JP2012113266A - 画像加熱装置、及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁誘導発熱する発熱回転体1と、その外周面に対向するとともに、磁束を発生させて回転体1を加熱するコイル5と、を有し、画像Tを担持して搬送される記録材Pを回転体1の熱により加熱する画像加熱装置において、回転体1の長手方向の温度分布の変動を小さくする、回転体1を効率よく加熱する。
【解決手段】回転体1の外周面および内周面に対してコイル5に沿って周方向および長手方向に対向する磁性材料からなる複数のコア6a、6bを有し、そのコアは、各々がコイル5の周方向および長手方向に間隔を空けて配置された分割コアにより構成され、分割コアの各々には絶縁された線材6A、6Bが巻かれており、装置に導入使用可能な最大通紙幅の記録材よりも通紙幅が小さい記録材が通紙されたときの非通紙部領域に対応する分割コアの線材に通電することで、回転体1の非通紙部領域に作用する磁束量を調整する磁束調整手段を有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、電子写真・静電記録・磁気記録などの画像形成プロセスによって画像形成を行う複写機・プリンタ・ファクシミリ、それらの複合機能機等の画像形成装置に搭載される定着装置として用いて好適な電磁誘導加熱方式の画像加熱装置に関する。また、その画像加熱装置を搭載した画像形成装置に関する。
画像加熱装置としては、記録材上の未定着画像を定着或いは仮定着する定着装置、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢を増大させる光沢増大化装置を挙げることができる。また、インクジェット方式などの、染料や顔料を含む液体により画像形成を行う画像形成装置においてインクを速く乾かすため画像加熱装置等を挙げることができる。
以下、定着装置を例にして説明する。従来、電子写真方式を採用した画像形成装置において、未定着トナー画像を加熱溶融定着する定着装置として、種々の方式のものが提案されている。このような定着装置の一つに、電磁誘導加熱方式の定着装置がある。
この定着装置では、未定着トナー画像を加熱溶融定着する定着部材を加熱する手段として、定着部材に導電性層を設け、電磁誘導加熱によって該導電性層を発熱させるものが知られている。電磁誘導加熱は、変動磁界を発生する励磁コイルを導電性層に対向配置し、導電性層を貫通する磁束を発生させることにより、導電性層に渦電流が生じ発熱するものである。電磁誘導加熱によれば、極めて短い時間で導電性層を発熱させることができ、定着部材を直接加熱することができる。
このため、加熱源としてハロゲンランプ等の発熱体を用いる場合に比べ、効率良く装置のウォーミングアップを行うことができる。また、励磁コイルは導電性層と対向するように定着部材の内側または外側のいずれに配置することも可能であり、設計の自由度が増す。
しかしながら、電磁誘導加熱方式の従来定着装置では以下の様な非通紙部昇温という問題が顕著である。非通紙部昇温は、装置に導入使用可能な最大通紙幅の記録材よりも通紙幅が小さい記録材を連続的に通紙して加熱定着を実行していくと、定着ニップ部を形成して記録材を挟持搬送する定着部材と加圧部材の非通紙部の温度が通紙部よりも昇温していく現象である。
これは、定着部材と加圧部材における通紙部では記録材の加熱のために消費された熱が温調系によって補償されて所定温度に維持されるのに対して、非通紙部では記録材の加熱によって熱が消費されないので熱が蓄積されてしまう。そのため、非通紙部の温度が、所定温度に維持管理されている通紙部よりも昇温していくのである。この非通紙部昇温の温度上昇が著しい場合、定着部材表層、弾性層、加圧部材、その他昇温部周辺の構成部材に熱ダメージを与えやすいという問題がある。
また省エネのために定着部材の熱容量を小さくしていき、定着部材を、いわゆるフィルム状にすること、及び、通紙速度を増すことで、通紙時に、定着部材を所定の温度に維持するための電力が大きくなる。すると非通紙部の昇温がより顕著になっていく。従って、最大通紙幅の記録材を通紙したときに、すでに、その通紙域外での非通紙部昇温が問題になってしまうことがある。
このような非通紙部昇温の問題対策として、特許文献1で示される例がある。これは、励磁コイルの一方の屈曲部と重なり、かつ、延在部が上記励磁コイルの延在部の一部と略重なって、上記励磁コイルが発生した磁束をキャンセルする消磁コイルを備える定着装置が提案されている。
特開2005−321642号公報
しかしながら、上述の従来技術によると、次のような問題点がある。励磁コイルが発生した磁束をキャンセルする消磁コイルは、長手方向長さが一定であるため、記録材(用紙)サイズの多様性に対応することができない。つまり、消磁コイルの長手方向長さ以上の、もしくは以下の記録材サイズが通紙される場合は、通紙領域の長手温度分布を一定に保つことができず、端部ダレもしくは非通紙部昇温が生じる。
記録材サイズ対応として記録材サイズそれぞれの非通紙部領域に対応する消磁コイルを配置するという対策も考えられる。しかし、上述の従来技術によると、消磁コイルの巻き数は、励磁コイルの巻き数の1/2以上であるとされており、多くの消磁コイルを配置することは、定着装置の大型化を招くという問題がある。
