JP5652520B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
その一方で、電磁誘導加熱方式の定着装置は、幅方向サイズが小さな記録媒体(小サイズ紙)を連続的に定着した場合等に、発熱部材(又は定着部材)の両端部が過昇温しやすいことが知られている。
一般的な画像形成装置は、幅方向(記録媒体の搬送方向に直交する方向である。)のサイズが異なる複数種の記録媒体に対して、画像形成ができるように構成されている。ここで、幅方向サイズの異なる記録媒体とは、JIS寸法のA列やB列における種々の定形サイズの記録媒体の他に、不定形サイズの記録媒体も含まれる。また、同一サイズ(例えば、A4サイズである。)の記録媒体であっても、長手方向を搬送方向にした場合と、短手方向(長手方向に直交する方向である。)を搬送方向にした場合とでは、幅方向サイズの異なる記録媒体を扱っていることになる。
図1〜図11にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、転写ベルト17上の記録媒体Pに、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(転写工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
その後、転写ベルト17表面は、転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、転写ベルト17上に付着した付着物が転写ベルトクリーニング部16に回収される。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、不図示の搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、転写ベルト17の位置に向けて搬送される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、不図示の排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2に示すように、定着装置19は、誘導加熱部24(磁束発生手段)、発熱部材としての定着ローラ20、加圧ローラ30、温度検知手段としての温度センサ55、等で構成される。
ここで、発熱部材としての定着ローラ20(定着部材)は、SUS304等の非磁性材料からなる中空構造の芯金23の表面に、弾性層22、発熱層21等を形成した多層構造体である。
芯金23は、SUS304等の非磁性ステンレスで形成され、その肉厚は0.4mmになっている。これにより、熱容量が小さくなって、電磁誘導加熱のエネルギーが発熱層21に集中しやすくなる。
弾性層22は、シリコーンゴム等の弾性材料からなり、その厚さは50〜500μmになっている。これにより、熱容量がそれ程大きくなく、良好な定着画像を得ることができる。
第1非磁性材料層としては、非磁性材料層としてのSUS304、SUS301、SUS316(いずれも非磁性ステンレス)等を用いることができる。
第2非磁性材料層としては、銅(Cu)を用いることができる。第2非磁性材料層は、その層厚が5〜35μmの範囲内になるように、第1非磁性材料層上にめっき処理にて形成されている。第2非磁性材料層の体積抵抗率は1.7×10-8Ω・mとなっていて、第1非磁性材料層の体積抵抗率よりも小さくなっている。なお、第2非磁性材料層としては、銀(Ag)やアルミニウム(Al)等を用いることもできる。
第1非磁性材料層及び第2非磁性材料層からなる発熱層21は、誘導加熱部24(磁束発生手段)から発せられる磁束によって電磁誘導加熱される。
定着ローラ20の離型層は、PFA等のフッ素化合物で形成され、その厚さは30μmになっている。離型層は、トナー像(トナー)Tが直接的に接する定着ローラ20表面のトナー離型性を高めるためのものである。
このように本実施の形態1における定着ローラ20は、トナー像を溶融する定着部材として機能するとともに、誘導加熱部24によって直接的に加熱される発熱部材としても機能することになる。
図2に示すように、励磁コイル25は、電源部70に接続されていて、交番電流の供給により発熱層21を誘導加熱するための磁束を発生する。
