JP4915397B2 - 定着装置および画像形成装置。 - Google Patents

定着装置および画像形成装置。 Download PDF

Info

Publication number
JP4915397B2
JP4915397B2 JP2008161268A JP2008161268A JP4915397B2 JP 4915397 B2 JP4915397 B2 JP 4915397B2 JP 2008161268 A JP2008161268 A JP 2008161268A JP 2008161268 A JP2008161268 A JP 2008161268A JP 4915397 B2 JP4915397 B2 JP 4915397B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
fixing belt
layer
heat generation
fixing device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008161268A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010002658A (ja
Inventor
のぼる 米川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Business Technologies Inc
Original Assignee
Konica Minolta Business Technologies Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Business Technologies Inc filed Critical Konica Minolta Business Technologies Inc
Priority to JP2008161268A priority Critical patent/JP4915397B2/ja
Publication of JP2010002658A publication Critical patent/JP2010002658A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4915397B2 publication Critical patent/JP4915397B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関し、特に、電磁誘導加熱方式を用いた定着装置およびこれを用いた画像形成装置に関する。
コピー機、プリンタ等の画像形成装置に用いられる定着装置として、近年、省エネルギー化の観点から、ハロゲンヒータを熱源とするものに代わって電磁誘導加熱方式のものが採用され始めている(特許文献1)。
図8(a)は、その一例として示す定着装置300の概略構成を示す断面図である。
図8(a)に示すように、定着装置300は、定着ローラ302、加圧ローラ304、磁束発生装置306などを備えている。
定着ローラ302は、中心軸となる芯金308から順に断熱層310、電磁誘導発熱層312、弾性層314、離型層316が形成された構成を有している。芯金308は、アルミニウム製のパイプ材などが用いられる。断熱層310は、厚さ3[mm]〜10[mm]程度のシリコンスポンジ材などが用いられる。電磁誘導発熱層312は、厚さ10[μm]〜100[μm]程度のニッケル電鋳ベルトが用いられる。弾性層314は、厚さ100[μm]〜300[μm]程度のシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性エラストマーが用いられる。離型層316には、厚さ10[μm]〜50[μm]程度のシリコンゴム、フッ素ゴム、あるいはフッ素系樹脂が用いられる。
加圧ローラ304は、鉄製の芯金318の外周に断熱・弾性層320、離型層324をこの順に設けた構成を有している。断熱・弾性層320には、シリコン発泡ゴムなどが用いられる。離型層324は、定着ローラ302と同様に、厚さ10[μm]〜50[μm]程度のシリコンゴム、フッ素ゴム、あるいはフッ素系樹脂が用いられる。加圧ローラ304は定着ローラ302に対し押圧して設けられており、両ローラ302,304の接触面が適度に弾性変形して適切なニップが形成される。また、加圧ローラ304を回転駆動することにより、定着ローラ302がこれに従動して回転する。
磁束発生装置306は、コイルボビン326、励磁コイル328、およびコア330などからなる。
コイルボビン326は、半円筒形をし、耐熱性プラスチックなどからなる。励磁コイル328は、コイルボビン326の外周に沿って、紙面に垂直な方向が長手方向となる(陸上競技の)トラック状に巻回されている。このように、横断面が円弧状をしたコイルボビン326に巻回したコイルとすることにより、定着ローラ302の電磁誘導発熱層に効果的に磁束を集中させることが可能となる。
上記構成からなる定着装置300において、加圧ローラ304を回転駆動させると共に、励磁コイル328に高周波の交流電流を通電する。これにより、励磁コイル328から磁束が発生し、当該磁束によって励磁コイル328に面している電磁誘導発熱層312部分に渦電流が生じ、その結果、当該電磁誘導発熱層312部分が発熱(ジュール熱)する。
電磁誘導発熱層312の発熱部分は、回転してニップ部に至り、ここにおいて両ローラ302,304で加圧される記録シート上のトナーを加熱して当該トナー像が記録シートPに定着される。
電磁誘導加熱方式の定着装置300によれば、発熱体が僅か数10[μm]程度の厚みであり熱容量が少ないため、所定の温度まですばやく昇温する。これによりウォームアップ時間の短縮化が図られる。
特開2007−226126号公報 特開2007−279672号公報 特開平11−327331号公報(特許第3988251号公報)
しかしながら、定着装置300の定着ローラ302では、芯金308と電磁誘導発熱層312との間に断熱層310を設けているとはいえ、電磁誘導発熱層312で発生した熱は僅かながら断熱層310へと逃げ、その分の熱量はトナー像の定着に寄与しなくなるため、熱の利用効率を改善する余地がある。
そこで、特許文献2に記載されているように、図8(b)のような構成とすることが考えられる。すなわち、図8(a)の定着ローラ302の構成部分の内、芯金308と断熱層310からなる部分を小径化すると共に、電磁誘導発熱層312、弾性層314、離型層316からなる部分はそのまま残し、無端ベルト状(円筒状)とする。このように構成したベルトを定着ベルト340と称することとする。これにより、電磁誘導発熱層312の内周面の大半は他の部材と接触することが無く、専ら、熱伝導性の低い空気に触れているだけであるため、電磁誘導発熱層312で発生した熱は、他へ逃げにくく、熱の利用効率が向上することとなる。なお、定着ベルト340の厚みは、高々数100[μm]程度であるため、定着ベルト340走行中に定着ベルト340が大きく変形するのを防止するため、その内側には、半円筒形をした摺接部材342が設けられている。摺接部材342は、定着ベルト340の円滑な走行を確保するため、定着ベルト340に張力がほとんどかからないない状態で設置されている。