更に、消磁コイルに印加する電力は、消磁コイルの巻き数に反比例するため、消磁コイルの巻き数による定着装置の大型化の問題と消費電力の増大はトレードオフの関係になっている。上記従来技術においては、消磁コイルの巻き数は、励磁コイルの巻き数の1/2以上であるとされており、このことから消磁コイルに印加する電力は励磁コイルに印加する電力と同等量が必要と考えられる。それにより、電磁誘導加熱装置で消費されるエネルギーが増大し、結果的に本来省エネルギーの為に採用している電磁誘導加熱装置が、省エネルギー性を損なうという矛盾した結果になりえる。
そこで、本発明は、電磁誘導加熱方式の画像加熱装置において、画像を担持した記録材を加熱するための、電磁誘導発熱する発熱回転体の長手方向の温度分布の変動を小さくすることを目的とする。また、消費電力の削減および装置の小型化を可能にしつつ、発熱回転体を効率よく加熱することが可能な画像加熱装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、磁束の作用により電磁誘導発熱する発熱回転体と、前記発熱回転体の外周面に対向するとともに、磁束を発生させて当該磁束によって前記発熱回転体を加熱する励磁コイルと、前記発熱回転体の外周面および内周面に対して前記励磁コイルに沿って周方向および長手方向に対向する磁性材料からなる外側磁性体コアおよび内側磁性体コアと、を有し、画像を担持して搬送される記録材を前記発熱回転体の熱により加熱する画像加熱装置において、前記外側磁性体コアおよび前記内側磁性体コアの少なくとも一方は、前記励磁コイルの周方向および長手方向に間隔を空けて配置された分割コアにより構成され、各々の分割コアは絶縁された線材が巻かれており、装置に導入使用可能な最大通紙幅の記録材よりも通紙幅が小さい記録材が通紙されたときの非通紙部領域に対応する部分の前記分割コアの線材に通電することで、前記発熱回転体の非通紙部領域に作用する磁束量を調整することが可能な磁束調整手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、電磁誘導加熱方式の画像加熱装置において、画像を担持した記録材を加熱するための、電磁誘導発熱する発熱回転体の長手方向の温度分布の変動を小さくすることができる。また、消費電力の削減および装置の小型化を可能にしつつ、発熱回転体を効率よく加熱することが可能な画像加熱装置を提供することができる。
実施例1における画像形成装置の一例の構成模型図 実施例1における定着装置の途中部分省略の正面図 同定着装置の途中部分省略の縦断正面図 図2における(4)−(4)線に沿う拡大横断面図 定着装置構成部材の長手方向の寸法関係を示す図 定着ベルトの層構成を示す断面模式図 (a)は外側磁性体コアの長手関係を示した立体図、(b)は(a)の部分的な拡大模式図 外側磁性体コアの消磁効果の概念図 磁束調整手段のフローチャート 実施例を施す前の定着装置(比較例)のコイルから発生する磁界分布図(Sim結果) 実施例を施した後の定着装置のコイルから発生する磁界分布図(Sim結果) (a)は実施例2における定着装置の内側磁性体コアの長手関係を示した立体図、(b)は(a)の部分的な拡大模式図 内側磁性体コアの消磁効果の概念図 非通紙部昇温が発生した際の長手端部の温度分布図 実施例を施した際の長手端部の温度分布図
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、これら実施例は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図1は、本発明に従う像加熱装置を定着装置Aとして搭載した画像形成装置の一例の構成模型図である。この画像形成装置は電子写真方式を用いたカラー画像形成装置である。Y・C・M・Kはそれぞれイエロー・シアン・マゼンタ・ブラックの色トナー画像を形成する4つの画像形成部であり、下から上に順に配列してある。各画像形成部Y・C・M・Kは、それぞれ、電子写真感光体ドラム21、帯電装置22、現像装置23、クリーニング装置24等を有している。
画像形成部Yの現像装置23には現像剤としてイエロー色(Y色)のトナーが、画像形成部Cの現像装置23にはシアン色(C色)のトナーが収容されている。また、画像形成部Mの現像装置23にはマゼンタ色(M色)のトナーが、画像形成部Kの現像装置23にはブラック色(K色)トナーが収容されている。
各ドラム21は矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。その各ドラム21に露光を行うことにより静電潜像を形成する光学系25が上記4色の画像形成部Y・C・M・Kに対応して設けられている。光学系としては、レーザー走査露光光学系を用いている。
各画像形成部Y・C・M・Kにおいて、帯電装置22により一様に帯電されたドラム21に対して光学系25より画像データに基づいた走査露光がなされることにより、ドラム表面に走査露光画像パターンに対応した静電潜像が形成される。
それらの静電潜像が現像装置23によりトナー画像として現像される。すなわち、画像形成部Yのドラム21にはY色トナー画像が、画像形成部Cのドラム21にはC色トナー画像が、画像形成部Mのドラム21にはM色トナー画像が、画像形成部Kのドラム21にはK色トナー画像が、それぞれ形成される。
