JP3313944B2 - 像加熱装置 - Google Patents

像加熱装置

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JP3313944B2 JP17611995A JP17611995A JP3313944B2 JP 3313944 B2 JP3313944 B2 JP 3313944B2 JP 17611995 A JP17611995 A JP 17611995A JP 17611995 A JP17611995 A JP 17611995A JP 3313944 B2 JP3313944 B2 JP 3313944B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁誘導を利用し
て渦電流を発生させて加熱する像加熱装置に関する。
【0002】この装置は、特に電子写真複写機・プリン
タ・ファックス等の画像形成装置における定着装置、即
ち電子写真・静電記録・磁気記録等の適宜の画像形成プ
ロセス手段により、加熱溶融性の樹脂等によりなるトナ
ーを用いて記録材の面に直接若しくは間接方式で形成し
た未定着のトナー画像を記録材面に永久固着画像として
加熱定着処理する装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】図12は従来の技術を説明する図であ
り、電子写真技術をプリンタに応用したレーザービーム
プリンタの概略断面図である。この装置の動作を以下に
説明する。
【0004】ホストコンピュータより送られた画像情報
信号によりスキャナー13からのレーザー光の強度を変
調し、感光ドラム11上に静電潜像を作成する。レーザ
ー光の強度及び照射スポット径は画像形成装置の解像度
及び所望の画像濃度によって適正に設定されており、感
光ドラム11上の静電潜像はレーザー光が照射された部
分は明部電位VLに、そうでない部分は一次帯電器12
で帯電された暗部電位VDに保持されることによって形
成する。感光ドラム11は矢印の方向に回転して静電潜
像は現像器14によって順次現像される。現像器14内
のトナーはトナー供給回転体である現像スリーブ140
2と現像ブレード1401とによって、トナー高さ、ト
リボを制御され、現像スリーブ上1402に均一なトナ
ー層を形成する。現像ブレード1401としては通常金
属製若しくは樹脂製のものが用いられ、樹脂系のものは
現像スリーブ1402に対して適正な当接圧をもって接
している。現像スリーブ1402上に形成されたトナー
層は現像スリーブ1402自身の回転にともない感光ド
ラム11に対向し、現像スリーブ1402に印加されて
いる電圧Vdcと感光ドラム11の表面電位が形成する電
界によりVLの部分だけ選択的に顕像化する。感光ドラ
ム11上のトナー像は転写装置15によって、給紙装置
から送られてきた紙に順次転写される。転写装置として
は図に示したコロナ帯電器以外に、導電弾性回転体に電
源から電流を供給して紙に転写電荷を付与しながら搬送
する転写ローラ方式がある。トナー像を転写された紙は
感光ドラム11の回転と共に定着装置10へと送り出さ
れ、加熱加圧により永久固定画像となる。
【0005】加熱定着装置に代表される像加熱装置とし
ては、従来から図12に示した熱ローラ方式以外に、フ
ィルム加熱方式等の接触加熱方式が広く用いられてい
る。
【0006】その中でも、最大4層のトナー層を十分加
熱溶融させる能力を要求されるフルカラーの画像形成を
行う装置の定着装置としては、高い熱容量を有する定着
ローラの芯金、トナー像を包み込んで均一に溶融するた
めのゴム弾性層を介してトナー像の加熱を行なってい
る。
【0007】一方、特公平5−9027号公報では、磁
束により定着ローラに渦電流を発生させジュール熱によ
って発熱させることが開示されており、渦電流の発生を
利用することで発熱位置をトナー像に近くすることがで
き、ハロゲンランプを用いた熱ローラよりも高効率の定
着プロセスを達成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の定
着装置では、定着ローラの熱容量が大きく、加熱に要す
る電力が大きくなるばかりか、ウェイトタイムが長くな
るという問題があった。
【0009】また、フルカラーの画像記録装置のような
熱容量の大きな定着ローラを用いる場合、温調と定着ロ
ーラ表面の昇温とに遅延が発生するため、定着不良や光
沢ムラやオフセット等の問題が発生していた。
【0010】また、定着ローラの曲率は定着能力の制約
により決定されて、特にフルカラーの画像記録装置では
曲率が小さくなる傾向があり、分離不良等の問題を発生
し易かった。
【0011】さらに、特公平5−9027号公報で開示
