JP2007248690A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着部材の異常昇温を定着部材の回転の有無にかかわらず精度良く検出して安全性を高めることができる誘導加熱方式の定着装置を提供する。該定着装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】電磁誘導発熱層613を有する回転可能の定着部材61及び定着部材61の外側から定着部材61に臨む磁束発生コイルユニット60を備えた誘導加熱方式の定着装置6。定着装置6は、定着部材61の異常熱膨張を検出する異常膨張検出部70を備えており、検出部70は定着部材61に対し臨設された膨張検出センサS2を含んでおり、センサS2による検出結果に基づいて定着部材61の異常膨張、ひいては異常昇温を検出する。定着装置6を備えた画像形成装置PR。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電子写真方式等の複写機やプリンタ等の画像形成装置において、記録紙等の記録媒体上に形成された未定着トナー像を加熱溶融して該記録媒体に定着させる定着装置に関し、特に、熱源として誘導加熱方式の熱源を利用した定着装置に関する。本発明は該定着装置を備えた画像形成装置にも関係している。
電子写真方式等の画像形成装置において採用される定着装置は、通常、回転可能の定着ローラ等の定着部材と、該定着部材に圧接される加圧ローラ等の加圧部材と、該定着部材を加熱する熱源とを備えており、該熱源で定着部材を加熱し、該定着部材及び加圧部材間のニップ部に、トナー像を保持した記録媒体を通過させることで、該トナー像を記録媒体に加圧下に溶融定着させる。
かかる熱源としては、定着部材内部或いは外周面等に設けられた発熱体(ヒータ等)が採用されてきたが、今日の省エネルギーの要請から、旧来のハロゲンランプヒータを用いた熱ローラ方式の定着装置と同等或いはそれ以上の熱変換効率が得られ、トナー像定着のための定着温度への立ち上がりが迅速で、コンパクト化が可能な定着装置として、コイルへの通電により発生する磁束をフェライトコアなどのコア材で、定着部材に設けた電磁誘導発熱層に導くような構成の定着装置も提案されている。
その一つに、電磁誘導発熱層を有する回転可能の定着部材及び該定着部材に外側から臨み、該電磁誘導発熱層を電磁誘導発熱させるための磁束を発生させる磁束発生コイルユニットを備え、該コイルユニットの発生磁束によって電磁誘導発熱層を発熱させることで定着部材を加熱する定着装置がある。
このタイプの定着装置については、さらなる熱効率の向上と定着温度への立ち上がり迅速性を求めて、電磁誘導発熱層の厚みを薄くすることによって該発熱層の熱容量を低減した定着装置も提案されている。
電磁誘導加熱方式の定着装置によると、定着部材における電磁誘導発熱層を直接加熱できるので、ハロゲンランプヒータのような従来から定着装置に採用されてきた熱源と比べると、該発熱層の熱容量を小さくしても、定着部材を定着温度へ加熱するに支障はない。
電磁誘導加熱方式の定着装置によると、定着部材における電磁誘導発熱層を直接加熱できるので、ハロゲンランプヒータのような従来から定着装置に採用されてきた熱源と比べると、該発熱層の熱容量を小さくしても、定着部材を定着温度へ加熱するに支障はない。
ところで、誘導加熱方式の定着装置について一般的に言えるように、定着部材にその外側から磁束発生コイルユニットを臨ませるタイプの誘導加熱方式の定着装置においても、定着部材の回転が停止しているときに磁束発生コイルユニットを作動させて定着部材の電磁誘導発熱層を発熱させると、該コイルユニットに対向している電磁誘導発熱層の部分が局所的に異常発熱し、それに対応する定着部材部分が異常昇温して損傷する。特に、電磁誘導発熱層が薄く、熱容量小さく形成されている場合はこの傾向が顕著である。
この点、例えば特開2002−82549号公報には、定着部材が回転してのちに磁束発生コイルユニットを作動させることが記載されている。
また、特開2005−70321号公報には、定着部材の停止中にも回転中にも異常昇温に対応できるように、定着部材温度を温度検出手段で検出し、該温度検出手段による検出温度から異常昇温を検知するようにし、そのとき、定着部材が回転中か停止中かで、異常を判断する基準温度を変更することが記載されている。該温度検出手段の配置位置として、磁束発生コイルユニットに対向する定着部材部分に対してではなく、該部分から外れた部分に対向する位置が示されている。
また、特開2005−70321号公報には、定着部材の停止中にも回転中にも異常昇温に対応できるように、定着部材温度を温度検出手段で検出し、該温度検出手段による検出温度から異常昇温を検知するようにし、そのとき、定着部材が回転中か停止中かで、異常を判断する基準温度を変更することが記載されている。該温度検出手段の配置位置として、磁束発生コイルユニットに対向する定着部材部分に対してではなく、該部分から外れた部分に対向する位置が示されている。
しかしながら、特開2002−82549号公報に記載されている手法では、何らかの原因で定着部材が回転停止している状態で磁束発生コイルユニットが作動したときには対応困難である。
また、通常、定着装置には、定着部材温度を検出するためのサーミスタ等の温度検出手段が設けられているが、該温度検出手段は、回転する定着部材の表面損傷を防止するうえで定着部材に対して非接触で配置することが望ましいところ、温度検出手段を定着部材に対し非接触で配置する場合には、定着部材の異常昇温に対する応答性能が十分とは言えず、定着部材が回転中であっても、定着部材が異常昇温したときには、これに迅速に対応できない。
特開2005−70321号公報に記載の手法においては、温度検出手段は磁束発生コイルユニットに対向する定着部材部分から外れた部分に対向して配置されるから、定着部材の停止中におけるコイルユニットに対向する部分の局所的な異常昇温に対する応答能が十分とは言えず、磁束発生コイルユニットの電源オフまでに定着部材がかなり昇温してしまう。温度検出手段が該定着部材部分に対し非接触で配置される場合はなおさらである。
そこで本発明は、電磁誘導発熱層を有する回転可能の定着部材及び該定着部材の外側から該定着部材に臨む磁束発生コイルユニットを備えた誘導加熱方式の定着装置であって、該定着部材の異常昇温を定着部材の回転の有無にかかわらず精度良く検出して安全性を高めることができる定着装置を提供することを第1の課題とする。
また本発明は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を記録媒体に転写し定着装置で定着させる画像形成装置であって、該定着装置の安全性を保ちつつ画像形成できる画像形成装置を提供することを第2の課題とする。
本発明者は前記課題を解決するため研究を重ね、定着部材の異常昇温の検出は、電磁誘導発熱層の発熱に伴う定着部材の異常膨張を検出することでも検出できることに着目した。
本発明はかかる着目に基づき前記第1の課題を解決するため、
