JP5958226B2 - 搬送装置、定着装置、画像形成装置 - Google Patents

搬送装置、定着装置、画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、搬送装置、定着装置、画像形成装置に関する。
特許文献1には、パッド部材を被覆してエンドレスベルトに摺動接触するパッドシートを、低摩擦性の表層と、引張強さが300〜600MPaの基層と、を積層接着することで形成した構成が開示されている。
特許文献2には、搬送される記録材を加熱する定着ローラと、前記定着ローラに対向して接するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトを前記定着ローラへ向けて押し当てて前記定着ローラと前記エンドレスベルトとの間に接触部を形成する押圧部材と、前記エンドレスベルトと前記押圧部材との間に設置される摺動部材とを備え、前記摺動部材は厚みが異なる複数の部分を有し、前記摺動部材の前記接触部に対する位置が移動することにより、記録材の前記接触部からの排出方向の調節が可能であることを特徴とする定着装置が開示されている。
特開2006−119263号公報 特開2008−20907号公報
本発明は、ベルトが加圧される加圧部分に対する回転方向下流側又は回転方向上流側でのベルトの凹みの発生を抑制することを課題とする。
請求項1の発明は、環状のベルトと、前記ベルトの外周面との間に被搬送材を挟んで前記ベルトと共に回転し、該被搬送材を搬送する搬送体と、前記ベルトの内周に設けられ、前記ベルトにおける前記被搬送材を挟む部分を前記搬送体に対して加圧する加圧部材と、前記ベルトの前記挟む部分と前記加圧部材との間に挟み込まれる被挟込部と、該被挟込部に対する前記ベルトの回転方向上流側に形成され該被挟込部よりも剛性が高い高剛性部と、を有し、前記ベルトがすべり接触する接触部材と、を備える搬送装置である。
請求項2の発明は、前記接触部材は、膜状に形成されている請求項1に記載の搬送装置である。
請求項3の発明は、前記高剛性部は、前記ベルトの剛性以上の剛性を有する請求項1又は2に記載の搬送装置である。
請求項4の発明は、前記高剛性部は、前記被挟込部よりも厚みが厚いことで、剛性が高くされている請求項1〜3のいずれか1項に記載の搬送装置である。
請求項5の発明は、前記高剛性部は、前記ベルトとは反対側へ前記被挟込部よりも張り出すことで、厚みが厚くされている請求項4に記載の搬送装置である。
請求項6の発明は、前記高剛性部は、別部材を重ねることで、厚みが厚くされている請求項4又は5に記載の搬送装置である。
請求項7の発明は、環状のベルトと、前記ベルトの外周面との間に被搬送材を挟んで前記ベルトと共に回転し、該被搬送材を搬送する搬送体と、前記ベルトの内周に設けられ、前記ベルトにおける前記被搬送材を挟む部分を前記搬送体に対して加圧する加圧部材と、前記ベルトの前記挟む部分と前記加圧部材との間に挟み込まれる被挟込部と、該被挟込部に対する前記ベルトの回転方向上流側及び下流側の少なくとも一方に形成され該被挟込部よりも剛性が高い高剛性部と、を有し、前記ベルトがすべり接触する接触部材と、を備え、前記高剛性部は、前記被挟込部と異なる材料を用いることで剛性が高くされている。
請求項8の発明は、前記ベルトと前記搬送体とで記録媒体を搬送しながら当該記録媒体に画像を定着する請求項1〜7のいずれか1項に記載の搬送装置としての定着装置である。
請求項9の発明は、画像を記録媒体に転写する転写部と、前記転写部によって記録媒体に転写された画像を記録媒体に定着させる請求項8に記載の定着装置と、を有する画像形成装置である。
本発明の請求項1の構成によれば、本構成における高剛性部を有しない場合に比べ、ベルトが加圧される加圧部分に対する回転方向下流側又は回転方向上流側でのベルトの凹みの発生を抑制できる。
本発明の請求項2の構成によれば、膜状の接触部材を用いない場合に比べ、高剛性部を容易に形成できる。
本発明の請求項3の構成によれば、高剛性部の剛性がベルトの剛性よりも低い場合に比べ、ベルトが加圧される加圧部分に対する回転方向下流側又は回転方向上流側でのベルトの凹みの発生を抑制できる。
本発明の請求項4の構成によれば、厚みを変えないで高剛性部を形成する場合に比べ、高剛性部を容易に形成できる。
本発明の請求項5の構成によれば、高剛性部がベルト側へ被挟込部よりも張り出す場合に比べ、接触部材によるベルトのすべり抵抗を低減できる。
本発明の請求項6の構成によれば、別部材を重ねないで厚みを厚くすることで高剛性部を形成する場合に比べ、高剛性部を容易に形成できる。
本発明の請求項7の構成によれば、高剛性部と被挟込部とで同じ材料を用いる場合に比べ、被挟込部と高剛性部との厚みを大きく変化させなくても、高剛性部を形成できる。
本発明の請求項8の構成によれば、本構成における高剛性部を有しない場合に比べ、ベルトの凹みに起因する定着不良を抑制できる。
本発明の請求項9の構成によれば、本構成における定着装置を備えない場合に比べ、定着不良に起因する画像劣化を抑制できる。
本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。 本実施形態に係る定着装置の構成を示す概略図である。 本実施形態に係る接触シートの構成を示す概略図である。 変形例に係る接触シートの構成を示す概略図である。 変形例に係る接触シートの構成を示す概略図である。 図5に示す変形例の接触シートを適用した定着装置の構成を示す概略図である。 変形例に係る接触シートの構成を示す概略図である。 比較例に係る接触シートの構成を示す概略図である。 図8に示す比較例の接触シートを適用した定着装置の構成を示す概略図である。
