JP4915397B2 - 定着装置および画像形成装置。 - Google Patents
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Description
図8(a)は、その一例として示す定着装置300の概略構成を示す断面図である。
図8(a)に示すように、定着装置300は、定着ローラ302、加圧ローラ304、磁束発生装置306などを備えている。
コイルボビン326は、半円筒形をし、耐熱性プラスチックなどからなる。励磁コイル328は、コイルボビン326の外周に沿って、紙面に垂直な方向が長手方向となる(陸上競技の)トラック状に巻回されている。このように、横断面が円弧状をしたコイルボビン326に巻回したコイルとすることにより、定着ローラ302の電磁誘導発熱層に効果的に磁束を集中させることが可能となる。
電磁誘導加熱方式の定着装置300によれば、発熱体が僅か数10[μm]程度の厚みであり熱容量が少ないため、所定の温度まですばやく昇温する。これによりウォームアップ時間の短縮化が図られる。
そこで、特許文献2に記載されているように、図8(b)のような構成とすることが考えられる。すなわち、図8(a)の定着ローラ302の構成部分の内、芯金308と断熱層310からなる部分を小径化すると共に、電磁誘導発熱層312、弾性層314、離型層316からなる部分はそのまま残し、無端ベルト状(円筒状)とする。このように構成したベルトを定着ベルト340と称することとする。これにより、電磁誘導発熱層312の内周面の大半は他の部材と接触することが無く、専ら、熱伝導性の低い空気に触れているだけであるため、電磁誘導発熱層312で発生した熱は、他へ逃げにくく、熱の利用効率が向上することとなる。なお、定着ベルト340の厚みは、高々数100[μm]程度であるため、定着ベルト340走行中に定着ベルト340が大きく変形するのを防止するため、その内側には、半円筒形をした摺接部材342が設けられている。摺接部材342は、定着ベルト340の円滑な走行を確保するため、定着ベルト340に張力がほとんどかからないない状態で設置されている。
このばたつきによって、定着ベルト340表面が、例えば、ボビン326に擦れて傷がつくおそれがある。このため、ボビン326(励磁コイル328)は、図8(a)に示す定着装置300よりも、電磁誘導発熱層312から離間する必要が生じ、これが原因で、電磁誘導発熱層312の発熱効率が低下してしまう。
なお、上記の問題は、励磁コイルのボビンを有する定着装置に限らない。別途巻回された励磁コイルがボビン無しで設置された定着装置にも発生する(この場合は、定着ベルトの励磁コイルに対する擦れが問題になる。)。
<実施の形態1>
1.画像形成装置(カラープリンタ)の全体構成
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置の一例として示すカラープリンタ2の概略構成を示す図である。
中間転写ベルト4は、無端状ベルト部材であり、駆動ローラ6と従動ローラ8によって張架されていて、駆動ローラ6により矢印Aの方向に走行駆動される。
中間転写ベルト6の下部に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成部10Y,10M,10C,10K、および画像濃度センサ12が配置されている。画像濃度センサ12は、レジストセンサとしての機能をも有している。
さらに、記録シートPの搬送方向下流側(図中上方)の搬送路32途中には、定着装置36が配置されている。定着装置36については、後に詳述する。
定着装置36より搬送路32のさらに下流側には、排紙ローラ38および排紙トレイ40が配置されている。
トナー像を担持した記録シートPは、さらに搬送されて定着装置36に至り、定着装置36によって加熱されるとともに加圧される。これにより、トナー像が記録シートPに溶融定着される。トナー像が定着された記録シートPは、排紙ローラ38によって排紙トレイ40に排出される.
