JP2011150027A - 画像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニップ内の圧抜けが減少され、光沢ムラなどの画像不良の発生が抑制された画像加熱装置を提供する。
【解決手段】記録材P上の画像をニップNにおいて加熱する加熱回転体51と、加熱回転体との間に記録材を挟持して搬送するニップNを形成する無端状のベルト52と、記録材の搬送方向におけるニップNの上流側端部側においてベルトを加熱回転体に向けて押圧するパッド部材100と、記録材の搬送方向におけるニップNの下流側端部側においてベルトを加熱回転体に向けて押圧してベルトとともに回転するローラ56と、ベルトの内周面とパッド部材との間及びベルトの内周面とローラとの間の両方に挟持され、ニップNの全域にわたりベルトの内周面に接触すると共に、ベルト及びローラが回転することでベルトの内周面及びローラに対して摺動するシート部材103と、を有する構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、複写機、プリンタ、FAXなどの画像形成装置に用いられ、記録材上に形成されたトナー画像を加熱する画像加熱装置に関する。
画像加熱装置としては、記録材上の未定着画像を定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢増大化装置を挙げることができる。
従来、特許文献1に記載された、定着ローラとベルトとを用いたベルト定着装置が考案されている。ベルト定着装置においては、記録材の搬送方向に沿う定着ニップ幅(定着ローラとベルトとの接触部である定着ニップの幅)を、ベルトの定着ローラに対する腹当て幅の調整により容易に大きく設定することが可能である。従って、定着ニップ幅を定着ローラの径に依存させずに確保できるため、定着ローラを小径、小熱容量にすることが可能となり、立ち上げ時間を短縮できる。つまり、ベルト定着装置は、より多くのトナーを溶融させることができるので、カラー画像形成装置などの多量のトナーを使用する画像形成装置に適している。
図7は、上記特許文献1に記載されたベルト定着装置の概略断面を示す。ベルト定着装置5は、回転自在に配設された定着ローラ51と、この定着ローラ51の下側に配設されたベルトユニット53とを有する。
定着ローラ51の内部には、ハロゲンランプなどのヒーター58が配設されている。又、定着ローラ51にはサーミスタ(図示せず)が接触又は非接触に配設されており、温度調節回路を介してヒーター58への電圧を制御することにより、定着ローラ51の表面の温度調節が行われる。
図8は、ベルトユニット53の定着ニップNの近傍の断面をより詳しく示す。ベルトユニット53は、可撓性を有する無端状のベルト(エンドレスベルト)である定着ベルト52を有する。又、ベルトユニット53は、定着ベルト52が懸け回されて張設された複数のベルト支持部材としての入口ローラ55、分離ローラ56及びテンションローラ57の3本のローラを有する。又、ベルトユニット53は、加圧パッド(圧力付与部材)100を有する。加圧パッド100を覆って、滑性シート103が設けられている。
分離ローラ56及び加圧パッド100が定着ベルト52を介して定着ローラ51に圧接することで、定着ローラ51と定着ベルト52との接触部である定着ニップNが、記録材Pの搬送方向において幅広に形成される。
図9は、定着ニップNの記録材Pの搬送方向に沿う圧力分布の一例を示している。グラフAは従来のベルト定着装置(ベルトニップ方式)の場合である。グラフBは、従来のローラ対を用いたローラ定着装置(ローラ定着方式)の場合である。グラフCは、従来のローラ定着装置において、定着ローラの外径をなるべく大きくしないで定着ニップ幅を広げるために、定着ローラの弾性体層を厚くし、且つ、定着ローラと加圧ローラとの加圧力を増大させて弾性体層の変形量を多くした場合である。
ベルト定着装置は、定着ニップ幅W1をローラ定着装置の定着ニップ幅W2よりも大幅に広くすることができる点でメリットがある。グラフCの加圧力を増大させたローラ定着装置の定着ニップ幅W3は、グラフBのローラ定着装置の定着ニップ幅W2よりも多少広くなる。しかし、定着ニップ幅を広げる効果は小さく、弾性体層が厚いことで熱容量が大きくなり、省エネに対して不利である。
