JP4332098B2 - シールド方法及びシールド装置 - Google Patents

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Description

本発明は、交番磁束を発生する磁気回路から漏洩した漏れ磁束をシールドするシールド方法及びシールド装置に関する。
加熱方式の1つに、磁場発生回路の励磁コイルに高周波電流を流して発生させた高周波磁界により被加熱体を誘導加熱するIH(induction heating)方式がある。従来、このIH方式の誘導加熱装置を、画像形成装置におけるトナー定着部の加熱手段として用いる定着装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1記載の定着装置は、例えば、定着ベルト又は定着ローラの近傍に磁場発生回路の励磁コイルを配設し、この励磁コイルに高周波電流を流して前記定着ベルト又は定着ローラの表面を誘導加熱するように構成されている。このIH方式の誘導加熱装置を加熱ユニットとして用いる定着装置は、ハロゲンランプで加熱ユニットを構成するものに比べて熱効率が良くエネルギー損失も少なく低消費電力で急速加熱が可能であるという利点を有している。
ところで、このIH方式の誘導加熱装置を加熱手段として用いる装置においては、一般的に、その交番磁束を発生する磁気回路から漏洩する漏れ磁束をシールドすることが求められている。この漏れ磁束のシールド方法として、従来、漏れ磁束の発生源となる励磁コイルの周囲にアルミ等の導電材料からなるドーナツ状のシールドリングを配設する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2記載のシールド方法では、次のような原理で漏れ磁束を低減するようにしている。すなわち、誘導加熱装置の磁場発生回路に備えた励磁コイルが通電されると、この通電により磁界が形成されて前記シールドリングに誘導電流が発生する。そして、レンツの法則により、前記シールドリングを通過する鎖交磁束が変化すると、磁束変化を妨げる方向に起電力が生じてシールドリングに誘導電流が流れる。この誘導電流により前記シールドリングから発生する磁界は、前記励磁コイルから発生する磁界の逆向きの磁界となる。これにより、前記シールドリングから発生する磁界と前記励磁コイルから発生する磁界とが互いに打ち消し合って、前記漏れ磁束の発生が低減されるようになる。
特開2001−5315号公報 特公昭58−37676号公報
ところで、前記シールドリングに流れる電流は、このシールドリングの抵抗値が低いほど多くなり、前記漏れ磁束の低減効果も大きくなる。しかしながら、このシールドリングの抵抗値を「ゼロ」にすることは事実上困難である。このため、このようなシールドリングを用いた従来のシールド方法では、前記漏れ磁束を完全にシールドすることができなかった。
また、高周波電流は、表皮効果により前記シールドリングの導体内部深くまで電流が浸透して流れずに導体表面に多く流れる性質を有している。このため、前記従来のシールド方法では、この表皮効果現象により、前記シールドリングの厚みをある一定以上増やしても前記シールドリングに流れる誘導電流があまり増えず、前記漏れ磁束の低減効果が向上しないという問題点があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、交番磁束を発生する磁気回路から漏洩する漏れ磁束を確実にシールドすることができるシールド方法及びシールド装置を提供することを目的とする。
本発明は、交番磁束を発生する磁気回路からの漏れ磁束を打ち消すための磁束を生成するキャンセル励磁コイルに通電する電流を、交番磁束に対応するキャンセル電流として、前記キャンセル電流と前記キャンセル励磁コイルの直流抵抗成分との積が前記キャンセル励磁コイルの両端に生じる交流電圧と等しくなるように通電し、漏れ磁束を打ち消すためのキャンセル磁束を生成する。
この構成によれば、前記交番磁束に対応するキャンセル電流が通電されることにより、前記キャンセル磁場発生回路により前記漏れ磁束を打ち消すためのキャンセル磁束が生成される。したがって、このシールド装置においては、前記交番磁束を発生する磁気回路から漏洩する漏れ磁束を前記キャンセル磁束により打ち消して確実にシールドすることができる。
前記磁気回路は、励磁電流が通電され前記交番磁束を生じさせる励磁コイルを有する磁場発生回路を具備し、前記キャンセル電流は、前記励磁電流の位相と逆位相の交番電流であることが望ましい。
この構成によれば、前記励磁コイルに流れる電流の位相と逆位相のキャンセル電流が前記キャンセル励磁コイルに通電されることにより、前記漏れ磁束を打ち消すためのキャンセル磁束が生成される。したがって、このシールド装置においては、前記交番磁束を発生する磁気回路から漏洩する漏れ磁束を前記キャンセル磁束により打ち消して確実にシールドすることができる。
前記磁場発生回路と前記キャンセル磁場発生回路とが閉回路をなすことが望ましい。
この構成によれば、前記磁場発生回路に流れる電流と同じ電流がキャンセル電流として前記キャンセル磁場発生回路に流れるようになる。したがって、このシールド装置においては、前記交番磁束を発生する磁気回路から漏洩する漏れ磁束と前記キャンセル磁束とが所定の比例関係を持つようになり、前記漏れ磁束に応じた大きさのキャンセル磁束を容易に生成させることが可能になる。
前記キャンセル励磁コイルに流すキャンセル電流を加工して、前記漏れ磁束と前記キャンセル磁束とが等しくなるようにすることが好ましい。
前記キャンセル励磁コイルは、前記キャンセル磁束が前記漏れ磁束に対して重なり合う部位に電気絶縁体を介して配設されていることが望ましい。
この構成によれば、前記キャンセル磁束が前記漏れ磁束に対して重なり合うので、前記交番磁束を発生する磁気回路から漏洩する漏れ磁束を前記キャンセル磁束によってより確実に打ち消すことができる。また、この構成においては、前記キャンセル励磁コイルが誘導電流の流れない前記絶縁体を介して配設されるので、前記キャンセル磁束が乱されず、前記交番磁束を発生する磁気回路から漏洩する漏れ磁束を前記キャンセル磁束によってより確実に打ち消すことができる。
本発明によれば、交番磁束を発生する磁気回路から漏洩する漏れ磁束を確実にシールドすることができるシールド方法及びシールド装置を提供できる。
(実施の形態1)
図1は、本発明のシールド装置が適用される一例としての画像形成装置の全体構成図である。この画像形成装置は、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),Bk(ブラック)の4色の画像を組み合わせてフルカラー画像を形成できるように構成されている。そこで、図1に示す各部材のうち、特定の色の画像形成にのみ関与する部材には、それぞれの符号に付したY,MC,Bkの文字により、それらが関与する画像色を表すこととする。
図1に示すように、画像形成装置10は、露光装置11、感光体13Y,13M,13C,13Bk、現像器14Y,14M,14C,14Bk、中間転写ベルト15、二次転写ローラ16、給紙ユニット19及び定着装置20を具備している。
図1において、露光装置11は、画像信号に応じた4本のレーザ光12Y,12M,12C,12Bkを出力する。これにより、感光体13Y,13M,13C,13Bkの表面にレーザ光12Y,12M,12C,12Bkによる潜像が形成される。現像器14Y,14M,14C,14Bkは、感光体13Y,13M,13C,13Bkの表面に形成された潜像を、この潜像にトナーを付着させることにより顕像化する。現像器14Y,14M,14C,14Bkには、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),Bk(ブラック)の4色のトナーが個別に収容されている。