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(画像形成装置10の構成)
まず、本実施形態に係る画像形成装置10の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置10の構成を示す概略図である。
画像形成装置10は、図1に示されるように、画像形成装置10の本体を構成する筐体12内に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の各色に対応した光ビーム16を出射する光走査装置14Y、14M、14C、14Kが設けられている。また、光走査装置14Kに隣接する位置(図1における左側)に、画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部19が設けられている。なお、以後の説明では、Y、M、C、Kを区別する必要がある場合は、数字の後にY、M、C、Kのいずれかの英字を付して説明し、同様の構成でY、M、C、Kを区別する必要がない場合は、Y、M、C、Kの記載を省略する。
光走査装置14は、光源から出射された光ビームを図示しない回転多面鏡(ポリゴンミラー)で走査するとともに、反射ミラーを含む複数の光学部品で反射して、各色に対応した光ビーム16を出射する構成となっている。また、光走査装置14の下方側には、各光走査装置14と対応して各感光体18が設けられている。
感光体18は、図示しないモータ及びギアからなる駆動手段によって、矢印A方向(図の時計回り方向)に回転するようになっており、光走査装置14から出射された光ビーム16がそれぞれ対応する感光体18に導かれるようになっている。ここで、感光体18の表面(外周面)と対向する部位で回転方向(矢印A方向)の上流側には、感光体18の表面を帯電する帯電器20が設けられている。
また、感光体18の回転方向で帯電器20よりも下流側には、帯電器20による帯電及び光走査装置14による露光で形成された感光体18上の静電潜像を各色のトナー(現像剤)で現像する現像器22が設けられている。そして、感光体18の回転方向で現像器22よりも下流側には、現像器22で現像されたトナー像が一次転写される中間転写ベルト28が配置されている。中間転写ベルト28は、一例として、ポリイミドあるいはポリアミドといった樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。
さらに、感光体18と中間転写ベルト28とが対向する位置で中間転写ベルト28の内側には、感光体18上に形成されたトナー像を中間転写ベルト28に転写する一次転写ロール24が配置されている。この一次転写ロール24によって、感光体18から中間転写ベルト28に一次転写を行う一次転写部25が構成されている。
一次転写ロール24は、図示しないシャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とを有している。シャフトは、一例として、鉄、SUSといった金属で構成された円柱棒であり、スポンジ層は、一例として、カーボンブラック(導電剤)を配合したゴムで形成されている。
また、一次転写ロール24は、中間転写ベルト28を挟んで感光体18に対向しており、図示しない電圧印加手段によって、各トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加されるようになっている。これにより、感光体18Y、18M、18C、18K上のトナー像が中間転写ベルト28に順次、静電吸引され、中間転写ベルト28上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。なお、感光体18の回転方向で一次転写ロール24よりも下流側には、感光体18上の一次転写後の残留トナーを除去するクリーナ26が設けられている。
一方、中間転写ベルト28の内側には、モータ(図示省略)により回転駆動され中間転写ベルト28を循環移動(周回)させる駆動ロール30と、各感光体18Y、18M、18C、18Kの配置方向に沿って略直線状に延びるように、中間転写ベルト28を支持する支持ロール32とが設けられている。この構成により、中間転写ベルト28は、矢印B方向に循環移動されるようになっている。
また、中間転写ベルト28の内側には、中間転写ベルト28に対して張力を付与すると共に中間転写ベルト28の蛇行を防止する補助ロール34が設けられている。さらに、中間転写ベルト28の移動方向下流側には、中間転写ベルト28上のトナー像を記録媒体P(用紙等)上に転写する転写部の一例としての二次転写部42が設けられている。
二次転写部42は、中間転写ベルト28のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール38と、中間転写ベルト28の裏面側に配置された支持ロール36とによって構成されている。二次転写ロール38は、一次転写ロール24と同様の層構成及び材質となっている。また、二次転写ロール38は、支持ロール36とで中間転写ベルト28を挟むように支持ロール36に向けて接触配置されている。
