JP2009003048A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来より一層、加熱幅の適正化および加熱効率が向上された定着装置、およびこれを搭載した画像形成装置を提供する
【解決手段】画像形成装置100の定着装置12には、定着ローラ21、加熱ローラ22、定着ベルト41、加圧ローラ42、温度検知センサ26が配設され、加熱ローラ22内部には、ボビン24とコイル線25を有する誘導加熱コイル23内部に固定されたコア27a、上記内部に移動可能に配設されたコア27bと、ボビン24に貫通して固定されたコア27cとが配設されており、記録媒体サイズに応じて、コア27bが移動することにより、加熱ローラ22の軸線方向に作用磁束の密度を変化させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真複写機、ファクシミリ或いはプリンタ等の、加熱したローラ対のニップに、未定着トナー画像を担持した用紙を挿入して、未定着トナーを加熱、溶融し、用紙に定着する定着装置を搭載した画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、ニップを形成するローラ対の少なくとも一方のローラ(定着ローラ)に熱源を内蔵させ、この熱源によって加熱されたローラ対のニップに未定着トナー画像を担持した用紙を挿通することによって用紙にトナーを定着する熱ローラ定着方式が用いられている。
また、熱ローラ定着方式としては、定着ローラと加熱ローラとに無端状の定着ベルトを架け渡し、加熱ローラの熱源により定着ベルトを発熱させ、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラのニップで未定着トナー画像を用紙に定着させる方式も用いられている。
このような熱源を内蔵する定着ローラや加熱ローラ等(熱ローラ)の加熱方式として、ハロゲンランプ等のランプで加熱するランプ方式や、交番磁界を磁性導体に鎖交させて渦電流を発生させることで加熱する誘導加熱(IH:Induction Heating)方式がある。
IH方式では、例えば、鉄やステンレスなどの強磁性体により形成された円筒状のローラの内部に、誘導加熱コイルを軸線方向に配設したものであり、誘導加熱コイルは、円筒状のボビンと、ボビンの外周面に軸線回りに巻回(ラジアル巻き)されたコイル線とを含んでいる。
コイル線は、例えば銅線などからなり、高周波電流が印加されることにより高周波磁界が発生し、この高周波磁界により、熱ローラに誘導渦電流が発生し、熱ローラ自体の材質固有抵抗によって熱ローラ自体がジュール発熱される。また、ボビン内には、例えば自己発熱しにくく、磁束を通しやすい、例えばフェライトからなる1本のコアが軸線方向に設けられている。
しかし、1本のコアを用いる構成では、両端部から熱ローラへ進入する磁束の進入地点が、軸線方向で不均一となるため、熱ローラの両端部では磁束が粗く、中央部では密となる。ところが、IH方式による発熱量は、熱ローラを貫く磁束の密度に比例するため、磁束密度の小さい熱ローラの両端部の温度が低下して、軸線方向に温度ムラが生じるという問題があった。
また、磁束が熱ローラを一端部から他端部まで貫くため、磁束が熱ローラを貫く経路が長くなる。このため、磁気抵抗が大きく、磁力が減衰し易くなるため、熱ローラ中央部での加熱効率が良いとはいい難い。磁力の減衰を補うために、コイル線の断面積を大きくする、或いはコイル線の巻き数を増すと、誘導加熱コイルの外形が大きくなる。
誘導加熱コイルは、熱ローラからの輻射熱により加熱される。しかし、定着温度(例えば190℃)付近に耐熱温度(例えば200℃)を有する場合があり、この場合には、装置外部から空気を送り込み、誘導加熱コイルを冷却する必要がある。
このため、上記のように、誘導加熱コイルが大きくなると、熱ローラと誘導加熱コイルとの間に冷却スペースを十分に確保することが困難になる。また、冷却スペースを確保するために熱ローラの径を大きくすれば、熱ローラの熱容量が大きくなり、熱ローラを所定温度まで加熱するのに時間がかかってしまう。