感光体13Y,13M,13C,13Bk上に形成された4色のトナー像は、複数の支持ローラに懸架されて図中矢印の方向に回転移動される中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わされて一次転写される。この一次転写は、中間転写ベルト15を挟んで各感光体13Y,13M,13C,13Bkに対向する位置に設けられた一次転写ローラ(図示せず)により、中間転写ベルト15の背面に一次転写バイアスを印加することにより行われる。この一次転写によって中間転写ベルト15上に転写された4色のトナー像18は、駆動側の支持ローラと二次転写ローラ16とが対向する二次転写部において、給紙ユニット19から給紙された記録紙17上に二次転写される。
二次転写ローラ16は、中間転写ベルト15に対して離接自在に配設されている。記録紙17へのトナー像18の二次転写は、トナー像18と記録紙17とが中間転写ベルト15と二次転写ローラ16とにより挟まれた状態で、二次転写ローラ16により記録紙17の背面に二次転写バイアスを印可することにより行われる。給紙ユニット19は、この二次転写のタイミングに合わせて記録紙17を給紙する。
トナー像18が転写された記録紙17は、定着装置20に送られる。定着装置20は、例えば170°Cの定着温度でトナー像18が転写された記録紙17を加熱加圧することにより、記録紙17上にトナー像18を定着させる。トナー像18が定着された記録紙17は、画像形成装置10の上面に形成された排紙トレイ上に排出される。
定着装置20は、誘導加熱装置を加熱ユニットとして用いている。図2は、この定着装置20の主要部の構成を示す断面図である。この定着装置20は、加熱ローラ21、加圧ローラ22及び励磁ユニット23を具備している。
加熱ローラ21は、アルミ等からなる芯金に、断熱性及び弾性の高い断熱保持層21aと、発熱体層21bとを積層して構成されている。加圧ローラ22は、アルミ等からなる芯金に、シリコンゴム層22aを設けて構成されている。また、加熱ローラ21は、図示しない回転軸により回転自在に軸支されている。
加圧ローラ22は、そのシリコンゴム層22aが加熱ローラ21の表面に圧接するように、図示しない回転軸により回転自在に軸支されている。この加熱ローラ21への加圧ローラ22の圧接により、それらの圧接部位に定着ニップが形成されている。また、加圧ローラ22は、加熱ローラ21が図示しない駆動機構により図2において時計方向に駆動回転されることにより従動回転するように構成されている。
励磁ユニット23は、アーチコア24、センターコア25、一対のサイドコア26及び励磁コイル27などで構成されている。アーチコア24は、加熱ローラ21の半周面を覆うように、全体として断面が半円弧状に形成されており、図3に示すように、加熱ローラ21の軸方向に所定の間隔で複数個配設されている。センターコア25は、各アーチコア24の内周面側の中央部を支持するように、加熱ローラ21の軸方向に沿って配設されている。一対のサイドコア26は、各アーチコア24の両端部を支持するように、加熱ローラ21の軸方向に沿ってそれぞれ配設されている。アーチコア24、センターコア25及びサイドコア26の材料としては、フェライト又はパーマロイ等の透磁率及び抵抗率の高い材料が望ましい。
励磁コイル27は、表面が絶縁された導線からなる線材を所定数束ねて構成されている。この励磁コイル27は、アーチコア24の内周面側のセンターコア25とサイドコア26との間に、図3に示すように、加熱ローラ21の軸方向に延伸して周回するように配設されている。また、励磁コイル27は、加熱ローラ21の外周面に対して所定の間隙(図示の例では約3mm)を形成するように配設され、図4に示すように、励磁コイル27、アーチコア24、センターコア25、サイドコア26及び加熱ローラ21の発熱体層21bを磁束通路とする磁気回路29が形成される。
図2において、定着装置20の加熱ローラ21は、図示しない駆動機構により時計方向に駆動回転される。加圧ローラ22は、加熱ローラ21の回転により反時計方向に従動回転される。そして、図示しない励磁回路から励磁コイル27に高周波電流が通電されると、励磁コイル27に近接して対向する加熱ローラ21の発熱体層21bが誘導磁界により誘導加熱される。この状態で、加熱ローラ21と加圧ローラ22との転写ニップに記録紙17が送り込まれると、記録紙17上に転写されたトナー像18が、加熱ローラ21により加熱されるとともに、加熱ローラ21と加圧ローラ22とにより加圧されて記録紙17上に定着される。この定着装置20におけるトナー像18の定着温度は、加熱ローラ21の表面温度を検出する温度センサ28の検出値に基づいて適温に維持されるようにコントロールされている。
ところで、図4に示すように、励磁コイル27に高周波電流が通電されると、磁気回路29に主磁束Mが生成される。そして、この主磁束Mの周辺には、その磁束通路から外れて漏洩した漏れ磁束Mfが発生する。このような漏れ磁束Mfは、本来不要なものであるので悪影響を及ぼさないようにシールドすることが好ましい。
そこで、本発明者は、これまでに知られている種々のシールド方法により漏れ磁束Mfをシールドする実験を行った。しかしながら、従来のシールド方法は、概ね導体からなるシールドリングあるいは磁性体からなるシールド板により漏れ磁束Mfの磁束通路を形成してシールドする方法であるため、漏れ磁束Mfを完全にシールドすることができなかった。
本発明のシールド方法及び装置は、前記シールドリングやシールド板等を用いることなく漏れ磁束Mfを完全にシールドすることができるようにしたものである。まず、図2乃至図6を参照して、以下に説明する本発明の各実施の形態に係るシールド装置に共通する構成について説明する。
図2乃至図6に示すように、本発明の各実施の形態に係るシールド装置は、キャンセル励磁コイル30を備える。このキャンセル励磁コイル30は、励磁コイル27と同様に表面が絶縁された導線からなる線材を所定数束ねて構成されており、アーチコア24に取り付けられた電気絶縁体からなるコイル保持部材31に保持されている。
このキャンセル励磁コイル30には、後述するキャンセル磁場発生回路により、図3に示すように、励磁コイル27の磁場発生回路に流れる主電流Iの位相と概ね逆位相のキャンセル電流Icが通電される。キャンセル励磁コイル30にキャンセル電流Icが通電されると、漏れ磁束Mfを打ち消すためのキャンセル磁束Mcが生成される。このキャンセル磁束Mcの向きは、図5に示すように、励磁コイル27の磁場発生回路により生成される主磁束Mから漏洩する漏れ磁束Mfの向きに対し逆向きになっている。
また、キャンセル磁束Mcの大きさは、主電流Iに対するキャンセル電流Icの大きさ、位相、または、キャンセル励磁コイル30の周回ターン数nとコイル内側面積および巻き線分布を変えることで、キャンセル励磁コイル30の外へ漏洩する漏れ磁束Mfと等しくなるように調節できる。キャンセル励磁コイル30の外へ漏洩する漏れ磁束Mfがキャンセル磁束Mcによって完全に打ち消されると、キャンセル励磁コイル30を通過する総磁束が0になる。
すると、励磁コイル27とキャンセル励磁コイル30との相互誘導によって生じる相互誘導起電圧Vfとキャンセル電流Icによって生じる自己誘導起電圧VLが打ち消し合うので、キャンセル励磁コイル30の端子間に生じる誘導起電圧Viが0になる。そこで、キャンセル磁束Mcの大きさの調整は、具体的には、キャンセル励磁コイル30にキャンセル電流Icを通電した場合のキャンセル励磁コイル30の端子間電圧が、最小になるように、主電流Iに対するキャンセル電流Icの大きさ、位相、または、キャンセル励磁コイル30の周回ターン数nとコイル内側面積および巻き線分布を調節する。調節の目安としては、一般に、10kHzから10MHzの電磁波では、機器から30mはなれた地点での電界強度が1mV/mよりも小さければ他の電子機器に影響は小さい事が知られている。
