JPH10301415A - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置及び画像形成装置

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JPH10301415A
JPH10301415A JP12304497A JP12304497A JPH10301415A JP H10301415 A JPH10301415 A JP H10301415A JP 12304497 A JP12304497 A JP 12304497A JP 12304497 A JP12304497 A JP 12304497A JP H10301415 A JPH10301415 A JP H10301415A
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秀夫 七瀧
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宏 真野
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篤義 阿部
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賢司 辛島
Tetsuya Sano
哲也 佐野
Koichi Tanigawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁誘導加熱方式の加熱装置について、長時
間動作においても安定した省エネでの加熱動作を実現す
ること、該加熱装置を像加熱装置として用いた画像形成
装置について、ウエイトタイムの短縮化、省電力での画
像形成、フルカラー画像のようなトナー量の多い画像に
対しても高画質を維持させること。 【解決手段】 電磁誘導発熱性部材2に磁界発生手段4
・5の交番磁束を作用させて発熱させ、その発熱により
被加熱材Pを加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置10
0であって、磁界発生手段としての励磁コイル4及び磁
性部材5と、励磁コイル4に給電する励磁回路と、該励
磁回路の出力を制御して電磁誘導発熱性部材の温度を制
御する温度制御手段を有し、上記温度制御手段は装置の
被加熱材加熱動作時の上記磁界発生手段の磁性部材の磁
心損失が装置の立上時よりも小さくなるように電磁誘導
発熱性部材の温度を制御すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁(磁気)誘導
加熱方式の加熱装置、及び該加熱装置を像加熱装置とし
て備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機・プリンタ・ファックス
等の画像形成装置(画像記録装置)における像加熱装
置、即ち電子写真・静電記録・磁気記録等の適宜の画像
形成プロセス手段により、加熱溶融性の樹脂等よりなる
トナー(熱軟化性有色樹脂の顕画剤)を用いて記録材の
面に直接若しくは間接(転写)方式で形成した未定着の
トナー画像を記録材面に永久固着画像として加熱定着す
る装置(以下、加熱定着装置と記す)としては従来から
「熱ローラ方式」の装置が多用されている。また「フィ
ルム加熱方式」の装置も実用されている。「電磁誘導加
熱方式」の装置もある。
【0003】a)熱ローラ方式の装置 熱源としてハロゲンランプ(ハロゲンヒータ)を内蔵さ
せ、該ハロゲンランプの発熱で所定の温度に加熱・温調
される定着ローラ(熱ローラ)と、加圧ローラとを圧接
させて定着ニップ部を形成させ、該ローラ対を回転さ
せ、定着ニップ部に被加熱材としての、未定着トナー画
像を担持させた記録材を導入して挟持搬送させること
で、定着ニップ部において記録材を定着ローラの熱で加
熱して画像の熱定着を行なわせるものである。
【0004】特に、最大4層のトナー層を十分加熱溶融
させる能力を要求されるフルカラー画像形成装置におけ
る定着装置としては、定着ローラの芯金は高い熱容量を
有するものにし、また定着ローラにトナー像を包み込ん
で均一に溶融するためのゴム弾性層を設けて該弾性層を
介してトナー画像の加熱を行なっている。
【0005】b)フィルム加熱方式の装置 特開昭63−313182号公報等に開示のように、発
熱源(加熱体)としての一般にセラミックヒータと、加
圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性フィルム(定
着フィルム)を挟ませて定着ニップ部を形成させ、該定
着ニップ部のフィルムと加圧ローラとの間に被加熱材と
しての、未定着トナー画像を担持させた記録材を導入し
てフィルムと一緒に定着ニップ部を挟持搬送させること
で、発熱抵抗体への通電により発熱するセラミックヒー
タの熱をフィルムを介して記録材に与えて加熱して画像
の熱定着を行なわせるものである。
【0006】c)電磁誘導加熱方式の装置 実開昭51−109737号公報には、磁束により定着
ローラに電流を誘導させてジュール熱によって発熱させ
る誘導加熱定着装置が開示されている。これは、誘導電
流の発生を利用することで直接定着ローラを発熱させる
ことができて、ハロゲンランプを用いた熱ローラよりも
高効率の定着プロセスを達成している。
【0007】また、米国特許第5278618号明細書
には、定着ローラを小熱容量化した定着フィルムを用い
て、ニップ近傍の励磁部材により加熱する例が開示され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例の各種方式の加熱装置にはそれぞれ一長一短があ
る。例えば、ハロゲンランプやセラミックヒータを熱源
として用いた従来の熱ローラ方式の装置やフィルム加熱
方式の装置においては、定着ローラやフィルムに熱伝達
させる必要があるためにエネルギーロスが大きく、エネ
ルギーの有効活用ができない等の問題があった。
【0009】また、実開昭51−109737号公報や
米国特許第5278618号明細書に開示されている電
磁誘導加熱方式の装置は上記問題点を改善できたが、励
磁コイルと組にして磁界発生手段を構成させている高透
磁率の磁性部材(励磁コイルの磁性コア、コイル鉄心、
励磁鉄芯)の磁心損失は温度によって変化する傾向があ
るために、像加熱動作時において高透磁率磁性部材の磁
心損失が増加すると昇温が激しくなって、加熱効率が低
下するという問題があった。昇温によって、高透磁率磁
性部材がキュリー温度以上になると磁性が消滅して、十
分な加熱ができなくなるばかりでなく、励磁コイルに励
磁電圧を供給する励磁回路に大きな負担がかかって回路
が破損する恐れがあった。
【0010】そこで本発明は、特に、電磁誘導加熱方式
の加熱装置について、上記の問題点をなくして、長時間
の動作においても、安定した、省エネルギーでの加熱動
作を実現できるようにすることを目的とする。
【0011】また電磁誘導加熱方式の加熱装置を像加熱
装置(加熱定着装置)として用いた画像形成装置につい
て、ウエイトタイムの短縮を可能とし、省電力で画像形
成を行なうとともに、フルカラー画像のようなトナー量
の多い画像に対しても高画質を維持できるようにするこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする加熱装置及び画像形成装置である。
【0013】(1)電磁誘導発熱性部材に磁界発生手段
の交番磁束を作用させて発熱させ、その発熱により被加
熱材を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置であって、
