JP4296984B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、およびファクシミリなどの画像形成装置に用いられる定着装置に関し、さらに詳しくは、誘導加熱を利用してトナー像を記録材に定着するための定着装置に関する。
電子写真方式の複写機、プリンタ、およびファクシミリなどの画像形成装置には、用紙などの記録材上に保持されたトナー像を当該記録材に定着させるための定着装置が設けられている。
定着装置には種々の方式があるが、近年の省エネルギー化の要請に応えるべく、ハロゲンランプを熱源とする定着装置よりも熱変換効率の高い誘導加熱方式の定着装置が提案されている。
誘導加熱方式の定着装置は、導電性を有する発熱体としての定着ローラを、電磁誘導によって発生する渦電流により、瞬時に加熱することができる。このため、加熱(昇温)時間を画期的に短縮させることができ、且つ効率も良いことから、環境問題に寄与できるものとして注目されている。また、誘導加熱方式の定着装置の効率を高めるため、磁束を導くための磁性体からなるコアが用いられている。
しかし、従来の定着装置においては、たとえば小サイズの記録材を連続して定着装置に通紙して多量に定着処理した場合に、記録材が通過する定着ローラ上の領域である通紙領域と、記録材が通過しない定着ローラ上の領域である非通紙領域とで大きな温度差が生じてしまうことがある。これは、記録材が接触する通紙領域では熱が該記録材に伝わって搬送されて行くのに対し、記録材が接触しない非通紙領域では熱を付与する対象がないので該熱が蓄積されるためである。通常、通紙領域は所定の定着温度に維持されるので、非通紙領域が過度に昇温してしまうことになる。
このような非通紙領域における過度の昇温が生じると、磁束を発生させるための励磁コイルの表皮効果等による発熱や、コアのヒステリシス損による自己発熱とあいまって、余計な高温対策を施さざるを得なくなるか、あるいは高温対策が不十分となって機能上の支障が生じる虞がある。具体的には、励磁コイルの巻線被覆に高い耐熱性を有する樹脂が必要になって装置構成が制約されたり、コアが固有のキュリー温度を超えて磁性を失ったりするといった問題が発生し得る。また、電磁誘導により発熱する発熱層近傍にシリコーンゴムを用いる場合には、その耐熱温度の上限を越えてしまう虞もある。
この問題を解決するため、記録材の搬送方向に直交する方向にコアが複数に分割して設けられ、両端部に位置するコアが内側部分を中心に回動して外側部分が定着ローラの表面から離間するように移動可能とされた定着装置が提案されている(特許文献1,2参照)。また、分割して設けられた複数のコアのうち、両端部に位置するコアが定着ローラの表面に対して略法線方向に近接離間可能とされた定着装置が提案されている(特許文献3参照)。また、分割して設けられた複数のコアのうち、一部が定着ローラの軸方向に変位可能とされた定着装置が提案されている(特許文献4参照)。
上記特許文献1〜4に記載の定着装置のいずれにおいても、分割して設けられた複数のコアのうちの一部のコアが独立して存在しており、これが移動させられることにより、定着ローラの軸方向端部における磁束を導くコアの機能が調整される。
特開2000−162913号公報 特開2001−194940号公報 特開2003−107941号公報 特開2002−229361号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の定着装置においては、独立して存在する移動用のコアを定着ローラから離間移動させることは、磁束を導くコアの機能を発揮させなくすることにつながるため、結果的にコア全体が有効に利用されないことになる。また、移動用のコアと移動されないコアとが予め決まっているので、通紙領域と非通紙領域とが固定化され、使用可能な用紙サイズが限定されてしまうことにもなる。
一方、上記特許文献4に記載の定着装置においては、複数のコアのうちの一部が定着ローラの軸方向に変位させられるため、磁束を導くコアの機能が定着ローラの長手方向において均一とならない虞がある。
本発明は、上記した従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、使用される記録材のサイズに対応して、コア全体の機能を有効に且つ発熱体の長手方向で略均一に発揮しつつ、発熱体の非通紙領域における過度の昇温を防止することができる定着装置を提供することである。