支持ロール36は、二次転写ロール38の対向電極を構成しており、支持ロール36に対して接触配置された金属製の給電ロール40を介して二次転写バイアスが印加されるようになっている。ここで、二次転写ロール38は、接地されるとともに支持ロール36との間に二次転写バイアスが印加されることにより、二次転写部42に搬送される記録媒体P上に中間転写ベルト28上のトナー像を二次転写するようになっている。
中間転写ベルト28の移動方向における二次転写部42よりも下流側には、二次転写後の中間転写ベルト28上の残留トナーや紙粉を除去する中間転写ベルトクリーナ46が、中間転写ベルト28に対して接離自在に設けられている。中間転写ベルトクリーナ46における中間転写ベルト28の内側には、支持ロール44が設けられている。そして、中間転写ベルト28の移動方向における一次転写ロール24Yよりも上流側で且つ中間転写ベルト28の内側の位置には、各トナーによる画像形成のタイミングを合わせるための基準信号を発生する位置センサ48が設けられている。
位置センサ48は、中間転写ベルト28の裏側に設けられた検出用マーク(図示省略)からの反射光を検知して基準信号を発生するようになっている。この基準信号に基づいて、前述の制御部19が画像形成装置10の各部を動作させ、画像形成を開始するようになっている。また、一次転写ロール24Kの下流側で中間転写ベルト28の外側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が設けられている。
一方、筐体12の下部には、記録媒体Pを収納する用紙収納部50が設けられている。用紙収納部50の一方端(記録媒体Pの送り出し側)には、記録媒体Pを設定されたタイミングで送り出して搬送する送出ロール52が設けられている。送出ロール52の上方には、モータ及びギアを含む駆動手段(図示省略)で回転駆動され、送出ロール52によって送り出された記録媒体Pを二次転写部42に搬送する複数の搬送ロール54、56が設けられている。また、記録媒体Pの搬送方向における搬送ロール56の下流側には、記録媒体Pを二次転写部42へ送り込む搬送部58が設けられている。
二次転写部42における記録媒体Pの送出方向には、トナー像の二次転写が終了した記録媒体Pを後述する定着装置60へ搬送する搬送ベルト53が設けられている。搬送ベルト53は、支持ロール57、駆動ロール59、及び図示しないモータ及びギアを有する駆動手段によって、循環移動可能に設けられている。定着装置60の入口側には、記録媒体Pを定着装置60に案内するガイド51が設けられている。また、定着装置60の出口側には、画像形成装置10の筐体12に固定された用紙集積部47が設けられている。
(画像形成動作)
次に、画像形成装置10における、記録媒体Pへ画像を形成する画像形成動作について説明する。
図示しない画像読取装置やパーソナルコンピュータから出力された画像データが、図示しない画像処理装置によって画像処理を施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、光走査装置14Y、14M、14C、14Kにそれぞれ出力される。
光走査装置14Y、14M、14C、14Kでは、入力された色材階調データに応じて光ビーム16Y、16M、16C、16Kを各感光体18Y、18M、18C、18Kに照射する。感光体18Y、18M、18C、18Kは、予め帯電器20Y、20M、20C、20Kによって表面が帯電されており、光ビーム16Y、16M、16C、16Kによって表面が露光され静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像器22Y、22M、22C、22Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
続いて、感光体18Y、18M、18C、18K上に形成されたトナー像は、一次転写部25において中間転写ベルト28上に転写される。この転写は、一次転写ロール24Y、24M、24C、24Kにより中間転写ベルト28に対しトナーの帯電極性(一例としてマイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト28の表面に順次重ね合わせることで行われる。そして、トナー像は、中間転写ベルト28によって二次転写部42に搬送される。
一方、トナー像が二次転写部42に搬送されるタイミングに合わせて送出ロール52が回転し、用紙収納部50から記録媒体Pが送り出される。そして、送出ロール52により送り出された記録媒体Pは、搬送ロール54、56により搬送され、搬送部58を経て二次転写部42に到達する。この二次転写部42に到達する前に記録媒体Pは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト28の移動タイミングに合わせて位置合せロール(図示省略)が回転することで、記録媒体Pの位置とトナー像の位置との位置合せが行われる。