この電界強度を一般に行われるように特性インピーダンス376.7Ωで除して磁界強度に換算すれば、2.65μN/Amになる。この磁界強度がコイルによって発生する場合、コイルの近傍ではコイル軸線上が最も磁界強度が強く、その強さHは、コイル中心からの距離rとコイルの磁気双極子モーメントmと空気の透磁率μを用いて、
H=m/(2×π×μ×r
と表される。
ここで、キャンセル励磁コイル30と等価な遠方磁場を与える円形ループコイルの半径を、等価円形ループ半径r2と定義し、半径r2のコイルの中心に強さmの磁気双極子モーメントを同軸に置いたとすると、コイルの外側に発生する総磁束Φと磁気双極子モーメントmの関係として、r2の外側の磁束をすべて積分することで、
Φ=m/(2×r2)
を得る。
一方、キャンセル励磁コイル30に発生する誘導起電圧Viは、周波数fとキャンセル励磁コイルのターン数n及び虚数単位jを用いて、
Vi=2×π×f×Φ×j
となるので、r=30m、で磁界強度を2.65μN/Amよりも小さくするには、
μ=4×π×10−7N/A を代入すると、Viは、
|Vi|<0.000001774799×f×n/r2(V)とすればよい。
好ましくは、
|Vi|<9.870414×10−13×f×n/r2(V)
とすれば、r=0.2mの地点での磁界強度を4.974μN/Amよりも小さくできる。
最適値としては、Vi=0ならばキャンセル励磁コイル30を通過する総磁束は0になる。ただし、実際にキャンセル励磁コイル30両端に生じる交流電圧Vaは、キャンセル励磁コイル30の直流抵抗成分とキャンセル電流Icの積であるVrとViの複素ベクトルの和となるので、Viが0となってもIcが0ではないのでVrが発生して0にはならない。したがって、Vrが、Viの基準値に対して無視できない場合には、Viは、あらかじめキャンセル励磁コイル30の直流抵抗成分を直流抵抗計などで計測し、キャンセル電流Icを流したときのキャンセル励磁コイル30両端に生じる交流電圧VaとVrのベクトルの差をとって求める。
尚、等価円形ループ半径r2は、原点に置かれた強さmの磁気双極子モーメントがキャンセル励磁コイル30の外側領域Sに作る総磁束とm/(2×r2)が等しいとして、キャンセル励磁コイル30の形状から次式で求める。
Figure 0004332098
具体的に、キャンセル励磁コイル30が、1辺2aの正方形の場合には、
Figure 0004332098
となり、2a、2bの矩形形状のコイルに対しては、
Figure 0004332098
となる。
ここで、キャンセル励磁コイル30を通過する総磁束を0にするのではなく、遠方に発生する磁場のみをキャンセルする場合には、キャンセル磁束Mcの大きさは、磁界強さがシールド装置からの距離の3乗に反比例する遠方磁場成分が、漏れ磁束Mfの大きさと等しくなるようにする。具体的には、キャンセル磁束Mcに対するキャンセル磁束Mcの遠方磁場成分の比を遠方磁場係数ηとして、キャンセル励磁コイル30に漏れ磁束Mfによって発生する相互誘導起電力Vfと、キャンセル電流Icによって発生する自己誘導起電力VLとηの積との和が、所定の値よりも小さくなるようにする。すなわち、好適には、
|Vf+ηVL|=|ηVi+(1−η)Vf|<0.000001774799×f×n/r2(V)
好ましくは、
|Vf+ηVL|=|ηVi+(1−η)Vf|<9.870414×10−13×f×n/r2(V)
最適値は、Vf+ηVL=ηVi+(1−η)Vf=0
となればよい。
尚、遠方磁場係数ηは、等価円形ループ半径r2で巻き数nのキャンセル励磁コイル30単体に強さI2の電流を流したときと等価な磁気双極モーメント強さm2が、m2 = μ×π×r2×n×I2であらわされ、キャンセル励磁コイル30単体の自己インダクタンスL0の、シールド装置に装着した場合の自己インダクタンスL1へのインダクタンス増加分は、すべて遠方磁場成分として増加すると仮定すると、次式で求めることが出来る。
Figure 0004332098
さらに、キャンセル励磁コイル30は、図6に示すように、キャンセル磁束Mcが漏れ磁束Mfに対して重なり合う部位に、コイル保持部材31を介して配設されている。したがって、このシールド装置によれば、互いに向きが異なり大きさの等しいキャンセル磁束Mcと漏れ磁束Mfとが重なり合うので、キャンセル磁束Mcにより漏れ磁束Mfが打ち消されて漏れ磁束Mfを確実にシールドできるようになる。
図7は、本発明の実施の形態1に係るシールド装置を示す概略平面図である。この実施の形態1に係るシールド装置70は、励磁コイル27を励磁する磁場発生回路とキャンセル励磁コイル30を励磁するキャンセル磁場発生回路とが閉回路をなしている。ここで、電流の周回方向は励磁コイル27とキャンセル励磁コイル30で逆方向になるように接続されている。すなわち、図7において実線矢印で示される主電流I及びキャンセル電流Icの定義方向に対して、実際には励磁回路71より供給される共通の電流が、図7において破線矢印のように励磁コイル27とキャンセル励磁コイル30で逆方向に流れる。つまり、図7に示すように、このシールド装置70は、励磁コイル27とキャンセル励磁コイル30とが、1つの励磁回路71によりコイル中心部分での磁束の方向が逆になるよう励磁されるように構成されている。
この実施の形態1に係るシールド装置70によれば、励磁回路71により励磁コイル27の磁場発生回路に流れる主電流Iと同じ大きさで逆位相のキャンセル電流Icがキャンセル励磁コイル30のキャンセル磁場発生回路に流れるようになり、キャンセル磁束Mcが発生する。主磁束Mから漏洩する漏れ磁束Mfとキャンセル磁束Mcとは所定の比例関係を持つので、キャンセル磁束Mcの大きさを、キャンセル励磁コイル30の周回ターン数nとコイル内側面積および巻き線分布を変えることで調整することにより、漏れ磁束Mfに応じた大きさのキャンセル磁束Mcを容易に生成させることが可能になる。具体的には、キャンセル励磁コイル30の自己インダクタンスL1が、励磁コイル27とキャンセル励磁コイル30の間の結合係数k1と励磁コイル27の自己インダクタンスLLを用いて、L1=k1×k1×LLとなるように、キャンセル励磁コイル30の周回ターン数nとコイル内側面積および巻き線分布を調整すると、発熱体層21bとキャンセル励磁コイルとの間の相互誘導が無視できる場合には、キャンセル励磁コイル30の自己誘導起電圧VLと相互誘導起電圧Vfが等しくなるので、キャンセル励磁コイル30を通過する総磁束を0又は最小に出来る。また、キャンセル励磁コイル30の遠方磁場係数ηを用いて、L1=k1×k1×LL/(η×η)となるように、キャンセル励磁コイル30の周回ターン数nとコイル内側面積および巻き線分布を調整すると、発熱体層21bとキャンセル励磁コイルとの間の相互誘導が無視できる場合には、キャンセル励磁コイル30を通過する遠方磁場成分を0又は最小に出来る。
(実施の形態2)
ところで、主磁束Mから漏洩する漏れ磁束Mfは、例えば、図8に示すように、主磁束Mを生成する励磁コイル27の主電流Iの位相よりも若干遅れたタイミングで発生する。特に、漏れ磁束Mfの磁気回路を構成する材料の磁気ヒステリシスが無視できない場合や、発熱体層21bとキャンセル励磁コイル30との間の相互誘導が無視できない場合には、漏れ磁束Mfの位相の遅れは大きくなる。したがって、漏れ磁束Mfを確実に打ち消すことができるキャンセル磁束Mcを生成するには、この漏れ磁束Mfの遅れに合うように、キャンセル励磁コイル30のキャンセル電流Icの位相を主電流Iの位相の逆位相よりもさらにずらすことが望ましい。