磁界発生手段としての励磁コイル及び磁性部材と、励磁
コイルに給電する励磁回路と、該励磁回路の出力を制御
して電磁誘導発熱性部材の温度を制御する温度制御手段
を有し、上記温度制御手段は装置の被加熱材加熱動作時
の上記磁界発生手段の磁性部材の磁心損失が装置の立上
時よりも小さくなるように電磁誘導発熱性部材の温度を
制御することを特徴とする加熱装置。
【0014】上記構成において温度制御手段は装置の低
温時(装置の立上時)に積極的に磁性部材を暖めて電磁
誘導発熱性部材から熱を奪うのを防ぐ作用と、装置の被
加熱材加熱動作時は磁性部材の発熱を抑えて透磁率の低
下を防ぐ作用がある。
【0015】(2)励磁回路が励磁コイルに供給する励
磁電圧の周波数に関して、電磁誘導発熱性部材の温度を
被加熱材加熱動作時の温度に維持する時に供給する周波
数f1と、装置の立上時に供給する周波数f2が、f1
≧f2であることを特徴とする(1)に記載の加熱装
置。
【0016】上記構成において励磁電圧の周波数は供給
出力を装置の立上時に大きく、被加熱材加熱動作時に小
さくする作用がある。
【0017】(3)電磁誘導発熱性部材は回転体である
ことを特徴とする(1)又は(2)に記載の加熱装置。
【0018】(4)磁界発生手段としての励磁コイル及
び磁性部材は電磁誘導発熱性部材である回転体の中空部
に配されていることを特徴とする(3)に記載の加熱装
置。
【0019】(5)電磁誘導発熱性部材である回転体は
円筒フィルム状抵抗体からなることを特徴とする(3)
又は(4)に記載の加熱装置。
【0020】円筒フィルム状抵抗体は回転電磁誘導発熱
性部材の小熱容量化を図り、迅速な昇温を実現する作用
がある。
【0021】(6)装置が、記録材に熱軟化性有色樹脂
の顕画剤を溶融定着させる像加熱装置であることを特徴
とする請求項1ないし5の何れか1つに記載の加熱装
置。
【0022】(7)装置が、記録材に熱軟化性有色樹脂
の顕画剤を溶融定着させる像加熱装置であって、磁性部
材の磁心損失の最小値を与える温度は熱軟化性有色樹脂
の顕画剤のガラス転位温度以上であることを特徴とする
(1)ないし(5)の何れか1つに記載の加熱装置。
【0023】この構成の像加熱装置は良好な定着性を得
る作用がある。
【0024】(8)装置の像加熱動作時の温度を磁性部
材の磁心損失の最小値を与える温度近傍に維持すること
を特徴とする(6)又は(7)に記載の加熱装置。
【0025】上記構成において像加熱装置は像加熱動作
時に磁性部材の発熱を抑えて透磁率の低下を防止する作
用がある。
【0026】(9)記録材上に未定着画像を形成し、こ
の未定着画像を担持した記録材を定着装置を通過させる
ことにより未定着画像を永久画像ならしめる画像形成装
置であって、上記定着装置に(1)ないし(8)の何れ
か1つに記載の加熱装置を用いたことを特徴とする画像
形成装置。
【0027】(10)即時画像形成可能な待機状態をも
ち、この待機状態において定着装置に電力を供給せず、
画像形成動作とともに定着装置に電力を供給することを
特徴とする(9)に記載の画像形成装置。
【0028】定着装置に(1)ないし(8)の何れか1
つに記載の加熱装置を用いたことを特徴とする画像形成
装置、さらにまた即時画像形成可能な待機状態をもち、
この待機状態において定着装置に電力を供給せず、画像
形成動作とともに定着装置に電力を供給することを特徴
とする画像形成装置は、低電力においてもウェイトタイ
ムの短縮を可能とし、省電力で安定した画像形成を行な
うことが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
〈第1の実施例〉(図1〜図8) (1)画像形成装置例 図1は本発明に従う電磁誘導加熱方式の加熱装置を像加
熱装置(加熱定着装置)として具備させた画像形成装置
の一例の概略構成図である。
【0030】本例の画像形成装置は、最大通紙幅がA4
サイズ紙、印字速度が毎分3枚の電子写真4色フルカラ
ープリンタである。
【0031】101は有機感光体やアモルファスシリコ
ンでできた電子写真感光体ドラム(像担持体)であり、
矢示の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)で
回転駆動される。
【0032】感光体ドラム101はその回転過程で帯電
ローラ等の帯電装置102で所定の極性・電位の一様な
帯電処理を受ける。
【0033】次いでその帯電処理面にレーザスキャナー
110から出力されるレーザ光103による、目的の画
像情報の走査露光処理を受ける。レーザスキャナー11
0は不図示の画像読取装置等の画像信号発生装置からの
目的画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して
変調(オン/オフ)したレーザ光103を出力して回転
感光体ドラム面を走査露光するもので、この走査露光に
より回転感光体ドラム101面に走査露光した目的画像
情報に対応した静電潜像が形成される。109はレーザ
スキャナー110からの出力レーザ光を感光体ドラム1
01の露光位置に偏向させるミラーである。
【0034】フルカラー画像形成の場合は、目的のフル
カラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成
分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜
像が4色カラー現像装置104のうちのイエロー現像器
104Yの作動でイエロートナー画像として現像され
る。そのイエロートナー画像は感光体ドラム101と中
間転写体ドラム105との接触部(或は近接部)である
一次転写部T1において中間転写体ドラム105の面に
転写される。中間転写体ドラム105面に対するトナー
画像転写後の回転感光体ドラム101面はクリーナ10
7により転写残りトナー等の付着残留物の除去を受けて
清掃される。
【0035】上記のような帯電・走査露光・現像・一次
転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画
像の、第2の色分解成分画像(例えばマゼンタ成分画
像、マゼンタ現像器104Mが作動)、第3の色分解成
分画像(例えばシアン成分画像、シアン現像器104C
が作動)、第4の色分解成分画像(例えば黒成分画像、
黒現像器104BKが作動)の各色分解成分画像につい
て順次に実行され、中間転写体ドラム105面にイエロ
ートナー画像・マゼンタトナー画像・シアントナー画像
・黒トナー画像の都合4色のトナー画像が順次重ねて転
写されて、目的のフルカラー画像に対応したカラートナ
ー画像が合成形成される。
【0036】中間転写体ドラム105は、金属ドラム上
に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有するもので、感光
体ドラム101に接触して或は近接して感光体ドラム1
01と略同じ周速度で矢示の反時計方向に回転駆動さ
れ、中間転写体ドラム105の金属ドラムにバイアス電
位を与えて感光体ドラム101との電位差で感光体ドラ
ム101側のトナー画像を該中間転写体ドラム105面
側に転写させる。
【0037】上記の回転中間転写体ドラム105面に合
成形成されたカラートナー画像は、該回転中間転写体ド
ラム105と転写ローラ106との接触ニップ部である
二次転写部T2において、該二次転写部T2に不図示の
給紙部から所定のタイミングで送り込まれた記録材Pの
面に転写されていく。転写ローラ106は記録材Pの背