ところが、摺接部材342により定着ベルト340が大きく変形することは防止できるものの、定着ベルト340は走行中に、いわゆるばたつきが生じる。すなわち、理想とする円軌道から定着ベルト340の実際の走行軌道がずれてしまう。
このばたつきによって、定着ベルト340表面が、例えば、ボビン326に擦れて傷がつくおそれがある。このため、ボビン326(励磁コイル328)は、図8(a)に示す定着装置300よりも、電磁誘導発熱層312から離間する必要が生じ、これが原因で、電磁誘導発熱層312の発熱効率が低下してしまう。
ばたつきを抑制するため、摺接部材342で定着ベルト340に張力をかけることが考えられるが、そのようにすると、定着ベルト340で発生した熱が摺接部材342に逃げてしまって、熱の利用効率が低下する上、定着ベルト340の磨耗が激しくなってベルト寿命が短くなるという問題が発生する。
なお、上記の問題は、励磁コイルのボビンを有する定着装置に限らない。別途巻回された励磁コイルがボビン無しで設置された定着装置にも発生する(この場合は、定着ベルトの励磁コイルに対する擦れが問題になる。)。
本発明は、上記した課題に鑑み、定着ベルトを採用した電磁誘導加熱方式の定着装置であって、定着ベルトがばたついたとしても、その表面に傷がつきにくく、かつ、発熱効率が可能な限り損なわれない、定着装置を提供すること、および、そのような定着装置を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、仮想円筒外周面の半周上に沿って巻回された励磁コイルと、前記仮想円筒に内包され、当該仮想円筒より小さな円筒状をした定着ベルトと、前記仮想円筒の残りの半周側において、前記定着ベルトに内接する定着ローラと、前記定着ベルトに外接し、当該定着ベルトを介して前記定着ローラを押圧する加圧ローラとを備え、前記励磁コイルの作る交番磁界によって前記定着ベルトを加熱しつつ、搬送されてくる記録シートを、周回走行する前記定着ベルトの外周と前記加圧ローラの外周とで形成されるニップ部を通過させて当該記録シート上のトナー像を溶融定着させる定着装置であって、前記仮想円筒の軸心が、前記定着ベルトの軸心よりも前記ニップ部寄りになるように前記励磁コイルが配されており、前記仮想円筒の半径の前記定着ベルトの半径に対する相対的な大きさが、両者の間の間隙が、前記定着ベルトが周回走行による変形を受けないとした場合の理想円軌道に対する当該定着ベルトの周回走行中に生じるばたつき量よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、記録シート上に形成されたトナー像を定着装置により溶融定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、当該定着装置として、上記定着装置を備えることを特徴とする。
上記構成からなる定着装置によれば、定着ベルトを内包する仮想円筒外周面の半周上に沿って励磁コイルが巻回されており、前記仮想円筒の軸心が、前記定着ベルトの軸心よりもニップ部寄りになるように前記励磁コイルが配されているため、前記仮想円筒の前記半周部分と定着ベルトとの間の径方向の間隙は、当該半周部分の中央からその両端に行くにしたがって拡がることとなる。よって、当該両端部に対応する部分で生じる定着ベルトのばたつきに起因し、当該定着ベルト表面に傷がつくことを可能な限り防止することができる。また、摺接部材で定着ベルトに積極的に張力かける必要もないため、これが原因で発熱効率が損なわれることもない。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
<実施の形態1>
1.画像形成装置(カラープリンタ)の全体構成
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置の一例として示すカラープリンタ2の概略構成を示す図である。
図1に示すように、カラープリンタ2は、中間転写ベルト4を有するいわゆるタンデム方式のカラープリンタである。
中間転写ベルト4は、無端状ベルト部材であり、駆動ローラ6と従動ローラ8によって張架されていて、駆動ローラ6により矢印Aの方向に走行駆動される。
中間転写ベルト6の下部に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成部10Y,10M,10C,10K、および画像濃度センサ12が配置されている。画像濃度センサ12は、レジストセンサとしての機能をも有している。
各色の画像形成部10Y,10M,10C,10Kはいずれも同様の構成である。よって、画像形成部10Yを代表にして説明する。画像形成部10Yは、感光体ドラム14と、その周囲に配置された帯電装置16、露光装置18、現像装置20、クリーナ装置22を有している。また、中間転写ベルト4を挟んで感光体ドラム14に対向する位置に、1次転写装置24が配置されている。
画像形成部10Y,10M,10C,10Kの下方には、記録シートPを収容し給紙する給紙装置26が設けられている。給紙装置26は、記録シートを収容する給紙カセット28を有している。給紙カセット26の上部には、記録シートPを送り出す給紙ローラ30が設けられている。記録シートPは、給紙ローラ30によって、給紙カセットから繰り出され、搬送路32へ送出される。
搬送路32を挟んで、従動ローラ8と対向する位置に、2次転写装置34が配置されている。
さらに、記録シートPの搬送方向下流側(図中上方)の搬送路32途中には、定着装置36が配置されている。定着装置36については、後に詳述する。
定着装置36より搬送路32のさらに下流側には、排紙ローラ38および排紙トレイ40が配置されている。
カラープリンタ2は、画像形成の指示を受けると、その画像信号から各色の画像データを生成する。生成された各色の画像データは、対応する画像形成部10Y,10M,10C,10Kにそれぞれ送出される。各色の画像形成部10Y,10M,10C,10Kは、画像データに基づいて、帯電装置16により一様に帯電されたそれぞれの感光体ドラム14を露光して静電潜像を形成する。形成された静電潜像は、現像装置20によって、トナー像として現像される。
形成されたトナー像は、1次転写装置24によって、走行する中間転写ベルト4に順次転写され、重ね合わされる。中間転写ベルト4に重ね合わされたトナー像は、2次転写装置34によって、搬送路32を搬送される記録シートPに転写される。
トナー像を担持した記録シートPは、さらに搬送されて定着装置36に至り、定着装置36によって加熱されるとともに加圧される。これにより、トナー像が記録シートPに溶融定着される。トナー像が定着された記録シートPは、排紙ローラ38によって排紙トレイ40に排出される.