そこで、定着ローラの軸線方向の温度ムラを軽減するための提案が行われている。例えば、特許文献1には、定着ローラ内部に設けられた磁界を発生するコイルに対し、定着ローラの軸線に沿って挿通するように複数のコアを設け、かかるコアの軸線方向位置が部分的に重なり合うように配設した定着装置が開示されている。
特開2002−229360号公報
本出願人にかかる特許文献1の技術により、コイル内に軸線に沿って設けられた複数のコアからそれぞれ磁束が発生するため、熱ローラの両端部と中央部とで磁束密度を均一にすることができる。また、特許文献1には、複数のコアを軸線方向に並列させ、互いに異なる端部のコアを移動させることにより、用紙サイズに応じて加熱幅を切り替えることが開示されている。
かかる技術によれば、熱ローラ両端部の磁束密度を大きくすることができるため、中央部との磁束密度の差を小さくすることができる。しかし、両端部は外気との接触により放熱し易いため、例えばA4ヨコサイズのようにサイズの大きい用紙幅を加熱する場合には、両端部を十分に加熱できない場合がある。この場合、両端部の加熱を十分に行うためには、記録紙幅以上の幅の発熱を行わなければならず、誘導加熱コイルの発熱幅自体を大きくする必要が生じるおそれがある。
また、熱ローラと誘導加熱コイルとの間には、冷却用空間が必要なため、かかる空間が磁気抵抗となり、熱ローラの加熱が妨げられる場合もある。
このように、IH方式を用いた定着装置においては、サイズの大きい用紙幅に対して熱ローラ両端部の加熱を十分に行うことや、加熱効率をさらに向上させることが望まれていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、従来より一層、加熱幅の適正化および加熱効率が向上された定着装置、およびこれを搭載した画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、熱ローラと、前記熱ローラの内部に設けられ、前記熱ローラの軸線まわりに配設されたボビンの周囲にコイル線を螺旋状に巻回して形成され、前記熱ローラを誘導加熱するための作用磁束を発生する誘導加熱コイルと、前記熱ローラに直接または伝熱手段を介して当接して記録媒体を挿通させるニップ部を形成する加圧手段と、を備え、前記ニップ部で記録媒体に担持されたトナー像を定着する定着装置において、前記誘導加熱コイルには、前記作用磁束の磁束密度を規制するための磁性部材であって、前記誘導加熱コイル内部に固定された第1の磁性部材と、前記誘導加熱コイルの内部であって、前記熱ローラの軸線方向に対し前記第1の磁性部材と部分的に重なり合う位置に配設され、前記軸線方向に移動可能な第2の磁性部材と、前記誘導加熱コイルの内周面より内側から外周面より外側まで貫通して配設されたものであり、少なくとも前記第1の磁性部材または前記第2の磁性部材と部分的に重なり合う位置に固定された第3の磁性部材と、が設けられたことを特徴としている。
また、本発明は、前記第1の磁性部材は、前記軸線方向に沿って2列に配列されたものであり、列を跨いだ直近の前記磁性部材同士が、前記軸線方向に対し部分的に重なり合う位置となるよう、千鳥状に配設されたことを特徴としている。
また、本発明は、前記2列の前記第1の磁性部材のうち、第1の列の一端には、前記第2の磁性部材が配設され、第2の列には、前記第1の列の前記一端とは反対側の端部に、前記第2の磁性部材が配設されたことを特徴としている。
また、本発明は、前記定着装置が搭載されたことを特徴とする画像形成装置である。
本発明の第1の構成によれば、熱ローラの内部に設けられ、ボビンの周囲にコイル線を巻回して形成された誘導加熱コイルの内部に固定された第1の磁性部材と、上記コイルの内部に、第1の磁性部材と部分的に重なり合うよう、熱ローラの軸線方向に移動可能な第2の磁性部材と、を設け、さらに、誘導加熱コイルの内周面より内側から外周面より外側まで貫通させて固定した第3の磁性部材を設けることによって、記録媒体サイズに応じて、より適正な加熱幅となるよう、誘導加熱コイルにより発生した作用磁束の密度を、軸線方向に対し変化させると共に、作用磁束の減衰を抑制することができる。従って、従来より一層、加熱幅の適正化および加熱効率の向上を達成することができる。
