JP5050840B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
この定着装置において、ハロゲンヒータを熱源として定着ローラを加熱する方式が従来から用いられているが、近年、画像形成装置においてもコンパクト化・省エネに対する要求が高まる中、定着ローラを電磁誘導で加熱する方式が提案されている。
このタイプの定着装置では、導電発熱層の熱容量を小さくできるので、ウオームアップ時間を短縮することができ、コンパクトで高い熱変換効率が得られるが、記録シートが通過する領域(通紙領域)で定着ローラ表面から記録シートに熱が奪われ、非通紙領域と比べて低温になりやすい。したがって、搬送される記録シートのサイズが小さい場合、特に連続的に通紙する場合などに、定着ローラの通紙領域を定着温度に維持すると、記録シートが通過しない非通紙領域(両端領域)で過昇温し、定着ローラや励磁コイルが耐熱限界を越えて破損するといった不具合がある。
この特許文献1の技術によれば、定着ローラにおける昇温した部分の熱が磁性体コアに幅射・伝導され、磁性体コアがキュリー温度を超えると磁界が弱まって誘導加熱が抑えられ、それによって、定着ローラを誘導加熱するときの磁界分布が自動調整される。
空冷手段は、さらに記録シートの搬送方法と直交する方向において複数の孔を有し、かつ端部領域における孔の開口率が中央領域における孔の開口率よりも小さい風量規制部を備え、ファンから通気路を経由して風量規制部を通して複数の磁性体コアに冷却風を導くことにより、風量分布を形成してもよい。
上記特定手段が磁性体コアを特定する方法として、定着対象となる記録シートの搬送方向と直交する方向における幅に関する情報を取得するシート幅情報取得手段を設けて、その取得結果に基づいて特定したり、加熱対象となる回転体の記録シートの搬送方向と直交する方向における異なる位置の表面温度を検出する温度検出手段を設けて、その検出結果に基づいて特定すれば、搬送される記録シートの通紙幅に合わせて適宜特定することができる。
(1)画像形成装置の全体構成
図10は、本実施の形態にかかる画像形成装置1000の全体構成を示す概略断面図である。
画像形成部1500は、駆動ローラ1505及び従動ローラ1504に張架されて矢印A方向に回転駆動される中間転写ベルト1502と、当該中間転写ベルト1502の下方に列設されたイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)に対応する4つの作像ユニット1506Y,1506M,1506C,1506K、およびプリントヘッド部1509Y〜1509Kなどからなる。
中間転写ベルト1502における駆動ローラ1505で支持された部分には、2次転写ローラ1503が圧接されており、2次転写ローラ1503と中間転写ベルト1502とのニップ部が2次転写領域1530となっている。
この給紙カセット1517には、複数のサイズ(P1,P2,P3,P4)のうち選択された一のサイズの記録シートPを収納することができ、不図示のセンサにより収納されている記録シートのサイズを検出できるようになっている。
定着器1520は、定着ローラ1と加圧ローラ2を備え、定着ローラ1と加圧ローラ2との圧接部分が定着ニップ領域1531となっている。
一方、給紙カセット1517内に積載収容された記録シートPは、給紙ローラ1518によって最上部のものから1枚ずつ搬送路1540に送り出される。タイミングローラ1570は、所定のタイミングで、記録シートPを2次転写領域1530に搬送する。
トナー画像が2次転写された記録シートPは、定着ニップ領域1531に達し、定着器1520でトナー画像が記録シートPに定着される。トナー画像が定着された記録シートPは、排紙ローラ1514を介して排紙トレイ1513に排出される。
図1は、定着器1520の構成を示す概略断面図である。
同図に示すように、本実施の形態に係る定着器1520は、記録シートPを加熱・加圧する定着ローラ1及び加圧ローラ2、定着ローラ1を誘導加熱する電磁誘導加熱装置3などからなる。
加圧ローラ2は、不図示の駆動機構により矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。定着ローラ1は、加圧ローラ2の回転に従って従動回転する。
図2は、定着ローラ1の積層構造を示すための部分断面図である。
定着ローラ1は、内側から外側に向けて、順に、支持層としての芯金11,断熱層12,電磁誘導発熱層13,弾性層14,離型層15の5層構造であって、外周部分にある電磁誘導発熱層13,弾性層14,離型層15で定着ベルト16が構成されている。