図9は、本発明の実施の形態2に係るシールド装置の構成を示す概略平面図である。図9に示すように、このシールド装置90は、励磁コイル27に流れる主電流Iの位相に対して、キャンセル励磁コイル30に流れるキャンセル電流Icの位相を調整する位相補正回路としてのキャパシタ91と抵抗92とを具備し、励磁コイル27と、キャンセル励磁コイル30とキャパシタ91と抵抗92の直列回路からなるキャンセル磁場発生回路93と、励磁コイル27とが、共通の励磁回路71に並列に接続されている。コイルの周回方向を図9における左巻きを正と定義すると、励磁コイル27の周回終了端と、キャンセル励磁コイル30の周回開始端が、励磁回路71の同じ端子に接続されている。
本実施の形態2に係るシールド装置90によれば、励磁コイル27とキャンセル磁場発生回路93には、共通の励磁回路71から同じ交番電圧が与えられるが、電流はそれぞれのインピーダンスに応じて流れる。キャンセル磁場発生回路93のインピーダンスは、実部を抵抗92の大きさ、虚部をキャンセル励磁コイル30の周回ターン数nとコイル内側面積および巻き線分布及びキャパシタ91の容量を変えることで調節できる。
そこで、キャンセル磁場発生回路93のインピーダンスの位相角が、励磁コイル27のインピーダンスの位相角に、主電流Iと漏れ磁束Mfとの間の位相遅れを加えた角度と同じになり、漏れ磁束Mfとキャンセル磁束Mcがバランスするように、キャンセル磁場発生回路93のインピーダンスの実部及び虚部をそれぞれ調節する。これによって、キャンセル励磁コイル30に流れるキャンセル電流Icの位相が、励磁コイル27に流れる主電流Iの位相の逆位相よりも遅れるように補正される。
これにより、図8に示すように、主磁束Mから漏洩する漏れ磁束Mfとキャンセル磁束Mcとの位相を一致させることが可能になり、漏れ磁束Mfをキャンセル磁束Mcまたはキャンセル磁束Mcの遠方磁場成分によってより確実に打ち消すことができるようになる。なお、キャンセル磁場発生回路93の最適なインピーダンスの虚部の値が、キャンセル励磁コイル30の周回ターン数nとコイル内側面積および巻き線分布の調整で実現できる場合には、キャパシタ91は無くてもよい。
(実施の形態3)
ところで、励磁コイル27とキャンセル励磁コイル30とは、電気回路特性的に同じものではない。特に、周波数が変化したときのインピーダンス特性は、その変化のしかたが大きく異なる。このため、前述した実施の形態1に係るシールド装置70の励磁コイル27とキャンセル励磁コイル30とに共通の電流を流す方法、あるいは実施の形態2に係るシールド装置90の励磁コイル27とキャンセル励磁コイル30を含むキャンセル磁場発生回路93とに共通の電圧をかける方法は、特定駆動周波数の正弦波の主電流Iに対しては漏れ磁束Mfを確実にシールドできるが、主電流Iの駆動周波数が変化する場合及び任意の電流波形の主電流Iを励磁コイル27に流す場合には、漏れ磁束Mfを確実にシールドすることが難しくなる。以下の各実施の形態に係るシールド装置は、このような課題を解決するものである。
図10は、本発明の実施の形態3に係るシールド装置の構成を示す概略平面図である。図10に示すように、このシールド装置100は、励磁回路71により励磁コイル27に通電される主電流Iを検出する励磁コイル電流検出部としてのカレントトランス101を備える。
また、このシールド装置100は、カレントトランス101により検出した電流に応じてキャンセル励磁コイル30に流すキャンセル電流Icを加工する電流加工回路を備える。
このシールド装置100の電流加工回路は、位相制御回路102と、振幅制御回路103と、増幅回路としてのキャンセル励磁コイル駆動アンプ104とで構成されている。位相制御回路102は、キャンセル励磁コイル30に流すキャンセル電流Icの位相を制御する。具体的には、カレントトランス101により検出した電流波形の周波数によって、キャンセル励磁コイル駆動アンプ104の入力信号波形の位相が所定の値になるように制御する。振幅制御回路103は、キャンセル励磁コイル30に流すキャンセル電流Icの振幅を制御する。
具体的には、カレントトランス101により検出した電流波形の周波数によって、キャンセル励磁コイル駆動アンプ104の入力信号波形の振幅を、主電流Iとキャンセル電流Icとの振幅倍率が所定の値になるように制御する。また、キャンセル励磁コイル駆動アンプ104は、電力増幅回路148と絶縁及びインピーダンスマッチングのためのマッチングトランス147と保護抵抗146とを備え、キャンセル励磁コイル30に流すキャンセル電流Icを流すための電力を供給する。なお、図10においては、接地点は主要なもののみを図示し、励磁回路71と、位相制御回路102と、振幅制御回路103と、電力増幅回路148と、の内部にある接地点等については省略している。
この実施の形態3に係るシールド装置100によれば、カレントトランス101により検出した電流に応じて、キャンセル励磁コイル30に流すキャンセル電流Icを、前記電流加工回路により漏れ磁束Mfとキャンセル磁束Mcまたはキャンセル磁束Mcの遠方磁場成分とが等しくなるように加工することができる。また、このシールド装置100においては、任意の電流波形の主電流Iが励磁コイル27に流れる場合には、主電流Iの各周波数成分毎に主電流Iとキャンセル電流Icとの位相差と振幅比を所定の値に設定することができる。これにより、主磁束Mから漏洩する漏れ磁束Mfをキャンセル磁束Mcまたはキャンセル磁束Mcの遠方磁場成分によってより確実に打ち消すことができる。
なお、このシールド装置100においては、キャンセル励磁コイル30の動作により、漏れ磁束Mfがキャンセル磁束Mcによって打ち消されている状態では、キャンセル励磁コイル30の端子間電圧はほとんど0になり、見かけのインピーダンスが小さくなる。この状態でも、電力増幅回路148が所定のキャンセル電流Icを供給できればマッチングトランス147と保護抵抗146は、それぞれなくてもよい。また、電力増幅回路148が供給する電流と電圧の位相差が大きい場合には、保護抵抗146と直列の位置に力率改善のためのキャパシタを挿入してもよい。
(実施の形態4)
図11は、本発明の実施の形態4に係るシールド装置の構成を示す概略平面図である。図11に示すように、このシールド装置110は、励磁回路71により励磁コイル27に与えられる電圧を検出する励磁コイル電圧検出回路としての励磁コイル電圧検出抵抗111を備える。
また、このシールド装置110は、励磁コイル電圧検出抵抗111により検出した電圧に応じてキャンセル励磁コイル30に流すキャンセル電流Icを加工する電流加工回路を備える。このシールド装置110の電流加工回路は、本発明の実施の形態3に係るシールド装置100の電流加工回路と同様、位相制御回路102と、振幅制御回路103とキャンセル励磁コイル駆動アンプ104とを備える。また、キャンセル励磁コイル駆動アンプ104は、電力増幅回路148と、マッチングトランス147と、保護抵抗146と、を備える。なお、図11においては、接地点は主要なもののみを図示し、励磁回路71、位相制御回路102、振幅制御回路103及び電力増幅回路148の内部にある接地点等については省略している。
この実施の形態4に係るシールド装置110によれば、励磁コイル電圧検出抵抗111により検出した電圧に応じて、キャンセル励磁コイル30に流すキャンセル電流Icを、前記電流加工回路により漏れ磁束Mfとキャンセル磁束Mcまたはキャンセル磁束Mcの遠方磁場成分とが等しくなるように加工することができる。これにより、主磁束Mから漏洩する漏れ磁束Mfをキャンセル磁束Mcまたはキャンセル磁束Mcの遠方磁場成分によってより確実に打ち消すことができる。
(実施の形態5)