二次転写部42では、中間転写ベルト28を介して、二次転写ロール38が支持ロール36に押圧されている。ここで、トナー像の搬送に合わせて搬送された記録媒体Pは、中間転写ベルト28と二次転写ロール38との間に挟み込まれる。また、このとき、給電ロール40から支持ロール36へ二次転写バイアスが印加され転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト28上に保持された未定着のトナー像は、二次転写ロール38と支持ロール36とによって押圧され、記録媒体P上に一括して静電転写される。
続いて、トナー像が転写された記録媒体Pは、中間転写ベルト28から剥離された状態で搬送ベルト53へと搬送され、さらに定着装置60まで搬送される。そして、定着装置60に搬送された記録媒体P上の未定着のトナー像は、定着装置60の接触部N(図2参照)において加熱及び加圧によって記録媒体P上に定着される。定着後の記録媒体Pは、矢印C方向に排出され、用紙集積部47に集積される。なお、記録媒体Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト28上に残った残留トナーは、中間転写ベルト28の回転移動に伴って中間転写ベルトクリーナ46まで搬送され、中間転写ベルト28上から除去される。このようにして、画像形成装置10の画像形成が行われる。
(定着装置60の構成)
次に、記録媒体P(被搬送材の一例)を搬送する搬送装置の一例としての定着装置60の構成について説明する。図2は、定着装置60の構成を示す概略図である。
定着装置60は、図2に示されるように、環状のベルトの一例としての加圧ベルト62と、加圧ベルト62の外周面との間に記録媒体Pを挟んで加圧ベルト62と共に回転し、記録媒体Pを搬送する搬送体の一例としての加熱ロール61と、を備えている。加圧ベルト62の内周には、加圧ベルト62における記録媒体Pを挟む部分を加熱ロール61に対して加圧する加圧部材63と、加圧ベルト62を支持する支持部材としてのベルトガイド65と、が設けられている。また、加圧ベルト62の内周面と加圧部材63との間には、回転する加圧ベルト62がすべり接触する接触部材の一例としての膜状(シート状)の接触シート64(摺動シート)が設けられている。
(加熱ロール61)
加熱ロール61は、図示しない駆動モータにより矢印D方向に回転するようになっている。加熱ロール61は、記録媒体Pを加熱する加熱部材として機能するものであり、金属製のコア(円筒状芯金)611の外周に耐熱性弾性体層612、および離型層613を積層して構成されている。
加熱ロール61の内部には、発熱源としてのハロゲンヒータ614が設けられている。一方、加熱ロール61の表面には温度センサ69が接触して配置されている。この温度センサ69による温度計測値に基づいて、ハロゲンヒータ614の点灯が制御され、加熱ロール61の表面温度が予め定められた設定温度(例えば、150℃)に維持されるようになっている。
ここでコア(基材)611を構成する素材としては、例えば、鉄、アルミニウム、SUS等の熱伝導率の高い金属が挙げられる。コア611の外径としては、通常、20mm〜40mmである。また、肉厚としては、その材料によっても異なるが、アルミニウムを用いた場合では、通常1mm〜3mmであり、SUSや鉄を用いた場合には、通常0.5mm〜1.5mm程度である。
耐熱性弾性体層612を構成する素材としては、耐熱性の高い弾性体が用いられる。特に、硬度が15°〜45°(JIS−A)程度のゴム、エラストマー等の弾性体を用いるのが好ましい。具体的には、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等が用いられる。また、耐熱性弾性体層612の厚みとしては、通常0.1mm〜3mm、望ましくは、0.3mm〜1mm程度である。
離型層613を構成する素材としては、耐熱性の樹脂(例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等)が用いられる。離型層613のトナーに対する離型性や耐摩耗性の観点から、フッ素樹脂が適している。フッ素樹脂としては、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)や、それらの複合材料が挙げられる。また、フッ素樹脂としては、それらの樹脂にカーボンやアルミナ、シリカ、硫酸バリウムのようなフィラーを配合したものでもよい。離型層613の厚みとしては、望ましくは5μm〜50μm、より望ましくは10μm〜40μmである。
(加圧ベルト62)
加圧ベルト62は、その内周に設けられた加圧部材63及びベルトガイド65と、加圧ベルト62の軸方向両端部に配置された図示しないエッジガイドと、によって回転(周回(循環))可能に支持されている。加圧ベルト62は、加熱ロール61の回転に従動して、矢印E方向に回転するようになっている。
加圧ベルト62としては、例えば、原形が直径30mmの円筒形状に形成された、継ぎ目がない無端ベルトが用いられる。加圧ベルト62は、ベース層と、このベース層の加熱ロール61側の面または両面に被覆された離型層とから構成されている。
ここで、ベース層を形成する素材としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルイミド等のポリマーや、ニッケル合金、SUS等の金属等が挙げられる。また、ベース層の厚みとしては、可とう性と低熱容量を満たしつつ耐久性を保つだけの厚みを有することが好ましい。そのような厚みとしては、材料によって異なるが、樹脂であれば、通常20μm〜150μm程度、金属であれば、通常10μm〜100μm程度である。
