JP2001060490A - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置及び画像形成装置

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JP2001060490A
JP2001060490A JP11234213A JP23421399A JP2001060490A JP 2001060490 A JP2001060490 A JP 2001060490A JP 11234213 A JP11234213 A JP 11234213A JP 23421399 A JP23421399 A JP 23421399A JP 2001060490 A JP2001060490 A JP 2001060490A
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heating
image
magnetic flux
heating device
coil
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JP11234213A
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English (en)
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Hideo Nanataki
秀夫 七瀧
Takashi Nomura
崇 野村
Tetsuya Sano
哲也 佐野
Takao Kume
隆生 久米
Shinro Umezawa
梅澤  眞郎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁束発生手段と、該磁束発生手投の発生磁束の
作用により電磁誘導発熱する誘導発熱体とを有し、加熱
部に被加熱材を導入して前記誘導発熱体に直接また伝熱
部材を介して接触させて搬送させ誘導発熱体の発熱で被
加熱材を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置であっ
て、非通紙部昇温防止のためにキャンセルコイルを採用
する系において、低コスト化、小型化を図る。 【解決手段】磁束発生手段による発生磁束の一部を周回
する形状のコイル状導体を複数箇所7a・7bに有して
いて、該コイル状導体の少なくとも一組は同じ周回方向
に電流を流す向きに電気導体7x・7yで連結されてい
ること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁(磁気)誘導
加熱方式の加熱装置、および該加熱装置を画像定着等の
像加熱装置として備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】便宜上、電子写真複写機・プリンタ・フ
ァックス等の画像形成装置における画像加熱定着装置を
例にして説明する。
【0003】画像形成装置における画像加熱定着装置
は、画像形成装置の作像部に於いて電子写真・静電記録
・磁気記録などの適宜の画像形成プロセス手投により、
加熱溶融性の樹脂等よりなるトナー(顕画剤)を用いて
記録材の面に直接方式若しくは間接(転写)方式で形成
したトナー画像を記録材面に永久固着画像として加熱定
着処理をする装置である。
【0004】従来、そのような画像加熱定着装置とし
て、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方
式等の各種方式がある。
【0005】a.熱ローラ方式 これは、ハロゲンランプ等の熱源を内蔵させて所定の定
着温度に加熱・温調した定着ローラ(熱ローラ)と加圧
ローラとの回転ローラ対からなり、該ローラ対の圧接ニ
ップ部(定着ニップ部)に被加熱材としての、未定着ト
ナー画像を形成担持させた記録材を導入して挟持搬送さ
せることで未定着のトナー画像を記録材面に加熱定着さ
せる装置である。
【0006】しかしながら、この装置は定着ローラの熱
容量が大きくて、加熱に要する電力が大きい、ウェイト
タイム(装置電源投入時からプリント出力可能状態にな
るまでの待ち時間)が長い等の問題があった。
【0007】フルカラー画像装置用の定着装置の場合
は、最大4層のトナー層を十分加熱溶融させる能力が要
求されるために、定着ローラはその芯金を高い熱容量を
有するものにし、またトナー層を包み込んで均一に溶融
するため芯金外周にゴム弾性材を具備させ、該ゴム弾性
層を介してトナー像の加熱を行っている。
【0008】このように特に熱容量の大きな定着ローラ
を用いる装置の場合には、該定着ローラの温調とローラ
表面の昇温とに遅延が発生するため、定着不良、光沢ム
ラ、オフセット等の問題が発生していた。
【0009】b.フィルム加熱方式 これは、加熱体と、一方の面がこの加熱体と摺動し、他
方の面が記録体と接して移動するフィルムを有し、加熱
体の熱をフィルムを介して記録材に付与して未定着のト
ナー画像を記録材面に加熱定着処理する装置である(特
開昭63−313182号公報、特開平2−15787
8号公報、特開平4−44075〜44083,204
980〜204984号公報等)。
【0010】このようなフィルム加熱方式の装置は、加
熱体として低熱容量のセラミックヒータ等を、フィルム
として耐熱性で薄い低熱容量のものを用いることができ
て、熱容量の大きい定着ローラを用いる熱ローラ方式の
装置に比べて格投に省電力化・ウェイトタイム短縮化が
可能となり、クイックスタート性があり、また機内昇温