図8に示すように、ベルト定着装置5の定着ニップNには、加圧パッド100により形成される部分(加圧パッドニップ)N1と、分離ローラにより形成される部分(分離ローラニップ)N2と、がある。更に、この定着ニップNには、加圧パッドニップN1と分離ローラニップN2との間に、定着ベルト52の内周面を定着ローラ51に向けて押圧する部材の無い部分(隙間)Gが存在する。この隙間Gは、図9のグラフAにおける圧力低下部A’に対応する。図9に示すように、隙間Gの圧力もゼロではなく、定着ベルト52の張力により実質的に圧力が連続的につながっている。
しかしながら、ベルト定着装置では、コート紙などの透気性の低い記録材を使用した場合に、図10に示すような、ベタ画像上につらら状の光沢の低い部分(以下、単に「光沢ムラ」ともいう。)が発生することがある。
即ち、コート紙などの透気性の低い記録材の場合、定着ニップ内の空気の膨張や水蒸気の発生による画像乱れが発生する。この原因は、次のように考えられる。未定着トナー層内に存在している空気は定着ニップ内の圧力の低い部分(圧力低下部)A’、つまり加圧パッドと分離ローラとの間の領域に滞留する。この空気が部分的に記録材と定着ローラとの界面に空隙を生じさせるとともに、完全に定着が完了していないトナー像を乱してしまう。
図11は、空気の滞留跡を観察したものである。即ち、ベルト定着装置にベタ画像の未定着トナーを載せた記録材を通過させている途中で、ベルト定着装置を停止させて、その記録材をベルト定着装置から取り出して観察したものである。図11の上側が定着済み部、下側が未定着部である。その間の斜線部が定着ニップを通過中であった部分の跡であり、記録材が定着ニップを通過している途中でベルト定着装置を停止させたことで過熱気味となり、高温オフセットとなっている。この高温オフセット部に、加圧パッド部(下部)、分離ローラ部(上部)、及び、加圧パッド部と分離ローラ部との間の高温オフセットが軽微な部分(中央部)をそれぞれ観察することができる。そして、記録材の搬送方向において光沢ムラの上流で、且つ、上記高温オフセットが軽微な加圧パッド部と分離ローラ部との間の低圧力部に、空気の滞留の跡が見られる。滞留した空気は定着ローラと記録材との間にあり、定着ローラから記録材に熱伝導が無いため、高温オフセットが発生していないことが分かる。
普通紙の場合は、透気性が大きいため、トナー層内に存在している空気は、容積の大きい多孔質体である普通紙の内部に保持されるか、又は通過して逃げてしまう。そのため、普通紙の場合は、画像乱れの発生は少ないと考えられる。
更に、特に透気度の低い厚紙コート紙などの記録材の場合、上記低圧力部(図9の圧力低下部A’に対応する。)に、より多くの空気が滞留しやすく、光沢ムラの問題が大きくなる。
尚、空気中の水分量が多い多湿環境下においては、このような問題が顕著に発生しやすい。
この問題に対して、特許文献2に記載のベルト定着装置では、定着ニップ内において、加圧パッドと分離ローラとの間に生じる圧力低下を防ぐために、加圧パッドと分離ローラとの間の空間に滑性シートを一定量充填することが提案されている。
特開平11−045025号公報 特開2006−146156号公報
しかしながら、特許文献2に記載のベルト定着装置においても、加圧パッドと分離ローラとの間には隙間がある。この隙間においては、定着ベルトの内周面を定着ローラの方向に押圧する部材が存在しないため、定着ニップNにおけるこの隙間に対応する位置の圧力の低下は少なからず発生する。そして、その圧力低下部分に起因して光沢ムラが発生することがある。
従って、本発明の目的は、ニップ内の圧抜けが減少され、光沢ムラなどの画像不良の発生が抑制された画像加熱装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像加熱装置にて達成される。要約すれば、本発明は、記録材上の画像をニップにおいて加熱する加熱回転体と、前記加熱回転体との間に前記記録材を挟持して搬送する前記ニップを形成する無端状のベルトと、前記記録材の搬送方向における前記ニップの上流側端部側において前記ベルトを前記加熱回転体に向けて押圧するパッド部材と、前記記録材の搬送方向における前記ニップの下流側端部側において前記ベルトを前記加熱回転体に向けて押圧して前記ベルトとともに回転するローラと、前記ベルトの内周面と前記パッド部材との間及び前記ベルトの内周面と前記ローラとの間の両方に挟持され、前記ニップの全域にわたり前記ベルトの内周面に接触すると共に、前記ベルト及び前記ローラが回転することで前記ベルトの内周面及び前記ローラに対して摺動するシート部材と、を有することを特徴とする画像加熱装置である。
本発明によれば、ニップ内の圧抜けが減少され、光沢ムラなどの画像不良の発生を抑制することができる。