電磁誘導発熱層を有する回転可能の定着部材及び該定着部材の外側から該定着部材に臨む磁束発生コイルユニットを備えた誘導加熱方式の定着装置であり、該定着部材の異常熱膨張を検出する異常膨張検出部を備えており、該異常膨張検出部は該定着部材に対し臨設された膨張検出センサを含んでおり、該異常膨張検出部は該膨張検出センサの検出結果に基づいて前記定着部材の異常膨張を検出する定着装置を提供する。
本発明はかかる着目に基づき前記第1の課題を解決するため、
電磁誘導発熱層を有する回転可能の定着部材及び該定着部材の外側から該定着部材に臨む磁束発生コイルユニットを備えた誘導加熱方式の定着装置であり、該定着部材の異常熱膨張を検出する異常膨張検出部を備えており、該異常膨張検出部は該定着部材に対し臨設された膨張検出センサを含んでおり、該異常膨張検出部は該膨張検出センサの検出結果に基づいて前記定着部材の異常膨張を検出する定着装置を提供する。
ここで、膨張検出センサが「定着部材に対し臨設されている」とは、定着部材が異常膨張していないときには該定着部材の回転に支障がないように該定着部材に対して間隔が開けられるように設けられている状態を指している。
本発明に係る定着装置によると、定着部材が異常昇温して異常に熱膨張すると、その異常膨張を定着部材に対し臨設された膨張検出センサを利用して精度よく検出でき、該異常膨張検出により定着部材の異常昇温を知ることができる。定着部材の異常膨張検出は定着部材に臨設された膨張検出センサを用いて行うので、定着部材が回転中であっても停止中であっても異常膨張を検出できる。
このように定着部材の回転の有無にかかわらず定着部材の異常膨張(従って異常昇温)を精度よく検出できるので、定着処理のための待機時において定着部材及びそれに関係する回転部材を停止させた状態でもトナー像定着温度への定着部材温調制御が可能となり、それだけ定着部材等の回転部材の停止時間を長くして回転部材を長寿命化することや、回転部材駆動モータによる騒音を低減することも可能となる。
前記定着部材が停止中に前記磁束発生コイルユニットを作動させて電磁誘導発熱層を発熱させると、該コイルユニットに対向する定着部材部分は定着部材の他の部分より昇温しやすい。そこで、前記膨張検出センサは、定着部材の異常膨張に迅速に(短時間で)対応して該膨張を検出できるように、該コイルユニットに対向する定着部材部分に対し臨設されていることが望ましい。
この場合、膨張検出センサは該コイルユニットに対向している定着部材部分のうち前記電磁誘導発熱層の発熱による膨張量が最も大きい部位に対し臨設されていてもよい。
ここで、「膨張量が最も大きい部位」とは、文字どおり「膨張量が最も大きい部位」だけでなく、その部位に近く、定着部材全体としてみれば、文字どおり「膨張量が最も大きい部位」と同程度に膨張する部位とみなしても実用上差し支えない部位も含まれる。
ここで、「膨張量が最も大きい部位」とは、文字どおり「膨張量が最も大きい部位」だけでなく、その部位に近く、定着部材全体としてみれば、文字どおり「膨張量が最も大きい部位」と同程度に膨張する部位とみなしても実用上差し支えない部位も含まれる。
前記膨張検出センサとしては、前記定着部材の膨張により該定着部材が接触することで該定着部材の異常膨張を検出するセンサを例示できる。
このような膨張検出センサとして定着部材の膨張により該定着部材が接触すると該接触に感応する感圧センサを例示できる。
このような膨張検出センサとして定着部材の膨張により該定着部材が接触すると該接触に感応する感圧センサを例示できる。
また、前記膨張検出センサは、前記定着部材の膨張により該定着部材表面が近接してくることによる該センサ近傍領域の温度の上昇(ひいてはセンサ自体の温度の上昇)を検出する温度センサであってもよい。このような温度センサを採用する場合、異常膨張検出部は、該温度センサにより検出される温度の上昇速度に基づいて前記定着部材の異常膨張を検出するものとすることができる。
この場合の異常膨張検出部として、前記温度センサで検出される温度の予め定めた時間における上昇幅が予め定めた参照温度上昇幅以上になると前記定着部材が異常膨張状態と判断するものを例示できる。
該参照温度上昇幅として、定着装置のウォームアップ時に採用する第1の参照温度上昇幅と該ウォームアップ時以外のときに採用する第2の参照温度上昇幅を定めておいてもよい。
定着装置ウォームアップ時の温度上昇はウォームアップ開始直後から、正常であっても通常急なものであるから、第1参照温度上昇幅は第2参照温度上昇幅より大きく設定しておいてもよい。
定着装置ウォームアップ時の温度上昇はウォームアップ開始直後から、正常であっても通常急なものであるから、第1参照温度上昇幅は第2参照温度上昇幅より大きく設定しておいてもよい。
前記定着部材としては代表例としてローラ形態のものを挙げることができるが、例えば、懸架ローラ及び該懸架ローラに巻き掛けられ無端ベルトからなるものでもよい。後者の定着部材の場合、前記電磁誘導発熱層は懸架ローラに設けられていても無端ベルトに設けられても、それら双方に設けられていてもよい。
ローラ形態の定着部材として、該ローラ内側から外側へ順次配置された(換言すれば、順次積層された)、少なくとも支持層、断熱層、前記電磁誘導発熱層及び離型層の4層を含んでいる定着ローラを例示できる。かかる断熱層の代表例としてスポンジ層を挙げることができる。
前記異常膨張検出部は、前記定着部材の異常膨張を検出すると該異常膨張を表示するものでもよい。ここで異常膨張の「表示」は、ディスプレイ等による視認可能の表示、ブザー等による音声表示、これらの組み合わせ表示等のいずれであってもよい。
また、前記異常膨張検出部は、前記定着部材の異常膨張を検出すると前記磁束発生コイルユニットへの電力供給を停止させるものでもよい。
また、前記異常膨張検出部は、前記定着部材の異常膨張を検出すると前記磁束発生コイルユニットへの電力供給を停止させるものでもよい。
本発明は前記第2の課題を解決するため、静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を記録媒体に転写し定着装置で定着させる画像形成装置であって、該定着装置として上記本発明に係るいずれかの定着装置を備えている画像形成装置も提供する。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る定着装置を採用していることで、定着装置の安全性が高く、それだけ長期にわたり良好な画像を形成できる。
本発明に係る画像形成装置はモノクロ画像を形成するものでも、カラー画像を形成するものでもよい。
本発明に係る画像形成装置はモノクロ画像を形成するものでも、カラー画像を形成するものでもよい。
モノクロ画像形成装置の場合は、静電潜像担持体上に形成されたトナー像は、通常、直接記録媒体に転写され、定着装置により定着される。カラー画像形成装置では、一般的には、静電潜像担持体に形成されたトナー像は、一旦中間転写体に転写され、中間転写体から記録媒体に転写され、定着装置で定着される。いずれにしても、静電潜像担持体に形成されたトナー像は記録媒体に転写され、定着装置により定着される。