詳しくは、消磁コイル26は、可変される複数の調整範囲(非通紙領域)ごとに励磁コイル25に対向する距離を変えて並設された複数の消磁コイル26a〜26cで構成される。具体的に、図2及び図3を参照して、励磁コイル25に最も遠い位置であって、A4サイズ(210mm)の記録媒体Pにおける非通紙領域に対応する位置(幅方向両端部)には、第1の励磁コイル26aが配設されている。第1の励磁コイル26aよりも励磁コイル25に近い位置であって、B5サイズ(182mm)の記録媒体Pにおける非通紙領域に対応する位置には、第2の励磁コイル26bが配設されている。励磁コイル25に最も近い位置であって、A5サイズ(148mm)の記録媒体Pにおける非通紙領域に対応する位置には、第3の励磁コイル26cが配設されている。各消磁コイル26a〜26cは、それぞれ、第2コア29の一部(幅方向端部)の周りを周回するように渦巻状に配設されている。なお、各消磁コイル26a〜26cの幅方向端部は、それぞれの記録媒体Pの通紙領域の幅方向端部に対応する位置に一致するように配設されている。
そして、各切替スイッチ51a〜51cによる電気回路の開閉によって、所望の調整範囲における発熱層21の加熱量(発熱量)を調整制御する。例えば、A4サイズの記録媒体Pが連続的に通紙されてその非通紙領域に対応する調整範囲の加熱量を調整したいときに、3つの切替スイッチ51a〜51cのうち第1の切替スイッチ51aのみを閉じて、第1の消磁コイル26aのみを動作(磁束発生)させて励磁コイル25の幅方向両端部(A4サイズ非通紙領域)の磁束を消磁する。これにより、定着ローラ20における非通紙領域の過昇温を抑止することができる。ここで、励磁コイル25の電源部70は、消磁コイル26に接続されていないために、励磁コイル25に流れる電流が変動することがない。したがって、励磁コイル25による定着ローラ20の加熱量も安定して、定着温度のバラツキにともない出力画像の定着ムラが生じる不具合を抑止することができる。
第1コア28は、定着ローラ20の外周面に対して励磁コイル25及び消磁コイル26を介して周方向に対向するように配設されている。第1コア28の材料としては、フェライト、パーマロイ等の強磁性体であって電気抵抗率の高いものが好ましい。
第2コア29は、第1コア28よりも定着ローラ20の外周面に近接して対向するとともに、幅方向(図2の紙面垂直方向である。)に延設されている。第2コア29の幅方向の長さは、定着ローラ20の幅方向(回転軸方向)の長さとほぼ等しい。また、図3を参照して、第2コア29は、3組の消磁コイル26a〜26cとの干渉を避けるために、幅方向に隙間(又は切欠)が設けられている。第2コア29の材料としては、フェライト、パーマロイ等の強磁性体であって電気抵抗率の高いものが好ましい。なお、第2コア29A〜29Dは、一体成型によるものである必要はなく、短いI型のコアを定着ローラ20とほぼ等しい長さになるように連結して構成することもできる。
ここで、本実施の形態1において、小サイズの記録媒体Pが連続的に通紙される時間又は枚数を検出する検出手段を設けて、その検出結果に基いて切替スイッチ51a〜51cによる電気回路(消磁コイル26a〜26c)の開閉制御をおこなうこともできる。その場合にも、上述した効果とほぼ同等の効果を得ることができる。
不図示の駆動モータによって、定着ローラ20が図2の時計方向に回転駆動されると、加圧ローラ30も反時計方向に回転する。そして、定着部材としての定着ローラ20は、誘導加熱部24との対向位置(対向面)で、誘導加熱部24から発生される磁束によって加熱される。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、不図示のガイド板に案内されながら定着ローラ20と加圧ローラ30との間に送入される(矢印Y1の搬送方向の移動である。)。そして、定着ローラ20から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ローラ20と加圧ローラ30との間から送出される。
このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
図5(A)は、消磁コイル26が電気的にオープンな状態(本実施の形態1では、第3の切替スイッチ51cが開放された状態となっている。)における磁束の状態を示している。図5(A)に示すように、切替スイッチが開放された場合(消磁コイル26が動作しない場合)、励磁コイル25から発生する磁束B1は、コア28、29を経路として発熱層21を通過して再びコア28、29に戻る。このとき、磁束B1は発熱層21を通過する磁気回路を形成することになる。そのため、発熱層21に誘導電流が流れて、発熱層21はジュール熱により発熱する。
このとき、消磁コイル26は電気的にオープンであるために、コイルとしてではなく、単なる絶縁された細い線材の束となり、励磁コイル25の磁束B1に大きな影響を与えない。これは、金属の面積がある大きさ以上でなければ、その金属には渦電流が流れないという現象によるものである。