を抑えることができる等の利点がある。
【0011】c.電磁誘導加熱方式これは加熱体として
電磁誘導発熱体を用い、該電磁誘導発熱体に磁束(磁
場)発生手段で磁場を作用させて該電磁誘導発熱体に発
生する渦電流にもとずくジュール発熱でトナー画像を被
加熱材としての記録材面に加熱定着処理する装置であ
る。
【0012】
【発明が解決しようする課題】本発明は上記の特に電磁
誘導加熱方式の加熱装置および該加熱装置を画像定着等
の像加熱装置として備えた画像形成装置の改善に関する
ものである。
【0013】特公平7−319312号公報には電磁誘
導加熱方式の定着装置として強磁性体の定着ローラを電
磁誘導加熱する熱ローラ方式の装置が開示されており、
発熱位置を定着ニップ部に近くすることができ、ハロゲ
ンランプを熱源として用いた熱ローラ方式の装置よりも
高効率の定着プロセスを実現している。しかしながら定
着ローラの熱容量が大きいため、定着ニップ部の温度を
上昇させるためには大きな電力を必要とするという問題
があった。
【0014】特開平4−166966号公報には熱容量
を低減したフィルム状の定着口一ラを用いた電磁誘導加
熱方式の定着装置が開示されている。
【0015】しかしながら、熱容量を低減したフィルム
状の定着口一ラでは、長尺方向く定着ニップ部長手方
向)の熱流が阻害されるため、小サイズ記録材を通紙し
た場合に非通紙部での過昇温(非通紙部昇温)が発生し
て、フィルムや加圧ローラの寿命を低下させるという問
題が発生していた。この非通紙部昇温の圃題は前記b項
のフィルム加熱方式の装置の場合も同様である。
【0016】この問題を解決する方法として、小サイズ
の記録材を使用する場合に給紙間隔を広げてスループッ
トを下げることにより、定着フィルム等の冷却時間を設
ける方法が考えられるが、必要な冷却時間を得るために
は装置本来の画像形成速度を著しく低下させてしまうと
いう問題があった。
【0017】また、電磁加熱方式においては上記非通紙
部昇温を防止するために磁束発生手段を定着ニップ部長
手に関して分割して配し、これを個別に動作させて部分
的な励磁或いほ部分的な滅磁を行って加熱域を限定する
方法が考えられるが、このような磁束発生手段を多数有
する装置は複雑な構成となり、また各磁束発生手段の励
磁位相や励磁電流の調節が必要になる等解決しなければ
ならない課題も多く、コストが高くなるという問題があ
った。
【0018】したがって、低消費電力である、ウェイト
タイムの短縮が可能である、様々な記録材に対して非通
紙部における過昇温が防止されて高速化・高耐久化が可
能である、フルカラートナー画像に対して用いる事がで
きる、定着不良、光沢ムラ、オフセットが発生しない高
いパフォーマンスを有する安価な定着装置を具備した画
線形成装置が要望されている。
【0019】本発明はこのような要望に応え得る電磁加
熱方式の加熱装置および該加熱装置を用いた画像形成装
置を提供するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする加熱装置および画像形成装置である。
【0021】(1)磁束発生手段と、該磁束発生手投の
発生磁束の作用により電磁誘導発熱する誘導発熱体とを
有し、加熱部に被加熱材を導入して前記誘導発熱体に直
接また伝熱部材を介して接触させて搬送させ誘導発熱体
の発熱で被加熱材を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装
置であって、前記磁束発生手段による発生磁束の一部を
周回する形状のコイル状導体を複数箇所に有していて、
該コイル状導体の少なくとも一組は同じ周回方向に電流
を流す向きに電気導体で連結されていることを特徴とし
た加熱装置。
【0022】(2)コイル状導体は表面を絶縁被覆され
ていることを特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0023】(3)コイル状導体は被加熱材の幅方向に
関して略対称に配置されていて、該対称に配置されたコ
イル状導体どうしを連結したことを特徴とする(1)ま
たは(2)に記載の加熱装置。
【0024】(4)誘導発熱体がシームレスフィルムか
らなることを特徴とする(1)乃至(3)の何れか一つ
に記載の加熱装置。
【0025】(5)連結されたコイル状導体は開閉可能
な端子を有することを特徴とした(1)乃至(4)の何
れか一つに記載の加熱装置。
【0026】(6)連結されたコイル状導体は開閉可能
な端子を除いて連続体からなることを特徴とした(5)
に記載の加熱装置。
【0027】(7)連結されたコイル状導体の開閉可能
な端子は被加熱材の幅方向に関して同一方向に存在する
ことを特徴とした(5)または(6)に記載の加熱装
置。
【0028】(8)磁束発生手段による発生磁束を導く
磁性部材を有していて、コイル状導体は該磁性部材の一
部を周回するものであることを特徴とした(1)乃至
(7)の何れか一つに記載の加熱装置。
【0029】(9)コイル状導体を連結する電気導体は
互いに絶縁された往復路から成り、それらは磁性部材で
隔たれない側に寄せて配されていることを特徴とした
(8)に記載の加熱装置。
【0030】(10)被加熱材が画像を担持させた記録
材であり、該画像を加熱処理する像加熱装置であること
を特徴とする(1)乃至(9)の何れか一つに記載の加
熱装置。
【0031】(11)画像を記録材に永久画像として加
熱定着させる画像加熱定着装置であることを特徴とした
(10)に記載の加熱装置。
【0032】(12)前記(10)に記載の像加熱装置
または(119に記載の画像加熱定着装置を備えている