以上説明したように本発明によると、電磁誘導発熱層を有する回転可能の定着部材及び該定着部材の外側から該定着部材に臨む磁束発生コイルユニットを備えた誘導加熱方式の定着装置であって、該定着部材の異常昇温を定着部材の回転の有無にかかわらず精度良く検出して安全性を高めることができる定着装置を提供することができる。
また、このように定着部材の回転の有無にかかわらず定着部材の異常膨張(従って異常昇温)を精度よく検出できるので、定着処理のための待機時において定着部材及びそれに関係する回転部材を停止させた状態でもトナー像定着温度への定着部材温調制御が可能となり、それだけ定着部材等の回転部材の停止時間を長くして回転部材を長寿命化することや、回転部材駆動モータによる騒音を低減することも可能である定着装置を提供することができる。
本発明によると、静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を記録媒体に転写し定着装置で定着させる画像形成装置であって、該定着装置として本発明に係る定着装置を備えていることで、定着装置の安全性を保ちつつ画像形成できる画像形成装置を提供することもできる。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〔1〕画像形成装置(図1参照)
図1は本発明に係る定着装置の1例を備えた画像形成装置例を示している。図1の画像形成装置はカラー画像を形成できるタンデム型カラープリンタPRである。
カラープリンタPRは、駆動ローラ31とこれに対向するローラ32に巻き掛けられた無端中間転写ベルト4を有している。転写ベルト4は、図示省略のベルト駆動部により駆動される駆動ローラ31により図中反時計方向(図中矢印方向)に回転させることができる。
〔1〕画像形成装置(図1参照)
図1は本発明に係る定着装置の1例を備えた画像形成装置例を示している。図1の画像形成装置はカラー画像を形成できるタンデム型カラープリンタPRである。
カラープリンタPRは、駆動ローラ31とこれに対向するローラ32に巻き掛けられた無端中間転写ベルト4を有している。転写ベルト4は、図示省略のベルト駆動部により駆動される駆動ローラ31により図中反時計方向(図中矢印方向)に回転させることができる。
対向ローラ32上の転写ベルト部分には転写ベルト4上の2次転写残トナー等を清掃するクリーナ8が臨んでいる。駆動ローラ31上の転写ベルト部分には、2次転写ローラ5が臨んでいる。
2次転写ローラ5の表層部は弾性材料で形成されており、図示省略の押圧手段にて中間転写ベルト4に押圧され、中間転写ベルト4との間にニップ部を形成し、中間転写ベルト4の回転に従動して、或いは、後述するように該ニップ部に送り込まれる記録媒体Pの移動に従動して回転する。2次転写ローラ5には、図示省略の2次転写バイアス電源装置から2次転写バイアスを印加することができる。
2次転写ローラ5の下方には、タイミングローラ対9が配置されており、さらにその下方に、図示省略の、記録媒体を収容した記録媒体収容カセットが配置されている。
転写ローラ5の上方には定着装置6が配置されている。定着装置6は本発明に係る定着装置の1例である。定着装置6については後ほど詳述する。
転写ローラ5の上方には定着装置6が配置されている。定着装置6は本発明に係る定着装置の1例である。定着装置6については後ほど詳述する。
図示省略の記録媒体収容カセットに収容された記録媒体Pは、図示省略の媒体供給ローラにて1枚ずつ引き出してタイミングローラ対9へ供給することができる。
記録媒体Pとしては、記録紙、オーバーヘッドプロジエクタ用シート等を例示できる。
記録媒体Pとしては、記録紙、オーバーヘッドプロジエクタ用シート等を例示できる。
中間転写ベルト4を巻き掛けたローラ31、32の間には、転写ベルト4に沿って、ローラ32から31に向けて、イエロー画像形成部Y、マゼンタ画像形成部M、シアン画像形成部C及びブラック画像形成部Kがこの順序で配置されている。
Y、M、C、Kの各画像形成部は、静電潜像担持体としてドラム型の感光体11を備えており、該感光体の周囲に帯電装置12、画像露光装置13、現像装置14、1次転写ローラ2、感光体上の1次転写残トナーを除去清掃するクリーニング装置15等がこの順序で配置されている。
各画像形成部における感光体11、帯電装置12、現像装置14及びクリーニング装置15はカートリッジケースに設けられており、該カートリッジケースとともにプロセスカートリッジを形成している。すなわち、イエロー画像形成部Yを形成するためのイエロープロセスカートリッジYC、マゼンタ画像形成部Mを形成するためのマゼンタプロセスカートリッジMC、シアン画像形成部Cを形成するためのシアンプロセスカートリッジCC、ブラック画像形成部Kを形成するためのブラックプロセスカートリッジKCである。
各プロセスカートリッジはプリンタ本体に対し着脱可能である。
各プロセスカートリッジはプリンタ本体に対し着脱可能である。
1次転写ローラ2は転写ベルト4を間にして感光体11に対向しており、ベルトの走行に従動回転する。1次転写ローラ2には、感光体11上に形成されるトナー像をベルト4へ1次転写するための1次転写バイアスを図示省略の1次転写バイアス電源装置から印加できる。
露光装置13は、図示省略のパーソナルコンピュータ等から提供される画像情報に応じて、レーザービームを用いて感光体11に画像露光を施せるものである。
露光装置13は、図示省略のパーソナルコンピュータ等から提供される画像情報に応じて、レーザービームを用いて感光体11に画像露光を施せるものである。
各画像形成部における感光体11は、ここでは負帯電性の感光体であり、図示省略の感光体駆動モータにて図中時計方向回りに回転駆動できる。
各画像形成部における帯電装置12には、図示省略の帯電用電源装置から所定のタイミングで帯電電圧を印加できる。
各画像形成部における帯電装置12には、図示省略の帯電用電源装置から所定のタイミングで帯電電圧を印加できる。
各画像形成部における現像装置14は、本例では、負帯電性トナーを採用するもので、感光体11上に形成される静電潜像を、図示省略の現像バイアス印加電源装置から現像バイアス電圧が印加される現像ローラ141で反転現像することができる。
プリンタPRによると、Y、M、C、Kの画像形成部のうち1又は2以上を用いて画像を形成することができる。
画像形成部Y、M、C及びKのすべてを用いてフルカラー画像を形成する場合を例にとると、先ず、イエロー画像形成部Yにおいてイエロートナー像を形成し、これを転写ベルト4に1次転写する。
画像形成部Y、M、C及びKのすべてを用いてフルカラー画像を形成する場合を例にとると、先ず、イエロー画像形成部Yにおいてイエロートナー像を形成し、これを転写ベルト4に1次転写する。