本発明の画像加熱装置の一実施例であるベルト定着装置の概略断面図である。 図1のベルト定着装置の定着ニップの近傍の断面図である。 ベルト定着装置の一実施例における定着ニップの圧力分布を示すグラフ図である。 本発明の画像加熱装置の他の実施例であるベルト定着装置の概略断面図である。 図4の定着装置の定着ニップの近傍の断面図である。 ベルト定着装置の他の実施例における定着ニップの圧力分布を示すグラフ図である。 従来のベルト定着装置の概略断面図である。 図7のベルト定着装置の定着ニップの近傍の断面図である。 従来のローラ定着方式とベルトニップ方式の定着装置における定着ニップの圧力分布を示すグラフ図である。 つらら状の光沢ムラを説明するための模式図である。 つらら状の光沢ムラの原因となる空気の滞留を説明するための模式図である。
以下、本発明に係る画像加熱装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
図1は、本実施例における画像加熱装置としてのベルト定着装置5の概略断面を示す。ベルト定着装置5は、回転自在に配設された定着ローラ51と、この定着ローラ51の下側に配設されたベルトユニット53とを有する。
電子写真画像形成プロセスなどにより形成された未定着のトナー像Tを担持した記録材Pは、当該トナー像Tを担持した面を定着ローラ51側に向けて、定着ローラ51とベルトユニット53の定着ベルト52との接触部である定着ニップNに搬送される。そして、記録材Pは、定着ニップNにおいて加熱及び加圧されることで、その表面にトナー像Tが溶融固着された後に、ベルト定着装置5から排出される。
定着ローラ51の内部には、ハロゲンランプなどのヒーター58が配設されている。又、定着ローラ51にはサーミスタ(図示せず)が接触又は非接触に配設されており、温度調節回路を介してヒーター58への電圧を制御することにより、定着ローラ51の表面の温度調節が行われる。
図2は、ベルトユニット53の定着ニップNの近傍の断面をより詳しく示す。ベルトユニット53は、可撓性を有する無端状のベルト(エンドレスベルト)である定着ベルト52を有する。又、ベルトユニット53は、定着ベルト52が懸け回されて張設された複数のベルト支持部材としての入口ローラ55、分離ローラ56及びテンションローラ57の3本のローラを有する。又、ベルトユニット53は、圧力付与部材としてのパッド部材である加圧パッド100を有する。そして、加圧パッド100を覆って、シート部材としての本実施例では一層構成の滑性シート(摺動シート、低摩擦シート)103が設けられている。以下、ベルトユニット53の構成について更に詳しく説明する。
記録材上の画像を定着ニップNにおいて加熱する加熱回転体(定着回転体)としての定着ローラ51は、厚み2mmのアルミニウム合金からなる芯金51aを有する。この芯金51aの周囲に、弾性層51bとして厚み2mmのシリコーンゴム層が形成されている。又、この弾性層51b上に、離形層としての厚み30μmのPFAチューブ(図示せず)が被覆されている。その結果、定着ローラ51の外径は60mmとされている。本実施例では、定着ローラ51は、駆動源(図示せず)によって図示矢印R1方向に回転駆動される。
無端状のベルトである定着ベルト52は、厚みが100μmのポリイミド製の基層を有する。この基層上に、0.2mm厚のシリコーンゴム層が被覆されている。その結果、定着ベルト52の外径は90mmとされている。尚、本実施例では、定着ベルト52はシームレスベルトとされている。
この定着ベルト52は、入口ローラ55、分離ローラ56及びテンションローラ57の3本のローラに張架されている。これらローラ群は、定着ベルト52と共に回転する。具体的には、定着ベルト52は、駆動源(図示せず)から駆動力が入力された分離ローラ56が図示矢印R2方向に回転することで、その駆動力が伝達されて、図示矢印R3方向に回転(周回移動)する。又、入口ローラ55及びテンションローラ57は、定着ベルト52によって従動回転する。入口ローラ55、分離ローラ56及びテンションローラ57の回転軸線は、いずれも定着ローラ51の回転軸線と平行である。
入口ローラ55は、ベルト定着装置5に記録材Pが進入する入口側に配置されたローラであり、記録材Pの搬送路を変更しないように、回転中心位置が固定されている。
テンションローラ57は、定着ベルト52に所定のテンションを与えるように、付勢手段としてのバネによって付勢されている。
分離ローラ56は、SUS(ステンレス鋼)製の中実のローラであり、記録材Pの搬送方向において、加熱ニップとしての定着ニップNの最下流位置にて、定着ベルト52の内周面側に配置されている。