芯金11の材質は、支持層としての強度が確保できれば、鉄、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性のモールドのパイプを使用することも可能であるが、芯金が発熱するのを防ぐ為に電磁誘導加熱の影響が少ない非磁性または低抵抗な材料を用いるのが望ましい。芯金11の具体例として、例えば、径32mmのアルミ製のものが挙げられる。
電磁誘導発熱層13は、無端ベルトであって、電磁誘導によって発熱して容易に昇温できるように、透磁率μが比較的高く適当な抵抗率ρを持つ材料からなる。具体例としてニッケル電鋳ベルトが挙げられ、その厚さは10〜100μm、望ましくは20〜50μmである。電磁誘導発熱層13の材料として、その他に磁性ステンレスやパーマロイのような磁性材料(磁性金属)が挙げられる。
さらに電磁誘導発熱層13には、樹脂に発熱粒子を分散させた材料を用いても良いし、樹脂に発熱材をコーティングしたものを用いても良い。電磁誘導発熱層13に樹脂ベースの材料を用いる事によって、定着ローラ1に対する記録シートPの分離性を良くすることができる。
弾性層14にシリコンゴムを用いる場合、JIS硬度で1〜80度、望ましくは5〜30度であることが好ましい。このJIS硬度範囲であれば、弾性層の強度低下や密着性不良を防止しつつ、トナーの定着性不良を防止できる。
離型層15は、最外層であって、定着ローラ1の表面におけるトナーの離型性を高める役割を果たす。離型層15は、定着温度での使用に耐えられる上にトナー離型性を有する材料、具体的には、シリコンゴム、フッ素ゴム、PFA,PTFE,FEP,PFEP等のフッ素樹脂、もしくはそれらを混合したものを用いることが好ましい。
図3は、加圧ローラ2の積層構造を示すための部分断面図である。
加圧ローラ2は、定着ローラ1に対して荷重300〜500Nで加圧される。この場合のニップ幅は約5〜15mmとなるが、荷重を変えることでニップ幅が変わる。
(3)電磁誘導加熱装置3の構成
定着器1520における電磁誘導加熱装置3は、図1に示すように励磁コイル31、磁性体コア32、一部の磁性体コア32を加熱するためのコアヒータ37、および励磁コイルを巻回した状態で保持するためのコイルボビン33からなり、定着ローラ1の外周面の外側に設けられてなる。
励磁コイル31には、高周波インバータ110(図5参照)から10〜100[KHz]、100〜2000[W]の高周波電力が供給されるため、素線を数十から数百本を束ねてリッツ線にしたものを用い、加熱時の絶縁性を考慮して、耐熱性の樹脂で被覆したものを用いることが好ましい。なお、この励磁コイル31は、通電時に自己発熱し、耐熱温度を超えると絶縁性が維持できないため、ファンなどで空冷してもよい。
図4(a)に示すように、複数(ここでは12個)のメインコア34が、定着ローラ1の軸方向(通紙幅方向)に所定の間隔をおいて配置されている。各メインコア34は、励磁コイル31の外側を覆うように、定着ローラ1の軸方向に対して垂直な面に沿ってアーチ状(図1参照)に伸び、その長さは例えば100mmである。
ここで、高周波インバータ110から励磁コイル31に供給される高周波電流に伴って磁束Φの密度が変化するので、電磁誘導発熱層13には渦電流が流れて層自体がジュール発熱する。この電磁誘導発熱層13の発熱で定着ベルト16が加熱される。
裾コア36は、横断面が矩形であり、定着ローラ1の軸方向全長にわたって各メインコア34の端部を結ぶように連続配置されている。端部コア35は、横断面が矩形で、その長辺の長さは5〜10mmであり、定着ローラ1の軸方向両端に略対応する位置に配置されている。
また、対をなすコアヒータ37a〜37d(以下、単に「コアヒータ37a〜37d」という。)は、図1に示すように対応するメインコア34の定着ローラ1と反対側の表面に接触させた状態で配設されている。
(4)磁性体コア32のキュリー温度について
次に、メインコア34をはじめとする磁性体コア32の材料、特にキュリー温度について考察する。
コアヒータ37a〜37dで加熱しないときのメインコア34の温度は、定着時における定着ベルト16の温度変化に追随して変化し、定着ベルト16の表面温度と比べてほぼ一定の温度差αだけ低い温度となる。従って、中央領域のメインコア34の温度Tcは、定着温度Trよりαだけ低くなる(Tc=Tr−α)。このαは、メインコア34の構造や周辺の構造などによって変わる。
一方、中央領域にあるメインコア34のキュリー温度は高くてもよいが、コアヒータ37a〜37dが配設されているメインコア34のキュリー温度は、あまり高いと、コアヒータでメインコア34を加熱してもメインコア34の温度がキュリー温度に達するのに時間がかかり、また、キュリー温度に達したときに定着ベルト16などが耐熱温度(220℃程度)を越えてしまう。従って、コアヒータ37a〜37dが配設されているメインコア34のキュリー温度は、耐熱温度(220℃)−αより低く設定する。