すなわち、イエロー画像形成部Yにおいて、感光体11が図中時計方向に回転駆動され、帯電装置12にて表面が一様に所定電位に帯電せしめられた感光体11の該帯電域に画像露光装置13からイエロー画像用の画像露光が施され、感光体11上にイエロー用静電潜像が形成される。この静電潜像はイエロートナーを有する現像装置14の現像バイアスが印加された現像ローラ141にて現像されて可視イエロートナー像となり、該トナー像が1次転写ローラ2にて転写ベルト4上に1次転写される。このとき、1次転写ローラ2には図示省略の電源装置から1次転写バイアス電圧が印加される。
同様にして、マゼンタ画像形成部Mにおいてマゼンタトナー像が形成されて転写ベルト4に転写され、シアン画像形成部Cにおいてシアントナー像が形成されて転写ベルト4に転写され、ブラック画像形成部Kにおいてブラックトナー像が形成されて転写ベルト4に転写される。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像はこれらが中間転写ベルト4上に重ねて転写されるタイミングで形成される。転写ベルト4上に形成された多重トナー像は転写ベルト4の回動により2次転写ローラ5へ向け移動する。
一方、記録媒体Pが図示省略の記録媒体収容カセットから媒体供給ローラにて引き出され、タイミングローラ対9へ供給され、待機している。
タイミングローラ対9のところで待機する記録媒体Pは、中間転写ベルト4にて送られてくる多重トナー像に合わせて、転写ベルト4と2次転写ローラ5とのニップ部に供給され、図示省略の電源装置から2次転写バイアスが印加された2次転写ローラ5にて該多重トナー像が記録媒体上に2次転写される。
その後記録媒体Pは定着装置6に通され、そこで多重トナー像が加熱加圧下に記録媒体Pに定着される。記録媒体Pはひき続き、図示省略の排出ローラ対等にて排出トレイに排出される。
〔2〕定着装置6(図2、図3参照)
(2−1)定着装置6の全体構成及び動作
図2は定着装置6の要部の断面図である。図3は図2に示す定着装置部分を図2において右側から見た図である。定着装置6は、定着ローラ61、定着ローラ61に圧接された加圧ローラ62及び定着ローラ61に臨む磁束発生コイルユニット60を含んでいる。
(2−1)定着装置6の全体構成及び動作
図2は定着装置6の要部の断面図である。図3は図2に示す定着装置部分を図2において右側から見た図である。定着装置6は、定着ローラ61、定着ローラ61に圧接された加圧ローラ62及び定着ローラ61に臨む磁束発生コイルユニット60を含んでいる。
定着ローラ61と加圧ローラ62は並行に配列され、該各ローラは両端で図示省略の軸受部材にて回転可能に支持されている。加圧ローラ62は、図示省略の押圧バネを含む押圧装置で所定圧力下に定着ローラ61に圧接され、定着ローラ61と共に圧接ニップ部(定着ニップ部)Nを形成している。
加圧ローラ62は図示省略の駆動機構により図2において矢印の反時計方向に所定の周速度で回転駆動される。定着ローラ61は圧接ニップ部Nでの加圧ローラ61との圧接摩擦力により、或いはニップ部Nにて挟持搬送される記録媒体Pとの圧接摩擦力等により加圧ローラ62の回転に従動回転する。
定着ローラ61の加熱は、定着ローラ61に設けられた電磁誘導発熱層613を磁束発生コイルユニット60に発生させる磁束で発熱させる電磁誘導加熱方式で行われる。この加熱方式によると、定着ローラ61における低熱容量の発熱層613を高効率で発熱させることができ、定着装置6の起動時に定着ローラ表面の温度をトナー像定着に適する温度まで上昇させるのに要する時間を短くすることができる。
磁束発生コイルユニット60の発生磁束の作用により定着ローラ61の誘導発熱層613が電磁誘導発熱して定着ローラ61の表面が加熱される。このとき、定着ローラ61の少なくとも記録媒体通過領域の表面温度がトナー像定着に適する温度になるように自動温調制御される。自動温調制御については後ほど図4を参照して説明する。
トナー像定着処理においては、このように定着ローラ61の少なくとも記録媒体通過領域の表面温度がトナー像定着に適する温度に制御された状態において、前記2次転写ローラ5と転写ベルト4のニップ部から出てきた未定着トナー像Tを保持した記録媒体Pが定着ローラ61と加圧ローラ62との圧接ニップ部Nに送り込まれる。このとき、記録媒体P上の未定着トナー像担持面が定着ローラ61に対面する。
定着ローラ61と加圧ローラ62との圧接ニップ部Nに供給された記録媒体Pは圧接ニップ部Nに扶持搬送され、定着ローラ61で加熱されて、未定着トナー像Tが記録媒体Pに加圧下に溶融定着される。圧接ニップ部Nを通った記録媒体Pは定着ローラ61から分離して排出搬送されていく。
(2−2)定着ローラ61について(図2参照)
定着ローラ61は、内側から外側に順に、支持層611、断熱層612、電磁誘導発熱層613及び離型層615の少なくとも4層で構成さていればよいが、本例では、カラー画像定着をより良好に行えるように、弾性層614が発熱層613と離型層615との間に設けられている。
定着ローラ61は、内側から外側に順に、支持層611、断熱層612、電磁誘導発熱層613及び離型層615の少なくとも4層で構成さていればよいが、本例では、カラー画像定着をより良好に行えるように、弾性層614が発熱層613と離型層615との間に設けられている。
定着ローラ61の外側に配置されてローラ61に臨む磁束発生コイルユニット60は発生磁束を電磁誘導発熱層613に作用させ、渦電流を発生させる。電磁誘導発熱層613は薄い層であり、熱容量が小さくて断熱層612により断熱保持されるために定着ローラ表層側にある弾性層614、さらには離型層615を迅速に加熱することができ、定着ローラ61の表面温度をトナー像定着に必要な温度に迅速に到達させることができるとともに、記録媒体に熱が奪われても必要な熱を供給することができる。
ローラ硬度としては、例えばASKER−C硬度で30度〜90度程度の範囲から選択した硬度を採用できる。
支持層(芯金)611は、ここでは厚さ3mmのアルミニウム製のものである。支持層611の材質は強度が確保できれば、例えば鉄、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性の樹脂の成形パイプを使用することも可能であるが、いずれにしても、支持層611が発熱するのを防ぐために、電磁誘導加熱の影響が少ない非磁性材料を用いることが望ましい。
支持層(芯金)611は、ここでは厚さ3mmのアルミニウム製のものである。支持層611の材質は強度が確保できれば、例えば鉄、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性の樹脂の成形パイプを使用することも可能であるが、いずれにしても、支持層611が発熱するのを防ぐために、電磁誘導加熱の影響が少ない非磁性材料を用いることが望ましい。
断熱層612は電磁誘導発熱層613を断熱保持するためのものであり、耐熱性及び弾性を有するゴム材や樹脂材のスポンジ体(断熱構造体)が用いられる。断熱層612に耐熱性及び弾性を有するゴム材や樹脂材のスポンジ体(断熱構造体)を用いることにより、断熱保持可能であるとともに、電磁誘導発熱層613の撓みを許容して圧接ニップ部Nの幅を増やし、ローラ硬度を小さくして記録媒体排出性、記録媒体分離性を向上させることができる。