各画像形成部Y・C・M・Kのドラム21上に形成された上記の色トナー画像は各ドラム21の回転と同期して、略等速で回転する中間転写体26上へ所定の位置合わせ状態で順に重畳されて一次転写される。これにより中間転写体26上に未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。
本実施例においては、中間転写体26として、エンドレスの中間転写ベルトを用いている。ベルト26は、駆動ローラ27、二次転写ローラ対向ローラ28、テンションローラ29の3本のローラに巻きかけて張架されている。そして、ベルト26は駆動ローラ27によって矢印の時計方向にドラム21の速度とほぼ同じ速度で循環移動駆動される。
各画像形成部Y・C・M・Kのドラム21上からベルト26上へのトナー画像の一次転写手段としては、一次転写ローラ30を用いている。ローラ30に対して不図示のバイアス電源よりトナーと逆極性の一次転写バイアスを印加する。これにより、各画像形成部Y・C・M・Kのドラム21上からベルト26に対してトナー画像が一次転写される。各画像形成部Y・C・M・Kにおいてドラム21上からベルト26への一次転写後、ドラム21上に転写残として残留したトナーはクリーニング装置24により除去される。
上記工程をベルト26の回転に同調して、Y色、C色、M色、K色の各色に対して行い、ベルト26上に、各色の一次転写トナー画像を順次重ねて形成していく。なお、単色のみの画像形成(単色モード)時には、上記工程は、目的の色についてのみ行われる。
一方、記録材カセット31内の記録材Pは、給送ローラ32により一枚分離給送される。その給送された記録材Pはレジストローラ33により所定のタイミングで、二次転写ローラ対向ローラ28に巻きかけられているベルト26部分と二次転写ローラ34との圧接部である転写ニップ部に搬送される。
ベルト26上に形成された一次転写合成トナー画像は、二次転写ローラ34に不図示のバイアス電源より印加されるトナーと逆極性のバイアスにより、記録材P上に一括転写される。二次転写後にベルト26上に残留した二次転写残トナーは中間転写ベルトクリーニング装置35により除去される。
以上が記録材Pに未定着画像を形成する画像形成手段である。記録材Pに二次転写された未定着トナー画像は、画像加熱装置である定着装置Aにより記録材P上に固着画像として溶融混色定着(加熱定着)され、フルカラープリントとして排紙パス36を通って排紙トレイ37に送り出される。
(2)定着装置A
定着装置Aは本発明に従う電磁誘導加熱方式の画像加熱装置である。以下の説明において、定着装置Aまたはこれを構成している部材の長手方向とは記録材搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向に並行な方向である。また短手方向とは記録材搬送方向に並行な方向である。定着装置に関し、正面とは装置を記録材入口側からみた面、背面とはその反対側の面(記録材出口側)、左右とは装置を正面から見て左または右である。上流側と下流側とは記録材搬送方向に関して上流側と下流側である。記録材の搬送はいわゆる中央基準搬送でなされる。
図2は本実施例における定着装置Aの途中部分省略の正面図、図3は同じく途中部分省略の縦断正面図、図4は図2における(4)−(4)線に沿う拡大横断面図、図5は装置構成部材の長手方向の寸法関係を示す図である。
定着装置枠体(装置フレーム、シャーシー)20の左右の側板20L・20R間に長手方向両端側を保持させて定着ベルトユニット(以下、ベルトユニットと記す)10が配設されている。ベルトユニット10の下側には側板20L・20R間に両端部を回転可能に軸受け保持させて加圧回転体(回転可能な加圧部材)としての弾性加圧ローラ2が配設されている。ベルトユニット10の上側には側板20L・20R間に長手方向両端側を保持させて誘導加熱装置4が配設されている。
1)ベルトユニット10
ベルトユニット10は、磁束の作用により電磁誘導発熱する発熱回転体としての左右方向に長い円筒状の定着ベルト(無端状ベルト:以下、ベルトと記す)1と、ベルト1の内側に配設された左右方向に長い押圧部材3を有する。押圧部材3は、ニップ形成部材3aと、ニップ形成部材3aを支持する金属製、本実施例では鉄製のステー3b、ステー3bの誘導加熱による温度上昇を防止するための磁気遮蔽部材としての磁気遮蔽コア3cより構成される。
ニップ形成部材3aは例えば耐熱樹脂成型品であり、横断面において下面をベルト1の内周面の曲率とほぼ同じ曲率の凸曲面とし上面を平面とした弓型形状の剛性部材である。ステー3bは横断面下向きコ字型の剛性部材であり、ニップ形成部材3aの上面が接合されてニップ形成部材3aを支持する。コア3cはステー3bに被さる横断面下向きコ字型部材であり、ステー3bの外側を覆って配設されている。
押圧部材3は特に両端部で後述する励磁コイル5と接近しており、押圧部材3の発熱を防止するためにコイル5で生じる磁界を遮蔽するために、押圧部材3の上面に長手方向にわたって磁気遮蔽コア3cを配置している。