ことを特徴とする画像形成装置。
【0033】〈作 用〉連結されたコイル状導体は磁束
発生手段の発生磁束の一部により端子間に起電力を生
じ、通紙される被加熱材または記録材の種類に応じて端
子間を開閉制御することにより、上記起電力による誘導
電流が流れて前記磁束発生手段により発生する磁束の一
部を遮断し、非通紙部昇温を防止し、装置の高速化・高
耐久化を可能とする。
【0034】誘導加熱体或いは誘導加熱体を含む部材、
伝熱材を小熱容量の部材にすることで加熱部材を低消費
電力で所定の温度に迅速に立ち上げることができ、ウェ
イトタイムの短縮化、クイックスタート性を画像形成装
置に具備させることができる。
【0035】定着不良、光沢ムラ、オフセットの発生し
ない高いパフォーマンスを有するフルカラー画像形成装
置を提供できる。
【0036】
【発明の実施の形態】〈実施形態例1〉(図1〜図8) (1)画像形成装置例 図1は画像形成装置の一例の概略構成を示す図である。
本例の画像形成装置は電子写真フルカラープリンタであ
り、記録材の幅中央を装置長手方向の中央に揃えて通紙
する「中央基準」の装置である。
【0037】11は有機感光体でできた電子写真感光体
ドラム(像担持体)であり、矢印の時計方向に所定のプ
ロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0038】感光体ドラム11はその回転過程で帯電ロ
ーラなどの帯電装置12で所定の極性・電位の一様な帯
電処理を受ける。
【0039】次いで、その帯電処理面にレーザ光学箱
(レーザスキャナ)13から出力されるレーザ光Lによ
る、目的画像情報の走査露光処理を受ける。レーザ光学
箱13は不図示のコンピュータ等の画像信号発生装置か
らの目的画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応
して変調(オン/オフ)したレーザ光Lを出力して感光
体ドラム面を走査露光するもので、この走査露光により
感光体ドラム11面に走査露光した目的画像情報に対応
した静電潜像が形成される。13aはレーザ光学箱13
からの出力レーザ光を感光体ドラム11の露光位置に反
射させるミラーである。
【0040】フルカラー画像形成の場合は、目的のフル
カラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成
分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜
像が4色現像装置14のうちのイエロー現像器14Yの
作動でイエロートナー像として現像される。
【0041】そのイエロートナー像は感光体ドラム11
と中間転写体ドラム16との接触部(或いは近接部)で
ある一次転写部T1において中間転写体ドラム16の面
に転写される。
【0042】中間転写体ドラム16面に対するトナー像
転写後の感光体ドラム11面はクリーナ17により転写
残りトナー等の付着残留物の除去を受けて清掃される。
【0043】上記のような帯電・走査露光・現像・一次
転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画
像の、第2(例えばマゼンタ成分画像、マゼンタ現像器
14Mが作動)、第3(例えばシアン成分画像、シアン
現像器14Cが作動)、第4(例えば黒成分画像、黒現
像器14BKが作動)の各色分解成分画像について順次
に実行され、中間転写体ドラム16面にイエロートナー
像、マゼンタトナー像、シアントナー像、黒トナー像の
都合4色のトナー像が順次重ねて転写されて、目的のフ
ルカラー画像に対応したカラー画像が合成形成される。
【0044】中間転写体ドラム16は金属ドラム上に中
抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有するもので、感光体ド
ラム11に接触して或いは近接して感光体ドラム11と
略同じ周速度で矢印の反時計方向に回転駆動され、金属
ドラムにバイアス電位を与えて感光体ドラム11との電
位差で感光体ドラム11側のトナー像を該中間転写体ド
ラム16面側に転写させる。
【0045】上記の中間転写体ドラム16面に合成され
たカラートナー画像は、該中間転写体ドラム16と転写
ローラ15との接触ニップ部である二次転写部T2にお
いて、該二次転写部T2に不図示の給紙部から所定のタ
イミングで送り出された記録材(転写材)Pの面に転写
されていく。
【0046】転写ローラ15は記録材Pの背面からトナ
ーと逆極性の電荷を供給することで中間転写体ドラム1
6面側から記録材P側へ合成カラートナー画像を順次に
一括転写する。
【0047】二次転写部T2を通過した記録材Pは中間
転写体ドラム16の面から分離されて画像加熱定着装置
(像加熱装置)10へと導入され、未定着トナー像の加
熱定着処理を受けてカラー画像形成物として機外の不図
示の排紙トレーに排出される。
【0048】画像加熱定着装置10は本発明に従う電磁
誘導加熱方式の装置である。この定着装置10について
は次の(2)項で詳述する。
【0049】記録材Pに対するカラートナー像転写後の
中間転写体ドラム16はクリーナ18により転写残りト
ナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて清掃される。
【0050】このクリーナ18は常時は中間転写体ドラ
ム16に非接触状態に保持されており、中間転写体ドラ
ム16から記録材Pに対するカラートナー画像の二次転
写実行過程において中間転写体ドラム16に接触状態に
保持される。