面からトナーと逆極性の電荷を供給することで中間転写
体ドラム105面側から記録材P側へ合成カラートナー
画像を順次に一括転写する。
【0038】二次転写部T2を通過した記録材Pは中間
転写体ドラム105の面から分離されて、次の(2)項
で詳述する電磁誘導加熱方式の加熱定着装置100へ導
入され、未定着トナー画像の加熱定着処理を受けてカラ
ー画像形成物として機外の不図示の排紙トレーに排出さ
れる。
【0039】記録材Pに対するカラートナー画像転写後
の回転中間転写体ドラム105はクリーナ108により
転写残りトナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて清
掃される。このクリーナ108は常時は中間転写体ドラ
ム105に非接触状態に保持されており、中間転写体ド
ラム105から記録材Pに対するカラートナー画像の二
次転写実行過程において中間転写体ドラム105に接触
状態に保持される。
【0040】また転写ローラ106も常時は中間転写体
ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写
体ドラム105から記録材Pに対するカラートナー画像
の二次転写実行過程において中間転写体ドラム105に
記録材Pを介して接触状態に保持される。
【0041】白黒画像などモノカラー画像のプリントモ
ードも実行できる。また両面画像プリントモード、或は
多重画像プリントモードも実行できる。
【0042】両面画像プリントモードの場合は、加熱定
着装置100を出た1面目画像プリント済みの記録材P
は不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されて再び
二次転写部T2へ送り込まれて2面に対するトナー画像
転写を受け、再度、加熱定着装置100に導入されて2
面に対するトナー画像の定着処理を受けることで両面画
像プリントが出力される。
【0043】多重画像プリントモードの場合は、加熱定
着装置100を出た1回目画像プリント済みの記録材P
は不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに再
び二次転写部T2へ送り込まれて1回目画像プリント済
みの面に2回目のトナー画像転写を受け、再度、加熱定
着装置100に導入されて2回目のトナー画像の定着処
理を受けることで多重画像プリントが出力される。
【0044】(2)加熱定着装置100 図2は本発明に従う電磁誘導加熱方式の加熱装置として
の加熱定着装置100の概略構成を示す横断面模型図、
図3は磁界発生手段としての励磁コイルと磁性部材であ
る磁性コア部分の斜視図と、励磁回路系のブロック図で
ある。
【0045】A)該装置100の全体的概略構成と定着
動作 1は定着フィルムアセンブリ(加熱アセンブリ)であ
り、回転加熱部材としての円筒フィルム状抵抗体2(以
下、定着フィルムと記す)、この円筒状の定着フィルム
2を内側から支持する円筒状のフィルム支持部材3(以
下、フィルムガイドと記す)、この円筒状のフィルムガ
イド3の内側に配設した磁界発生手段としての、交番磁
束を発生する励磁コイル4と磁性コア5、等からなる。
円筒状の定着フィルム2は円筒状のフィルムガイド3に
ルーズに外嵌させてある。
【0046】上記の定着フィルムアセンブリ1はフィル
ムガイド3の両端側を装置の手前側と奥側の側板間に保
持させて配設してある。
【0047】6は加圧回転部材としての弾性加圧ローラ
であり、芯金6a上にシリコーンゴム層6bを2mm被
覆させて弾性をもたせ、これを定着フィルムアセンブリ
1の下側において装置の手前側と奥側の側板間に定着フ
ィルムアセンブリ1と略並行にして軸受け保持させ、か
つ定着フィルムアセンブリ1のフィルムガイド3の下面
に定着フィルム2を挟ませて所定の押圧力をもって所定
幅の定着ニップ部Nを形成させて圧接させてある。
【0048】この加圧ローラ6は駆動源Mから駆動伝達
系を介して駆動が伝達されて矢示の時計方向に所定の周
速度で回転駆動される(加圧ローラ駆動式)。
【0049】この加圧ローラ6の回転駆動に伴い、定着
フィルムアセンブリ1と加圧ローラ6との圧接部である
定着ニップ部Nにおいて、定着フィルムアセンブリ1の
フィルムガイド3にルーズに外嵌させてある円筒状の定
着フィルム2に対して回転加圧ローラ6と定着フィルム
2の外面との摩擦力で円筒状の定着フィルム2に回転力
が作用して該円筒状の定着フィルム2がフィルムガイド
3の外回りを定着ニップ部Nにおいてフィルムガイド3
の下面に対して内面が密着摺動しながら矢示の反時計方
向に加圧ローラ6の回転周速度にほぼ対応した周速度を
もって回転状態になる。
【0050】図3の励磁回路系において、7は励磁コイ
ル4に接続した励磁回路であり、この励磁回路7は交番
電流を励磁コイル4へ供給できるようになっている。S
は電源である。
【0051】8は温度検知素子としてのNTC素子(Ne
gative Temperature Coefficient:負性温度係数素子)
であり、図2のように定着ニップ部Nよりも定着フィル
ム移動方向下流側で定着ニップ部Nの近傍位置において
フィルムガイド3の外面に露呈させて配設してあり、回
転する定着フィルム2の裏面に接触し、定着フィルム2
の温度を電圧に変換してマイコン9に伝えている。
【0052】10は矩形波発生回路で、マイコン8から
の情報によって矩形波のデューティー比を変化させて励
磁回路7内のスイッチング素子を制御する。
【0053】励磁コイル4は励磁回路7から供給される
交番電流によって交番磁束を発生する。その交番磁束は
定着ニップ部Nの位置に対応している磁性コア5により
定着ニップ部N近傍に集中して分布する。fは発生交番
磁束を表している交番磁束fは定着フィルム2の後述す
る電磁誘導発熱性層である抵抗体層に渦電流を発生させ
る。その渦電流は抵抗体層の固有抵抗によって抵抗体層
にジュール熱を発生させる。即ち定着フィルム2が電磁
誘導発熱する。この定着フィルム2の電磁誘導発熱は交
番磁束fを集中して分布させた定着ニップ部N近傍にお
いて集中的に生じて定着ニップ部Nが高効率に加熱され
る。
【0054】而して、加圧ローラ6が回転駆動され、そ
れに伴って円筒状の定着フィルム2がフィルムガイド3
の外回りを回転し、励磁回路7から励磁コイル4への給
電により上記のように定着フィルム2の電磁誘導発熱が
なされて定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温
調された状態、本実施例では定着フィルム2が定着温度
である180℃に温調制御された状態において、画像形
成手段部側から搬送された未定着トナー画像tが形成さ
れた記録材Pが定着ニップ部Nの定着フィルム2と加圧
ローラ6との間に画像面が上向き、即ち定着フィルム2
面に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面
が定着フィルム2の外面に密着して定着フィルム2と一
緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この定着ニ
ップ部Nを定着フィルム2と一緒に記録材Pが挟持搬送
されていく過程において定着フィルム2の電磁誘導発熱
で加熱されて記録材P上の未定着トナー画像tが加熱定
着される。記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると回転
定着フィルム2の外面から分離して排出搬送されてい
く。
【0055】2)定着フィルム2 図4は本例における定着フィルム2の層構成模型図であ