されている定着装置では定着ローラの熱容量が大きいた
め、限られた電力でニップ部の温度を上昇させるために
は磁束をニップに集中する必要があり、フィルム加熱方
式定着装置と同様にプレヒート効果がないため尾引きや
定着不良が発生するという問題があった。
【0012】本出願に係る発明の目的は、低消費電力
で、しかもウェイトタイムを短縮可能な像加熱装置を提
供し、フルカラー画像形成装置においても分離性を確保
した上で尾引きや定着不良や光沢ムラやオフセットの発
生しない高いパフォーマンスを有する定着装置を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決する本発
明は、抵抗材と被覆層とからなる回転加熱部材と、これ
とニップを形成する回転加圧部材と、磁束発生コイル
と、磁束発生コイルへの通電により発生する磁束を導く
コアと、を有する像加熱装置において、上記コアは上記
ニップ位置に上記回転加熱部材の回転方向と直交する方
向に沿って設けられており、上記磁束発生コイルは上記
コアの長手方向周りに、上記コアの上記回転加熱部材回
転方向下流側は上記コアに沿って、上記コアの上記回転
加熱部材回転方向上流側は上記回転加熱部材に沿って巻
かれていることを特徴とする。また、抵抗材と被覆層と
からなる回転加熱部材と、これとニップを形成する回転
加圧部材と、これらに近接した磁束発生コイルとを有す
る像加熱装置において、上記回転加熱部材の外側の上記
回転加熱部材の回転中心軸に垂直な面でみてニップの上
流側に透磁率の高い部材が設けてあり、上記磁束発生コ
イルが発生する交番磁束により昇温せしめられる上記回
転加熱部材の被加熱領域がニップ下流よりニップ上流で
大きいことを特徴とする。また、抵抗材と被覆層とから
なる回転加熱部材と、これとニップを形成する回転加圧
部材と、磁束発生コイルと、磁束発生コイルへの通電に
より発生する磁束を導くコアと、を有する像加熱装置に
おいて、上記コアは上記ニップ位置よりも上記回転加熱
部材回転方向上流側にずれた位置に上記回転加熱部材の
回転方向と直交する方向に沿って設けられており、上記
磁束発生コイルは上記コアの長手方向周りに、上記回転
加熱部材に沿って巻かれていることを特徴とする。ま
た、抵抗材と被覆層とからなる回転加熱部材と、これと
ニップを形成する回転加圧部材と、これらに近接した磁
束発生コイルとを有する像加熱装置において、上記回転
加熱部材と上記磁束発生コイルとの間の上記回転加熱部
材の回転中心軸に垂直な面でみてニップの下流側に透磁
率の低い部材が設けてあり、上記磁束発生コイルが発生
する交番磁束により昇温せしめられる上記回転加熱部材
の被加熱領域がニップ下流よりニップ上流で大きいこと
を特徴とする。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【発明の実施の形態】 (第1の実施の態様)図1は本発明の特徴を最もよく表
す図面であり、同図において1は定着フィルム、105
は磁束の通過を妨げない絶縁性のフィルムガイドで、定
着フィルム1はフィルムガイド105によって搬送安定
性を図られながら矢印の方向に回転する。201は交番
磁束を発生するための励磁コイル、202は励磁コイル
201により発生した交番磁束を効率よくニップ周辺で
高めるためのフェライトコアであり、フィルムガイド1
05によって支持されている。
【0030】励磁コイル201には励磁回路が接続され
ており、この励磁回路は50KHzの交番電流を励磁コ
イル201へ供給できるようになっている。3は加圧ロ
ーラで芯金301上にシリコーンゴム層302を2mm
被覆させて弾性をもたせ、定着フィルム1とニップNを
形成している。また、加圧ローラ3は定着フィルム1を
記録材Pの搬送方向に回転駆動させる駆動ローラの役割
も兼ねている。
【0031】定着フィルム1について図3を用いて詳し
く説明する。定着フィルム1はニッケルからなる厚み5
0μmの発熱層101の表面をシリコーンゴムからなる
弾性層102で被覆し、さらにフッ素樹脂の離型層10
3で被覆してある。発熱層101としてはニッケル以外
にも10-5〜10-10Ω・mの電気良導体である金属、
金属化合物、有機導電体であればよく、より好ましくは
透磁率が高い強磁性を示す鉄、コバルト等の純金属若し
くはそれらの化合物を用いることができる。発熱層10
1の厚みを薄くすると十分な磁路が確保できなくなり、
外部へ磁束が洩れて発熱体自身の発熱エネルギーは小さ
くなる場合があり、また厚くすると熱容量が大きくなり
昇温に要する時間が長くなる傾向がある。従って厚みは
発熱体に用いた材料の比熱、密度、透磁率、抵抗率の値
によって適正値があり、本実施例では10〜100μm
の厚みの範囲で、3℃/sec以上の昇温速度を得るこ