なお、パーマロイのような合金では、合金組成によってキュリー温度が変わるので、適当なキュリー温度を持つ合金組成を選べばよい。例えば、Fe-Ni合金では、原子パーセント(at%)で、Fe70%、Ni30%の場合、キュリー温度約100℃が得られ、Fe-Ni-Cr合金では、at%でNi31%,Fe61%,Cr8%の場合、キュリー温度約70℃が得られる。そして、このキュリー温度は、Ni含有量に応じて変化する。
(5)定着ローラ1の表面温度を検出する温度センサについて
本実施の形態においては、図4(b)に示すように、定着ローラ1の外周面の軸方向に沿って、温度センサ61〜64が配置されている。
また、温度センサ62〜64は、非通紙領域となり得る領域(コアヒータ37a〜37dが配置されている領域)に分散して配され、その位置での定着ローラ1の表面温度を検出することができるようになっている。
各温度センサ61〜64は、定着ローラ1の表面に対して接触式でも非接触式でもよく、赤外センサ(商品名NCセンサ),サーミスタなどを用いることができる。ここでは、温度センサ61として赤外センサを用い、温度センサ62〜64にはサーミスタを用いることとする。
(6)制御部100の構成
図5は、画像形成装置における各部の動作を制御する制御部の構成を示すブロック図である。
不図示の通信インターフェースを介して、外部の端末(パーソナルコンピュータ)からプリントジョブのデータを受信すると、画像信号処理部102は、そのR,G,Bの画像データにスムージング処理やエッジ強調処理などの必要な処理を加えると共に、色変換処理を行ってYMCKの各現像色のデジタル画像信号を生成する。
RAM105は、上記各プログラムが実行される際におけるワークエリアとなる。
CPU101は、ROM104から制御に必要なプログラムを読み出して、画像信号処理部105、中間転写部1500、給紙搬送部1515、定着器1520等の動作を統括的に制御して、円滑な画像形成動作を実現する。
CPU101は、温度センサ61〜64からの検出信号に基づき、次に述べるように、励磁コイル31を駆動する高周波インバータ110の出力制御並びにコアヒータ37a〜37dへの通電をON/OFFを制御して、定着時における定着ローラ1の通紙領域の温度を所定の目標温度に保つと共に、その非通紙領域における過昇温を効率的に抑制する。
画像形成動作時における定着ローラ1の温度制御として、制御部100は、(a)励磁コイル31の出力制御、および(b)磁性体コア32の温度制御を並行して実行する。
(a)励磁コイル31の出力制御
制御部100は、温度センサ61から出力された検出信号に基づき、定着ローラ1の中央付近の表面温度が、あらかじめ設定されている定着温度Tr(例えば170℃)となるように、高周波インバータ110から励磁コイル31への電力供給量を制御する。
このように高周波インバータ110から励磁コイル31への出力を制御することによって、定着ローラ1の中央領域の表面温度は、定着温度Tr付近に維持される。
(b)磁性体コアの温度制御
連続して定着動作を実行すると、定着ローラ1の通紙領域の温度は上記(a)により一定の温度に維持されるが、非通紙領域では、記録シートにより熱が奪われない上に、電磁誘導発熱層13は熱容量が小さいので急速に温度が上昇して過昇温となるおそれがある。
そこで、本実施の形態では非通紙領域に対応する位置にある磁性体コアの温度をコアヒータで加熱してそのキュリー温度以上とすることにより透磁率を低下させて、その部分における定着ローラ1の電磁誘導発熱層13を通過する磁束密度を低減することにより温度上昇を抑制する。
まず、ステップS1において、温度センサ61による検出温度が所定の処理開始温度以上となっているか否かを判断する。
温度センサ61で検出される温度が処理開始温度未満のときには、コアヒータ37a〜37dは作動させない(ステップS1:NO、ステップS6)。
一方、温度センサ61で検出される温度が処理開始温度以上となり、且つ励磁コイル31が動作している場合には(ステップS1,S2ともにYES)、非通紙領域において過昇温になるおそれがあるので、温度センサ62〜64で検出される温度に基づきコアヒータ37a〜37dを選択的にON/OFF制御する(ステップS3〜S9)。
もし、ステップ3において、温度センサ62の検出温度が上限温度以上でないと判断された場合には、定着ローラ1の全範囲において続けて昇温させる必要があるので、全てのコアヒータを動作させない(ステップS3:NO、ステップS6)。
ここで、温度センサ63が、上限温度以上でなければ、通紙している記録シートのサイズは、図4(b)により用紙幅サイズBであると推定されるので、コアヒータ37aのみをONにし、他のコアヒータ37b〜37dはOFFのままとする(ステップS4:ON、ステップS7)。