本実施例においては、後述するように、ベルト1を介してニップ形成部材3aが加圧ローラ2に圧接して定着ニップ部Nが形成される。その定着ニップ部Nの長手方向の長さは320mmである。このニップ部Nの長さは、本実施例における最大通紙領域幅Wmax=300mmよりも長い。また、ステー3bの長手方向の長さL3bは360mmであり、ステー3bを覆う磁気遮蔽コア3cの長さL3cは320mmで、ニップ部Nの長手方向長さと同じである。
コア3cの上にはコア3cに支持させて内側磁性体コア6dが配設されている。このコア6dはベルト1の内周面の曲率とほぼ同じ曲率の凸曲面を有する横断面ほぼ半円弧状で左右方向に長い部材であり、長さL6dは320mmである。ベルト1は押圧部材3及びコア6dに対してルーズに外嵌されている。コア6dはベルト1のほぼ上半部の内周面に沿って凸曲面が対面している。
ニップ形成部材3aの長手中央部の位置と一方側の端部の位置にはそれぞれ弾性支持部材11を介して例えばサーミスタ等の第1の温度センサ(温度検出素子)TH1と第2の温度センサTH2が配設されている。温度センサTH1・TH2はそれぞれ支持部材11の弾性によりベルト1の内面に対して弾性的に接触してベルト1の長手中央部の温度と端部の温度を検出する。その検出温度情報が制御回路部100に入力する。
温度センサTH1・TH2はそれぞれ支持部材11によりベルト1の内面に弾性的に接触して支持されているので、回転するベルト1の当接面が波打つなどの位置変動が生じたとしてもこれに追従して良好な接触状態が維持される。
ステー3bの左右の両端部にはそれぞれ耐熱樹脂成型品である、フランジ部7aを有する端末部材7L・7Rが嵌着されている。左右の端末部材7L・7Rはそれぞれ縦方向溝部7bが左右の側板20L・20Rに具備させた縦ガイドスリット部20bに係合されている。これにより、左右の端末部材7L・7Rはそれぞれスリット部20bにガイドされて側板20L・20Rに対して上下方向にスライド移動可能に保持されている。側板20L・20Rのそれぞれの外面側には端末部材7L・7Rに対する圧力付勢手段としての端末部材シフト機構12L・12Rが配設されている。
シフト機構12L・12Rはモータに連結されたカム機構等からなり、制御回路部100により制御され、端末部材7L・7Rを上方または下方に移動する機能を有する。端末部材7L・7Rが下方に移動することで、押圧部材3が押し下げられてニップ形成部材3aがベルト1を介して加圧ローラ2の上面に対して加圧ローラ2の弾性に抗して所定の加圧力、本実施例では490N(50kgf)で加圧される(着状態)。これにより、ベルト1と加圧ローラ2との間に記録材搬送方向aにおいて所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
また、端末部材7L・7Rが上方に移動することで、押圧部材3が持ち上げられてニップ形成部材3aが加圧ローラ2の上面から引き離される(脱状態)。これにより、ベルト1と加圧ローラ2との圧接が解除される。こうすることで加圧ローラ2の弾性層2bやベルト1が恒久的に変形してしまうのを防止することが出来る。
本実施例のベルト1の全長L1は350mmである。図6はベルト1の層構成模型図である。ベルト1は電磁誘導発熱層としての、内径が30mmで電気鋳造法によって製造したニッケル基層(金属層、導電層:以下、金属層と記す)1aを有している。この金属層1aの厚みは40μmである。金属層1aにはニッケルのほかに鉄合金や銅、銀などを適宜選択可能である。また、樹脂基層にそれら金属を積層させるなどの構成でも良い。金属層1aの厚みは、後で説明する励磁コイルに流す高周波電流の周波数と金属層の透磁率・導電率に応じて調整して良く、5〜200μm程度の間で設定すると良い。
金属層1aの外周には弾性層1bとして耐熱性シリコーンゴム層が設けられている。シリコーンゴム層の厚さは100〜1000μmの範囲内で設定するのが好ましい。本実施例では、ベルト1の熱容量を小さくしてウォーミングアップタイムを短縮し、かつカラー画像を定着するときに好適な定着画像を得ることを考慮して、シリコーンゴム層1bの厚みは300μmとされている。このシリコーンゴムは、JIS−A20度の硬度を持ち、熱伝導率は0.8W/mKである。
更に、弾性層1bの外周には、表面離型層1cとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられている。基層1aの内面側には、ベルト内面に弾性的に接触させて配設される温度センサTH1・TH2との摺動摩擦を低下させるために、フッ素樹脂やポリイミドなどの樹脂層(滑性層)1dを10〜50μm設けても良い。本実施例では、この層1dとしてポリイミドを20μm設けた。
2)加圧ローラ2
加圧ローラ2は、芯金2aに弾性層2bとしてシリコーンゴム層が設けた、外径が30mmの弾性ローラである。芯金2aは長手方向中央部の径が20mmで、両端部の径が19mmである鉄合金製のテーパー形状のクラウン型芯金である。弾性層2bの表面は離型層2cとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられる。加圧ローラ2の長手方向中央部における硬度は、ASK−C70度である。