例えば、断熱層612にシリコンスポンジ材を用いる場合は、厚さは2mm〜12mm程度、より望ましくは3mm〜10mm程度、硬度はアスカーゴム硬度計による硬度で20度〜60度程度、より好ましくは30度〜50度程度に設定すればよい。
また、断熱層612として、下層にソリッドゴム層、上層にスポンジゴムの2層構造の断熱層を用いると定着ローラ61の耐久性を向上させることができる。
断熱層612を2層構造とした定着ローラは、特に高荷重下や高速回転で使用するような比較的過酷な条件で定着装置を使用する場合、ニップ部Nの幅確保のために断熱層612の厚みを厚く設定する場合や、柔らかいスポンジ層を用いるような場合に、断熱層612におけるゴムの破断抑制に有効である。
断熱層612を2層構造とした定着ローラは、特に高荷重下や高速回転で使用するような比較的過酷な条件で定着装置を使用する場合、ニップ部Nの幅確保のために断熱層612の厚みを厚く設定する場合や、柔らかいスポンジ層を用いるような場合に、断熱層612におけるゴムの破断抑制に有効である。
本例での電磁誘導発熱層613は、厚さ10μm〜100μm、より望ましくは20μm〜50μmの無端状のニッケル電鋳ベルト層である。電磁誘導発熱層613は他の材料で形成されてもよく、例えば磁性ステンレスのような磁性材料(磁性金属)といった比較的透磁率μが高く適当な抵抗率ρを持つ材料で形成してもよい。さらに非磁性材料でも、金属などの導電性のある材料は、材料を薄膜にすることなどにより使用可能である。
また、電磁誘導発熱層613としては、樹脂に発熱粒子を分散させたものを用いてもよい。電磁誘導発熱層613として樹脂ベースのものを用いることによって記録媒体の分離性を良くすることができる。
弾性層614は、記録媒体と定着ローラ61の表面との密着性を高める役目をするもので、耐熱性及び弾性を有するゴム材や樹脂材の層とすることができ、定着温度での使用に耐えられるシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性エラストマーを用いることができる。弾性層614に熱伝導性、補強等を目的として各種充填剤を混入してもかまわない。熱伝導性粒子としては、ダイヤモンド、銀、銅、アルミニウム、大理石、ガラス等を挙げることができるが、実用的にはシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化ベリリウムを例示できる。
弾性層614の厚みは、例えば10μm〜800μmが好ましく、100μm〜300μmがより好ましい。弾性層614の厚さが10μm未満であると、目的とする厚み方向の弾力性を得ることが難しくなり、一方800μmを超える厚さになると発熱層613で発生した熱が定着ローラ61の外周面に達し難くなり、熱効率が悪化する傾向がある。
弾性層614の好ましい例として、JIS硬度で1度〜80度、より望ましくは5度〜30度のシリコンゴムからなる弾性層を挙げることができる。このJIS硬度範囲であれば、弾性層の強度の低下、密着性の不良を抑制しつつ、トナーの定着性の不良を防止できる。
このシリコンゴムとしては、具体的には、1成分系、2成分系又は3成分系以上のシリコンゴム、LTV型、RTV型又はHTV型のシリコンゴム、縮合型又は付加型のシリコンゴム等を使用できる。
本例では弾性層614は、JIS硬度10度、厚さ200μmのシリコンゴムの層である。
本例では弾性層614は、JIS硬度10度、厚さ200μmのシリコンゴムの層である。
最外層の離型層615は定着ローラ表面の離型性を高めるためのもので、定着温度での使用に耐えることができ、さらにトナー離型性を有するものであり、例えばシリコンゴム、フッ素ゴムや、PFA、PTFE、FEP、PFEP等のフッ素系樹脂が好ましく用いられる。離型層615の厚さは5μm〜100μmが好ましく、10μm〜50μmがより好ましい。
また、層間接着力を向上させるためにプライマー等による接着処理を行ってもよい。なお、離型層615の中に必要に応じて、導電材、耐摩耗材、良熱伝導材をフィラーとして添加することもできる。
(2−3)加圧ローラ62について(図2参照)
加圧ローラ62は、鉄製芯金621の外周に層622を設け、さらに定着ローラ61と同様に表面の離型性を高めるために、該層622の外周面に例えばPTFEやPFA等の厚さ10μm〜50μmのフッ素系樹脂製離型層623を設けたローラである。
本例では、層622は、厚さ3mm〜10mmのシリコンスポンジゴムからなるものである。
加圧ローラ62は、鉄製芯金621の外周に層622を設け、さらに定着ローラ61と同様に表面の離型性を高めるために、該層622の外周面に例えばPTFEやPFA等の厚さ10μm〜50μmのフッ素系樹脂製離型層623を設けたローラである。
本例では、層622は、厚さ3mm〜10mmのシリコンスポンジゴムからなるものである。
なお、加圧ローラ62の芯金621の材質は、強度が確保できれば、鉄材のほか、例えばPPS(ポリプェニレンサルファイド)のような耐熱性樹脂の成形パイプを使用することも可能である。また、シリコン発泡ゴム層(シリコンスポンジゴム層)622の代わりにソリッドゴム層を用いることも可能であるが、定着ローラ61からニップ部Nを通して伝達される熱を逃がさないように、層622は低熱伝導率の材料で形成することがことが望ましい。
また、層622として、下層にソリッドゴム層、上層にスポンジゴムの2層構造の層を用いると加圧ローラ62の断熱性を高く保ちつつ耐久性を向上させることができる。かかる2層構造の層622を採用した加圧ローラ62は、特に高荷重や高速回転で使用するような比較的過酷な条件で定着装置を使用する場合、ニップ部Nの幅の確保のために層622の厚みを厚く設定する場合や柔らかいスポンジ層を用いるような場合に、層622におけるゴムの破断抑制に有効である。
(2−4)磁束発生コイルユニット60等について(図2〜図5等参照)
磁束発生コイルユニット60は、定着ローラ61の外側において定着ローラ61に対向させて定着ローラ61の長手方向に沿わせて配置してある。
コイルユニット60は、コイルボビン64と、これに巻かれた励磁コイル65と、磁性体コア67と、裾コア68とを含んでいる。
コイルユニット60には後ほど詳述する定着ローラ61の熱膨張を検出する膨張検出センサS2も組み合わされている。
磁束発生コイルユニット60は、定着ローラ61の外側において定着ローラ61に対向させて定着ローラ61の長手方向に沿わせて配置してある。
コイルユニット60は、コイルボビン64と、これに巻かれた励磁コイル65と、磁性体コア67と、裾コア68とを含んでいる。
コイルユニット60には後ほど詳述する定着ローラ61の熱膨張を検出する膨張検出センサS2も組み合わされている。
励磁コイル65は、本例では、図2、図3に示すように、定着装置6における記録媒体搬送方向を横切る方向(ここでは直交する方向)に長く延びる形状に、且つ、図2に示すように横断面形状が台形状となるようにボビン64に導線を巻回した構造のものである。 励磁コイル65の、記録媒体搬送方向を横切る方向の両端屈曲部の内側部間の距離Lc(図3参照)は、本例では略定着ローラ61の幅(長手方向の長さ)に等しい。加圧ローラ62の幅は定着ローラ61の幅より若干短い。