本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の定着装置において、誘導加熱コイル内部の、第1の磁性部材を2列に配列し、列を跨いだ直近の磁性部材同士を、部分的に重なり合うように、千鳥状に配設することによって、熱ローラ全体に対し、より満遍なく作用磁束を発生させ、熱ローラを加熱することができる。従って、加熱効率をより向上させることができる。
本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の定着装置において、上記2列の第1の磁性部材のうち、第1の列の一端には、第2の磁性部材を配設し、第2の列には、上記第1の列の上記一端とは反対側の端部に、第2の磁性部材を配設することによって、それぞれの列の第2の磁性部材を軸線方向端部から中央部へ移動させるという動作だけで、容易に記録媒体サイズに応じた磁束密度の調節を行うことができる。これにより、より容易に、記録媒体サイズに応じた加熱幅で熱ローラを加熱することが可能となる。
本発明の第4の構成によれば、上記第1〜第3のいずれかの構成の定着装置を画像形成装置に搭載することによって、従来より一層、加熱幅の適正化および加熱効率の向上がなされた定着を行うことができるため、より効率的な画像形成を行うことができる。また、十分な加熱幅をとるために必要なスペースが削減されるため、より省スペース化を図ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の定着装置が搭載された画像形成装置の概略断面図である。この画像形成装置(例えばプリンタ)100は、感光体ドラム3、帯電ユニット4、露光ユニット(レーザスキャンユニット)5、現像装置6、クリーニング装置7、トナーコンテナ8、転写ローラ9、給紙機構10、搬送部11、定着装置12、及び排紙部13等から構成されている。なお、ここでは、後述する第2実施形態に係る定着装置が搭載された画像形成装置を示した。
感光体ドラム3は、例えばアルミドラムにアモルファスシリコン層(a−Si)や有機感光層(OPC)等の感光層が積層されたものであり、帯電ユニット4により表面を帯電させ、後述する露光ユニット5からのレーザビームを受けた表面に、帯電を減衰させた静電潜像を形成する。
帯電ユニット(帯電チャージャ)4は、放電(例えばコロナ放電)することによって、感光体ドラム3の表面を帯電させるものであり、露光ユニット(LSU)5は、画像データに基づいて、光ビーム(例えばレーザビーム)を感光体ドラム3に照射し、感光体ドラム3表面に静電潜像を形成させるものである。なお、画像データは例えば、不図示のパーソナルコンピュータから送信される。
現像装置6は、感光体ドラム3の静電潜像にトナーを付着させて、トナー像を形成させるものである。現像装置6に収容されている現像剤としては、例えばスチレンアクリル系の磁性1成分から構成される1成分現像剤や、トナー成分とキャリアとから構成される2成分現像剤等が挙げられ、現像装置6内部のトナーが不足するとトナーコンテナ8からトナーが供給される。また、転写ローラ9は、感光体ドラム3表面に形成されたトナー像を乱さずに搬送部11を搬送されてくるシート上に移行(転写)させるものである。
クリーニング装置7は、トナー像がシートに転写された後に、感光体ドラム3の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去するものであり、感光体ドラム3の長手方向に線接触する摺擦ローラやクリーニングブレード等(不図示)から構成される。給紙機構10は、画像(トナー像)が印刷されるシート(用紙やOHP等)を収容するとともに、給紙機構10から排紙部13までのシートの通路である搬送部11にシートを給送するものである。