る。
【0056】本例の定着フィルム2は、抵抗体であるニ
ッケルからなる厚み50μmの抵抗体層(以下、発熱層
と記す)2aと、その外表面を被覆させたシリコーンゴ
ムからなる弾性層2bと、更にその外表面を被覆させた
フッ素樹脂の離型層2cからなる3層複合構造のもので
ある。離型層2c側が外面側、発熱層2a側が内面側で
ある。
【0057】前述したように、抵抗体である発熱層2a
に交番磁束fが作用することで該発熱層2aに渦電流が
発生して該発熱層2aが発熱する。その熱が弾性層2b
・離型層2cを介して定着ニップ部Nを加熱し、該定着
ニップ部Nに通紙される被加熱材としての記録材Pを加
熱してトナー画像tの加熱定着がなされる。
【0058】抵抗体である発熱層2aは、ニッケル以外
にも10-5〜10-10 Ω・mの電気良導体である金属、
金属化合物、有機導電体であればよく、より好ましくは
透磁率が高い強磁性を示す鉄、コバルト等の純金属若し
くはそれらの化合物を用いることができる。
【0059】この発熱層2aの厚みは薄くすると十分な
磁路が確保できなくなり、外部へ磁束が洩れて発熱体自
身の発熱エネルギーは小さくなる場合があり、また厚く
すると熱容量が大きくなり昇温に要する時間が長くなる
傾向がある。
【0060】従って、発熱層2aの厚みは用いた材料の
比熱、密度、透磁率、抵抗率の値によって適正値があ
り、本実施例では10〜100μmの厚みの範囲で、3
℃/sec以上の昇温速度を得ることができた。
【0061】弾性層2bは、その硬度が高すぎると記録
材あるいはトナー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラ
が発生してしまう。そこで、弾性層2bの硬度としては
60°(JIS−A)以下、より好ましくは45°(J
IS−A)以下がよい。
【0062】弾性層2bの熱伝導率λに関しては、 6×10-4〜2×10-3[cal/cm・sec・de
g.] がよい。
【0063】熱伝導率λが6×10-4[cal/cm・
sec・deg.]よりも小さい場合には、熱抵抗が大
きく、定着フィルム2の表層における温度上昇が遅くな
る。
【0064】離型層2cは、PFA、PTFE、FEP
等のフッ素樹脂以外に、シリコーン樹脂、シリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の離型性かつ耐熱性
のよい材料を選択することができる。
【0065】離型層2cの厚さは20〜100μmが好
ましく、厚さが20μmよりも小さいと塗膜の塗ムラで
離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足するといっ
た問題が発生する。また、100μmを越えると熱伝導
が悪化するという問題が発生し、特に樹脂系の離型層の
場合は硬度が高くなりすぎ、弾性層2bの効果がなくな
ってしまう。
【0066】また、図5に示すように、上記図4の層構
成の定着フィルム2の内面側(発熱層2aの自由面側)
に更に断熱層2dを設けてもよい。断熱層2dを設けた
場合、発熱層2aに発生した熱による励磁コイル4・磁
性コア5の昇温を防止(あるいは緩和)できるため、安
定した加熱をすることができる。
【0067】断熱層2dとしてはフッ素樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PE
EK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PT
FE樹脂、FEP樹脂などの耐熱樹脂がよい。断熱層2
dの厚さとしては10〜1000μmが好ましい。断熱
層2dの厚さが10μmよりも小さい場合には断熱効果
が得られず、また、耐久性も不足する。一方、1000
μmを超えると磁性コア5から発熱層2aの距離が大き
くなり、磁束が十分に発熱層2aに到達しなくなる。
【0068】3)フィルムガイド3 フィルムガイド3は下側と上側の横断面略半円弧状樋型
の成形部材3a・3bを重ね合わせることにより、両者
3a・3bで略円筒体を構成させてある。フィルムガイ
ド3はこれにルーズに外嵌させた円筒状の定着フィルム
2の支持、定着フィルム2の回転時の搬送安定性を図る
役目をする。
【0069】下側のフィルムガイド半体3aは定着ニッ
プ部Nへの加圧、磁場発生手段としての励磁コイル4・
磁性コア5の支持部材の役目もし、磁束の通過を妨げな
い絶縁性の部材であり、高い加重に耐えられる、耐熱性
のある材料が用いられる。
【0070】例えば、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹
脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹
脂、PTFE樹脂、FEP樹脂、LCP樹脂などを選択
するとよい。
【0071】上側のフィルムガイド半体3bも同材料で
構成することができる。上側のフィルムガイド半体3b
は省略した装置構成にすることもできる。
【0072】4)励磁コイル4と磁性コア5 磁界発生手段は励磁コイル4と磁性コア5で構成させて
ある。
【0073】励磁コイル4としては加熱に十分な交番磁
束を発生するものでなければならないが、そのためには
抵抗成分を低く、インダクタンス成分を高くとる必要が
ある。本実施例では励磁コイル4の芯線として線径φ1
が0.2mmの銅線に耐熱絶縁被覆を施した細線を束ね
て束線径φ2を3mmにした高周波用のものを用いて、
定着ニップ部Nを周回するように10回巻いてある。
【0074】励磁コイル4は本例の場合は、円筒状のフ
ィルムガイド3の内面の略下半面形状に略対応させて舟
形に電線を巻回して構成したものであり、この舟形の励
磁コイル4を円筒状のフィルムガイド3内の略下半面部
に位置させて保持させてある。磁性コア5はこの舟形の
励磁コイル4内の略中央部に位置させてある。
【0075】磁性コア5は励磁コイル4で発生する磁束
を効率よく定着フィルム2に導くための高透磁率磁性部
材である。本例のものはフェライトコアである。
【0076】フェライトコア5は、 〔Mx Zn1-x Fe24 〕(Mは金属元素、xは組
成) の組成からなる金属酸化物に微量の添加物を加えたもの
であり、他の高透磁率材料に比較して極めて高い比抵抗
を示し、渦電流による損失が小さいという特徴がある。
【0077】また一般的に金属元素Mや組成xや添加物
が異なると、フェライトの性能を代表する透磁率やキュ
リー温度や保持力等が異なる。
【0078】本例では 比透磁率 2500 キュリー温度 205℃ のもの(トーキン製2500B)を用いている。
【0079】前述したように励磁コイル4は励磁回路7
から供給される交番電流によって交番磁束fを発生し、
交番磁束は定着フィルム2の発熱層2aに渦電流を発生
させる。この渦電流は発熱層2aの固有抵抗によってジ
ュール熱を発生させて、弾性層2b、離型層2cを介し
て定着ニップ部Nに搬送される記録材Pと記録材P上の
トナーTを加熱することができる。
【0080】定着フィルム2の発熱層2aで発生する熱
エネルギーは渦電流の大きさの二乗に比例し、渦電流の
大きさは交番磁束のエネルギーに比例するので、定着フ
ィルム2の温度を上昇させる時は励磁コイル4への磁界
エネルギーを増加させて、逆に温度を下げる場合には磁
界エネルギーを減少させればよい。
【0081】この磁界エネルギーの加減は励磁コイル4
に印加する電圧を加減しても良いし、電流を加減しても
良い。
【0082】通常の電灯線を利用する場合には定電圧源
と考えられるので、安価に回路を構成するには励磁コイ