とができた。また、弾性層102の硬度は、硬度が高す
ぎると記録材あるいはトナー層の凹凸に追従しきれず画
像光沢ムラが発生してしまう。そこで、弾性層102の
硬度としては60゜(JIS−A)以下、より好ましく
は45゜(JIS−A)以下がよい。弾性層102の熱
伝導率に関しては6×10-4〜2×10-3〔cal/c
m・sec・deg.〕がよい。熱伝導率λが6×10
-4〔cal/cm・sec・deg.〕よりも小さい場
合には、熱抵抗が大きく、定着フィルム1の表層におけ
る温度上昇が遅くなる。
【0032】離型層103としてはPFA、PTFE、
FEP等のフッ素樹脂以外に、シリコーン樹脂、シリコ
ーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の離型性かつ
耐熱性のよい材料を選択することができる。離型層10
3の厚さは20〜100μmが好ましく、離型層103
の厚さが20μmよりも小さいと塗膜の塗ムラで離型性
の悪い部分ができたり、耐久性が不足するといった問題
が発生する。また、離型層が100μmを超えると熱伝
導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂系の離型層
の場合は硬度が高くなりすぎ、弾性層102の効果がな
くなってしまう。
【0033】また図4に示すように、定着フィルム1の
層構成において断熱層104を設けてもよい。断熱層1
04としてはフッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹
脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹
脂などの耐熱樹脂がよい。また、断熱層104の厚さと
しては10〜1000μmが好ましい。断熱層104の
厚さが10μmよりも小さい場合には断熱効果が得られ
ず、また、耐久性も不足する。一方、1000μmを超
えると高透磁率コア202から発熱層101の距離が大
きくなり、磁束が十分に発熱層101に到達しなくな
る。断熱層104を設けた場合、発熱層101に発生し
た熱による励磁コイル201やフェライトコア202の
昇温を防止できるため、安定した加熱をすることができ
る。
【0034】励磁コイル201としては加熱に十分な交
番磁束を発生するものでなければならないが、そのため
には抵抗成分を低く、インダクタンス成分を高くとる必
要がある。本実施の形態では励磁コイル201の芯線と
して細線を束ねた高周波用のφ1のものを用いて、図2
に示すようにニップNを周回するように20回巻いてあ
る。
【0035】コイル201は励磁回路から供給される交
番電流によって交番磁束を発生し、交番磁束はフェライ
トコア202に導かれて定着フィルム1の発熱層101
に渦電流を発生させる。この渦電流は発熱層101の固
有抵抗によってジュール熱を発生させて、弾性層10
2、離型層103を介してニップNに搬送される記録材
Pと記録材P上のトナーTを加熱することができる。
【0036】なお、本実施の形態は加圧ローラ3で定着
フィルム1を駆動しているが、図5のように定着フィル
ム1にテンションローラ20によりテンションをかけて
フィルムを駆動ローラ19によって駆動してもよく、ま
た、巻き取り式のフィルムであっても実施可能である。
【0037】本発明は上記交番磁束の密度に分布を持た
せることにより、容易に所望の加熱領域を設定可能であ
ることに着目したものである。
【0038】特に本実施の形態では上記交番磁束の密度
の分布を励磁コイル201の巻き方により実現してい
る。具体的にはニップNの上流では励磁コイル201を
発熱層101の曲面に沿うように巻き、ニップNの下流
ではフェライトコア202に沿うように巻いてある。す
なわち、発生した磁束はニップ上流では高密度且つ広範
囲に亘り定着フィルム1に達し、逆にニップ下流では低
密度になり、これにともなって定着フィルム1のニップ
上流ではにおいて高温域を広く、下流では高温域を狭く
設定できる。
【0039】以下に本実施の形態の像加熱装置を4色カ
ラー画像形成装置の定着装置として用いた場合の作用効
果について画像形成装置の動作と共に記す。
【0040】図6は本発明を用いた電子写真カラープリ
ンタの断面図である。11は有機感光体でできた感光体
ドラム、12はこの感光体ドラム11に一様な帯電を行
なうための帯電装置、13は不図示の画像信号発生装置
からの信号をレーザ光のオン/オフに変換し、感光体ド
ラム11に静電潜像を形成するレーザ光学箱である。1
101はレーザ光、1102はミラーである。感光体ド
ラム11の静電潜像は現像器14によってトナーを選択
的に付着させることで顕像化される。現像器14は、イ
エローY、マゼンタM、シアンCのカラー現像器と黒用