2.定着装置の構成
(1)全体構成
次に、定着装置36の構成について、図2、図3を参照しながら説明する。
定着装置36は、図2、図3に示すように、加熱ローラ42、加圧ローラ44、磁束発生部46を有している。
加熱ローラ42と加圧ローラ44とは互いに平行に配置され、いずれも回転自在に支持されている。加圧ローラ44は、加熱ローラ42へ向けてその軸芯と垂直の方向に付勢されている。これにより、加熱ローラ42と加圧ローラ44との間にニップが形成される。ニップの出口(図3中右側)の近傍には、定着後の記録シートPを加熱ローラ42から分離するための分離爪48(図2で不図示)が備えられている。なお、図2、図3は、図1に示す設置状態から、定着装置36を時計回りに90度回転させて示したものである。
(2)加熱ローラの構成
(a)全体構成
加熱ローラ42は、円筒状をした定着ベルト66を有している。
また、定着ベルト66の内側には、定着ベルト66の軸心と平行に設けられた、円弧状の横断面を有する摺接部材57が設けられている。摺接部材57は、その張り出し面が定着ベルト66の内周面に摺接して、周回走行する定着ベルト66の周回経路を規制する規制部材として機能する。
定着ローラ64は、中空の芯金50と断熱層52とを有する。芯金50と断熱層52とは互いに接着されてローラ状となっている。
摺接部材57は、補助発熱制御層55と発熱制御層54とが接着により積層されてなる板状をしている。なお、図4において、摺接部材57と定着ベルト66とを区別するため、両者の間に間隙を設けて描いているが、実際には、軽く接触している。ただし、定着ベルト66の非走行中において、摺接部材57が定着ローラ64との間で、定着ベルト66に張力を付与することはない。
本形態では、定着ローラ64の外径を小さいものとしたので、定着ベルト66と定着ローラ64との接触面積が小さい。従って、定着ベルト66から定着ローラ64へ逃げる熱の量も小さい。さらに、摺接部材57は定着ベルト66の全周でなく部分的に設けられており、軽く接触しているだけなので、摺接部材57へ逃げる熱の量も小さい。また、発熱制御層54を定着ベルト66以外の部分に設けたことから、その分、定着ベルト66は薄く形成することができる。よって、定着ベルト106の熱容量を小さくできるため、ウォームアップ時間の短縮が可能である。
芯金50は、加熱ローラ42の全体を支持する支持体であり、十分な耐熱性と強度を有することが必要である。芯金50は、非磁性材で構成されている。芯金50の比透磁率は0.99〜2.0、好ましくは0.99〜1.1の範囲内とする。
また、芯金50としては、電気抵抗率の低い材料を用いる。芯金50の体積抵抗率は、1.0×10-8[Ωm]〜10.0×10-8[Ωm]、好ましくは1.0×10-8[Ωm]〜2.0×10-8[Ωm]の範囲内のものとする。特に、本形態では、芯金50には、高温において発熱制御層54よりも低抵抗である材料を用いる。芯金50としては、例えば、厚さ4[mm]程度で、外径15[mm]〜25[mm]の銅製パイブとするとよい。あるいは、上記の比透磁率及び体積抵抗率の範囲内であれば、ステンレススティール(SUS)、アルミニウム等を用いることもできる。ここで、本発明における「高温」とは、過昇温状態である温度範囲のことであり、本形態では発熱制御層54のキュリー温度を超えた温度範囲に相当する。
断熱層52は、定着ベルト66に発生した熱を芯金50へ逃がさないためのものである。そのために、熱伝導率が低く、かつ耐熱性および弾性を有する、ゴム材や樹脂材からなるスポンジ体(断熱構造体)のものが好ましい。このようなものとすれば、定着ベルト66のたわみを許容し、ニップ幅を大きく保つことができる。また、加熱ローラ42全体としての硬度を小さくして、定着性や通紙性等を良好なものとできる。また、断熱層52として、ソリッド体とスポンジ体との2層構造のものを使用してもよい。
補助発熱制御層55は、非磁性材で構成されている。補助発熱制御層55の比透磁率は0.99〜2.0、望ましくは0.99〜1.1の範囲内とする。
また、補助発熱制御層55としては、電気抵抗率の低い材料を用いる。補助発熱制御層55の体積抵抗率は、1.0×10-8[Ωm]〜10.0×10-8[Ωm]、望ましくは1.0×10-8[Ωm]〜2.0×10-8[Ωm]の範囲内のものとする。特に本形態では、補助発熱制御層55には、高温において発熱制御層54よりも低抵抗である材料を用いる。補助発熱制御層55としては、例えば、厚み0.2[mm]〜1.0[mm]程度の銅製とするとよい。あるいは、上記の比透磁率及び体積抵抗率の範囲内であれば、ステンレススティール(SUS)、アルミニウム等の材質のものを用いることもできる。ここで、本発明における 「高温」とは、過昇温状態である温度範囲のことであり、本形態では発熱制御層54のキュリー温度を超えた温度範囲に相当する。