【0051】また、転写ローラ15も常時は中間転写体
ドラム16に非接触状態に保持されており、中間転写体
ドラム16から記録材Pに対するカラートナー画像の二
次転写実行過程において中間転写体ドラム16に接触状
態に保持される。
【0052】不図示の画像信号発生装置(コンピュー
タ)からの目的画像情報には、記録材Pに対する情報
(紙サイズ、紙厚、特殊紙情報など)も付随させること
ができる。
【0053】画像形成装置はこの情報に基づき給紙部
(不図示)で適合する記録材Pを選択して前述の給紙動
作を行うとともに、この記録材に関する情報を装置内の
記憶装置101(図3)に記憶して、後述する画像加熱
定着装置10の制御のパラメータとして用いる。
【0054】(2)画像加熱定着装置10 図2は画像加熱定着装置10の横断面模型図、図3は磁
束発生手段の斜視図である。
【0055】この定着装置10は加熱アセンブリ1と回
転加圧部材としての加圧ローラ2を主体とする。
【0056】加熱アセンブリ1は、円筒状フィルムガイ
ド3、その内空に配設した磁束発生手段としての励磁コ
イル4と磁性コア(磁性部材、高透磁率部材)5、円筒
状フィルムガイド3にルーズに外嵌した、誘導発熱体と
しての円筒状(シームレス)の定着フィルム(スリー
ブ)6、磁性コアの一部を周回するコイル状導体として
のキャンセルコイル7等からなる。
【0057】加圧ローラ2は、芯金2aと、該芯金の外
周を被覆させた2mm厚のシリコーンゴム層2bからな
る弾性ローラである。
【0058】上記の加熱アセンブリ1と加圧ローラ2は
互いに上下に圧接させて不図示の装置筐体に組み込ん
で、両者1・2間に所定幅の定着ニップ(加熱ニップ)
部Nを形成させてあり、この定着ニップ部Nにおいて定
着フィルム6の内面は円筒状フィルムガイド部材3の下
面に密着している。
【0059】加圧ローラ2は駆動手段Mにより図2にお
いて矢印の時計方向に回転駆動され(加圧ローラ駆動
式)、この加圧ローラ2の回転駆動による該ローラ2と
定着フィルム6の外面とに定着ニップ部Nにおける摩擦
力で定着フィルム6に回転力が作用して、定着フィルム
6は円筒状フィルムガイド部材3の外回りを、矢印の反
時計方向に回転する。
【0060】励磁コイル4は励磁回路40(図3)から
供給される交番電流によって交番磁束Fを発生し、交番
磁束Fは磁性コア5に導かれて定着フィルム6の後述す
る電磁誘導発熱層に渦電流を発生させる。その渦電流は
電磁誘導発熱層の固有抵抗によってジュール熱を発生さ
せる。即ち、励磁コイル4に交番電流を供給することで
定着フィルム6が電磁誘導発熱状態になる。
【0061】定着ニップ部Nの温度は不図示の温度検知
手投を含む制御回路100により励磁回路40から励磁
コイル4への供給交番電流が制御されることで所定の定
着温度に温調制御される。
【0062】而して、加圧ローラ2の回転による定着フ
ィルム6の回転、励磁コイル4への交番電流の供給がな
されて、定着ニップ部Nの温度が所定に立ち上がり温調
された状態において、定着ニップ部Nの回転定着フィル
ム6と加圧ローラ2との間に、被加熱材としての、未定
着トナー像tを担持した記録材Pが導入されることで、
記録材Pは定着フィルム6の外面に密着して該定着フィ
ルム6と一緒に定着ニップ部Nを通過していき、該定着
ニップ部通過過程で、電磁誘導加熱された定着フィルム
6の発熱で記録材Pと未定着トナー像tが加熱されてト
ナー像の加熱定着がなされる。
【0063】定着ニップ部Nを通った記録材Pは定着ニ
ップ部Nの出口側で定着フィルム6の外面から分離され
て搬送される。
【0064】a.円筒状フィルムガイド部材3 加熱アセンブリ1において、円筒状フィルムガイド部材
3は、磁束の通過を妨げない絶縁性・耐熱性部材であ
り、励磁コイル4と磁性コア5を支持するとともに、該
部材3の外側を回転する定着フィルム6の内面をガイド
して定着フィルム6の回転の安定性を確保する役目をす
る。
【0065】b.励磁コイル4 本例の励磁コイル4は絶縁性被覆導線を用い、外側形状
を円筒状フィルムガイド部材3の内面に略対応させた横
長舟形に巻回成形してなるものであり、円筒状フィルム
ガイド部材3の内面略下半面部に外面を受けさせて円筒
状フィルムガイド部材3内に挿入配設してある。
【0066】励磁コイル4としては加熱に十分な交番磁
束を発生するものでなければならないが、そのためには
抵抗成分を低く、インダクタンス成分を高くとる必要が
ある。
【0067】本例では芯線として細線を束ねた高周波用
のφ1の絶縁被覆導線を用いて、定着ニップ部Nを周回
するように12回巻回して励磁コイル4を構成した。
【0068】該励磁コイル4には励磁回路40が接続さ
れており、この励磁回路40は50KHzの交番電流を
励磁コイル4へ供給できるようになっている。
【0069】c.磁性コア5 磁性コア5は横長のフェライトコアであり、横長舟形の
励磁コイル4の略中央部に位置させ円筒状フィルムガイ
ド部材3に支持させて配設してある。この磁性コア5は
励磁コイル4より発生した交番磁束Fを効率よく誘導発
熱体としての定着フィルム6に導く役割をしている。
【0070】また、磁性コア5は長手に沿って3つに分
割5a・5c・5bしてあり、両端側2つの分割磁性コ
ア5aと5bにそれぞれ該コア5a・5bを周回する小
コイル7a及び7bを配設し、かつその2つの小コイル
7a及び7bを電気導体を成す連結線7x及び7yで連
結してキャンセルコイル7を構成させてある。このキャ
ンセルコイル7については後記e項で詳述する。
【0071】d.定着フィルム6 定着フィルム6は電磁誘導発熱層を含む円筒状部材であ