ベース層の表面に被覆される離型層を形成する素材としては、トナー離型性と耐熱性とを有する素材であることが好ましい。具体的には、例えば、フッ素樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。フッ素樹脂としては、例えば、PFA、PTFE、FEPや、それらの複合材料、又は、それらの樹脂にカーボンやアルミナ、シリカ、硫酸バリウムのようなフィラーを配合したものが挙げられる。離型層の厚みとしては、磨耗に対する耐久性と熱伝導や熱容量やコストとのバランスのとれた厚みであることが好ましい。そのような厚みとしては、通常10μm〜100μm程度である。
(加圧部材63)
加圧部材63は、加圧ベルト62を加熱ロール61へ向けて押し当てて、加熱ロール61と加圧ベルト62との間に接触部N(ニップ部)を形成し、この接触部Nにおいて、記録媒体Pが挟まれるようになっている。
加圧部材63は、具体的には、加熱ロール61の外周面に沿った凹状の表面形状を有する第1部材631と、側断面視にてコの字状(Uの字状)に形成され第1部材631に対する加圧ベルト62のベルト回転方向上流側及び下流側で後述の接触シート64に接触する第2部材632と、を有している。
なお、加圧部材63においては、第1部材631と、第2部材632における第1部材631に対するベルト回転方向下流側部分とで、加圧ベルト62を加熱ロール61へ向けて加圧している。
第1部材631を形成する素材としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性体や、板バネ等が用いられる。第2部材632を形成する素材としては、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂や、それらの樹脂にガラスファイバー等を添加し強化した材料、又は鉄、アルミニウム、SUS等の金属が用いられる。
なお、接触部Nの下流側には、加熱ロール61から記録媒体Pを剥離させるための剥離部材70が設けられている。剥離部材70は、加熱ロール61の回転方向Dと対向する向き(カウンタ方向)に、加熱ロール61と近接する状態で配置される剥離バッフル71と、剥離バッフル71を保持するホルダ72とで構成されている。
(ベルトガイド65)
ベルトガイド65は、加圧ベルト62の回転軸方向に沿って長さを有すると共に、加圧部材63に対するベルト回転方向下流側(図2における左下側)に配置されている。ベルトガイド65は、加圧ベルト62の周方向の一部に沿って形成されたリブ65Aを、加圧ベルト62の軸方向に複数有している。このリブ65Aに対して、回転する加圧ベルト62がすべり接触するようになっている。ベルトガイド65は、加圧部材63と共に、金属製の保持部材67によって保持されている。
ベルトガイド65を形成する素材としては、加圧ベルト62の内周面と擦れるため、摩擦係数が低く、かつ、加圧ベルト62から熱を奪い難いように熱伝導率が低い材質が適している。具体的には、例えば、PFAやPPS等の耐熱性樹脂が用いられる。
(接触シート64)
接触シート64は、図3(A)に示されるように、加圧ベルト62の軸方向(X方向)に沿って長さを有する矩形状をした膜体(シート体)で構成されている。接触シート64は、無負荷状態において、加圧ベルト62の半径よりも大きい曲率半径を有し、又は、平面状(フラット状)とされている。
具体的には、接触シート64は、図3(B)に示されるように、加圧ベルト62と加圧部材63との間に挟み込まれ、回転する加圧ベルト62がすべり接触する被挟込部64Aと、被挟込部64Aに対するベルト回転方向上流側(図3における下側)に形成され被挟込部64Aよりも剛性が高い高剛性部64Bと、を有している。
接触シート64は、具体的には、第1シート641と、第1シート641における加圧ベルト62とは反対側(ベルト内方側(図3(B)における右面))であってベルト回転方向上流側部分(図3における下側部分)に対して重ねられた第2シート642と、を有している。
このように、本実施形態では、別部材(第1シート641及び第2シート642)を重ねることで、接触シート64の厚みを部分的に厚くすることで、高剛性部64Bを構成している。また、本実施形態では、第1シート641におけるベルト内方側の表面に対して第2シート642を重ねることで、高剛性部64Bが被挟込部64Aよりもベルト内方側へ張り出している。
第1シート641と第2シート642との重ね合わせは、第1シート641と第2シート642とを加熱融着等により貼り合わせる構成であってもよい。また、第1シート641と第2シート642とを貼り合わせずに重ねた状態で後述の支持部材66によって支持されるようにしてもよい。
接触シート64(第1シート641及び第2シート642)を構成する素材としては、摩擦係数が小さく、耐摩耗性・耐熱性に優れた材質が適している。具体的には、例えば、ポリイミドやポリアミドイミド等の耐熱性樹脂シート、PFAやPTFE等のフッ素樹脂製シート、ガラス繊維やアラミド繊維で織ったフッ素樹脂を含浸したクロスシート、シンタード成型したPTFE樹脂シート、フッ素樹脂を含浸させたガラス繊維シート、またガラス繊維にフッ素樹脂からなるフィルムシートを加熱融着しサンドイッチした積層シート、等が用いられる。