発熱制御層54としては、常温において、補助発熱制御層55よりも適度に体積抵抗率の大きい磁性体を用いる。さらに。本形態では、定着温度と同程度の温度にキュリー点を有する材質を用いる。例えば、比透磁率は、50〜2000、好ましくは100〜1000の範囲内のものとする。また、キュリー温度より低温の温度範囲での体積抵抗率は、2×10-8[Ωm]〜100×10-8[Ωm]、好ましくは5×10-8[Ωm]〜100×10-8[Ωm]の範囲内のものとする。なお、発熱制御層54の厚さは、20[μm]〜200[μm]、好ましくは40[μm]〜100[μm]の範囲内とすることが良い。
発熱層56は、磁束発生部46によって発生される磁束を受けて誘導電流が誘起され、それによって発熱する層である。本形態では、この発熱層56として非磁性材によるものを用いる。特に、銅、銀等の良好な導電性を有する材質で構成する。これらは、比透磁率は低いが、薄膜にすることにより、磁性材料を使用した場合よりさらに発熱効率のよい発熱層56を得ることができる。発熱層56の比透磁率は、1.0〜2.0の範囲内が望ましい。さらに、良好な発熱性を得るために、この発熱層56をごく薄く形成する。発熱層56の厚さは、5[μm]〜40[μm]の範囲内が好ましい。本形態では、厚さ10[μm]の銅で形成されている。ただし、発熱層56を銅で形成した場合には、後述する弾性層60からの剥離を防止するため、後述する酸化防止層58を設けることとする。
また、例えば、発熱層56として、ニッケル等の磁性材を用いても良い、磁性材を用いた場合、厚みを例えば40[μm]〜100[μm]と厚く構成しても発熱が得られる。また例えば、樹脂に銅、銀等の導電材の粒子を分散させたものとしてもよい。あるいは、樹指材にこれらの導電材をコーティングしたものとしてもよい。発熱層56として、樹脂ベースのものを用いれば、定着ベルト66全体としての柔軟性がさらに大きくなり、記録シートの分離性を向上させることができる。
酸化防止層58は、発熱層56の酸化を防止するためのものである。この酸化防止層58が外気(空気)の発熱層56への接触を防ぐことで、発熱層56と弾性層60の間の酸化防止層58を介した接合状態が長期間に渡って良好に維持される。特に、本例では、発熱層56に銅を含むため、何らの手当てをしない場合には、酸化皮膜の成長が激しい上、酸化皮膜自体の強度が非常に弱く、酸化皮膜層部分で剥離が発生するおそれがある。
上記金属材料で酸化防止層58を形成した場合の厚みとしては0.5[μm]〜5[μm]の範囲内であることが望ましい。厚さが0.5[μm]未満ではピンホールによってシール性が悪化するおそれがあり、厚さが5[μm]を超えると発熱性能に影響し、特に過昇温の防止効果に悪影響を与えるからである。なお、厚さに因る発熱性能への影響については後述する。
弾性層60は、トナー像に均一かつ柔軟に熱を伝えるためのものである。この弾性層60が適度な弾性を有することにより、トナー像が押しつぶされたり不均一な溶融となったりすることによる画像ノイズの発生を防止できる。そのために、弾性層60には、耐熱性と弾性とを有するゴム材や樹脂材を用いる。その材料としては、例えば、定着温度での使用に耐えられるシリコーンゴム、フッ素ゴムその他の耐熱性エラストマーが適している。また、上記の材料に、熱伝導性や補強等を目的とした各種の充填材を混入したものでもよい。例えば、熱伝導性の向上のために充填される粒子の例としては、ダイヤモンド、銀、銅、アルミニウム、大理石、ガラス等が挙げられる。実用的には、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化ベリリウム等が好ましい。
離型層62は、加熱ローラ42の最外層をなし、加熱ローラ42と記録シートとの離型性を高めるためのものである。離型層62としては、定着温度での使用に耐えられるとともにトナーに対する離型性に優れたものを使用する。例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴム、あるいはPFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)、PTFE(四フッ化エチレン)、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化エチレン共重合体)、PFEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)等のフッ素樹脂が好ましい。あるいは、これらを混合したものでもよい。
(j)加熱ローラの製法
本形態では、補助発熱制御層55となる銅の圧延材と発熱制御層54となるパーマロイの圧延材とを重ねてクラッド材化し、当該クラッド材をプレス加工により加工して摺接部材57としている。あるいは、発熱制御層54となるパーマロイの圧延材に銅メッキを施して、補助発熱制御層55を形成しても構わない。
