加圧回転体が、自ら回転駆動する」の概念にも含まれるものとする。勿論、それぞれ別々の駆動系統とすることも、何ら問題無い。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態の定着装置は、加熱部材として電磁誘導発熱性の無端状(円筒状)の定着ベルト(定着フィルム)を用いた点は第1の実施形態と同様であるが、定着ベルトのみを駆動させ、加圧ローラは従動させる方式の電磁誘導加熱方式の定着装置である。本実施形態の定着装置の全体的な概略構成を図5に示す。なお、本実施形態は、第1の実施形態と同様の構成の部分を多く含むため、かかる同様の構成の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、全体の断面図や定着ベルト10の断面図も、第1の実施形態と近似しているため、図2および図3を以って代用する。
本実施形態の定着装置は、第1の実施形態の定着装置において、モータMの回転駆動力が、定着ベルト10の駆動ギア31,31’のみに伝達され、加圧ローラ30は定着ベルト10に対して従動で回転させる構成となっている。駆動力伝達系が異なる以外は、総て第1の実施形態と同一である。
駆動ギア31,31’が回転駆動されることで、この駆動ギア31,31’が歯合している、エンドキャップ部材50,50’のギア50c,50’cに回転駆動力が伝達され、定着ベルト10が回転する。
一方、加圧ローラ30は、定着ベルト10を介して固定パッド部材16の下面に対向し圧接して、定着ニップ部Nを形成しているが、当該加圧ローラ30は、定着ベルト10の回転に伴い従動回転する。加圧ローラ30を定着ベルト10に従動で回転させることにより、加圧ローラ30の弾性材層30bの熱膨張による外径変化は被記録材P1の搬送速度に影響を与えることがなくなる。
而して、駆動ギア31,31’が回転駆動され、定着ベルト10が回転し、それに伴って加圧ローラ30が従動回転し、励磁回路(不図示)から励磁コイル18への給電により発生する磁場の作用で、加熱部材としての定着ベルト10に電磁誘導発熱が生じて、定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態になる。この状態で、不図示の画像形成手段により未定着画像T1が形成された被記録材P1が、定着ベルト10と加圧ローラ30との間に形成された定着ニップ部Nに、画像面が定着ベルト10に接するように挿通される。すると、定着ニップ部Nにおいて、未定着画像T1が定着ベルト10の外周面に密着して、定着ベルト10と一緒に挟持搬送されていく。
この定着ニップ部Nを定着ベルト10と一緒に被記録材P1が挟持搬送されていく過程において、定着ベルト10の電磁誘導発熱で加熱されて被記録材P1表面の未定着画像T1が加熱定着される。被記録材P1は、定着ニップ部Nを通過すると、定着ベルト10の外面から分離して、定着後の被記録材P2として排出搬送されていく。被記録材P2表面の定着トナー画像T2は、定着ニップ部Nを通過後、冷却されて永久固着像となる。
以上説明したように、本実施形態の定着装置においては、定着ベルト10の搬送速度は、温度変化によることなくほぼ一定に保つことができるため、第1の実施形態の定着装置に比べて、前記画像形成手段における画像の転写部と定着ニップ部Nとの間の距離を短くすることが可能となる。
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明の定着装置を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、各部材の形状、材質、寸法や、温度・速度等の各種条件は、あくまでも一つの例示であり、本発明の構成を具備することを条件として、当業者は、従来公知の知見により、あるいは本発明のために適した条件設定の検討等により、如何なる変更を加えることもできる。
また、上記実施形態においては、電磁誘導加熱方式の定着装置を例に挙げて説明したが、この定着ベルト側が従動することによる搬送不良の懸念は、加圧側ではなく定着側がベルト状であるベルト加熱方式(ベルトニップ方式)の定着装置全般に言えるものであり、本発明は、かかる定着装置についても好ましく適用することができる。
さらに、上記実施形態においては、定着ベルト10における回転軸方向の両端開口部にエンドキャップ部材50,50’が設けられる構成の例を挙げて説明したが、本発明において、エンドキャップ部材は、両端開口部のうち、少なくとも一方に設けられていれば、定着ベルトの形状はある程度固定化し、本発明の所定の効果をある程度実現することができる。勿論、両端開口部にエンドキャップ部材を設けることで、定着ベルト全体の形状安定性が増し、本発明の効果を高い次元で実現することができる。