2.定着装置の構成
(1)全体構成
次に、定着装置36の構成について、図2、図3を参照しながら説明する。
図2は、定着装置36の概略構成を示す斜視図であり、図3は、定着装置36の横断面図である。
定着装置36は、図2、図3に示すように、加熱ローラ42、加圧ローラ44、磁束発生部46を有している。
加熱ローラ42と加圧ローラ44とは互いに平行に配置され、いずれも回転自在に支持されている。加圧ローラ44は、加熱ローラ42へ向けてその軸芯と垂直の方向に付勢されている。これにより、加熱ローラ42と加圧ローラ44との間にニップが形成される。ニップの出口(図3中右側)の近傍には、定着後の記録シートPを加熱ローラ42から分離するための分離爪48(図2で不図示)が備えられている。なお、図2、図3は、図1に示す設置状態から、定着装置36を時計回りに90度回転させて示したものである。
(2)加熱ローラの構成
(a)全体構成
加熱ローラ42は、円筒状をした定着ベルト66を有している。
定着ベルト66には、定着ベルト66の内径よりも小さな外径を有する定着ローラ64が挿入され、当該定着ローラ64は、定着ベルト66の全長に渡って内接している。
また、定着ベルト66の内側には、定着ベルト66の軸心と平行に設けられた、円弧状の横断面を有する摺接部材57が設けられている。摺接部材57は、その張り出し面が定着ベルト66の内周面に摺接して、周回走行する定着ベルト66の周回経路を規制する規制部材として機能する。
加熱ローラ42の縦断面の一部の上側半分の詳細を図4に示す。
定着ローラ64は、中空の芯金50と断熱層52とを有する。芯金50と断熱層52とは互いに接着されてローラ状となっている。
摺接部材57は、補助発熱制御層55と発熱制御層54とが接着により積層されてなる板状をしている。なお、図4において、摺接部材57と定着ベルト66とを区別するため、両者の間に間隙を設けて描いているが、実際には、軽く接触している。ただし、定着ベルト66の非走行中において、摺接部材57が定着ローラ64との間で、定着ベルト66に張力を付与することはない。
本形態では、摺接部材57の上面は、定着ベルト66の内周側に沿って湾曲した曲面となっている。すなわち、発熱制御層54は、均一の厚さの円筒面の一部の形状である。そして、発熱制御層54の上面は、そのほぼ全城にわたって、定着ベルト66の後述する発熱層56に接触している。補助発熱制御層55も、均一の厚さの円筒面の一部の形状である。また、摺接部材57の下面は、定着ローラ64に接触していない。
定着ベルト66は、発熱層56、酸化防止層58、弾性層60、離型層62が互いに接合されて、無端ベルト状に形成されたものである。
本形態では、定着ローラ64の外径を小さいものとしたので、定着ベルト66と定着ローラ64との接触面積が小さい。従って、定着ベルト66から定着ローラ64へ逃げる熱の量も小さい。さらに、摺接部材57は定着ベルト66の全周でなく部分的に設けられており、軽く接触しているだけなので、摺接部材57へ逃げる熱の量も小さい。また、発熱制御層54を定着ベルト66以外の部分に設けたことから、その分、定着ベルト66は薄く形成することができる。よって、定着ベルト106の熱容量を小さくできるため、ウォームアップ時間の短縮が可能である。
(b)芯金
芯金50は、加熱ローラ42の全体を支持する支持体であり、十分な耐熱性と強度を有することが必要である。芯金50は、非磁性材で構成されている。芯金50の比透磁率は0.99〜2.0、好ましくは0.99〜1.1の範囲内とする。
また、芯金50としては、電気抵抗率の低い材料を用いる。芯金50の体積抵抗率は、1.0×10-8[Ωm]〜10.0×10-8[Ωm]、好ましくは1.0×10-8[Ωm]〜2.0×10-8[Ωm]の範囲内のものとする。特に、本形態では、芯金50には、高温において発熱制御層54よりも低抵抗である材料を用いる。芯金50としては、例えば、厚さ4[mm]程度で、外径15[mm]〜25[mm]の銅製パイブとするとよい。あるいは、上記の比透磁率及び体積抵抗率の範囲内であれば、ステンレススティール(SUS)、アルミニウム等を用いることもできる。ここで、本発明における「高温」とは、過昇温状態である温度範囲のことであり、本形態では発熱制御層54のキュリー温度を超えた温度範囲に相当する。
(c)断熱層
断熱層52は、定着ベルト66に発生した熱を芯金50へ逃がさないためのものである。そのために、熱伝導率が低く、かつ耐熱性および弾性を有する、ゴム材や樹脂材からなるスポンジ体(断熱構造体)のものが好ましい。このようなものとすれば、定着ベルト66のたわみを許容し、ニップ幅を大きく保つことができる。また、加熱ローラ42全体としての硬度を小さくして、定着性や通紙性等を良好なものとできる。また、断熱層52として、ソリッド体とスポンジ体との2層構造のものを使用してもよい。
また、例えば、断熱層52として、シリコンスポンジ材を用いる場合は、厚さ1[mm]〜10[mm]、さらに好ましくは2[mm]〜7[mm]のものを使用するとよい。また、この断熱層52の硬度は、アスカーC硬度で20[度]〜60[度]、さらに好ましくは、30[度]〜50[度]の範囲内とする。なお、この加熱ローラ42全体としてのローラ硬度は、アスカーC硬度で30[度]〜90[度]程度が好ましい。
(d)補助発熱制御層
補助発熱制御層55は、非磁性材で構成されている。補助発熱制御層55の比透磁率は0.99〜2.0、望ましくは0.99〜1.1の範囲内とする。
また、補助発熱制御層55としては、電気抵抗率の低い材料を用いる。補助発熱制御層55の体積抵抗率は、1.0×10-8[Ωm]〜10.0×10-8[Ωm]、望ましくは1.0×10-8[Ωm]〜2.0×10-8[Ωm]の範囲内のものとする。特に本形態では、補助発熱制御層55には、高温において発熱制御層54よりも低抵抗である材料を用いる。補助発熱制御層55としては、例えば、厚み0.2[mm]〜1.0[mm]程度の銅製とするとよい。あるいは、上記の比透磁率及び体積抵抗率の範囲内であれば、ステンレススティール(SUS)、アルミニウム等の材質のものを用いることもできる。ここで、本発明における 「高温」とは、過昇温状態である温度範囲のことであり、本形態では発熱制御層54のキュリー温度を超えた温度範囲に相当する。
(e)発熱制御層
発熱制御層54としては、常温において、補助発熱制御層55よりも適度に体積抵抗率の大きい磁性体を用いる。さらに。本形態では、定着温度と同程度の温度にキュリー点を有する材質を用いる。例えば、比透磁率は、50〜2000、好ましくは100〜1000の範囲内のものとする。また、キュリー温度より低温の温度範囲での体積抵抗率は、2×10-8[Ωm]〜100×10-8[Ωm]、好ましくは5×10-8[Ωm]〜100×10-8[Ωm]の範囲内のものとする。なお、発熱制御層54の厚さは、20[μm]〜200[μm]、好ましくは40[μm]〜100[μm]の範囲内とすることが良い。
また、目標とする定着温度が約180[℃](170[℃]〜190[℃])の場合には、キュリー温度は、150[℃]〜220[℃]、好ましくは180[℃]〜200[℃]の範囲内のものとする。本例では、キュリー温度が190[℃]のパーマロイ(Ni-Fe系透磁率合金)を使用している。パーマロイでは、ニッケルの比率が高いほどキュリー温度の高いものを得ることができるので、その成分比によって発熱制御層54のキュリー温度を調整する。また、クロム、コバルト、モリブデン等を含む合金とすることによってもキュリー温度の調整が可能である。
(f)発熱層