本発明の目的は、下記する手段により達成される。
(1)導電性を有する円筒状の発熱体と、前記発熱体を誘導加熱する磁束を発生させるための励磁コイルと、前記励磁コイルの近傍に、前記発熱体の軸心方向に分割して配置された複数のコアと、前記発熱体の軸心に対する前記複数のコア全て前記軸心方向の端面の傾斜角度を変化させ得る変動手段と、を有することを特徴とする定着装置。
(2)前記変動手段は、前記複数のコアの角度を変化させながら、当該複数のコアを前記発熱体の長手方向に移動させ得ることを特徴とする上記(1)に記載の定着装置。
(3)前記複数のコアの各々は、前記励磁コイルを覆うように前記発熱体の円周方向に伸延して設けられ、前記複数のコアにおける隣接するコア同士がそれぞれの延伸方向の端部で回動可能に連結されていることを特徴とする上記(2)に記載の定着装置。
(4)前記複数のコアは、使用しようとする記録材が通過する前記発熱体上の領域の幅寸法に対応して、変動させられることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の定着装置。
(5)前記領域の端部近傍における当該発熱体の表面温度を検出するための温度検出手段をさらに有し、前記温度検出手段は、前記変動手段により、前記複数のコアの変動にともなって、前記発熱体の長手方向に移動させられることを特徴とする上記(4)に記載の定着装置。
(6)前記温度検出手段は、前記領域内に設置される第1の検出部と前記領域外に設置される第2の検出部とを有することを特徴とする上記(5)に記載の定着装置。
(7)前記発熱体は、回転体であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の定着装置。
(8)前記励磁コイルおよび前記複数のコアは、前記回転体の外側に配置されることを特徴とする上記(7)に記載の定着装置。
(9)前記発熱体に向けて圧接され、当該発熱体との間で記録材が通過可能な加圧体をさらに有することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の定着装置。
(10)上記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、発熱体に対する複数のコアの角度を変化させ得る変動手段を有するので、コアの磁束を導く機能が有効に発揮され得る幅寸法を任意に変化させることができる。これにより、複数のコアの角度を、使用しようとする記録材が通過する発熱体上の領域(通紙領域)の幅寸法に対応して、変化させることが可能となる。
したがって、使用される記録材のサイズに柔軟に対応して、コア全体の機能を有効に且つ発熱体の長手方向で略均一に発揮しつつ、非通紙領域における過度の昇温を防止することが可能となる。
この結果、励磁コイルの巻線被覆に過度に高い耐熱性を有する樹脂を使用しなくてもよいので装置構成が制約されずに済む。また、非通紙領域に位置するコアが固有のキュリー温度を超えて磁性を失うといった問題を回避できる。さらに、電磁誘導により発熱する発熱部近傍にシリコーンゴムを用いる場合には、その耐熱温度の上限を越えてシリコーンゴムが変性・劣化する虞も防止できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる定着装置が適用された画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
図1に示す画像形成装置100は、プリンタであり、電子写真方式の作像プロセスを用いて画像データを用紙などの記録材上に印刷する。
画像形成装置100は、感光ドラム1、帯電ローラ2、トナーカートリッジ3、現像ローラ4、転写ローラ5、給紙トレイ6、定着装置7、および排紙トレイ8を備えている。
画像形成装置100は、画像データを受信すると、感光ドラム1の表面を帯電ローラ2により均一に帯電してから、受信した画像データに基づいて図示しないプリントヘッドにより露光することによって、感光ドラム1の表面上に静電潜像部を形成した後、トナーカートリッジ3から供給されたトナーを現像ローラ4により静電潜像部に付着させる。次いで、画像形成装置100は、給紙トレイ6から搬送されてきた用紙上に、感光ドラム1に付着されたトナーを転写ローラ5により転写し、用紙上に転写されたトナーを定着装置7により当該用紙に定着する。こうして印刷された用紙は、排紙トレイ8に排出される。