(3)加圧ローラの構成
図3に戻り、加圧ローラ44について説明する。図3に示すように、加圧ローラ44は、中空の芯金68、断熱層70、離型層72を有している。
芯金68は、厚さ3[mm]で外径15[mm]〜25[mm]のアルミ製パイプである。強度が確保できれば、芯金68に代えて、PPSのような耐熱性の材質によるモールドのパイプを用いてもよい。あるいは、鉄パイプを使用することも不可能ではないが、電磁誘導による影響を受けにくい非磁性のものがより好ましい。
芯金68の外周には、断熱層70が設けられている。断熱層70は、厚さ3[mm]〜10[mm]の範囲内のシリコーンスポンジゴムからなる層である。なお、断熱層70は、一層で構成するのではなく、シリコーンゴムとシリコーンスポンジとの二層構造としてもよい。
加圧ローラ44の最外周の離型層72は、加熱ローラ42の離型層62(図4)と同様に、記録シートに対するローラ表面の離型性を向上させるためのものである。離型層72は、PTFEまたはPFA等のフッ素系樹脂からなる厚さ10[μm]〜50[μm]の範囲内の層である。
(4)磁束発生部の構成
(a)全体構成
図2、図3に戻り、磁束発生部46について説明する。
励磁コイル78は、コイルボビン82に巻回されている。図2に示すように、コイルボビン82は半円筒面82aを有し、励磁コイル78は半円筒面82aに沿って、長手方向を定着ベルト66の軸心方向と一致させて、(陸上競技の)トラック状に巻回されている。
励磁コイル82を上記のような巻回態様にしたのは、定着ベルト66のいわゆる「ばたつき」を考慮したからである。「ばたつき」とは、定着ベルト66がその走行中に、理想とする円軌道からそれてしまうことを言う。
図5(a)は、定着ベルトのばたつきの程度の円周方向における変化を観測した結果をグラフに表した図である。定着ベルトの加圧ローラとの当接部(ニップ部)を0°とし、当該ニップ部から半時計周りを正の角、半時計周りを負の角として、それぞれ180°までのばたつき量を計測したものである。ここでの「ばたつき量」は、理想の円軌道からの半径方向の変位量の内、当該理想円軌道よりも外側に変位する量の平均値である。なお、ばたつき量は、内側から、パーマロイ発熱制御層(30[μm])、銅発熱層(10[μm])、シリコーンゴム弾性層(200[μm])、PFA離型層(30[μm])を積層してなる内径40[mm]の定着ベルトを用いて調査した。なお、当該定着ベルトの厚みは、たかだか二百数十[μm]であるため、図5および後述する図6において、定着ベルトの厚みは無視することとする。
図5(b)において、定着ベルトの理想の円軌道を一点鎖線で示し、ばたつき量を当該一点鎖線を囲む実線で表している。繰り返しになるが、図5(b)に示すばたつき量は、平均値であり、実際に、瞬間的には、本図に示すばたつき量を超えてばたつく。図5(b)は、定着ベルトの周方向位置におけるばたつき量の大小関係の傾向を示したものである。
以上の状況を踏まえて、本実施の形態が採った解決手法について、図6を参照しながら説明する。
図6(a)に示すように、従来は、仮想円筒と定着ベルトの軸心が一致している。
これに対し、本実施の形態では、仮想円筒の半径を従来よりも若干大きくすると共に、当該仮想円筒の軸心を定着ベルトの軸心に対して、ニップ部寄りに移動させることとした。
これに対し、実施の形態の一例として示す図6(b)において、定着ベルトの半径は従来と同様、20[mm]である。仮想円筒の半径は、従来よりも3[mm]長い26.5[mm]である。そして、仮想円筒の軸心を定着ベルトの軸心からニップ部寄りに3.5[mm]ずらした。その結果、仮想円筒と定着ベルトの最上部における間隙は3[mm]である。
磁性体コア80は、磁気回路の効率を上げるためと、磁気遮蔽のためのものである。この磁性体コア80は、メインコア90、端部コア92、裾コア94を有している。メインコア90は、その横断面が図2、図3に示すようなアーチ形状のものである。メインコア90は、長さが約10[mm]のコア片を、加熱ローラ42の軸方向に複数個(本例では13個)配置したものとしている。なお、メインコア90として、断面が略「E」字の形状で、中央部に加熱ローラ42側へ突出した部分のあるものを使用しても良い。このようにすれば、さらに発熱劾率を高めることができる。また、端部コア92は、横断面が四角形状で長さが5[mm]〜10[mm]のコア片を、加熱ローラ42の両端部に配置したものである。また、裾コア94は、横断面が四角形状のものを、加熱ローラ42の長手方向寸法に略対応した範囲に連続的に配置したものである。
(5)サーミスタ
さらに本形態では、加熱ローラ42の表面に当接して配置されたサーミスタ86を有している。サーミスタ86は、加熱ローラ42のローラ軸方向について、どのサイズの用紙を通紙した場合でも用紙が通過する箇所に配置される。例えば、左寄せで通紙される画像形成装置であれば、加熱ローラ42の左端部の近くである。また、加熱ローラ42の回転方向について、定着ニップの入口よりやや上流側に配置されている。このサーミスタ86によって、加熱ローラ42の定着前の場所における表面温度が検出される。