この分離ローラ56は、付勢手段(加圧機構)としてのバネ(図示せず)によって付勢されて、定着ベルト52を定着ローラ51に向けて加圧する。分離ローラ56は、定着ニップNの下流側端部側において定着ベルト52を定着ローラ51に向けて押圧する。その結果、定着ローラ51の弾性層51bが変形させられている部分において、記録材Pを定着ローラ51の表面から曲率分離させる。即ち、記録材Pは、定着ベルト52及び後述する滑性シート103を介して定着ローラ51の弾性層51bに分離ローラ56が食い込むことにより、図1中の2点鎖線P’で示すように、定着ローラ51の表面から自然に曲率分離される。本実施例では、分離ローラ56の外径は15mmである。又、分離ローラ56は、総圧392N(40kgf)で加圧した。
又、定着ニップNを形成するため、定着ベルト52をその内周面から定着ローラ51に向けて加圧する圧力付与部材としての加圧パッド100が、定着ベルト52の内周面側に設けられている。パッド部材100は、定着ニップNの上流側端部側において定着ベルト52を定着ローラ51に向けて押圧する。
この加圧パッド100は、図2に示すように、ベースプレート102と、その上に積層された弾性体(弾性部材)である弾性層101と、を有する。
更に、弾性層101を被覆するようにシート部材としての滑性シート(摺動シート、低摩擦シート)103が設けられている。滑性シート103は、加圧パッド100と定着ベルト52の内周面との摺動抵抗を軽減する、即ち、弾性層101と定着ベルト52の内周面との摺動抵抗を軽減する機能を有する。滑性シート103としては、PTFEをコーティングしたガラスクロスシートを使用し、潤滑材としてシリコンオイルを塗布した。本実施例では、滑性シート103の厚みは100μmとした。
加圧パッド100は、ベースプレート102側に配置された付勢手段(加圧機構)としてのバネによって、定着ベルト52を介して定着ローラ51に押圧されている。
弾性層101が設けられていることにより、滑性シート103の定着ベルト52の内周面と接触する面である接触面131が、定着ローラ51の外周面と整合可能になっている。即ち、一定以上の荷重によって加圧パッド100を定着ローラ51に向けて押圧すれば、弾性層101が変形し、滑性シート103の接触面131が定着ローラ51の外周面に沿った形状に変形する。従って、加圧パッド100がバネによって定着ベルト52を介して定着ローラ51に押圧されると、定着ベルト52は定着ローラ51に隙間なく圧接される。本実施例では、加圧パッド100は、総圧558N(60kgf)で加圧した。このため加圧パッド100の558Nと、分離ローラ56の392Nとで、総圧980N(100kgf)の加圧力となる。この時、定着ニップN内の加圧パッド100におけるピーク圧は、分離ローラ56におけるピーク圧よりも低くなるように設定されている。
ベースプレート102は、ステンレス鋼製の部材であり、記録材Pの搬送方向下流側の端部が、弾性層101のその側の端部をバックアップするように、定着ローラ51と分離ローラ56との圧接部に向かって楔形状をしている。
弾性層101は、ゴム硬度Hs30°のシリコーンゴムからなる。本実施例では、弾性層101は、半径30mmの曲率をもって定着ローラ51の外周面に沿って湾曲し、定着ニップNの入口部aではベースプレート102と平行に接する形状とした。弾性層101の厚みは3mm、定着ローラ51側の面の周長は20mmとした。
弾性層101を被覆する滑性シート103は、記録材Pの搬送方向上流側から弾性層101の上面の全域を覆い、記録材Pの搬送方向下流側の折り返し部(折り返し位置)132で折り返されている。滑性シート103の折り返し部132は、定着ニップNのうち分離ローラ56により形成される分離ローラニップよりも記録材Pの搬送方向において下流側にある。そのため、滑性シート103は、定着ベルト52を介して、定着ローラ51と分離ローラ56とに挟持されている。滑性シート103は、加圧パッド100に固定されている。つまり、弾性層101の記録材Pの搬送方向上流側に面した外側面111、定着ローラ51側の外側面112、及び記録材Pの搬送方向下流側に面した外側面113が、折り返し部132において折り返された連続した一枚の滑性シート103によって覆われている。又、本実施例では、ベースプレート102の記録材Pの搬送方向上流側に面した外側面121、及び記録材Pの搬送方向下流側に面した外側面122も、連続した滑性シート103により一緒に覆われている。滑性シート103は、可撓性を有し、加圧パッド100及び分離ローラ56によって押圧されることで、定着ベルト52の内周面に整合することができる。