定着装置12は、シートに転写されたトナー像を安定な永久像とするものであり、熱や圧力等のエネルギーを付与することにより、粉体状態のトナー像を溶融させる熱ローラ定着方式が用いられる。定着装置の詳細は、後述する。排紙部13は、定着装置12を経たシート、すなわち永久像が印刷されたシートを収容するものである。
そして、予め入力された画像データに基づいて露光ユニット5が感光体ドラム3上にレーザビームを発することで、その画像データに基づく静電潜像を感光体ドラム3表面に形成する。その後、現像装置6により静電潜像にトナーを付着させるとともに(トナー像を形成させるとともに)、転写ローラ9によりシート上にそのトナー像が転写される。次に、定着装置12によりトナー像の転写されたシートに熱及び圧力を加え、永久像とさせるようになっている。
図2は、本発明の第1実施形態に係る定着装置を示す模型的断面図である。定着装置12には、主には、定着ローラ21と、加熱ローラ22と、定着ベルト41と、加圧ローラ42と、が備えられている。
定着ローラ21は、例えば、ステンレス鋼からなる芯金21aの外側に、弾性部材層21bを構成するスポンジシリコンゴムが設けられたものである。定着ローラ21は、図示しない駆動装置によって駆動され、その周速度が記録紙(記録媒体)の搬送速度と同じになるように回転する。
加熱ローラ22は円筒状で、例えば鉄やステンレスなどの強磁性体により形成されている。加熱ローラ22は、用紙搬送方向に直交する水平方向(図の紙面方向)に延びており、その内部には誘導加熱コイル23が軸線方向に延びている。誘導加熱コイル23の詳細については、後述する。
定着ベルト41は、無端状のベルトであって、例えば、圧延したNi(ニッケル)、SUS(ステンレス)等の金属基体表面上に、シリコンゴム、フッ素樹脂等からなる弾性層を形成したものである。定着ベルト41は、その他、例えば、ポリイミド等の耐熱樹脂からなる単層のもの等でもあってもよく、特に限定されるものではない。そして、この定着ベルト41は、定着ローラ21と加熱ローラ22との間に巻き掛けられ、所定の張力が与えられている。
加圧ローラ42は、ステンレス鋼からなる芯金42aの外側に、弾性部材層42bを構成するスポンジシリコンゴムが設けられている。この加圧ローラ42が、定着ベルト41を介して定着ローラ21と当接することで、記録紙を挿通させるニップ部を形成する。加圧ローラ42は、定着ローラ21と当接することにより、定着ローラ21の回転に従って回転する。
なお、本実施形態では、加圧ローラ42内には誘導加熱コイル23が配設されていないが、加圧ローラ42の内部にも、定着ローラ21と同様に誘導加熱コイル23が配設されていてもよい。また、本実施形態では加圧ローラ42を用いたが、加圧手段としては、その他、例えば、固定部材やベルト状部材等であってもよく、本実施形態に特に限定されるものではない。
誘導加熱コイル23は、加熱ローラ22からの輻射熱により加熱される。加熱ローラ22が、190℃付近で制御されるのに対して、誘導加熱コイル23の耐熱温度は例えば200℃であることから、冷却スペースを十分に確保する必要がある。このため、加熱ローラ22と誘導加熱コイル23との間には冷却スペースが設けられている。この冷却スペースに装置外部から空気を送り込むことによって、誘導加熱コイル23を空冷することができる。
加熱ローラ22の外周面には、加熱ローラ22の表面温度を検知するためのサーミスタ26が当接されている。サーミスタ26による検知結果は後述する制御部35へと送られ、この検知結果に基づいて制御部35は、後述するコイル線25に印加する電流を調節する。
制御部35は、例えば中央処理装置(CPU)であり、設定されたプログラムに従って画像入力部(図示せず)、感光体ドラム3、帯電ユニット4、露光ユニット5、現像装置6、定着装置12等を全般的に制御するとともに、画像入力部から入力された画像信号を、必要に応じて変倍処理或いは階調処理して画像データに変換し、露光ユニット5は、処理後の画像データに基づいてレーザ光を照射し、感光体ドラム3上に潜像を形成する(図1参照)。