の現像器Bから構成され、一色ずつ感光体ドラム11上
の潜像を現像しこのトナー像を中間転写体ドラム16上
に順次重ねてカラー画像を得る。中間転写体ドラム16
は金属ドラム上に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有す
るもので、金属ドラムにバイアス電位を与えて感光体ド
ラム11との電位差でトナー像の転写を行なうものであ
る。一方、給紙カセットから給紙ローラによって送り出
された記録材Pは、感光体ドラム11の静電潜像と同期
するように転写ローラ15と中間転写体ドラム16との
間に送り込まれる。転写ローラ15は記録材Pの背面か
らトナーと逆極性の電荷を供給することで、中間転写体
ドラム16上のトナー像を記録材P上に転写する。こう
して、未定着のトナー像をのせた記録材Pは加熱定着装
置10で熱と圧を加えられて、記録材P上に永久固着さ
せられて、排紙トレー(不図示)へと排出される。感光
体ドラム11上に残ったトナーや紙粉はクリーナ17に
よって除去され、また、中間転写体ドラム16上に残っ
たトナーや紙粉はクリーナ18によって除去され、感光
体ドラム11は帯電以降の工程を繰り返す。
【0041】定着装置10には上述の像加熱装置を用い
ており、記録材Pは徐々に加熱されてニップに入り、ト
ナー像は定着されてニップ出口で分離、急冷される。
【0042】本実施の形態の構成によれば、コイル20
1の発生する磁束が定着フィルム1をニップ上流から十
分加熱するために上記の記録材Pを余熱する動作を可能
にするとともに、ニップ下流の定着フィルム1に対して
は磁束を急激に弱めることにより、記録材の迅速な冷却
と分離を可能にしている。また、記録材の分離に関して
は定着フィルム1の発熱層101を十分薄くしてフィル
ム状に構成することにより、定着フィルム1の変形を容
易にしてニップの内外での曲率を変えることにより、一
層の向上を図っている。
【0043】以下に従来の均等なコイル配置を行った場
合と本実施の形態の場合とでの発熱分布の様子を比較
し、その場合の定着性と分離不良の発生する頻度を比較
した結果を示す。画像形成装置としては毎分A4サイズ
紙8枚の印字速度の4色カラー画像形成装置において、
3色重ね合わせのベタ画像を形成した場合を代表に示
す。図7は両者で比較した場合の発熱分布の様子を表す
ものである。本実施例の励磁コイルによれば、図中に示
すように磁力線Bの分布がニップ上流では広い範囲で多
く、ニップ下流では狭い範囲での分布となっている。ま
た、この作用によって定着フィルムの発熱量としてはニ
ップ上流で高く、ニップ下流で低くなることが確認され
る。この効果は定着性や分離性の優劣として現れ、下表
はこれらについて試験した結果を示すものである。下表
において「定着性」は粘着テープを貼り付けて剥がす前
後での画像濃度の反射率の差で表したものであり、「適
正定着温度」は前記定着性の数値が5%以下となる定着
温調温度であり、「分離不良率」は80g/m2紙を通
紙した場合の分離不良ジャムの発生する割合である。
【0044】
【表1】
【0045】以上示したように、本発明によれば従来の
像加熱装置を用いた場合に比較して高い定着性と分離性
を有する画像形成装置を実現できた。
【0046】本実施の形態ではトナーTに低軟化物質を
含有させたトナーを使用したため、加熱定着装置にオフ
セット防止のためのオイル塗布機構を設けていないが、
低軟化物質を含有させていないトナーを使用した場合に
はオイル塗布機構を設けてもよい。
【0047】また、本実施の形態では4色カラー画像形
成装置について説明してきたが、モノクロ或いは1パス
マルチカラー画像形成装置に利用してもよい。この場合
は定着フィルム1において弾性層102を省略すること
ができる。
【0048】さらに本実施の形態の発展として図8のよ
うな構成も考えられる。この発展例では加圧ローラ3を
鉄製スリーブ301上に弾性層302を被覆したものを
用いて、加圧ローラ内に励磁コイル38を配設した。こ
れは発熱層を有する加圧ローラ芯金を励磁コイル203
で発生させた磁界により加圧ローラの芯金301に誘導
された渦電流で直接加圧ローラ3の加熱を行うためであ
る。
【0049】励磁コイル203で発生した磁界を芯金3
01に効率よく吸収させるためには、励磁コイル203
と芯金301との距離はできる限り近い方がよい。
【0050】そこで、芯金301と励磁コイル203の
距離の近い領域が大きくなるように図8のように芯金3
01の曲面に沿うように励磁コイル203を配設した。
【0051】ここでは励磁コイル201と励磁コイル2
03とのそれぞれに励磁回路を接続したが、これにより
定着フィルム1と加圧ローラ3の発熱量を別々の制御す