このようにして、滑性シート103は、定着ニップNの入口部aから出口部bまで、連続して定着ベルト52の内周面に接触している。より詳細には、滑性シート103は、定着ニップNのうち加圧パッド100により形成される加圧パッドニップの入口部aから、定着ニップNのうち分離ローラ56により形成される分離ローラニップの出口部bまで、連続して定着ベルト52の内周面に接触している。
尚、本実施例のベルト定着装置5では、後述するように、定着ニップNの入口部aから出口部bまで連続した滑性シート103により定着ベルト52が定着ローラ51に押圧される。従って、図8を参照して前述した従来のベルト定着装置におけるような意味の、即ち、加圧パッド100及び分離ローラ56からの押圧力がかからない隙間Gを間に挟んだ加圧パッドニップN1と分離ローラニップN2とは存在しない。ここでは、説明のために、図8に示す従来のベルト定着装置における加圧パッドニップN1、分離ローラニップN2にほぼ対応する部分を、それぞれ加圧パッドニップ、分離パッドニップとする。
定着動作時に、定着ローラ51と分離ローラ56とが回転駆動されると、滑性シート103は、定着ニップNのうち分離ローラニップ内で、分離ローラ56及び定着ベルト52の内周面と摺動する。これにより、滑性シート103には、当該滑性シート103を記録材Pの搬送方向下流側に引っ張る張力が発生する。滑性シート103は、定着ニップNの加圧パッドニップと分離ローラニップとの間において、定着ベルト52を介して定着ローラ51に巻き付いている。そのため、滑性シート103に上記の張力がかかると、滑性シート103が定着ベルト52を定着ローラ51の方向に押圧する力が発生する。即ち、本実施例のベルト定着装置5は、定着ニップNの加圧パッドニップと分離ローラニップとの間において、定着ベルト52を定着ローラ51に対して押圧する力が作用する。
このように、加圧パッド100を覆う滑性シート(パッドカバー)103を記録材Pの搬送方向下流側に延長し、定着ニップNの分離ローラニップを通過させた後に折り返す。この状態でベルトユニット53が加圧、回転駆動されると、滑性シート103を記録材Pの搬送方向下流側に引っ張るテンションが掛かり、滑性シート103の定着ローラ51側(即ち、定着ベルト52の内周面側)の面が定着ベルト52の内周面に押圧される。これにより、滑性シート103が定着ベルト52の内周面を、加圧パッド100と分離ローラ56との間の全域にわたって連続してバックアップするため、圧抜けが発生しない。滑性シート103は、定着ベルト52と分離ローラ56との間に挟持されるが、定着ベルト52の内周面に対しても、分離ローラ51に対しても摺動性の良い面で接しているため、駆動負荷の増加は小さく抑えられる。
本実施例のベルト定着装置5は、上記構成を有することによって、図3に示すように、従来のベルト定着装置に比べて、定着ニップNの加圧パッドニップと分離ローラニップとの間における圧抜けが発生しにくい。
従って、コート紙などの透気度の低い用紙上の未定着トナー像を定着する場合においても、加圧パッド100と分離ローラ56との境界領域に未定着トナー層内の空気が滞留することを抑制することができる。
そして、空気が、部分的に記録材Pと定着ローラ51との界面に空隙を生じさせるとともに、定着ローラ51から記録材Pへの熱伝導を阻害し、空気の滞留部と非滞留部で該熱伝導が異なることで光沢が異なるという現象を抑制することができる。
尚、定着ニップNの圧力分布は、ニッタ株式会社製のタクタイルセンサシステムを用いて測定した。タクタイルセンサシステムは薄いフィルム上に圧力センサ素子が2次元配置されており、記録材の搬送方向に1.0mmピッチ、記録材の搬送方向と垂直方向に6.6mmピッチの測定が可能である。ここでは、定着ニップの圧力分布は、記録材の搬送方向に垂直な方向のセンサ素子の圧力を積算したものである。図3は、この測定装置により、本実施例のベルト定着装置5と、図8に示すような比較例のベルト定着装置との、定着ニップNの圧力分布を測定した結果を示す。図3において、横軸(X)は定着ニップNの記録材Pの搬送方向に沿う位置を示し、縦軸(P)は位置Xの関数としての圧力Pを示す。定着ニップNの加圧パッドニップでの圧力が最大となる位置をX1とする。位置X1における圧力をP(X1)とする。定着ニップNの分離ローラニップでの圧力が最大となる位置をX2とする。位置X2における圧力をP(X2)とする。位置X1と位置X2との間の圧力をP(X)とする。このときの本実施例、比較例のそれぞれにおける圧力P(X)の最小値を図3に示した。