さらに制御部35は、サーミスタ26からの出力信号を受信し、記憶部(図示せず)に記憶された所定の定着制御温度に基づいて、後述する誘電加熱コイル23のコイル線25へ印加する高周波電流を制御する機能や、印刷サイズ情報を受けて、後述する保持部材29を軸線方向に移動させる機能を有している。
そして、加熱ローラ22の表面温度が所定の定着温度(例えば190℃)になるように制御される。記録用紙を連続して搬送すると、記録用紙を搬送した部分の加熱ローラ22の熱が記録用紙に奪われるので、これを補うためにコイル線25に更に多くの電流を流すように制御される。
また、例えば、画像形成装置100内に設けられた記録紙のサイズを検知するための記録紙サイズ検知センサ(図示せず)からの信号や、画像形成装置100の上面に設けられた操作パネル(図示せず)への記録紙サイズの入力に基づく入力信号などにより、記録紙サイズ情報が与えられるようになっている。
図3および図4は、加熱ローラの内部構成を示す断面図であり、図3は、記録紙挿通方向から見た側面断面図であり、図4は、軸線方向から見た断面図である。
誘導加熱コイル23は、円筒状のボビン24と、ボビン24の外周面に軸線回りに巻回(ラジアル巻き)されたコイル線25とを含む。コイル線25は例えば銅線からなり、高周波電流を印加することにより、高周波磁束が発生する。この高周波磁束により、加熱ローラ22に誘導渦電流が発生し、加熱ローラ22自体の材質固有抵抗によって加熱ローラ22そのものがジュール発熱される。
誘導加熱コイル23は、加熱ローラ22の内側に、該ローラと接触しないよう保持されており、加熱ローラ22が回転駆動されても誘導加熱コイル23は回転しない。また、コイル線25は、後述するコア27cが配設されている位置を迂回して、ボビン24回りに巻回されている。
ボビン24内部には、例えば自己発熱しにくく磁束を通しやすいフェライトからなる複数のコア27a(第1磁性部材)が、軸線方向(図の左右方向)に2列で配置されている。また、一方の列(第1の列)の一端には、コア27b(第2の磁性部材)が、移動可能に配設され、他方の列(第2の列)には、上記一端とは反対側の端部に、コア27bが、移動可能に配設されている。各コア27a、27bは、例えば直方体形状をしている。ボビン24内部の軸中心部には、仕切板28が軸線方向に延びており、コア27a、27bは、仕切板28を挟んで2列に配置される。
また、ボビン24内には、コア27a、27bを、仕切板28の反対側から保持するための1対の保持部材29が、仕切板28、およびコア27a、27bを挟んで配置されている。各列のコア27a、27bは、互いに所定間隔だけ空けて並設されている。
図4に示すように、保持部材29は、例えば断面略L字状で、2つの保持部材29の短片短部が、仕切板28を挟んで、これと当接している。コア27aは、ボビンの軸線方向中央部で、それぞれ仕切板28と各保持部材29との間に挟まれ、且つ、仕切板28の両面から外側に向かって垂直に突出した突起部に嵌め込まれ、軸線方向に移動できないよう、固定されている。
これに対し、ボビン24の両端部には、コア27bが、その両端が保持部材29の仕切板28側面から軸中心方向に向かって垂直に突出した突起部に挟まれて配設されており、コア27bは、保持部材29が軸線方向に摺動するのに伴って、一緒に軸線方向に移動する。
また、第1の列のコア27a、27bと第2の列のコア27a、27bとは、交互に所定長さだけ部分的に重なるように、列を跨いで千鳥状に配設されている。コア27a、27bの材質、形状および個数や間隔、重なりの長さ等は、上述の態様に限られるものではなく、適宜設定することができる。
そして、ボビン24の両端部に配置されたコア27bは、保持部材29が移動することにより、搬送されてくる記録紙のサイズに応じて軸線方向に移動することができる。