ル4に流す電流を加減するのが好ましい。
【0083】これらの電磁回路が共振条件を満たす範囲
で考える場合、上記の電流の加減は励磁コイル4に与え
る電圧の印加時間の長短で制御可能である。即ち、電磁
回路における磁界の振動周期に同期してスイッチング
し、図6に示す電圧印加時間aや解放時間bを変化させ
ることによって、定着フィルム2の温度を変えることが
できる。本例では解放時間bを固定して6msとし、電
圧印加時間aを1〜15msの間で制御可能としてい
る。
【0084】従って、本例において励磁コイル4に供給
される交番電圧としては、上記電圧印加時間aと解放時
間bとの和時間を一周期とする周波数となり、約47〜
143KHzの可変制御となる。
【0085】マイコン9はNTC素子8から得た定着フ
ィルム2の温度を一定の周期でサンプリングして、この
情報に対して上記電圧印加時間aを算出し矩形波発生回
路10から出力する。
【0086】電圧印加時間aの算出方法としては、像加
熱を可能にする適正温度(定着温度)とサンプリングさ
れた温度との差を時間順にΔk-2 、Δk-1 、Δk とした
場合に、前回の電圧印加時間ak に対して .βΔk ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥比例制御量 .γ(Δk-1 −Δk )‥‥‥‥‥‥‥微分制御量 .δ(Δk-2 +Δk −1+Δk )‥‥積分制御量 を加減乗算して今回の印加時間aを決定する所謂PID
制御(Proportional Integral Differential:比例・積
分・微分)を採用している。
【0087】この制御において適当にα、β、γを設定
することによって、例えば定着フィルム1の温度が低い
場合には比例制御量が大きくなって印加時間aを長く
し、また、系が冷えている状態で定着フィルム1の温度
を他の部材が奪ってなかなか温度が上がらないような場
合には、たとえ定着温度に近づいても微分制御量が大き
くなってやはり印加時間aを長くするように設定でき
る。
【0088】次に本実施例の特徴である磁性コアとして
のフェライトコア5の磁心損失と像加熱温度(定着温
度)に関して説明する。
【0089】本実施例では、フェライトコア5は円筒状
の定着フィルム2に周囲を囲まれる形で構成配置される
ため、フェライトコア5の温度は室温〜定着温度程度ま
で変化する可能性がある。そこで本発明ではフェライト
コア5の特性値として磁心損失の温度特性に着目してい
る。
【0090】ここでいう磁心損失Pbとは、渦電流損失
Pe、ヒステリシス損失Ph、残留損失Prを使って表
される、 Pb=Pe+Ph+Pr の量のことであるが、同様なフェライトコアの材料や形
状であっても磁束の強さ及び周波数に大きく依存するも
のである。
【0091】渦電流損失Peに関しては、周波数及び磁
束の強さのほぼ二乗に比例する量として扱えるが、残留
損失Prを併せて考えた場合の磁心損失Pbは、周波数
及び磁束の強さに関してさらに複雑な関数となる。ただ
し定性的には周波数及び磁束の強さが増加すると磁心損
失Pbは増加する傾向があって、ある範囲に関しては周
波数のc乗、磁束の強さのd乗(c、dは実数)という
ように定量的に扱う事もできる。
【0092】本実施例で用いたフェライトコア5、即ち
トーキン製2500Bは50〜200KHz、50〜2
00mTの範囲で周波数の約1.3乗、磁束の強さの約
3乗で磁心損失が増加する。
【0093】図7は上記フェライトコアの磁心損失に関
する温度特性を示した図であり、実線のグラフ曲線A
は、周波数(f2)50KHz、磁束の強さ100mT
の場合で、加熱定着装置が暖まっていない起動時(立上
時)に供給される励磁電圧(最大出力)による磁心損失
を代表する。この曲線Aによれば80℃近辺で最小値を
とり、室温及び定着温度180℃近辺ではやや大きくな
る。
【0094】一方、点線のグラフ曲線Bは周波数(f
1)150KHz、磁束の強さ50mTの場合で、定着
フィルム2が定着温度に達して温調制御状態での励磁電
圧(平衡時出力)に対する磁心損失を代表するものであ
る。
【0095】本実施例で用いたフェライトコアの温度特
性によれば定着温度付近で磁心損失が増加する傾向にあ
るため、本例では上述のPID制御において、印加時間
aの上限値を設けてこれを更新することによって、定着
動作が連続して行われた場合でも磁心損失が増加してフ
ェライトコアが高温になることを防いでいる。
【0096】これら本実施例の制御の概略を図8に示
す。
【0097】即ち、起動時に印加時間aの上限値は最大
値(本例では15ms)にリセットされて、まず定着フ
ィルムの温度を時間とともにNTC素子によって検知
し、これから前記PID制御によって印加時間aを決定
する。
【0098】上述のように印加時間aは定着フィルムの
温度が低く、フェライトコアの温度で代表される系の温
度が低い場合には最大に決定される。この場合励磁電圧
の周波数は最低に、磁束の強さは最大になり、起動時の
磁心損失は実線のグラフ曲線Aを推移する。室温では磁
心損失が大きく、供給された電力は定着フィルム及びフ
ェライトコアを昇温させる。フェライトコアの熱容量は
大きいから、これの昇温によって定着フィルムから奪う
熱の量を低減させて、定着フィルムの温度を迅速に上昇
させることができる(動作1)。
【0099】定着フイルムの温度が定着温度に達する
か、フェライトコアが暖まっていて定着フィルムの温度
上昇が高く維持されている場合には、PID制御により
印加時間aを短くすると同時に印加時間aの上限値を定
める。この上限値はフェライトコアの温度特性に依存
し、定着温度付近で磁心損失が少なくとも室温時より低
くなるように選んである。印加時間aが短縮されると励
磁電圧の周波数が高くなるが、ここでは磁束の強さが磁
心損失に関して高次で効くので、磁心損失は印加時間a
の短縮とともに急激に下がる(動作2)。
【0100】定着動作中は動作1及び2を繰り返しなが
ら制御されるが、印加時間aは上限値以下で選ばれ、定
着フィルムの温度が平衡状態にある場合には点線の曲線
グラフB上に近づいているため、フェライトコアの定着
動作での発熱は起動時の発熱に比較して十分小さくする
ことができる。したがって、室温からの起動時において
はフェライトコア自身が磁心損失によって発熱して定着
フィルムから熱を奪うのを防ぐ状態を作るとともに、定
着動作時には磁心損失が低減されてフェライトコアがキ
ュリー温度を越えることを防いでいる。
【0101】上述のように本実施例ではフェライトコア
5の磁心損失の温度特性に合わせた温調制御を行うこと
によって、装置起動時は定着フィルム2の昇温を促進さ
せて起動時間の短縮を図り、定着動作時は長時間の連続
動作においても安定した性能が得られる構成とすること
ができる。
【0102】実験によれば、励磁コイル4に固定周波数
の励磁電圧を供給して同様な定着温度に制御する場合に
比較して、本実施例ではウェイトタイムで10%以上短
縮でき、1000枚連続動作時でもキュリー温度を越え
ることなく安定した動作を維持することを確認できた。
【0103】本実施例の加熱定着装置100は定着フィ
ルム2に弾性層2bや離型層2cを含み、これらの層2
b・2cを介して発熱層2aの発熱が被加熱材である記
録材Pに与えられるが、その熱抵抗はハロゲンヒータを
内包する熱ローラ方式の加熱定着装置に比して小さく、
実質的に発熱層2aの発熱を直接像加熱に消費するもの
であって、上記構成においてトナー量の多いフルカラー
画像を定着する場合にも、トナー像を十分溶融すること
ができ、高画質の画像形成装置を得ることができる。ま