以上、本実施例によれば、定着ニップN内の加圧パッド100と分離ローラ56との間の領域において、定着ベルト52の内周面を定着ローラ51に向けて押圧する部材を設けることにより、この領域におけるニップ圧の低下を軽減することができる。このため、ニップ圧低下部に空気が滞留することにより生じる画像不良である、光沢ムラの発生を抑制することができる。即ち、定着ニップNの全域にわたり定着ベルト52の内周面を定着ローラに向けて押圧する部材を備えることにより、定着ニップN内の圧抜けが減少され、光沢ムラなどの画像不良の発生を抑制することができる。
尚、本実施例では、滑性シート103の一端部側が加圧パッド100に固定されると共に、折り返し部132において折り返された後に滑性シート103の他端部側も加圧パッド100に固定されるものとして説明した。これにより、滑性シート103を加圧パッド100に安定して固定すると共に、滑性シート103と定着ベルト52の内周面及び分離ローラ56との間を容易に摺動自在とすることができる。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、滑性シート103の記録材Pの搬送方向下流側の端部が折り返されておらず、例えば、定着ニップNの出口部bよりも記録材Pの搬送方向下流側に一方の端部が配置されるようにしてもよい。斯かる構成によっても、滑性シート103が、定着ベルト52の内周面と加圧パッド100との間、定着ベルト52の内周面と分離ローラ56との間の両方に挟持されるようにすることができる。又、滑性シート103を、定着ニップNの全域にわたり定着ベルト52の内周面に接触させると共に、定着ベルト52の内周面及び分離ローラ56に対して摺動自在とすることができる。
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例のベルト定着装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じであるので、実施例1のものと同一又はそれに相当する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
図4は、本実施例のベルト定着装置5の概略断面を示す。又、図5は、ベルトユニット53の定着ニップNの近傍の断面をより詳しく示す。
本実施例では、記録材Pの搬送方向において定着ニップNの全域にわたり定着ベルト52の内周面に接触し、且つ、定着ベルト52の内周面及び分離ローラ56の外周面と摺動自在なシート部材は、第1層と第2層との二層構成を有する。即ち、本実施例では、加圧パッド100は、弾性層101と滑性シート103との間に、バックアップシート104を備えている。滑性シート103は、シート部材の第1層を構成し、バックアップシート104は、シート部材の第2層を構成する。バックアップシート104は、厚みが0.1mmのバネ用ステンレス鋼板であり、ガラスクロスシートで形成される滑性シート103よりも大きな剛性を有している。バックアップシート104は、滑性シート103よりも高剛性であるが、加圧パッド100及び分離ローラ56によって押圧されて定着ベルト52の内周面に整合することができる程度の可撓性を有している。
バックアップシート104は、記録材Pの搬送方向上流側においては弾性層101と滑性シート103との間に挟まれ、記録材Pの搬送方向下流側においては滑性シート103の折り返し部132の近傍まで滑性シート103に挟まれている。即ち、バックアップシート104は、弾性層101の定着ローラ51側の外側面上に積層状態で配置される。又、バックアップシート104の記録材Pの搬送方向上流側の端部は、弾性層101の同方向側の端部と略同位置にあり、記録材Pの搬送方向下流側の端部は、弾性層101を超えて、定着ニップNの分離ローラニップよりも下流側まで延びている。そして、弾性層101の記録材Pの搬送方向上流側に面した外側面111、バックアップシート104の定着ローラ51側の外側面141、バックアップシート104の弾性層101よりも記録材Pの搬送方向下流側における定着ローラ51とは反対側の面、及び弾性層101の記録材Pの搬送方向下流側に面した外側面113が、連続した一枚の滑性シート103によって覆われている。又、本実施例では、ベースプレート102の記録材Pの搬送方向上流側に面した外側面121、及び記録材Pの搬送方向下流側に面した外側面122も、連続した滑性シート103により一緒に覆われている。