図2は、図1に示される定着装置の構成を示す断面図、図3は、定着ローラの軸心を含む平面で切断した部分拡大断面図、図4は、加圧ローラの軸心を含む平面で切断した部分拡大断面図、図5は、励磁コイルおよびコアの位置関係を説明するための平面図である。
定着装置7は、導電性を有する発熱体としての定着ローラ10と、この定着ローラ10に向けて圧接される加圧ローラ20とを有している。トナーが転写された用紙Pが定着ローラ10および加圧ローラ20の間に導かれると、両ローラ10,20の間においてトナーが加熱・加圧させられて用紙に定着させられる。
図3に示すように、定着ローラ10は、鉄などの金属製の芯金11と、芯金11上に形成される断熱層12と、断熱層12上に形成され電磁誘導によって発熱し得る発熱層13と、発熱層13上に形成される弾性層14と、弾性層14上に形成される離型層15とを有している。
芯金11は、鉄などの金属製である。断熱層12は、たとえばシリコーンスポンジゴムから作られる。発熱層13は、導電性を有する金属材料から作られており、耐熱樹脂をベースとしている。弾性層14は、たとえばシリコーンゴムから作られる。離型層15は、たとえばPFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)などの離型性を有する樹脂から作られる。芯金11の厚さはたとえば1mm程度、断熱層12の厚さはたとえば5mm程度、発熱層13の厚さはたとえば50μm程度、弾性層14の厚さはたとえば1mm程度、離型層15の厚さはたとえば20μm程度である。定着ローラ10は、不図示のモータによって回転されるように構成されている。
図4に示すように、加圧ローラ20は、鉄などの金属製の芯金21と、芯金21上に形成される断熱層22と、断熱層22上に形成される離型層23とを有している。
芯金21は、鉄などの金属製である。断熱層22は、たとえばシリコーンスポンジゴムから作られる。離型層23は、たとえばPFAなどの離型性を有する樹脂から作られる。断熱層22の厚さはたとえば5mm程度、離型層23の厚さはたとえば30μm程度である。加圧ローラ20は、不図示のバネ部材により定着ローラ10の方向に付勢されている。各ゴム層の変形によって、定着ローラ10と加圧ローラ20との間に、定着ニップ部Nが形成される。加圧ローラ20は、定着ローラ10に従動するように構成されている。
また、定着ローラ10の表面温度を検出するための温度センサが定着ニップ部Nの近傍に設置されている(図示せず)。
磁束発生手段であるコイルボビン30は、定着ローラ10の外側において、定着ローラ10の表面に対向させて定着ローラ10の長手方向に沿って配設されている。コイルボビン30は、定着ローラ10を誘導加熱する磁束を発生させるための励磁コイル31と、励磁コイル31の近傍に、定着ローラ10の長手方向に分割して配置された複数のコア32と、励磁コイル31およびコア32を取り囲むボビン33とを有している。ボビン33は、電気絶縁性を有するたとえば樹脂材料から作られている。
励磁コイル31は、図2に示すように、定着ローラ10の軸心に垂直な平面で切断した横断面が台形形状を呈している。この励磁コイル31は、定着ローラ10の長手方向に沿うとともにその端部で折り返すように導線を巻いてなる構造を有する(図5参照)。また、励磁コイル31は、細い線が数十から数百本束ねられたリッツ線を用いて形成されており、伝熱した場合を考慮して、耐熱性の樹脂で被覆されている。
励磁コイル31には、不図示の高周波コンバータにより、10〜100kHzの交流電流が印加される。交流電流によって誘導された磁束は、コア32の内部を外部に漏れることなく通過して、定着ローラ10の発熱層13を貫く。したがって、発熱層13に渦電流が流れて発熱層13自体がジュール発熱する。この発熱層13の発熱により、定着ローラ10が加熱状態となる。