た、加熱定着装置100の熱容量が小さいためオンデマ
ンド定着が可能で、待機中の消費電力を著しく低減させ
ることができる。
【0104】〈第2の実施例〉(図9〜図12) 次に、本発明のさらなる他の実施例について説明する。
【0105】本実施例は前述の第1の実施例の加熱定着
装置100の構成において、フェライトコア5の種類と
温調制御方法を変更したものである。
【0106】本実施例において用いたフェライトコア5
は、前述の第1の実施例の加熱定着装置100で用いた
フェライトコアに微量添加材としてCaO、V25
のものを加えたもので、図9に示す磁心損失の温度特性
を有する。
【0107】温度制御は前述PID制御の制御対象とし
て、励磁電圧の電圧印加時間a及び開放時間bを変える
のではなく、励磁電圧の値自身を可変量として扱うもの
としている。
【0108】即ち、励磁電圧の周波数は一定で、励磁電
圧の大きさを制御することによって励磁磁界の強さを変
化させて定着フィルム2の温度を制御する。
【0109】この温度制御の特徴は励磁周波数を一定に
保てるために、定着フィルム2自身の発熱効率の周波数
依存性をなくすことができて、最適化を図れるという点
にある。
【0110】本実施例では、励磁周波数を100KHz
として、定着フィルム2の発熱層2aである厚み50μ
mのニッケル層を効率よく発熱させることができる。
【0111】本実施例は画像形成速度による必要定着温
度の推移に着目して、上記フェライトコア5の磁心損失
の最小値を示す温度に応じて画像形成速度を設定するこ
とによって、定着動作時の安定化と省エネ化を図るもの
である。
【0112】図10は画像形成速度(定着動作速度)と
必要定着温度との関係を示す図であり、画像形成速度が
高くなるほど、良好な定着画像を得るのに必要な温度が
高くなることを示している。
【0113】反対に、画像形成速度を低くしていくと必
要定着温度は下がるが、ある程度下げていくと最低必要
温度に収束する。これはトナーのガラス転移点Tgに代
表される軟化点温度に起因するもので、この温度以下で
は時間を十分掛けて加熱しても定着できないことを意味
している。逆に画像形成速度を調整することによって、
トナーの軟化点温度近傍での定着動作が可能となる。
【0114】通常トナーのガラス転移温度としては55
〜70℃位のものが好んで用いられているが、本例では
60℃のものを用いており、図11に関連付けられるよ
うに画像形成速度30mm/secに設定した場合磁心
損失が最小となる120℃近傍に定着温度を設定するこ
とができる。
【0115】なお、最小値近傍温度とは、最小値を示す
温度を中心に、室温の磁心損失から最小値までの磁心損
失の変化量の10%最小値から変化する範囲の温度を指
し、この範囲を超えると本例の効果が薄れる。
【0116】図12に本例の動作フローを示す。本例で
は励磁電圧は固定周波数で供給されていて、起動時から
温調制御状態でフェライトコアの温度上昇に伴って磁心
損失は単調に減少する。したがって、起動時は磁心損失
によるフェライトコアの発熱で定着フィルムの昇温を促
進させてウェイトタイムの短縮を図り、定着動作時はフ
ェライトコアの発熱を抑えて長時間の連続動作において
も安定した性能が得られる構成とすることができる。
【0117】画像形成速度を本例よりも低く設定すれ
ば、定着温度をトナーの軟化点温度に近づけることがで
きて、フェライトコア5の磁心損失の最小値を与える温
度が低い場合でも本実施例と同様の効果を得ることがで
きる。
【0118】逆に、磁心損失の最小値を与える温度が高
いフェライトコア5を使用すれば、同様な効果を得る構
成としてより高い定着温度と画像形成速度に設定して、
高性能加熱定着装置及び画像形成装置を実現することが
できる。
【0119】例えば、フェライトコア5の磁心損失が最
小値となる温度が180℃であれば、定着温度を180
℃、画像形成速度を約150mm/secに設定して同
様な効果を得ることができる。
【0120】本例の加熱定着装置はフィルム加熱方式で
あるために、同スケールの熱ローラ方式の加熱定着装置
に比較して定着ニップ部幅を大きく確保できる傾向があ
り、図9に見られるように特に高い画像形成速度におい
て低い定着温度を選ぶことが可能である。
【0121】〈第3の実施例〉(図13) 次に、本発明のさらなる他の実施例について説明する。
【0122】図13は本実施例における加熱定着装置1
00の概略構成を示す横断面模型図である。
【0123】本実施例の加熱定着装置100は、前述の
第1の実施例の加熱定着装置100において加圧ローラ
6の芯金6aを中空構造とし、内部にハロゲンヒータH
を配して、このハロゲンヒータHへの通電によって電源
投入後の待機時にスタンバイ温調制御を行っている。そ
の他の装置構成は第1の実施例の加熱定着装置と同様で
ある。
【0124】フェライトコア5としては前出のトーキン
製2500Bを用いており、磁心損失の温度特性は前述
した図7に示した通りで、上記ハロゲンヒータHを用い
て磁心損失が最小となる温度近傍に加圧ローラ6の温度
を維持する。
【0125】本例は室温からの装置起動時は最大出力
(50KHz、100mT)の誘導加熱による定着フィ
ルム2の加熱と、ハロゲンヒータHによる加圧ローラ6
の加熱を行い、待機時からの動作では制限出力(100
KHz、80mT)の誘導加熱によって定着フィルム2
の昇温を図る。温調制御時は前述の第1の実施例と同様
に制御する。
【0126】このように制御することにより、第1の実
施例と同様に装置起動時はフェライトコア5の磁心損失
による発熱を有効利用し、定着動作時にはフェライトコ
ア5が昇温してキュリー温度を越えることがないように
磁心損失を抑制することができる。
【0127】本例では待機時のスタンバイ温度制御を設
けることによって、定着フィルム2に厚いゴム層などを
弾性層2bとして設けて熱容量が大きい場合に、定着フ
ィルム2の昇温を促進させて迅速な画像形成を可能にす
る。
【0128】またスタンバイ温度としてフェライトコア
5の磁心損失の最小となる温度を選ぶことにより、系が
暖まっているときは磁心損失を最小限に抑えて、フェラ
イトコア5の昇温防止及び省エネを図ることができる。
【0129】〈第4の実施例〉(図14) 前述第1〜第3の実施例における画像形成装置(図1)
は4色フルカラー画像形成装置であるが、モノクロある
いは1パルスマルチカラー画像形成装置等であってもよ
く、この場合は、電磁誘導発熱性の定着フィルム2は弾
性層2bを省略した形態のものにすることもできる。ま
た、発熱層2a・離型層2cの2層構成、断熱層2d・
発熱層2a・離型層2cの3層構成、発熱層2a単層の
部材など、任意の層構成にすることができる。発熱層2
aは樹脂に金属フィラーを混入して構成したものとする
こともできる。
【0130】図14はモノクロ画像形成装置の一例の概
略構成図である。本例の画像形成装置は転写式電子写真
プロセス利用、プロセスカートリッジ着脱式、レーザー
ビームプリンタである。
【0131】ホストコンピュータより送られた画像情報
信号によりスキャナー13からのレーザ光Lの強度を変
調し、一次帯電器12で帯電された像担持体としての回
転感光体ドラム11を走査露光して回転感光体ドラム1
1上に静電潜像を作成する。レーザ光Lの強度及び照射
スポット径は画像形成装置の解像度及び所望の画像濃度
によって適正に設定されており、感光体ドラム11上の
静電潜像はレーザ光Lが照射された部分は明部電位VL
に、そうでない部分は一次帯電器12で帯電された暗部
電位VD に保持されることによって形成する。