第2シート642には、第1シート641と同一の素材を用いてもよいし、異なる素材(第1シート641よりも弾性率が高い素材)を用いてもよい。また、第2シート642は、加圧ベルト62のベルト内面と接触していない構成を取れるため、耐熱性は必要であるが、必ずしも低摩擦性、耐摩耗性は必要ではない。従って、第2シート642として、SUSやニッケル合金等の薄膜シートを用いることも可能である。また、第1シート641及び第2シート642の厚みは、同一であっても、異なっていてもよい。
被挟込部64Aは、加圧ベルト62の可撓性による接触部Nにおける加圧状態を損なわない観点から、加圧ベルト62の剛性よりも低い剛性を有している。被挟込部64Aの厚みとしては、例えば、30μm〜500μm、望ましくは、50μm〜250μmの範囲に設定される。高剛性部64Bは、加圧ベルト62の剛性以上の剛性を有している。高剛性部64Bの厚みは、加圧ベルト62及び高剛性部64B等の材質によって変わる。例えば、加圧ベルト62がポリイミドであり、高剛性部64Bもポリイミドの場合、高剛性部64Bは少なくとも加圧ベルト62と同等以上の膜厚が必要であり、さらに言うと、1.2倍以上の膜厚が好ましい。高剛性部64Bがフッ素樹脂含浸ガラスクロスシートの場合、加圧ベルト62の剛性以上となればよく、加圧ベルト62の膜厚によって変わるが、およそ100μm〜1000μmが良い。高剛性部64BがSUS製の場合、材料自体の剛性が高いため、膜厚としては薄くてもよく、例えば、10μm〜100μmの範囲に設定される。また、加圧ベルト62の基材材質がSUSである場合、SUSの剛性が高いため、高剛性部64Bの膜厚は、上記の加圧ベルト62がポリイミド材質であった場合に比べ、厚みが必要となる。高剛性部64BがSUS製の場合は少なくとも加圧ベルト62と同等以上の膜厚が必要であり、さらに言うと、1.2倍以上の膜厚とすることが好ましい。
高剛性部64Bにおけるベルト回転方向上流側部分は、図2に示されるように、加圧ベルト62の軸方向に沿って配置された支持部材66によって支持されている。具体的には、当該ベルト回転方向上流側部分は、支持部材66によって、加圧ベルト62の内周面に対して、加圧ベルト62の軸方向の一端部から他端部に亘って押し当てられている。これにより、高剛性部64Bが加圧ベルト62の軸方向の一端部から他端部に亘って加圧ベルト62に接触した状態が維持され、回転する加圧ベルト62は、高剛性部64Bに対してすべり接触するようになっている。なお、支持部材66は、保持部材67に保持されている。
なお、加圧ベルト62の内周には、加圧ベルト62の内周面に接触する潤滑剤塗布部材68が設けられている。潤滑剤塗布部材68が、加圧ベルト62の内周面にアミノ変性シリコーンオイル等の潤滑剤を供給することで、加圧ベルト62と接触シート64とのすべり抵抗が低減されるようになっている。加圧ベルト62と接触シート64との間に潤滑剤を供給する場合には、そのオイル保持性の観点から、第1シート641における加圧ベルト62側表面(図3(B)における左面)に凹凸を持たせることが好適である。
(本実施形態の作用)
本実施形態では、接触部Nにて、加圧ベルト62と加熱ロール61とが、記録媒体Pを挟んで共に回転することで記録媒体Pを搬送しながら、加熱ロール61による加熱、加圧ベルト62による加圧により、記録媒体Pに転写されたトナー像が、記録媒体Pに定着される。
ここで、加熱ロール61と加圧ベルト62とのアライメントのばらつき(加熱ロール61の回転軸に対する加圧ベルト62の回転軸の傾き)や、記録媒体Pの接触部Nの通過等に起因して、接触部Nに対するベルト回転方向上流側において、加圧ベルト62が軸方向中央部で凹状に変形しようとする。加圧ベルト62の軸方向中央部が凹状に変形した場合では、凹部状に変形した部分が元の形状に戻るときに異音が発生したり、凹状に変形した状態で加圧ベルト62が接触部Nに突入することで加圧ベルト62がしわになったりする。
これに対して、本実施形態では、加圧ベルト62における接触部Nに対するベルト回転方向上流側部分に対して、接触シート64の高剛性部64Bが接触することで、当該ベルト回転方向上流側部分が支持される。また、高剛性部64Bは、加圧ベルト62の軸方向の一端部から他端部に亘って加圧ベルト62の内周面に接触しており、加圧ベルト62における当該ベルト回転方向上流側部分は、加圧ベルト62の軸方向の一端部から他端部に亘って支持されている。
これにより、接触部Nに対するベルト回転方向上流側において、加圧ベルト62の軸方向中央部で凹みの発生が抑制される。このため、前述のような、加圧ベルト62のしわや、異音の発生が抑制される。また、本実施形態では、第1シート641におけるベルト内方側表面に対して第2シート642を重ねているので、加圧ベルト62側に段差等ができず、接触シート64による加圧ベルト62のすべり抵抗が低減される。
(変形例)
前述の接触シート64は、第1シート641と第2シート642とが、重ねられて構成されていたが、接触シート64としては、図4(A)(B)示されるように、単一の部材で構成されていてもよい。この構成においても、高剛性部64Bが被挟込部64Aよりもベルト内方側へ張り出して、厚みが厚くされることが望ましい。また、被挟込部64Aから高剛性部64Bとの間には、被挟込部64Aから高剛性部64Bへかけて、徐々に変化するように傾斜する変化部64Cが形成されている。なお、変化部64Cも、被挟込部64Aよりも厚みが厚く、剛性が高いので、高剛性部64Bの一部と把握してもよい。