ることができる。定着フィルム1と加圧ローラ3の発熱
量を別々に制御することにより、例えば、厚紙に対して
は加圧ローラ3側の発熱量を大きくして、紙に対して十
分な熱量を供給することにより定着性の向上を図ること
ができる。また、連続プリント時に定着フィルム1と加
圧ローラ3の熱容量の違いによる温度降下量の差を補正
することができ、より安定した定着性を得ることができ
る。図8では励磁コイル203にコア設けていないがコ
アを設けることもできる。コアを設けることにより、励
磁コイルの同じ巻線数に対して磁束密度を増加させるこ
とができるのでより大きな発熱量を得ることができる。
【0052】また、上記発展例をより安価に構成するな
らば励磁コイル203と励磁コイル201と直列で接続
することもできる。この場合励磁コイル201と励磁コ
イル203との巻数比の変更、周波数の変更、発熱層と
励磁コイルの距離の変更などにより、定着フィルム1側
と加圧ローラ3側のインダクタンス比を任意に選ぶこと
ができて定着フィルム1と加圧ローラ3の発熱比率を任
意に選ぶことができる。
【0053】(第2の実施の形態) 図9は本発明における他の実施の形態を示す概略断面図
であり、同図において前出と同符号は同部材を示す。図
中204はニップ下流側に配設したアルミニウム製の磁
束遮断板であり、励磁コイル201で発生した磁束を遮
断して定着フィルム1のニップ下流での加熱を抑制す
る。磁束遮断板204としては非磁性の金属板が好適で
ある。必要な厚みは周波数によっても変わるが、本例で
は50KHzの交番磁束で加熱しており、この場合0.
5mm以上のもので、前述の実施の形態と同様に十分な
遮断効果が確認された。
【0054】本実施の形態ではフィルムガイド105と
励磁コイル201との間に磁束遮断板204を挿入した
が、定着フィルム1とフィルムガイド105との間に挿
入することも可能である。特にアルミニウムや銅のよう
な熱伝導率の高い材料で磁束遮断板204を構成する
と、定着フィルム1やフィルムガイド105の長尺方向
の温度分布を均一にする効果が得られる。
【0055】また、磁束遮断板204により励磁コイル
201の巻きムラ等に起因する磁力線の不均一性はニッ
プ下流において無関係になるため、ニップ上流側に励磁
コイル201の寸法基準を合わせ込むことが可能とな
り、励磁コイル201の形状ロスが低減されるという利
点がある。
【0056】本実施の形態では磁束遮断板204の効果
について説明してきたが、前述した第一の実施の形態及
びその発展例の構成を加えて応用することによりさらな
る定着性、分離性の向上が望める。
【0057】(第3の実施の形態)図10は本発明にお
けるさらなる他の実施の形態を示す概略断面図であり、
同図において前出と同符号は同部材を示す。
【0058】本実施の形態においては、励磁コイル20
1の主な発生する磁束の方向(磁極に相当する)をニッ
プの上流側にシフトさせて構成してある。
【0059】本構成においては発生する磁束は定着フィ
ルム1を広範囲に亘り有効に加熱すると共に、定着フィ
ルム1の最大発熱領域をニップ域とその上流に配置する
ことにより、発生する熱エネルギーを効率よく記録材P
に供給できるという利点がある。
【0060】本実施の形態では励磁コイル201の最大
磁束方向の上流側シフトの効果について説明してきた
が、前述した実施の形態及びその発展例の構成を加えて
応用することによりさらなる定着性、分離性の向上が望
める。
【0061】(第4の実施の形態)図11は本発明にお
けるさらなる他の実施の形態を示す概略断面図であり、
同図において前出と同符号は同部材を示す。
【0062】本実施の形態においてはフェライト製の磁
束誘導板205をニップ上流の定着フィルム1の外側に
配設した。この磁束誘導板205は定着フィルム1の外
部に漏れる磁束を誘導してニップの上流部に導く作用を
持ち、ニップ上流の発熱量を高める効果が有る。
【0063】本実施の形態のさらなる発展例として、磁
束誘導板205の位置に補助励磁コイルを配設して励磁
コイル201の作る磁束を妨げない向きに励磁させるこ
とにより定着フィルム1のニップ上流の発熱量を増やす
構成が考えられる。このような構成は特に定着フィルム
1の発熱層101として50μm以上の厚いものを用い
る場合に有効である。
【0064】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、効率の
良い予熱及び良好な分離性を両立できる。
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明する概略断面
図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の励磁コイル、コ