加圧ローラ2は、芯金2aの左右両端部をそれぞれ左右の側板20L・20Rに軸受部材13L・13Rを介して回転可能に支持されて配設されている。また、芯金2aの右端部にはドライブギアGが固定されている。加圧ローラ2はギアGに対してモータ(駆動手段)M1から駆動伝達手段(不図示)を介して駆動力が伝達されることにより図4において反時計方向に所定の周速度で回転駆動される。
芯金2aにテーパー形状をつけているのは、押圧部材3をベルト1を介して加圧ローラ2に加圧した時に押圧部材3が撓んでもベルト1と加圧ローラ2で形成される定着ニップ部N内の圧力をニップ部長手方向にわたって均一にするためである。
本実施例における加圧ローラ2の弾性層2bの長さL2bは320mmである。また、シフト機構12L・12Rによりは押圧部材3が加圧ローラ2に対して所定の押圧力で加圧された状態において、ベルト1と加圧ローラ4との間に形成されるニップ部Nの記録材搬送方向aに関する幅は、長手方向両端部で約8mmである。中央部では約7.5mmである。これは記録材Pの幅方向の両端部での搬送速度が中央部と比べて速くなるので紙しわ(記録材しわ)が発生しにくくなるという利点がある。
3)誘導加熱装置4
誘導加熱装置4はベルト1 (金属層1a)を誘導加熱する加熱源(誘導加熱手段)である。装置4はベルトユニット10の上側において長手方向をベルトユニット10の長手方向にほぼ並行にして側板20L・20Rの間に左右の支持部材(ブラケット)14L・14Rを介して位置固定して配設されている。
装置4は、ベルト1の外周面に対向するとともに、磁束を発生させて当該磁束によってベルト1を加熱する励磁コイル5を有する。コイル5は、電線として例えばリッツ線を用い、これを横長・船底状にしてベルト1の周面と側面の一部に対向するように巻回してなる。
また、コイル5によって発生した磁界(磁束)がベルト1の金属層1a以外に実質漏れないように該コイル5の外側を覆わせた外側磁性体コア6aと、コイル5の内側空洞部に配置された中央磁性体コア6bを有する。外側磁性体コア6aの全長L6aは350mm、コイル5の内側空洞部に配置された中央磁性体コア6bの全長L6bは314mmである。
装置4はコイル5と外側磁性体コア6aと中央磁性体コア6bを電気的絶縁性の樹脂(モールド部材)6cによって一体にモールド成型した左右方向に長い部材である。装置4はベルト1の外周面の上面側において、ベルト1に所定のギャップ(隙間)を存して対面させて配設してある。
本実施例において、ベルト1と誘導加熱装置4のコイル5は0.5mmのモールドにより電気絶縁の状態を保ち、ベルト1とコイル5との間隔は1.5mm(モールド表面とベルト表面の距離は1.0mm)で一定であり、ベルト1は均一に加熱される。装置4はベルトユニット10のベルト1の内側に配設した内側磁性体コア6dも含む。
上記において、外側磁性体コア6aと内側磁性体コア6dがそれぞれ発熱回転体であるベルト1の外周面および内周面に対してコイル5に沿って周方向および長手方向に対向する磁性材料からなる複数のコアである。
4)定着動作
定着装置Aの定着動作を説明する。制御回路部100は、画像形成開始信号に基づいて、少なくとも画像形成実行時には、シフト機構21L・21Rを脱状態から着状態に転換する。これにより、押圧部材3が押し下げられてニップ形成部材3aがベルト1を介して加圧ローラ2の上面に対して加圧ローラ2の弾性に抗して所定の加圧力で加圧される。そして、ベルト1と加圧ローラ2との間に記録材搬送方向aにおいて所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
また、制御回路部101は、モータM1をオンにすると共に、電源装置(励磁回路)101をオンにする。モータM1のオンにより加圧ローラ2が図4において矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。この加圧ローラ2の回転により、ニップ部Nにおける加圧ローラ2の表面とベルト1の表面との摩擦力でベルト1に回転力が作用する。ベルト1はその内面がニップ部Nにおいてニップ形成部材3aの下面に密着して摺動しながら押圧部材3と内側磁性体コア6aの外回りを矢印の時計方向に加圧ローラ2の回転速度とほぼ同じ速度で従動回転する。
押圧部材3と内側磁性体コア6aはこの回転するベルト1のガイド部材の役目もしている。回転するベルト1は、基層1aが金属で構成されているので、回転状態にあっても長さ方向への寄り移動を規制するための手段としては、ベルト1の端部を単純に受け止めるだけのフランジ部材を設ければ十分である。本実施例においては、ステー3bの左右の両端部に嵌着した端末部材7L・7Rにそれぞれフランジ部7aを具備させてベルト1の左右の両端部を受け止めさせてベルト1の左方又は右方への寄り移動を規制している。これにより、定着装置100の構成を簡略化できるという利点がある。
また、電源装置101がオンにされることで、コイル5には20〜50kHzの高周波電流が印加されて、コイル5によって発生した磁界によりベルト1の金属層(導電層)1aが誘導発熱する。この金属層1aの発熱により、回転するベルト1が昇温する。制御回路部100は、ベルト1の温度が所定の目標温度(定着温度)でほぼ一定になるように温度調節する。即ち、ベルト1の中央部の温度を検出する第1の温度センサTH1の検出値に基づいて高周波電流の周波数を変化させてコイル5に入力する電力を制御して温度調節する。