り、内径を円筒状フィルムガイド部材3の外径よりも少
し大きくしてあり、円筒状フィルムガイド部材3にルー
ズに外嵌する。
【0072】図4の(a)は該定着フィルム6の層構成
模型図である。本例の定着フィルム6は、内側(円筒状
フィルムガイド部材3側)の電磁誘導発熱層6aと、そ
の外側の弾性層6bと、更にその外側の離型層(表層;
加圧ローラ2側)6cの3層積層の複合層構成である。
【0073】電磁誘導発熱層6aの熱が定着ニップ部N
に搬送される記録材Pに弾性層6b・離型層6cを介し
て伝熱されて記録材Pと該記録材上のトナー像tを加熱
する。
【0074】発熱層6aは交番磁束Fの作用による渦電
流でジュール熱を生じる電磁誘導発熱性を有する材質層
であり、ニッケルなど10-5〜10-10 Ω・cmの電気
良導体である金属、金属化合物、有機導電体であればよ
く、より好ましくは透磁率が高い強磁性を示す鉄、コバ
ルト等の純金属若しくはそれらの化合物を用いることが
できる。
【0075】該発熱層6aは厚みを薄くすると十分な磁
路が確保できなくなり、外部へ磁束が洩れて発熱体自身
の発熱エネルギーは小さくなる場合があり、また厚くす
ると熱容量が大きくなり昇温に要する時間が長くなる傾
向がある。従って厚みは発熱層6aに用いた材料の比
熱、密度、透磁率、抵抗率の値によって適正値がある。
実際上、加熱定着装置として動作させた場合に、10〜
100μmの厚みの範囲で、定着フィルム6の表面温度
として3deg/sec以上の昇温速度を得ることがで
きた。
【0076】弾性層6bはシリコーンゴム等のゴム層で
あり、本例に於いては最大4層のトナー層からなるカラ
ートナー画像の定着を良好にするために設けてあり、ト
ナー像を該層の弾性により包み込んで均一に溶融させる
作用をする。
【0077】該弾性層6bは硬度が高すぎると記録材あ
るいはトナー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラが発
生してしまう。そこで、弾性層6bの硬度としては60
°(JIS−A;JIS−K(Aタイプ測定装置使
用))以下、より好ましくは45°以下がよい。
【0078】弾性層6bの熱伝導率λに関しては、6×
10-4〜2×10-3[ca1/cm・sec・de
g.]がよい。熱伝導率λが6×10-4[ca1/cm
・sec・deg.]よりも小さい場合には、熱抵抗が
大きく、定着フィルム表層における昇温速度が遅くな
る。
【0079】該弾性層6bの厚さは100〜300μm
が好ましく、100μmよりも小さいとカラー画像形成
装置のようにべ夕画像の割合が多い場合に斑点状の光沢
ムラが発生しやすく、300μmを越えると表面と発熱
層6aとの間に大きな熱勾配が発生して弾性層の熱劣化
が発生しやすい。
【0080】離型層6cは定着フィルム表面へのトナー
の付着を防止するもので、PFA、PTFE、FEP等
のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ
素ゴム、シリコーンゴム等の離型性かつ耐熱性のよい材
料を選択することができる。
【0081】離型層6cの厚さは20〜100μmが好
ましく、20μmよりも小さいと塗膜の塗ムラで離型性
の悪い部分ができたり、耐久性が不足するといった問題
が発生する。また、離型層が100μmを超えると熱伝
導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂系の離型層
の場合は硬度が高くなりすぎ、弾性層6bの効果がなく
なってしまう。
【0082】本例に使用した定着フィルム6は、ニッケ
ルからなる厚み50μmの発熱層6aと、シリコーンゴ
ムからなる厚み300μmの弾性層6bと、フッ素樹脂
からなる厚み30μmの離型層6cからなる3層複合層
フィルムである。
【0083】また図4の(b)に示すように、定着フィ
ルム6の上記層構成に於いて発熱層6aの内側に断熱層
6dを設けた4層構成の定着フィルム6としても良い。
【0084】断熱層6dはフッ素樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK
樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE
樹脂、FEP樹脂などの耐熱樹脂がよい。
【0085】また、断熱層6dの厚さとしては10〜1
000μmが好ましい。断熱層6dの厚さが10μmよ
りも小さい場合には断熱効果が得られず、また、耐久性
も不足する。1000μmを超えると磁性コア5から発
熱層6aの距離が大きくなり、磁束が十分に発熱層6a
に到達しなくなる。
【0086】断熱層6dを設けた場合、発熱層6aに発
生した熱による励磁コイル4や磁性コア5の昇温を防止
できるため、安定した加熱をすることができる。
【0087】e.キャンセルコイル7 図5はキャンセルコイル7のモデル図である。前述した
ように、磁束発生手段4・5の磁性コア5は長手に沿っ
て3つに分割5a・5c・5bしてあり、両端側2つの
分割磁性コア5aと5bにはそれぞれ該コア5a・5b
を周回する小コイル7a及び7bを配設し、かつその2
つの小コイル7a及び7bを電気導体を成す連結線7x
及び7yで連結してキャンセルコイル7を構成させてあ
る。
【0088】小コイル7a及び7bは絶縁被覆された電
気良導体を励磁フィル4で発生する磁路の一部を周回す
るように配設したもので、連結線7x及び7yは小コイ
ル7a及び7bに同じ周回方向に電流が流れるょぅにそ
れぞれのコイル端を結んで一つの電流路を構成し、これ
ら7a・7b・7x・7yは全体としてキャンセルコイ