ア、ステイの斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の定着フィルムの一
部断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の定着フィルムの一
部断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の発展例を示す概略
断面図である。
【図6】本発明の像加熱装置を用いたカラー画像形成装
置を説明する概略断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態の動作及び効果を示
す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態の発展例を示す概略
断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を説明する概略断面
図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態を説明する概略断
面図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態を説明する概略断
面図である。
【図12】本発明の従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 定着フィルム 201 励磁コイル 202 コア 3 加圧ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木須 浩樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−114276(JP,A) 特開 平5−66688(JP,A) 特開 平6−314041(JP,A) 特開 平5−341673(JP,A) 特開 平8−69195(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/20 101 H05B 6/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抵抗材と被覆層とからなる回転加熱部材
    と、これとニップを形成する回転加圧部材と、磁束発生
    コイルと、磁束発生コイルへの通電により発生する磁束
    を導くコアと、を有する像加熱装置において、 上記コアは上記ニップ位置に上記回転加熱部材の回転方
    向と直交する方向に沿って設けられており、上記磁束発
    生コイルは上記コアの長手方向周りに、上記コアの上記
    回転加熱部材回転方向下流側は上記コアに沿って、上記
    コアの上記回転加熱部材回転方向上流側は上記回転加熱
    部材に沿って巻かれていることを特徴とする像加熱装
    置。
  2. 【請求項2】 抵抗材と被覆層とからなる回転加熱部材
    と、これとニップを形成する回転加圧部材と、これらに
    近接した磁束発生コイルとを有する像加熱装置におい
    て、 上記回転加熱部材の外側の上記回転加熱部材の回転中心
    軸に垂直な面でみてニップの上流側に透磁率の高い部材
    が設けてあり、上記磁束発生コイルが発生する交番磁束
    により昇温せしめられる上記回転加熱部材の被加熱領域
    がニップ下流よりニップ上流で大きいことを特徴とする
    像加熱装置。
  3. 【請求項3】 抵抗材と被覆層とからなる回転加熱部材
    と、これとニップを形成する回転加圧部材と、磁束発生
    コイルと、磁束発生コイルへの通電により発生する磁束
    を導くコアと、を有する像加熱装置において、 上記コアは上記ニップ位置よりも上記回転加熱部材回転
    方向上流側にずれた位置に上記回転加熱部材の回転方向
    と直交する方向に沿って設けられており、上記磁束発生
    コイルは上記コアの長手方向周りに、上記回転加熱部材
    に沿って巻かれていることを特徴とする像加熱装置。
  4. 【請求項4】 抵抗材と被覆層とからなる回転加熱部材
    と、これとニップを形成する回転加圧部材と、これらに
    近接した磁束発生コイルとを有する像加熱装置におい
    て、 上記回転加熱部材と上記磁束発生コイルとの間の上記回
    転加熱部材の回転中心軸に垂直な面でみてニップの下流
    側に透磁率の低い部材が設けてあり、上記磁束発生コイ
    ルが発生する交番磁束により昇温せしめられる上記回転
    加熱部材の被加熱領域がニップ下流よりニップ上流で大
    きいことを特徴とする像加熱装置。
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