本実施例においてはベルト1の温度が180℃でほぼ一定になるように温度調節する。温度センサTH1は通紙域になるベルト部分の温度を検知し、その検知温度情報が制御回路部100にフィードバックされる。制御回路部100はこの温度センサTH1から入力する検知温度が所定の目標温度に維持されるように電源装置101からコイル5に入力する電力を制御している。すなわち、ベルト1の検出温度が所定温度に昇温した場合、コイル5への通電が遮断される。
上記のようにして、加圧ローラ2が駆動され、また、ベルト1が所定の定着温度に立ち上がって温調される。そして、この状態において、ニップ部Nに、未定着トナー画像Tを有する記録材Pがそのトナー画像担持面側をベルト1側に向けてガイド部材15で案内されて導入される。記録材Pはニップ部Nにおいてベルト1の外周面に密着し、ベルト1と一緒にニップ部Nを挟持搬送されていく。これにより、記録材Pにベルト1の熱が付与され、またニップ部Nの加圧力を受けて画像Tが記録材Pの表面に熱圧定着される。
ニップ部Nを通った記録材Pはベルト1の外周面からベルト1の表面がニップ部Nの出口部分の変形によって自己分離されて定着装置外へ搬送される。ベルト1は、駆動装置M1によって加圧ローラ2が回転駆動されることで、画像転写部側から搬送されてくる、画像Tを担持した記録材Pの搬送速度とほぼ同一の周速度で従動回転する。本実施例の場合、ベルト1の表面回転速度が、210mm/secで回転し、フルカラーの画像を1分間にA4サイズで50枚定着することが可能である。
第2の温度センサTH2は装置Aに導入使用可能な最大通紙幅の記録材よりも通紙幅が小さい記録材が通紙されたときのベルト1の非通紙部の昇温を検出する。制御回路部100はこの温度センサTH2の検知温度情報に基づいて所定の非通紙部昇温緩和制御を行う。
コイル5を含む誘導加熱装置4が、高温になるベルト1の内部ではなく外部に配置されているので、コイル5の温度が高温になりにくく、電気抵抗も上昇せず高周波電流を流してもジュール発熱による損失を軽減する事が可能となる。また、コイル5を外部に配置したことでベルト1の小径化(低熱容量化)にも寄与している。ひいては省エネルギー性にも優れていると言える。
本実施例の定着装置Aのウォーミングアップタイムは、非常に熱容量が低い構成であるため、例えばコイル5に1200W入力すると約15秒で目標温度である180℃に到達でき、スタンバイ中の加熱動作が不要である。そのため、電力消費量を非常に低く抑える事が可能である。
5)磁束調整手段
外側磁性体コア6aおよび内側磁性体コア6dの少なくとも一方は、コイル5の周方向および長手方向に間隔を空けて配置された分割コアにより構成され、各々の分割コアは絶縁された線材が巻かれている。
本実施例においては、図7の(a)、(b)のように、ベルト1の外周面に位置する外側磁性体コア6aについて、コイル5の周方向および長手方向に間隔を空けて配置された分割コアにより構成している。そして、その分割コアの各々には絶縁された線材(導線)6A、6Bが巻かれている。
本実施例においては、図7の(a)に示すように、ベルト1の上部に位置する外側磁性体コア6aの両端から2×7列が4部分に分かれた形状をなしており、絶縁された線材であるリッツ線を巻いた状態で配置されている。図7の(b)は(a)の6´部分の拡大模式図である。この際、4部分のうち、(b)に示す線材6Aおよび6Bの巻き方向を逆向きとする。即ち、コイル5の周方向に配置された分割コアについて、隣り合う分割コアに巻かれた線材6A、6Bの巻き方向が各々逆方向である。
また、各々の分割コアの線材は電源装置101と接続されており、各列の分割コアの線材に電流が供給される機構を持つ。また、表1に示すように各列の分割コアのコア幅は一様でなく、各記録材サイズにおける非通紙部領域と一致するように各々の分割コアのコア幅が異なる構成をとっている。即ち、コイル5の長手方向に配置された分割コアについて、通紙幅が異なる各種サイズの記録材における非通紙部領域と一致するように分割コアの各々のコア幅が異なる構成を有する。
この定着装置では、定着部材であるベルト1を加熱する手段として、ベルト1に金属層(Ni: 導電性層)1aを設け、電磁誘導加熱によって金属層1aを発熱させる。図10に示すように、電磁誘導加熱は、変動磁界を発生するコイル5を金属層1aに対向配置し、金属層1aを貫通する磁束を発生させることにより、金属層1aに渦電流が生じ発熱するものである。
電磁誘導加熱によれば、極めて短い時間で金属層1aを発熱させることができ、ベルト1を直接加熱することができる。このため、加熱源としてハロゲンランプ等の発熱体を用いる場合に比べ、効率良く装置のウォーミングアップを行うことができる。また、コイル5は金属層1aと対向するようにベルト1の内側または外側のいずれに配置することも可能であり、設計の自由度が増す。
しかしながら、電磁誘導加熱方式の定着装置では、コイル5の端部に磁界が集中することによりベルト1の昇温が発生するという問題がある。そこで、本実施例においては、非通紙部昇温を抑制したい際においては、図9に示すように、通紙する記録材サイズに応じて、非通紙部昇温を引き起こす長手領域に位置する外側磁性体コア6aの分割コアに巻まかれた線材に同程度の高周波交流電流を印加する。