このようにして、バックアップシート104は、定着ニップNの全域にわたり、滑性シート103を挟んで、定着ベルト52の内周面に沿って配置されている。これにより、本実施例では、定着ニップNの加圧パッドニップと分離ローラニップとの間において、滑性シート103の張力による押圧力に加え、バックアップシート104の剛性によって、定着ベルト52の内周面を定着ローラ51に対して押圧する力が作用する。
本実施例のベルト定着装置5は、上記構成を有することによって、図6に示すように、実施例1に比べて、定着ニップN内での圧抜けが更に発生しにくい。
従って、特に透気度の低い厚紙コート紙上の未定着トナー像を定着する場合においても、加圧パッド100と分離ローラ56との境界領域に未定着トナー層内の空気が滞留することを抑制することができる。
そして、空気が、部分的に記録材Pと定着ローラ51との界面に空隙を生じさせるとともに、定着ローラ51から記録材Pへの熱伝導を阻害し、空気の滞留部と非滞留部で該熱伝導が異なることで光沢が異なるという現象を抑制することができる。
尚、図6は、図3の場合と同様にして測定した、本実施例と実施例1との定着ニップ圧力分布を比較して示す。本実施例、実施例1のそれぞれにおける圧力P(X)の最小値を図6に示した。
以上、本実施例によれば、定着ニップNの全域にわたり定着ベルト52の内周面を定着ローラに向けてより良好に押圧する部材を備えることにより、定着ニップN内の圧抜けが更に減少され、光沢ムラなどの画像不良の発生を更に抑制することができる。
尚、前述のように、滑性シート103の記録材Pの搬送方向下流側の端部が折り返されておらず、例えば、定着ニップNの出口部bよりも記録材Pの搬送方向下流側に一方の端部が配置されるようにしてもよい。この場合、少なくともバックアップシート104の分離ローラ56に接触する面は、当該分離ローラ56と摺動自在とする。斯かる構成によっても、滑性シート103を、定着ニップNの全域にわたり定着ベルト52の内周面に接触するようにすると共に、その全域でバックアップシート104が滑性シート103をバックアップするようにできる。
51 定着ローラ
52 定着ベルト
53 ベルトユニット
55 入口ローラ
56 分離ローラ
57 テンションローラ
100 加圧パッド
101 弾性層
102 ベースプレート
103 滑性シート
104 バックアップシート
P 記録材
T トナー像

Claims (3)

  1. 記録材上の画像をニップにおいて加熱する加熱回転体と、
    前記加熱回転体との間に前記記録材を挟持して搬送する前記ニップを形成する無端状のベルトと、
    前記記録材の搬送方向における前記ニップの上流側端部側において前記ベルトを前記加熱回転体に向けて押圧するパッド部材と、
    前記記録材の搬送方向における前記ニップの下流側端部側において前記ベルトを前記加熱回転体に向けて押圧して前記ベルトとともに回転するローラと、
    前記ベルトの内周面と前記パッド部材との間及び前記ベルトの内周面と前記ローラとの間の両方に挟持され、前記ニップの全域にわたり前記ベルトの内周面に接触すると共に、前記ベルト及び前記ローラが回転することで前記ベルトの内周面及び前記ローラに対して摺動するシート部材と、
    を有することを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記シート部材は、前記ニップの全域にわたり前記ベルトの内周面に接触する第1層と、前記パッド部材及び前記ローラによって前記加熱回転体に向けて押圧されて前記ニップの全域にわたり前記第1層を前記ベルトの内周面に向けて押圧する第2層と、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記シート部材の前記第2層は、前記第1層よりも高剛性であることを特徴とする請求項2に記載の画像加熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014062957A (ja) * 2012-09-20 2014-04-10 Fuji Xerox Co Ltd 搬送装置、定着装置、画像形成装置
JP2016009085A (ja) * 2014-06-24 2016-01-18 株式会社沖データ 画像形成装置

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