本実施の形態1では、切替スイッチ51a〜51cの制御によって、図5(A)の状態と図5(B)の状態とを切り替えて、定着ローラ20の幅方向の発熱量分布を最適化している。
本実施の形態1では、励磁コイル25と消磁コイル26とが電気的に接続されていないため、消磁コイル26の起電力は励磁コイル25から発生する磁束によって誘起される逆起電力だけである。したがって、電源から消磁コイル26に電力を供給する構成と比較すると、励磁コイル25、消磁コイル26、発熱部材20の位置関係が、消磁コイル26の発熱抑制率に大きな影響を与える。
図6は、励磁コイル25から発生する磁束の状態をさらに詳しく示した図である。図6に示すように、励磁コイル25から発生する磁束は、コア28、29を通るもの(図5で示したものである。)の他に、発熱層21を直接透過して加熱する漏れ磁束が存在する。
これに対して、図6(B)に示すように、消磁コイル26、励磁コイル25、発熱部材20の順に配置した場合、励磁コイル25から発生した磁束のうちコアを通る磁束だけが消磁コイルによって打ち消されて、漏れ磁束は消磁コイルの影響を受けず発熱層21を加熱してしまう。すなわち、消磁コイル26の発熱抑制効果は不充分なものになってしまう。
その結果、図6(B)の発熱層21の発熱量は、消磁コイル26(切替スイッチ)を閉鎖したとき70%程度しか低減しなかった。これに対して、図6(A)の発熱層21の発熱量は、消磁コイル26(切替スイッチ)を閉鎖したとき55%程度にまで低減していた。なお、発熱量の計算結果は、それぞれの定着装置において、消磁コイル26を開放したときの発熱層21の発熱量を100としたときの、消磁コイル26を閉鎖したときの発熱層21の発熱量の割合である。
以上の結果から、定着ローラ20(発熱部材)の外周面側から、消磁コイル26、励磁コイル25、の順に配置することで、励磁コイル25の漏れ磁束を消磁コイル26に通すことができて、消磁コイル26の発熱抑制効果を高められることがわかる。
先に説明したように、A4サイズの記録媒体の非通紙領域に対応する位置には第1の消磁コイル26aが配設され、B5サイズの記録媒体の非通紙領域に対応する位置には第2の消磁コイル26bが配設され、A5サイズの記録媒体の非通紙領域に対応する位置には第3の消磁コイル26cが配設されている。
A4サイズを通紙する際には、A4サイズ端部から定着ローラの端部にかけて配置されている第1の消磁コイル26aのみを閉状態として、A4サイズ通紙時における定着ローラ20の非通紙領域の発熱量を低減させる。
B5サイズを通紙する際には、B5サイズ端部から定着ローラの端部にかけて配置されている第2の消磁コイル26bのみを閉状態として、B5サイズ通紙時における定着ローラ20の非通紙領域の発熱量を低減させる。
A5サイズを通紙する際には、A5サイズ端部から定着ローラの端部にかけて配置されている第3の消磁コイル26cのみを閉状態として、A5サイズ通紙時における定着ローラ20の非通紙領域の発熱量を低減させる。
なお、先に説明した温度センサ55(温度検知手段)は、定着ローラ20のA5、B5、A4、A3の各サイズの通紙領域の端部に対応する位置にそれぞれ配置してもよい。そして、複数の温度センサ55によって検知された結果に基いて、複数の消磁コイル26a〜26cの開閉や励磁コイル25への電力投入を制御することができる。
図7において、グラフQ1は本実施の形態1における定着装置を用いたときの昇温特性を示し、グラフQ0は従来の定着装置(消磁コイル26が設置されていないものである。)を用いたときの昇温特性を示す。また、図7中の破線は、通紙領域の定着温度を示す。
本実施の形態1では、通紙領域の端部の温度が第1の設定温度(180℃である。)以上になったときに対応する消磁コイル26cを閉状態にして、第2の設定温度(定着設定温度の170℃である。)以下になったときに消磁コイル26cを開状態にするように制御している。
これに対して、本実施の形態1における定着ローラ20は、端部の温度が第2の設定温度(180℃)に到達した時点で、消磁コイル26cが閉状態となる。これにより、図に示すように、定着ローラ20の端部の発熱が抑制されて、端部の温度が均一に保たれる。
複数の消磁コイル26a〜26cを設置することで、異なる幅方向サイズの記録媒体を連続通紙する際の、定着ローラ20の温度制御が簡易化される。ここで、「異なる幅方向サイズの記録媒体の連続通紙」とは、例えば、A5サイズの記録媒体を連続通紙した後に大サイズ(B5、A4、A3)の記録媒体を連続通紙する場合や、A3サイズの記録媒体を連続通紙した後に小サイズ(A4、B5、A5)の記録媒体を連続通紙する場合である。