発熱層56は、磁束発生部46によって発生される磁束を受けて誘導電流が誘起され、それによって発熱する層である。本形態では、この発熱層56として非磁性材によるものを用いる。特に、銅、銀等の良好な導電性を有する材質で構成する。これらは、比透磁率は低いが、薄膜にすることにより、磁性材料を使用した場合よりさらに発熱効率のよい発熱層56を得ることができる。発熱層56の比透磁率は、1.0〜2.0の範囲内が望ましい。さらに、良好な発熱性を得るために、この発熱層56をごく薄く形成する。発熱層56の厚さは、5[μm]〜40[μm]の範囲内が好ましい。本形態では、厚さ10[μm]の銅で形成されている。ただし、発熱層56を銅で形成した場合には、後述する弾性層60からの剥離を防止するため、後述する酸化防止層58を設けることとする。
また、発熱層56の体積抵抗率は、高温において、発熱制御層54より小さいものとする。高温における発熱層56の体積抵抗率は、補助発熱制御層55とほぼ同程度であることが望ましい。具体的には、1.0×10-8[Ωm]〜10.0×10-8[Ωm]、望ましくは1.0×10-8[Ωm]〜2.0×10-8[Ωm]の範囲内であることが望ましい。
また、例えば、発熱層56として、ニッケル等の磁性材を用いても良い、磁性材を用いた場合、厚みを例えば40[μm]〜100[μm]と厚く構成しても発熱が得られる。また例えば、樹脂に銅、銀等の導電材の粒子を分散させたものとしてもよい。あるいは、樹指材にこれらの導電材をコーティングしたものとしてもよい。発熱層56として、樹脂ベースのものを用いれば、定着ベルト66全体としての柔軟性がさらに大きくなり、記録シートの分離性を向上させることができる。
(g)酸化防止層
酸化防止層58は、発熱層56の酸化を防止するためのものである。この酸化防止層58が外気(空気)の発熱層56への接触を防ぐことで、発熱層56と弾性層60の間の酸化防止層58を介した接合状態が長期間に渡って良好に維持される。特に、本例では、発熱層56に銅を含むため、何らの手当てをしない場合には、酸化皮膜の成長が激しい上、酸化皮膜自体の強度が非常に弱く、酸化皮膜層部分で剥離が発生するおそれがある。
また、酸化防止層58の材料としては、通気性が皆無である金属材料が好ましく、発熱性能への影響を少なくするためには、なるべく非磁性かつ低抵抗の材料で薄く形成すると更に良い。特に、ニッケル、クロム、銀は、薄肉形成可能で発熱性能への影響が小さく、弾性層60との接着性も良好なため適している。
上記金属材料で酸化防止層58を形成した場合の厚みとしては0.5[μm]〜5[μm]の範囲内であることが望ましい。厚さが0.5[μm]未満ではピンホールによってシール性が悪化するおそれがあり、厚さが5[μm]を超えると発熱性能に影響し、特に過昇温の防止効果に悪影響を与えるからである。なお、厚さに因る発熱性能への影響については後述する。
また、酸化防止層58の材料としてポリイミド樹脂を用いても良い。ポリイミド樹脂は絶縁体であるため後述する発熱性能への影響は皆無である。しかし、金属材料に比べ若干の通気性を有するため厚みは3[μm]〜30[μm]が望ましい。厚さが3[μm]未満であるとシール性が不十分となり発熱層(銅層)表面が酸化し、一方、厚みが30[μm]を超えていると、発熱層56で発生した熱を加熱ローラ42の外周面まで到達させることが難しく、熱効率が悪くなるからである。
(h)弾性層
弾性層60は、トナー像に均一かつ柔軟に熱を伝えるためのものである。この弾性層60が適度な弾性を有することにより、トナー像が押しつぶされたり不均一な溶融となったりすることによる画像ノイズの発生を防止できる。そのために、弾性層60には、耐熱性と弾性とを有するゴム材や樹脂材を用いる。その材料としては、例えば、定着温度での使用に耐えられるシリコーンゴム、フッ素ゴムその他の耐熱性エラストマーが適している。また、上記の材料に、熱伝導性や補強等を目的とした各種の充填材を混入したものでもよい。例えば、熱伝導性の向上のために充填される粒子の例としては、ダイヤモンド、銀、銅、アルミニウム、大理石、ガラス等が挙げられる。実用的には、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化ベリリウム等が好ましい。
弾性層60としては、厚さ10[μm]〜800[μm]、さらに望ましくは100[μm]〜300[μm]の範囲内のものとする。弾性層60の厚さが10[μm]未満では厚さ方向の十分な弾力性を得ることが難しく、一方、厚さが800[μm]を超えていると、発熱層56で発生した熱を加熱ローラ42の外周面まで到達させることが難しく、熱効率が悪くなるからである。
弾性層60の硬度は、JIS A硬度で1[度]〜80[度]、さらに望ましくは5[度]〜30[度]の範囲内のものとする。この範囲内の硬度であれば、弾性層60の強度の低下や密着性の低下を防止しつつ、安定した定着性を確保できる。硬度がこの範囲内となるシリコーンゴムとして、例えば、1成分系、2成分系、または3成分系以上のシリコーンゴム、LTV(Low Temperature Vulcanizable:低温加硫)型、RTV (Room Temperature Vulcanizable:常温加硫)型、またはHTV(High Temperature Vulcanizable:高温加硫)型のシリコーンゴム、縮合型または付加型のシリコーンゴム等が使用できる。本例では、JIS A硬度10[度]で厚さ200[μm]のシリコーンゴムを使用している。
(i)離型層
離型層62は、加熱ローラ42の最外層をなし、加熱ローラ42と記録シートとの離型性を高めるためのものである。離型層62としては、定着温度での使用に耐えられるとともにトナーに対する離型性に優れたものを使用する。例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴム、あるいはPFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)、PTFE(四フッ化エチレン)、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化エチレン共重合体)、PFEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)等のフッ素樹脂が好ましい。あるいは、これらを混合したものでもよい。
離型層62の厚さは5[μm]〜100[μm]、さらに望ましくは10[μm]〜50[μm]の範囲内のものとする。また、離型層62と弾性層60との接着力を向上させるために、プライマー等による接着処理を行ってもよい。また、離型層62の中に、必要に応じて、導電材、耐摩耗材、良熱伝導材等をフィラーとして添加してもよい。
(j)加熱ローラの製法
本形態では、補助発熱制御層55となる銅の圧延材と発熱制御層54となるパーマロイの圧延材とを重ねてクラッド材化し、当該クラッド材をプレス加工により加工して摺接部材57としている。あるいは、発熱制御層54となるパーマロイの圧延材に銅メッキを施して、補助発熱制御層55を形成しても構わない。
また、発熱層56となる銅の圧延材と酸化防止層58となるニッケルの圧延材とを重ねてクラッド材化する。当該クラッド材を、絞り加工、スピニング加工、あるいはDI加工(ドローイング・アイアニング加工)などの塑性加工により無端ベルト状に形成する。当該ベルト状部材の外周面に弾性層60となるシリコーンゴムシート及び離型層62となるフッ素ゴムシートを接着剤によって接合することにより、定着ベルト66を製造する。
あるいは、発熱層56のみを塑性加工により円筒形の無端ベルト状にした後、酸化防止層58はメッキ加工により発熱層56に積層しても構わない。また、酸化防止層58にポリイミド樹脂を用いる場合は、発熱層56の外表面に、ポリアミック酸溶液(ポリイミド前駆体)を塗布し、これを高温で乾燥・焼き付けをすることによりポリイミド樹脂皮膜を形成する。