励磁コイル65は、図4に示すように、高周波インバータを含む励磁コイル駆動回路72に接続されて10〔kHz〕〜100〔kHz〕、100〔W〕〜2000〔W〕の高周波電力が供給されるようになっている。従って、細い線を数十から数百本束ねてリッツ線にしたものを用いて形成されており、巻き線に伝熱した場合を考慮して耐熱性樹脂で被覆されている。
磁性体コア67は、図2及び図3に示すように、励磁コイル65の、定着ローラ61とは反対側の外面を覆うように複数個配置されている。さらに言えば、磁性体コア67は、励磁コイル65が長く延びている方向(定着ローラ61の長手方向(幅方向)と同じ方向)に順次、且つ、互いに並行に複数個配置されている。
各磁性体コア67は、「ハ」の字状の直線部を「ハ」の字の頂部に跨がる直線部で繋いだ、全体として台形状のコアである。各磁性体コア67の両端部は磁性体コアと同材質の裾コア68に磁気的に接続されている。磁性体コア群は、図3に示すように、定着ローラ61の長手方向寸法に略対応した領域にわたって配置されている。
磁性体コア67は、高透磁率かつ低損失のものである。磁性体コア67は磁気回路の効率を上げるためと磁気遮蔽のために用いている。コア材としては通常フェライトコアが用いられるが、パーマロイのような合金の場合はコア内の渦電流損失が高周波で大きくなるため積層構造にしてもよい。また、樹脂材に磁性粉を分散させたものを用いると透磁率は比較的低いが形状を自由に設定することができる。
磁性体コア67は、前記のように台形状に形成されていることで、後述する温調用温度センサS1(図2、図4参照)や、図2、図3においては図示省略の配線ケーブルなどをコア内部に配置できる。
なお、磁性体コア67の形状は、側面から見て、換言すれば横断面形状が円弧形状や半楕円形状などの他の形状でもよい。
なお、磁性体コア67の形状は、側面から見て、換言すれば横断面形状が円弧形状や半楕円形状などの他の形状でもよい。
励磁コイル65への駆動回路C1からの交流電力供給により誘導される磁束は、磁性体コア67の内部を外部に漏れることなく通り、コア67から定着ローラ61に導かれ、定着ローラ61の電磁誘導発熱層613を貫き、電磁誘導発熱層613に渦電流を発生させて電磁誘導発熱層613自体を発熱させる。この電磁誘導発熱層613の発熱で定着ローラ61が加熱される。
図4は定着装置6の定着ローラ61の温度調節制御(温調制御)等を行う制御部71を含む回路を概略的にブロック図で示すものであるが、定着ローラ61の記録媒体通過領域の表面をトナー像定着に要求される温調温度(定着温度)へ加熱し、該温調温度に制御する温調制御は、該制御部によって行われる。また、この温調制御のために、定着ローラ61の略中央部表面の温度を検出する温調用温度センサS1が設けられている。温度センサS1はボビン64に形成された窓641から定着ローラ61に臨んでいる。
なお温度センサS1の配置位置はこれに限定されるものではない。例えば、定着ローラ6に対向する位置ならば、コイルユニット60の外側に配置してもよい。
なお温度センサS1の配置位置はこれに限定されるものではない。例えば、定着ローラ6に対向する位置ならば、コイルユニット60の外側に配置してもよい。
温度センサS1は、本例では非接触サーミスタであり、磁性体コア67の内側で定着ローラ61の表面に臨むように配置され、検出温度情報を制御部71に供給する。
なお、温度センサS1として接触型のサーミスタを用いてもかまわない。
なお、温度センサS1として接触型のサーミスタを用いてもかまわない。
温度センサS1で検出される定着ローラ表面温度情報は制御部71に入力される。制御部71は、センサS1から入力される温度情報に基づいて高周波インバータを含む励磁コイル駆動回路72を制御して該回路72から励磁コイル65への電力供給を増減させることで、定着ローラ61の電磁誘導発熱層613の発熱を制御して、定着ローラ61の記録媒体通過領域の表面温度が所定の定着温度になるように自動制御する。
なお、温調用温度センサS1は、安全確保のためのサーモスタット等他のセンサであってもよい。
なお、温調用温度センサS1は、安全確保のためのサーモスタット等他のセンサであってもよい。
このように磁束発生コイルユニット60の励磁コイル65による発生磁束の作用により定着ローラ61の電磁誘導発熱性層613が電磁誘導発熱して定着ローラ61の記録媒体通過領域の表面温度がトナー像定着に適する温度(定着温度)になるように自動制御されるとともに、加圧ローラ62が回転駆動され、これに伴い定着ローラ61も従動回転する状態で、定着ローラ61と加圧ローラ62との圧接ニップ部Nに、トナー像Tを担持した記録媒体Pを通過させることで、未定着トナー像T及び記録媒体Pが定着ローラ61で加熱されて、未定着トナー像Tが記録媒体Pに溶融定着される。圧接ニップ部Nを通った記録媒体Pは定着ローラ61から分離して排出搬送されていく。
(2−5)膨張検出センサS2及び異常膨張検出部70について(図2、4等参照)
既述のとおり磁束発生コイルユニット60には膨張検出センサS2が組み合わされている。
膨張検出センサS2は、定着ローラ61が異常昇温して異常に熱膨張すると、その異常膨張を精度良く検出することで、定着ローラ61の異常昇温を精度良く知り、ひいては異常を表示したり、励磁コイル65への電力供給を停止させたりすることに利用できるようにして定着装置6の安全性を高めるためのものである。
既述のとおり磁束発生コイルユニット60には膨張検出センサS2が組み合わされている。
膨張検出センサS2は、定着ローラ61が異常昇温して異常に熱膨張すると、その異常膨張を精度良く検出することで、定着ローラ61の異常昇温を精度良く知り、ひいては異常を表示したり、励磁コイル65への電力供給を停止させたりすることに利用できるようにして定着装置6の安全性を高めるためのものである。
膨張検出センサS2は、図2に示すように、コイルユニット60(特にその励磁コイル65)に対向している定着ローラ61の部分に対し非接触で(定着ローラ61が異常膨張していないときに非接触となるように)配置され、コイルボビン64に取り付けられている。コイルユニット60(特にその励磁コイル65)に対向している定着ローラ61の部分はより多くの磁束が集中して発熱ピークを形成する。該定着ローラ部分は、定着ローラ61の周面方向の他の部分に比べてより発熱量が多くなり、ローラ61停止時には短時間で高温となり、大きく膨張する。
そこで本例では、定着ローラ61の異常膨張、ひいては異常昇温を迅速(短時間で)、確実に、精度良く検出するために、そのような定着ローラ部分のうち四つの部位に対しそれぞれ膨張検出センサS2を設けてある。膨張検出センサS2が対向している定着ローラ61の各部位は、図3に示す例では、励磁コイル65の屈曲部の直ぐ内側の直線状部分に対向している部位である。