そのため、定着ローラの非通紙領域において過昇温とならない。
ステップS4において温度センサ63も上限温度以上であると判断された場合には次に温度センサ64の検出温度が上限温度以上か否かを判断し(ステップS4:YES、ステップS5)、このセンサの検出温度が上限温度以上でなければ、通紙されている記録シートPのサイズは、サイズCと推定できるので(図4(b)参照)、非通紙領域にあるメインコア34のコアヒータ37a、37bに通電する。
なお、本実施の形態では、コアヒータ37a〜37dとしてメインコア34のキュリー温度より若干高めの温度で自己温度調整されるPTCヒータを用いることにより、メインコア34の上限温度を制御することができる。磁性体コアの温度がキュリー温度を10℃〜20℃超えると透磁率が1近くに低下するので、その程度の温度で自己調整できるPCTヒータが選択されるのが好ましい。
以上のように定着時における温度センサ62〜64の検出温度の値により、定着ローラ1の非通紙領域を推測することができ、当該非通紙領域に位置するメインコア34に設けられたコアヒータを動作させて、当該メインコア34をそのキュリー温度以上に強制的に加熱することにより、非通紙領域における過昇温を効果的に抑制することができる。
(8)本実施の形態における効果
図11は、本実施の形態における効果を示すためのグラフであり、図1,4に示した定着器を用いて、上述したように温度センサに基づいてコアヒータをON/OFF制御しながら、用紙サイズP1,P2,P3の各サイズの用紙をそれぞれ多数枚通過させ、そのときの定着ローラ表面の通紙幅方向温度分布を測定したものである。
ここでは、通紙領域の定着温度はいずれも約160℃とした。
<変形例>
(1)上記実施の形態においては、複数の温度センサ62〜64で定着ローラ1の表面温度を検出し、その結果に基づいて、コアヒータ37a〜37dを選択的にON/OFFしたが、温度センサ62〜64は設けないで、代わりに、給紙カセット1517の記録シートサイズセンサから記録シートサイズを取得し、それに基づいてコアヒータ37a〜37dを選択的にON/OFFしてもよい。
W1,W2,W3,W4は、コアヒータ同士の間隙に基づいて設定された長さであって、図4に示されるように、1対のコアヒータ37a同士の間隔>W1>1対のコアヒータ37b同士の間隔>W2>1対のコアヒータ37c同士の間隔>W3>1対のコアヒータ37d同士の間隔>W4である。また、Wは搬送される記録シートの幅である。
制御部100のROM104内に、このような対応表を記憶させておいて、プリント動作時には以下のように制御する。
このように制御することによって、温度センサ61で検出される温度が処理開始温度以上となり、且つ励磁コイルが動作しているときに、搬送される記録シートの幅に応じて、コアヒータ37a〜37dのうち、非通紙領域に存在するものだけONされる。
(2)上記実施の形態では、複数のメインコア34の温度分布を制御するのに、コアヒータ37を用いる方法を示したが、上記複数のメインコア34に対する冷却量の分布を調整することによっても、非通紙領域におけるメインコア34の温度を通紙領域のものよりも相対的に高温にすることができる。
定着動作時において、磁性体コア32は、空冷しなければ定着ベルト16から輻射熱・伝導熱を受けて、複数のメインコア34の温度も、上述した定着温度Trより低い温度Tc=(Tr−α)となるが、本例では風冷するのでその分温度が下がる。この点を考慮して、メインコア34のキュリー温度は、上記実施の形態における温度Tc=(Tr−α)と同程度か、それより若干低く設定しておく。
図8に、空冷方式によるコア冷却装置の一例を示す。
このコア冷却装置では、画像形成装置内に設けられたファン91から定着器のメインコア34に風を導くダクト92が設けられている。ファン91の風量は、その駆動電圧を調整することによってコントロールする。
ここで、複数のメインコア34の中で、中央領域に存在するものに対する風量が大きくなるように風量分布を形成する。
これら曲線L1〜L5はいずれも中央が凹んでおり、中央領域ではメインコア34の温度が低く、端部領域ではメインコア34の温度が高い温度分布であることが示されている。また、曲線L1,L2,L3,L4,L5の順で低温側にシフトし、キュリー温度以下の範囲が広がっている。
このように、定着器が動作しているときに、ファン91の風量を制御することによって複数のメインコア34の温度分布を調整することができるので、コアヒータ37a〜37dに代わりにこのコア冷却装置を用いても、上記説明したのと同様に定着ローラ1の温度を検出した結果に基づいて、風量を複数のメインコア34の温度制御を行ったり、記録シートサイズ検出結果に基づいて複数のメインコア34の温度制御を行うことができる。そして、それによって、通紙サイズが変わっても、安定した定着を行いながら、非通紙領域における過昇温を低減することができる。