一方、図3に示すように、コア27cは、ボビン24の軸線方向に沿って、ボビン24の一端に配置されたコア27bの軸線方向外側端部と重なる位置から、ボビン24の他端に配置されたコア27bの軸線方向外側端部と重なる位置まで、所定の間隔だけ空けて並設されている。コア27cは、略同一の直方体形状であり、図4に示すように、それぞれボビン24の内周面より内側からボビン24の外周面より外側まで貫通している。コア27cは、ボビン24の円周方向の異なる3箇所において、軸線方向に、3列配設されている。ここでは3列が略等間隔となるように設定されている。
また、コア27cの材質、形状および個数や間隔、コア27a、コア27bとの重なりの長さ等は適宜設定することができ、上述の態様に限られるものではない。例えば、コア27cの大きさは、コア27cが大き過ぎれば、誘導加熱コイル23の冷却空間が小さくなり、誘導加熱コイル23の強度の低下を招くおそれがあり、コア27cが小さ過ぎれば、十分な磁束経路を形成することができないおそれがあるため、これらを考慮して設定することができる。
図5は、加熱ローラ22の軸線方向におけるコア27bの配置状況を示す図であり、図5(a)は、記録紙サイズが大サイズ(例えばA4ヨコ(297mm))の場合を示す図であり、図5(b)は、記録紙のサイズが中サイズ(例えばB5ヨコ(257mm))場合を示す図であり、図5(c)は、記録紙のサイズが小サイズ(例えばA4タテ(210mm))の場合を示す図である。図3〜図5を用いて、本実施形態の定着装置の作動について説明する。なお、図5(b)、図5(c)では、保持部材29とコイル27bの移動について、特に示した。
例えば、A4ヨコ用紙が挿通される場合には、コア27bは、加熱ローラ22の最も両端側に移動配置される(図5(a))。この際、コア27bとコア27cとが重なり、かかる重なり合った部分では、コア27bの両端部を結ぶ磁束経路に加え、コア27bの各端部とコア27cとを結んで、加熱ローラ22を貫く磁束経路も作成される。これにより、磁束経路が短くなり、加熱ローラ22を貫く磁束長さが短くなる。その結果、加熱ローラ22内部での磁束抵抗が、より小さくなる。
また、磁束経路が多くなるため、加熱ローラ22を貫く磁束が多くなる。さらに、コア27cは、ボビン24を貫通しているため、加熱ローラ22に、より近接した位置から、より多くの磁束経路を発生させることができ、空間抵抗を抑制することができる。その結果、加熱ローラ22両端部の内部でのジュール熱発生量、すなわち発熱量を大きくさせることができ、中央部に対する両端部の温度差を抑制し、加熱ローラ22の温度ムラを抑制することができる。また、十分な発熱量を得るために必要な、コイル線25に印加する高周波電流を減らすことができるため、加熱効率を向上させることができる。
一方、例えば、B5ヨコサイズ記録紙が挿通される場合には図5(b)に示すように、A4タテサイズ記録紙が挿通される場合には図5(c)に示すように、コア27bが軸線方向中央部へ向かって移動する。
そして、例えば、A4タテサイズ記録紙が挿通される場合には、例えば図5(a)から、図5(b)を経て、図5(c)に示すように、コア27bが軸線方向中央部側へ移動配設される。これにより、加熱ローラ22の両端部には、コア27cしか存在せず、かかる両端部での磁束発生が抑制され、発熱量が抑えられる。よって、加熱ローラ22の記録紙非通紙領域における加熱を抑制することができ、かかる非通紙領域の加熱ローラ22の表面温度が上昇することを防ぐことができる。
また、加熱ローラ22の中央部においては、コア27aまたはコア27bとコア27cとが重なる部分において、磁束経路が作成され、磁束経路がより短く、より多くなるため、加熱ローラ内での作用磁束が抑制され、加熱ローラ22の発熱量を増加させることができる。また、コア27cがボビン24を貫通して配設されているため、空間抵抗も少ない。従って、中央部においても、コイル線25に印加する高周波電流を減らすことができ、加熱効率を向上させることができるため、加熱ローラ22全体として、加熱効率を向上させることができる。