また、前述の接触シート64では、被挟込部64Aに対するベルト回転方向上流側に、高剛性部64Bが形成されていたが、これに替えて、図5(A)、(B)に示されるように、被挟込部64Aに対するベルト回転方向下流側(図5における上側)に高剛性部64Bを形成してもよい。さらに、図5(C)、(D)に示されるように、被挟込部64Aに対するベルト回転方向上流側及び回転方向下流側の両方に、高剛性部64Bを形成してもよい。このように被挟込部64Aに対するベルト回転方向下流側(図5における上側)に高剛性部64Bを形成することにより、加圧ベルト62における接触部Nに対するベルト回転方向下流側部分が、接触シート64の高剛性部64Bによって支持されるので、接触部Nに対するベルト回転方向下流側において、加圧ベルト62の軸方向中央部で凹みの発生が抑制される。このため、異音の発生が抑制される。なお、本構成では、ベルト回転方向下流側部分の高剛性部64Bは、図6に示されるように、例えば、ベルトガイド65(支持部材の一例)によって支持され、加圧ベルト62の内周面に対して押し当てられるようにされる。これにより、高剛性部64Bが加圧ベルト62に接触した状態が維持され、回転する加圧ベルト62が、高剛性部64Bに対してすべり接触する。
さらに、前述の接触シート64では、被挟込部64Aよりも厚みを厚くすることで高剛性部64Bが構成されていたが、高剛性部64Bとして、被挟込部64Aよりも弾性率が高い素材を用いる場合では、図7に示されるように、高剛性部64Bの厚みが、被挟込部64Aの厚み以下となった構成であってもよい。
(評価)
定着装置60を備える画像形成装置10としてのプリンタ(富士ゼロックス株式会社製:カラー複合機 DCC6550)に対して、以下の実施例1〜3及び比較例1の接触シート64を適用し、20万枚を連続プリントするランニング試験を実施し、初期と経時(初期から20万枚プリントした後)でプリントした際のベルト変形状態と駆動トルク及びプリントの画質を確認した。
定着装置60の加熱ロール61は、外径26mm、肉厚1.8mm、長さ360mmである円筒状鉄製のコア611の外周面に、厚さ600μmのシリコーンHTVゴム(ゴム硬度33度:JIS−A)の耐熱性弾性体層612が設けられ、この耐熱性弾性体層612の表面に、厚さ30μmのテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)のチューブが離型層613として被覆され、鏡面状態に近い表面に仕上げられている。加熱ロール61のコア611の内部には、加熱源としてハロゲンランプ(800w)が設けられている。加熱ロール61の表面温度は、加熱ロール61の表面に接触する感温素子である温度センサ69に基づき175℃に制御した。
加圧ベルト62は、周長94mm、厚さ80μm、幅344mmの熱硬化性ポリイミド樹脂を基材とし、この基材の外周面に、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を厚さ30μmにコーティングして離型層が形成されている。
加圧ベルト62を押圧する加圧部材63は、幅6mm、厚さ5mm、長さ340mmのシリコーンゴムからなる支持体上に、実施例1〜3及び比較例1に示す接触シート64が設けられ、接触シート64表面には、予め潤滑剤として粘度300cStのアミノ変性シリコーンオイル、(KF8009A:信越化学(株)製)を、0.3cc塗布した。接触シート64の大きさは、幅340mm、長さ60mmとし、加圧部材63は、加圧ベルト62を介して圧縮コイルスプリングにより加熱ロール61を34.5kgの荷重で加圧している。
潤滑剤塗布部材68は、潤滑剤として、300cStのアミン変性シリコーンオイルを1.5cc塗布している。加熱ロール61への加圧ベルト62の巻き付け角度は約27°であり、接触部Nの幅は、約7mmであった。モータから加熱ロール61に伝達された駆動力により、加熱ロール61及び加圧ベルト62を、速度264mm/secで回転させた。
(実施例1)
第1実施例では、第1シート641及び第2シート642として、ガラスクロスに変性PTFEを含浸させたフッ素樹脂含浸ガラスクロスシート(中興化成工業株式会社製 FGF300-4)の両面に変性PTFEの非多孔質シートを加熱融着(ラミネート)し140μmのシートを用いた。
そして、図3に示されるように、第1シート641におけるベルト内方側表面であってベルト回転方向上流側部分に対して、第2シート642を重ねることで、高剛性部64Bを構成した接触シート64を作成した。第1シート641及び第2シート642は、貼り合わせずに重ねた状態で支持部材66によって支持されている。
実施例1において、初期と経時(初期から20万枚プリントした後)でプリントした際のベルト変形状態と駆動トルク及びプリントの画質を確認した結果、ベルトの凹みに起因するしわや異音は未発生であり、初期と経時で駆動トルクは0.41Nmと変動がなく、画質も極めて良好であった。又、そのまま更に通紙し、30万枚まで通紙したが問題なかった。
(実施例2)
第2実施例では、第1シート641として、ガラスクロスに変性PTFEを含浸させたフッ素樹脂含浸ガラスクロスシート(中興化成工業株式会社製 FGF300-4)の両面に変性PTFEの非多孔質シートを加熱融着(ラミネート)し140μmのシートを用いた。第2シート642として、熱硬化性ポリイミド(宇部興産製ユーピレックスS)の100μmのシートを用いた。