ル7を構成する。
【0089】キャンセルコイル7の両端は画像加熱定着
装置10外のスイッチング回路41に接続されて閉回路
を構成する。スイッチング回路41は制御回路100に
より開閉制御される。
【0090】即ち、キャンセルコイルを中央振り分けで
2つ配す系において、両者に流れる電流の向きが同じに
なるように接続し、それをスイッチングする構成であ
る。
【0091】定着ニップ部Nの長手方向に関しては、小
コイル7a及び7bはそれぞれ小サイズの記録材が通紙
された場合に形成される2つの非通紙部領域の磁束を周
回する位置に配する。即ち、図3・図5において、Oは
装置の中央通紙基準線、Aは大サイズ記録材の通紙部領
域、Cは小サイズ記録材の通紙部領域、D・Dは小サイ
ズ記録材が通紙された場合に小サイズ記録材通紙部領域
Cの両側に生じる2つの非通紙部領域である。小コイル
7a及び7bはそれぞれこの2つの非通紙部領域D・D
に対応位置させてある。
【0092】本例では小コイル7a及び7b、連結緑7
x及び7yに励破コイル4と同様の連続した線材を用い
てキャンセルコイル7を構成し、小コイル7a及び7b
は小サイズ記録材における非通紙部領域部D・Dに対す
る磁性コア5を周回するように配置し、連結線7x及び
7yは磁性コア5に隔たれないように寄せて配置した。
【0093】励磁コイル4で発生した磁束Fの多くが高
透磁率部材である磁性コア5を通ることから、このよう
に小コイル7a及び7bを配置することによつて非通紙
部領域部D・Dにおける磁束の多くを周回する。
【0094】本例に用いたスイッチング回路41は可動
接点を有するリレーであって、このリレーを開閉するこ
とによってキャンセルコイル7の両端を開閉する。
【0095】図6においてスイッチング回路41は簡単
のため接点スイッチを使って代表させてあり、(a)は
OFF状態(リレーを開いた状態)における加熱アセン
ブリ内の磁束の様子、(b)はON状態(リレーを閉じ
た状態)における加熱アセンブリ内の磁束の様子を模式
的に示した。
【0096】制御回路100は装置に通紙する記録材P
が大サイズである場合にはスイッチング回路41をOF
F状態に制御し、小サイズである場合にはON状態に制
御する。
【0097】レンツの法則によれば、小コイル7a及び
7b内を通る交番磁束により励磁コイル4が発生する磁
束を打ち消す方向に小コイル7a及び7bに交番電圧が
誘起される。本例では小コイル7a及び7bに同じ周回
方向に電流が流れるように両コイル7a及び7bを連結
してあり、キャンセルコイル7の両端には両小コイルに
発生した誘起交番電圧の和が発生する。したがって、リ
レーを閉じた時には上記誘起交番電圧によりキャンセル
コイル7に交番電流が流れ、小コイル7a及び7bを配
した領域では定着フィルム6に作用する励磁コイル4の
磁束が減じられる。キャンセルコイル線7による閉ルー
プが磁束を減じる割合は、励磁コイル4と小コイル7a
及び7bとの結合係数kに依存し、kは一般に、
【0098】
【式1】
【0099】で表される。ここで、Φmは励磁コイル4
と小コイル7a及び7b両方を貫く磁束、Φl1 は励磁
コイル4の漏れ磁束、Φl2 は小コイル7a及び7bの
漏れ磁束である。
【0100】本例においては小コイル7a及び7bを配
した領域の磁性コア5a・5b内を通過する磁束がΦm
に相当し、励磁コイル4と磁性コア5との空隙を通過す
る磁束がΦl1 及びΦl2 に相当する。
【0101】本例のように励磁コイル4と磁性コア5と
の空隙が大きい系では漏れ磁束Φl 1 及びΦl2 が比較
的大きく、したがって図6の(b)のようにキャンセル
コイル7を閉じた場合にはΦm分が減磁されて加熱能力
が低減されるとともに、漏れ磁束による定着フィルム6
の加熱が行われ、小コイル7a及び7bを配しなかった
領域(小ザイズ通紙領域C)における温度との滑らかな
連続性をもって非通紙領域D・Dの温度が維持される。
この作用はリレーを閉じたときでも定着フィルム6及び
加圧ローラ2の長手温度分布に関して極端な温度差(非
通紙部昇温)を発生することなく、熱膨張の差等による
変形や破損を防止する効果がある。
【0102】一方、図6の(a)のようにリレーを開い
た場合にはキャンセルコイル7に上記誘導電流は流れな
くなるために励磁コイル4で発生した磁束が低下するこ
となく全域に亘つて均一な昇温能力が得られる。
【0103】本例では、使用されている記録材Pのサイ
ズに関して記憶装置101に記憶されている情報を利用
して、制御回路100によりスイッチング回路41の上
記リレーの開閉を行う制御をすることによって、小サイ
ズ記録材通紙時の非通紙領域部D・Dにおける過昇温
(非通紙部昇温)を低減することを可能にしている。
【0104】この作用により小サイズの記録材に対して
磁場発生手段等を配設することなく、また装置の持つ本
来のスループットを著しく低下させることなく、定着フ
ィルム6の過昇温による劣化を防ぐことができて装置の
高耐久化・高速化を図ることができる。
【0105】本例では中央基準通紙の装置であって、非
通紙領域D・Dが長手方向両端に発生するため複数の小
コイル7a・7bが必要であるが、これを連続して構成
することによってキャンセルコイル7としての端子は統
一されて、スイッチング回路41としてのリレーは一つ
でよく、安価な構成とすることができる。
【0106】なお、複数の小コイルの連結方法に関し
て、本例と逆に少なくとも一つの小コイルの周回方向に
流れる電流の向きを他と反対になるように連結した場
合、その小コイルに誘起される交番電圧はキャンセルコ