複数のコア32からなるコア部35は、図2および図5に示すように、励磁コイル31を覆うように定着ローラ10の長手方向に分割して設置されている。コア部35は、定着ローラ10の長手方向寸法に略対応した長さ寸法を有する。コア32は、フエライトなどの磁性体から作られており、高透磁率かつ低損失のものを用いるのが望ましい。コア32は、磁気回路の効率を上げるためと、磁気遮蔽のためとに用いられている。なお、コア32の材料として、樹脂材料に磁性粉を分散させたものを用いると、透磁率は比較的低いが形状を自由に設定することができる。
図5に示すように、コア部35の磁束ガイド有効幅Lは、使用しようとする用紙Pの通紙方向の幅寸法とほぼ同一となるように設定される。ここで、磁束ガイド有効幅Lは、コアの磁束を導く(ガイドする)機能が有効に発揮され得る幅寸法であり、複数のコア32からなるコア部35の長手方向寸法に相当する。
また、本実施形態の定着装置7では、用紙Pの搬送方向に直交する方向で定着ローラ10が均一に発熱するように、コア部35が分割されて複数のコア32として配置されている。
図6は、磁束ガイド有効幅を調整する方法を説明するための概念図である。
本実施形態では特に、定着ローラ10に対するコア部35の角度を変化させることにより、用紙Pの搬送方向に直交する方向における磁束ガイド有効幅Lが可変とされている。具体的には、図6に示すように、励磁コイル31に対するコア部35の角度を、最小傾斜角度θと最大傾斜角度θの間で変化させることにより、磁束ガイド有効幅Lを、最大磁束ガイド有効幅Lと最小磁束ガイド有効幅Lとの間で任意に変化させることが可能である。
図7は、第1の実施形態にかかる定着装置におけるコアの角度の変化を説明するための図である。
図7に示すように、定着ローラ10に対する複数のコア32の角度を変化させ得る変動部34は、各コア32の一端がピン37のまわりで回動可能に連結される棒状部材36aと、当該棒状部材36aと略平行に配置され各コア32の他端がピン37のまわりで回動可能に連結される棒状部材36bと、各棒状部材36a,36bを定着ローラ10の長手方向に略平行でかつ相互に反対方向に移動させるための図示しない駆動手段とを有している。駆動手段としては、たとえばモータが使用され、この場合、モータの回転運動が直線運動に変換される。
次に、コアの角度を変化させ得る変動部の作用について説明する。
本実施形態では、複数のコア32は、使用しようとする用紙Pが通過する定着ローラ10上の領域(通紙領域)の幅寸法に対応して、定着ローラ10に対する角度が変化させられる。
具体的には、使用可能な用紙のうち最もサイズの大きい用紙(大サイズ紙)Pが使用される場合、図7(A)に示すように、定着ローラ10に対するコア32の角度は、最小傾斜角度θに設定される。したがって、磁束ガイド有効幅Lは、最大通紙領域の幅寸法Wに略同一の最大磁束ガイド有効幅Lに設定される。
一方、使用可能な用紙のうち最もサイズの小さい用紙(小サイズ紙)Pが使用される場合、図7(B)に示すように、不図示の駆動手段によって棒状部材36aが図中左方向に移動させられるとともに、棒状部材36bが図中右方向に移動させられることにより、定着ローラ10に対するコア32の角度は、最大傾斜角度θに設定される。したがって、磁束ガイド有効幅Lは、最小通紙領域の幅寸法Wに略同一の最小磁束ガイド有効幅Lに設定される。この場合、用紙の搬送基準は、定着ローラ10の長手方向の中央と用紙搬送方向に垂直な用紙幅方向の中央とが一致する中央基準である。
図8および図9は、本実施形態による定着装置の効果を検証するための実験結果を示すグラフである。図中のグラフの横軸は、測定点である定着ローラの一端からの距離を示し、縦軸は測定温度を示す。
実験においては、通紙領域での定着ローラ10の目標表面温度を160℃に設定し、小サイズ紙Pを連続で通紙した場合に、定着ローラ10の軸方向の温度分布を測定した(N=3)。
図8は、用紙(小サイズ紙P)のサイズ、つまり通紙領域の幅寸法(最小通紙領域の幅寸法W)に対応して、図7(B)に示すようにコア32の角度を最大傾斜角度θに変化させた場合の定着ローラ10の表面温度分布を示す。一方、図9は、用紙のサイズに対応してコア32の角度を変化させなかった場合(図7(A)に示す状態)の定着ローラ10の表面温度分布を示す。ここで、定着ローラ10の許容温度がたとえば最大220℃と設定された場合には、図8では定着ローラ10の非通紙領域の表面温度は許容温度以内に留まるが、図9では定着ローラ10の非通紙領域の表面温度は許容温度を超えてしまうことがわかる。