図12は、本発明の実施の形態5に係るシールド装置の構成を示す概略平面図である。図13は、本発明の実施の形態5に係るシールド装置の構成を示す概略断面図である。図12及び図13に示すように、本発明の実施の形態5に係るシールド装置120は、励磁回路71と励磁コイル27とで構成される磁場発生回路に発生する交番磁束を検出する磁束検出手段としての磁束検出コイル121を備える。この磁束検出コイル121は、図12及び図13に示すように、アーチコア24とセンターコア25との交差部位に周回させて配設されている。
また、このシールド装置120は、磁束検出コイル121により検出した磁束に応じてキャンセル励磁コイル30に流すキャンセル電流Icを加工する電流加工回路を備える。このシールド装置120の電流加工回路は、本発明の実施の形態3に係るシールド装置100の電流加工回路と同様、位相制御回路102と、振幅制御回路103と、キャンセル励磁コイル駆動アンプ104と、を備える。また、キャンセル励磁コイル駆動アンプ104は、電力増幅回路148と、マッチングトランス147と、保護抵抗146と、を備える。なお、図12においては、接地点は主要なもののみを図示し、励磁回路71と、位相制御回路102と、振幅制御回路103と、電力増幅回路148と、の内部にある接地点等については省略している。
この実施の形態5に係るシールド装置120によれば、磁束検出コイル121により検出した磁束に応じて、キャンセル励磁コイル30に流すキャンセル電流Icを、前記電流加工回路により漏れ磁束Mfとキャンセル磁束Mcまたはキャンセル磁束Mcの遠方磁場成分とが等しくなるように加工することができる。これにより、主磁束Mから漏洩する漏れ磁束Mfをキャンセル磁束Mcまたはキャンセル磁束Mcの遠方磁場成分によってより確実に打ち消すことができる。
(実施の形態6)
図14は、本発明の実施の形態6に係るシールド装置の構成を示す概略平面図である。図14に示すように、本発明の実施の形態6に係るシールド装置140は、キャンセル励磁コイル30自身に誘起する相互誘導起電圧を検出する相互誘導起電圧検出回路を備える。相互誘導起電圧検出回路は、キャンセル励磁コイル30を含むブリッジ回路141に相互誘導起電圧検出抵抗142を配置して構成されている。
このブリッジ回路141は、キャンセル励磁コイル30に隣接してインピーダンスがZ1である抵抗器145、キャンセル励磁コイル30の反対側にインピーダンスがZ2であるインダクタ144、キャンセル励磁コイル30の対抗位置にインピーダンスがZ3である抵抗器143が配置され、インピーダンスの大きさ関係が、キャンセル励磁コイル30のインピーダンスをL1として、L1×Z3=Z1×Z2となるように抵抗器145と抵抗器143の抵抗値を調節してある。また、抵抗器143と抵抗器145とは、キャンセル励磁コイル30を迂回する電流を減らすため、インピーダンスがZ3>Z1となっている。相互誘導起電圧検出抵抗142は、キャンセル励磁コイル30と抵抗器145との接続点とインダクタ144と抵抗器143の接続点との間の電位差を検知する。
このシールド装置140の電流加工回路は、本発明の実施の形態3に係るシールド装置100の電流加工回路と同様、位相制御回路102と、振幅制御回路103と、キャンセル励磁コイル駆動アンプ104と、を備える。また、キャンセル励磁コイル駆動アンプ104は、電力増幅回路148と、マッチングトランス147と、保護抵抗146と、を備える。なお、図14においては、接地点は主要なもののみを図示し、励磁回路71と、位相制御回路102と、振幅制御回路103と、電力増幅回路148と、の内部にある接地点等については省略している。
前記相互誘導起電圧検出回路は、次のように動作する。図14において、ブリッジ回路141のキャンセル励磁コイル30と抵抗器145の側には、キャンセル励磁コイル駆動アンプ104よりキャンセル電流Icが供給されるので、キャンセル励磁コイル30には、キャンセル励磁コイル30を通過する漏れ磁束Mfとの相互誘導作用によって発生する相互誘導起電圧Vfに、キャンセル電流Icの自己誘導作用により発生する自己誘導起電圧VLが加わった電圧が発生する。
一方、ブリッジ回路141の抵抗器143とインダクタ144の側には、ブリッジ回路141のインピーダンス関係から、キャンセル電流Icと比例関係にある電流が流れるので、抵抗器143とインダクタ144の接続点には、キャンセル電流Icの自己誘導作用によりキャンセル励磁コイル30に発生する自己誘導起電圧VLと同じ電圧が発生する。したがって、相互誘導起電圧検出抵抗142を用いて、キャンセル励磁コイル30と抵抗器145の接続点と、インダクタ144と抵抗器143の接続点との間の電位差を検出することで、キャンセル電流Icの影響を受けずにキャンセル励磁コイル30自身に誘起する相互誘導起電圧Vfのみを取り出すことができる。
なお、ブリッジ回路141の抵抗器143と抵抗器145としては、インピーダンス調整を更に容易にするため、可変抵抗器を用いてもよい。また、このブリッジ回路141は、抵抗器143と抵抗器145の代わりにインダクタあるいはキャパシタを用いると、その発熱を小さくできる。また、ここで、キャパシタを用いた場合には、ブリッジ回路141での力率改善の効果も期待できる。
この実施の形態6に係るシールド装置140によれば、ブリッジ回路141の相互誘導起電圧検出抵抗142により取り出したキャンセル励磁コイル30自身に誘起する相互誘導起電圧Vfに応じて、キャンセル励磁コイル30に流すキャンセル電流Icを、前記電流加工回路により漏れ磁束Mfとキャンセル磁束Mcまたはキャンセル磁束Mcの遠方磁場成分とが等しくなるように加工することができる。これにより、主磁束Mから漏洩する漏れ磁束Mfをキャンセル磁束Mcまたはキャンセル磁束Mcの遠方磁場成分によってより確実に打ち消すことができる。
(実施の形態7)
図15は、本発明の実施の形態7に係るシールド装置の構成を示す概略平面図である。図15に示すように、本発明の実施の形態7に係るシールド装置150は、励磁回路153と励磁コイル27とで構成される磁場発生回路を流れる主電流Iが同期する同期信号155を発生する同期信号発生回路151と、同期信号155と同期した主電流Iを発生させる励磁回路153と、同期信号155に基づいてキャンセル励磁コイル30を駆動する駆動信号を発生するキャンセル励磁コイル駆動信号発生回路152と、を備える。同期信号発生回路151と励磁回路153とは同期信号伝達回路154bで、同期信号発生回路151とキャンセル励磁コイル駆動信号発生回路152とは同期信号伝達回路154aで、それぞれ電気的に接続されている。
また、このシールド装置150は、キャンセル励磁コイル駆動信号発生回路152が出力する駆動信号に応じてキャンセル励磁コイル30に流すキャンセル電流Icを加工する電流加工回路を備える。このシールド装置150の電流加工回路は、本発明の実施の形態3に係るシールド装置100の電流加工回路と同様、位相制御回路102と、振幅制御回路103と、キャンセル励磁コイル駆動アンプ104と、を備える。また、キャンセル励磁コイル駆動アンプ104は、電力増幅回路148と、マッチングトランス147と保護抵抗146と、を備える。なお、図15においては、接地点は主要なもののみを図示し、励磁回路153と、同期信号発生回路151と、キャンセル励磁コイル駆動信号発生回路152と、位相制御回路102と、振幅制御回路103と、電力増幅回路148と、の内部にある接地点等については省略している。また、同期信号伝達回路154には、例えば、光ケーブル又はフォトカプラなどの光伝送による方法や、トランスなどの磁気的手段等の電気的手段以外のものを用いてもよい。