(6)定着装置の動作
次に、本形態の定着装置36による定着処理動作について説明する。本形態の定着装置36では、加圧ローラ44が定着ベルト66を介して定着ローラ64に押圧されていて、これらの間にニップ部Nが形成されている。定着処理時には、図3中に矢印で示すように、加圧ローラ44が図中時計回り方向に回転駆動される。これにより、加熱ローラ42は、加圧ローラ44との摩擦力によって、図中反時計回り方向に従動回転される。なお、この駆動と従動との関係は、逆でもよい。
ただし、δは浸透深さ(電流密度が表面の1/eになる深さ)、fは交番電圧の周波数、μは透磁率、ρは体積抵抗率である。ここで、浸透深さδ当たりの抵抗は、以下の(式2)に示す表皮抵抗Rで表され、このRを用いて導電層の発熱量Pは以下の(式3)で表される。
R=ρ/δ …(式2)
P=R・I2 …(式3)
ただし、Iは、渦電流である。
<実施の形態2>
実施の形態2に係るカラープリンタ200は、主として定着ベルトと摺接部材の構成が異なる以外は、基本的に実施の形態1のカラープリンタ2(図3)と同様である。よって、異なる部分を中心に説明し、実施の形態1のカラープリンタ2と同様の構成部材には、同一の符号を付して、その詳細な説明については省略する。
図7に示すように、定着装置202、加熱ローラ204が、定着ローラ64と定着ベルト206と摺接部材57を有している。摺接部材57の上面は定着ベルト206に接触している。実施の形態3では、定着ベルト206に、発熱制御層をも含んでいる。摺接部材57の形状は、実施の形態1の摺接部材57と同様であるが、2層構成とはなっていない。摺接部材57は、単に補助発熱制御層として機能する。このようにしても、定着ベルト206と定着ローラ64との接触面積が小さいので、定着ベルト206から定着ローラ64へ逃げる熱の量を小さくすることができる。
以上、説明したように、実施の形態3に係るカラープリンタ200によっても、実施の形態1、2と同様に、小サイズの用紙を連続通紙した場合でも、部分的な過昇温が発生せず、安定した定着性能を有するとともに高い発熱効率が得られる。
44 加圧ローラ
46 磁束発生部
64 定着ローラ
66,206 定着ベルト
78 励磁コイル
Claims (5)
- 仮想円筒外周面の半周上に沿って巻回された励磁コイルと、
前記仮想円筒に内包され、当該仮想円筒より小さな円筒状をした定着ベルトと、
前記仮想円筒の残りの半周側において、前記定着ベルトに内接する定着ローラと、
前記定着ベルトに外接し、当該定着ベルトを介して前記定着ローラを押圧する加圧ローラと、
を備え、
前記励磁コイルの作る交番磁界によって前記定着ベルトを加熱しつつ、搬送されてくる記録シートを、周回走行する前記定着ベルトの外周と前記加圧ローラの外周とで形成されるニップ部を通過させて当該記録シート上のトナー像を溶融定着させる定着装置であって、
前記仮想円筒の軸心が、前記定着ベルトの軸心よりも前記ニップ部寄りになるように前記励磁コイルが配されており、
前記仮想円筒の半径の前記定着ベルトの半径に対する相対的な大きさが、両者の間の間隙が、前記定着ベルトが周回走行による変形を受けないとした場合の理想円軌道に対する当該定着ベルトの周回走行中に生じるばたつき量よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする定着装置。 - 前記定着ベルトの周回経路内側において、前記定着ベルトの軸心と平行に設けられた円弧状の横断面を有する規制部材であって、その張り出し面が当該定着ベルトの内周面に摺接して当該定着ベルトの周回経路を規制する規制部材を有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記定着ベルトは、前記励磁コイルの発生する磁束によって発熱する発熱層と、当該発熱層の内側に積層された、パーマロイからなる発熱制御層と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
- 前記規制部材がパーマロイからなることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 記録シート上に形成されたトナー像を定着装置により溶融定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、
当該定着装置として、請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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