この時、ベルト1の長手温度分布を一様に保つため、印加する電流は、通紙を開始した後、ベルト内面の温度センサTH1の温度が200℃以上になった際に印加される。電流値はコイル5と同様の電源101から通電を行い、1〜2Aが適当である。分割コアには線材6Aおよび6Bが各々逆方向に巻かれている為、図8に示すように、内部に発生する磁界は互いに逆の方向を向き、コア内の磁界が互いに打ち消しあう。
図10および図11に、コイル5から発生する磁界強度分布のSim結果(シミュレーション結果)を示す。図10は本実施例を施さない場合(比較例)の磁束強度分布図である。コイル5から発生した磁界が外部磁性体コア6a内に閉じ込められ、磁路を形成していることが確認できる。
図11は本実施例を施した際の磁束強度分布図である。本実施例を施すことで、外部磁性体コア6aの内部には磁路が形成されなくなり、消磁部材となることが確認できる。図10に示すように、比較例では、コイル5から発生した磁界がベルト1に流入することにより、ベルト1が発熱する。しかし、本実施例を施すことによって図11に示すように、発生した磁界は外部環境に発散することから、ベルト1に流入する磁束強度は大きく減少し、昇温抑制効果が期待できる。
図9に示した本実施例における具体的なフローを述べる。制御回路部100は、まず、使用される記録材サイズの入力を受けて(ステップS1)、外側磁性体コア6aの長手方向の分割コアについて線材に通電する分割コアの列数を選択する(S2)。表1に示すように、A4Rの記録材を通紙する際は両端から2×7列の分割コアの線材に通電を行うよう選択し、A4横の記録材を通紙する際は両端から2×2列の分割コアの線材に通電を行うよう選択する。
図7の(b)に示すように、電源装置101は、通電回路102を介しており、選択された分割コアに巻かれたリッツ線(線材)のみ導通する機構を持つ。このように制御回路部100は記録材サイズが変更された際に、その記録材サイズに応じた非通紙部領域に該当するように通電するコアの数を選択する。
次に、電源装置101からコイル5に20〜50kHzの高周波電流が印加されて、コイル5によって発生した磁界によりベルト1の金属層(導電層)1aが誘導発熱する(S3)。そして、図14に示すように非通紙部の昇温が発生し、ベルト内面端部に設置された温度センサTH2の温度がT>200℃になった際に(S5)、前記した選択された分割コアの線材に電源装置101から20〜50kHzの高周波電流が印加される(S6)。これにより、図15に示したように、ベルト1の非通紙部の温度をT<200℃に低減させる。
さらに、ベルト1への通電がされた状態で、ベルト1の非通紙部の温度がT<180℃になった際にはコアへの通電がOFFされ(S7−S8)、非通紙部の温度が上昇する。そして再びT>200℃になった際に、コアへの通電をONにし、ベルト1の非通紙部の温度をT<200℃に低減させる。
この動作はベルト内面端部に設置された温度センサTH2の温度が180℃<T<200℃の範囲で一定となるように、プリント終了(S9−S10)まで行われる。
これにより、記録材サイズに対応した長手温度分布の一様な制御が可能となる。また、上述したように、各列の分割コアの幅は、各々が一様ではなく、表1に示すように、通電するコアの領域が各記録材サイズにおける非通紙部領域に一致するように構成されている。それにより、線材に通電する分割コアの領域と非通紙部領域は同じとすることができ、通紙領域端部の温度分布を一様に制御することが可能となる。
上記において、制御回路部100、電源装置101、通電回路102が磁束調整手段である。即ち、装置に導入使用可能な最大通紙幅Wmaxの記録材よりも通紙幅が小さい記録材が通紙されたときの非通紙部領域に対応する前記分割コアの線材に通電することで、ベルト1の非通紙部領域に作用する磁束量を調整する磁束調整手段である。そして、この磁束調整手段は、通紙する記録材の通紙幅に応じて、コイル5の長手方向における前記分割コアの線材に通電する領域を異ならせる。

[実施例2]
本実施例においては、図12の(a)、(b)のように、ベルト1の内周面に位置する内側磁性体コア6dについて、コイル5の周方向および長手方向に間隔を空けて配置された分割コアにより構成している。そして、その分割コアの各々には絶縁された線材(導線)6A、6Bが巻かれている。
図12の(a)はベルト1を除いたベルトユニット10とコイル5の斜視模式図である。(b)は(a)の6´部分の拡大模式図である。本実施例においては、内側磁性体コア6dの両端から2×7列が4部分に分かれた形状をなしており、絶縁された線材としてのリッツ線を巻いた状態で配置されている。この際、4部分のうち、(b)に示す6Aおよび6Bの導線の巻き方向を逆向きとする。
また、実施例1の場合と同様に、各々の分割コアの線材は通電回路102を介して電源装置101と接続されており、各列の分割コアの線材に電流が供給される機構を持つ。また、各列の分割コアのコア幅は一様でなく、各記録材サイズにおける非通紙部領域と一致するように各々の分割コアのコア幅が異なる構成をとっている。即ち、コイル5の長手方向に配置された分割コアについて、通紙幅が異なる各種サイズの記録材における非通紙部領域と一致するように分割コアの各々のコア幅が異なる構成を有する。