このように本実施形態によれば、定着ローラ10に対する複数のコア32の角度を変化させ得る変動部34を有するので、コア部35の磁束ガイド有効幅Lを任意に変化させることができる。この結果、複数のコア32の角度を、使用しようとする用紙Pが通過する定着ローラ10上の領域(通紙領域)の幅寸法に対応して、変化させることが可能となる。
したがって、使用される用紙のサイズに柔軟に対応して、コア全体の機能を有効に且つ定着ローラ10の長手方向で略均一に発揮しつつ、非通紙領域における過度の昇温を防止することが可能となる。
この結果、励磁コイルの巻線被覆に過度に高い耐熱性を有する樹脂を使用しなくてもよいので装置構成が制約されずに済む。また、非通紙領域に位置するコアが固有のキュリー温度を超えて磁性を失うといった問題を回避できる。さらに、電磁誘導により発熱する発熱層近傍にシリコーンゴムを用いる場合には、その耐熱温度の上限を越えてシリコーンゴムが変性・劣化する虞も防止できる。
図10は、本発明の第2の実施形態にかかる定着装置におけるコアの角度および位置の変化を説明するための図である。以下、第1の実施形態と相違する部分を説明する。なお、第1の実施形態と共通する部材には、同一の符号を付してある。
第2の実施形態では、コア部35は、コア32と連結部材38とが交互にピン37により回動可能に複数連結されて構成されている。連結部材38は、たとえば樹脂製である。
変動部34aは、複数のコア32の角度を変化させながら、当該複数のコア32を定着ローラ10の長手方向に移動させることができる。つまり、変動部34aは、複数のコア32の角度および位置を変化させることができる。
変動部34aは、具体的には、コア部35の一方の端部に移動ピン37aにより回動可能に連結される突出部41と、突出部41が固定されるスライダ42と、スライダ42を定着ローラ10の長手方向と略平行に摺動可能にガイドするためのガイド棒43と、スライダ42を移動させるための図示しない駆動手段とを有している。駆動手段としては、たとえばモータが使用される。この場合、たとえば、モータの回転運動がワイヤの直線運動に変換され、スライダ42がワイヤに固定される。なお、コア部35の他方の端部は、装置本体に固定された固定ピン37bに回動可能に連結されている。
本実施形態では、複数のコア32は、使用しようとする用紙Pが通過する定着ローラ10上の領域(通紙領域)の幅寸法に対応して、定着ローラ10に対する角度が変化させられるとともに、定着ローラ10の長手方向に移動させられる。
具体的には、小サイズ紙Pが使用される場合、図10(A)に示すように、不図示の駆動手段によってスライダ42が図中左方向に移動させられることにより、定着ローラ10に対する複数のコア32の角度が最大傾斜角度θに設定されるとともに、複数のコア32が縮小するように定着ローラ10の長手方向に移動させられる。したがって、磁束ガイド有効幅Lは、最小通紙領域の幅寸法Wに略同一の最小磁束ガイド有効幅Lに設定される。
一方、大サイズ紙Pが使用される場合、図10(B)に示すように、不図示の駆動手段によってスライダ42が図中右方向に移動させられることにより、定着ローラ10に対するコア32の角度は、最小傾斜角度θに設定されるとともに、複数のコア32が伸長するように定着ローラ10の長手方向に移動させられる。したがって、磁束ガイド有効幅Lは、最大通紙領域の幅寸法Wに略同一の最大磁束ガイド有効幅Lに設定される。この場合、用紙の搬送基準は、定着ローラ10の長手方向の端部と用紙搬送方向に垂直な用紙幅方向の端部とが一致する片側基準である。
この第2の実施形態によっても、コア部35の磁束ガイド有効幅Lを任意に変化させることが可能であり、上記した第1の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
図11は、本発明の第3の実施形態にかかる定着装置におけるコアの角度および位置の変化を説明するための図である。以下、第2の実施形態と相違する部分を説明する。なお、第2の実施形態と共通する部材には、同一の符号を付してある。
第3の実施形態では、コア部35における隣接するコア同士がそれぞれの端部でピン37により回動可能に連結されている。このように、コア部35は、ジグザグに連結された複数のコア32から構成されており、いわゆるパンタグラフ形状を呈している。ここで、第2の実施形態のような連結部材38は使用されていない。