(3)加圧ローラの構成
図3に戻り、加圧ローラ44について説明する。図3に示すように、加圧ローラ44は、中空の芯金68、断熱層70、離型層72を有している。
(a)芯金
芯金68は、厚さ3[mm]で外径15[mm]〜25[mm]のアルミ製パイプである。強度が確保できれば、芯金68に代えて、PPSのような耐熱性の材質によるモールドのパイプを用いてもよい。あるいは、鉄パイプを使用することも不可能ではないが、電磁誘導による影響を受けにくい非磁性のものがより好ましい。
(b)断熱層
芯金68の外周には、断熱層70が設けられている。断熱層70は、厚さ3[mm]〜10[mm]の範囲内のシリコーンスポンジゴムからなる層である。なお、断熱層70は、一層で構成するのではなく、シリコーンゴムとシリコーンスポンジとの二層構造としてもよい。
(c)離型層
加圧ローラ44の最外周の離型層72は、加熱ローラ42の離型層62(図4)と同様に、記録シートに対するローラ表面の離型性を向上させるためのものである。離型層72は、PTFEまたはPFA等のフッ素系樹脂からなる厚さ10[μm]〜50[μm]の範囲内の層である。
なお、本形態では、加圧ローラ44は、加熱ローラ42に対して300[N]〜500[N]の荷重で加圧されており、定着装置36のニップ幅は約5[mm]〜15[mm]となっている。加圧ローラ44の荷重を変更することにより上記ニップ幅を調整することができ、上記範囲外のニップ幅に調整することも可能である。
(4)磁束発生部の構成
(a)全体構成
図2、図3に戻り、磁束発生部46について説明する。
磁束発生部46について説明する。磁束発生部46は、加熱ローラ42の外周に対面するとともに、加熱ローラ42の長手方向に沿って、加熱ローラ42に平行に配置されている。磁束発生部46は、図2、図3に示すように、励磁コイル78と磁性体コア80とコイルボビン82とを有している。本形態ではさらに、高周波インバータ84、サーミスタ86、制御部88を有している。
(b)励磁コイル
励磁コイル78は、コイルボビン82に巻回されている。図2に示すように、コイルボビン82は半円筒面82aを有し、励磁コイル78は半円筒面82aに沿って、長手方向を定着ベルト66の軸心方向と一致させて、(陸上競技の)トラック状に巻回されている。
励磁コイル78の巻回態様について、図3を参照しながら、別の表現をすると、励磁コイル78は、仮想円筒82b外周面の半周上に沿って巻回されている。なお、本例では、コイルボビン82を有するため、励磁コイル82は、実体のある円筒面(コイルボビン82の外周面)に沿って巻回されているのであるが、コイルボビン82は必ずしも必要ではない。すなわち、別途巻回された励磁コイル82をボビン無しで設置することとしても構わない(この場合でも、励磁コイル82は、円筒面に沿って巻回されている。)。そこで、コイルボビン82を有する場合と有さない場合の両方において、励磁コイル82の巻回態様を説明するために、「仮想円筒」なる概念を用いることとする。
仮想円筒82bは、その軸心82Xが、加圧ローラ44の軸心44Xおよび定着ローラ64の軸心64Xと平行で、かつ両軸心44X,64Xと同一平面上にある。また、仮想円筒82bは、これよりも小さな円筒状をした定着ベルト66を内包し、仮想円筒82bの軸心82Xは、定着ベルト66の軸心66Xよりも後述するニップ部N寄りにある。
励磁コイル82を上記のような巻回態様にしたのは、定着ベルト66のいわゆる「ばたつき」を考慮したからである。「ばたつき」とは、定着ベルト66がその走行中に、理想とする円軌道からそれてしまうことを言う。
このばたつきについて、図5を参照しながら説明する。
図5(a)は、定着ベルトのばたつきの程度の円周方向における変化を観測した結果をグラフに表した図である。定着ベルトの加圧ローラとの当接部(ニップ部)を0°とし、当該ニップ部から半時計周りを正の角、半時計周りを負の角として、それぞれ180°までのばたつき量を計測したものである。ここでの「ばたつき量」は、理想の円軌道からの半径方向の変位量の内、当該理想円軌道よりも外側に変位する量の平均値である。なお、ばたつき量は、内側から、パーマロイ発熱制御層(30[μm])、銅発熱層(10[μm])、シリコーンゴム弾性層(200[μm])、PFA離型層(30[μm])を積層してなる内径40[mm]の定着ベルトを用いて調査した。なお、当該定着ベルトの厚みは、たかだか二百数十[μm]であるため、図5および後述する図6において、定着ベルトの厚みは無視することとする。
図5(b)は、図5(a)に基づいて、ばたつき量を別のグラフとして表した図である。
図5(b)において、定着ベルトの理想の円軌道を一点鎖線で示し、ばたつき量を当該一点鎖線を囲む実線で表している。繰り返しになるが、図5(b)に示すばたつき量は、平均値であり、実際に、瞬間的には、本図に示すばたつき量を超えてばたつく。図5(b)は、定着ベルトの周方向位置におけるばたつき量の大小関係の傾向を示したものである。
図5(b)に示すように、±180°付近では、摺接部材があるため、ばたつきはあまり発生していない。摺接部材に突入する手前および摺接部材から脱出した直後付近ではばたつきが認められる。この部分でのばたつきにより、定着ベルトが例えばコイルボビンに擦れて傷がついてしまう。
以上の状況を踏まえて、本実施の形態が採った解決手法について、図6を参照しながら説明する。
図6(a)は、従来の定着装置における仮想円筒と定着ベルトとの関係を示す図であり、図6(b)は、本実施の形態に係る定着層とのおける仮想円筒と定着ベルトとの関係を示す図である。
図6(a)に示すように、従来は、仮想円筒と定着ベルトの軸心が一致している。
これに対し、本実施の形態では、仮想円筒の半径を従来よりも若干大きくすると共に、当該仮想円筒の軸心を定着ベルトの軸心に対して、ニップ部寄りに移動させることとした。
具体的に、一例を示すと、図6(a)に示すように、従来の定着ベルトの半径は20[mm]、仮想円筒の半径は23.5[mm]である。そして仮想円筒と定着ベルトの両軸心が一致しているため、仮想円筒と定着ベルトの最上部における間隙は3.5[mm]である。
これに対し、実施の形態の一例として示す図6(b)において、定着ベルトの半径は従来と同様、20[mm]である。仮想円筒の半径は、従来よりも3[mm]長い26.5[mm]である。そして、仮想円筒の軸心を定着ベルトの軸心からニップ部寄りに3.5[mm]ずらした。その結果、仮想円筒と定着ベルトの最上部における間隙は3[mm]である。
これにより、定着ベルトのばたつきが問題となる部分の定着ベルトと仮想円筒との間隙は、D1からD2に拡大されることとなるため、定着ベルトがばたついたとしても、当該定着ベルトと、例えばコイルボビンとが擦れるといった事態を可能な限り回避することができる。また、励磁コイルの巻回中心部(図6における仮想円筒の最上部)を従来よりも定着ベルトに近づけることができるため、励磁コイルの発生する磁束を定着ベルトに効率的に及ぼすことが可能になる。
厚み2[mm]のコイルボビンを用い(したがって、コイルボビンと定着ベルトとの間の、図6における定着ベルト最上部における隙間は、従来例が1.5[mm]、実施の形態が1[mm]となる。)、上記寸法関係の従来例と実施の形態に係る定着装置で実験を行った。詳細な実験結果は省略するが、従来例では、定着ベルトに傷がつき、画像ノイズが発生したのに対し、実施の形態ではそのようなことは生じなかった。また、従来例よりも実施の形態の方が、定着ベルトの昇温速度が早くなった。