本実施例においても実施例1と同様に図9に示すフローで動作制御を行うと、実施例1と同様に、図13に示すように、内部磁性体コア6dの内部に発生する磁界は互いに逆の方向を向き、コア内の磁界が互いに打ち消しあうことで消磁部材となる。それにより、本実施例を施すことでも、内部磁性体コア6d内に磁路は形成されず、外部環境に発散することから、ベルト1に流入する磁束密度は大きく減少し、昇温抑制効果が期待できる。本実施例においても、通電するコアの個数は実施例1における表1と同様とする。
内側磁性体コア6dにおいては、コアを移動させるとベルト1の内側に触れてしまい、ベルトが破損してしまう恐れがあり、温度制御および耐久の観点から問題が生じてしまう。しかし、本実施例を用いれば、コアを移動させることなく、長手非通紙領域の磁束密度を制御できるという点で優位である。
[実施例3]
実施例1と実施例2の構成を組み合わせた装置構成にすることもできる。即ち、外側磁性体コア6aおよび内側磁性体コア6dの両方が、コイル5の周方向および長手方向に間隔を空けて配置された分割コアにより構成され、各々の分割コアは絶縁された線材6A、6Bが巻かれた構成とする。
そして、装置に導入使用可能な最大通紙幅Wmaxの記録材Pよりも通紙幅が小さい記録材Pが通紙されたときの非通紙部領域に対応する部分の分割コアの線材6A、6Bに通電する。これにより、ベルト1の非通紙部領域に作用する磁束量を調整することが可能な磁束調整手段100、101、102を具備させる。実施例1や2と同様に線材6A、6Bに通電する分割コアの領域と非通紙部領域は同じとすることで、通紙領域端部の温度分布を一様に制御することが可能となる。
[その他]
1)画像形成装置、定着装置は記録材の通紙を片側基準搬送で行う構成であってもよい。
2)本発明の画像加熱装置は実施例の画像加熱定着装置としてばかりではなく、その他、例えば、画像を担持した記録材を加熱して光沢等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着する画像加熱装置等としても使用できる。また、インクジェット方式の画像形成装置において、インクジェット方式で画像形成された記録材を乾燥させる画像加熱装置としても使用できる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術思想内であらゆる変形が可能である。
A・・画像加熱装置(定着装置)、1・・発熱回転体(定着部材、定着ベルト)、2・・加圧部材(加圧ローラ)、3・・押圧部材、4・・加熱手段(誘導加熱装置)、5・・励磁コイル、6a・・外側磁性体コア、6d・・内側磁性体コア、6A・6B・・絶縁された線材、100・101・102・・磁束調整手段、Wmax・・最大通紙幅

Claims (5)

  1. 磁束の作用により電磁誘導発熱する発熱回転体と、前記発熱回転体の外周面に対向するとともに、磁束を発生させて当該磁束によって前記発熱回転体を加熱する励磁コイルと、前記発熱回転体の外周面および内周面に対して前記励磁コイルに沿って周方向および長手方向に対向する磁性材料からなる外側磁性体コアおよび内側磁性体コアと、を有し、画像を担持して搬送される記録材を前記発熱回転体の熱により加熱する画像加熱装置において、
    前記外側磁性体コアおよび前記内側磁性体コアの少なくとも一方は、前記励磁コイルの周方向および長手方向に間隔を空けて配置された分割コアにより構成され、各々の分割コアは絶縁された線材が巻かれており、
    装置に導入使用可能な最大通紙幅の記録材よりも通紙幅が小さい記録材が通紙されたときの非通紙部領域に対応する部分の前記分割コアの線材に通電することで、前記発熱回転体の非通紙部領域に作用する磁束量を調整することが可能な磁束調整手段を有することを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記励磁コイルの周方向に配置された分割コアについて、隣り合う分割コアに巻かれた線材の巻き方向が各々逆方向であることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記励磁コイルの長手方向に配置された分割コアについて、通紙幅が異なる各種サイズの記録材における非通紙部領域と一致するように前記分割コアの各々のコア幅が異なる構成を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像加熱装置。
  4. 前記磁束調整手段は、通紙する記録材の通紙幅に応じて、前記励磁コイルの長手方向における前記分割コアの線材に通電する領域を異ならせることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像加熱装置。
  5. 記録材に未定着画像を形成する画像形成手段と、前記記録材に形成された未定着画像を加熱定着する定着手段と、を有する画像形成装置において、前記定着手段が請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
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