変動部34aは、複数のコア32の角度を変化させながら、当該複数のコア32を定着ローラ10の長手方向に移動させることができる。つまり、変動部34aは、複数のコア32の角度および位置を変化させることができ、変動部34aの具体的な構成は、第2の実施形態と同様である。
本実施形態でも、複数のコア32は、使用しようとする用紙Pが通過する定着ローラ10上の領域(通紙領域)の幅寸法に対応して、定着ローラ10に対する角度が変化させられるとともに、定着ローラ10の長手方向に移動させられる。
具体的には、小サイズ紙Pが使用される場合、図11(A)に示すように、不図示の駆動手段によってスライダ42が図中左方向に移動させられることにより、定着ローラ10に対する複数のコア32の角度が最大傾斜角度θに設定されるとともに、複数のコア32が縮小するように定着ローラ10の長手方向に移動させられる。したがって、磁束ガイド有効幅Lは、最小通紙領域の幅寸法Wに略同一の最小磁束ガイド有効幅Lに設定される。
一方、大サイズ紙Pが使用される場合、図11(B)に示すように、不図示の駆動手段によってスライダ42が図中右方向に移動させられることにより、定着ローラ10に対するコア32の角度は、最小傾斜角度θに設定されるとともに、複数のコア32が伸長するように定着ローラ10の長手方向に移動させられる。したがって、磁束ガイド有効幅Lは、最大通紙領域の幅寸法Wに略同一の最大磁束ガイド有効幅Lに設定される。
この第3の実施形態によっても、コア部35の磁束ガイド有効幅Lを任意に変化させることが可能であり、上記した第2の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
図12は、本発明の第4の実施形態にかかる定着装置におけるコアの角度および位置の変化を説明するための図である。以下、第3の実施形態と相違する部分を説明する。なお、第3の実施形態と共通する部材には、同一の符号を付してある。
第4の実施形態では、定着装置は、通紙領域の端部近傍における定着ローラ10の表面温度を検出するための2つの温度センサ45,46を有している。一方の温度センサ45は、通紙領域内に設置され、他方の温度センサ46は、通紙領域外、すなわち非通紙領域内に設置される。
温度センサ45,46は、変動部34aにより、複数のコア32の変動にともなって、定着ローラ10の長手方向に移動させられる。ここでは、温度センサ45,46は、スライダ42に設置されている。
この第4の実施形態によっても、コア部35の磁束ガイド有効幅Lを任意に変化させることが可能であり、上記した第3の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
また、定着性能確保のための通紙領域内の温度を検知しながら、信頼性確保のための非通紙領域における過度の温度上昇を検知するために、用紙の通紙領域と非通紙領域との境界をはさんで当該境界付近に一対の温度センサを配置することが一般に望ましいが、様々な種類の用紙サイズを使用する場合においては、この温度センサを各用紙サイズごとに対応した位置に設置しなければならない。しかし、本実施形態によれば、様々な種類の用紙サイズを使用する場合においても、一対の温度センサ45,46のみで各用紙サイズに対応した温度検知を行うことが可能となるため、温度センサの設置個数を減らすことができ、コストを低減することが可能となる。
本発明は、上記した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
たとえば、第2〜第4の実施形態において、コア部35の中央に位置するコア32が固定ピン37bに回動可能に連結されることにより、用紙の搬送基準を中央基準とすることも可能である。
また、本発明は、励磁コイル31および複数のコア32を、定着ローラ10の内側に配置した構成を採用することも可能である。
本発明の定着装置用は、たとえば、モノクロまたはカラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、およびこれらの機能を組み合わせた多機能周辺機器(MFP)等の画像形成装置に適用することができる。