上記のように構成した励磁コイル78には、高周波インバータ84が接続され、20[kHz]〜40[kHz]、100[W]〜2000[W]の高周波電力が供給される。本形態では、周波数を20[kHz]〜40[kHz]としたので、発熱効率が高く、十分高い定着温度を得ることができる。周波数を20[kHz]未満とすると、発熱効率が大きく低下してしまう。また、周波数を40[kHz]より大きくすると、連続通紙時に電力供給が不足気味となるおそれがある。このような状態では、定着ベルト66の温度が十分高くならず、定着不良が発生するおそれがあるので好ましくない。
そのため、本形態では、励磁コイル78の巻き線として、細い素線を数十〜数百本束ねてリッツ線としたものを使用している。この励磁コイル78は通電時に自己発熱する。その場合でも絶縁性を保てるように、巻き線に耐熱性の樹脂が被覆されたものを使用している。さらに、例えばファン等によって、励磁コイル78を空冷することが望ましい。なお、本形態の励磁コイル78は、その長手方向に一繋がりのものであり、複数個に分断されているものではない。
(c)磁性体コア
磁性体コア80は、磁気回路の効率を上げるためと、磁気遮蔽のためのものである。この磁性体コア80は、メインコア90、端部コア92、裾コア94を有している。メインコア90は、その横断面が図2、図3に示すようなアーチ形状のものである。メインコア90は、長さが約10[mm]のコア片を、加熱ローラ42の軸方向に複数個(本例では13個)配置したものとしている。なお、メインコア90として、断面が略「E」字の形状で、中央部に加熱ローラ42側へ突出した部分のあるものを使用しても良い。このようにすれば、さらに発熱劾率を高めることができる。また、端部コア92は、横断面が四角形状で長さが5[mm]〜10[mm]のコア片を、加熱ローラ42の両端部に配置したものである。また、裾コア94は、横断面が四角形状のものを、加熱ローラ42の長手方向寸法に略対応した範囲に連続的に配置したものである。
磁性体コア80はいずれも、高透磁率でありかつ渦電流の損失が低い材質で形成されている。本形態の磁性体コア80のキュリー温度は、140[℃]〜220[℃]、さらに望ましくは、160[℃]〜200[℃]の範囲内とすることが望ましい。本形態では高周波を用いるため、コア内における渦電流の損失が大きくなりがちである。また、パーマロイのような高透磁率の合金によるコアでは、さらに渦電流の損失が大きくなりがちである。そこで、このような材質を使用する場合は薄板を積層した構造のコアとすることが望ましい。なお、励磁コイル78と磁性体コア80とによる磁気回路部分の磁気遮蔽が、他の手段によって十分にできる場合には、コアなし(空芯)にしてもよい。さらに、磁性体コア80として、樹脂材に磁性粉を分散させたものを用いることもできる。この素材は、透磁率はやや低いが、形状を自由に設定できるという利点がある。
(5)サーミスタ
さらに本形態では、加熱ローラ42の表面に当接して配置されたサーミスタ86を有している。サーミスタ86は、加熱ローラ42のローラ軸方向について、どのサイズの用紙を通紙した場合でも用紙が通過する箇所に配置される。例えば、左寄せで通紙される画像形成装置であれば、加熱ローラ42の左端部の近くである。また、加熱ローラ42の回転方向について、定着ニップの入口よりやや上流側に配置されている。このサーミスタ86によって、加熱ローラ42の定着前の場所における表面温度が検出される。
そして、定着処理時には、サーミスタ86によって検出された表面温度が適切な定着温度の範囲内となるように、制御部88によって高周波インバータ84が制御される。適切な定着温度は、トナーの種類等に応じてあらかじめ設定されており、例えば、100[℃]〜200[℃]程度である。なお、加熱ローラ42の表面温度の検出は、サーミスタ86に限らず、非接触式の温度センサによって行ってもよい。
(6)定着装置の動作
次に、本形態の定着装置36による定着処理動作について説明する。本形態の定着装置36では、加圧ローラ44が定着ベルト66を介して定着ローラ64に押圧されていて、これらの間にニップ部Nが形成されている。定着処理時には、図3中に矢印で示すように、加圧ローラ44が図中時計回り方向に回転駆動される。これにより、加熱ローラ42は、加圧ローラ44との摩擦力によって、図中反時計回り方向に従動回転される。なお、この駆動と従動との関係は、逆でもよい。
磁束発生部46においては、高周波インバータ84によって、励磁コイル78に高周波電力が供給される。これにより発生した磁束は、磁性体コア80の内部を通る。そして、その磁束は、磁性体コア80の突起部間で外部に出て、加熱ローラ42に至る。発熱制御層54が、そのキュリー温度より低温の常温状態であれば、発熱制御層54は透磁率の高い状態である。この状態では、発熱制御層54のシールド効果により、磁束はその反対側(加熱ローラ42のより内周側)へはほとんど漏れない。
すなわち、常温では、磁束のほとんどは、発熱層56と発熱制御層54との厚さの中を(両層内を)加熱ローラ42の周方向に進み、磁束発生部46へ戻る。このため、これらの層では磁束密度が非常に高い。従って、これらの層では発熱量が大きい。例えば、ウォームアップ時はこの状態であるので、発熱層56と発熱制御層54とがともに大きく発熱する。さらに本形態では、発熱に寄与する層(発熱層56と発熱制御層54)の熱容量が小さく、断熱層52によって定着ベルト66が断熱保持されていることから、短時間で昇温させることができる。
さらに本形態では、発熱層56が非磁性材であるものの非常に薄い層であるので、発熱層56によって大きい発熱量が得られる。このことは、次のように説明できる。一般に、高周波の交番電界を印加した場合に導電層に誘導される渦電流は、いわゆる表皮効果のために表面層に集中し、内部にはあまり流れない。表皮効果の程度は、以下の(式1)で表される。
δ=√{ρ/(π・f・μ)} …(式1)
ただし、δは浸透深さ(電流密度が表面の1/eになる深さ)、fは交番電圧の周波数、μは透磁率、ρは体積抵抗率である。ここで、浸透深さδ当たりの抵抗は、以下の(式2)に示す表皮抵抗Rで表され、このRを用いて導電層の発熱量Pは以下の(式3)で表される。
R=ρ/δ …(式2)
P=R・I …(式3)
ただし、Iは、渦電流である。
磁性材の発熱層では、この表皮効果により、層自体の厚さにかかわらず渦電流の流れる範囲が限定されるので、電流密度が大きく発熱量も大きい。非磁性材の揚合は、表皮効果が小さく、層全体に渦電流が流れる。本形態の発熱層56は、非磁性材の非常に薄い層であるので、層全体に流れたとしても電流密度が大きく、十分な発熱量を得ることができる。また、低抵抗の発熱層56があることにより、芯金50へ磁束の一部が漏れることが防止されている。
このように発生した熱は、発熱層56に接着されている酸化防止層58、弾性層60を介して、加熱ローラ42の表面へ伝達される。そして、加熱ローラ42の表面が適切な定着温度となるように、制御部88によって高周波インバータ84が制御される。トナー像を担持する記録シートPは、トナー像の載っている面を加熱ローラ42の側に向けた状態で、加熱ローラ42と加圧ローラ44との間のニップに挿通される。そして、加熱ローラ42と加圧ローラ44との間のニップを、図3中左から右へ通過する間に、トナーが溶融されて記録シートPに定着される。
ニップを通過した記録シートPは、加熱ローラ42から分離されて後段へと搬送される。記録シートPが、ニップを通過した後も加熱ローラ42に張り付いたままであれば、分離爪48によって加熱ローラ42から強制的に分離される。これにより、記録シートPが定着装置36でジャムになることが防止されている。なお、分離爪48の先端部は、加熱ローラ42の表面に接触していてもしていなくてもよい。