イル7に流れる電流を減じて、非通紙領域の昇温を抑制
する効果が希薄となる。また連結線7xと7yとを磁性
コア5を隔てて配置した場合、連結線には通紙域の磁性
コア5を通る磁束による起電カが発生して、リレーON
時において通紙域の温度を上げるための磁束を弱めて不
十分となり厚紙などの多くの熱を必要とする記録材にお
いて定着不良などの問題が発生する場合がある。
【0107】図7は上記連結方法をモデル図で表したも
のである。(a)は小コイル7a及び7bの接続方法を
逆にしたものを表し、(b)は連結線7xと7yとを磁
性コア5を隋てて配置した場合を表している。
【0108】図8は本実施例の効果を検証した実験結果
を示す図であり、(a)は図7の(a)に示す連結例
(比較例1)を用いてリレーをON状態にして小サイズ
記録材を5牧連続通紙した場合の定着フィルム6の表面
温度分布を示したものであり、(b)は図7の(b)に
示す連結例(比較例2)を用いてリレーをON状態にし
て小サイズ厚紙を連続10枚通紙した場合の定着フィル
ム6の表面温度分布を示したものである。
【0109】実験によれば何れの比較においても本構成
の連結例が比較例1や2に比べて大サイズ記録材と小サ
イズ記録材とを通紙したときの定着フィルム6の表面温
度の分布が均一に保たれていることが検証された。
【0110】〈実施形態例2〉(図9) 図9は本実施形態例2の画像形成装置に具備された加熱
定着装置のキャンセルコイル7のモデル図である。
【0111】本例の装置は前述実施形態例1の図1〜図
6の装置との対比において、図9に示すキャンセルコイ
ル7の構成が異なる点を除いて同じである。
【0112】即ち、キャンセルコイル7の両端を加熱ア
センブリ1の長手方向(記録材の幅方向)に関して両側
に振り分けて引き出してある。
【0113】したがって、キャンセルコイル7内の連結
線7xの一方向とすることができて、加熱アセンブリ内
部を通るキャンセルコイル7の容積を小さくすることが
できる。
【0114】本例は定着フィルム6の径を小さくして低
コスト化、小型化を図り易いという特徴がある。
【0115】〈実施形態例3〉(図10) 図10は本実施形態例3の画像形成装置に具備された加
熱定着装置のキャンセルコイル7のモデル図である。
【0116】本例の装置は前述実施形態例1の図1〜図
6の装置との対比において、図10に示すキャンセルコ
イル7の構成が異なる点を除いて同じである。
【0117】即ち、小コイル7a及び7bを同じ周回方
向に電流が流れるように並列に接続してある。
【0118】したがって、キャンセルコイル7の両端子
間に発生する電圧は各小コイルに発生する電圧と同じ
(電流は和となる)にすることができて、キャンセルコ
イル7の開閉を行うスイッチング回路41への電圧の負
荷を低減することができる。
【0119】〈その他〉 a)定着フィルム6はエンドレスベルト状のものを二つ
以上の部材間に懸回張設して加圧ローラ或いは加圧ロー
ラ以外の駆動手段で回転駆動する装置構成であっても良
い。
【0120】また、定着フィルム6は電磁誘導発熱層6
aの無い耐熱性フィルム材にし、これを電磁誘導発熱体
の面に摺動移動させ、電磁誘導発熱体は磁束発生手段4
・5により電磁誘導発熱させて耐熱性フィルム材を介し
た該電磁誘導発熱体からの熱により被加熱材を加熱する
装置構成にすることもできる。
【0121】定着フィルム6または上記の耐熱性フィル
ム材は、ロール巻きにした長尺の有端フィルム材にし、
これを繰り出し軸側から加熱部を経由させて巻き取り軸
側へ所定の速度で走行させる装置構成にすることもでき
る。
【0122】b)誘導発熱体に薄肉の磁性材料からなる
ローラを用いることもできる。
【0123】この場合も薄肉であるが故発生しやすい非
通紙部の過昇温を、本発明の効果により顕著に改善する
ことができる。
【0124】c)励磁コイル4等からなる磁束発生手段
を定着フィルム6等の誘導発熱体の外周囲に配し、キャ
ンセルコイル7を磁束発生手段が発生する一部の磁束を
周回するように配した装置であっても良い。
【0125】d)本発明において、加熱装置には実施形
態例の画像加熱定着装置に限られず、画像を担持した記
録材を加熱してつや当の表面性を改質する像加熱装置、
仮定着する像加熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装
置、加熱ラミネート装置など、広く被加熱材を加熱処理
する手段・装置が含まれる。
【0126】e)加圧部材はローラ以外のも、例えばベ
ルト部材などの回転体にすることができる。
【0127】f)実施形態例は4色カラー画像形成装置
について説明したが、モノクロ画像形成装置に利用して
も良い。記録材に対するトナー像の形成原理・手段は任
意である。
【0128】g)また実施形態例ではキャンセルコイル
7のON・OFF制御のための、記録材サイズに関する
情報は外部の画像信号発生装置(コンピュータ等)から
得る例を示したが、装置内に紙サイズ検知機構等のセン
サーを設け、これにより検知された情報を記憶して、あ
るいはマニュアルで選択された記録材サイズを記憶し
て、これを用いることもできる。手動スイッチでキャン
セルコイル7をON・OFF制御するようにすることも
できる。
【0129】
【発明の効果】以上説明したように・本発明によれば、
電磁誘導加熱方式の加熱装置を具備した画優形成装置と
して、低消費電力である、ウェイトタイムの短縮が可能
である、様々な記録材に対して非通紙都における過昇温
が防止されて高耐久化が可能である、フルカラー画像形
成が可能である、定着不良・光沢ムラ、オフセットの発