本発明の第1の実施形態にかかる定着装置が適用された画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 図1に示される定着装置の構成を示す断面図である。 定着ローラの軸心を含む平面で切断した部分拡大断面図である。 加圧ローラの軸心を含む平面で切断した部分拡大断面図である。 励磁コイルおよびコアの位置関係を説明するための平面図である。 磁束ガイド有効幅を調整する方法を説明するための概念図である。 第1の実施形態にかかる定着装置におけるコアの角度の変化を説明するための図である。 本実施形態による定着装置の効果を検証するための実験結果を示すグラフである。 本実施形態による定着装置の効果を検証するための実験結果を示すグラフである。 第2の実施形態にかかる定着装置におけるコアの角度および位置の変化を説明するための図である。 第3の実施形態にかかる定着装置におけるコアの角度および位置の変化を説明するための図である。 第4の実施形態にかかる定着装置におけるコアの角度および位置の変化を説明するための図である。
符号の説明
7 定着装置、
10 定着ローラ、
20 加圧ローラ、
31 励磁コイル、
32 コア、
34,34a 変動部、
45,46 温度センサ、
100 画像形成装置、
最大磁束ガイド有効幅、
最小磁束ガイド有効幅、
大サイズ紙(記録材)、
小サイズ紙(記録材)、
最大通紙領域の幅寸法、
最小通紙領域の幅寸法、
θ,θ コアの角度。

Claims (10)

  1. 導電性を有する円筒状の発熱体と、
    前記発熱体を誘導加熱する磁束を発生させるための励磁コイルと、
    前記励磁コイルの近傍に、前記発熱体の軸心方向に分割して配置された複数のコアと、
    前記発熱体の軸心に対する前記複数のコア全て前記軸心方向の端面の傾斜角度を変化させ得る変動手段と、
    を有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記変動手段は、前記複数のコアの角度を変化させながら、当該複数のコアを前記発熱体の長手方向に移動させ得ることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記複数のコアの各々は、前記励磁コイルを覆うように前記発熱体の円周方向に伸延して設けられ、
    前記複数のコアにおける隣接するコア同士がそれぞれの延伸方向の端部で回動可能に連結されていることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記複数のコアは、使用しようとする記録材が通過する前記発熱体上の領域の幅寸法に対応して、変動させられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の定着装置。
  5. 前記領域の端部近傍における当該発熱体の表面温度を検出するための温度検出手段をさらに有し、
    前記温度検出手段は、前記変動手段により、前記複数のコアの変動にともなって、前記発熱体の長手方向に移動させられることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  6. 前記温度検出手段は、前記領域内に設置される第1の検出部と前記領域外に設置される第2の検出部とを有することを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記発熱体は、回転体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の定着装置。
  8. 前記励磁コイルおよび前記複数のコアは、前記回転体の外側に配置されることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記発熱体に向けて圧接され、当該発熱体との間で記録材が通過可能な加圧体をさらに有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の定着装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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