(3)以上の説明では、温度情報や通紙サイズに基づいて、複数のメインコア34の中から、相対的に高温に温度調整するメインコアを選択する手段を設けたが、複数のメインコア34の中で相対的に高温に温度調整するメインコアをあらかじめ選択しておいてもよい。ただしこの場合、定着品質と過昇温防止とを両立できる用紙サイズの範囲は限られる。
また、図8の風冷方式の場合も、ファン91の風量調整はせず、ON/OFF制御だけ行ってもよいが、同様に定着品質と過昇温防止とを両立できる用紙サイズの範囲は限られる。
この場合、中央領域に対して両端領域の発熱量が大きくなるようにしておけば、当該面状ヒータの出力を調整することによって、同様に複数のメインコア34の温度分布を調整することができる。
(5)上記実施の形態によれば、定着器をフルカラーのプリンタに搭載した例について説明したが、モノクロのプリンタでもよいし、その他複写機や複合機などおよそトナー像を加熱圧接して熱定着する構成を有する画像形成装置に適用可能である。
2 加圧ローラ
3 電磁誘導加熱手段
13 電磁誘導発熱層
16 定着ベルト
31 励磁コイル
32 磁性体コア
33 コイルボビン
34 メインコア
35 端部コア
36 裾コア
37a〜37d コアヒータ
61〜64 温度センサ
91 ファン
92 ダクト
100 制御部
110 高周波インバータ
120a〜120d スイッチ
Claims (6)
- 一対の回転体を近接配置して定着ニップ部を形成し、当該一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体を電磁誘導加熱手段により加熱すると共に、被定着画像が形成された記録シートを前記定着ニップ部に通紙して熱定着する定着装置であって、
前記電磁誘導加熱手段は、
前記加熱対象の回転体の周面に沿って配設された励磁コイルと、
前記励磁コイルに沿って、前記記録シートの搬送方向と直交する方向に配設された複数の磁性体コアと、
前記複数の磁性体コアのうち、定着対象となる記録シートの通紙領域と重ならない範囲に配設された磁性体コアを特定する特定手段と、
前記特定された磁性体コアの温度が、当該範囲に配設された磁性体コアのキュリー温度よりも高くなるように調整するコア温度調整手段と
を備え、
前記コア温度調整手段は、
前記複数の磁性体コアを空冷するとともに、前記記録シートの搬送方向と直交する方向において、複数の磁性体コアの中で中央領域に対する風量が端部領域に対する風量よりも大きくなるように風量分布を形成する空冷手段と、
前記空冷手段の全体の風量を調整することにより、前記風量分布において前記特定された磁性体コアのみが前記回転体の温度上昇に追随してキュリー温度を超えるように、前記特定された磁性体コアの風量を低減もしくは停止させる制御手段と、
を有する定着装置。 - 前記空冷手段は、さらに前記記録シートの搬送方法と直交する方向において複数の孔を有し、かつ前記端部領域における孔の開口率が前記中央領域における孔の開口率よりも小さい風量規制部を備え、
ファンから通気路を経由して前記風量規制部を通して前記複数の磁性体コアに冷却風を導くことにより、前記風量分布を形成することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 定着対象となる記録シートの搬送方向と直交する方向における幅に関する情報を取得するシート幅情報取得手段を備え、
前記特定手段は、
前記取得した記録シートの幅に関する情報に基づき、複数の磁性体コアのうちから前記通紙領域と重ならない範囲に配設された磁性体コアを特定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。 - 前記電磁誘導加熱手段の加熱対象となる回転体の、記録シートの搬送方向と直交する方向における異なる位置の表面温度を検出する温度検出手段を備え、
前記特定手段は、
前記検出した表面温度に基づき、複数の磁性体コアのうちから前記通紙領域と重ならない範囲に配設された磁性体コアを特定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。 - 少なくとも、定着対象となる最小の記録シートの通紙領域と重ならない範囲に配設された磁性体コアのキュリー温度は、140℃以上200℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の定着装置。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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