以上のような構成の定着装置は、従来公知の電子写真等の方式による画像形成装置に用いることができる。すなわち、少なくとも、電子写真等の方式により、被記録材表面に未定着画像を形成する画像形成手段と、前記被記録材表面に形成された未定着画像を加熱および加圧することで定着する定着手段とを具備する画像形成装置であって、定着手段として上記本発明の構成の定着装置を用いることにより、定着ベルトがスリップする懸念が払拭され、画像のズレや走行不良の生ずることの極めて少ない画像形成装置を提供することができる。
上記画像形成手段としては、例えば、静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、得られた未定着トナー画像をシート状の被記録材に転写する転写手段と、を含むものが挙げられる。
なお、定着装置以外の構成は、従来公知のいずれの構成であっても、本発明の目的に反しない限り用いることができる。
第1の実施形態の定着装置の全体的な概略構成図である。 図1におけるA−A断面図である。 第1の実施形態における定着ベルトおよびその周辺部を、定着ベルトの軸で切断した断面図であり、定着ベルト、エンドキャップ部材およびリング状締め具のみを表し、他の構成の図示は省略している。 第1の実施形態における定着ベルトの層構成を示す拡大断面図である。 第1の実施形態の定着装置の全体的な概略構成図である。 従来例の電磁誘導加熱方式の定着装置の一例の概略構成を示す概略断面図である。
符号の説明
5:フレーム、 10,110:定着ベルト、 13:励磁コイル保持部材、 15:磁場発生部材、 16,116:固定パッド部材(固定部材)、 17,117:磁性コア、 18,118:励磁コイル、 19:絶縁部材、 22:剛性ステイ、 25,25’:バネ、 30,130:加圧ローラ(加圧回転体)、 31,31’:駆動ギア、 50,50’:エンドキャップ部材、 51,51’:リング状締め具、 114:駆動手投、 126:温度検知手段126、 M:モータ(駆動装置)、 P1,P2,P’:被記録材、 T,T1,T2:定着トナー画像

Claims (8)

  1. フレキシブルでエンドレス状の定着ベルトと、該定着ベルトの周内に位置し該定着ベルトの内周面の摺擦を受ける固定部材と、前記定着ベルトを介して前記固定部材に押圧され、前記定着ベルトを前記固定部材との間で挟持しつつ前記定着ベルトとともに回転する加圧回転体と、を有し、
    前記定着ベルトと前記加圧回転体との間のニップ部に、表面に未定着画像を担持する被記録材を挿通することで、未定着画像を前記被記録材表面に定着する定着装置であって、
    前記定着ベルトにおける回転軸方向の両端開口部のうち、少なくとも一方に、当該開口部に嵌合して、当該開口部の形状を円形に固定化するエンドキャップ部材が設けられ、かつ、該エンドキャップ部材を介して前記定着ベルトに回転駆動力を与える駆動装置を備えてなることを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着ベルトにおける回転軸方向の両端開口部双方に前記エンドキャップ部材が設けられ、前記駆動装置が、前記2つのエンドキャップ部材のどちらか一方もしくは双方を介して前記定着ベルトに回転駆動力を与えることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記加圧回転体が、自ら回転駆動することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記加圧回転体が、前記定着ベルトの回転駆動により従動回転することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記エンドキャップ部材における前記定着ベルトの端部から表出した部位に、前記定着ベルトの回転軸と軸を同じくする回転ギアが設けられ、該回転ギアを前記駆動装置で回転駆動することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  6. 前記定着ベルトの回転と、前記加圧回転体の回転とが、線速度として、略等速であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  7. 前記定着ベルトが、その外周面ないしその近傍に電磁誘導発熱性部材を含み、かつ、該定着ベルトの外周面に近接して磁場発生手段が配されてなることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  8. 少なくとも、被記録材表面に未定着画像を形成する画像形成手段と、前記被記録材表面に形成された未定着画像を加熱および加圧することで定着する定着手段とを具備する画像形成装置であって、
    前記定着手段が請求項1に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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