この実施の形態7に係るシールド装置150によれば、キャンセル励磁コイル駆動信号発生回路152が出力する駆動信号に応じて、キャンセル励磁コイル30に流すキャンセル電流Icを、前記電流加工回路により漏れ磁束Mfとキャンセル磁束Mcまたはキャンセル磁束Mcの遠方磁場成分とが等しくなるように加工することができる。これにより、主磁束Mから漏洩する漏れ磁束Mfをキャンセル磁束Mcまたはキャンセル磁束Mcの遠方磁場成分によってより確実に打ち消すことができる。
(実施の形態8)
ところで、前記磁気回路の状態や前記磁場発生回路及び前記キャンセル磁場発生回路の回路定数は、温度変化及び経年変化などによって、時間の経過とともに変化することが考えられる。すると、主磁束Mから漏洩する漏れ磁束Mfがキャンセル磁束Mcによってより確実に打ち消された状態が維持できなくなる場合も考えられる。したがって、恒に漏れ磁束Mfを確実に打ち消すことができるキャンセル磁束Mcを生成できるように、キャンセル励磁コイル30のキャンセル電流Icの位相並びに振幅は、常時制御して調整することが望ましい。
図16は、本発明の実施の形態8に係るシールド装置の構成を示す概略平面図である。本実施の形態8に係るシールド装置は、実施の形態6に係るシールド装置140と電流加工回路の構成において相違する。図16に示すように、このシールド装置160は、キャンセル励磁コイル電圧検出回路161と、制御信号演算装置166と、を具備している。
キャンセル励磁コイル電圧検出回路161は、キャンセル励磁コイル30の両端の電圧を漏れ磁束制御電圧として直流電圧に変換して検出する。制御信号演算装置166は、前記漏れ磁束制御電圧に基づいてキャンセル電流Icの位相と振幅を制御するための位相制御信号と振幅制御信号とを発生させ、それぞれ位相制御信号伝達回路164と振幅制御信号伝達回路165とに出力する。位相制御回路162は、キャンセル励磁コイル30に流すキャンセル電流Icの位相を位相制御信号伝達回路164より伝達された位相制御信号に基づいて制御する。振幅制御回路163は、キャンセル励磁コイル30に流すキャンセル電流Icの振幅を振幅制御信号伝達回路165より伝達された振幅制御信号に基づいて制御する。なお、その他の構成は、実施の形態6に係るシールド装置140の構成と同様であるので、同様な構成の詳細な説明は省略し、シールド装置140の構成と相違する点のみ説明する。
キャンセル励磁コイル電圧検出回路161は、オペアンプ172と、オペアンプ172の入力抵抗になるキャンセル励磁コイル電圧検出抵抗170と、オペアンプ172の交流増幅率を規定する帰還抵抗173と、交流電圧を直流脈流に変換する整流子167と、前記直流脈流を平滑化する平滑コンデンサ168と、感度調整のための分圧抵抗169a、169bとを備える。
キャンセル励磁コイル電圧検出抵抗170の抵抗値Rは、ブリッジ回路141のバランスに影響を与えないように、キャンセル励磁コイル30のインピーダンスに比べて十分に大きな抵抗値とする。さらに、インダクタ144と並列にバランス抵抗171を挿入し、ブリッジ回路141のインピーダンスバランスは、インダクタ144とバランス抵抗171の並列回路のインピーダンスをZ22とし、キャンセル励磁コイル30とキャンセル励磁コイル電圧検出抵抗170の並列回路のインピーダンスをZ11として、L11×Z3=Z1×Z22となるように抵抗器145と抵抗器143とキャンセル励磁コイル電圧検出抵抗170とバランス抵抗171との抵抗値を調節してある。
前記漏れ磁束制御電圧は、キャンセル励磁コイル電圧検出抵抗170によって検出されるキャンセル励磁コイル30両端の交流電圧を、オペアンプ172で増幅し、整流子167と平滑コンデンサ168とを用いて直流電圧に変換し、分圧抵抗169a,169bで所定の電圧に分圧して発生させる。
制御信号演算装置166は、前記漏れ磁束制御電圧が入力され、位相制御信号と振幅制御信号を出力する。制御信号演算装置166の内部では、図示しない記憶装置に格納された制御テーブルと入力の漏れ磁束制御電圧値とを、図示しない記憶装置に格納された制御アルゴリズムに基づいて比較演算し、前記漏れ磁束制御電圧が0に近づくように位相制御信号と振幅制御信号とを、常時変化させている。
この時の制御アルゴリズムとしては、例えば、まず、キャンセル電流Icの位相値あるいは振幅値をある微小範囲で強制的に増加減少させ、その時の漏れ磁束制御電圧の変化量を増加時と減少時とで比較し、前記漏れ磁束制御電圧が0に近づく方向にキャンセル電流Icの位相値あるいは振幅値の中心値を移動させる方法、などを用いることができる。
なお、制御の目標値は、キャンセル励磁コイル30の中心からの距離が30mで磁界強度を2.65μN/Amよりも小さくするには、キャンセル励磁コイル30両端の交流電圧Vaからキャンセル励磁コイル30の直流抵抗成分による電圧Vrを複素ベクトル演算で取り除いた成分の交流電圧をViとし、前記キャンセル電流の交番周波数をfとし、前記キャンセル励磁コイル30のターン数をn、キャンセル励磁コイル30の等価円形ループ半径r2として、
|Vi|<0.000001774799×f×n/r2とすればよい。
なお、好ましくは、
|Vi|<9.870414×10−13×f×n/r2(V)
とすれば、キャンセル励磁コイル30の中心からの距離が0.2mの地点での磁界強度を4.974μN/Amよりも小さくできる。尚、キャンセル励磁コイル30の直流抵抗成分による電圧Vrが、前記Viの基準値に対して十分小さければ、Vi=Vaとしてもよい。最適値としては、Vi=0ならばキャンセル励磁コイルを通過する総磁束は0になる。
尚、遠方に発生する磁場のみをキャンセルする場合には、シールド装置160に、さらにキャンセル励磁コイル電圧検出回路161と同等の誘導起電圧検出回路を設けて、インダクタ144と抵抗器143の接続点の電位を相互誘導起電力Vfとして検出し、制御信号演算装置166に送る。制御信号演算装置166は、位相制御信号と振幅制御信号を、キャンセル励磁コイル30の遠方磁場係数ηとして、相互誘導起電力Vfと、キャンセル電流Icによって発生する自己誘導起電力VLとηの積との和が、所定の値よりも小さくなるようにする。すなわち、好適には、
|Vf+ηVL|=|ηVi+(1−η)Vf|<0.000001774799×f×n/r2(V)
好ましくは、
|Vf+ηVL|=|ηVi+(1−η)Vf|<9.870414×10−13×f×n/r2(V)
最適値は、Vf+ηVL=ηVi+(1−η)Vf=0
となればよい。好適な状態では、ViとVfはほぼ逆位相の電圧であるので、制御信号演算装置166は、ViとVfの関係が、それぞれの絶対値を用いて、好適には、
η|Vi|−(1−η)|Vf|<0.000001774799×f×n/r2(V)
好ましくは、
η|Vi|−(1−η)|Vf|<9.870414×10−13×f×n/r2(V)
最適値は、η|Vi|−(1−η)|Vf|=0
となるように制御する。
この実施の形態8に係るシールド装置160によれば、キャンセル励磁コイル電圧検出回路161により検出した漏れ磁束制御電圧が0あるいは最小になるように、キャンセル励磁コイル30に流すキャンセル電流Icを、前記電流加工回路により加工することができる。これにより、キャンセル励磁コイル30を通過する漏れ磁束Mfとキャンセル磁束Mcまたはキャンセル磁束Mcの遠方磁場成分とが等しくなるので、主磁束Mから漏洩する漏れ磁束Mfをキャンセル磁束Mcまたはキャンセル磁束Mcの遠方磁場成分によってより確実に打ち消すことができる。
なお、前記制御アルゴリズムは、本実施の形態8に係るシールド装置160に記載した方法に限定されるのではなく、古典制御理論、現代制御理論、ファジイ制御、ニューロ制御、学習制御及びロバスト制御等の制御理論に基づくアルゴリズムを用いてもよい。また、制御信号演算装置166は、アナログ演算、デジタル演算、又はアナログ演算とデジタル演算の両方の、いずれの演算方法を用いてもよい。