図8(A)は、A4サイズに対応した消磁コイル26aのみを設置した定着装置における、定着ローラの幅方向の発熱量分布を示す。このような定着装置では、消磁コイルを閉状態にしたときの非加熱領域の発熱量が、小サイズの記録媒体を連続通紙した際に非通紙領域の温度が昇温しない(又は温度が低下する)ように制御しなければならない。図8(A)に示すように、A4サイズの記録媒体を連続通紙する際に、定着ローラの非通紙領域の温度が昇温せずに、通紙領域と同じ温度を維持するように消磁コイルを制御している。
これに対して、本実施の形態1では、種々のサイズ記録媒体に対応して、複数の消磁コイル26a〜26cを設置しているために、通紙する記録媒体のサイズ変更があっても、定着ローラの一部に過昇温が生じる不具合を抑止することができる。
本実施の形態1では、第1の消磁コイル26aを閉じたときは、定着ローラ20のA4サイズ非通紙領域の温度がA4サイズ通紙領域の温度と同等になるように制御される。同様に、第2の消磁コイル26bを閉じたときは、定着ローラ20のB5サイズ非通紙領域の温度がB5サイズ通紙領域の温度と同等になるように制御される。さらに、第3の消磁コイル26cを閉じたときは、定着ローラ20のA5サイズ非通紙領域の温度がA5サイズ通紙領域の温度と同等になるように制御される。このように複数の消磁コイル26a〜26cを複数設けることにより、「異なるサイズの記録媒体の連続通紙」においても、良好な定着が確実におこなわれることになる。
本実施の形態1では、各消磁コイル26a〜26cの発熱抑制率を等しくしているため、どのサイズの記録媒体を連続通紙しても非通紙領域の温度は一定に保たれる。
記録媒体の連続通紙が開始されると(ステップS1)、まず、その記録媒体が小サイズ紙(A3サイズよりも小さなサイズである。)であるかが判別される(ステップS2)。その結果、記録媒体が小サイズ紙ではないものと判別された場合、複数の消磁コイル26a〜26cのすべてを開状態にして(ステップS7)、本フローを終了する(ステップS8)。
これに対して、記録媒体が小サイズ紙であるものと判別された場合、さらに温度センサ55によって検知された非通紙領域の温度t1が所定値t2よりも高いかが判別される(ステップS3)。
その後、同一サイズの記録媒体の連続通紙が終了しているかが判別され(ステップS5)、連続通紙が継続されていると判別された場合にはステップS3以降のフローが繰り返される。そして、連続通紙が終了したものと判別された場合には本フローを終了する(ステップS8)。
図12〜図15にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図12は、実施の形態2における定着装置19を示す断面図である。図13は、図12の定着装置における励磁コイル及び消磁コイルを幅方向にみた模式図である。本実施の形態2における定着装置19は、可変される複数の調整範囲のうち隣り合う調整範囲の間をうめるように複数の消磁コイル26A〜26Cが幅方向に並設されている点が、可変される複数の調整範囲ごとに励磁コイル25に対向する距離を変えて複数の消磁コイル26a〜26cが並設された前記実施の形態1のものとは相違する。
具体的に、A5サイズの記録媒体が通紙される場合には、その非通紙領域(調整範囲)に配設された3対の消磁コイル26A〜26C(切替スイッチ51A〜51C)がすべて閉鎖され、非通紙領域の加熱量が調整される。B5サイズの記録媒体が通紙される場合には、その非通紙領域に配設された2対の消磁コイル26B、26Cが閉鎖される。A4サイズの記録媒体が通紙される場合には、その非通紙領域に配設された1対の消磁コイル26Cが閉鎖される。さらに、A3サイズの記録媒体が通紙される場合には、すべての消磁コイル26A〜26Cが開放される。
このような構成により、前記実施の形態1と同様に、どの幅方向サイズの記録媒体を通紙しても、定着ローラ20の幅方向の温度分布が均一化される。特に、本実施の形態2では、複数対の消磁コイル26A〜26Cを、周方向ではなく、幅方向に配設しているために、誘導加熱部24の周方向の厚みを薄くすることができる。
詳しくは、各消磁コイル26A〜26Cの発熱抑制率を高めに設定して、小サイズの非通紙領域の温度が通紙領域の温度より低温になるように設定する。そして、小サイズ紙の連続通紙中に非通紙領域の温度が大きく低下した場合、その非通紙領域の発熱を抑制している消磁コイルを開状態にすることにより、定着ローラ20の幅方向の温度分布を常に適切に維持する。これにより、消磁コイル26A〜26Cが対応するサイズよりも小さいサイズの記録媒体を通紙しても、良好な定着性を得ることができる。