【0132】感光体ドラム11は矢印の反時計方向に回
転して静電潜像は現像器14によって順次現像される。
現像器14内のトナーはトナー供給回転体である現像ス
リーブ14aと現像ブレード14bとによって、トナー
高さ、トリボを制御され、現像スリーブ上14aに均一
なトナー層を形成する。現像ブレード14bとしては通
常金属製若しくは樹脂製のものが用いられ、樹脂系のも
のは現像スリーブ14aに対して適正な当接圧をもって
接している。現像スリーブ14a上に形成されたトナー
層は現像スリーブ14a自身の回転にともない感光ドラ
ム11に対向し、現像スリーブ14aに印加されている
電圧VDCと感光ドラム11の表面電位が形成する電界に
よりVL の部分だけ選択的に顕像化する。
【0133】感光体ドラム11上のトナー画像は転写装
置15によって、給紙装置から送られてきた紙Pに順次
転写される。転写装置としては図に示したコロナ帯電器
以外に、導電弾性回転体に電源から電流を供給して紙に
転写電荷を付与しながら搬送する転写ローラ方式があ
る。
【0134】トナー画像を転写された紙は感光体ドラム
11の回転と共にシートパス22から定着装置100へ
と送り出され、加熱加圧により永久固着画像となる。
【0135】16はクリーナであり、転写後の回転感光
体ドラム11の面から転写残りトナー等の残留付着物を
除去する。
【0136】17は給紙カセットであり、被記録材とし
ての転写紙Pを積載収納してあり、該積載転写紙Pが給
紙ローラ18の回転により一枚分離給紙され、シートパ
ス19、レジストローラ対20、シートパス21を経由
して所定の制御タイミングで転写部に給送される。
【0137】定着装置100を出たトナー像定着済みの
紙Pはシートパス23、排紙ローラ対24を経由して排
紙トレイ25上に排出される。
【0138】PCはプリンタ本体に対して着脱交換自在
のプロセスカートリッジであり、本例の場合は感光体ド
ラム11・帯電器12・現像器14・クリーナ16の4
つのプロセス機器を包含させてある。プロセスカートリ
ッジPCに包含させるプロセス機器の組み合わせは上記
に限られるものではなく任意である。
【0139】〈第5の実施例〉(図15) 加熱定着装置100の装置構成は上述の実施形態例の加
圧ローラ駆動方式に限られるものではない。
【0140】例えば、図15の(a)ように、磁界発生
手段としての励磁コイル4・磁性コア5を支持させたフ
ィルムガイド3と、駆動ローラ31と、テンションロー
ラ32との間に、エンドレスベルト状の電磁誘導発熱性
定着フィルム2を懸回張設し、フィルムガイド3の下面
部と従動回転加圧ローラ6とを定着フィルム2を挟んで
圧接させて定着ニップ部Nを形成させ、定着フィルム2
を駆動ローラ31によって回転駆動させる装置構成にす
ることもできる。
【0141】(b)の装置のように、磁界発生手段とし
ての励磁コイル4・磁性コア5を支持させたフィルムガ
イド3と、駆動ローラ31との間に、エンドレスベルト
状の電磁誘導発熱性定着フィルム2を懸回張設し、フィ
ルムガイド3の下面部と従動回転加圧ローラ6とを定着
フィルム2を挟んで圧接させて定着ニップ部Nを形成さ
せ、定着フィルム2を駆動ローラ31によって回転駆動
させる装置構成にすることもできる。
【0142】(c)の装置のように、電磁誘導発熱性定
着フィルム2をロール巻きにした長尺のウエブ状部材に
し、これを繰り出し軸33側から、磁界発生手段として
の励磁コイル4・磁性コア5を支持させたフィルムガイ
ド3の下面を経由させて巻き取り軸9側に係止させ、フ
ィルムガイド3の下面部と従動回転加圧ローラ6とを定
着フィルム2を挟んで圧接させて定着ニップ部Nを形成
させ、定着フィルム2を繰り出し軸33側から巻き取り
軸34側へ所定の速度で巻き取り走行移動させる装置構
成である。
【0143】〈第6の実施例〉(図16) 電磁誘導発熱性部材は固定部材とした装置構成のものと
することもできる。図16はその例を示すものである。
【0144】2Aは下側フィルムガイド3aの下面部に
固定して配設した電磁誘導発熱性の横長板部材(鉄板な
どの発熱板)である。この固定の電磁誘導発熱性部材2
Aと加圧ローラ6とを耐熱性の薄肉の定着フィルムFを
挟ませて圧接させてニップ部Nを形成させてある。
【0145】励磁コイル4は横断面門型(下向きコ字
形)の磁性コア(フェライトコア)5に巻き付けて、こ
のフェライトコア5を下側フィルムガイドの内側におい
て発熱板2Aの上側に配設してある。
【0146】定着フィルムFは、例えばポリイミド樹脂
等の耐熱性ベースフィルム(支持層)とその外周面に形
成した離型層からなる円筒状の薄肉の低熱容量のフィル
ム部材(回転加熱部材)であり、円筒状のフィルムガイ
ド3にルーズに外嵌させてある。この定着フィルムF自
体は電磁誘導発熱性はない。
【0147】定着フィルムFは加圧ローラ6の回転駆動
に伴い定着ニップ部Nをその内側面が固定の電磁誘導発
熱性部材2Aの下面に密着して摺動しながら回転する
(加圧ローラ駆動方式)。
【0148】固定の電磁誘導発熱性部材2Aは励磁コイ
ル4に交番電流が印加されることで生じる交番磁束をフ
ェライトコア5で集中的に受けて電磁誘導発熱する。
【0149】そして定着ニップ部Nの定着フィルムFと
加圧ローラ6の間に記録材Pが導入されて定着フィルム
Fと一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく過程に
おいて、固定の電磁誘導発熱性部材2Aの発熱エネルギ
ーを定着フィルムFを介して受けて加熱され、トナー画
像tの定着がなされる。
【0150】本例では定着フィルムFに電磁誘導発熱層
を持たないために安価な構成となり、また柔軟性も富む
ために定着フィルムFを小径化することができて装置を
小型化しやすいという特徴がある。
【0151】定着フィルムFの層構成は上記例に限ら
ず、耐熱性ベースフィルムと離型層との間に弾性層を介
在させるなど他の層構成のものにすることもできる。
【0152】〈その他〉 1)上述の各実施例の加熱定着装置100においては加
圧ローラ6を位置固定して配置し、これに定着フィルム
アセンブリ(加熱アセンブリ)1を付勢手段により押圧
して両者間に定着ニップ部Nを形成させているが、逆に
定着フィルムアセンブリ1側を位置固定しこれに加圧ロ
ーラ6を付勢手段により押圧して定着ニップ部Nを形成
させてもよいし、定着フィルムアセンブリ1側と加圧ロ
ーラ6側の両方をそれぞれ付勢部材で相互押圧させて定
着ニップ部Nを形成させてもよい。
【0153】2)磁界発生手段としての励磁コイル4や
磁性部材(磁性コア)5の形態は実施例のものに限られ
ないことは勿論である。
【0154】3)画像形成装置の画像形成原理・方式は
電子写真プロセスに限らず、転写方式あるいは直接方式
の静電記録プロセス、磁気記録プロセスなどその他任意
である。
【0155】4)加圧部材6はローラ体に限らず、回動
ベルト型など他の形態の部材にすることもできる。
【0156】第3の実施例のように加圧部材6を加熱す
る場合の加熱手段はハロゲンヒータHに限らず、その他
の加熱手段であってもよいことは勿論である。
【0157】5)本発明の加熱装置は実施例の加熱定着
装置としてに限らず、画像を担持した記録材を加熱して
つや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着する像加
熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装置、加熱ラミネ
ート装置など、広く被加熱材を加熱処理する手段・装置
として使用できる。