さらに説明すると、定着ローラ61は、既述のとおり、電磁誘導発熱層613の内側に断熱層612のある構造である。電磁誘導発熱層613が発熱すると内部の断熱層612が加熱され膨張を起こす。断熱層612の膨張率は電磁誘導発熱層のそれよりも大きく、特に本例のように断熱層612としてシリコンスポンジ層のようなスポンジ層を採用している場合には、スポンジに含まれる気泡が樹脂や金属よりもはるかに大きく膨張するので定着ローラ61全体として膨張も大きいものとなる。このような定着ローラ61が停止状態で誘導加熱されるとコイルユニット60に対向している定着ローラ61の加熱ピーク部の膨張量は他の部分に比べて非常に大きいものとなる。そこで前記のような膨張検出センサS2の配置を採用することで、該センサS2に対して定着ローラ61の表面が熱膨張により近接していく速度を速くすることができ、定着ローラ61の異常膨張、ひいては異常昇温を、定着ローラ61の回転の有無にかかわらず、より迅速、確実に精度良く検出することができる。
本例では回線のし易さから各膨張検出センサS2をコイルユニット60の端部近傍に設けたが、定着ローラ61の異常膨張(ひいては異常昇温)をより迅速、確実に精度良く検出するために、膨張量が最も大きくなる部分、例えば定着ローラ61の中央部に対向させて配置してもよく、その配置を採用することで熱膨張感度を増すことができる。
定着ローラ61の膨張の検出方法としては、例えば膨張量を直接検出する方法や、温度の変動から検出する方法が考えられる。
図5は温度変動から膨張を検知する方法を説明する図である。この方法は、コイルユニット60に定着ローラ61が膨張して急速に接近すると、定着ローラ61が同時に膨張検出センサS2にも急速に近接するのでセンサS2の温度が急激に上昇することを利用して定着ローラの熱膨張を検出するものである。この方法では膨張検出センサS2として温度センサを採用できる。
図5は温度変動から膨張を検知する方法を説明する図である。この方法は、コイルユニット60に定着ローラ61が膨張して急速に接近すると、定着ローラ61が同時に膨張検出センサS2にも急速に近接するのでセンサS2の温度が急激に上昇することを利用して定着ローラの熱膨張を検出するものである。この方法では膨張検出センサS2として温度センサを採用できる。
さらに説明すると、予め定めた時間tの間におけるセンサS2の、正常時における昇温幅a1(或いはb1)に対して、昇温異常時には定着ローラ61自体の昇温に加えて定着ローラ61が熱膨張してセンサS2に近接してくることによっても熱がセンサに加わるのでより大きな昇温幅a2(或いはb2)が現れる。昇温幅a2(或いはb2)以上の温度幅の変動が現れた場合に異常と判断することができる。
なお、ここで、昇温幅a1、a2は定着装置6のウォームアップ時のものであり、昇温幅b1、b2はウォームアップ後の温調制御時の昇温幅を示している。
なお、ここで、昇温幅a1、a2は定着装置6のウォームアップ時のものであり、昇温幅b1、b2はウォームアップ後の温調制御時の昇温幅を示している。
本例では温度の変動から定着ローラ61の膨張を検出する方法を採用している。そのために膨張検出センサS2として温度センサを採用している。すなわち、定着ローラ61の熱膨張により定着ローラ表面が接近してくることでセンサ近傍領域の温度、ひいてはセンサの温度が急激に上昇するが、センサS2は、該定着ローラ表面接近による温度の上昇を検出する。
センサS2による検出温度情報は前記制御部71に入力される。温度センサS2及び制御部71等は異常膨張検出部70を構成している(図4参照)。
制御部71はセンサS2から入力されてくる温度の上昇速度を算出して、その上昇速度に基づいて定着ローラ61が異常膨張しているか、ひいては異常昇温しているか否かを判断する。
具体的には、制御部71は、センサS2から入力されてくる温度から、予め定め時間(例えばt秒間)における温度上昇幅を次々と、且つ、各センサ毎に求め、いずれかのセンサS2に基づく温度上昇幅が、制御部71に記憶されている参照温度上昇幅以上になると、定着ローラ61が異常膨張(異常昇温)していると判断する。
具体的には、制御部71は、センサS2から入力されてくる温度から、予め定め時間(例えばt秒間)における温度上昇幅を次々と、且つ、各センサ毎に求め、いずれかのセンサS2に基づく温度上昇幅が、制御部71に記憶されている参照温度上昇幅以上になると、定着ローラ61が異常膨張(異常昇温)していると判断する。
本例では、このようにして定着ローラ61の異常膨張(異常昇温)有りと判断すると、制御部71は励磁コイル駆動回路72による励磁コイル65への電力供給を停止させるとともに、表示部73に異常状態であることを表示させる。ここでの表示部は図示省略のディスプレイイによる視認可能の表示とともに図示省略の警報器による警報音発生による表示である。
異常か否かを判断する参照温度上昇幅は定着装置6のウォームアップ時と温調制御時などの他の場合とで同じでもよいが((図5で言えば昇温幅a2、b2は同じでもよいが)、両者を異ならせると、さらに精度良く熱膨張の検出が可能となる。より具体的にはウォームアップ時の参照温度上昇幅(図5で言えばa2)を温調制御時などの他の場合の参照温度上昇幅(図5で言えばb2)に比べて大きく設定することによって、ウォームアップ時の異常昇温を精度良く検出することができる。
なお、膨張センサの個数は四個に限定されるのもではなく、支障がなければ、より少なくてもよい。また、より多くてもよい。より多くすると、より安全性が高くなる。
以上説明した異常膨張検出部70では膨張検出センサとして温度センサS2を採用しているが、既述のように定着ローラ61の膨張量を直接的に検出するようにしてもよく、その場合、膨張検出センサとしてより安価で安定性に優れる接触センサを用いてもよい。接触センサの代表例として感圧センサを挙げることができる。なお、定着ローラ61の膨張を直接的に検出できるのであれば、他の種類のセンサを採用してもよい。
以上説明した定着装置6によると、定着ローラ61の異常昇温を定着ローラ61の回転の有無にかかわらず精度良く検出して安全性を高めることができる。
また、定着ローラ61の回転の有無にかかわらず定着ローラの異常膨張(従って異常昇温)を精度よく検出できるので、定着処理のための待機時において定着ローラ61及びそれに関係する回転部材を停止させた状態でもトナー像定着温度への定着ローラ温調制御が可能となり、それだけ定着ローラ等の回転部材の停止時間を長くして回転部材を長寿命化することや、回転部材駆動モータによる騒音を低減することも可能である。
また、プリンタPRは、定着装置として定着装置6を備えていることで、それだけ定着装置の安全性を保ちつつ良好な画像を形成できる。
また、定着ローラ61の回転の有無にかかわらず定着ローラの異常膨張(従って異常昇温)を精度よく検出できるので、定着処理のための待機時において定着ローラ61及びそれに関係する回転部材を停止させた状態でもトナー像定着温度への定着ローラ温調制御が可能となり、それだけ定着ローラ等の回転部材の停止時間を長くして回転部材を長寿命化することや、回転部材駆動モータによる騒音を低減することも可能である。