また、本実施の形態8に係るシールド装置160では、キャンセル電流Icを、ブリッジ回路141を用いて、キャンセル励磁コイル30自身に誘起する相互誘導起電圧に基づいて発生させるシールド装置において、キャンセル励磁コイル電圧検出回路161により検出した漏れ磁束制御電圧が最小(零を含む)になるように、キャンセル電流Icを加工する例を示したが、このようなキャンセル電流Icの加工方法は、このシールド装置160に限定されるものではない。
例えば、このようなキャンセル電流Icの加工方法は、実施の形態3に係るシールド装置100に示した励磁コイル電流検出回路により検出した電流に応じてキャンセル電流Icを発生させるシールド装置、実施の形態4に係るシールド装置110に示した励磁コイル電圧検出回路により検出した電圧に応じてキャンセル電流Icを発生させるシールド装置、実施の形態5に係るシールド装置120に示した磁束検出回路により検出した磁束に応じてキャンセル電流Icを発生させるシールド装置、及び実施の形態7に係るシールド装置150に示した主電流Iに同期する同期信号に応じてキャンセル電流Icを発生させるシールド装置、のいずれのシールド装置に対しても有効である。なお、これらのシールド装置にはブリッジ回路141がないので、これらに上述のようなキャンセル電流Icの加工方法を適用する場合には、バランス抵抗171は不要となる。
また、図16においては、接地点は主要なもののみを図示し、制御信号演算装置166と、位相制御回路162と、振幅制御回路163と、電力増幅回路148と、の内部にある接地点等については省略している。また、オペアンプ172及びその他の能動素子に対する電源供給回路についても省略している。さらに、位相制御信号伝達回路164と振幅制御信号伝達回路165とには、例えば、光ケーブル及びフォトカプラなどの光伝送による方法や、トランスなどの電気的手段以外の磁気的手段等を用いてもよい。
また、本発明のシールド装置は、上記構成に限定されるものではなく、磁気回路29が永久磁石又は直流電流が通電されるコイルを含む構成で、前記永久磁石又は直流電流が通電されるコイルの回転又は振動により交番磁束が発生する場合にも適応できる。
さらに、本発明の誘導加熱装置は、上記構成に限定されるものではなく、励磁コイル27が発熱体層21bの内部に有る場合にも適応できる。
さらに、本発明の誘導加熱装置は、上記構成に限定されるものではなく、励磁コイル27が円筒形状で円筒内部に発熱体層21bを有する場合、および励磁コイル27が平板渦巻き形状で対抗面に発熱体層21bを有する場合にも適応できる。
本発明のシールド方法及びシールド装置は、交番磁束を発生する磁気回路から漏洩する漏れ磁束を確実にシールドすることができ、画像形成装置、定着装置に適用できる。
本発明のシールド装置が適用される一例としての画像形成装置の全体構成を示す概略構成図 本発明のシールド装置が適用される一例としての定着装置の構成を示す断面図 図2の定着装置に適用されるシールド装置の概略斜視図 図2の定着装置に適用されるシールド装置の主磁束及び漏れ磁束の流れを説明するための概略説明図 図2の定着装置に適用されるシールド装置のキャンセル磁束の流れを説明するための概略説明図 図2の定着装置に適用されるシールド装置の主磁束及び漏れ磁束とキャンセル磁束との関係を説明するための概略説明図 実施の形態1に係るシールド装置の概略平面図 実施の形態1及び実施の形態2に係るシールド装置の励磁コイルに流れる主電流とキャンセル励磁コイルに流れるキャンセル電流との関係、及び漏れ磁束とキャンセル磁束との関係を示す図 実施の形態2に係るシールド装置の概略平面図 実施の形態3に係るシールド装置の概略平面図 実施の形態4に係るシールド装置の概略平面図 実施の形態5に係るシールド装置の概略平面図 実施の形態5に係るシールド装置の概略断面図 実施の形態6に係るシールド装置の概略平面図 実施の形態7に係るシールド装置の概略平面図 実施の形態8に係るシールド装置の概略平面図
符号の説明
10 画像形成装置
11 露光装置
13Y,13M,13C,13Bk 感光体
14Y,14M,14C,14Bk 現像器
15 中間転写ベルト
16 二次転写ローラ
19 給紙ユニット
20 定着装置
21 加熱ローラ
22 加圧ローラ
23 励磁ユニット
24 アーチコア
25 センターコア
26 サイドコア
27 励磁コイル
28 温度センサ
29 磁気回路
30 キャンセル励磁コイル
31 コイル保持部材
70、90、100、110、120、140、150、160 シールド装置
71、153 励磁回路
91 キャパシタ
92 抵抗
93 キャンセル磁場発生回路
101 カレントトランス
102、162 位相制御回路
103、163 振幅制御回路
104 キャンセル励磁コイル駆動アンプ
111 励磁コイル電圧検出抵抗
121 磁束検出コイル
141 ブリッジ回路
142 相互誘導起電圧検出抵抗
143、145 抵抗器
144 インダクタ
146 保護抵抗
147 マッチングトランス
148 電力増幅回路
151 同期信号発生回路
152 キャンセル励磁コイル駆動信号発生回路
154a,154b 同期信号伝達回路
155 同期信号
161 キャンセル励磁コイル電圧検出回路
164 位相制御信号伝達回路
165 振幅制御信号伝達回路
166 制御信号演算装置
167 整流子
168 平滑コンデンサ
169a,169b 分圧抵抗
170 キャンセル励磁コイル電圧検出抵抗
171 バランス抵抗
172 オペアンプ
173 帰還抵抗
I 主電流
Ic キャンセル電流
M 主磁束
Mf 漏れ磁束
Mc キャンセル磁束

Claims (25)

  1. 交番磁束を発生する磁気回路から漏洩する漏れ磁束をシールドするシールド装置であって
    前記交番磁束に対応するキャンセル電流が通電されることにより前記漏れ磁束を打ち消すキャンセル磁束を生成するキャンセル励磁コイルを有するキャンセル磁場発生回路を具備し、
    前記キャンセル磁場発生回路は、前記キャンセル励磁コイルに通電するキャンセル電流と前記キャンセル励磁コイルの直流抵抗成分との積が前記キャンセル励磁コイルの両端に生じる交流電圧と等しくなるようなキャンセル電流を、前記キャンセル励磁コイルに通電する、
    シールド装置。
  2. 前記キャンセル励磁コイル自身に誘起する相互誘導起電圧を検出する相互誘導起電圧検出回路と、
    前記相互誘導起電圧検出回路により検出した相互誘導起電圧に応じて前記キャンセル励磁コイルに流すキャンセル電流を加工する電流加工回路と、
    を具備する請求項記載のシールド装置。
  3. 前記キャンセル励磁コイルを含むブリッジ回路と、
    前記ブリッジ回路の電圧を検知する電圧検知回路と、を具備し
    前記ブリッジ回路は、前記キャンセル励磁コイルのインピーダンスをL1としたとき、インピーダンスL1と隣接してインピーダンスZ1、インピーダンスL1の反対側にインピーダンスZ2が、インピーダンスL1の対抗位置にインピーダンスZ3がそれぞれ位置し、各インピーダンスの大きさ関係はL1×Z3=Z1×Z2であり、
    前記電圧検知回路は、前記相互誘導起電圧としてインピーダンスL1とインピーダンスZ1の接続点とインピーダンスZ2とインピーダンスZ3の接続点との間の電位差を検知し、
    前記電流加工回路は、前記ブリッジ回路における、インピーダンスZ1とインピーダンスZ3との接続点と、インピーダンスL1とインピーダンスZ2の接続点との間に接続されて、前記キャンセル電流を前記キャンセル励磁コイルに通電する、
    請求項記載のシールド装置。
  4. 前記ブリッジ回路は、インピーダンスZ1、Z2、Z3のすべてが、インダクタキャパシタのいずれか一方又は両方からなる請求項記載のシールド装置。