通紙時には、すべての消磁コイル26A〜26Cを閉状態としている。ただし、小サイズの非通紙領域の温度が通紙領域の温度より低温になるように消磁コイル26A〜26Cを設定しているため、ハガキサイズ両端部からA5サイズ両端部までの非通紙領域の昇温が抑えられている。しかし、A5サイズ両端部から定着ローラ両端部までの温度が非常に低くなっているため、ハガキサイズ通紙後にB5サイズ、A4サイズ、A3サイズを直ちに通紙することができない。
このとき、第1の消磁コイル26A(第1の切替スイッチ51A)を閉じていると、A5両端部からB5両端部までの発熱は抑制されたままであるが、「ハガキサイズ両端とA5サイズ両端との間で発熱した熱量」及び「第2の消磁コイル26Bを開けたときにB5サイズ両端とA4サイズ両端との間で発熱した熱量」が発熱抑制された領域に伝熱するため、定着ローラの幅方向の温度分布が均一化される。
図16及び図17にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図16は、実施の形態3における定着装置の要部を示す図である。図17は、図16とは異なる定着装置の要部を示す図である。本実施の形態3における定着装置19は、励磁コイル25によって発生される磁束を打ち消す力が幅方向の位置によって異なるように消磁コイル26が形成されている点が、前記実施の形態2のものとは相違する。
図16(A)及び図16(B)に示すように、消磁コイル26におけるコイル導線部の断面積に差異を設けたとき、断面積が大きくなるほど励磁コイル25からの磁束がより多く消磁コイル26を通過するため、消磁コイル26の発熱抑制率が高くなる。すなわち、図16(A)の消磁コイルよりも、図16(B)の消磁コイルの方が、発熱抑制率が高くなる。
コイル導線部の断面積を制御する方法としては、1本の線束の太さで制御する方法を用いてもよいし、巻線の数を制御する方法を用いてもよい。具体的に、コイル導線部の断面積を大きくしたければ、1本の線束の太さを太くする。すなわち、束ねる線材の本数を増やすか、巻線の数を増やせばよい。消磁コイルの巻線の数を増やすと、発熱抑制率が高くなる効果に加えて、線束1本あたりに流れる電流を小さくする効果を得ることができる。消磁コイルに流れる電流を小さくすることで、消磁コイルのスイッチング素子の耐電流を小さくすることができるため、部品を低コスト化することができる。
図17に示すように、定着ローラの回転軸に垂直な面におけるコイル導線部の断面積は等しくても、コイル導線部によって作られるループ面積(ループ状に形成された領域の面積である。)を異ならせることにより、消磁コイルの発熱抑制率を調整することができる。具体的に、第2の消磁コイル26Bのループ面積は、第3の消磁コイル26Cのループ面積よりも大きく設定されていて、励磁コイル25から発生する磁束をより多く鎖交させることができるため、発熱抑制率が高くなる。
例えば、定着ローラの幅方向中央部と幅方向両端部との熱分布を比較すると、両端部の方が定着ローラ、ジャーナル、軸受、側板等の他部材に熱が逃げるため温度が低下しやすい傾向がある。そのため、幅方向中央部近傍に配置する消磁コイルの発熱抑制率よりも、幅方向両端部に配置する消磁コイルの発熱抑制率を低く設定することで、定着ローラ両端部の温度が大きく低下してA3通紙時に定着不良が発生する不具合を抑止することができる。
図18にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図18は、実施の形態4における定着装置の励磁コイル及び消磁コイルを幅方向にみた模式図である。本実施の形態4における定着装置19は、複数の消磁コイル26A〜26Cが対ごと(サイズごと)に1つの電気回路を構成している点が、前記実施の形態2のものとは相違する。
定着ローラの幅方向の中心を軸として対称に配置される1対の消磁コイルは、同時に開閉されることがほとんどである。そのため、図18のように構成することで、切替スイッチや電気回路の個数を減らすことができて定着装置の低コスト化及び小型化が図れるとともに、スイッチ制御が容易化される。
図19にて、この発明の実施の形態5について詳細に説明する。
図19は、実施の形態5における定着装置19を示す断面図である。本実施の形態5における定着装置19は、定着部材として定着ベルト60を用いている点が、定着部材として定着ローラ20を用いている前記各実施の形態のものとは相違する。
支持ローラ41は、図19の時計方向に回転する。そして、支持ローラ41の発熱層41a、41bは、誘導加熱部24から発せられる磁束によって誘導加熱される。