また、プリンタPRは、定着装置として定着装置6を備えていることで、それだけ定着装置の安全性を保ちつつ良好な画像を形成できる。
本発明は電子写真方式等の複写機やプリンタ等の画像形成装置において、記録媒体上に形成された未定着トナー像を加熱溶融して該記録媒体に定着させる定着装置及び該定着装置を備えた画像形成装置を提供することに利用できる。
PR カラープリンタ
Y イエロー画像形成部
M マゼンタ画像形成部
C シアン画像形成部
K ブラック画像形成部
YC イエロープロセスカートリッジ
MC マゼンタプロセスカートリッジ
CC シアンプロセスカートリッジ
KC ブラックプロセスカートリッジ
11 感光体
12 帯電装置
13 画像露光装置
14 現像装置
141 現像ローラ
15 クリーニング装置
2 1次転写ローラ
31 駆動ローラ
32 対向ローラ
4 中間転写ベルト
5 2次転写ローラ
8 クリーナ
9 タイミングローラ対
P 記録媒体
6 定着装置
61 定着ローラ
611 支持層
612 断熱層
613 電磁誘導発熱層
614 弾性層
615 離型層
62 加圧ローラ
621 芯金
622 芯金外周上の層
623 離型層
N 圧接ニップ部
60 磁束発生コイルユニット
64 コイルボビン
641 ボビンの窓
65 励磁コイル
67 磁性体コア
68 裾コア
S1 温調用温度センサ
S2 膨張検出センサ
70 異常膨張検出部
71 制御部
72 励磁コイル駆動回路
73 表示部
Y イエロー画像形成部
M マゼンタ画像形成部
C シアン画像形成部
K ブラック画像形成部
YC イエロープロセスカートリッジ
MC マゼンタプロセスカートリッジ
CC シアンプロセスカートリッジ
KC ブラックプロセスカートリッジ
11 感光体
12 帯電装置
13 画像露光装置
14 現像装置
141 現像ローラ
15 クリーニング装置
2 1次転写ローラ
31 駆動ローラ
32 対向ローラ
4 中間転写ベルト
5 2次転写ローラ
8 クリーナ
9 タイミングローラ対
P 記録媒体
6 定着装置
61 定着ローラ
611 支持層
612 断熱層
613 電磁誘導発熱層
614 弾性層
615 離型層
62 加圧ローラ
621 芯金
622 芯金外周上の層
623 離型層
N 圧接ニップ部
60 磁束発生コイルユニット
64 コイルボビン
641 ボビンの窓
65 励磁コイル
67 磁性体コア
68 裾コア
S1 温調用温度センサ
S2 膨張検出センサ
70 異常膨張検出部
71 制御部
72 励磁コイル駆動回路
73 表示部
Claims (12)
- 電磁誘導発熱層を有する回転可能の定着部材及び該定着部材の外側から該定着部材に臨む磁束発生コイルユニットを備えた誘導加熱方式の定着装置であり、該定着部材の異常熱膨張を検出する異常膨張検出部を備えており、該異常膨張検出部は該定着部材に対し臨設された膨張検出センサを含んでおり、該異常膨張検出部は該膨張検出センサの検出結果に基づいて前記定着部材の異常膨張を検出することを特徴とする定着装置。
- 前記膨張検出センサは前記磁束発生コイルユニットに対向する定着部材部分に対し臨設されている請求項1記載の定着装置。
- 前記膨張検出センサは前記磁束発生コイルユニットに対向している前記定着部材部分のうち前記電磁誘導発熱層の発熱による膨張量が最も大きい部位に対し臨設されている請求項2記載の定着装置。
- 前記膨張検出センサは、前記定着部材の膨張により該定着部材が接触することで該定着部材の異常膨張を検出するセンサである請求項1、2又は3記載の定着装置。
- 前記膨張検出センサは、前記定着部材の膨張により該定着部材が接触すると該接触に感応する感圧センサである請求項4記載の定着装置。
- 前記膨張検出センサは、前記定着部材の膨張により該定着部材表面が近接してくることによる該センサ近傍領域の温度の上昇を検出する温度センサであり、前記異常膨張検出部は、該温度センサにより検出される温度の上昇速度に基づいて前記定着部材の異常膨張を検出する請求項1、2又は3記載の定着部材。
- 前記異常膨張検出部は、前記温度センサで検出される温度の予め定めた時間における上昇幅が予め定めた参照温度上昇幅以上になると前記定着部材が異常膨張状態と判断する請求項6記載の定着装置。
- 前記参照温度上昇幅として、定着装置のウォームアップ時に採用する第1の参照温度上昇幅と該ウォームアップ時以外のときに採用する第2の参照温度上昇幅が定められている請求項7記載の定着装置。
- 前記定着部材はローラ形態の定着部材であり、該ローラ内側から外側へ順次配置された、少なくとも支持層、スポンジ層、前記電磁誘導発熱層及び離型層の4層を含んでいる請求項1から8のいずれかに記載の定着装置。
- 前記異常膨張検出部は、前記定着部材の異常膨張を検出すると該異常膨張を表示する請求項1から9のいずれかに記載の定着装置。
- 前記異常膨張検出部は、前記定着部材の異常膨張を検出すると前記磁束発生コイルユニットへの電力供給を停止させる請求項1から10のいずれかに記載の定着装置。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を記録媒体に転写し定着装置で定着させる画像形成装置であり、該定着装置は請求項1から11のいずれかに記載の定着装置である画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006070569A JP2007248690A (ja) | 2006-03-15 | 2006-03-15 | 定着装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006070569A JP2007248690A (ja) | 2006-03-15 | 2006-03-15 | 定着装置及び画像形成装置 |
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JP2007248690A true JP2007248690A (ja) | 2007-09-27 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8301051B2 (en) | 2008-08-27 | 2012-10-30 | Ricoh Company, Limited | Fixing device, image forming apparatus, and method of controlling fixing device |
JP2013200505A (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Fuji Xerox Co Ltd | 定着用加圧部材、定着装置、および画像形成装置 |
-
2006
- 2006-03-15 JP JP2006070569A patent/JP2007248690A/ja not_active Withdrawn
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