  5. 前記ブリッジ回路は、インピーダンスZ3と、インピーダンスZ1又はインピーダンスZ2のいずれか一方とが抵抗からなる請求項記載のシールド装置。
  6. 前記磁気回路は、励磁コイルを有する磁場発生回路に励磁電流が通電されて前記交番磁束を発生するものであり、
    前記キャンセル磁場発生回路は、前記磁場発生回路と閉回路をなしている
    請求項記載のシールド装置。
  7. 交番磁束を発生する磁気回路から漏洩する漏れ磁束をシールドするシールド装置であって、
    前記交番磁束に対応するキャンセル電流が通電されることにより前記漏れ磁束を打ち消すキャンセル磁束を生成するキャンセル励磁コイルを有するキャンセル磁場発生回路を具備し、
    前記磁気回路は、励磁コイルを有する磁場発生回路に励磁電流が通電されて前記交番磁束を発生するものであり、
    前記キャンセル磁場発生回路は、前記磁場発生回路と閉回路をなしており、
    前記磁場発生回路と前記キャンセル磁場発生回路との磁気結合係数をk1、前記磁場発生回路の自己インダクタンスをLL、前記キャンセル励磁コイルの自己インダクタンスをL1、前記キャンセル励磁コイルが生成する総磁束に対する遠方磁場成分の比を遠方磁場係数ηとした場合、L1=k1×k1×LL/(η×η)である
    シールド装置。
  8. 前記励磁コイルに流れる励磁電流の位相に対して前記キャンセル励磁コイルに流れるキャンセル電流の位相をずらす位相補正回路
    を具備する請求項記載のシールド装置。
  9. 前記励磁コイルに通電される励磁電流を検出する励磁コイル電流検出回路と、
    前記励磁コイル電流検出回路により検出した励磁電流に応じて前記キャンセル励磁コイルに流すキャンセル電流を加工する電流加工回路と、
    を具備する請求項記載のシールド装置。
  10. 前記励磁コイルに与えられる電圧を検出する励磁コイル電圧検出回路と、
    前記励磁コイル電圧検出回路により検出した電圧に応じて前記キャンセル励磁コイルに流すキャンセル電流を加工する電流加工回路と、
    を具備する請求項記載のシールド装置。
  11. 前記磁気回路に発生する前記交番磁束を検出する磁束検出回路と、
    前記磁束検出回路により検出した磁束に応じて前記キャンセル励磁コイルに流すキャンセル電流を加工する電流加工回路と、
    を具備する請求項記載のシールド装置。
  12. 前記磁気回路は、励磁コイルを有する磁場発生回路に励磁電流が通電されて前記交番磁束を発生するものであり、
    前記磁場発生回路を流れる電流が同期する同期信号を発生する同期信号発生回路と、
    前記同期信号発生回路が出力する同期信号に基づいて前記キャンセル励磁コイルを駆動する駆動信号を発生するキャンセル励磁コイル駆動信号発生回路と、
    前記キャンセル励磁コイル駆動信号発生回路が出力する駆動信号に応じて前記キャンセル励磁コイルに流すキャンセル電流を加工する電流加工回路と、
    を具備する請求項記載のシールド装置。
  13. 前記電流加工回路は、位相を制御する位相制御回路、振幅を制御する振幅制御回路及び増幅回路の少なくとも1つを具備する請求項記載のシールド装置。
  14. 前記電流加工回路は、前記キャンセル励磁コイルに生じる電圧を検出するキャンセル励磁コイル電圧検出回路を備え、前記キャンセル励磁コイル電圧検出回路により検出した電圧が最小になるように前記キャンセル励磁コイルに流すキャンセル電流を加工する、請求項13記載のシールド装置。
  15. 前記キャンセル電流が通電される前記キャンセル励磁コイルの両端に生じる交電圧の、前記キャンセル励磁コイルの直流抵抗によって生じる電圧を除いた成分をViとし、前記キャンセル電流の交番周波数をfとし、前記キャンセル励磁コイルの周回回数をnとし前記キャンセル励磁コイルの等価円形ループ半径をr2としたとき、
    |Vi|<0.000001774799×f×n/r2
    である請求項記載のシールド装置。
  16. 前記磁気回路は、励磁コイルを有する磁場発生回路に励磁電流が通電されて前記交番磁束を発生するものであり、
    前記キャンセル磁場発生回路は、前記磁場発生回路と閉回路をなしており、
    前記磁場発生回路と前記キャンセル磁場発生回路との磁気結合係数をk1、前記磁場発生回路の自己インダクタンスをLL、前記キャンセル励磁コイルの自己インダクタンスをL1とした場合、L1=k1×k1×LLである請求項15記載のシールド装置。
  17. 交番磁束を発生する磁気回路から漏洩する漏れ磁束をシールドするシールド装置であって、
    前記交番磁束に対応するキャンセル電流が通電されることにより前記漏れ磁束を打ち消すキャンセル磁束を生成するキャンセル励磁コイルを有するキャンセル磁場発生回路を具備し、
    前記キャンセル磁場発生回路は、前記キャンセル電流が通電される前記キャンセル励磁コイルの両端に生じる交電圧の、前記キャンセル励磁コイルの直流抵抗成分によって生じるを除いた電圧をViとし、前記キャンセル励磁コイルに前記漏れ磁束によって発生する相互誘導起電力をVfとし、前記キャンセル電流の交番周波数をfとし、前記キャンセル励磁コイルの周回回数をnとし、前記キャンセル励磁コイルの等価円形ループ半径をr2とし、前記キャンセル励磁コイルが発生する総磁束に対する遠方磁場成分の比を遠方磁場係数ηとしたとき、
    |ηVi+(1−η)Vf|<0.000001774799×f×n/r
    であるようなキャンセル電流を、前記キャンセル励磁コイルに通電する、
    シールド装置。
  18. 前記キャンセル励磁コイルは、前記キャンセル磁束が前記漏れ磁束に対して重なり合う部位に電気絶縁体を介して配設されている請求項記載のシールド装置。
  19. 交番磁束を発生する磁気回路から漏洩する漏れ磁束をシールドするシールド方法であって
    前記漏れ磁束を打ち消すための磁束を生成するキャンセル励磁コイルに通電する電流を、前記交番磁束に対応するキャンセル電流として、前記キャンセル電流と前記キャンセル励磁コイルの直流抵抗成分との積が前記キャンセル励磁コイルの両端に生じる交流電圧と等しくなるように通電する、
    シールド方法。
  20. 前記キャンセル励磁コイルに発生する相互誘導起電圧に基づいて前記キャンセル電流を生成する請求項19記載のシールド方法。
  21. 前記キャンセル励磁コイルに発生する電圧が最小となるように前記キャンセル電流を生成する請求項19記載のシールド方法。
  22. 交番磁束を発生する磁気回路から漏洩する漏れ磁束をシールドするシールド方法であって、
    前記漏れ磁束を打ち消すための磁束を生成するキャンセル励磁コイルに通電する電流を、前記交番磁束に対応するキャンセル電流として、前記キャンセル励磁コイルに発生する電圧の絶対値と、前記キャンセル励磁コイルが発生する総磁束に対する遠方磁場成分の比を遠方磁場係数ηとしたときの前記キャンセル励磁コイルに発生する相互誘導起電圧の(1−η)/η倍の電圧の絶対値との差が最小となるように前記キャンセル電流を生成する
    シールド方法。
  23. 被加熱部材を誘導加熱する加熱ユニットを備えた誘導加熱装置であって、請求項1から請求項18のいずれかに記載のシールド装置を、前記加熱ユニットに具備する、誘導加熱装置。
  24. 記録紙上にトナーを定着する定着部を備えた定着装置であって、請求項23記載の誘導加熱装置を、前記定着部に具備する、定着装置。
  25. 像担持体上に形成したトナー記録紙上に定着させて画像を形成する画像形成装置であって、請求項24記載の定着装置を用いて、前記トナー像を前記記録紙上に定着させる画像形成装置。
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