定着ベルト60は、内周面側から、発熱層(第1非磁性材料層及び第2非磁性材料層で構成されている。)、ニッケルからなる酸化防止層、シリコーンゴム等からなる弾性層、フッ素化合物からなる離型層、が積層されている。定着ベルト60の各層の構成は、前記実施の形態1における定着ローラ20の各層の構成とほぼ同等である。
定着ベルト60は、図19の時計方向に周回する。そして、定着ベルト60の発熱層は、誘導加熱部24から発せられる磁束によって直接的に誘導加熱される。
誘導加熱部24は、前記実施の形態2のものと同様に、励磁コイル25、消磁コイル26A〜26C、第1コア28、第2コア29、コイルガイド27、等で構成される。そして、前記各実施の形態と同様に、消磁コイル26A〜26Cは、励磁コイル25の電源部(不図示である。)に接続されていない。
定着補助ローラ50の回転駆動によって、定着ベルト60は図19中の時計方向に周回するとともに、支持ローラ41も時計方向に回転して、加圧ローラ30も反時計方向に回転する。定着ベルト60は、誘導加熱部24との対向位置で加熱される。
定着位置を通過した定着ベルト60表面は、その後に再び誘導加熱部24との対向位置に達する。
このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
19 定着装置、
20 定着ローラ(定着部材、発熱部材)、
21 発熱層、 22 弾性層、 23 芯金、
24 誘導加熱部、
25 励磁コイル、
26、26A〜26C、26a〜26c 消磁コイル、
27 コイルガイド、
28 第1コア、
29 第2コア(センターコア)、
30 加圧ローラ、 41 支持ローラ(加熱部材)、
50 定着補助ローラ、
51A〜51C、51a〜51c 切替スイッチ(スイッチング素子)、
55 温度センサ(温度検知手段)、
60 定着ベルト(定着部材、発熱部材)、
70 電源部。
Claims (8)
- 発熱層を有する発熱部材と、
前記発熱部材に対向するとともに、磁束を発生させて当該磁束によって前記発熱層を誘導加熱する励磁コイルと、
前記励磁コイルに対向するとともに、前記磁束を打ち消す方向の磁束を発生させる消磁コイルと、
を備え、
前記消磁コイルは、前記発熱部材の幅方向の中心を軸として対称に配設されて、前記励磁コイルに対向する距離を変えて並設された複数対の消磁コイルであって、
前記複数対の消磁コイルは、前記励磁コイルに対して遠い対向位置に配設された対の消磁コイルほど、幅方向の長さが短くなるように形成されたことを特徴とする定着装置。 - 前記複数対の消磁コイルは、ループ面積が対ごとに異なるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記励磁コイルは、前記消磁コイルを介在して前記発熱部材に対向するように配設されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
- 前記励磁コイルのループ内において幅方向に複数に分割されるように延設されたセンターコアを具備し、
前記センターコアは、複数に分割されたもののうち少なくとも1つが前記消磁コイルのループ内に配設されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。 - 前記発熱部材は、トナー像を溶融するとともに、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接する定着ローラであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。
- 前記発熱部材は、トナー像を溶融するとともに、支持ローラと定着補助ローラとに張架された定着ベルトであって、
前記定着補助ローラは、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに対して前記定着ベルトを介して当接するように配設されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。 - 前記発熱部材は、トナー像を溶融する定着ベルトを加熱するとともに、定着補助ローラとともに前記定着ベルトを張架する支持ローラであって、
前記励磁コイルは、前記支持ローラの外周面に対向するように配設されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。 - 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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