記録シートPの定着処理により、記録シートP及びトナーによって加熱ローラ42の表面から熱が奪われる。そのため、ローラの軸方向について記録シートPの通紙された範囲では、加熱ローラ42の表面温度が下がる。サーミスタ86は、記録シートPが通紙される箇所で温度を検出する。制御部88は、サーミスタ86の検出結果を受けて、高周波インバータ84を制御する。すなわち、次回の記録シートPが定着ニップまで搬送されてくるまでに適切な定着温度の範囲内となるように、制御部88は、高周波インバータ84から励磁コイル78に供給される高周波電力を増減する。
この定着装置36によって、比較的用紙幅の小さい記録シートPを連続して定着処理すると、通紙範囲外においては次第に熱が溜まる。そのため、加熱ローラ42の軸方向のうち、通紙範囲外においては発熱制御層54の温度が特に上昇し、その部分の温度がキュリー温度を超える場合がある。発熱制御層54の温度がキュリー温度を超えた箇所では、発熱制御層54の透磁率が大きく低下する。これにより、発熱制御層54によるシールド効果が弱くなる。すなわち、通紙範囲外の高温となった部分では、発熱制御層54の透磁率が大きく低下して、磁束の大部分が発熱層56と発熱制御層54とを貫通してさらに内周側へ漏れる。これにより、発熱層56と発熱制御層54とを通る磁束密度が大きく減少するので、これらによる発熱量も大きく低下する。
さらに本形態では、高温箇所において発熱層56と発熱制御層54とを貫いて漏れた磁束は、補助発熱制御層55に掛かる。補助発熱制御層55は、例えば銅からなり低抵抗であるので、渦電流が容易に流れる。そのため、補助発熱制御層55に掛かっている磁束による渦電流の大部分は、補助発熱制御層55中に発生する。補助発熱制御層55は低抵抗であるので、渦電流が流れてもほとんど発熱しない。また、補助発熱制御層55に発生する渦電流による逆起電力が、磁束を打ち消す方向に働く。そのため、発熱層56と発熱制御層54との磁束密度がさらに低下する。従って、発熱量がさらに低下する。これにより、高温箇所では、加熱ローラ42の半径方向のいずれの箇所でもほとんど発熱しない状態となる。
従って、過昇温となった箇所では、発熱制御層54の透磁率が変化するとともに、発熱量が大きく低下する。一方、通紙範囲内の高温となっていない部分では発熱量はほとんど変わらない。これは、この範囲においては、発熱制御層54の透磁率が低下せず、磁束密度の分布が常温状態からほとんど変化しないことによる。このように、補助発熱制御層55の機能により、発熱制御層54の透磁率の分布が変化した際に、発熱層56と発熱制御層54との発熱量をさらに低下させることができる。さらに、本形態では補助発熱制御層55の厚さが他の層に比較して大きいので、補助発熱制御層の発熱量をより抑制でき、定着装置の全体として熱効率のよいものとできる。
さらに本形態では、発熱層56と発熱制御層54とが当接されているので、表面温度の変化が発熱制御層54に素早く伝わる。従って、加熱ローラ42の一部において、その表面温度が、定着に適した温度を超えて高くなるとすぐに、その部分の発熱量が大きく低下するので、過昇温状態が続くことはない。このような効果が得られるように、発熱制御層54のキュリー温度が選択されている。また、本形態では、補助発熱制御層を摺接部材57に形成しているので、補助発熱制御層をも定着ベルトに積層した場合に比較して、定着ベルト66の熱容量は大きくない。従って、短時間でのウォームアップが可能である。
さらに本形態では、非磁性体の発熱層56を有している。特に、この発熱層56をごく薄いものとしたので、総発熱量が大きい。従って、投入電力の制御可能な範囲が広いものとなっている。また、発熱層56の熱容量が小さいので、ウォームアップ時間が短いものとなっている。
<実施の形態2>
実施の形態2に係るカラープリンタ200は、主として定着ベルトと摺接部材の構成が異なる以外は、基本的に実施の形態1のカラープリンタ2(図3)と同様である。よって、異なる部分を中心に説明し、実施の形態1のカラープリンタ2と同様の構成部材には、同一の符号を付して、その詳細な説明については省略する。
実施の形態2に係るカラープリンタ200の定着装置202の横断面図を図7に示す。
図7に示すように、定着装置202、加熱ローラ204が、定着ローラ64と定着ベルト206と摺接部材57を有している。摺接部材57の上面は定着ベルト206に接触している。実施の形態3では、定着ベルト206に、発熱制御層をも含んでいる。摺接部材57の形状は、実施の形態1の摺接部材57と同様であるが、2層構成とはなっていない。摺接部材57は、単に補助発熱制御層として機能する。このようにしても、定着ベルト206と定着ローラ64との接触面積が小さいので、定着ベルト206から定着ローラ64へ逃げる熱の量を小さくすることができる。
または、補助発熱制御層をも定着ベルトに含まれるものとしてもよい。すなわち、補助発熱制御層、発熱制御層、発熱層、酸化防止層、弾性層、離型層のすべてが含まれるものとすることもできる。この場合は、摺接部材はなくてもよい。
以上、説明したように、実施の形態3に係るカラープリンタ200によっても、実施の形態1、2と同様に、小サイズの用紙を連続通紙した場合でも、部分的な過昇温が発生せず、安定した定着性能を有するとともに高い発熱効率が得られる。
以上、本発明に係る画像形成装置についてタンデム方式のカラープリンタを例にして説明してきたが、本発明は、タンデム式のカラープリンタに限らず、他の方式のカラープリンタ、例えば、ロータリ式のカラープリンタにも適用可能である。また、カラープリンタに限らずモノクロプリンタにも適用できる。さらには、プリンタに限らず、コピー機やファクシミリ装置、あるいはこれら三つの機能を有する複合機(MFP)にも適用可能である。要は、電磁誘導加熱方式の定着装置を有し、トナー像を熱定着するような画像形成装置であれば適用できるのである。
本発明は、例えば、カラープリンタ等の画像形成装置に用いられる電磁誘導方式の定着装置に好適に利用可能である。
実施の形態に係るタンデム式カラープリンタの概略構成を示す図である。 実施の形態1に係る定着装置の斜視図である。 実施の形態1に係る定着装置の断面図である。 上記定着装置を構成する加熱ローラの縦断面の一部の上側半分を示す図である。 (a)は、定着ベルトのばたつき量の調査結果を示す図であり、(b)は、(a)に基づいて、別の形態で定着ベルト量を表した図である。 (a)は、従来の励磁コイルと定着ベルトの関係を示す図であり、(b)は、実施の形態における励磁コイルと定着ベルトの関係を示す図である。 実施の形態2に係る定着装置の断面図ある。 本発明の課題を説明するための図である。
符号の説明
36 定着装置
44 加圧ローラ
46 磁束発生部
64 定着ローラ
66,206 定着ベルト
78 励磁コイル

Claims (5)

  1. 仮想円筒外周面の半周上に沿って巻回された励磁コイルと、
    前記仮想円筒に内包され、当該仮想円筒より小さな円筒状をした定着ベルトと、
    前記仮想円筒の残りの半周側において、前記定着ベルトに内接する定着ローラと、
    前記定着ベルトに外接し、当該定着ベルトを介して前記定着ローラを押圧する加圧ローラと、
    を備え、
    前記励磁コイルの作る交番磁界によって前記定着ベルトを加熱しつつ、搬送されてくる記録シートを、周回走行する前記定着ベルトの外周と前記加圧ローラの外周とで形成されるニップ部を通過させて当該記録シート上のトナー像を溶融定着させる定着装置であって、