このように、誘導加熱コイル23内部に固定されたコア27aと移動可能なコア27bとを配設し、さらにボビン24を貫通するコア27cを配設することによって、コア27bのみ配置された場合より作用磁束の磁束経路をより短く、より多く、より加熱ローラ22に近接した位置から、記録紙サイズに応じた作用磁束を発生させることができる。従って、従来より一層、加熱効率を向上させることができる。また、加熱ローラ22の加熱幅を適正化し、加熱効率を向上させることができる。さらに、加熱ローラ22の加熱幅を記録紙幅より長く設定することを、より回避することができる。
コア27bの移動を移動させるための、保持部材29の移動は、特に限定されるものではない。例えば、一対の保持部材29にラックとピニオンを設け、モータ(図示せず)に連結させることによって、保持部材29を移動させることができる。かかる保持部材29の移動や、モータの駆動は、制御部35によって制御することができる。
図6に、本発明の第2実施形態に係る定着装置の概略側面断面図を示す。本実施形態では、加熱ローラ22内部に誘導加熱コイル23およびコア27a、27b、27cを配設し、定着ベルト23を介して記録媒体の定着を行う代わりに、定着ローラ21内部に、誘導加熱コイル23およびコア27a、27b、27cを配設し、定着ローラ21に直接接触させて記録紙の定着を行う。その他の構成、作用等は、上記第1実施形態と全く同様であるため、説明を省略する。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態ではA4ヨコ、B5ヨコ及びA4タテ幅の記録紙について説明したが、この他の用紙及びその組み合わせについても全く同様に適用可能である。また、本実施形態では、記録紙を、定着ローラ21の軸線方向中央部を通過させることとしたが、記録紙を、各サイズで例えば定着ローラ21の左端あるいは右端に揃うように通過させる構成としてもよい。この場合、ボビン24の両端部に配置されたコア27bのうち、一方のみを軸線方向に沿って移動させる構成となるよう適宜設定すればよい。
また、本発明が適用できる画像形成装置は、カラー用、モノクロ用の如何を問わず、デジタル複写機や、アナログ複写機、レーザビームプリンタなど、種々の画像形成装置に適用できる。
本発明は、熱ローラと、前記熱ローラの内部に設けられ、前記熱ローラの軸線まわりに配設されたボビンの周囲にコイル線を螺旋状に巻回して形成され、前記熱ローラを誘導加熱するための作用磁束を発生する誘導加熱コイルと、前記熱ローラに直接または伝熱手段を介して当接して記録媒体を挿通させるニップ部を形成する加圧手段と、を備え、前記ニップ部で記録媒体に担持されたトナー像を定着する定着装置において、前記誘導加熱コイルには、前記作用磁束の磁束密度を規制するための磁性部材であって、前記誘導加熱コイル内部に固定された第1の磁性部材と、前記誘導加熱コイルの内部であって、前記熱ローラの軸線方向に対し前記第1の磁性部材と部分的に重なり合う位置に配設され、前記軸線方向に移動可能な第2の磁性部材と、前記誘導加熱コイルの内周面より内側から外周面より外側まで貫通して配設されたものであり、少なくとも前記第1の磁性部材または前記第2の磁性部材と部分的に重なり合う位置に固定された第3の磁性部材と、が設けられたものである。
これにより、記録媒体サイズに応じて、軸線方向に対し作用磁束を変化させることができると共に、熱ローラ内部での作用磁束の減衰を抑制することができるため、記録媒体サイズが大きい場合には、両端部の加熱を十分に行うことができ、記録媒体サイズが小さい場合には、通紙領域の加熱を十分に行いつつ、非通紙領域の加熱を抑制することができる。従って、従来より一層、加熱幅の適正化および加熱効率の向上を達成することができる可能となる。
また、誘導加熱コイル内部の、第1の磁性部材を2列に配列し、列を跨いだ直近の磁性部材同士が部分的に重なり合うように、千鳥状に配設することによって、熱ローラ全体に対し、より満遍なく作用磁束を発生させ、熱ローラを加熱することができる。従って、加熱効率をより向上させることができる。