【0158】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電磁誘導加熱方式の加熱装置について、小熱容量の加熱
装置を実現して省電力動作を可能とし、しかも長時間の
動作においても安定した加熱動作を実現できる。
【0159】またこの電磁誘導加熱方式の加熱装置を像
加熱装置(画像定着装置)として用いた画像形成装置に
ついて、ウエイトタイムの短縮を可能とし、省電力で画
像形成を行なうとともに、フルカラー画像のようなトナ
ー量の多い画像に対しても高画質を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における画像形成装置例の概略構
成図
【図2】電磁誘導加熱方式加熱装置としての加熱定着装
置の横断面模型図
【図3】磁界発生手段(励磁コイル・磁性コア)部分の
斜視模型図と励磁回路系のブロック図
【図4】電磁誘導発熱性定着フィルムの層構成模型図
(その1)
【図5】電磁誘導発熱性定着フィルムの層構成模型図
(その2)
【図6】励磁コイルに対する電圧印加時間の説明用グラ
フ図
【図7】第1の実施例の原理を説明するグラフ図
【図8】制御動作フロー図
【図9】第2の実施例の原理を説明するグラフ図(その
1)
【図10】第2の実施例の原理を説明するグラフ図(そ
の2)
【図11】第2の実施例の原理を説明するグラフ図(そ
の3)
【図12】制御動作フロー図
【図13】第3の実施例の加熱定着装置の横断面模型図
【図14】第4の実施例における画像形成装置の概略構
成図
【図15】(a)・(b)・(c)はそれぞれ加熱定着
装置の他の構成形態例の概略図
【図16】第6の実施例の加熱定着装置の横断面模型図
【符号の説明】
100 電磁誘導加熱方式の加熱装置(加熱定着装
置)の総括符号 1 定着フィルムアセンブリ(加熱アセンブリ) 2 電磁誘導発熱性定着フィルム 3(3a・3b) フィルムガイド 4 励磁コイル 5 磁性部材(磁性コア、フェライトコア) 6 加圧ローラ 7 励磁回路 8 温度検知素子(NTC素子) 9 マイコン 10 矩形波発生回路 S 電源 M 加圧ローラ駆動手段 N 定着ニップ部 P 被加熱材(記録材) t トナー画像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辛島 賢司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 佐野 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 谷川 耕一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁誘導発熱性部材に磁界発生手段の交
    番磁束を作用させて発熱させ、その発熱により被加熱材
    を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置であって、 磁界発生手段としての励磁コイル及び磁性部材と、励磁
    コイルに給電する励磁回路と、該励磁回路の出力を制御
    して電磁誘導発熱性部材の温度を制御する温度制御手段
    を有し、 上記温度制御手段は装置の被加熱材加熱動作時の上記磁
    界発生手段の磁性部材の磁心損失が装置の立上時よりも
    小さくなるように電磁誘導発熱性部材の温度を制御する
    ことを特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】 励磁回路が励磁コイルに供給する励磁電
    圧の周波数に関して、電磁誘導発熱性部材の温度を被加
    熱材加熱動作時の温度に維持する時に供給する周波数f
    1と、装置の立上時に供給する周波数f2が、f1≧f
    2であることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 【請求項3】 電磁誘導発熱性部材は回転体であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の加熱装置。
  4. 【請求項4】 磁界発生手段としての励磁コイル及び磁
    性部材は電磁誘導発熱性部材である回転体の中空部に配
    されていることを特徴とする請求項3に記載の加熱装
    置。
  5. 【請求項5】 電磁誘導発熱性部材である回転体は円筒
    フィルム状抵抗体からなることを特徴とする請求項3又
    は4に記載の加熱装置。
  6. 【請求項6】 装置が、記録材に熱軟化性有色樹脂の顕
    画剤を溶融定着させる像加熱装置であることを特徴とす
    る請求項1ないし5の何れか1つに記載の加熱装置。
  7. 【請求項7】 装置が、記録材に熱軟化性有色樹脂の顕
    画剤を溶融定着させる像加熱装置であって、磁性部材の
    磁心損失の最小値を与える温度は熱軟化性有色樹脂の顕
    画剤のガラス転移温度以上であることを特徴とする請求
    項1ないし5の何れか1つに記載の加熱装置。
  8. 【請求項8】 装置の像加熱動作時の温度を磁性部材の
    磁心損失の最小値を与える温度近傍に維持することを特
    徴とする請求項6又は7に記載の加熱装置。
  9. 【請求項9】 記録材上に未定着画像を形成し、この未
    定着画像を担持した記録材を定着装置を通過させること
    により未定着画像を永久画像ならしめる画像形成装置で
    あって、 上記定着装置に請求項1ないし8の何れか1つに記載の
    加熱装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】 即時画像形成可能な待機状態をもち、
    この待機状態において定着装置に電力を供給せず、画像
    形成動作とともに定着装置に電力を供給することを特徴
    とする請求項9に記載の画像形成装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6195525B1 (en) 1998-12-21 2001-02-27 Fuji Xerox Co., Ltd. Electromagnetic induction heating device and image recording device using the same
US6607864B2 (en) 2001-06-20 2003-08-19 Fuji Xerox Co., Ltd. Image forming method
JP2006078603A (ja) * 2004-09-07 2006-03-23 Ricoh Co Ltd 定着装置および画像形成装置
JP2009181946A (ja) * 2008-02-01 2009-08-13 Dainippon Printing Co Ltd 導電性基板及びその製造方法
US7885571B2 (en) 2005-09-14 2011-02-08 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus, fixing unit, and heating system capable of heating at increased speed with reduced power
US8290387B2 (en) 2008-08-27 2012-10-16 Canon Kabushiki Kaisha Image heating apparatus

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