    前記仮想円筒の軸心が、前記定着ベルトの軸心よりも前記ニップ部寄りになるように前記励磁コイルが配されており、
    前記仮想円筒の半径の前記定着ベルトの半径に対する相対的な大きさが、両者の間の間隙が、前記定着ベルトが周回走行による変形を受けないとした場合の理想円軌道に対する当該定着ベルトの周回走行中に生じるばたつき量よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着ベルトの周回経路内側において、前記定着ベルトの軸心と平行に設けられた円弧状の横断面を有する規制部材であって、その張り出し面が当該定着ベルトの内周面に摺接して当該定着ベルトの周回経路を規制する規制部材を有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着ベルトは、前記励磁コイルの発生する磁束によって発熱する発熱層と、当該発熱層の内側に積層された、パーマロイからなる発熱制御層と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記規制部材がパーマロイからなることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  5. 記録シート上に形成されたトナー像を定着装置により溶融定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、
    当該定着装置として、請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
JP2008161268A 2008-06-20 2008-06-20 定着装置および画像形成装置。 Expired - Fee Related JP4915397B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008161268A JP4915397B2 (ja) 2008-06-20 2008-06-20 定着装置および画像形成装置。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008161268A JP4915397B2 (ja) 2008-06-20 2008-06-20 定着装置および画像形成装置。

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010002658A JP2010002658A (ja) 2010-01-07
JP4915397B2 true JP4915397B2 (ja) 2012-04-11

Family

ID=41584441

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008161268A Expired - Fee Related JP4915397B2 (ja) 2008-06-20 2008-06-20 定着装置および画像形成装置。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4915397B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1074007A (ja) * 1996-08-30 1998-03-17 Minolta Co Ltd 定着装置
JP3807223B2 (ja) * 2000-11-10 2006-08-09 富士ゼロックス株式会社 定着装置
JP4123113B2 (ja) * 2003-09-04 2008-07-23 富士ゼロックス株式会社 定着装置
JP4949803B2 (ja) * 2006-03-17 2012-06-13 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2008129517A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置、及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010002658A (ja) 2010-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4857774B2 (ja) 定着装置
JP5445188B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5403264B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5299690B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5091885B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP4015114B2 (ja) 電磁誘導発熱ローラ、加熱装置、及び画像形成装置
JP5582655B2 (ja) 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2008015398A (ja) ベルト定着装置
JP2003208055A (ja) 像加熱装置及びこの装置に用いられる弾性ローラ
JP4781457B2 (ja) 画像加熱装置及びこれを備えた画像形成装置
JP5194769B2 (ja) 誘導加熱装置,定着装置および画像形成装置
JP2011170000A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP4915397B2 (ja) 定着装置および画像形成装置。
JP2013152399A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5136097B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2007057689A (ja) 定着装置
JP5082880B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP5157633B2 (ja) 誘導加熱装置,定着装置および画像形成装置
JP5488683B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP5459488B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5374877B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2010002657A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP5169201B2 (ja) 誘導加熱装置,定着装置および画像形成装置
JP2007248690A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5472619B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101019

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111227

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120109

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees