JP5016388B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置及びそれに用いる定着装置に関するものである。
電子写真方式による複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置では、感光体ドラム上に形成されたトナー画像が用紙に転写され、この用紙に熱と圧力を加えることにより、トナー画像が用紙に定着される。
このように用紙をトナー画像に定着する定着装置は、内部に熱源を有し、所定の温度に加熱される加熱ローラと、加熱ローラに圧接してニップ部を形成する加圧ローラとを備えている。
この加熱ローラの熱源として、従来はハロゲンヒータが多く使用されてきた。しかしながら、ウォームアップタイムの短縮、省エネの要求が高まる中で誘導加熱(IH)方式の熱源が提案されている。
又、IH方式に使用する発熱部材としてキュリー温度以上には温度上昇しない整磁金属が使用された構成も提案されている。整磁金属を用いることによって、小サイズの用紙が定着装置を通過した場合に、用紙と接触しない非通紙部分の温度が上昇しすぎるという問題の発生も抑制することが出来る。
しかしながら、整磁金属を用いた場合であっても、整磁金属の厚みが所定以下になると、キュリー温度以上になっても発熱が続き、温度上昇する場合がある。この温度上昇を防ぐために、抵抗値の低い非磁性金属の層を整磁金属の層の全面を覆うように外周側に配置する構成が提案されている。このような構成により、整磁金属の厚みを薄くした場合であっても、キュリー温度を安定して維持できるような構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−151470号公報
上述した整磁金属は、熱伝導性が低いため加熱ローラの軸方向への伝熱は少ないが、非磁性金属は熱伝導性が高いため、軸方向への伝熱量が多くなる。
そのため、加熱ローラの幅全体に非磁性金属の層を形成すると、待機状態において画像保証幅の両端部近傍で所定温度よりも温度が低くなる場合がある。尚、所定温度とは、印刷指示の信号が入力されて、用紙が定着装置に搬送されるまでの間に、加熱ローラの表面温度を定着可能な温度に昇温することが可能な温度である。又、画像保証幅とは、最大用紙幅よりも数mm大きい幅に設定されている。
このような画像保証幅の両端において所定温度よりも低くなる現象を解消するために、印刷指示の信号が入力された後、両端の温度が昇温するまで定着動作を待つ方法が考えられる。
又、例え温度低下が発生した場合であっても、画像保証幅の両端では保証温度以上になるように、画像保証幅に対してコイル幅を長くする方法が考えられる。
更に、両端部分の放熱を防ぐように、断熱材等によってコイル両端を覆うことも考えられる。
しかしながら、昇温するまで待つ場合には、印刷指令を出してから余分な時間がかかるため、ユーザーの利便性を欠くことになる。又、コイル幅を長くする場合には、省エネに反するし、部品のコストアップにも繋がる。又、両端部分を覆う場合には、部品点数が増加するために、在庫管理、及び組み立ての工数の増加に繋がりコストアップとなる。
本発明は、従来の定着装置の課題を考慮し、待機状態における画像保証幅両端部の温度低下を抑制することが可能な定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の本発明は、
現像剤を記録媒体に定着させるための円筒形状の加熱ローラ部材と、
前記加熱ローラ部材を加熱するために、前記加熱ローラ部材の内部に設けられた誘導加熱部とを備え、
前記加熱ローラ部材は、
前記誘導加熱部の外周側に円筒形状に形成された、整磁金属を含む円筒状部材と、
前記円筒状部材の外周表面の一部を被覆する、非磁性金属を含む金属層とを有し、
前記金属層は、少なくとも前記現像剤を定着させる記録媒体に対応する範囲を被覆するように形成され、且つ、金属メッキによって形成されている、定着装置である。
又、第2の本発明は、
前記金属層による前記円筒状部材の被覆範囲は、前記誘導加熱部の長手方向に対応する範囲である、第1の本発明の定着装置である。
又、第3の本発明は、
前記誘導加熱部は、
コアと、前記コアの周方向に線材が巻き回された誘導コイルとを有し、
前記誘導加熱部の長手方向に対応する範囲とは、前記誘導コイルの両端の間のことである、第2の本発明の定着装置である。
又、第の本発明は、
前記金属層による前記円筒状部材の被覆範囲は、
定着動作時における前記円筒状部材の、前記記録媒体が通過しない部分の温度が、前記整磁金属のキュリー温度を越えない範囲であって、
待機状態における前記加熱ローラ部材の、前記現像剤を定着させる記録媒体に対応する範囲の表面の温度が、所定温度以上を確保可能な範囲である、第1の本発明の定着装置である。
又、第の本発明は、
前記所定温度とは、前記待機状態から前記定着動作を行う際に、前記記録媒体が前記加熱ローラ部材に搬送されるまでの間に、前記加熱ローラ部材の表面を前記定着動作が可能な温度に昇温出来る下限温度である、第の本発明の定着装置である。
又、第の本発明は、
表面に静電潜像が形成される像担持体と、
前記静電潜像に現像剤を付着させて、現像剤画像を形成する現像部と、
前記現像剤画像を記録媒体に転写する転写部と、
前記記録媒体上に前記現像剤画像を定着する第1〜のいずれか1つの本発明の定着装置とを備えた、画像形成装置である。
本発明によれば、待機状態における画像保証幅両端部の温度低下を抑制することが可能な定着装置及び画像形成装置を提供することが出来る。
以下、本発明にかかる実施の形態の定着装置について図面を参照しながら説明するとともに、本発明の画像形成装置の一例としてのプリンタについても述べる。
(実施の形態1)
はじめに、本発明にかかる実施の形態1の定着装置を有するプリンタ100の構成について説明する。
図1は、本発明にかかる実施の形態1のプリンタ100の正面構成図である。このプリンタ100は、モノクロ画像を形成するプリンタであって、その中央部分に画像形成機構101が設けられている。
画像形成機構101は、感光体ドラム110と、感光体ドラム110を帯電させる帯電装置111と、画像データ入力部160から入力された画像データに基づいて、感光体ドラム110に静電潜像を形成する露光装置112と、感光体ドラム110上の静電潜像に本発明の現像剤の一例であるトナーを付着させてトナー画像を形成する現像装置113と、トナー画像を用紙に転写するための転写装置114と、感光体ドラム110に残留したトナーを取り除く除去装置115を備えている。
また、上記感光体ドラム110の用紙搬送方向の下流側には、転写されたトナー画像を用紙に定着するための定着装置1が設けられている。定着装置1の更に下流側には、複数の排出ローラ141を有する搬出装置140が設けられている。画像形成機構101の下部には、給紙部151が配置されている。給紙部151の給紙方向の下流側には、複数の給紙ローラ152が配置されている。これら給紙部151及び給紙ローラ152によって、搬入装置150が構成されている。
画像データ入力部160は、図示しない光学読み取り機構やPC等の外部装置からデータの入力を受けるインターフェースである。画像条件設定部170は、外部からユーザ入力を受け付けるインターフェースであり、用紙上に転写されるトナー画像の拡大や縮小、濃淡等のパラメータが設定される。
以上のような構成を有するプリンタ100において、トナー画像を用紙に定着させる、本実施の形態1の定着装置1の構成について説明する。
図2は、本実施の形態の定着装置1の加熱ローラ10と加圧ローラ20の回転軸と直行する平面で切断した模式的な断面図である。又、図3は、本実施の形態1の定着装置1の、加熱ローラ10と加圧ローラ20の回転軸を含む平面で切断した模式的な断面図である。図2に示す矢印Pは、用紙の挿入方向であり、図3の紙面奥側から手前側の方向に対応する。
定着装置1は、用紙上のトナー画像を定着するための円筒形状の加熱ローラ10と、加熱ローラ10を誘導加熱するための磁束を発生する磁束発生部30とを備えている。尚、図3に示すように加熱ローラ10は、ローラ支持側板40によって回転可能に支持されており、図示しない駆動部によって図2の時計回りの方向に回転する。又、加圧ローラ20は、加熱ローラ10に従動し、回転軸20aを中心にして反時計回りの方向に回転する。加圧ローラ20としては、例えば外径φ30mmとし、芯金上に厚み3〜7mm程度のSiゴムが配置され、表面がフッ素樹脂加工されているものを用いることが出来る。又、図2に示すように磁束発生部30を制御し、加熱ローラ10の温度をコントロールする制御部50が設けられている。
次に、磁束発生部30の構成について説明する。
図2及び図3に示す磁束発生部30は、高周波の交流電流が印加される誘導コイル31と、誘導コイル31を巻くためのボビン32とボビン32の内部に配置されたコア33とを有している。図4は、磁束発生部30の構成斜視図である。図4に示すように、本実施の形態では、誘導コイル31は、ボビン32の周方向に捲き回された線材によって形成されている。
次に、加熱ローラ10の構成について説明する。
図5は、図2のS部拡大図である。図3及び図5に示すように、加熱ローラ10は、回転軸から表面の方向に、加熱ローラ10の円筒形状の基材14である整磁金属層11と、高導電非磁性金属層12と、フッ素樹脂層13とを有している。
この整磁金属層11としては、例えば、外径φ40mm、厚み0.6mmとすることが出来る。又、高導電非磁性金属層12としては、例えば、銅やアルミニウムの金属メッキを用いることが出来る。金属メッキの場合、厚みは20〜50μm程度が好ましい。
次に、整磁金属層11及び高導電非磁性金属層12の作用について説明する。
磁束発生部30によって発熱される部材として、整磁金属層11を用いると、整磁金属の特性により、整磁金属は所定温度(キュリー温度)になると磁性を失う。そのため、誘導加熱による発熱が抑制され、キュリー温度以上に温度が上がりにくくなる。この特性により、加熱ローラ10の過度の温度上昇を抑制することが可能となり、小サイズの用紙を通紙した時の非通紙部の温度上昇に対しても効果的である。尚、トナーの定着に必要な定着温度は、例えば170〜200℃程度であるため、キュリー温度が200〜230℃程度になるような整磁合金によって整磁金属層11が形成されている。
しかしながら、本実施の形態のように、整磁金属層11の厚みが薄い場合、整磁金属層11の電気抵抗が大きくなるため、キュリー温度に達して非磁性となっても、発熱が継続する現象が発生する場合がある。
このような現象を抑制するために、整磁金属層11の外周側(磁束発生部30の反対側)に高導電非磁性金属層12が配置されている。この高導電非磁性金属層12に渦電流が流れることにより、逆磁束が発生し、元の磁束を相殺するため、整磁金属層11における発熱を抑制する効果が発揮される。
次に、磁束発生部30及び加熱ローラ10の各層の回転軸方向の両端位置について説明する。
図6は、説明のために、図3から加圧ローラ20とフッ素樹脂層13を除いた図である。尚、図3及び図6に示すように、加熱ローラ10、磁束発生部30、及び加圧ローラ20は、ローラ支持側板40間の中心を基準にして左右対称に構成されている。図6には、画像保証幅La及びその両端位置A、A´が示されている。
この画像保証幅Laは、最大用紙幅よりも数mm大きい幅に設定されている。例えば、本実施の形態のプリンタ100が印刷可能な用紙の最大サイズをA3とすると、用紙幅一杯に画像が形成される場合を想定し、更に用紙の通紙位置のバラツキを考慮すると、画像保証幅Laは、数mm分(例えば、約3mm)A3の幅よりも若干量長く設定する必要がある。
又、誘導コイル31の幅Lbと、その両端位置B、B´が示されており、加熱ローラ10の両端位置C、C´が図示されている。又、高導電非磁性金属層12の幅Lxと、その両端位置X、X´が図示されている。
図6に示すように、画像保証幅Laの両端位置A、A´は、誘導コイル31の幅Lbの両端位置B、B´よりも内側に配置されている。又、高導電非磁性金属層12は、その幅Lxの両端位置X、X´が、誘導コイル31の幅Lbの両端位置B、B´と実質上同じ位置になるように形成されている。尚、本発明の実質上同じ位置とは、社会通念上同じ位置と認識出来る範囲内を含むことである。
又、図3に示すように、フッ素樹脂層13は高導電非磁性金属層12の両端位置X、X´よりも外側の位置まで形成されており、高導電非磁性金属層12を覆っている。
尚、本発明の加熱ローラ部材の一例は、本実施の形態の加熱ローラ10に相当する。又、本発明の誘導加熱部の一例は、本実施の形態の磁束発生部30に相当する。又、本発明の円筒形部材の一例は、本実施の形態の加熱ローラ10の基材14に相当し、本発明の金属層の一例は、本実施の形態の高導電非磁性金属層12に相当する。又、本発明の像担持体の一例は、本実施の形態の感光体ドラム110に相当し、本発明の現像部の一例は、本実施の形態の現像装置113に相当する。又、本発明の転写部の一例は、本実施の形態の転写装置114に相当する。又、本発明の「現像剤を定着させる記録媒体に対応する範囲」の一例は、本実施の形態の画像保証幅Laに相当する。
上述した本実施の形態の定着装置1の動作について説明する。
本実施の形態のプリンタ100の電源を入れることによって、誘導コイル31に高周波の交流電流が印加される。すると、高周波磁界が発生し、磁束が整磁金属層11内を通過することで、整磁金属層11に渦電流が発生する。この渦電流損による発熱で加熱ローラ10が加熱され、待機状態となる。
図7は、待機状態における加熱ローラ10の表面の温度分布の一例を示す図である。この図は、本実施の形態に定着温度の目標設定値を例えば180℃とした場合であり、定着可能温度は約160℃となる。図7に示すように、加熱ローラ10の中央部近傍では、表面温度が約200℃に保持された状態となっているが、画像保証幅Laの両端位置A、A´では、中央部に比べて温度が低下しており、例えば位置A´では定着可能な温度である160℃には達していない。そのため、定着動作の際には、画像保証幅において定着可能な温度になるように加熱ローラ10を昇温する必要がある。
ユーザーから印刷指令が出されると、制御部50は、画像保証幅Laにおける温度が定着可能な温度になるように、待機状態の加熱ローラ10を昇温する。同時に、給紙部151から用紙が搬送され、感光体ドラム110上に形成されたトナー画像が転写装置114によって用紙に転写される。
そして、トナー画像が転写された用紙が、定着装置1に到達する時には、加熱ローラ10の画像保証幅の温度は定着可能な温度となっており、定着動作が行われる。本実施の形態では、印刷指令後、用紙が定着装置1に到達するまでの間に、画像保証幅の両端位置A、A´の温度は、定着可能な温度である160℃まで昇温することが可能である。これは、待機状態における両端位置A、A´の温度が、少なくとも規定温度である150℃以上に保持されているためである。いいかえると、両端位置A、A´の待機状態における温度が、規定温度である150℃よりも低い場合には、用紙が定着装置1に到達した時には、定着可能な160℃以上には達することが出来ない。尚、この規定温度が、本発明の下限温度の一例に相当する。又、本実施の形態では、規定温度を150℃としてが、用紙の搬送にかかる時間、及び昇温能力によって適宜変更される。
図8は、通紙状態における加熱ローラ10の表面の温度分布の一例を示す図である。尚、図8では、一例としてA5の用紙を通過させた場合を想定している。定着動作の際には、加熱ローラ10の表面は、用紙に熱を奪われることになる。そのため、図8に示すように、通紙部分(Q部)を約180℃に保つためには、待機状態より加熱を行う必要があり、用紙が通過しない部分(Q部以外の部分)の温度が上昇することになる。しかしながら、本実施の形態の定着装置1では、整磁金属層11の外側に高導電非磁性金属層12が形成されているため、用紙が通過しない部分の温度は230℃程度となり、キュリー温度に抑えられる。
定着動作が終了すると、定着装置1は再び待機状態となり、トナー画像が定着された用紙は、排出装置140によって装置外へと排出される。
次に、本実施の形態と異なり、高導電非磁性金属層12の位置X、X´を、加熱ローラ10の両端位置C、C´(図6参照)に一致させた場合について説明する。
背景技術においても説明したように、高導電非磁性金属層12は熱伝導性が高いため、軸方向に伝熱し、加熱ローラ10の両端において放熱による温度低下が顕著になる。そのため、加熱ローラ10の表面温度分布は、図9に示すようなグラフになると想定される。尚、図9には、合わせて本実施の形態の温度分布も点線で図示している。
このように、加熱ローラ10の両端まで高導電非磁性金属層12で覆うと、画像保証幅の両端位置A、A´における温度が、規定温度(例えば150℃)よりも低くなる場合がある。
このように、規定温度よりも低くなると、画像保証幅における温度が定着可能な温度になるまで、給紙部から搬送された用紙を待機させる等といった対策が必要となる。
次に、高導電非磁性金属層12の位置X、X´を、画像保証幅Laの両端位置A、A´に実質上一致させた場合について説明する。
一方、高導電非磁性金属層12の位置X、X´を、画像保証幅Laの両端位置A、A´に実質上一致させ、用紙を通紙した場合には、画像保証幅Laの外側の非通紙部においてキュリー温度を超える部分が発生するため、図10に示すような温度分布になると想定される。尚、図10には、キュリー温度を超えている部分がRで示されている。
以上のように、高導電非磁性金属層12の両端位置X、X´が、加熱ローラ10の両端位置(図6の位置C、C´参照)である場合には、定着動作時に温度上昇をキュリー温度に抑えることができるものの、待機状態で画像保証幅Laの両端位置A、A´において温度低下が発生する。一方、位置X、X´が画像保証幅Laの両端位置A、A´である場合には、待機状態で画像保証幅Laの両端位置A、A´における温度が保証温度以上に保たれているが、定着動作時にキュリー温度より高くなる場合がある。
すなわち、高導電非磁性金属層12の両端位置X、X´が(位置C、C´に達すると)外側すぎると、待機状態における画像保証幅Laの両端位置A、A´が保証温度より低くなり、両端位置X、X´が(位置A、A´に達すると)内側すぎると、定着動作時においてキュリー温度よりも高くなる部分が発生する場合がある。
対して、上述した本実施の形態のように、高導電非磁性金属層12の両端位置X、X´を適切な位置に定めることによって、待機状態で画像保証幅Laの両端位置A、A´における加熱ローラ10の表面温度を規定温度以上に保ち、且つ加熱ローラ10の基材14である整磁金属層11の定着動作時の温度上昇をキュリー温度に抑えることが可能となる。
尚、上記実施例では、高導電非磁性金属層12の両端位置X、X´は誘導コイル31の両端位置B、B´と実質上一致する位置であるが、位置X、X´が、加熱ローラ10の表面が定着動作時にキュリー温度以下を保持出来る位置より外側であって、待機状態で画像保証幅における温度が規定温度以上を確保出来る位置よりも内側であればよい。要するに、高導電非磁性金属層12の被覆範囲が、定着動作時における加熱ローラ10の基材14の非通紙部分の温度が、キュリー温度を超えない範囲であって、待機状態における加熱ローラ10の画像保証幅における表面の温度が規定温度以上を確保出来る範囲であればよい。
又、この定着動作時にキュリー温度以下を保持可能とは、位置X、X´が位置A、A´よりも外側にある場合であり、図11(a)に示すように高導電非磁性金属層12が少なくとも画像保証幅Laに対応する範囲を覆うように形成されていればよい。又、本実施の形態では、高導電性非磁性金属層12の被覆範囲は、誘導コイル31の幅と実質上同一に形成されているが、図11(b)に示すように加熱ローラ10の両端位置CC´より少しでも内側であれば、従来と比較して放熱による温度低下を抑制することが可能となる。要するに、高導電非磁性金属層12は、少なくとも画像保証幅Laの範囲を覆い、加熱ローラ10の基材14である整磁金属層11の一部を覆うように形成されていればよい。
以下に、本実施の形態について実施例を用いて詳しく説明する。
(実施例)
加熱ローラ10は、ローラ径φ40mmとし、長さが386mm(図6のCC´間の長さ)に設定されており、ローラ支持側板40の間の距離は366mmに設定されている。整磁金属層11の厚みは、0.6mmと設定されている。又、高導電非磁性金属層12として、銅メッキを用い、その幅は320mmに設定されている。又、誘導コイル31は、その幅が約325mmであり、厚みが30μmに設定されている。尚、本実施例の整磁金属では、キュリー温度は約230℃である。又、画像保証幅Laは、A3の幅297mm+3mmに設定されている。又、加圧ローラ20は、ローラ径φ30mmとし、長さが320mmに設定されている。
図12は、本実施例の待機状態における加熱ローラ10の表面の温度分布のグラフを示す図である。尚、横軸は、高導電非磁性金属層12の端位置Xが原点となっている。又、図12には、画像保証幅Laの両端位置A、A´が示されている。更に、ローラ支持側板40間の中心位置が示されている。
図12に示すように、待機状態において画像保証幅Laの中央付近では、加熱ローラ10の表面温度は約200℃であり、画像保証幅Laの両端位置A、A´では約150℃となっている。このように待機状態で約150℃の場合には、上述したように印刷指令後、用紙が定着装置1に到達するまでの間に、定着可能温度に上昇させることが出来る。
又、図13は、本実施例の定着動作における加熱ローラ10の表面の温度分布のグラフを示す図である。この図13に示す実施例は、A5サイズの用紙を200枚通紙させた状態である。尚、横軸は、図12と同様に高導電非磁性金属層12の端位置Xが原点となっている。図13に示す通紙状態では、用紙に熱を奪われるため、通紙部分(Q部)を約200℃に保つためには、待機状態より加熱を行う必要があり、用紙が通過しない部分(Q部以外の部分)の温度が上昇する。
しかしながら、用紙が通過しない部分の温度は230℃程度であり、キュリー温度に抑えられている。
以上のように、本実施例において、高導電非磁性金属層12の両端位置X、X´を誘導コイル31の両端位置B、B´と実質上一致させることによって、待機状態における画像保証幅Laの両端位置A、A´の温度を保証温度以上に確保することができ、且つ非通紙部分の加熱ローラの温度上昇も抑制することが出来る。
尚、上記実施例では、誘導コイル31の幅325mmに対して、高導電非磁性金属層12の幅を320mmとしているが、実質上同一であればよく、片側で±10mm、両側で±20mm程度の差があってもよい。例えば、330mmにしてもよく、高導電非磁性金属層12の幅を誘導コイル31よりも少し長めにすることにより、製造誤差が生じてもより確実にキュリー温度以下に抑えることが可能となる。
又、本実施例では、画像保証幅300mmに対して、誘導コイル31の幅を325mmとしており、片側で約12.5mm長めに設定されているが、画像保証幅に対して片側で10〜20mm(両側で20〜40mm)長めに設定することが出来る。
尚、本実施の形態では、磁束発生部30として、図4に示すような構成のものを用いたが、これに限らず図14(a)(b)に示すような構成の誘導コイルを用いても良い。図14(a)に示す磁束発生部60は、ボビン62と、ボビン62の長手方向(軸方向)に線材が巻き回されて形成された誘導コイル61とを有している。この場合、誘導コイル61の幅Lb´は、図14(a)に示すように軸方向の一端から他端までの長さとすることが出来る。又、図14(b)に示す磁束発生部70は、ボビン72と、ボビン72の軸を含む平面上に配置されるようにボビン72の周囲に巻き回された線材によって形成された矩形状の誘導コイル71とを有している。この場合、誘導コイル71の軸方向の両端位置間の長さL1を誘導コイル71の幅としてもよいし、軸方向の辺の幅の中央位置間の長さL2を誘導コイル71の幅としてもよい。
尚、本発明の誘導加熱部の長手方向の両端位置の一例は、本実施の形態の誘導コイル31の両端位置B、B´に相当するが、コア33の両端位置としてもよい。
又、上述した実施の形態では、加熱ローラ10に加圧ローラ20が当接しているの定着装置1について説明したが、加熱ローラによって加熱された無端ベルトが加圧ローラ20に当接するような図15に示す構成の定着装置に対しても本発明を適用することが出来る。図15に示す定着装置50は、上記実施の形態において説明した加熱ローラ10及び磁束発生部30と、加熱ローラ10に加熱される無端ベルト51と、加圧ローラ20に無端ベルト51を挟んで対向して配置されているローラ52とを備えている。無端ベルト51は、加熱ローラ10とローラ52に捲き掛けられており、加熱された無端ベルト51と加圧ローラ20の間をトナーが転写された用紙が通過することによって、定着動作が行われる。
このような構成であっても、無端ベルト51を加熱するための加熱ローラとして、実施の形態で説明した加熱ローラ10を用いることによって、待機状態で画像保証幅Laの両端位置A、A´における加熱ローラ10の表面温度を規定温度以上に保ち、且つ加熱ローラ10の基材14である整磁金属層11の定着動作時の温度上昇をキュリー温度に抑えることが可能となる。
又、本実施の形態では、整磁金属層11、高導電性非磁性金属層12、及びフッ素樹脂層13が順に積層配置されているが、例えば、高導電非磁性金属層12として銅メッキを用いた場合に、密着性をより確保するために、高導電非磁性金属層12と整磁金属層11との間と、高導電非磁性金属層12とフッ素樹脂層13との間にニッケル層を設けてもよい。
又、本発明の記録媒体の一例は、本実施の形態の紙に相当するが、OHPシート等であってもよい。
本発明の定着装置及び画像形成装置は、待機状態における画像保証幅両端部の温度低下を抑制することが可能な効果を有し、複写機、ファクシミリ、プリンタ等として有用である。
本発明にかかる実施の形態1におけるプリンタの側面構成図 本発明にかかる実施の形態1における定着装置の側断面図 本発明にかかる実施の形態1における定着装置の正面断面図 本発明にかかる実施の形態1における誘導加熱部の構成斜視図 図2のS部拡大図 本発明にかかる実施の形態1における加熱ローラの正面断面図 本発明にかかる実施の形態1の加熱ローラの待機状態における表面温度分布のグラフを示す図 本発明にかかる実施の形態1の加熱ローラの定着動作時における表面温度分布のグラフを示す図 加熱ローラの幅全体に高導電非磁性金属層を形成したと想定した場合における待機状態の加熱ローラの表面温度分布のグラフを示す図 誘導コイルの両端位置と高導電非磁性金属層の両端位置を一致させたと想定した場合における定着動作状態の加熱ローラの表面温度分布のグラフを示す図 本発明にかかる実施の形態1における加熱ローラの変形例を示す正面断面図 本発明にかかる実施の形態1における加熱ローラの変形例を示す正面断面図 本発明にかかる実施例1の加熱ローラの待機状態における表面温度分布のグラフを示す図 本発明にかかる実施例1の加熱ローラの定着動作時における表面温度分布のグラフを示す図 (a)(b)本発明にかかる実施の形態の磁束発生部の変形例を説明するための図 本発明にかかる実施の形態1における定着装置の変形例を説明するための正面断面図
符号の説明
1 定着装置
10 加熱ローラ
11 整磁金属層
12 高導電非磁性金属層
13 フッ素樹脂層
20 加圧ローラ
30 磁束発生部
31 誘導コイル
32 ボビン
33 コア
40 ローラ支持側板
50 制御部

Claims (6)

  1. 現像剤を記録媒体に定着させるための円筒形状の加熱ローラ部材と、
    前記加熱ローラ部材を加熱するために、前記加熱ローラ部材の内部に設けられた誘導加熱部とを備え、
    前記加熱ローラ部材は、
    前記誘導加熱部の外周側に円筒形状に形成された、整磁金属を含む円筒状部材と、
    前記円筒状部材の外周表面の一部を被覆する、非磁性金属を含む金属層とを有し、
    前記金属層は、少なくとも前記現像剤を定着させる記録媒体に対応する範囲を被覆するように形成され、且つ、金属メッキによって形成されている、定着装置。
  2. 前記金属層による前記円筒状部材の被覆範囲は、前記誘導加熱部の長手方向に対応する範囲である、請求項1記載の定着装置。
  3. 前記誘導加熱部は、
    コアと、前記コアの周方向に線材が巻き回された誘導コイルとを有し、
    前記誘導加熱部の長手方向に対応する範囲とは、前記誘導コイルの両端の間のことである、請求項2記載の定着装置。
  4. 前記金属層による前記円筒状部材の被覆範囲は、
    定着動作時における前記円筒状部材の、前記記録媒体が通過しない部分の温度が、前記整磁金属のキュリー温度を越えない範囲であって、
    待機状態における前記加熱ローラ部材の、前記現像剤を定着させる記録媒体に対応する範囲の表面の温度が、所定温度以上を確保可能な範囲である、請求項1記載の定着装置。
  5. 前記所定温度とは、前記待機状態から前記定着動作を行う際に、前記記録媒体が前記加熱ローラ部材に搬送されるまでの間に、前記加熱ローラ部材の表面を前記定着動作が可能な温度に昇温出来る下限温度である、請求項記載の定着装置。
  6. 表面に静電潜像が形成される像担持体と、
    前記静電潜像に現像剤を付着させて、現像剤画像を形成する現像部と、
    前記現像剤画像を記録媒体に転写する転写部と、
    前記記録媒体上に前記現像剤画像を定着する請求項1〜のいずれか1つに記載の定着装置とを備えた、画像形成装置。
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