そして、図3に示されるように、第1シート641におけるベルト内方側表面であってベルト回転方向上流側部分に対して、第2シート642を重ねることで、高剛性部64Bを構成した接触シート64を作成した。第1シート641及び第2シート642は、貼り合わせずに重ねた状態で支持部材66によって支持されている。
実施例2において、初期と経時(初期から20万枚プリントした後)でプリントした際のベルト変形状態と駆動トルク及びプリントの画質を確認した結果、ベルトの凹みに起因するしわや異音は未発生であり、初期と経時で駆動トルクは0.39Nmと変動がなく、画質も極めて良好であった。又、そのまま更に通紙し、30万枚まで通紙したが問題なかった。
(実施例3)
実施例3では、接触シート64として、変性PTFE(ダイキン工業株式会社製 ニューポリフロンM112M<融点310℃>)を金型に充填してシンタード成形し、図4に示す所望の形状としたものを用いた。実施例3の接触シート64では、被挟込部64Aの厚みを120μmとし、高剛性部64Bの厚みを300μmとした。被挟込部64Aから高剛性部64Bとの間には、被挟込部64Aから高剛性部64Bへかけて、徐々に変化するように傾斜する変化部64Cが形成されている。
実施例3において、初期と経時(初期から20万枚プリントした後)でプリントした際のベルト変形状態と駆動トルク及びプリントの画質を確認した結果、ベルトの凹みに起因するしわや異音は未発生であり、初期と経時で駆動トルクは0.45Nmと変動がなく、画質も極めて良好であった。又、そのまま更に通紙し、30万枚まで通紙したが問題なかった。
(比較例1)
比較例1では、接触シート64として、図8に示されるように、ガラスクロスに変性PTFEを含浸させたフッ素樹脂含浸ガラスクロスシート(中興化成工業株式会社製 FGF300-4)の両面に変性PTFEの非多孔質シートを加熱融着(ラミネート)し140μmのシートのみを用いた。なお、接触部Nに対するベルト回転方向上流側には、図9に示されるように、接触部Nに対するベルト回転方向下流側にあるベルトガイド65と同様のものを配置した。
比較例1において、初期と経時(初期から20万枚プリントした後)でプリントした際のベルト変形状態と駆動トルク及びプリントの画質を確認した結果、2500枚からベルトの凹みによる異音が発生し、5000枚でベルトしわによる用紙ダメージと定着不良が発生した。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成しても良い。
10 画像形成装置
42 二次転写部(転写部の一例)
60 定着装置(搬送装置の一例)
61 加熱ロール(搬送体の一例)
62 加圧ベルト(ベルトの一例)
63 加圧部材
64B 高剛性部
64 接触シート(接触部材の一例)
64A 被挟込部
P 記録媒体(被搬送材の一例)

Claims (9)

  1. 環状のベルトと、
    前記ベルトの外周面との間に被搬送材を挟んで前記ベルトと共に回転し、該被搬送材を搬送する搬送体と、
    前記ベルトの内周に設けられ、前記ベルトにおける前記被搬送材を挟む部分を前記搬送体に対して加圧する加圧部材と、
    前記ベルトの前記挟む部分と前記加圧部材との間に挟み込まれる被挟込部と、該被挟込部に対する前記ベルトの回転方向上流側に形成され該被挟込部よりも剛性が高い高剛性部と、を有し、前記ベルトがすべり接触する接触部材と、
    を備える搬送装置。
  2. 前記接触部材は、膜状に形成されている請求項1に記載の搬送装置。
  3. 前記高剛性部は、前記ベルトの剛性以上の剛性を有する請求項1又は2に記載の搬送装置。
  4. 前記高剛性部は、前記被挟込部よりも厚みが厚いことで、剛性が高くされている請求項1〜3のいずれか1項に記載の搬送装置。
  5. 前記高剛性部は、前記ベルトとは反対側へ前記被挟込部よりも張り出すことで、厚みが厚くされている請求項4に記載の搬送装置。
  6. 前記高剛性部は、別部材を重ねることで、厚みが厚くされている請求項4又は5に記載の搬送装置。
  7. 環状のベルトと、
    前記ベルトの外周面との間に被搬送材を挟んで前記ベルトと共に回転し、該被搬送材を搬送する搬送体と、
    前記ベルトの内周に設けられ、前記ベルトにおける前記被搬送材を挟む部分を前記搬送体に対して加圧する加圧部材と、
    前記ベルトの前記挟む部分と前記加圧部材との間に挟み込まれる被挟込部と、該被挟込部に対する前記ベルトの回転方向上流側及び下流側の少なくとも一方に形成され該被挟込部よりも剛性が高い高剛性部と、を有し、前記ベルトがすべり接触する接触部材と、
    を備え、
    前記高剛性部は、前記被挟込部と異なる材料を用いることで剛性が高くされている搬送装置。
  8. 前記ベルトと前記搬送体とで記録媒体を搬送しながら当該記録媒体に画像を定着する請求項1〜7のいずれか1項に記載の搬送装置としての定着装置。
  9. 画像を記録媒体に転写する転写部と、
    前記転写部によって記録媒体に転写された画像を記録媒体に定着させる請求項8に記載の定着装置と、
    を有する画像形成装置。
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