生しない高いパフォーマンスを有する・等の性能を合わ
せ持った安価な装置を得ることができる。
【0130】以上説明したように、本発明によれば、電
磁誘導加熱方式の加熱装置また該加熱装置を画像定着等
の像加熱装置として備えた画像形成装置について、低消
費電力である、ウェイトタイムの短縮が可能である、様
々な記録材に対して非通紙部における過昇温が防止され
て高耐久化が可能である、フルカラー画像形成が可能で
ある、定着不良・光沢ムラ、オフセットの発生しない高
いパフォーマンスを有する等の性能を合わせ持った安価
な装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における画像形成装置の概略構成
【図2】画像加熱定着装置の横断面模型図
【図3】磁束発生手段部分の斜視図
【図4】(a)及び(b)はそれぞれ定着フィルム(誘
導発熱体フィルム)の層構成模型図
【図5】キャンセルコイルのモデル図
【図6】(a)はキャンセルコイルがOFFの時の状態
を示す図、(b)はキャンセルコイルがONの時の状態
を示す図
【図7】(a)は比較例1のキャンセルコイルのモデル
図、(b)は比較例2のキャンセルコイルのモデル図
【図8】(a)は実施例と比較例1における定着フィル
ム表面の長手温度分布を示す図、(b)は実施例と比較
例2における定着フィルム表面の長手温度分布を示す図
【図9】実施形態例2のキャンセルコイルのモデル図
【図10】実施形態例3のキャンセルコイルのモデル図
【符号の説明】
10・・加熱定着装置、1・・加熱アセンブリ、2・・
加圧ローラ、3・・円筒状フィルムガイド部材、4・・
励磁コイル、5・・磁性コア、6・・定着フィルム、7
・・キャンセルコイル
フロントページの続き (72)発明者 佐野 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 久米 隆生 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 梅澤 眞郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA03 AA11 AA32 BA25 BA27 BE03 BE06 3K059 AA08 AB00 AB04 AB19 AB23 AB28 AC07 AC10 AC33 AC73 AD07 AD26 AD32 AD34 AD35 CD44 CD52 CD73

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁束発生手段と、該磁束発生手投の発生磁
    束の作用により電磁誘導発熱する誘導発熱体とを有し、
    加熱部に被加熱材を導入して前記誘導発熱体に直接また
    伝熱部材を介して接触させて搬送させ誘導発熱体の発熱
    で被加熱材を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱装置であ
    って、 前記磁束発生手段による発生磁束の一部を周回する形状
    のコイル状導体を複数箇所に有していて、該コイル状導
    体の少なくとも一組は同じ周回方向に電流を流す向きに
    電気導体で連結されていることを特徴とした加熱装置。
  2. 【請求項2】コイル状導体は表面を絶縁被覆されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 【請求項3】コイル状導体は被加熱材の幅方向に関して
    略対称に配置されていて、該対称に配置されたコイル状
    導体どうしを連結したことを特徴とする請求項1または
    2に記載の加熱装置。
  4. 【請求項4】誘導発熱体がシームレスフィルムからなる
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の
    加熱装置。
  5. 【請求項5】連結されたコイル状導体は開閉可能な端子
    を有することを特徴とした請求項1乃至4の何れか一つ
    に記載の加熱装置。
  6. 【請求項6】連結されたコイル状導体は開閉可能な端子
    を除いて連続体からなることを特徴とした請求項5に記
    載の加熱装置。
  7. 【請求項7】連結されたコイル状導体の開閉可能な端子
    は被加熱材の幅方向に関して同一方向に存在することを
    特徴とした請求項5または6に記載の加熱装置。
  8. 【請求項8】磁束発生手段による発生磁束を導く磁性部
    材を有していて、コイル状導体は該磁性部材の一部を周
    回するものであることを特徴とした請求項1乃至7の何
    れか一つに記載の加熱装置。
  9. 【請求項9】コイル状導体を連結する電気導体は互いに
    絶縁された往復路から成り、それらは磁性部材で隔たれ
    ない側に寄せて配されていることを特徴とした請求項8
    に記載の加熱装置。
  10. 【請求項10】被加熱材が画像を担持させた記録材であ
    り、該画像を加熱処理する像加熱装置であることを特徴
    とする請求項1乃至9の何れか一つに記載の加熱装置。
  11. 【請求項11】画像を記録材に永久画像として加熱定着
    させる画像加熱定着装置であることを特徴とした請求項
    10に記載の加熱装置。
  12. 【請求項12】請求項10に記載の像加熱装置または請
    求項11に記載の画像加熱定着装置を備えていることを
    特徴とする画像形成装置。
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