さらに、上記2列の第1の磁性部材のうち、第1の列の一端に、第2の磁性部材を配設し、第2の列に、第1の列の上記一端とは反対側の端部に、第2の磁性部材を配設することによって、それぞれの列の第2の磁性部材を軸線方向端部から中央部へ移動させるという動作だけで、容易に記録媒体サイズに応じた磁束密度の調節を行うことができ、より容易に、記録媒体サイズに応じた加熱幅で熱ローラを加熱することが可能となる。
そして、かかる定着装置を画像形成装置に搭載することによって、従来より一層、加熱幅の適正化および加熱効率の向上がなされた定着を行うことができるため、より効率的な画像形成を行うことができる。また、加熱幅をとるために必要なスペースが削減されるため、より省スペース化を図ることができる。
は、本発明の定着装置が搭載された画像形成装置例を示す概略断面図である。 は、本発明の第1実施形態に係る定着装置を示す模型的断面図である。 は、図3は、加熱ローラの内部構成を示す記録紙挿通方向から見た側面断面図である。 は、図4は、加熱ローラの内部構成を示す、軸線方向から見た断面図である。 は、図5は、加熱ローラ22の軸線方向におけるコア27bの配置状況を示す図であり、図5(a)は、記録紙サイズが大サイズ(例えばA4ヨコ(297mm))の場合を示す図であり、図5(b)は、記録紙のサイズが中サイズ(例えばB5ヨコ(257mm))場合を示す図であり、図5(c)は、記録紙のサイズが小サイズ(例えばA4タテ(210mm))の場合を示す図である。 は、本発明の第2実施形態に係る定着装置を示す模型的断面図である。
符号の説明
12 定着装置
21 定着ローラ
22 加熱ローラ
23 誘導加熱コイル
24 ボビン
25 コイル線
26 サーミスタ
27a、27b、27c コア(磁性部材)
28 仕切板
29 保持部材
35 制御部
41 定着ベルト
42 加圧ローラ
100 画像形成装置

Claims (4)

  1. 熱ローラと、前記熱ローラの内部に設けられ、前記熱ローラの軸線まわりに配設されたボビンの周囲にコイル線を螺旋状に巻回して形成され、前記熱ローラを誘導加熱するための作用磁束を発生する誘導加熱コイルと、前記熱ローラに直接または伝熱手段を介して当接して記録媒体を挿通させるニップ部を形成する加圧手段と、を備え、前記ニップ部で記録媒体に担持されたトナー像を定着する定着装置において、
    前記誘導加熱コイルには、
    前記作用磁束の磁束密度を規制するための磁性部材であって、
    前記誘導加熱コイル内部に固定された第1の磁性部材と、
    前記誘導加熱コイルの内部であって、前記熱ローラの軸線方向に対し前記第1の磁性部材と部分的に重なり合う位置に配設され、前記軸線方向に移動可能な第2の磁性部材と、
    前記誘導加熱コイルの内周面より内側から外周面より外側まで貫通して配設されたものであり、少なくとも前記第1の磁性部材または前記第2の磁性部材と部分的に重なり合う位置に固定された第3の磁性部材と、
    が設けられたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記第1の磁性部材は、前記軸線方向に沿って2列に配列されたものであり、列を跨いだ直近の前記磁性部材同士が、前記軸線方向に対し部分的に重なり合う位置となるよう、千鳥状に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記2列の前記第1の磁性部材のうち、
    第1の列の一端には、前記第2の磁性部材が配設され、
    第2の列には、前記第1の列の前記一端とは反対側の端部に、前記第2の磁性部材が配設されたことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載された定着装置が搭載されたことを特徴とする画像形成装置。
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CN109790680A (zh) * 2016-09-26 2019-05-21 挪威国立奥伊威尔瓦克有限公司 纤维绳及包括这种纤维绳的吊升系统

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